JP2022118520A - 保冷容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】保冷期間を長期化することができる保冷容器を提供する。【解決手段】開閉可能な蓋部を有する外箱10と、被収容物を収容する収容室を前記外箱の内部に画成する第1の収容具30と、冷却材を収容する保冷室60sを前記外箱の内部に画成する第2の収容具60であり、前記保冷室は前記収容室の上方に位置する該第2の収容具と、前記収容室と前記保冷室との間に介在する内蓋とを備える、保冷容器1である。第1の収容具は平面視において格子状をなし、その内部に複数の収容室を画成し、第2の収容具は平面視において格子状をなし、その内部に複数の保冷室を画成し、複数の保冷室は前記複数の収容室の上方にそれぞれ位置する保冷容器。【選択図】図2
Description
本開示は、保冷容器に関する。
従来、食品、化粧品、医薬品等の貨物を保冷した状態で輸送する保冷容器が利用されている。例えば、特許文献1には、断熱容器の内部にペレット状ドライアイスと板状のドライアイスを混在して配置し、輸送対象物を保冷した状態で輸送することが記載されている。
近年、国際貨物輸送の発展に伴って、低温状態をより長期間保持することが可能な輸送容器が求められている。特に、海外からワクチン等の薬品を航空輸送する場合には、二週間以上の期間に亘って-60℃以下といった極低温状態を維持することが求められることがある。しかしながら、特許文献1に記載の容器では、ドライアイスの気化によって生じる冷却ガスが断熱容器の内部全体に広がり、ドライアイスが早期に消耗するため、長期間に亘って貨物を保冷することが難しい。
そこで本開示は、保冷期間を長期化することができる保冷容器を提供することを目的とする。
一態様の保冷容器は、開閉可能な蓋部を有する外箱と、被収容物を収容する収容室を外箱の内部に画成する第1の収容具と、冷却材を収容する保冷室を外箱の内部に画成する第2の収容具であり、保冷室は収容室の上方に位置する、該第2の収容具と、収容室と保冷室との間に介在する内蓋と、を備える。
本態様の保冷容器は、外箱と第1の収容具によって収容室が二重に囲まれているので、保冷容器の断熱性を高めることができる。また、この保冷容器では、外箱の内部に画成された保冷室に冷却材が配置されるので、冷却材の冷却ガスが外箱の内部全体に広がることが抑制される。したがって、冷却材の消耗が抑制され、保冷期間を長期化することができる。
一実施形態では、内蓋には、保冷室と保冷室とを連通する貫通孔が形成されていてもよい。本実施形態では、冷却材から発生した冷却ガスが、内蓋に形成された貫通孔を通って徐々に収容室に供給される。この保冷容器では、冷却ガスの広がる範囲が収容室及び保冷室に限定されるので、冷却材の消耗が抑制され、長期間に亘って低温状態を維持することができる。
一実施形態では、第1の収容具及び第2の収容具は、中空構造を有するプラスチック製の板材によって構成されていてもよい。中空構造を有するプラスチックシートは高い断熱性能を有しているので、第1の収容具及び第2の収容具を当該板材によって構成することで、収容室の温度変化を抑制することができる。よって、保冷期間をより長期化することができる。
一実施形態では、第1の収容具を構成する板材の板厚は、第2の収容具の板材の板厚よりも厚くてもよい。第1の収容具の板厚を厚くすることで第1の収容具の強度が高められる。その結果、収容室に配置された被収容物に破損が生じにくくなる。
一実施形態では、第1の収容具は、平面視において格子状をなし、その内部に複数の収容室を画成し、第2の収容具は、平面視において格子状をなし、その内部に複数の保冷室を画成し、複数の保冷室は、複数の収容室の上方にそれぞれ位置していてもよい。本実施形態によれば、複数の収容室に配置された複数の被収容物を複数の保冷室に配置された複数の冷却材を用いてそれぞれ冷却することができる。
一実施形態では、外箱の内面には、断熱材によって覆われており、断熱材は、発泡スチロール製の断熱材と真空断熱材とが積層された多層構造を有していてもよい。本実施形態では、断熱材を発泡スチロール製の断熱材と真空断熱材とが積層された多層構造とすることにより、保冷容器の断熱性をより高めることができる。したがって、保冷期間をより長期化することができる。
一実施形態では、保冷室に収容された冷却材であるドライアイスを更に備え、ドライアイスは、ガス透過性を有するシート材で覆われていてもよい。ガス透過性を有するシート材でドライアイスを覆うことにより、ドライアイスからの冷却ガスの発生が抑制されるので、ドライアイスの消耗が抑制され、保冷期間をより長期化することができる。
本発明の一態様及び種々の実施形態によれば、保冷期間を長期化することができる。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1及び図2を参照して、一実施形態に係る保冷容器について説明する。図1は、一実施形態に係る保冷容器の断面構成を模式的に示す図である。図2は、一実施形態に係る保冷容器を模式的に示す斜視図である。
図1及び図2に示す保冷容器1は、梱包された被収容物100を冷凍又は冷蔵(保冷)した状態のまま輸送するため容器である。保冷容器1に収容される被収容物100としては、食品、化粧品、医薬品の原薬、医薬化成品、ワクチン等が例示されるが、冷凍又は冷蔵された状態で輸送される貨物であれば任意である。
図1及び図2に示すように、保冷容器1は、外箱10、底板20、貨物収容具(第1の収容具)30、枠体40、内蓋50及び冷却材収容具(第2の収容具)60を備えている。
外箱10は、底板20、貨物収容具30、枠体40、内蓋50及び冷却材収容具60と共に被収容物100及び冷却材110を収容する梱包箱である。外箱10は、平面視において略矩形状を有する箱体であり、側部11、底部12及び蓋部13を含んでいる。側部11、底部12及び蓋部13は、例えば紙製の強化段ボールによって構成されている。側部11は、例えば4枚の側板を含んでいる。側部を構成する4枚の側板の下部は、底部12に接続されている。底部12は、積載方向Z(上下方向)から見て四角形状を有している。蓋部13は、側部11の上部開口を開閉可能なように側部11に接続されている。
側部11、底部12及び蓋部13の内面は、断熱材15によって覆われている。断熱材15は、外箱10の内部空間を外気から断熱する。断熱材15としては、高密度発泡スチロール製の断熱材又は真空断熱材が利用される。図1に示すように、断熱材15は、高密度発泡スチロール製の断熱材15Aと真空断熱材16Bとが交互に積層された多層構造を有していてもよい。さらに、断熱材15の内面には、プラスチック製の段ボールが設けられていてもよい。
外箱10の内部には、底板20、貨物収容具30、枠体40、内蓋50及び冷却材収容具60が収容される。底板20は、外箱10の底部12上に配置される。底板20は、積載方向Zから見て四角形状を有し、例えば側部11の断熱材15に隙間なく当接するように配置される。底板20は、例えば中空構造を有するプラスチック製の板材によって構成される。限定されるものではないが、底板20は、例えばプラパール(登録商標)によって構成されてもよい。プラパール(登録商標)は、気泡が形成された気泡緩衝層をプラスチックシートで挟み込んだ構造を有する板材である。
貨物収容具30は、底板20上に配置される。貨物収容具30は、外箱10の内部に被収容物100を収容する収容室30sを画成する。貨物収容具30は、積載方向Zから見て格子状を有している。具体的には、図2に示すように、貨物収容具30は、4枚の側板31a、31b、31c,31d、及び、2枚の仕切板32a,32bを有している。貨物収容具30の側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32a,32bは、例えば中空構造を有するプラスチック製の板材によって構成される。側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32a,32bは、例えばプラパール(登録商標)によって構成されていてもよい。中空構造を有するプラスチック製の板材によって貨物収容具30を構成することによって、収容室30sの断熱性が高められる。
なお、貨物収容具30の側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32a,32bの板厚は、後述する冷却材収容具60の側板61a、61b、61c,61d、及び、仕切板62a,62bの板厚よりも厚くてもよい。貨物収容具30の板厚を厚くすることにより、貨物収容具30の剛性が高められ、運搬時に被収容物100が損傷しにくくなる。
側板31a及び側板31cは互いに間隔を置いて平行に配置され、側板31b及び側板31dは互いに間隔を置いて平行に配置されている。側板31a及び側板31cと側板31b及び側板31dは、互いに垂直な方向に面している。仕切板32aは、側板31a及び側板31cの間に配置され、側板31aと側板31cとの間の空間を仕切っている。仕切板32bは、側板31b及び側板31dの間に配置され、側板31bと側板31dとの間の空間を仕切っている。
貨物収容具30の側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32a,32bは、格子状をなすように互いに接続されている。これにより、貨物収容具30の内部には、複数の収容室30s(図1に示す実施形態では、4つの収容室)が画成される。すなわち、複数の収容室30sは、側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32a,32bによって仕切られた空間である。
図1に示すように、複数の収容室30sの各々には、被収容物100が収容される。なお、外箱10の内部に形成される収容室30sの形状及び数は、被収容物100の寸法に応じて変更することが可能である。図3(a)に示すように、収容室30sの形状及び数を変更するために、貨物収容具30の側板31a、31b、31c,31dには、積載方向Zに延在する複数のスリット(切れ込み)SLが形成されていてもよい。これら複数のスリットSLのうち任意のスリットSLに仕切板を嵌め合わせることで、収容室30sの形状及び数を変更することが可能である。
枠体40は、複数の収容室30sの形状に対応する開口を有する枠状をなしている。枠体40は、貨物収容具30の上端上に配置される。枠体40上には、枠体40に形成された開口を閉じる内蓋50が配置される。内蓋50は、中空構造を有するプラスチック製の板材、例えばプラパール(登録商標)によって構成される。複数の収容室30sと後述する複数の保冷室60sとの間に介在する。内蓋50には、当該内蓋50を板厚方向に貫通する複数の貫通孔50hが形成されている。複数の貫通孔50hは、複数の収容室30sと複数の保冷室60sとそれぞれ連通する。
内蓋50上には、冷却材収容具60が配置される。冷却材収容具60は、外箱10の内部に冷却材110を収容する保冷室60sを画成する。冷却材収容具60は、積載方向Zから見て格子状を有している。具体的には、図2に示すように、冷却材収容具60は、4枚の側板61a、61b、61c,61d、及び、2枚の仕切板62a,62bを有している。冷却材収容具60の側板61a、61b、61c,61d、及び、仕切板62a,62bは、例えば中空構造を有するプラスチック製の板材によって構成される。側板61a、61b、61c,61d、及び、仕切板62a,62bは、例えばプラスチック製の段ボールによって構成されていてもよい。なお、貨物収容具30の側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32a,32bの板厚は、冷却材収容具60の側板61a、61b、61c,61d、及び、仕切板62a,62bの板厚よりも厚く形成されていてもよい。
側板61a及び側板61cは互いに間隔を置いて平行に配置され、側板61b及び側板61dは互いに間隔を置いて平行に配置されている。側板61a及び側板61cと側板61b及び側板61dとは、互いに垂直な方向に面している。仕切板62aは、側板61a及び側板61cの間に配置され、側板61aと側板61cとの間の空間を仕切っている。仕切板62bは、側板61b及び側板61dの間に配置され、側板61bと側板61dとの間の空間を仕切っている。
冷却材収容具60の側板61a、61b、61c,61d、及び、仕切板62a,62bは、格子状をなすように互いに接続されている。これにより、冷却材収容具60の内部には、複数の保冷室60s(図1に示す実施形態では、4つの保冷室)が画成される。すなわち、複数の保冷室60sは、側板61a、61b、61c,61d、及び、仕切板62a,62bによって仕切られた空間である。これら複数の保冷室60sは、複数の収容室30sの上方にそれぞれ位置する。なお、保冷室60sの容積は、被収容物100を保冷すべき期間に応じて決定される。一実施形態では、複数の保冷室60sの容積の合計は、複数の収容室30sの容積の合計よりも大きくてもよい。
なお、保冷室60sの形状及び数は、冷却材110の寸法に応じて変更することが可能である。図3(b)に示すように、保冷室60sの形状及び数を変更するために、冷却材収容具60の側板61a、61b、61c,61dには、積載方向Zに延在する複数のスリット(切れ込み)SLが形成されていてもよい。これら複数のスリットSLのうち任意のスリットSLに仕切板を嵌め合わせることで、保冷室60sの形状及び数を変更することが可能である。
図1に示すように、複数の保冷室60sの各々には、冷却材110が収容される。冷却材110としては、保冷温度に応じてドライアイス又は蓄冷材が用いられる。図1に示す実施形態では、梱包された被収容物100を冷凍した状態で運搬するために、複数の保冷室60sの各々にドライアイスが収容される。なお、保冷室60sに配置されるドライアイスは、ブロック状であってもよいしペレット状であってもよい。
ドライアイスの気化により発生した冷却ガスは、複数の保冷室60sの内部で広がると共に、複数の貫通孔50hを通って下降し、複数の収容室30sにそれぞれ供給される。これにより、複数の収容室30s内に配置された被収容物100が冷却される。このとき、冷却ガスの広がる範囲は、複数の収容室30s及び複数の保冷室60sに限定される。複数の収容室30s及び複数の保冷室60sの容積の合計は、外箱10の内部空間の容積よりも小さいので、ドライアイスの消耗が抑制される。
一実施形態では、図1に示すように、冷却材110は、ガス透過性を有するシート材112で覆われていてもよい。シート材112は、ドライアイスから気化する冷却ガスの量を抑制する。これにより、ドライアイスの消耗が抑制され、保冷期間をより長期化することができる。
図4及び図5を参照して、被収容物100を保冷容器1に収容する手順について説明する。まず、図4に示すように、外箱10の蓋部13が開放され、蓋部13を覆う断熱材15が取り外される。次に、外箱10の内部に底板20及び貨物収容具30が配置される。そして、貨物収容具30によって仕切られた複数の収容室30sに被収容物100が配置される。
次に、図5に示すように、貨物収容具30上に枠体40、内蓋50及び冷却材収容具60が配置される。そして、冷却材収容具60によって仕切られた複数の保冷室60sにシート材112によって覆われた冷却材110が配置される。次に、蓋部13を覆う断熱材15を取り付けてから蓋部13が閉じられ、金具によって蓋部13が側部11に固定される。蓋部13は、バンド等を用いて更に固定されてもよい。
上述したように、保冷容器1では、冷却材110から発生した冷却ガスが、内蓋50に形成された貫通孔50hを通って徐々に収容室30sに供給され、被収容物100が冷却される。この保冷容器1では、冷却ガスの広がる範囲が複数の収容室30s及び及び複数の保冷室60sに限定されるのでドライアイスの消耗が抑制される。その結果、長期間に亘って低温状態を維持することができる。図1に示す保冷容器1は冷凍用の保冷容器であるが、一実施形態では冷蔵用の保冷容器として利用することが可能である。
次に、図6を参照して別の実施形態に係る保冷容器について説明する。図6に示す保冷容器1Aは、被収容物100を冷蔵した状態のまま輸送するための梱包容器である。以下では、上述した保冷容器1との相違点について主に説明し、重複する説明は省略する。
図6に示すように、保冷容器1Aは、貨物収容具30に代えて第1の貨物収容具30A1及び第2の貨物収容具30A2を備えている。第1の貨物収容具30A1及び第2の貨物収容具30A2は、4枚の側板を有し、積載方向Zから見て四角形状をなしている。第2の貨物収容具30A2の外寸は、第1の貨物収容具30A1の内寸よりも小さく形成されている。第2の貨物収容具30A2は、第1の貨物収容具30A1の内側に収容され、その内部に被収容物100を収容する収容室30sを画成する。
第1の貨物収容具30A1及び第2の貨物収容具30A2の側板は、例えば中空構造を有するプラスチック製の板材によって構成されていてもよい。より具体的には、第1の貨物収容具30A1の側板はプラパール(登録商標)によって構成され、第2の貨物収容具30A2の側板はプラスチック製の段ボールによって構成されていてもよい。なお、第1の貨物収容具30A1の側板は、第2の貨物収容具30A2の側板の板厚よりも厚くてもよい。さらに、第2の貨物収容具30A2の側板には、温度調整用の開口が形成されていてもよい。
保冷容器1Aは、冷却材収容具60に代えて冷却材収容具60Aを備えている。冷却材収容具60Aは、複数の保冷室60sを画成する。図6に示す実施形態では、冷却材収容具60Aは、4つの保冷室60sを画成している。冷却材収容具60Aによって画成される複数の保冷室60sの容積の合計は、収容室30sの容積よりも小さい。これら複数の保冷室60sの各々には、冷却材110が収容される。保冷容器1Aでは、梱包された被収容物100を冷蔵した状態で運搬するために各保冷室60sには冷却材110として蓄冷材が収容される。蓄冷材は、樹脂等のケース内に希望する保冷温度に近い融点を持つ保冷剤を封入したものである。
冷却材110によって発生した冷気は、複数の保冷室60sの内部で広がり、複数の貫通孔50hを通って下降することで複数の保冷室60sの下方に配置された収容室30sに供給される。これにより、収容室30s内に配置された被収容物100が冷却される。このとき、冷却材110によって冷却される範囲は、複数の収容室30s及び複数の保冷室60sに限定されるので冷却材110の消耗が抑制される。
次に、図7を参照して、別の実施形態に係る保冷容器について説明する。図7は、別の実施形態に係る保冷容器1Bを模式的に示す斜視図である。この保冷容器1Bは、梱包された被収容物100を冷蔵された状態のまま輸送するため容器である。以下では、上述した保冷容器1との相違点について主に説明し、重複する説明は省略する。
図7に示すように、保冷容器1Bは、外箱10、底板20B、貨物収容具30B、内蓋50B及び冷却材収容具60Bを備えている。底板20Bは、外箱10の底部12上に配置される。底板20Bには、温度調整用の開口が形成されていてもよい。底板20Bは、例えばプラスチック製の段ボールによって構成される。
貨物収容具30Bは、底板20B上に配置される。貨物収容具30Bは、外箱10の内部に被収容物100を収容する収容室30sを画成する。図7に示すように、貨物収容具30Bは、4枚の側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32aを有している。貨物収容具30の側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32aは、例えばプラスチック製の段ボールによって構成される。4枚の側板31a、31b、31c,31d、及び、仕切板32aには、温度調整用の開口が形成されている。4枚の側板31a、31b、31c,31dに囲まれた空間は、仕切板32aによって二分割されている。これにより、貨物収容具30Bは、その内部に被収容物100を収容する2つの収容室30sを画成する。
貨物収容具30B上には、内蓋50Bが配置される。内蓋50Bは、例えばプラスチック製の段ボールによって構成される。内蓋50Bは、貫通孔50hを有していない点で内蓋50と相違する。
内蓋50B上には、冷却材収容具60Bが配置される。冷却材収容具60Bは、例えばプラスチック製の段ボールによって構成されている。冷却材収容具60Bは、積載方向Zから見て格子状に形成され、2つの保冷室60sを画成する。2つの保冷室60sの各々には、冷却材110が収容される。保冷容器1Bでは、梱包された被収容物100を冷蔵した状態で運搬するために、保冷室60sには冷却材110として蓄冷材が収容される。保冷容器1Bでは、内蓋50Bを介した熱伝導作用によって冷却材110の冷熱が収容室30sに伝わり、その結果、被収容物100が冷却される。
以上、種々の実施形態に係る保冷容器について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。すなわち、上述した実施形態は例示説明を目的とするものであり、本発明の範囲を制限するものではないことに留意すべきである。例えば、貨物収容具30は少なくとも1つの収容室30sを画成すればよいし、冷却材収容具60は少なくとも1つの保冷室60sを画成すればよい。なお、上述した種々の実施形態は、矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
次に、上述した保冷容器1の効果について実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例では、図2に示す保冷容器1を大型恒温室内に配置し、恒温室内の温度を-10℃~35℃の範囲内で15日間に亘って周期的に変化させた。そして、保冷容器1の収容室30s内に配置された温度センサによって収容室30s内の温度の経時的変化を計測した。保冷容器1の外箱10には、紙製の強化段ボールを使用した。外箱10の寸法は、幅930mm、奥行き900mm、高さ870mmとした。外箱10の内面を覆う断熱材15は、厚さ45mmの高密度発泡スチロール、厚さ10mmの真空断熱材、厚さ45mmの高密度発泡スチロール、厚さ10mmの高密度発泡スチロール、厚さ10mmの真空断熱材、及び、厚さ5mmのプラスチック製の段ボールを外側からこの順に積層した構造とした。冷却材110としては、シート材112に覆われた重量250kgの角形(250mm×250mm×250mm)のドライアイスを4つ使用した。
図8は、恒温室内の温度と計測された収容室30s内の温度の経時的変化を示すグラフである。図8に示すように、保冷容器1によれば、恒温室の温度を-10℃~35℃の範囲内で変化させた場合であっても、15日間以上の長期間に亘って収容室30s内の温度を-70℃以下に維持できることが確認された。
1,1A,1B…保冷容器、10…外箱、15…断熱材、15A…高密度発泡スチロール製の断熱材、16B…真空断熱材、30…貨物収容具(第1の収容具)、30s…収容室、50,50B…内蓋、50h…貫通孔、60…冷却材収容具(第2の収容具)、60s…保冷室、100…被収容物、110…冷却材、112…シート材。
Claims (7)
- 開閉可能な蓋部を有する外箱と、
被収容物を収容する収容室を前記外箱の内部に画成する第1の収容具と、
冷却材を収容する保冷室を前記外箱の内部に画成する第2の収容具であり、前記保冷室は前記収容室の上方に位置する、該第2の収容具と、
前記収容室と前記保冷室との間に介在する内蓋と、
を備える、保冷容器。 - 前記内蓋には、前記保冷室と前記保冷室とを連通する貫通孔が形成されている、請求項1に記載の保冷容器。
- 前記第1の収容具及び前記第2の収容具は、中空構造を有するプラスチック製の板材によって構成されている、請求項1又は2に記載の保冷容器。
- 前記第1の収容具を構成する板材の板厚は、前記第2の収容具の板材の板厚よりも厚い、請求項3に記載の保冷容器。
- 前記第1の収容具は、平面視において格子状をなし、その内部に複数の収容室を画成し、
前記第2の収容具は、平面視において格子状をなし、その内部に複数の保冷室を画成し、
前記複数の保冷室は、前記複数の収容室の上方にそれぞれ位置する、請求項1~4の何れか一項に記載の保冷容器。 - 前記外箱の内面には、断熱材によって覆われており、
前記断熱材は、発泡スチロール製の断熱材と真空断熱材とが積層された多層構造を有する、請求項1又は2に記載の保冷容器。 - 前記保冷室に収容された前記冷却材であるドライアイスを更に備え、
前記ドライアイスは、ガス透過性を有するシート材で覆われている、請求項1~6の何れか一項に記載の保冷容器。
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