図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。図1に示すPOSシステム1は、3台のPOS端末20-1、POS端末20-2、POS端末20-3と、ストアコントローラ(ストアコンピュータ、管理装置)10を備え、夫々はLAN11を介して通信可能に接続されている。以下、POS端末20-1、20-2、20-3について特に区別しない場合には、POS端末20と総称する。なお、POSシステム1は、POS端末20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末20を制御したりする監視端末(非図示)を更に備えていてもよい。
POSシステム1は、種々の店舗(コンビニストア、スーパーマーケット等)に導入可能である。
図2は、POS端末20の設置例を示す図である。図2(A)は、POS端末20等を客側から見た斜視図である。図2(B)は、POS端末20等を店員側から見た斜視図である。図2(A)に示すように客側から見てPOS端末20の右側にカウンタが置かれている。
図3は、POS端末20の外観例を示す図である。図3(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。図3(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。図4は、POS端末20の構成例を示す図である。図3及び図4において、同一部分には同一符号を付している。
以下、図3を参照しつつ、図4に示したPOS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。なお、符号211a、211b、211cについては後述する。
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、商品を登録する登録処理において生成した登録情報(登録データ)、買上商品を精算(決済)する精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
客側表示部205は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。
例えば、客側スキャナ部206は、商品に付されているバーコード(商品コード等)や、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を光学的に読み取る。客側スキャナ部206は、上記に加えて、品券類(商品券、クーポン券、優待券)や、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を読み取ってもよい。客側スキャナ部206や、後述する店員側スキャナ部212には、例えば、CCDカメラが用いられ、オブジェクト認識スキャナの機能を有する。
なお、客側スキャナ部206は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示されている場合、客は、当該プリセットキーを操作(押下)し、商品を登録してもよい。
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、ポイントカード等)による決済機構である。カード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備える。カード認識部は、各種カードの情報を磁気的又は電気的に読み取る。読み取られた情報は、買上商品の決済(精算)を用いられる。なお、カード認識部は、今回の買上商品の決済(精算)に認識した情報を使用する場合(つまり、クレジットカードによるクレジット決済の場合、プリペイドカードによるプリペイドカード決済の場合、ポイントカードの保有ポイントを使用(消費)する場合等)に加えて、今回の買上商品の決済(精算)に認識した情報を使用しない場合(例えば、クレジットカードの提示による特典付与の場合、ポイントカードにポイントを付与する場合等)にも、各種カードを認識してもよい。なお、本実施形態のカード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、カード決済部208は、少なくともカード認識部を備えるものであればよい。また、本実施形態のカード認識部は、接触型のカード(ICカード、磁気カード)に対応するものであるが、接触型のカードに代えて又は加えて、非接触型のカード(ICカード)に対応するものであってもよい。
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。当該釣銭機209は、客側に向けられており、客が操作するものである。なお、紙幣や硬貨が投入口に投入された場合にはセンサによって検出(投入があった旨の検出、金種別の枚数の検出等)される。カード決済部208と釣銭機209とにより、精算部が形成される。
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部211は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。店員側スキャナ部212は、上記に加えて、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを読み取ってもよい。
なお、店員側スキャナ部212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録してもよい。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録してもよい。
印刷部213は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷、発行する。印刷部213は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更可能である。印刷部213の向きは、手動で変更してもよいし、例えば動作モード(詳細は後述)が切り替わることに基づいて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部213の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。なお、動作モードが切り替わることを動作モードが移行するとも言う。
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部215は、他端末(他のPOS端末20、ストアコントローラ10)との間において情報を送受信する。
(各動作モードの概要)
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、複数の動作モードを有する。当該動作モードは、通常業務中の動作モード(登録処理及び精算処理に係る動作モード)であり、売上や在高等を集計、照会等する集計モード、店員や保守員等が設定作業や保守作業を行う際のメンテナンスモード、新人がトレーニングを行う際のトレーニングモード等は含まない。
図5は、POS端末20の動作モードの概略を説明する図である。POS端末20は、例えば、図5(A)に示した3種類の動作モード(通常モード(標準モード)、フルセルフモード、セミセルフモード(会計専用モード))を有する。また、POS端末20は、図5(A)の通常モード(標準モード)に代えて又は加えて図5(B)の通常モード(制限モード)を有してもよい。また、POS端末20は、図5(A)の通常モード(標準モード)に代えて又は加えて図5(B)のセミセルフモード(登録専用モード)を有してもよい。また、POS端末20は、図5(A)のセミセルフモード(会計専用モード)に代えて又は加えて図5(B)のセミセルフモード(登録専用モード)を有してもよい。
図5(A)において、列は、各動作モードを示し、行は、各機能(「商品登録(店員側)」、「商品登録(客側)」、「貨幣の投入」、…、「お会計券の読取」)を示している。図5(B)においても同様である(但し、図5(B)においては各機能の図示を省略している)。
図5(A)(図5(B)も同様)において、列と行から特定される欄内の「〇」は、当該列の動作モードでは当該行の機能を有効としている旨を示している。例えば、列「通常モード(標準モード)」と行「商品登録(店員側)」から特定される欄内の「〇」は、通常モード(標準モード)では商品登録(店員側)を有効としている旨を示している。また、列と行から特定される欄内の「-」は、当該列の動作モードでは当該行の機能を無効としている旨を示している。例えば、列「通常モード」と行「商品登録(客側)」から特定される欄内の「-」は、通常モードでは商品登録(客側)を無効としている旨を示している。
(各機能の説明)
以下、図5(A)に示した各機能の概略を説明する。
(商品登録(店員側))
「商品登録(店員側)」は、買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する機能である。つまり、店員の操作(店員側スキャナ部212によるスキャン、店員側表示部210へのタッチ、キー操作部211の操作)により、買上商品の登録処理を実行する機能である。
(商品登録(客側))
「商品登録(客側)」は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する機能である。つまり、客の操作(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する機能である。
(貨幣の投入)
「貨幣の投入」は、貨幣(紙幣、硬貨)の投入を受け付ける機能である。つまり、現金による精算の操作(釣銭機209への貨幣の投入)を受け付ける機能である。
(他端末への登録情報の送信)
「他端末への登録情報の送信」は、登録処理において生成された登録情報を他端末(精算処理を実行可能な他端末。例えば、他のPOS端末20)に送信(直接的に他端末に送信、又は、ストアコントローラ10や監視端末などを経由して間接的に他端末に送信。以下、同様)する機能である。
(お会計券の発行)
「お会計券の発行」は、登録処理において生成した登録情報等をコード化し、印刷した媒体(お会計券)を発行する機能である。
(他端末からの登録情報の受信)
「他端末からの登録情報の受信」は、他端末の登録処理において生成された登録情報を受信(直接的に他端末から受信、又は、ストアコントローラ10や監視端末などを経由して間接的に他端末から受信。以下、同様)する機能である。なお、他端末から登録情報を受信した端末は、当該登録情報に基づいて精算処理を実行する。
(お会計券の読取)
「お会計券の読取」は、お会計券(具体的にはお会計券に印刷されているコード、あるいは、コード化されている情報)を読み取る機能である。なお、他端末において発行されたお会計券を読み取った端末は、お会計券を読み取ることによって取得される登録情報に基づいて精算処理を実行する。
(各動作モードの説明)
続いて、図5(A)及び図5(B)に示した各動作モードの概略を説明する。
(通常モード(標準モード))
通常モード(標準モード)は、図5(A)に示すように、商品登録(店員側)を有効「〇」とし、商品登録(客側)を無効「-」とした動作モードである。つまり、通常モード(標準モード)は、客側においては登録処理を実行せずに店員側において登録処理を実行する動作モードである。
また、通常モード(標準モード)は、図5(A)に示すように、貨幣の投入も、他端末への登録情報の送信も、お会計券の発行も、いずれも有効「〇」とした動作モードである。つまり、通常モード(標準モード)では、店員側における登録処理の後の精算処理について、自端末において実行することも他端末に実行させることも可能である。具体的には、通常モード(標準モード)では、釣銭機209への貨幣の投入を受け付けることによって精算処理を自端末で実行し、他端末に登録情報を送信することによって(またはお会計券を発行することによって)精算処理を他端末に実行させる。
また、通常モード(標準モード)は、図5(A)に示すように、他端末からの登録情報の受信も、お会計券の読取も、いずれも有効「〇」とした動作モードである。つまり、通常モード(標準モード)では、他端末において生成された登録情報に基づいて精算処理を実行可能である。なお、登録情報の受信後(またはお会計券の読取後)の精算処理は、図5(A)のセミセルフモードとして実行してもよい。すなわち、通常モード(標準モード)であるときに、登録情報を受信した(またはお会計券を読み取った)場合には、通常モード(標準モード)からセミセルフモード(会計専用モード)に自動的(店員による許可を求めてもよい)に移行し、セミセルフモード(会計専用モード)として精算処理を実行してもよい。また、セミセルフモード(会計専用モード)に移行して精算処理を実行した場合には、セミセルフモード(会計専用モード)から通常モード(標準モード)に自動的(店員による許可を求めてもよい)に移行(復帰)してもよいし、セミセルフモード(会計専用モード)のままとしてもよい。
なお、通常モード(標準モード)において、他端末からの登録情報の受信、お会計券の読取の少なくとも一方を無効「-」としてもよい。
(フルセルフモード)
フルセルフモードは、図5(A)に示すように、商品登録(客側)を有効「〇」とした動作モードである。つまり、フルセルフモードは、客側における登録処理を前提とした動作モードである。但し、フルセルフモードは、商品登録(店員側)も有効「〇」としている。つまり、フルセルフモードは、客側における登録処理を前提としつつ、店員側における登録処理も許容する動作モードである。なお、客側、店員側の両側において登録処理が行われている状態をダブルスキャンモードと称する場合がある。
なお、図5(A)に示した例では、フルセルフモードにおいて、商品登録(店員側)を有効「〇」としているが、フルセルフモードにおいて、商品登録(店員側)を無効「-」としてもよい。
また、フルセルフモードは、図5(A)に示すように、貨幣の投入を有効「〇」とし、他端末への登録情報の送信とお会計券の発行とを無効「-」とした動作モードである。つまり、フルセルフモードは、当該端末における精算処理を前提とした動作モードである。
また、フルセルフモードは、図5(A)に示すように、通常モード(標準モード)と同様、他端末からの登録情報の受信も、お会計券の読取も、いずれも有効「〇」とした動作モードである。つまり、通常モード(標準モード)と同様、フルセルフモードでは、他端末において生成された登録情報に基づいて精算処理を実行可能である。なお、登録情報の受信後(またはお会計券の読取後)の精算処理は、図5(A)のセミセルフモードとして実行してもよい。すなわち、フルセルフモードであるときに、登録情報を受信した(またはお会計券を読み取った)場合には、フルセルフモードからセミセルフモード(会計専用モード)に自動的に移行し、セミセルフモード(会計専用モード)として精算処理を実行してもよい。また、セミセルフモード(会計専用モード)に移行して精算処理を実行した場合には、セミセルフモード(会計専用モード)からフルセルフモードに自動的に移行(復帰)してもよいし、セミセルフモード(会計専用モード)のままとしてもよい。
(セミセルフモード(会計専用モード))
セミセルフモード(会計専用モード)は、図5(A)に示すように、他端末からの登録情報の受信、お会計券の読取、貨幣の投入を有効「〇」とし、商品登録(店員側)や商品登録(客側)を無効「-」とした動作モードである。つまり、セミセルフモード(会計専用モード)は、自端末においては登録処理を実行せず、専ら、他端末において生成された登録情報に基づいて精算処理を実行する動作モードである。なお、セミセルフモード(会計専用モード)では、登録処理を実行しない動作モードであるため(登録情報を生成しないため)、図5(A)に示すように、他端末への登録情報の送信も、お会計券の発行も、無効「-」としている。
(通常モード(制限モード))
通常モード(制限モード)は、図5(B)に示すように、図5(A)の通常モード(標準モード)において有効「〇」としていた他端末への登録情報の送信とお会計券の発行とを無効「-」としたものである。つまり、通常モード(制限モード)は、通常モード(標準モード)においては許容されている他端末に精算処理を実行させる機能を制限した動作モードである。
(セミセルフモード(登録専用モード))
セミセルフモード(登録専用モード)は、図5(B)に示すように、商品登録(店員側)、他端末への登録情報の送信、お会計券の発行を有効「〇」とし、商品登録(客側)、貨幣の投入、他端末からの登録情報の受信、お会計券の読取を無効「-」とした動作モードである。つまり、セミセルフモード(登録専用モード)は、専ら、自端末において登録処理を実行し、他端末に精算処理を実行させる動作モードである。なお、セミセルフモード(登録専用モード)は、店員による登録操作を前提としているため、商品登録(客側)を無効「-」としている。
(機能の有効、無効について)
なお、上記では、POS端末20は、動作モードに応じて、POS端末20自身が備える各種の機能(図5(A)の商品登録(店員側)、商品登録(客側)、貨幣の投入、…、お会計券の読取)の夫々について、有効「〇」であるか無効「-」であるかが異なる旨を説明した。換言すれば、上記では、POS端末20は、全部の機能(図5(A)の商品登録(店員側)、商品登録(客側)、貨幣の投入、…、お会計券の読取)を元々有し、うち一部の機能を動作モードに応じて無効とする旨を説明した(例えば、図5(A)に示すように、POS端末20は、通常モード(標準モード)であるときは商品登録(客側)を無効「-」とし、フルセルフモードであるときは他端末への登録情報の送信とお会計券の発行とを無効「-」としている)。
しかしながら、POS端末20は、動作モードに応じて実行可能な機能が異なればよく、POS端末20は、必ずしも、全部の機能を元々有し、うち一部の機能を動作モードに応じて無効とするといった構成としなくてもよい。例えば、POS端末20は、初めから全部の機能(該機能を実現するためのプログラム)を有するのではなく、動作モードに応じて(例えば、動作モードの切り替えに際し)、当該動作モードにおいて必要となる機能(図5において有効「〇」とした機能に相当する機能)を実現するためのプログラムを外部(例えば、ストアコントローラ10、監視端末、店外のサーバ(クラウド等)等)から取得して実行可能な状態とするとともに、当該動作モードに不要な機能(図5において無効「-」とした機能に相当する機能)を実現するためのプログラムが存在する場合(保持する場合)には当該プログラムを実行不能な状態としてもよい(例えば消去するようにしてもよい)。なお、不要な機能を実現するためのプログラムを実行不能な状態とした後に必要な機能を実現するためのプログラムを取得して実行可能な状態としてもよい。また例えば、POS端末20は、動作モードの切り替えに際し、移行先の動作モードに関わらず、一旦、全部のプログラムを実行不能な状態とした後に、当該動作モードにおいて必要となる機能を実現するためのプログラムを外部から取得して実行可能な状態としてもよい。つまり、POS端末20の構成としては、動作モードに応じて、元々具備する各種の機能のうちの一部を無効「-」にするといったものであってもよいし、動作モードに応じて、必要な機能のみを適宜を具備させるといったものであってもよい。
以上、図5(A)の通常モード(標準モード)、フルセルフモード、セミセルフモード(会計専用モード)、図5(B)の通常モード(制限モード)、セミセルフモード(登録専用モード)について説明したが、以下、図5(A)の通常モード(標準モード)、フルセルフモード、セミセルフモード(会計専用モード)を中心に説明する。なお、以下の説明において、通常モード(標準モード)を単に通常モードと称する場合がある。また、セミセルフモード(会計専用モード)を単にセミセルフモードと称する場合がある。
(動作モードの切り替え(移行))
続いて、POS端末20の動作モードの切り替え(移行)について説明する。POS端末20は、基本的には、店員による動作モードの切り替えるための明示的なモード切替操作(モード移行操作とも称する。詳細は後述する)に従って動作モードが切り替わる。また、POS端末20は、モード切替操作とは異なる他の操作(例えば、店員コードの読み取り等)に従って動作モードが切り替わる場合がある。
また、POS端末20は、店員の操作によらずに、動作モードが切り替わる場合がある。具体的には、POS端末20は、他端末(POS端末20、監視端末、携帯端末等)からのモード切替命令(モード切替指示)に従って動作モードが切り替わる場合がある。また、POS端末20は、時間的な条件(例えば、最後に操作してからの経過時間、スケジュールによる定刻等)に従って動作モードが切り替わる場合がある。また、POS端末20は、処理の開始時(例えば、受信した登録情報に基づく精算処理の開始時、お会計券に基づく精算処理の開始時等)に動作モードが切り替わるようにしてもよい。また、POS端末20は、処理の終了時(例えば、受信した登録情報に基づく精算処理の終了時、お会計券に基づく精算処理の終了時)に動作モードが切り替わるようにしてもよい。
図6は、POS端末20の動作モードの切り替えについて説明する図である。図6の左側は切り替え前後の動作モードの組み合せ(切替前の動作モード→切替後の動作モード)を示し、右側は動作モードの切り替えの条件(一例)を示している。例えば、aの行は、通常モードからフルセルフモードへの動作モードの切り替えの条件の一例として、モード切替操作、モード切替命令、所定時間経過(不使用)である旨を示している。つまり、動作モードが通常モードであるときに、例えば、モード切替操作、モード切替命令、所定時間経過(不使用)などがあった場合には、動作モードが通常モードからフルセルフモードに切り替わる旨を示している。なお、モード切替操作の詳細は後述する。
(通常モード→フルセルフモード)
aに示すように、通常モードであるときに、例えば、モード切替操作、モード切替命令(移行先の動作モードとしてフルセルフモードが特定されているモード切替命令等)、所定時間経過(所定時間の不使用)などがあった場合には、通常モードからフルセルフモードに動作モードが切り替わる。
(通常モード→セミセルフモード(会計専用モード))
bに示すように、通常モードであるときに、例えば、モード切替操作、モード切替命令(移行先の動作モードとしてセミセルフモード(会計専用モード)が特定されているモード切替命令等)などがあった場合には、通常モードからセミセルフモード(会計専用モード)に動作モードが切り替わる。また、通常モードであるときに、例えば、他端末から登録情報を受信した場合やお会計券を読み取った場合に、通常モードからセミセルフモード(会計専用モード)に動作モードが切り替わるようにしてもよい。
(フルセルフモード→通常モード)
cに示すように、フルセルフモードであるときに、例えば、モード切替操作、モード切替命令(移行先の動作モードとして通常モードが特定されているモード切替命令等)などがあった場合には、フルセルフモードから通常モードに動作モードが切り替わる。
(フルセルフモード→セミセルフモード(会計専用モード))
dに示すように、フルセルフモードであるときに、例えば、モード切替操作、モード切替命令(移行先の動作モードとしてセミセルフモード(会計専用モード)が特定されているモード切替命令等)などがあった場合には、フルセルフモードからセミセルフモード(会計専用モード)に動作モードが切り替わる。また、フルセルフモードであるときに、例えば、他端末から登録情報を受信した場合やお会計券を読み取った場合に、フルセルフモードからセミセルフモード(会計専用モード)に動作モードが切り替わるようにしてもよい。
(フルセルフモード→ダブルスキャンモード)
eに示すように、フルセルフモードであるときに、例えば、店員コードの読み取りなどがあった場合には、フルセルフモードからダブルスキャンモードに動作モードが切り替わる。なお、ダブルスキャンモードは、フルセルフモードの一態様(商品登録(客側)の機能に加え、商品登録(店員側)の機能が使用されている状態。図5(A)参照)である。
なお、フルセルフモードであるときに店員コードの読み取りなどがあった場合には、商品登録の状態にかかわらず、常にダブルスキャンモードに動作モードが切り替わるようにしてもよいし、商品登録の状態に応じて異なる動作モードに切り替わるようにしてもよい。例えば、未だ商品の登録が行われていないときに店員コードの読み取りなどがあった場合には(つまり、客による商品登録が行われていない状態では)、フルセルフモードから通常モードに切り替わり、既に商品の登録が行われているときに店員コードの読み取りなどがあった場合には(つまり、客による商品登録が行われている状態では)、フルセルフモードからダブルスキャンモードに切り替わるようにしてもよい。
(セミセルフモード(会計専用モード)→通常モード)
fに示すように、セミセルフモード(会計専用モード)であるときに、例えば、モード切替操作、モード切替命令(移行先の動作モードとして通常モードが特定されているモード切替命令等)などがあった場合には、セミセルフモード(会計専用モード)から通常モードに動作モードが切り替わる。また、セミセルフモード(会計専用モード)であるときに、例えば、精算処理(例えば、受信した登録情報に基づく精算処理、お会計券に基づく精算処理)が終了した場合に、セミセルフモード(会計専用モード)から通常モードに動作モードが切り替わるようにしてもよい。
(セミセルフモード(会計専用モード)→フルセルフモード)
gに示すように、セミセルフモード(会計専用モード)であるときに、例えば、モード切替操作、モード切替命令(移行先の動作モードとしてフルセルフモードが特定されているモード切替命令等)などがあった場合には、セミセルフモード(会計専用モード)からフルセルフモードに動作モードが切り替わる。また、セミセルフモード(会計専用モード)であるときに、例えば、精算処理(例えば、受信した登録情報に基づく精算処理、お会計券に基づく精算処理)が終了した場合に、セミセルフモード(会計専用モード)からフルセルフモードに動作モードが切り替わるようにしてもよい。
なお、モード切替操作は、操作に応じて移行先の動作モードが特定されるものであればよい。例えば、移行先別の夫々のボタンを備える場合(又は表示する場合)には、夫々のボタンを押下するモード切替操作に応じて、夫々の移行先に動作モードが切り替わるようにしてもよい。また、押下毎に移行先が切り替わる1つのボタンを備える場合(又は表示する場合)には、当該ボタンを押下するモード切替操作毎に、動作モードが切り替わるようにしてもよい。
なお、移行先の動作モードを選択するためのボタンと、該ボタンによって選択した動作モードへの移行を決定するためのボタンを別個に備える(又は表示)してもよい。
(モード切替操作による動作モードの移行)
続いて、モード切替操作による動作モードの移行について説明する。POS端末20は、店員による明示的なモード切替操作に従って動作モードが切り替わる(図6参照)。具体的には、キー操作部211の最上段かつ最右端に配置されているモード切替ボタン211a(図3(B)参照)の操作に従って動作モードが切り替わる。
なお、モード切替ボタン211aをキー操作部211の角部に配置したため、動作モードを切り替える際の操作ミスを減らすことができるとともに、容易に動作モードを切り替えることができるようになる。つまり、キー操作部211の角部にモード切替ボタン211aが存在する場合、例えばキー操作部211の中央付近にモード切替ボタン211aが存在する場合に比べ、例えば、操作対象であるモード切替ボタン211aに隣接する他のボタン数が少ないため、慌てて他のボタンを操作するなどの操作ミスが生じ難く、また、操作対象であるモード切替ボタン211aの位置を瞬時に特定できるため、ストレスなくモード切替操作を行うことができる。
更に、モード切替ボタン211aをキー操作部211の右上端(最上段かつ最右端)の角部に配置したため、店員が店員側にいる場合だけでなく客側にいる場合にもモード切替操作を行うことができるようになる。つまり、客側にいる店員は、通常、キー操作部211の各ボタンを視認し得ないが、キー操作部211の右上端に存在するモード切替ボタン211aについては、客側から手を伸ばし、手探り(手の感触)のみで、操作対象であるモード切替ボタン211aを容易に認識し得るため、客側にいる店員は店員側に移動しなくても、モード切替操作を行うことができる。
なお、本実施形態では、モード切替ボタン211aをキー操作部211の右上端の角部に配置しているが、手探りのみで認識し得る位置(比較的容易に認識できる位置)であれば、モード切替ボタン211aをキー操作部211の右上端の角部以外の位置に配置してもよい。また、手探りのみで認識し得る位置(例えば、右上端の角部等)にモード切替ボタン211aを配置することに代えて又は加えて、客側からであっても他のボタンと区別し得るようにモード切替ボタン211aを形成してもよい。例えば、手探りのみで区別しうる程度に、モード切替ボタン211aの大きさを他のボタンの大きさと異ならせるようにしてもよいし、モード切替ボタン211aの形を他のボタンの形と異ならせるようにしてもよいし、モード切替ボタン211aの高さを他のボタンの高さと異ならせるようにしてもよいし(例えば、モード切替ボタン211aが他のボタンよりも飛び出ているようにしてもよいし)、モード切替ボタン211aの表面(手が触れる面)の全部または一部の感触を他のボタンの感触と異ならせるようにしてもよい(例えば、モード切替ボタン211aの表面だけをザラザラ、ボコボコした感触にしてもよいし、モード切替ボタン211aの表面だけに突起や窪みを設けるようにしてもよい)。
なお、本実施形態では、上述のような種々の利点を考慮し、キー操作部211にモード切替ボタン211aを配置しているが、キー操作部211にモード切替ボタン211aを配置することに代えて又は加えて、店員側表示部210に表示される画面上にモード切替ボタン(不図示)を配置するようにしてもよい。
(各動作モードの動作)
図7は、通常モードの動作の概略を説明する模式図である。具体的には、図7は、通常モードにおいて、自端末において精算処理を実行する場合の処理の流れや人(店員、客)の動作を表した模式図である。図8は、通常モードの動作の概略を説明するフローチャートである。具体的には、図8は、通常モードにおいて、自端末において精算処理を実行する場合の動作の概略を説明するフローチャートである。
通常モード(自端末において精算処理を実行する場合も他端末に精算処理を実行させる場合も同様)では、店員は、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する(図7の上段)。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212によるスキャン、店員側表示部210へのタッチ、キー操作部211の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(図7の上段)。
店員による登録処理が完了した場合、客は、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣(現金)を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図7の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への現金の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図7の下段)。
つまり、通常モードにおいて自端末において精算処理を実行する場合、図8に示すように、初めは店員側において、商品がスキャン等され(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、または、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後は(ステップS30:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。なお、ステップS30の小計キーは、登録処理を完了させるための操作キーであり、小計ボタン、登録完了キー、登録完了ボタン、お会計キー、お会計ボタンなどと称する場合もある。
なお、客は、店員による登録処理が完了する迄(合計金額が確定する迄)、待機していてもよいが、登録処理が完了する前に釣銭機209に現金を投入してもよい。つまり、POS端末20は、登録処理中において入金を受付可能である(図7の上段)。
また、客は、登録処理が完了する前に、支払方法(支払種別、決済方法、決済種別とも称する)を選択してもよい。つまり、POS端末20は、登録処理中において支払方法の選択を受付可能である。
また、店員は、客による精算が完了する迄(客がお釣りやレシートが取る迄)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(図7の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(図7の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
また、POS端末20は、お釣りがある場合には、お釣りの取り忘れを防止するため、釣銭機209による釣銭・釣札の払出しを制御し、客が釣銭・釣札を取り除いたことをセンサ等で認識した上で、印刷部213によるレシートの発行を制御してもよい。他の動作モードにおいても同様である。
図9は、通常モードの動作の概略を説明する模式図である。具体的には、図9は、通常モード(標準モード)において、他端末に精算処理を実行させる場合の処理の流れや人(店員、客)の動作を表した模式図である。図10は、通常モードの動作の概略等を説明するフローチャートである。具体的には、図10(A)は、通常モード(標準モード)において、他端末に精算処理を実行させる場合の動作の概略を説明するフローチャートである。なお、図10(B)は、図10(A)の他端末(他の装置)における動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
通常モード(自端末において精算処理を実行する場合も他端末に精算処理を実行させる場合も同様)では、店員は、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する(図9の上段)。つまり、POS端末20(図9の例ではPOS端末20-1)は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(図9の上段)。
店員による登録処理が完了した場合、客は、他のPOS端末20(図9の例ではPOS端末20-2)に移動し、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図9の下段)。つまり、他のPOS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図9の下段)。
なお、他のPOS端末20(POS端末20-2)には、精算処理に必要な情報(POS端末20-1において生成された登録情報等)が供給される。
なお、店員は、POS端末20-1において、精算処理を実行させるPOS端末20(図9の例ではPOS端末20-2、POS端末20-3のいずれか一方)を指定する。あるいは、店員は、POS端末20-1において、精算処理を実行させるPOS端末20(図9の例ではPOS端末20-2やPOS端末20-3)において読み取らせる媒体(お会計券)を発行させてもよい。
つまり、通常モードにおいて他端末に精算処理を実行させる場合、図10(A)に示すように、初めは店員側において、商品がスキャン等され(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、または、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後は(ステップS30:YES)、例えば、精算処理を実行させる他のPOS端末20が指定されると(ステップS31:YES)、指定されたPOS端末20に登録情報が送信され(ステップS32)、登録側の処理が完了する。
なお、店員は、他の端末を指定した後は次客の買上商品を登録可能である(図9の下段)。また、店員は、他の端末を指定した後は不在であってもよい(図9の下段)。
また、図10(A)に示した例では、小計キーの押下後に他のPOS端末20を指定しているが、小計キーを押下せずに他のPOS端末20を指定するようにしてもよい。例えば、登録画面上に小計キーと他のPOS端末20を指定するためのキーとを配置し(更にお会計券を発行するためのキーも配置してもよい)、POS端末20を指定するためのキーが押下された場合に登録情報を送信するようにしてもよい。小計キーを押下せずに他のPOS端末20を指定する態様では、他のPOS端末20を指定するためのキーの押下後に小計キーの押下は不要である。
また、図10(A)に示した例では省略したが、他のPOS端末20において読み取らせるお会計券を発行し、他のPOS端末20に精算処理を実行させるようにしてもよい。なお、お会計券を発行するためのキーは小計キーの押下後に押下されるようにしてもよいし、小計キーの押下前に押下されるようにしてもよい。小計キーの押下前にお会計券を発行するためのキーを押下する態様では、お会計券を発行するためのキーの押下後に小計キーの押下は不要である。
なお、登録情報を受信した他のPOS端末20(図9の例ではPOS端末20-2)は、図10(B)に示すように、登録情報の受信後(ステップS40:YES)、セミセルフモード(会計専用モード)でなければセミセルフモード(会計専用モード)に移行する(切り替わる)。つまり、現在(登録情報の受信時)の動作モードがフルセルフモードであれば(ステップS41:YES)、フルセルフモードからセミセルフモード(会計専用モード)に移行し(ステップS42)、現在の動作モードが通常モードであれば(ステップS43:YES)、通常モードからセミセルフモード(会計専用モード)に移行する(ステップS42)。そして、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、精算側の処理が完了する。
なお、図10(B)に示した例では、登録情報を受信した他のPOS端末20は、登録情報の受信後に、セミセルフモード(会計専用モード)でなければセミセルフモード(会計専用モード)に移行しているが、セミセルフモード(会計専用モード)に移行しなくてもよい。つまり、通常モードやフルセルフモードであっても精算処理は可能であるため(図5参照)、通常モードやフルセルフモードのまま精算処理を実行してもよい。
通常モード(標準モード)は、上述したように、店員側にて登録処理を実行した後に該登録処理において生成した登録情報を用いて自端末の客側にて精算処理を実行する機能(図7、図8参照)と、該登録処理において生成した登録情報を他端末(精算処理を実行可能な他端末。例えば、他のPOS端末20)に送信して該他端末に精算処理を実行させる機能(図9、図10参照)と、該登録処理において生成した登録情報(または該登録情報を取得するための情報)をコード(バーコード、2次元コード等)化して印刷したお会計券を発行して該他端末に精算処理を実行させる機能とを含む。
一方、通常モード(制限モード)は、図5(B)に示したように、上述した通常モード(標準モード)の機能のうち、登録処理において生成した登録情報を他端末に送信して該他端末に精算処理を実行させる機能と、該登録処理において生成した登録情報(または該登録情報を取得するための情報)をコード化して印刷したお会計券を発行して該他端末に精算処理を実行させる機能を制限したモードである。
また、上述した通常モード(標準モード)の機能のうち、登録処理において生成した登録情報を他端末に送信して該他端末に精算処理を実行させる機能と、該登録処理において生成した登録情報(または該登録情報を取得するための情報)をコード化して印刷したお会計券を発行して該他端末に精算処理を実行させる機能は、セミセルフモード(登録専用モード)の機能でもある。つまり、セミセルフモードは、登録専用モードと会計専用モードとに分類可能であるが、セミセルフモード(登録専用モード)は、図5(B)に示したように、登録処理において生成した登録情報を他端末に送信して該他端末に精算処理を実行させる機能と、該登録処理において生成した登録情報(または該登録情報を取得するための情報)をコード化して印刷したお会計券を発行して該他端末に精算処理を実行させる機能とを含む。換言すれば、セミセルフモード(登録専用モード)は、上述した通常モード(標準モード)の機能のうち、店員側にて登録処理を実行した後に該登録処理において生成した登録情報を用いて自端末の客側にて精算処理を実行する機能を制限したモードである。つまり、セミセルフモード(登録専用モード)は、専ら登録処理を実行する動作モードである。
なお、セミセルフモード(会計専用モード)は、図5(A)に示したように、他端末における登録処理において生成された登録情報を受信して精算処理を実行する機能と、他端末において発行されたお会計券を読み取って精算処理を実行する機能を含む。つまり、セミセルフモード(会計専用モード)は、専ら精算処理を実行する動作モードである。
図11は、フルセルフモードの動作の概略を説明する模式図である。図12は、フルセルフモードの動作の概略を説明するフローチャートである。
フルセルフモードでは、客は、自身の買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する(図11の上段)。つまり、POS端末20は、客の操作(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する(図11の上段)。
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に現金を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図11の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への現金の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図11の下段)。
つまり、フルセルフモードの場合、図12に示すように、客側において、商品がスキャン等され(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS40:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。なお、ステップS40に係る登録完了キーは、登録処理を完了させるための操作キーであり、登録完了ボタン、小計キー、小計ボタン、お会計キー、お会計ボタンなどと称する場合もある。
なお、フルセルフモードは、図11に示したように、客側にて登録処理も精算処理も実行するが、店員側は何もできないという訳ではない。つまり、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、例えば、店員側にて商品をスキャンしたり(ダブルスキャンモード)、店員側にて各種の情報を表示したりすることが可能である。
図13は、ダブルスキャンモードの動作の概略を説明する模式図である。図14は、ダブルスキャンモードの動作の概略を説明するフローチャートである。なお、ダブルスキャンモードは、フルセルフモードの一態様であるが、図13、図14では、便宜上、両動作モードを区別して説明する。
フルセルフモードでは、客は、自身の買上商品を客側にて登録する(図11の上段、図13の上段)。つまり、POS端末20は、客の操作により、買上商品の登録処理を実行する(図11の上段、(図13の上段))。
客による登録処理の途中において、店員が、客の買上商品を店員側にて登録する(図13の中段)。つまり、POS端末20は、客の操作による登録処理と店員の操作による登録処理を実行する(図13の中段)。
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に現金を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図13の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への現金の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図13の下段)。
つまり、フルセルフモードにおいて登録処理を実行しているときに(図12参照)、図14(A)に示すように、店員側スキャナ部212において店員コードが読み取られた場合(ステップS110:YES)、動作モードがフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行する(ステップS111)。
ダブルスキャンモードに移行した後は、図14(B)に示すように、店員側スキャナ部212のスキャン等により(ステップS10:YES)、商品を登録し(ステップS11)、客側スキャナ部206のスキャン等により(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)、又は、登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS41:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
なお、ダブルスキャンモードでは、店員は、客による精算が完了する迄(客がお釣りやレシートが取る迄)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(図13の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(図13の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
なお、図14(A)に示したように、フルセルフモードにおいて店員コードが読み取られた場合に動作モードがフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行するが、店員コードの読み取りは、ログイン操作の一つであってもよい。また、フルセルフモードにおいて他の操作(例えば、店員コードの読み取りとは異なるログイン操作)があった場合に動作モードがフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行してもよい。また、ダブルスキャンモードにおいて店員による操作が行われなくなった場合に(例えば、最後の操作の時点から所定時間が経過した場合に)動作モードがダブルスキャンモードからフルセルフモードに移行してもよい。
(動作モードの報知)
各POS端末20は、自端末の現在の動作モードを報知してもよい。例えば、各POS端末20は、店員側表示部210において自端末の現在の動作モードを表示してもよい。具体的には、各POS端末20は、店員側表示部210に自端末の動作モード表示欄を有する画面を表示し、該画面上の動作モード表示欄に自端末の現在の動作モードを表示してもよい。また、各POS端末20は、各動作モードに対応する画像(例えば、ボタン風の画像)を配置した画面を店員側表示部210に表示し、該画面上において自端末の現在の動作モードを対応する画像を現在の動作モードに対応しない画像とは異なる表示態様(例えば、他の画像の表示態様よりも目立つ表示態様)にて表示してもよい。例えば、通常モードとフルセルフモードの2つの動作モードにより運用する場合、通常モード画像とフルセルフモード画像とを常に表示するとともに、自端末の現在の動作モードが通常モードであるときには通常モード画像をフルセルフモード画像よりも目立つ表示態様にて表示し、自端末の現在の動作モードがフルセルフモードであるときにはフルセルフモード画像を通常モード画像よりも目立つ表示態様にて表示するなどしてもよい。なお、各POS端末20は、客側表示部205においても同様に自端末の現在の動作モードを表示してもよい。
また、各POS端末20は、自端末の現在の動作モードに代えて又は加えて、他端末の現在の動作モードを報知してもよい。つまり、各POS端末20が互いに他端末の現在の動作モードを認識することにより、他端末の現在の動作モードを報知してもよい。各POS端末20が互いに他端末の現在の動作モードを認識する方法の一例は、各POS端末20が動作モードの移行後に移行後の動作モード(最新の動作モード)を他端末に通知(LAN11を介して、他端末に直接的に通知、または、ストアコントローラ10や監視端末などを経由して他端末に通知)する方法である。また、各POS端末20は、他端末の現在の動作モードと同様、他端末の現在の処理状況を報知してもよい。
また、各POS端末20は、自端末の現在の動作モード等(動作モード、処理状況等)に応じた情報を報知してもよい。例えば、各POS端末20は、自端末の現在の動作モードがフルセルフモードである場合、例えば待機中であるときに、各種の情報を客側表示部205に表示してもよい。また、POS端末20は、自端末の現在の動作モードに応じた情報に代えて又は加えて、他端末の現在の動作モード等に応じた情報を報知してもよい。
なお、店員による操作によって動作モードが切り替わった場合(モード切替操作、店員コードの読み取り等による場合)であっても、店員の操作によらずに動作モードが切り替わった場合(モード切替命令、所定時間経過等による場合)であっても、自端末や他端末の動作モードを報知する。
(動作モードに関する情報の記憶)
各POS端末20は、動作モードに関する情報として、取引(処理)が何れの動作モードにおいてなされたかを記憶してもよい。例えば、通常モード(標準モード)で動作するPOS端末20-1が、ある取引について登録処理及び精算処理を実行した場合には、登録処理及び精算処理を実行したPOS端末20-1は、当該取引に関する情報(例えば、精算情報)として(又は、当該取引に関する情報に対応付けて)、当該取引に関する登録処理及び精算処理が通常モード(標準モード)においてなされた旨の情報(例えば、動作モードを識別可能な情報等)を記憶してもよい。
なお、各POS端末20は、取引(処理)が何れの端末においてなされたかも記憶してもよい。上記例では、POS端末20-1は、取引に関する情報として、自端末(POS端末20-1)において登録処理及び精算処理が実行された旨の情報を記憶してもよい。より詳細には、POS端末20-1は、登録処理を実行した端末の識別情報(端末識別情報)として自端末の端末識別情報を記憶するとともに、精算処理を実行した端末の端末識別情報として自端末の端末識別情報を記憶してもよい。あるいは、POS端末20-1は、当該処理全体(登録処理、精算処理)を実行した端末の端末識別情報として自端末の端末識別情報を記憶してもよい。
また、例えば、初めに、通常モード(標準モード)で動作するPOS端末20-1が、ある取引について登録処理を実行し、続いて、セミセルフモード(会計専用モード)で動作するPOS端末20-2が、上記登録処理による登録情報に基づいて当該取引について精算処理を実行した場合には、精算処理を実行したPOS端末20-2は、当該取引に関する情報(例えば、精算情報)として(又は、当該取引に関する情報に対応付けて)、当該取引に関する登録処理が通常モード(標準モード)においてなされた旨の情報を記憶するとともに、当該取引に関する精算処理がセミセルフモード(会計専用モード)においてなされた旨の情報を記憶してもよい。また、上記に加えて、登録処理を実行したPOS端末20-1も、当該取引に関する登録処理が通常モード(標準モード)においてなされた旨の情報を記憶してもよい。
なお、上記例では、精算処理を実行したPOS端末20-2は、取引に関する情報として、他端末(POS端末20-1)において登録処理が実行された旨の情報を記憶し、自端末(POS端末20-2)において精算処理が実行された旨の情報を記憶してもよい。より詳細には、POS端末20-2は、登録処理を実行した端末の情報(端末識別情報)として他端末(POS端末20-1)の端末識別情報を記憶するとともに、精算処理を実行した端末の端末識別情報として自端末(POS端末20-2)の端末識別情報を記憶してもよい。なお、上記例では、精算処理を実行するPOS端末20-2の側において、登録処理を実行したPOS端末20-1の端末識別情報と動作モード(具体的には通常モード(標準モード))を識別する情報とが取得できるようになっていればよい。例えば、POS端末20-1の側からPOS端末20-2の側に、POS端末20-1の端末識別情報と動作モードを識別する情報とが供給(例えば、登録情報として送受信、お会計券を介して供給)されるようになっていればよい。
また、各POS端末20は、動作モードに関する情報として、動作モードの移行(切り替わり)について記憶してもよい。例えば、POS端末20-1の動作モードが、ある動作モードから他の動作モードに移行した場合には、当該POS端末20-1は、動作モードの移行時刻とともに、何れの動作モードに移行したかの情報(例えば、移行後の動作モードを識別可能な情報等)を記憶してもよい。また、POS端末20-1は、動作モードの移行時刻とともに、何れの動作モードから何れの動作モードに移行したかの情報(例えば、移行前の動作モードを識別可能な情報、移行後の動作モードを識別可能な情報等)を記憶してもよい。
なお、各POS端末20は、店員による操作によって動作モードが切り替わった場合(モード切替操作、店員コードの読み取り等による場合)であっても、店員の操作によらずに動作モードが切り替わった場合(モード切替命令、所定時間経過等による場合)であっても、動作モードの移行に関する情報を記憶してもよい。上記の場合、各POS端末20は、何に基づいて動作モードが移行したかの情報(例えば、店員コード「×××」の店員による操作によって動作モードが移行した旨、端末識別情報「×××」のPOS端末20からのモード切替命令によって動作モードが移行した旨など)を記憶してもよい。
なお、POS端末20に代えて又は加えて、ストアコントローラ10や監視端末などが、動作モードに関する情報を記憶してもよい。
また、上述のように記憶する動作モードに関する情報は、必要に応じて、出力(表示、送信、印刷等)されるものであってもよい。例えば、POS端末20は、フルセルフモードにおいて出力されるレシートに、フルセルフモードにおいて処理(登録処理、精算処理)された旨の情報(店員にのみが内容を認識できる態様の情報、又は、客にも認識できる態様の情報)を印刷してもよい。他の動作モードにおいて出力されるレシートも同様に印刷してもよい。また、例えば、POS端末20(又は監視端末)は、処理時の動作モードを表示してもよい。一例として、POS端末20(又は監視端末)は、所定の検索画面等に取引番号(取引を識別可能な情報)の入力があった場合に、該当する取引に関し、登録処理と精算処理のうちの少なくとも一方について、処理がなされた端末(端末識別情報等)と動作モード(動作モードを識別可能な情報)とを表示してもよい。
以下の説明において、POS端末20-1、及び、POS端末20-2は通常モード(具体的には通常モード(標準モード))であるものとする。また、POS端末20-3はフルセルフモードであるものとする。
(フルセルフモードのPOS端末20の表示例)
図15及び図16は、フルセルフモードのPOS端末20における表示例である。具体的には、図15(A)、図15(B)、図16(A)~図16(F)は、何れも、フルセルフモードのPOS端末20-3の客側表示部205における表示例である。
図15(A)は、登録処理の開始前の登録開始画面の表示内容を示している。図15(A)において、画面右の登録スタートボタンBT30は、商品登録の開始を指示するためのボタンである。客は、商品登録を開始する際に登録スタートボタンBT30を操作する。画面左下のボタンBT35~BT37は、表示言語を、夫々、英語、中国語、韓国語に切り替えるためのボタンである。
図15(B)は、2品目の商品(大福餅)が登録された状態の登録画面の表示内容を示している。なお、図15(A)に示した登録開始画面において登録スタートボタンBT30が操作された場合、POS端末20-3は、商品が未だ何も登録されていない状態の登録画面を表示するが、説明の便宜上、図15(B)は、既に商品(お茶、大福餅)が登録された後の登録画面を示している。
図15(B)において、画面左下の画像GA01は、他端末(POS端末20-1)の状態(具体的には通常モードである旨)を示している。画面左下の画像GA02は、他端末(POS端末20-2)の状態(具体的には通常モードである旨)を示している。画面右下のお会計ボタンBT32は、商品登録の終了を指示するためのボタンである。客は、商品登録が完了した後にお会計ボタンBT32を操作する。店員呼出ボタンBT33は、店員を呼び出すためのボタンである。客は、店員を呼び出す場合(例えば、店員のサポートが必要な場合等)に店員呼出ボタンBT33を操作する。
なお、ボタンBT35~BT37は、上述したように、表示言語を、夫々、英語、中国語、韓国語に切り替えるためのボタンである。また、「野菜」ボタンBT38は、野菜の各プリセットキー(図17参照)を表示させるためのボタンである。
図16(A)は、精算処理を開始する際に表示する精算画面(支払方法選択画面)の表示内容を示している。例えば、POS端末20-3は、登録画面(図15(B)参照)においてお会計ボタンBT32が操作された場合に、図16(A)に示したような支払方法選択画面を表示する。
図16(B)は、現金による支払を開始する際に表示する精算画面(入金画面)の表示内容を示している。例えば、POS端末20-3は、支払方法選択画面(図16(A)参照)において現金が操作された場合に、図16(B)に示したような入金画面を表示する。
図16(C)は、預り金額を決定する際に表示する精算画面(入金画面)の表示内容を示している。例えば、POS端末20-3は、お支払金額(買上金額)以上の現金(預り金)が投入された場合に、図16(C)に示したような入金画面を表示する。
図16(D)は、釣り銭を放出する際に表示する精算画面(釣銭画面)の表示内容を示している。例えば、POS端末20-3は、入金画面(図16(C))においておわり(レシート)ボタンBT40が操作された場合に、図16(D)に示したような釣銭画面を表示する。
図16(E)は、釣り銭が取り去られた際に表示する精算画面(レシート画面)の表示内容を示している。例えば、POS端末20-3は、釣銭機209の取出口から釣り銭が取り去られた場合に、図16(E)に示したようなレシート画面を表示する。なお、POS端末20は、取出口の近傍にフォトセンサ等のセンサを設置し、該センサが物(客の手を想定)を認識した場合に、釣り銭が取り去られたと判定してもよい。図16(F)は、休止モード(休止状態)であるときに表示する休止画面である。
なお、POS端末20-3は、レシート画面(図16(E))の表示後には、登録開始画面(図15(A))を表示する。例えば、POS端末20-3は、印刷部213の発行口からレシートが取り去られた後に、登録開始画面を表示する。なお、POS端末20は、発行口からレシートが取り去られたことを認識可能なセンサを備えていてもよい。また、釣り銭が発生しない場合には、釣銭画面(図16(D))を表示せずに、入金画面(図16(C))からレシート画面(図16(E))に遷移してもよい。
(通常モードのPOS端末20の表示例)
図17~図22は、通常モードのPOS端末20における表示例である。具体的には、図17(A)、図18(A)、図19(A)、図20(A)、図21(A)、図22(A)は、何れも、通常モード(標準モード)のPOS端末20-1の店員側表示部210における表示例である。図17(B)、図18(B)、図19(B)、図20(B)、図21(B)、図22(B)は、何れも、通常モード(標準モード)のPOS端末20-1の客側表示部205における表示例である。
図17(A)は、店員側表示部210における初期状態の登録画面における表示内容を示している。以下の説明において初期状態とは、別段の断りがない限り、処理が進行していない状態、例えば、商品が未だ何も登録されていない状態、かつ、支払(決済)について未だ何もなされていない状態(支払方法の選択も現金の投入も品券類の登録もなされていない状態等)、かつ、客について未だ何もなされていない状態(会員カード等の読み取り等がなされていない状況等)である。
図17(A)において、画面右上のタブ領域T1は、各表示内容(表示画面)に対応するタブである。POS端末20-1は、当該客の登録処理を中断(中断理由は、買上商品の追加のため店内に戻るためなどである)し、次客の登録処理が可能である。つまり、POS端末20-1は、店員の操作に基づいて、当該客用の登録画面の表示内容(登録内容)を保持(記憶)しつつ、次客用の新たな登録画面を表示する。図17(A)に示した例ではタブは1つ(タブ領域T1)であるが、POS端末20-1は、進行中の登録画面数(客数)に応じた数のタブを表示し(タブ領域T1、T2、T3、…)、タブの操作(押下)に応じて有効(アクティブ)にする登録画面を切り替える。
タブ領域T1には、当該タブを他のタブと識別する情報(図17(A)の例では数字「1」)が表示されている。また、タブ領域T1には、客からの預り金額を表示する表示欄HR01が設けられている。また、図17(A)に示した例では表示していないが、タブ領域T1には、上記以外にも種々の情報(後述)が表示される。
画面左下の画像GA02は、他端末(POS端末20-2)の状態(具体的には通常モードである旨)を示している。画面左下の画像GA03は、他端末(POS端末20-3)の状態(具体的にはフルセルフモードである旨)を示している。
図17(B)は、初期状態の客側表示部205における表示内容を示している。つまり、POS端末20-1は、店員側表示部210において図17(A)に示したように登録画面を表示しているときは、客側表示部205において図17(B)に示したように小画面(小ウィンドウ)SG01を精算画面(入金画面)に重畳させて表示する。
小画面SG01は、支払方法を客に選択させるものである。客は、小画面SG01において、支払方法として現金、クレジットまたは電子マネーの何れかを選択する。客は、支払方法として現金を希望する場合には、小画面SG01において支払方法として現金を選択する前に現金(預り金)を投入してもよい。POS端末20-1は、小画面SG01において何れかの支払方法が選択された場合には小画面SG01を消去する。また、POS端末20-1は、小画面SG01において支払方法が選択される前に現金の投入があった場合には支払方法として現金が選択されたものとして処理し、小画面SG01を消去する。
POS端末20-1は、店員側表示部210に図17(A)の登録画面を表示している状態から、店員によって缶ビールが登録された場合、店員側表示部210に図18(A)に示したような登録画面を表示する。
図18(A)において、画面右下の小計ボタンBT10は、商品登録の終了を指示するためのボタンである。店員は、商品登録が完了した後に小計ボタンBT10を操作(タッチ)する。
20-2レジボタンBT12は、20-2レジ(POS端末20-2)を指定するためボタンである。店員は、登録情報を送信する端末としてPOS端末20-2を指定する場合には20-2レジボタンBT12を操作する。20-2レジボタンBT12に示された「(通常)」は、20-2レジボタンBT12に対応するPOS端末20-2の動作モードが通常モードである旨を示している。
20-3レジボタンBT13は、20-3レジ(POS端末20-3)を指定するためボタンである。店員は、登録情報を送信する端末としてPOS端末20-3を指定する場合には20-3レジボタンBT13を操作する。20-3レジボタンBT13に示された「(フルセルフ)」は、20-3レジボタンBT13に対応するPOS端末20-3の動作モードがフルセルフモードである旨を示している。
お会計券ボタンBT15は、印刷部213にてお会計券を発行させるためのボタンである。店員は、お会計券を読み取ったPOS端末20(客がお会計券を読み取らせたPOS端末20)において処理を実行させる場合にはお会計券ボタンBT15を操作する。
なお、登録情報の送信先のPOS端末20として、通常モードのPOS端末20とフルセルフモードのPOS端末20とを比較した場合、通常モードのPOS端末20よりもフルセルフモードのPOS端末20の方が、登録情報の送信先として好ましい。通常モードのPOS端末20は、基本的に店員が付いて操作を行うものであるため(図7、図8参照)、処理(例えば、登録処理、客対応等)が継続して存在し、登録情報を送信したとしても直ぐに処理できない可能性が高く、また仮に空いているとしても(店員も客も付いていないとしても)、店員のサポートを希望する客に直ちに対応するため基本的に空けておくことが好ましいのに対し、フルセルフモードのPOS端末20は、客が付いていなければ登録情報を送信し直ぐに処理可能であり、仮に客が付いていたとしても単に順番に処理すればよく上述のような問題は生じ難いからである。
上記に鑑み、登録情報の送信先のPOS端末20として好ましいか否か、あるいは、登録情報の送信先が複数存在する場合においてどれがより好ましいかを店員に報知するようにしている。一例として、図18(A)では、登録情報の送信先として比較的好ましいフルセルフモードのPOS端末20-3に対応する20-3レジボタンBT13の輪郭部分を実線で示し、登録情報の送信先として比較的好ましくない通常モードのPOS端末20-2に対応する20-2レジボタンBT12の輪郭部分を破線で示している。なお、上述の輪郭部分による報知は、一例であって、登録情報の送信先のPOS端末20として好ましいか否か、あるいは、登録情報の送信先が複数存在する場合においてどれがより好ましいかを店員が認識できるものであれば報知態様は限定しない。例えば、比較的好ましくない方はボタンの背景色をグレーダウン表示するようにしてもよいし、ボタン全体に罰印や斜線を付加してもよい。また、登録情報の送信先のPOS端末20として好ましいか否か等に応じて、ボタンの表示サイズ、形、表示位置を異ならせてもよいし、ボタンに何らかの情報(「優先」や「推奨」と記したバッヂ風の画像等)を付してもよい。
POS端末20-1は、店員側表示部210において図18(A)に示したような登録画面を表示しているときは、客側表示部205において図18(B)に示したように小画面SG01を精算画面(入金画面)に重畳させて表示する。なお、図17(B)の精算画面(入金画面)では商品が登録されていなかったため合計金額は0円であったが、図18(B)の精算画面(入金画面)では215円の缶ビールが登録されているため合計金額は215となっている。
POS端末20-1は、店員側表示部210に図18(A)の登録画面を表示している状態から、客によって500円が投入された場合、店員側表示部210に図19(A)に示したような登録画面を表示する。
客が500円を投入したため、図19(A)において、画面右上の表示欄HR01には500が表示されている。また、500円を投入したことにより、自端末(POS端末20-1)において精算するということになるため、他端末(POS端末20-2、POS端末20-3)において精算する場合に使用するボタン(20-2レジボタンBT12、20-3レジボタンBT13、お会計券ボタンBT15)を非表示としている(消去している)。
POS端末20-1は、店員側表示部210において図19(A)に示したような登録画面を表示しているときは、図19(B)に示したような精算画面(入金画面)を客側表示部205に表示する。なお、客によって500円が投入されたため、小画面SG01は消去されている。
POS端末20-1は、店員側表示部210に図19(A)の登録画面を表示している状態から、店員によって2品目の商品(アスパラ)、3品目の商品(のり弁当)が登録され、客によって更に500円が投入された場合、店員側表示部210に図20(A)に示したような登録画面を表示する。客が500円を追加投入したため、図20(A)において、画面右上の表示欄HR01には1000が表示されている。
POS端末20-1は、店員側表示部210において図20(A)に示したような登録画面を表示しているときは、図20(B)に示したような精算画面(入金画面)を客側表示部205に表示する。
POS端末20-1は、店員側表示部210に図20(A)の登録画面を表示している状態から、店員によって小計ボタンBT10が操作された場合、店員側表示部210において図21(A)に示したように小画面(小ウィンドウ)SG02を登録画面に重畳させて表示するとともに、客側表示部205に図21(B)に示したような精算画面(入金画面)を表示する。なお、小画面SG02は、精算関連の情報(合計金額、機器入金額(預り金額))を店員に報知するものである。
POS端末20-1は、客側表示部205に図21(B)の精算画面(入金画面)を表示している状態から、客によっておわり(レシート)ボタンBT40が操作された場合、店員側表示部210において図22(A)に示したようにメッセージ画面MG1を登録画面に重畳させて表示するとともに、客側表示部205に図22(B)に示したような精算画面(釣銭画面)を表示する。
メッセージ画面MG1は、釣り銭について店員に報知するものである。POS端末20-1は、店員の操作によらずに(例えば、所定時間経過後自動的に)、登録画面に重畳させて表示しているメッセージ画面MG1を消去する。なお、POS端末20-1は、店員の操作(メッセージ画面MG1上のタッチ等)に応じて、登録画面に重畳させて表示しているメッセージ画面MG1を消去してもよい。
図22以降は図示を省略したが、POS端末20-1は、客側表示部205には、図16(E)以降と同様の精算画面を表示し、店員側表示部210には精算画面に応じたメッセージを表示する。
なお、上記説明では、POS端末20における全体の処理に着目し、何れの処理も進行していない状態(商品未登録、現金未投入、決済種別未選択、品券類未登録、顧客情報未取得の状態)を初期状態と称したが、一部の処理に着目し、初期状態と称する場合があってもよい。例えば、現金投入商品登録状態(商品登録済、現金投入済、決済種別未選択、品券類未登録、顧客情報未取得の状態)は、全体の処理に着目した場合には初期状態とは言えないが、決済種別の選択の状態のみに着目した場合には初期状態であると言ってもよい。また、商品の登録の状態と決済種別の選択の状態の2つの状態に着目した場合には初期状態とは言えないが、決済種別の選択の状態と品券類の登録の状態の2つの状態に着目した場合には初期状態であると言ってもよい。
なお、図21に示した例では、POS端末20-1は、小計キーが操作された場合に、登録画面に重畳させて小画面SG02を表示しているが(図21(A))、POS端末20-1は、小計キーが操作された場合に、登録画面に代えて(切り替えて)、小画面SG02に表示されている情報等を表示する小計画面を表示してもよい。
(動作モード切替処理の一例)
続いて、図23および図24を用いて、POS端末20の動作モード切替処理の一例について説明する。図23は、モード切替ボタンが押下されたPOS端末20が行う動作モード切替処理の一例を示すフローチャートである。なお、いずれのPOS端末20にもモード切替ボタンが設けられているため、いずれかのPOS端末20において、モード切替ボタンが押下された場合に図23に示す処理が開始される。なお、図23のフローチャートに示す処理は、各POS端末20において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される。
ステップS201:POS端末20は、モード切替ボタン211aが押下されたか否かを判断する。POS端末20は、モード切替ボタン211aが押下されない場合、ステップS208に進む。POS端末20は、モード切替ボタン211aが押下された場合、ステップS202に進む。
ステップS202:POS端末20は、他のPOS端末20へモード切替命令を送信し、ステップS203に進む。
ステップS203:POS端末20は、自端末が処理中であるか否かを判断する。ここでいう処理は、例えば、商品の登録処理や、客から支払いを受け付ける精算処理である。POS端末20は、自端末が処理中である場合、ステップS204に進む。POS端末20は、自端末が処理中ではない場合、ステップS206に進む。
ステップS204:POS端末20は、自端末が処理中である旨を報知(表示)し、ステップS205に進む。
ステップS205:POS端末20は、実行中の処理が終了したか否かを判断する。POS端末20は、実行中の処理が終了するまで待機し、実行中の処理が終了すると、ステップS206に進む。
ステップS206:POS端末20は、モード切替処理を行い、ステップS207に進む。モード切替処理は、現在のモードとは異なるモードに切り替える処理であり、例えば、現在のモードとは異なる、通常モード、会計専用モード、フルセルフモードのうちいずれかのモードへ切り替える処理である。
ステップS207:POS端末20は、自端末のモード切替が完了した旨を報知し、ステップS208に進む。
ステップS208:POS端末20は、モード切替命令の送信先である他のPOS端末20から、処理中である旨の情報を受信したか否かを判断する。POS端末20は、他のPOS端末20から、処理中である旨の情報を受信しない場合、ステップS210に進む。POS端末20は、他のPOS端末20から、処理中である旨の情報を受信した場合、ステップS209に進む。
ステップS209:POS端末20は、他のPOS端末20が処理中である旨を報知し、ステップS210に進む。
ステップS210:POS端末20は、他のPOS端末20からモード切替が完了した旨の情報を受信したか否かを判断する。POS端末20は、他のPOS端末20からモード切替が完了した旨の情報を受信しない場合、そのまま、一連の処理を終了する。POS端末20は、他のPOS端末20からモード切替が完了した旨の情報を受信した場合、ステップS211に進む。
ステップS211:POS端末20は、他のPOS端末20のモード切替が完了した旨を報知し、一連の処理を終了する。
次に、図24を用いて、モード切替命令を受信したPOS端末20が行うモード切替処理について説明する。図24は、モード切替命令を受信したPOS端末20が行う動作モード切替処理の一例を示すフローチャートである。図24のフローチャートに示す処理は、各POS端末20において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される。
ステップS221:POS端末20は、モード切替命令を受信したか否かを判断する。POS端末20は、モード切替命令を受信しない場合、そのまま一連の処理を終了する。POS端末20は、モード切替命令を受信した場合、ステップS222に進む。
ステップS222:POS端末20は、自端末が処理中であるか否かを判断する。ここでいう処理は、例えば、商品の登録処理や、客から支払いを受け付ける精算処理である。POS端末20は、自端末が処理中である場合、ステップS223に進む。POS端末20は、自端末が処理中ではない場合、ステップS225に進む。
ステップS223:POS端末20は、モード切替命令の送信元のPOS端末20へ処理中である旨を送信し、ステップS224に進む。
ステップS224:POS端末20は、実行中の処理が終了したか否かを判断する。POS端末20は、実行中の処理が終了するまで待機し、実行中の処理が終了すると、ステップS225に進む。
ステップS225:POS端末20は、モード切替処理を行い、ステップS226に進む。
ステップS226:POS端末20は、モード切替命令の送信元のPOS端末20へモード切替が完了した旨を示す情報を送信し、ステップS227に進む。
ステップS227:POS端末20は、自端末のモード切替が完了した旨を報知し、一連の処理を終了する。
(商品を登録する際の登録方法の遷移について)
次に、図25を用いて、POS端末20が商品を登録する際の登録方法の遷移の一例について説明する。図25は、POS端末20が商品を登録する際の登録方法の遷移の一例を示す説明図である。図25において、登録方法の遷移は、操作者(例えば、客、店員α、店員β)によって異なる。図25の(A1)、(B1)、(C2)に示すように、POS端末20は、いずれの操作者の場合であっても、最初は、商品に付されたシンボルコード(以下「バーコード」という)を読み取るバーコードスキャンによって商品の登録を開始する。バーコードスキャンは、客側スキャナ部206や店員側スキャナ部212がバーコードをスキャンすることにより行われる。
(客の場合の登録方法の遷移)
図25の(A1)に示すように、客による商品の登録の場合、POS端末20は、客用コード読取時間T1が経過するまでバーコードスキャンを行う。バーコードスキャンによりバーコードの読み取りを行うと、POS端末20は、読み取ったバーコードに応じた商品を特定し、特定した商品を登録する。一方で、POS端末20は、バーコードスキャンを開始してから客用コード読取時間T1が経過しても、バーコードを読み取ることができない場合がある。バーコードを読み取ることができない場合とは、例えば、商品の上面、側面、底面など、商品ごとにバーコードが異なる位置に記載されることや、商品の成分表示の横など見にくい位置にバーコードが記載されることがあり、客がバーコードを探すのに手間取る場合である。
バーコードスキャンを開始してから客用コード読取時間T1が経過した場合、POS端末20は、(A2)に示すように、オブジェクト認識スキャンによって商品を特定し、特定した商品の登録を行う。オブジェクト認識スキャンは、公知の技術であるため、詳細な説明を省略するが、以下に簡単に説明する。オブジェクト認識スキャンは、撮像した画像から特徴量を抽出して、その特徴量の類似度を判定することにより商品を特定(登録)する方法である。すなわち、オブジェクト認識スキャンは、商品の形状等の撮像結果(商品の特徴量)に基づいて商品の登録が行われる方法である。具体的には、オブジェクト認識スキャンは、客側スキャナ部206(通常モードにおいて店員が操作する場合は店員側スキャナ部212)がオブジェクト認識スキャナの機能を用いて商品を撮像することにより行われる。また、オブジェクト認識スキャンでは、商品に付された文字画像から文字情報を抽出し、当該文字情報に対応する商品を特定することも可能である。
ここで、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録よりも、バーコードスキャンによる商品の登録を優先して行うこととしている。ただし、商品を特定する処理については、バーコードスキャンとオブジェクト認識スキャンとで、同時に行われてもよいし、異なるタイミングで行われてもよい。商品を特定する処理が同時に行われるとは、例えば、POS端末20が、撮像処理を開始することにより、バーコードによる商品の特定と、オブジェクト認識スキャンによる商品の特定とを同時(ほぼ同時)に行うということである。そして、バーコードによって商品を特定できない場合に(例えば、所定の設定時間が経過した場合や、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録に切り替えるための操作を受け付けた場合に)、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによって特定した商品を登録する。言い換えれば、POS端末20は、バーコードスキャンによって商品を登録することができるか否かにかかわらず、オブジェクト認識スキャンによって商品を特定する処理についても行う。
一方で、商品を特定する処理が異なるタイミングで行われるとは、例えば、POS端末20が、商品を登録するにあたり、撮像処理を開始することにより、まず、バーコードスキャンによる商品の特定を行う。そして、バーコードによって商品を特定できない場合に(例えば、所定の設定時間が経過した場合や、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録に切り替えるための操作を受け付けた場合に)、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによる商品の特定を開始する。言い換えれば、POS端末20は、バーコードスキャンによって商品を特定することができた場合には、オブジェクト認識スキャンによって商品を特定する処理を行わないようにする。
なお、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録に際しては、例えば、商品を一意に特定できないときには、複数の商品(例えばリンゴと梨など)が特定されることがある。この場合、POS端末20は、当該複数の商品を選択候補(登録候補)として表示し、操作者によって選択された商品を登録してもよい。バーコードスキャンによって商品を特定する処理と、オブジェクト認識スキャンによって商品を特定する処理とを、異なるタイミングで行う場合も、同じタイミングで行う場合も、いずれの場合であっても、選択候補(登録候補)は、バーコードによって商品が特定されないときに表示されることとなる。
バーコードスキャンによって商品を特定する処理と、オブジェクト認識スキャンによって商品を特定する処理とを、同じタイミングで行うことにより、バーコードスキャンによって商品を特定できずにオブジェクト認識スキャンによる商品の登録に切り替わる際に、選択候補を迅速に表示することができる。また、バーコードスキャンによって商品を特定する処理と、オブジェクト認識スキャンによって商品を特定する処理とを、異なるタイミングで行うことにより、バーコードスキャンによって商品を特定(登録)する際に、オブジェクト認識スキャンによる商品の特定(特定する処理)が行われないため、バーコードスキャンによって商品を特定(登録)する際のPOS端末20の処理にかかる負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、客側スキャナ部206および店員側スキャナ部212は、それぞれがオブジェクト認識スキャンとバーコードスキャンとを行うことが可能である。ただし、オブジェクト認識スキャンとバーコードスキャンとで異なるスキャナ部を用いてもよい。また、オブジェクト認識スキャンの機能を有していない場合には、POS端末20は、バーコードスキャンによる商品の登録と、プリセットキーによる商品の登録を行えばよい。また、バーコードスキャンの機能を有していない場合には、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録と、プリセットキーによる商品の登録を行えばよい。また、本実施形態では、POS端末20は、客側表示部205と店員側表示部210との2つの表示部を備えることとしたが、これに限らず、一の表示部のみを備えることとしてもよい。
オブジェクト認識スキャンにおいて、POS端末20は、商品を一意に特定することができる場合(選択候補が一つの場合)、特定した商品を、そのまま登録してもよいし、操作者の確認を受け付けた後に登録してもよい。一方で、POS端末20は、商品を一意に特定できない場合、すなわち、複数の選択候補がある場合には、複数の選択候補の中から一の商品の選択を受け付けることにより、商品の登録を行う。
また、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによっても商品の登録を行うことができない場合がある。具体的には、選択候補の数が多すぎる場合や、選択候補を特定することができない場合(選択候補の数が0の場合)や、客からプリセットキーを表示させるための選択を受け付ける場合や、選択候補を表示してから所定時間が経過する場合がある。この場合、POS端末20は、(A3)に示すように、客用のプリセットキー(簡単プリセットキー)を表示して、客用のプリセットキーを用いて商品の選択を受け付けることによって商品の登録を行う。なお、客用のプリセットキーは、POS端末20を取り扱ったことのない客でも容易に商品の登録を行うことができる表示態様や画面遷移で表示される。
(店員αの場合の登録方法の遷移)
(B1)に示すように、店員α(通常の店員)による商品の登録の場合、POS端末20は、店員用コード読取時間T2が経過するまでバーコードスキャンを行う。POS端末20は、バーコードスキャンを開始してから店員用コード読取時間T2(>T1)が経過しても、バーコードを読み取ることができない場合がある。バーコードを読み取ることができない場合とは、例えば、客の場合と同様に、商品によってはバーコードの記載位置が異なり、店員がバーコードを探すのに手間取る場合である。この場合、POS端末20は、(B2)に示すように、店員用のプリセットキーを表示して、店員用のプリセットキーを用いて商品の選択を受け付けることによって商品の登録を行う。
ここで、バーコードスキャンにおいて、店員αが商品を登録する際の店員用コード読取時間T2は、客が商品を登録する際の客用コード読取時間T1よりも長い。これは、店員αの場合、各商品について、バーコードの位置を把握していることから、多少時間を要しても(店員用コード読取時間T2としても)、バーコードを用いた正確な商品の登録を行うことができるためである。一方で、客の場合、各商品のバーコードの位置を把握していないことが多く、バーコードを探すのに時間を要し、すなわち、商品の登録に時間を要し、客にとって商品の登録操作が負担になるおそれがある。そこで、客の場合には、バーコードスキャンに要する時間を、店員用コード読取時間T2よりも短時間の客用コード読取時間T1とすることにより、早期にオブジェクト認識スキャンに移行させるようにしている。これにより、登録操作に時間を要することによる客の商品登録に係る負担を軽減することができる。
POS端末20は、(B2)に示すプリセットキーによっても商品の登録を行うことができない場合がある。具体的には、店員がオブジェクト認識スキャンを行うためのボタンを押下した場合や、プリセットキーを表示してから所定時間が経過した場合がある。この場合、(B3)に示すように、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによって商品の登録を行う。
(店員βの場合の登録方法の遷移)
(C1)に示すように、店員β(例えば新人店員などの特定の店員)による商品の登録の場合、POS端末20は、特定店員用コード読取時間T3が経過するまでバーコードスキャンを行う。POS端末20は、バーコードスキャンを開始してから特定店員用コード読取時間T3(<T2)が経過しても、バーコードが読み取れない場合がある。この場合、POS端末20は、(C2)に示すように、オブジェクト認識スキャンによって商品の登録を行う。
ここで、店員βが登録する際の特定店員用コード読取時間T3が、店員αが登録する際の店員用コード読取時間T2よりも短い。店員β(新人店員)の場合、店員α(通常の店員)に比べて、各商品のバーコードの位置を把握していないことや、または、登録する際の操作が遅いことから、バーコードを探すのに時間を要し、客を待たせる時間が長くなるおそれがある。そこで、店員βの場合には、バーコードスキャンに要する時間を、店員用コード読取時間T2よりも短時間の特定店員用コード読取時間T3とすることにより、早めにオブジェクト認識スキャンに切り替えるようにしている。これにより、店員βの場合において、商品の登録に係る時間の低減を図ることができる。
なお、客が登録する際の客用コード読取時間T1は、店員用コード読取時間T2や、特定店員用コード読取時間T3よりも、基本的には短い時間である。ただし、各商品のバーコードを把握している客や、時間を要してでもバーコードによる商品の登録を希望する客もいる。このため、客用コード読取時間T1を、例えば、客の選択により、通常の客用コード読取時間T1よりも長時間に変更することも可能である。一方で、バーコードスキャンによる登録に時間を要し、早期にオブジェクト認識スキャンに切り替えることを希望する客もいる。このため、客用コード読取時間T1を、例えば、客の選択により、通常の客用コード読取時間T1よりも短時間に変更可能にしてもよい。
ただし、バーコードによる商品登録は、最も正確に商品登録(誤登録の少ない商品登録)を行うことができることから、バーコードによる登録を行うことが望ましい。例えば、オブジェクト認識スキャンによる登録では、リンゴと梨を区別できない場合や、種類の異なるリンゴを区別できない場合がある。また、オブジェクト認識スキャンにおいて商品を区別できない場合には、最終的には操作者(客または店員)が商品を選択することになるため、操作者の誤操作によって誤登録が行われるおそれもある。
また、プリセットキーによる登録においても、操作者の誤操作により誤登録が行われる場合がある。本実施形態にかかるPOS端末20は、最初にバーコードスキャンによる商品の登録を行うことにより、操作者の誤操作に伴う商品の誤登録を防止することができる。また、POS端末20は、操作者やコード読取時間に応じてオブジェクト認識スキャンやプリセットキーによる商品の登録を行うことができるため、操作者ごとに商品の登録を好適に支援することができる。
(C2)において、POS端末20は、商品を一意に特定できない場合、すなわち、複数の選択候補がある場合には、複数の選択候補の中から一の商品の選択を受け付けることにより、商品の登録を行う。また、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによっても商品の登録を行うことができない場合がある。具体的には、選択候補の数が多すぎる場合や、選択候補を特定することができない場合や、客からプリセットキーを表示させるための選択を受け付ける場合や、選択候補を表示してから所定時間が経過する場合がある。この場合、POS端末20は、(C3)に示すように、店員用のプリセットキーまたは客用のプリセットキーを表示して、表示したプリセットキーを用いて商品の選択を受け付けることによって商品の登録を行う。
また、(C3)において表示するプリセットキーは、店員用のプリセットキーまたは客用のプリセットキー(簡単プリセットキー)のいずれを表示するかを、店員の選択により設定可能にしてもよい。また、(C3)において表示するプリセットキーは、特定店員用コード読取時間T3に応じて設定してもよく、具体的には、特定店員用コード読取時間T3が店員用コード読取時間T2に近い時間であれば、店員用のプリセットキーを表示し、特定店員用コード読取時間T3が客用コード読取時間T1に近い時間であれば、客用のプリセットキーを表示してもよい。
本実施形態にかかるPOS端末20は、操作者やコード読取時間に応じて、バーコードスキャン、オブジェクト認識スキャン、およびプリセットキーによる商品の登録を行うことができるため、操作者ごとに商品の登録を好適に支援することができる。
(店員が商品を登録する際の登録画面の遷移の一例について)
次に、図26~図30を用いて、店員が商品を登録する際の登録画面の遷移の一例について説明する。図26および図27は、店員が商品を登録する際の店員側表示部210の登録画面の遷移の一例を示す説明図である。なお、店員が商品を登録する際の登録画面の遷移については、図17~図22の各図の(A)に示したが、ここでは、別の画面例について説明する。ただし、図17~図22の各図の(A)に示した画面と、以下に説明する画面とのうち、いずれを表示するかを、店員の選択によって設定可能にしてもよい。
また、以下では、店員用の登録画面と、客用の登録画面(図31~図33参照)とは、似通った画面として説明し、具体的には、登録した商品の表示位置や撮像した商品の表示位置を同様の位置として説明する。ただし、店員用の登録画面と、客用の登録画面とは異なる画面としてもよく、具体的には、例えば、登録した商品の表示位置や撮像した商品の表示位置が異なっていてもよい。
まず、図26および図27を用いて、カップ麺などの形状が統一されており、且つバーコードが付されていることが明らかな商品を登録する場合の登録画面の遷移について説明する。図26の(A)は、商品を登録する前に、店員側表示部210に表示される待機画面を示す。図26の(A)の撮像領域2601には、店員側スキャナ部212によって撮像された商品が表示される。
図26の(B)は、店員側スキャナ部212によって商品が撮像され(商品の存在が検出され)、バーコードスキャンが行われる際の画面を示す。具体的には、撮像領域2601には、例えば、店員が商品に付されたバーコードを店員側スキャナ部212に読み取らせるために、店員側スキャナ部212に商品を近付けて、バーコードを読み取らせる際の画像(例えば動画)が表示される。なお、詳細については、図28を用いて後述するが、(A)に示す待機画面や(B)に示すバーコードスキャン中の画面において、プリセットキーを表示しておいてもよく、具体的には、例えば、プリセットキーと撮像領域2601とを重畳表示し、プリセットキーよりも手前側に撮像領域2601を表示してもよい。
また、図26の(B)に示すバーコードスキャン中には、撮像領域2601に商品の画像を表示しなくてもよい。この場合、撮像領域2601には、例えば、「バーコードを読み取らせて下さい」といった旨を示す報知画面を常時表示してもよい。図26(B)において、店員側スキャナ部212がバーコードを読み取ると、図26の(C)に示す画面に遷移する。
図26の(C)は、店員側スキャナ部212がバーコードを読み取り、当該バーコードに対応する商品が登録された画面を示す。また、図26の(C)の商品表示領域2604には、登録された商品の情報が表示される。これにより、例えば、商品「ゴマラーメン」の登録が完了する。この後、店員は、次の商品を手に取り、店員側スキャナ部212に近付けることにより、同様にして、次の商品の登録を行う。
一方で、図26の(B)において、店員側スキャナ部212が商品を検出してから、商品に付されたバーコードを読み取ることができずに、コード読取時間(店員用コード読取時間T2:図25参照)が経過したとする。この場合には、図27の(D)の画面に遷移する。なお、店員の場合、登録する頻度の高い商品(よく売れる商品)については、バーコードの記載位置を把握しているため、コード読取時間が経過することは殆どないが、登録する頻度の低く且つコードの記載位置が分かりにくい商品を登録する場合には、コード読取時間が経過することがある。
図27の(D)に示す画面には、プリセットキー2605が表示されている。プリセットキー2605は、店員用のプリセットキーである。プリセットキー2605は、店員がプリセットキーの選択ボタンの位置を把握する(覚える)ことが可能であるという観点から、例えば、客用のプリセットキーに比べて、機能性や操作性の高いボタン配置や画面の遷移となっている。具体的には、例えば、プリセットキー2605は、店員が押下しやすいボタンの配置としたり、表示内容や表示ボタンに記号や略語が用いられていたりする。
また、プリセットキーによる登録では、商品を検索する際の絞り込みの手順が簡素化されていたりする。店員は、プリセットキー2605を操作して、商品「ゴマラーメン」を選択したとする。この場合、図27の(E)に示すように、商品の登録が完了し、商品表示領域2604に、登録された商品の情報が表示される。なお、図27の(E)は、例えば、図26の(C)と同一の画面である。
一方で、店員がプリセットキー2605の中から、商品「ゴマラーメン」を見つけることができず、商品「ゴマラーメン」を選択することができない場合がある。この場合において、例えば、オブジェクト認識スキャンを表示させるためのオブジェクト認識スキャン表示ボタン2606を店員が押下したり、図27の(D)に示す画面を表示してから所定時間が経過したりしたとすると、図27の(F)に示す画面に遷移する。なお、ここでいう所定時間は、予め設定された一定の時間としてもよいし、店員ごとに設定される時間としてもよい。
図27の(F)に示す画面には、オブジェクト認識スキャンによる撮像結果に基づく選択候補が表示されている。図27の(F)において、店員が「はい」を示す確認ボタンを押下すると、図27の(E)に示すように、商品の登録が完了する。なお、店員が商品を登録する場合において、カップ麺などの形状が統一されており、且つバーコードが付されている商品については、オブジェクト認識スキャンにおいて商品に付された文字等を画像解析することにより商品を一意に特定することができる。このように、商品を一意に特定することができる商品については、確認ボタンによる操作者の確認を受け付けることなく、オブジェクト認識スキャンによる登録候補を自動的に登録してもよい。
一方で、店員が「いいえ」を示す確認ボタンを押下すると、例えば、以下のa~cのいずれかを行えばよい。
a.オブジェクト認識スキャンによる他に登録候補があれば、他の登録候補を表示して、店員の選択を受け付ける。
b.最初からやり直す(図26の(B)の画面に戻り、バーコードスキャンを再度行う。)。
c.1つ前の画面に戻る(図27の(D)に示す画面に戻り、プリセットキーによる入力を行う。)。
図26および図27に示したように、POS端末20は、店員が商品を登録する場合には、最初にバーコードスキャンによる商品の登録を可能にし(図26の(B)、(C))、バーコードスキャンによる商品の登録ができない場合には、プリセットキーによる商品の登録を行うこととした(図27の(D))。これにより、バーコードスキャンによって商品を登録することができない場合には、プリセットキーによる登録に切り替えることができるため、店員は、商品を迅速に登録することができる。
(店員側表示部210に表示されるバーコードスキャン中の画面の他の一例)
ここで、図28を用いて、店員側表示部210に表示されるバーコードスキャン中の画面の他の一例について説明する。図28は、店員側表示部210に表示されるバーコードスキャン中の画面の他の一例を示す説明図である。なお、図28の(A1)、(A2)、(A3)は、いずれもバーコードスキャン中の画面として説明するが、待機中の画面についても同様である。
図28の(A1)に示すバーコードスキャン中の画面には、図27の(D)に示したプリセットキー2605が表示されている。コード読取時間が経過する前であっても、プリセットキー2605の各領域がタッチされると、タッチされた領域に対応する商品が登録される。(A1)に示す画面によれば、バーコードスキャンにおけるコード読取時間の経過を待たなくても、プリセットキー2605を表示することができる。これにより、店員は、バーコードスキャンによる商品の登録と、プリセットキー2605による商品の登録とのいずれかを商品に応じて選択することができる。したがって、店員は、商品の登録を迅速に行うことができる。
また、(A1)では、撮像領域2601が表示されておらず、撮像領域2601を表示させるための選択ボタン2801が表示されている。(A1)において、選択ボタン2801が押下されると、撮像領域2601が表示される。なお、(A1)に示したように、撮像領域2601を表示させないときには、オブジェクト認識スキャンを禁止してもよい。これにより、POS端末20における処理の負荷を軽減することができる。
また、図28の(A1)においては、撮像領域2601を表示していないが、撮像領域2601を小画面で表示してもよい。また、当該小画面がタッチされると、通常の大きさで(図26参照)で撮像領域2601を表示してもよい。
また、図28の(A2)に示すバーコードスキャン中の画面には、小画面表示されたプリセットキー2802が表示されている。コード読取時間が経過する前であっても、プリセットキー2802に示す商品がタッチされると、タッチされた商品が登録される。また、プリセットキー2802がタッチされると、(A1)に示すように、拡大されたプリセットキー2605を表示してもよい。また、プリセットキー表示ボタン2803の表示領域の大きさは、店員の操作により、任意の大きさに変更可能であってもよい。具体的には、店員側表示部210をタッチしてピンチアウトすることで(店員側表示部210に2本の指をタッチして、2本の指の間を広げるように動かすことで)、プリセットキー表示ボタン2803が拡大されてもよい。
同様に、撮像領域2601の表示領域の大きさについても、店員の操作により、任意の大きさに変更可能としてもよい。また、図28の(A2)では、プリセットキー2802を小画面表示しているが、小画面表示せずに、例えば、(A1)に示すプリセットキー2605に撮像領域2601を重畳表示(手前に表示)してもよい。この場合、店員が撮像領域2601をタッチすると、撮像領域2601よりも手前にプリセットキー2605が表示され、プリセットキー2605に表示される各ボタンに対する操作を有効にしてもよい。
(A2)に示す画面によれば、撮像による商品の登録操作を店員に視認可能にすることができる。また、(A1)の画面と同様に、店員は、バーコードスキャンによる商品の登録と、プリセットキー表示ボタン2803による商品の登録とのいずれかを商品に応じて選択することができる。
また、図28の(A3)に示すバーコードスキャン中の画面には、プリセットキーを表示させるためのプリセットキー表示ボタン2803が表示されている。プリセットキー表示ボタン2803が押下されると、例えば、図28の(A1)に示した拡大表示されたプリセットキー2605を表示してもよいし、(A2)に示した小画面表示されたプリセットキー2802を表示してもよい。(A3)に示す画面によれば、店員の選択により、プリセットキーを表示させて、プリセットキーを用いた商品の登録を行うことができる。
(店員が商品を登録する際の登録画面の遷移の他の一例について)
次に、図29および図30を用いて、野菜などの形状が統一されておらず、且つバーコードが付されていることが明らかではない商品を登録する場合の登録画面の遷移について説明する。図29および図30は、店員が商品を登録する際の店員側表示部210の登録画面の遷移の他の一例を示す説明図である。なお、以下の説明において、図26~図29を用いて説明した内容と同一内容については同様の符号を付し、説明を省略することとする。
図29の(A)は、商品を登録する前に、店員側表示部210に表示される待機画面を示す。図29の(B)は、店員側スキャナ部212によって商品が撮像(検出)され、バーコードスキャンが行われている際の画面を示す。ここで、野菜や果物などの場合、バーコードが付されている場合もあれば、付されていない場合もある。具体的には、例えば、商品によっては、商品を縛るテープや商品のラッピングにバーコードが付されている場合もあれば、テープやラッピングが施されておらず、バーコードが付されていない場合もある。
図29の(B)において、POS端末20は、オブジェクト認識スキャンの結果、撮像した商品が野菜や果物であると判断した場合には、バーコードが付されていない可能性があることから、「バーコードなし」を示す選択ボタン2901を表示する。なお、選択ボタン2901は、図29の(A)や図26(A)に示す待機画面において、初めから表示されていてもよい。
図29の(B)に示すバーコードスキャン中の画面において、例えば、商品「白菜」に付されたテープにバーコードが記載されており、店員側スキャナ部212がバーコードを読み取ったとする。この場合、図29の(C)に示す画面に遷移し、商品が登録される。そして、図29の(C)の商品表示領域2604には、商品「白菜1玉」が登録されたことを示す旨が表示される。この後、店員は、次の商品を手に取り、店員側スキャナ部212に近付けることにより、同様にして、次の商品の登録を行う。
一方で、図29の(B)において、店員側スキャナ部212が商品を検出してから、商品に付されたバーコードを読み取ることができずに、コード読取時間(店員が登録する際の店員用コード読取時間T2:図25参照)が経過しり、「バーコードなし」を示す選択ボタン2901が選択されたりしたとする。この場合には、図30の(D)の画面に遷移する。
図30の(D)に示す画面には、プリセットキー2605が表示されている。店員は、プリセットキー2605を操作して、商品「白菜1玉」を選択したとする。この場合、図30の(E)に示すように、商品の登録が完了し、商品表示領域2604に、登録された商品の情報が表示される。なお、図30の(E)は、例えば、図29の(C)と同一の画面である。
一方で、店員がプリセットキー2605を操作して、商品「白菜1玉」を選択すること(見つけること)ができない場合がある。この場合において、オブジェクト認識スキャンを表示させるためのオブジェクト認識スキャン表示ボタン2606が押下されたり、図30の(D)に示す画面において所定時間が経過したりしたとすると、図30の(F)に示す画面に遷移する。
図30の(F)に示す画面には、オブジェクト認識スキャンによる撮像結果に基づく選択候補が表示されている。そして、店員が「はい」を示す確認ボタンを押下すると、図30の(E)に示すように、商品の登録が完了する。なお、野菜などの形状が統一されておらず、且つバーコードが付されていることが明らかではない商品については、商品を一意に特定することが困難な場合がある。このような商品の場合には、確認ボタンによる店員の確認を受け付けることとすればよい。
図30の(F)において、店員が「いいえ」を示す確認ボタンを押下すると、図30の(G)に示す画面に遷移する。図30の(G)に示す画面には、複数の選択候補が表示されている。複数の選択候補のうち、いずれかを受け付けると、受け付けた商品が登録される。
また、図30の(G)には、プリセットキーを表示する旨を受け付けるボタンと、最初に戻る旨を示すボタンとが表示されている。プリセットキーを表示する旨を受け付けるボタンが押下されると、図30の(D)に示すプリセットキー2605を表示する画面に戻る。最初に戻る旨を示すボタンが押下されると、図29の(A)に示す画面に戻る。
また、図30の(G)において、客用のプリセットキーを表示させるボタンを表示してもよく、当該ボタンが押下されることにより、客用のプリセットキーを表示してもよい。これにより、バーコードスキャン、店員用のプリセットキー、およびオブジェクト認識スキャンのいずれによっても商品を登録することができない場合に、客用のプリセットキーを用いて商品を登録することも可能になる。
(客が商品を登録する際の登録画面の遷移の一例について)
次に、図31~図34を用いて、客が商品を登録する際の登録画面の遷移の一例について説明する。まず、図31を用いて、カップ麺などの形状が統一されており、且つバーコードが付されていることが明らかな商品を登録する場合の登録画面の遷移について説明する。
図31は、客が商品を登録する際の客側表示部205の登録画面の遷移の一例を示す説明図である。なお、客が商品を登録する際の登録画面の遷移については、図15および図16に示したが、ここでは、別の画面例について説明する。なお、図15および図16に示した画面と、以下に説明する画面とのうち、いずれを表示するかを、店員または客の選択によって設定可能にしてもよい。
図31の(A)は、商品を登録する前に、客側表示部205に表示される待機画面を示す。図31の(A)の撮像領域3101には、客側スキャナ部206によって撮像された商品が表示される。また、図31の(A)には、店員呼出ボタン3102が表示されている。店員呼出ボタン3102が押下されると、店員が存在するPOS端末20や、ストアコントローラ10等に、その旨が通知され、店員を呼び出すことができる。なお、キー操作部211にも店員を呼び出すためのボタンが設けられており、当該ボタンが押下されることによっても店員を呼び出すことが可能である。
図31の(B)は、客側スキャナ部206によって商品が撮像され(商品の存在が検出され)、バーコードスキャンが行われる際の画面を示す。具体的には、撮像領域3101には、例えば、客が商品に付されたバーコードを客側スキャナ部206に読み取らせるために、客側スキャナ部206に商品を近付けて、バーコードを読み取らせる際の画像(例えば動画)が表示される。図31の(A)、(B)において、客側表示部205には、バーコードを読み取らせることを促す旨や、バーコードを認識できない場合には、手に持った商品を回してバーコードを読み取らせること促す旨が報知される。
なお、客側表示部205における待機画面やバーコードスキャン中の画面においては、店員側表示部210における待機画面やバーコードスキャン中の画面(図28参照)に示したようなプリセットキー2605(2802)の表示や、撮像領域2601の縮小表示を行わない。これにより、客が商品の登録を開始する場合は、バーコードスキャンによる商品の登録を行わせることができる。
図31の(B)において、客側スキャナ部206がバーコードを読み取ると、図31の(C)に示す画面に遷移する。図31の(C)は、客側スキャナ部206がバーコードを読み取り、当該バーコードに対応する商品が登録された画面を示す。また、図31の(C)の商品表示領域3104には、登録された商品の情報が表示される。これにより、例えば、商品「ゴマラーメン」の登録が完了する。この後、客は、次の商品を手に取り、客側スキャナ部206に近付けることにより、同様にして、次の商品の登録を行う。
一方で、図31の(B)において、客側スキャナ部206が商品を検出してから、商品に付されたバーコードを読み取ることができずに、コード読取時間(客が登録する際の客用コード読取時間T1:図25参照)が経過したとする。この場合には、図31の(D)の画面に遷移する。図31の(D)に示す画面には、オブジェクト認識スキャンによる撮像結果に基づく選択候補が表示されている。
図31の(D)において、客が「はい」を示す確認ボタンを押下すると、図31の(C)に示すように、商品の登録が完了する。一方で、図31の(D)において、客が「いいえ」を示す確認ボタンを押下すると、図34の(A)に示す画面(簡単プリセットキーの画面)に遷移する。
(客が商品を登録する際の登録画面の遷移の他の一例について)
次に、図32および図33を用いて、野菜などの形状が統一されておらず、且つバーコードが付されていることが明らかではない商品を登録する場合の登録画面の遷移について説明する。図32および図33は、客が商品を登録する際の登録画面の遷移の他の一例を示す説明図である。なお、以下の説明において、図31を用いて説明した箇所については同様の符号を付し、説明を省略する。
図32の(A)は、商品を登録する前に、客側表示部205に表示される待機画面を示す。図32の(B)は、客側スキャナ部206によって商品が撮像(検出)され、バーコードスキャンが行われている際の画面を示す。図32の(B)において、POS端末20は、商品を画像解析した結果、野菜や果物であると判断した場合には、バーコードが付されていない可能性があることから、「バーコードなし」を示す選択ボタン3201を表示する。なお、選択ボタン3201は、図32の(A)に示す待機画面において、初めから表示されていてもよい。
図32の(B)に示すバーコードスキャン中の画面において、例えば、商品「白菜」に付されたテープにバーコードが記載されており、客側スキャナ部206がバーコードを読み取ったとする。この場合、図32の(C)に示す画面に遷移し、商品が登録される。そして、図31の(C)の商品表示領域3104には、商品「白菜1玉」が登録されたことを示す旨が表示される。この後、客は、次の商品を手に取り、客側スキャナ部206に近付けることにより、同様にして、次の商品の登録を行う。
一方で、図32の(B)において、客側スキャナ部206が商品を検出してから、商品に付されたバーコードを読み取ることができずに、コード読取時間(客が登録する際の客用コード読取時間T1:図25参照)が経過したり、「バーコードなし」を示す選択ボタン3201が選択されたりしたとする。この場合には、図33の(D)の画面に遷移する。また、検索対象を絞り切れない場合は、図34の(A)に示す画面(客用のプリセットキーの画面)に遷移する。
図33の(D)に示す画面には、オブジェクト認識スキャンによる撮像結果(商品の特徴量)に基づく選択候補が表示されている。そして、客が「はい」を示す確認ボタンを押下すると、図33(E)に示すように、商品の登録が完了する。なお、図33の(E)は、例えば、図32の(C)と同一の画面である。一方で、図33の(D)において、客が「いいえ」を示す確認ボタンを押下すると、図33の(F)に示す画面に遷移する。
図33の(F)に示す画面には、複数の選択候補が表示されている。複数の選択候補のうち、いずれかを受け付けると、受け付けた商品が登録される。一方で、客から確認ボタンによる「キーで探す」を示すプリセットキー移行ボタン3301が押下されると、図34の(A)に示す画面(客用のプリセットキーの画面)に遷移する。なお、図33の(D)に示す、オブジェクト認識スキャンによる撮像結果に基づく選択候補を表示してから所定時間が経過した場合や、図33の(F)に示す、複数の選択候補を表示してから所定時間が経過した場合に、図34の(A)に示す画面(客用のプリセットキーの画面)に遷移してもよい。
(客が商品を登録する場合のプリセットキーの表示画面の一例について)
図34は、客が商品を登録する場合のプリセットキーの表示画面の一例を示す説明図である。図34の(A)に示す画面は、客用のプリセットキー(簡単プリセットキー)の表示画面を示す。客用のプリセットキーは、店員用のプリセットキー(図27の(D)参照)に比べて、POS端末20に不慣れな客でも、商品の登録を容易に行うことが可能な表示である。例えば、商品の種類が不明であっても、商品の特徴(色や形)から検索できるように検索ボタンが表示される。
図34の(A)において、客側表示部205には、例えば、購入履歴が表示される。表示する際の順番は、コード順や、購入数順や、部門コード順など、任意に設定することが可能である。また、商品の色、商品のグループ(例えば、野菜、果物といった客にとって分かりやすいグループ)形状、色彩、季節ものなどのキーワードが選択可能に表示される。具体的には、図34(A)には、商品の色を示す選択ボタンや、野菜やパンなどの商品の種類を示す選択ボタンが表示されている。これにより、客は、野菜か果物であるかが不明な商品(例えば、レモン、スイカ、栗など)であっても、商品の色を選択することにより、商品を登録することが可能である。
図34の(A)において、例えば、「やさい」の種類が選択されると、図34の(B)に示す画面に遷移する。図34の(B)には、「やさい」の種類のうちのいずれかの商品が選択可能に表示されている。図34の(B)において、客がいずれかの商品を選択すると、選択した商品が登録される。
また、図34の(A)および(B)においては、特殊ボタン3400が表示されている。特殊ボタン3400が押下された場合、例えば、質問事項を入力することにより、解決手順を示す回答を表示してもよいし、店員を呼び出してもよい。なお、特殊ボタン3400が押下されて店員を呼び出す場合、通常の店員呼出ボタン3102(図31等参照)とは、異なる通知が店員に通知されてもよい。具体的には、特殊ボタン3400が押下されると、店員が存在するPOS端末20や、ストアコントローラ10等に、客によるプリセットキーの登録操作において、商品の登録を行うことができない旨が通知される。これにより、店員は、客用のプリセットキーを用いた登録におけるトラブルを想定して客に対応することが可能になる。例えば、客用のプリセットキーの操作に精通した店員が客対応に当たることができ、トラブルを迅速に解決することが可能になる。
なお、店員呼出ボタン3102や、特殊ボタン3400が押下されて店員が呼び出しのあったPOS端末20に到達すると、当該店員は、そのまま、客側表示部205に表示される画面に従って商品の登録操作をすることも可能である。ただし、POS端末20が客のサポートを行った店員を特定して、各店員の業務を管理するという観点からすると、店員は、自身の名札に付された店員コードをPOS端末20に読み込ませて、客のサポートを行う場合がある。この場合、POS端末20は、客側表示部205において登録が行われているときには(フルセルフモードのときには)、客用の表示態様や画面遷移を継続して表示することとする。
これにより、店員が客のサポートを行う際に、客用の表示態様や画面遷移で表示されるため、商品の登録手順を客に教示することができるとともに、店員によって勝手に商品が登録されたかもしれないといった客の不信感を招かないようにすることができる。なお、本実施形態において、POS端末20は、店員が客のサポートを行う際には、客用の表示態様や画面遷移を継続して表示するものの、当該店員に応じたコード読取時間を設定して、商品の登録を行う。
なお、POS端末20による店員の特定方法(例えば、ログインまたはログアウトする方法)は、店員コードの読み込みに限らず、店員ごとに設定せれるパスワードの入力としてもよいし、POS端末20が近距離無線通信用のリーダを備えている場合には、当該リーダによって店員のID情報を記憶した社員証のタグ(RFIDタグやNFCタグ)が検出されることとしてもよい。
また、店員が客のサポートを行う場合、客用の表示態様や画面遷移を継続して表示することに限らない。例えば、店員が客のサポートを行う場合、店員用の表示態様や画面遷移に切り替えてもよく、具体的には、例えば、店員用のプリセットキーを表示してもよい。すなわち、フルセルフモードにおいて、店員が客側表示部205において登録を行う際に、店員用の表示態様や画面遷移で表示することも可能である。これにより、店員が客のサポートを行う場合、客側表示部205の表示画面を、店員にとって最適な表示態様や画面遷移とすることができ、店員による迅速且つ正確な商品の登録を支援することができる。
また、図示を省略するが、通常モードにおいて、新人店員などの特定の店員の場合には、POS端末20は、客側表示部205に表示される表示態様や画面遷移と同様の表示画面を店員側表示部210に表示する。ただし、新人店員の場合、バーコードスキャンからオブジェクト認識スキャンに切り替わるまでのコード読取時間については、客に比べて短い時間が設定される。また、新人店員の場合には、店員呼出ボタン3102や特殊ボタン3400については、表示しないこととしてもよいし、当該新人店員を即座にサポートするという観点からすると、表示することとしてもよい。
(POS端末20が行う処理について)
次に、図35A、図35B、図36Aおよび図36Bを用いて、POS端末20が行う各種処理について、説明する。
(POS端末20が行う店員側の商品登録処理の一例)
図35Aおよび図35Bは、POS端末20が行う店員側の商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301:POS端末20は、店員側スキャナ部212が商品を検出(商品の撮像を開始)したか否かを判断する。POS端末20は、店員側スキャナ部212が商品を検出しない場合、待機する。POS端末20は、店員側スキャナ部212が商品を検出した場合、ステップS302に進む。
ステップS302:POS端末20は、店員ごとに設定されるコード読取時間を計測するための時間計測を開始し、ステップS303に進む。
ステップS303:POS端末20は、バーコード(の識別情報)を検出したか否かを判断する。POS端末20は、バーコードを検出しない場合、ステップS308に進む。POS端末20は、バーコードを検出した場合、ステップS304に進む。
ステップS304:POS端末20は、バーコードに応じた商品情報を取得し、ステップS305に進む。
ステップS305:POS端末20は、取得した商品情報に応じた商品を登録するとともに当該商品を表示し、ステップS306に進む。
ステップS306:POS端末20は、キー操作部211の小計キーが押下されたか否かを判断する。小計キーが押下されない場合、ステップS301に戻る。POS端末20は、小計キーが押下された場合、ステップS307に進む。
ステップS307:POS端末20は、精算処理を行い、一連の処理を終了する。精算処理において、POS端末20は、小計画面を表示して、預かり金の入力や現計ボタンの押下といった精算操作を受け付けると、レシートなどを発行する。なお、精算処理では、精算処理における預かり金や現計に応じた釣銭を放出してもよい。
ステップS308:POS端末20は、計測中の時間を参照し、店員ごとに設定されるコード読取時間が経過したか否かを判断する。POS端末20は、コード読取時間が経過していない場合、ステップS303に戻る。POS端末20は、コード読取時間が経過した場合、図35BのステップS309に進む。
ステップS309:POS端末20は、時間計測を終了し、ステップS310に進む。
ステップS310:POS端末20は、店員用のプリセットキーを表示し、ステップS311に進む。
ステップS311:POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによる選択候補を表示するか否かを判断する。オブジェクト認識スキャンによる選択候補を表示する場合とは、例えば、オブジェクト認識スキャン表示ボタン2606(図30(D)参照)が押下された場合や、図30の(D)に示す画面において所定時間が経過した場合である。POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによる選択候補を表示する場合、ステップS313に進む。POS端末20は、オブジェクト認識スキャンによる選択候補を表示しない場合、ステップS312に進む。
ステップS312:POS端末20は、表示したプリセットキーにより商品の選択を受け付けたか否かを判断する。POS端末20は、プリセットキーにより商品の選択を受け付けない場合、ステップS311に戻る。POS端末20は、表示したプリセットキーにより商品の選択を受け付けた場合、ステップS305に進む。
ステップS313:POS端末20は、店員側スキャナ部212によって検出された撮像結果(商品の特徴量に基づく選択候補)を参照し、ステップS314に進む。
ステップS314:POS端末20は、店員側スキャナ部212によって検出された撮像結果から得られる選択候補数(オブジェクト認識スキャンによる選択候補数)が所定範囲内であるか否かを判断する。所定範囲は、例えば、「1~3」、「1~5」というように、予め設定した範囲とすることができる。POS端末20は、選択候補数が所定範囲内ではない場合、すなわち、選択候補が絞り切れていない場合や、選択候補が見つからない場合(選択候補数が0の場合)、ステップS317に進む。POS端末20は、選択候補数が所定範囲内である場合、ステップS315に進む。
ステップS315:POS端末20は、店員側表示部210に選択候補を表示し、ステップS316に進む。
ステップS316:POS端末20は、選択候補の中から商品を受け付けたか否かを判断する。POS端末20は、選択候補の中から商品を受け付けた場合、図35AのステップS305に進む。POS端末20は、選択候補の中から商品を受け付けない場合、ステップS317に進む。
ステップS317:POS端末20は、プリセットキーの画面に戻る旨を受け付けたか否かを判断する。POS端末20は、プリセットキーの画面に戻る旨を受け付けた場合はステップS310に戻る。POS端末20は、プリセットキーの画面に戻る旨を受け付けない場合に、ステップS318に進む。
ステップS318:POS端末20は、最初から商品の登録をやり直すか否かを判断する。最初から商品の登録をやり直す場合とは、最初からやり直す旨の指示を受け付けることや、オブジェクト認識スキャンによる選択候補を表示してから所定時間の経過としてもよい。POS端末20は、最初から商品の登録をやり直さない場合、ステップS316に戻る。POS端末は、最初から商品の登録をやり直す場合、一連の処理を終了する。
(POS端末20が行う客側の商品登録処理の一例)
図36Aおよび図36Bは、POS端末20が行う客側の商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS331:POS端末20は、客側スキャナ部206が商品を検出(商品の撮像を開始)したか否かを判断する。POS端末20は、客側スキャナ部206が商品を検出しない場合、待機する。POS端末20は、客側スキャナ部206が商品を検出した場合、ステップS332に進む。
ステップS332:POS端末20は、客ごとに設定されるコード読取時間を計測するための時間計測を開始し、ステップS333に進む。
ステップS333:POS端末20は、バーコード(の識別情報)を検出したか否かを判断する。POS端末20は、バーコードを検出しない場合、ステップS338に進む。POS端末20は、バーコードを検出した場合、ステップS334に進む。
ステップS334:POS端末20は、バーコードに応じた商品情報を取得し、ステップS335に進む。
ステップS335:POS端末20は、取得した商品情報に応じた商品を登録するとともに当該商品を表示し、ステップS336に進む。
ステップS336:POS端末20は、キー操作部211の小計キーが押下されたか否かを判断する。小計キーが押下されない場合、ステップS331に戻る。POS端末20は、小計キーが押下された場合、ステップS337に進む。
ステップS337:POS端末20は、精算処理を行い、一連の処理を終了する。精算処理において、POS端末20は、小計画面を表示して、預かり金の入力や現計ボタンの押下といった精算操作を受け付けると、レシートなどを発行する。なお、精算処理では、精算処理における預かり金や現計に応じた釣銭を放出してもよい。
ステップS338:POS端末20は、計測中の時間を参照し、客ごとに設定されるコード読取時間が経過したか否かを判断する。POS端末20は、コード読取時間が経過していない場合、ステップS333に戻る。POS端末20は、コード読取時間が経過した場合、図36BのステップS339に進む。
ステップS339:POS端末20は、時間計測を終了し、ステップS340に進む。
ステップS340:POS端末20は、客側スキャナ部206によって検出された撮像結果を参照し、ステップS341に進む。
ステップS341:POS端末20は、客側スキャナ部206によって検出された撮像結果から得られる選択候補数(オブジェクト認識スキャンによる選択候補数)が所定範囲内であるか否かを判断する。所定範囲は、例えば、「1~3」、「1~5」というように、予め設定した範囲とすることができる。POS端末20は、選択候補数が所定範囲内ではない場合、すなわち、選択候補を絞り切れていない場合や、選択候補が見つからない場合(選択候補数が0の場合)、ステップS345に進む。POS端末20は、選択候補数が所定範囲内である場合、ステップS342に進む。
ステップS342:POS端末20は、客側表示部205に、オブジェクト認識スキャンによる選択候補を表示し、ステップS343に進む。
ステップS343:POS端末20は、選択候補の中から商品を受け付けたか否かを判断する。POS端末20は、選択候補の中から商品を受け付けた場合、図36AのステップS335に進む。POS端末20は、選択候補の中から商品を受け付けない場合、ステップS344に進む。
ステップS344:POS端末20は、客用のプリセットキーを表示するか否かを判断する。客用のプリセットキーを表示する場合とは、例えば、プリセットキー移行ボタン3301(図33(F)参照)が押下された場合や、オブジェクト認識スキャンによる選択候補を表示(図33(D)参照)してから所定時間の経過としてもよい。
ステップS345:POS端末20は、客用のプリセットキー(図34参照)を表示し、ステップS346に移行する。
ステップS346:POS端末20は、商品を受け付けたか否かを判断する。POS端末20は、商品を受け付けない場合、ステップS347に進む。POS端末20は、商品を受け付けたか否かを判断する。POS端末20は、商品を受け付けた場合、図36AのステップS335に進む。
ステップS347:POS端末20は、特殊ボタン3400(図34参照)が押下されたか否かを判断する。POS端末20は、特殊ボタン3400が押下されない場合、ステップS346に戻る。POS端末20は、特殊ボタン3400が押下された場合、ステップS348に進む。
ステップS348:POS端末20は、店員呼出処理を行い、ステップS349に進む。
ステップS349:POS端末20は、店員が操作するまで待機処理を行い、一連の処理を終了する。なお、待機処理の後、店員により当該商品の登録が行われると、ステップS331に戻り、再び商品の登録処理を行えばよい。
(客がコード読取時間を設定する際の表示画面の一例について)
次に、図37を用いて、客がコード読取時間を設定する際の表示画面の一例について説明する。図37は、客がコード読取時間を設定する際の表示画面の一例を示す説明図である。なお、図37に示す画面は、フルセルフモード中の画面を示す。
図37の(A)は、登録処理の開始前の登録開始画面の表示内容を示している。図37の(A)において、客がコード読取時間を設定するための設定変更ボタン3700が表示されている。客が設定変更ボタン3700を押下すると、図37の(B)の画面に遷移する。
図37の(B)は、コード読取時間を客が設定するための画面を示している。図37の(B)において、客は、コード読取時間を変更しないか、長くするか、より長くするか、のいずれかを選択することが可能である。これにより、客が選択した、いずれかのコード読取時間を設定することができる。
なお、コード読取時間の設定は、商品の登録開始前に受け付けることに限らず、商品の登録開始後など、任意のタイミングで受け付けるようにしてもよい。具体的には、商品の登録処理を行っている場合にも、設定変更ボタン3700を表示し、設定変更ボタン3700が押下された場合に、コード読取時間の設定(変更)を行うようにしてもよい。また、コード読取時間は、図37の(B)に示すボタンに対応する時間に限らず、例えば、操作者が任意に設定することが可能であってもよい。
(コード読取時間テーブルの一例)
次に、図38を用いて、コード読取時間テーブルの一例について説明する。図38は、コード読取時間テーブルの一例を示す説明図である。図38において、コード読取時間テーブルは、操作者と、操作レベルと、コード読取時間とのフィールドを有する。操作者は、客または店員を示す。操作レベルは、客および店員ごとに設定される複数のレベルを示す。コード読取時間は、オブジェクト認識スキャン(撮影による商品登録)を開始するまでの時間であり、操作者の操作レベルに応じた時間が設定されている。
例えば、操作者が店員であり、操作レベルが初級(新人の店員)である場合には、16秒のコード読取時間が設定されることを示す。なお、コード読取時間テーブルにおいて、操作レベルおよびコード読取時間は、図示したものに限らず、より詳細に分類してもよい。例えば、店員の操作レベルに中級を設定し、中級に対応するコード読取時間を設定してもよい。
(店員の操作レベルテーブルの一例)
次に、図39を用いて、店員の操作レベルテーブルの一例について説明する。図39は、店員の操作レベルテーブルの一例を示す説明図である。図39において、店員の操作レベルテーブルは、店員コードと、操作レベルとのフィールドを有する。店員コードは、店員を識別する識別情報である。操作レベルは、POS端末20を扱い慣れているかを度合いとして示したものである。例えば、店員コードがA002は、操作レベルが初級(新人の店員)であることを示す。
POS端末20は、店員の名札に付された店員コード(例えばA002)を店員側スキャナ部212が読み込むことにより、操作レベルテーブルを参照して、当該店員の操作レベルを特定することができる。そして、POS端末20は、特定した操作レベルを用いて、コード読取時間テーブル(図38参照)を参照することにより、当該店員のコード読取時間を設定することができる。
(POS端末20が行う操作者ごとのコード読取時間の設定処理の一例)
次に、図40を用いて、POS端末20が行う操作者ごとのコード読取時間の設定処理の一例について説明する。図40は、POS端末が行う操作者ごとのコード読取時間の設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図40のフローチャートに示す処理は、各POS端末20において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される。
ステップS361:POS端末20は、現在のモードがフルセルフモードであるか否かを判断する。POS端末20は、現在のモードがフルセルフモードではない場合、ステップS366に進む。POS端末20は、現在のモードがフルセルフモードである場合、ステップS362に進む。
ステップS362:POS端末20は、例えば図37の(B)に示した表示画面において、客からコード読取時間の変更を受け付けたか否かを判断する。POS端末20は、客からコード読取時間の変更を受け付けない場合、ステップS364に進む。POS端末20は、客からコード読取時間の変更を受け付けた場合、ステップS363に進む。
ステップS363:POS端末20は、受け付けた内容に応じたコード読取時間を設定し、具体的には、8秒、16秒、24秒(図38参照)のうちのいずれかのコード読取時間を設定し、ステップS364に進む。
ステップS364:POS端末20は、客の精算が終了したか否かを判断する。POS端末20は、客の精算が終了していない場合、ステップS366に進む。
ステップS365:POS端末20は、客のコード読取時間を解除し、ステップS366に進む。
ステップS366:POS端末20は、店員コードが自身の名札に付された店員コードを店員側スキャナ部212に読み込ませることにより、店員コードを検出したか否かを判断する。POS端末20は、店員コードを検出しない場合、ステップS371に進む。POS端末20は、店員コードを検出した場合、ステップS367に進む。
ステップS367:POS端末20は、客側表示部205が操作されているか否かを判断する。なお、ステップS367における判断は、フルセルフモード中であるか否かの判断に置き換えてもよい。POS端末20は、客側表示部205が操作されている場合(フルセルフモード中である場合)、すなわち、店員が客のサポートを行う場合、ステップS369に進む。POS端末20は、客側表示部205が操作されていない場合、すなわち、店員側スキャナ部212が操作されている場合(例えば、通常モードにおいて店員が商品登録を開始する場合)、ステップS368に進む。
ステップS368:POS端末20は、操作レベルテーブル(図39参照)を参照し、検出した店員コードに対応する操作レベルが初級であるか否かを判断する。POS端末20は、操作レベルが初級ではない場合、ステップS370に進む。POS端末20は、操作レベルが初級である場合、ステップS369に進む。
ステップS369:POS端末20は、客と同様の画面遷移となる設定(バーコードの読み取り→オブジェクト認識スキャン)にし、ステップS370に進む。
ステップS370:POS端末20は、店員用の画面遷移となる設定(バーコードの読み取り→プリセットキー)にし、ステップS370に進む。
なお、ステップS367:YES→ステップS369に示したように、店員が客のサポートを行う場合(フルセルフモード中である場合)には、客と同様の画面遷移となる設定(バーコードの読み取り→オブジェクト認識スキャン)とし、すなわち、店員用の画面遷移となる設定(バーコードの読み取り→プリセットキー)とはしないようにした。これは、仮に、客側表示部205において、店員用の画面遷移となる設定(バーコードの読み取り→プリセットキー)とし、店員がプリセットキーを用いて迅速に商品の登録操作を行ったとすると、当該登録操作を客が把握することができず、購入予定の商品とは異なる商品が登録されたのではないかと客が不審に思うおそれがあるためである。このような理由から、本実施形態では、店員が客のサポートを行う際に、バーコードスキャンができないときにはオブジェクト認識スキャンに切り替えることにより、店員による商品の登録を客が把握しやすいものとしている。
また、ステップS368:YES→ステップS369に示したように、店員の操作レベルが初級の場合(通常モードにおいて新人店員が商品を登録する場合)には、客と同様の画面遷移(バーコードの読み取り→オブジェクト認識スキャン)となる設定とした。例えば、新人店員の場合には、客と同様の画面遷移(図31~図34参照)としてもよい。また、新人店員の場合には、客側の商品登録処理(図36Aおよび図36B参照)と同様の処理としてもよい。ただし、新人店員の場合には、商品登録処理において、バーコードの検出については店員側スキャナ部212によって行われ、また、表示内容の画面表示については店員側表示部210によって行われる。なお、新人店員の場合には、少なくとも、バーコードの読み取りができないときに、プリセットキーによる商品の登録よりも、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録を優先させる設定となっていればよい。
ステップS371:POS端末20は、コード読取時間テーブル(図38参照)および操作レベルテーブル(図39参照)を参照し、店員コードに対応する店員のコード読取時間(16秒または30秒)を設定し、ステップS372に進む。なお、ステップS367:YES→ステップS369→ステップS371に示したように、店員が客のサポートを行う場合(フルセルフモード中である場合)には、客と同様の画面遷移となる設定(バーコードの読み取り→オブジェクト認識スキャン)とするものの、コード読取時間については店員に応じた時間(客に比べて長い時間)を設定する。これにより、店員がバーコードの位置を把握していることから、バーコードスキャンによる迅速且つ正確な商品の登録を支援することができる。
ステップS372:POS端末20は、店員がログアウトしたか否かを判断する。なお、店員のログアウトは、店員がログアウトボタンを押した場合や、店員が再度店員コードをPOS端末20に読み込ませた場合や、店員がPOS端末20の周辺に存在しない場合に行われる。POS端末20の周辺に店員が存在するか否かの判断は、例えば、POS端末20が近距離無線通信用のリーダを備えている場合には、当該リーダによって、店員のID情報を記憶した社員証のタグ(RFIDタグやNFCタグ)が検出されたか否かに基づいて行われてもよいし、また、店舗の天井や壁等に設置された外部のカメラによって店員が店員領域に存在することが検出されたか否かに基づいて行われてもよい。
POS端末20は、店員がログアウトしない場合、一連の処理を終了する。POS端末20は、店員がログアウトした場合、ステップS373に進む。
ステップS373:POS端末20は、現在のモードがフルセルフモードであるか否かを判断する。POS端末20は、現在のモードがフルセルフモードではない場合、すなわち、通常モードにおいて店員が商品の登録操作を終了する場合、ステップS375に進む。POS端末20は、現在のモードがフルセルフモードである場合、すなわち、店員による客のサポートが終了する場合、ステップS374に進む。
ステップS374:POS端末20は、コード読取時間を、当該客に設定されるコード読取時間に戻し、一連の処理を終了する。
ステップS375:POS端末20は、店員のコード読取時間を解除し、一連の処理を終了する。
以下に付記を開示する。
(付記1)
客の操作に応じて商品を登録する客登録手段(客側での登録)と、店員の操作に応じて商品を登録する店員登録手段(店員側での登録)と、商品を示す領域を表示して、商品の選択を受け付ける商品表示選択手段(プリセットキー)と、商品の特徴または商品に付されたシンボルコード(バーコード)を含む対象商品を撮像する撮像手段(客側スキャナ部206または店員側スキャナ部212)と、前記撮像手段によって撮像された前記特徴に基づいて、商品を特定する第1商品特定手段(オブジェクト認識スキャン)と、前記撮像手段によって撮像された前記シンボルコードに基づいて、商品を特定する第2商品特定手段(バーコードスキャン)と、を備え、前記客登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されないときに、前記第1商品特定手段によって特定された商品を登録し、前記店員登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されないときに、前記商品表示選択手段によって受け付けられた商品を登録する、ことを特徴とする販売データ処理装置。
具体的には、付記1は、客による商品の登録では、バーコードスキャンによって商品が特定されない場合に(バーコードを読み取れない場合に)、オブジェクト認識スキャンによって特定された商品を登録可能にする、という内容である。一方で、店員による商品の登録では、バーコードスキャンによって商品が特定されない場合に、プリセットキーによって受け付けられた商品を登録可能にする。
これにより、店員が商品を登録する場合には、店員は商品に付されているバーコードの位置を把握しているため、バーコードによる迅速且つ正確な商品の登録を行うことができる。また、店員が商品を登録する場合には、店員はプリセットキーにおける各商品を示す位置(選択ボタンの位置)を把握しているため、仮にバーコードをPOS端末20に読み取らせることができない場合でも、プリセットキーを用いて迅速に商品を登録することができる。
一方で、客が商品を登録する場合には、客は商品に付されているバーコードの位置を把握していない場合があるものの、客の場合でも、バーコードによる正確な商品の登録を行うことができる。また、客が商品を登録する場合には、客はプリセットキーにおける選択ボタンの位置を把握していないことが多くある。このため、バーコードをPOS端末20に読み取らせることができない場合には、オブジェクト認識スキャンによって商品を登録することができるため、客の登録操作に係る負担を軽減することができる。したがって、付記1にかかる販売データ処理装置(POS端末20)によれば、店員および客による商品の登録を好適に支援することができる。
なお、本実施形態において、POS端末20は、客側表示部205と店員側表示部210との複数の表示部を備えることとしたが、これに限らず、一の表示部のみを備えるものでもよい。ただし、この場合、POS端末20は、商品の登録において、店員が操作する場合と客が操作する場合とで異なる表示態様や画面遷移となる画像を、当該一の表示部に表示すればよい。
(付記2)
前記客登録手段は、前記第1商品特定手段および前記第2商品特定手段によって商品が特定されないときに、前記商品表示選択手段によって受け付けられた商品を登録する、ことを特徴とする付記1に記載の販売データ処理装置。
具体的には、付記2は、客による登録において、バーコードスキャンによって商品が特定されない場合に、オブジェクト認識スキャンを行ったものの、当該オブジェクト認識スキャンによっても商品が特定されない場合に、プリセットキーによって受け付けられた商品を登録可能にする、という内容である。これにより、客は、バーコードスキャンおよびオブジェクト認識スキャンのいずれによっても商品を登録することできない場合に、プリセットキーを操作することにより、商品を登録することができる。
(付記3)
前記店員登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されず且つ前記商品表示選択手段によって商品が受け付けられないときに、前記第1商品特定手段によって特定された商品を登録する、ことを特徴とする付記1または2に記載の販売データ処理装置。
具体的には、付記3は、店員による商品の登録において、バーコードスキャンによって商品が特定されない場合に、プリセットキーを表示したものの、プリセットキーによっても商品が登録されない場合に、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録を可能にする、という内容である。これにより、店員は、バーコードスキャンおよびプリセットキーのいずれによっても商品を登録することできない場合に、オブジェクト認識スキャンにより、商品を登録することができる。
(付記4)
前記店員登録手段は、所定の条件下において、前記第2商品特定手段によって商品を特定されないときに、前記商品表示選択手段による商品の受け付けよりも、前記第1商品特定手段による商品の特定を優先して商品を登録する、ことを特徴とする付記3に記載の販売データ処理装置。
付記4の所定の条件は、例えば、POS端末20を扱い慣れていない操作レベルの低い店員(新人店員)が操作するという条件である。付記4は、具体的には、操作レベルの低い店員(新人店員)による登録において、バーコードスキャンによって商品が特定されない場合に(バーコードを読み取れない場合に)、プリセットキーによる商品の登録よりも、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録を優先する、という内容である。すなわち、新人店員の場合には、プリセットキーにおける選択ボタンの位置を把握していないことが往々にしてあることから、客の場合と同じ登録手順(バーコードの読み取り→オブジェクト認識スキャン)とする。これにより、オブジェクト認識スキャンによって迅速に商品を登録することができる。したがって、付記4にかかる販売データ処理装置によれば、新人店員の迅速な登録を支援することができる。
(付記5)
前記客登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されない期間が第1期間を経過したときに、前記第1商品特定手段によって特定された商品を登録し、前記店員登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されない期間が前記第1期間とは異なる第2期間が経過したときに、前記商品表示選択手段によって受け付けられた商品を登録する、ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一つに記載の販売データ処理装置。
具体的には、付記5は、図25に示したように、客による商品の登録では、バーコードスキャンによって商品が特定されない期間が第1期間(客用コード読取時間T1)を経過した場合に、オブジェクト認識スキャンによる商品の登録を可能にし、また、店員による商品の登録では、バーコードスキャンによって商品が特定されない期間が第2期間(店員用コード読取時間T2:図25参照)を経過した場合に、プリセットキーによって受け付けられた商品の登録を可能にする、という内容である。
これにより、店員の場合、各商品についてバーコードの位置を把握しているため、多少時間を要しても(コード読取時間を長くしても)、バーコードを用いた正確な商品の登録を行うことができる。一方で、客の場合は、各商品のバーコードの位置を把握していないことがあり、商品を登録するのに時間を要することがあるため、コード読取時間を短くし、早めにオブジェクト認識スキャンに移行させる。これにより、客の登録操作に係る負担を軽減することができる。したがって、客および店員による好適な商品の登録を支援することができる。
なお、客によって登録が行われる際のコード読取時間よりも、店員によって登録が行われる際のコード読取時間を短くしてもよい。これにより、店員がバーコードを早期に見つけられない場合、具体的には、商品の分かりにくい位置にバーコードが付されており、店員がバーコードを見つけるのに時間がかかる場合には、早期にプリセットキーによる商品の登録に切り替えることができる。これにより、店員は、商品の登録を迅速に行うことが可能になる。
また、客によって登録が行われる際のコード読取時間よりも、店員によって登録が行われる際のコード読取時間を短くすることにより、客の場合には、積極的にバーコードスキャンを行わせることができる。これにより、客による商品の登録における誤登録を抑えることができ、商品の登録をより正確なものとすることができる。
(付記6)
前記第1期間および前記第2期間は、操作者ごとの設定期間である、ことを特徴とする付記5に記載の販売データ処理装置。
具体的には、付記6は、コード読取時間を、客ごとに設定することが可能であり、また、店員ごとに設定することが可能である、という内容である。これにより、操作者に応じた好適なコード読取時間を設定することができ、商品の登録に係る操作を好適に支援することができる。
なお、コード読取時間を蓄積することにより、店員ごとに設定されるコード読取時間を更新してもよい。例えば、一品ごとに商品の登録を行う都度、バーコードスキャンにおける登録時間を計測して蓄積することにより、各店員のバーコードスキャンにおける登録時間の平均値を算出することができる。これにより、当該平均値に応じたコード読取時間を設定してもよい。また、客についても、会員情報を用いることにより、会員ごとの平均値を算出して、当該平均値に応じたコード読取時間を設定してもよい。これにより、操作者に応じた最適なコード読取時間を設定することができる。
(付記7)
前記商品表示選択手段は、前記客登録手段によって商品が登録される場合と、前記店員登録手段によって商品が登録される場合とで、異なる表示態様で前記領域を表示して、商品の選択を受け付ける、ことを特徴とする付記2に記載の販売データ処理装置。
具体的には、付記7は、プリセットキーによる登録では、客用のプリセットキーによって商品が登録される場合と、店員用のプリセットキーによって商品が登録される場合とがあり、客用のプリセットキーと店員用のプリセットキーとで異なる表示態様として、商品の選択を受け付ける、という内容である。例えば、客用のプリセットキーは、店員用のプリセットキーに比べて、POS端末20に不慣れな客でも、商品の登録を容易に行うことが可能な表示態様や画面遷移で表示される。このため、客による商品の登録において操作ミスに伴う誤登録を抑制することができ、客による商品の登録を好適に支援することができる。
また、店員用のプリセットキーは、客用のプリセットキーに比べて、機能性や操作性の高いボタン配置や画面の遷移で表示される。このため、店員による商品の登録において迅速且つ正確に商品を登録することができ、店員による商品の登録を好適に支援することができる。
(付記8)
第1モードと、前記第1モードとは異なる第2モードとのうちのいずれかのモードを設定するモード設定手段をさらに備え、前記客登録手段は、前記モード設定手段によって前記第1モードが設定されているときに商品の登録を可能にし、前記店員登録手段は、前記モード設定手段によって前記第2モードが設定されているときに、商品の登録を可能にする、ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか一つに記載の販売データ処理装置。
具体的には、付記8は、フルセルフモードのときに客による商品の登録を可能にし、通常モードの時に店員による商品の登録を可能にする、という内容である。このため、本実施形態では、設定されるモードに応じて、商品を登録する際の登録方法の遷移が異なる。具体的には、登録方法の遷移は、フルセルフモードでは「バーコードの読み取り→オブジェクト認識スキャン」であり、通常モードでは「バーコードの読み取り→プリセットキー」となる。これにより、商品の登録操作を、設定されるモードに応じて好適に支援することができる。
また、本実施形態では、設定されるモードに応じて、プリセットキーの表示態様が異なる。具体的には、フルセルフモードでは客用のプリセットキーが表示され、通常モードでは店員用のプリセットキーが表示される。これにより、プリセットキーによる商品の登録操作を、設定されるモードに応じて好適に支援することができる。
また、本実施形態では、設定されるモードに応じて、コード読取時間が異なる。例えば、フルセルフモードでは短時間のコード読取時間(客用コード読取時間T1)が設定され、通常モードでは長時間のコード読取時間(店員用コード読取時間T2)が設定される。これにより、通常モードでは、バーコードを用いた店員による正確な商品の登録を行うことができる。一方で、フルセルフモードでは、コード読取時間を短くし、早期にオブジェクト認識スキャンに表示に切り替えることにより、登録操作に時間を要することによる客の商品登録に係る負担を軽減することができる。したがって、客および店員による好適な商品の登録を支援することができる。
また、本実施形態では、設定されるモードに応じて、店員が商品を登録する場合の画面遷移が異なる。具体的には、POS端末20は、フルセルフモード中である場合には、店員が商品を登録する場合でも、客と同様の画面遷移となる設定(バーコードの読み取り→オブジェクト認識スキャン)とする。これにより、フルセルフモードにおいて、店員が客をサポートする際に、商品の登録手順を客に教示することができるとともに、店員によって勝手に商品が登録されたかもしれないといった客の不信感を招かないようにすることができる。
(付記9)
販売データ処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、客の操作に応じて商品を登録する客登録手段、店員の操作に応じて商品を登録する店員登録手段、商品を示す領域を表示して、商品の選択を受け付ける商品表示選択手段、商品の特徴または商品に付されたシンボルコードを含む対象商品を撮像する撮像手段、前記撮像手段によって撮像された前記特徴に基づいて、商品を特定する第1商品特定手段、前記撮像手段によって撮像された前記シンボルコードに基づいて、商品を特定する第2商品特定手段、を含み、前記客登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されないときに、前記第1商品特定手段によって特定された商品を登録し、前記店員登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されないときに、前記商品表示選択手段によって受け付けられた商品を登録する、として機能させることを特徴とするプログラム。
(付記10)
端末装置と、前記端末装置を管理する管理装置とを含む販売データ処理システムであって、前記端末装置は、商品を示す領域を表示して、商品の選択を受け付ける商品表示選択手段と、商品の特徴または商品に付されたシンボルコードを含む対象商品を撮像する撮像手段と、前記商品表示選択手段によって受け付けられた商品を示す商品選択結果、および、前記撮像手段によって撮像された撮像結果を前記管理装置へ送信する端末通信手段と、を備え、前記管理装置は、前記端末装置から前記商品選択結果および前記撮像結果を受信する管理通信手段と、客の操作に応じて商品を登録する客登録手段と、店員の操作に応じて商品を登録する店員登録手段と、前記撮像結果に含まれる前記特徴に基づいて、商品を特定する第1商品特定手段と、前記撮像結果に含まれる前記シンボルコードに基づいて、商品を特定する第2商品特定手段と、を備え、前記客登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されないときに、前記第1商品特定手段によって特定された商品を登録し、前記店員登録手段は、前記第2商品特定手段によって商品が特定されないときに、前記商品選択結果が示す商品を登録し、前記管理通信手段は、前記客登録手段または前記店員登録手段によって登録された商品に関する情報を前記端末装置へ送信する、ことを特徴とする販売データ処理システム。
なお、以上に説明したPOSシステム1、POS端末20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。