JP2022118454A - フッ化物イオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素濃度が2ppmを超える環境下であっても高い充放電効率が得られるフッ化物イオン二次電池を提供すること。【解決手段】正極材層と、負極材層と、正極材層と負極材層の間に配置される固体電解質層と、正極材層、負極材層及び固体電解質層を収容して密封する外装体と、を備えるフッ化物イオン二次電池であって、外装体内の密封空間は、Ar雰囲気である、フッ化物イオン二次電池である。外装体内の密封空間における酸素濃度は、7.3ppm以下であってよい。【選択図】図6

Description

本発明は、フッ化物イオン二次電池に関する。
従来、フッ化物イオンをキャリアとしたフッ化物イオン二次電池が提案されている。フッ化物イオン二次電池は、リチウムイオン二次電池を上回る電池特性が期待されており、近年、種々の検討が進められている。
例えば、正極と、少なくともLaを含む金属及び少なくともLaを含むフッ化物のうち少なくとも一方を含む負極と、フッ化物イオンを伝導するイオン伝導媒体と、前記正極、前記負極及び前記イオン伝導媒体を密閉して収容する収容部と、を備えたフッ化物イオン二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-84506号公報
しかしながら、特許文献1のような従来のフッ化物イオン二次電池は、充放電におけるフッ化及び脱フッ化反応の過程で電極活物質が酸素により酸化されて失活する。そのため、従来のフッ化物イオン二次電池は、収容部の内部における酸素濃度が2ppm以下でなければ動作せず、充放電サイクル3回で充放電効率が半減し、サイクル劣化が著しいものであった。従って、酸素濃度が2ppmを超える環境下であっても高い充放電効率が得られるフッ化物イオン二次電池の開発が望まれる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、酸素濃度が2ppmを超える環境下であっても高い充放電効率が得られるフッ化物イオン二次電池を提供することを目的とする。
(1) 本発明は、正極材層と、負極材層と、前記正極材層と前記負極材層の間に配置される固体電解質層と、前記正極材層、前記負極材層及び前記固体電解質層を収容して密封する外装体と、を備えるフッ化物イオン二次電池であって、前記外装体内の密封空間は、Ar雰囲気である、フッ化物イオン二次電池を提供する。
(2) (1)のフッ化物イオン二次電池において、前記外装体内の密封空間における酸素濃度は、7.3ppm以下であってよい。
(3) (1)のフッ化物イオン二次電池において、前記正極材層は、Agを含み、前記負極材層は、CeFとPbFのうち少なくとも一方を含み、前記固体電解質層は、LaFを含んでよい。
本発明によれば、酸素濃度が2ppmを超える環境下であっても高い充放電効率が得られるフッ化物イオン二次電池を提供できる。
第1実施形態に係るフッ化物イオン二次電池の構成を模式的に示す図である。 第1実施形態に係るフッ化物イオン二次電池の製造方法の一例を示す図である。 実施例1に係るフッ化物イオン二次電池の充放電曲線を示す図である。 実施例1に係るフッ化物イオン二次電池のサイクル数の平方根と容量との関係を示す図である。 実施例1に係るフッ化物イオン二次電池のサイクル数の平方根と充放電効率との関係を示す図である。 実施例1及び実施例2に係るフッ化物イオン二次電池の充放電曲線を示す図である。 経時における実施例2のコインセル外装体内の酸素濃度を示す図である。 実施例2に係るフッ化物イオン二次電池の充放電試験における時間と電圧及び電流との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1の構成を模式的に示す図である。図1に示されるように、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、正極材層11と、負極材層13と、正極材層11と負極材層13の間に配置される固体電解質層15と、これら正極材層11、負極材層13及び固体電解質層15を収容して密封する外装体10と、を備える。
外装体10としては、正極材層11、負極材層13及び固体電解質層15を収容して密封できるものであればよく、特に制限されない。例えば、ラミネートフィルムの他、収容部及び蓋部からなるコインセル外装体等を用いることができる。また、例えば株式会社イーシーフロンティア製のセルを外装体10として用いることもできる。なお、図1では、外装体10として、コインセル外装体を用いた例を示している。
本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、外装体10内の密封空間がAr雰囲気である点に特徴を有する。即ち、外装体10の内部には、Arガスが充填されている。なお、外装体10の内部を真空排気する必要は無く、従来のフッ化物イオン二次電池と比べて、外装体10の内部の酸素濃度は高くてもよい。
具体的に、外装体10内の密封空間における酸素濃度は、7.3ppm以下であることが好ましい。上述した通り、従来のフッ化物イオン二次電池は、セルの内部における酸素濃度が2ppm以下でなければ動作せず、充放電サイクル3回で充放電効率が半減し、サイクル劣化が著しいものであった。これに対して、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1では、外装体10内の密封空間がAr雰囲気であるため、密封空間の酸素濃度が7.3ppm以下であれば動作し、高い充放電効率が得られる。
正極材層11は、Agを含んで構成される。好ましくは、Agのみで構成された正極材層11が用いられる。正極材層11は、放電時にはフッ化物イオンFを放出し、充電時にはフッ化物イオンFを吸蔵する。このAgからなる正極材層11は、室温にて過電圧が少ない特徴を有する。Agからなる正極材層11は、例えば後述するようにスパッタリングにより形成される。
正極材層11の膜厚は、10nm以上120nm未満であることが好ましい。正極材層11の膜厚が10nm未満であると、粒子や島状の状態で成膜できないか、成膜できたとしても反応ムラの原因となるため、好ましくない。また、正極材層11の膜厚が120nmを超えると、過電圧が大きくなり充放電効率が低下するため、好ましくない。正極材層11のより好ましい膜厚は、10nm以上60nm以下であり、さらに好ましくは10nm以上30nm以下である。図1では、正極材層11の膜厚が60nmの例を示している。
負極材層13は、CeFとPbFのうち少なくとも一方を含んで構成される。好ましくは、CeFを含んで構成される負極材層13が用いられる。負極材層13は、放電時にはフッ化物イオンFを吸蔵し、充電時にはフッ化物イオンFを放出する。このCeFとPbFのうち少なくとも一方からなる負極材層13は、室温にて過電圧が少ない特徴を有する。CeFとPbFのうち少なくとも一方を含む負極材層13は、例えば後述するようにスパッタリングにより形成される。
負極材層13の膜厚は、10nm以上200nm未満であることが好ましい。負極材層13の膜厚が10nm未満であると、粒子や島状の状態で成膜できないか、成膜できたとしても反応ムラの原因となるため、好ましくない。また、負極材層13の膜厚が200nmを超えると、過電圧が大きくなり充放電効率が低下するため、好ましくない。負極材層13のより好ましい膜厚は、10nm以上100nm以下である。図1では、負極材層13の膜厚が100nmの例を示している。
なお、負極材層13は、例えばフッ化物イオン伝導性フッ化物からなる固体電解質や、導電助剤をさらに含んでもよい。また、負極材層13は、本実施形態の効果を阻害しない範囲において、バインダ等の他成分を含んでもよい。
フッ化物イオン伝導性フッ化物としては、フッ化物イオン伝導性を有するフッ化物であればよく、例えば、CeBaFやBaLaF等のフッ化物イオン伝導性フッ化物が例示される。これらフッ化物イオン伝導性フッ化物を含むことにより、フッ化物イオン伝導性が向上する。
導電助剤としては、電子伝導性を有するものであればよく、例えば、カーボンブラック等が用いられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が例示される。これら導電助剤を含むことにより、電子伝導性が向上する。
固体電解質層15は、LaFを含んで構成される。LaFからなる固体電解質層15は、優れたフッ化物イオンF伝導性を有する。LaFからなる固体電解質層15としては、市販のLaF基板を用いることができる。また、固体電解質層15の膜厚は、特に制限されないが、例えば0.1mm~0.5mmであることが好ましい。図1では、固体電解質層15の膜厚が0.5mmの例を示している。
また、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、正極材層11の外側に配置される正極集電体層12を備えることが好ましい。正極集電体層12は、電子伝導性を有するものであればよく、制限されない。例えば、カーボンからなる正極集電体層12が好ましく用いられる。正極集電体層12の膜厚は特に制限されず、図1では、正極集電体層12の膜厚が30nmの例を示している。
また、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、負極材層13の外側に配置される負極集電体層14を備えることが好ましい。負極集電体層14は、電子伝導性を有するものであればよく、制限されない。例えば、負極材層13がCeFを含む場合には、カーボンからなる負極集電体層14が好ましく用いられる。これに対して、負極材層がPbFを含む場合には、Pb箔からなる負極集電体層が好ましく用いられる。負極集電体層14の膜厚は特に制限されず、図1では、負極集電体層14の膜厚が30nmの例を示している。
本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、形状や大きさについては特に制限されない。図1では、円柱状のコインセル外装体の例を示しており、正極材層11、正極集電体層12、負極材層13及び負極集電体層14の径がφ8mmであり、固体電解質層15の径がφ10mmである。このように固体電解質層15の径を大きくすることにより、正極と負極の短絡が抑制される。
次に、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池の製造方法について、図2を参照して詳しく説明する。
図2は、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池の製造方法の一例を示す図である。図2に示されるように、先ず、大気非暴露下(例えば、露点80℃以下で酸素濃度1ppm以下の環境下)にて、固体電解質層15としてのLaF基板を所定の冶具(不図示)にセットする。この作業は、例えば、上記環境に設定された株式会社UNICO製のグローブボックス内で行うことができる。
なお、LaF基板としては、例えばピアーオプティクス株式会社製等の市販のLaF基板を用いることができる。LaF基板の大きさは特に制限されないが、例えばφ10mm×厚さ0.5mmのLaF基板を用いることができる。また、LaF基板は、表面が鏡面仕上げされたものを用いるのが好ましい。
次いで、上記冶具にセットしたLaF基板を、上記環境下を保ちながら、スパッタ装置のチャンバー内に搬送する。スパッタ装置としては、例えばキャノンアネルバ株式会社製スパッタ装置「EB1000」等の市販のスパッタ装置を用いることができる。成膜前のチャンバー内の真空度としては、例えば5×10-4Pa以下とする。
次いで、上記スパッタ装置を用いたDCスパッタを実行することにより、Agからなる正極材層11を固体電解質層15としてのLaF基板の一方の面上に成膜する。成膜後は所定時間休止する。
次いで、成膜された正極材層11上に、上記スパッタ装置を用いたDCスパッタを実行することにより、カーボンからなる正極集電体層12を成膜する。
次いで、一方の面上に正極材層11及び正極集電体層12がこの順に形成された、固体電解質層15としてのLaF基板を、上記環境下を保ちながら、スパッタ装置のチャンバー内から上記グローブボックス内に搬送する。搬送後、LaF基板を上記冶具から取り外して裏返し、他方の面を表側に向けた状態で再び上記冶具にセットする。
次いで、裏返して上記冶具に再度セットしたLaF基板を、上記環境下を保ちながら、スパッタ装置のチャンバー内に搬送する。搬送後、上記スパッタ装置を用いたRFスパッタを実行することにより、CeFからなる負極材層13を固体電解質層15としてのLaF基板の他方の面上に成膜する。PbFからなる負極材層を成膜する場合にも、同様の操作により可能である。
次いで、成膜された負極材層13上に、上記スパッタ装置を用いたDCスパッタを実行することにより、カーボンからなる負極集電体層14を成膜する。Pb箔からなる正極集電体層を成膜する場合にも、同様の操作により可能である。
次いで、他方の面上に負極材層13及び負極集電体層14がこの順に形成された固体電解質層15としてのLaF基板を、上記環境下を保ちながら、スパッタ装置のチャンバー内から上記グローブボックス内に搬送する。搬送後、コインセルやラミネートセル等の外装体10の取り付け、組み立て工程を経た後、外装体10内の密封空間にArガスを導入することにより、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1を得る。
なお、各層の成膜は、事前に各成膜レートを検証し、その成膜レートからスパッタ時間を調整することにより、膜厚を制御可能である。具体的には、例えば石英板上の一部にカプトンテープ等のマスキングテープを貼り付けた状態で、ある条件で各スパッタ成膜を実施した後、マスキングテープを剥がし、マスキングテープでマスキングされていた部分とマスキングされていなかった部分の段差(膜厚)を段差計により測定する。そして、各スパッタ成膜の条件を変化させて測定した結果から、検量線を作成することにより成膜レートを求める。これにより、各成膜の厚みを所望の膜厚に制御可能である。
次に、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1のセル容量について説明する。
本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1の例として、図1に示すように、Agからなる正極材層11の膜厚を60nmとし、CeFからなる負極材層13の膜厚を100nmとした場合、正極ハーフセル及び負極ハーフセルの容量は、それぞれ以下の通りである。
[正極ハーフセル]
理論容量:248mAh/g
密度:10.49g/cm
膜厚:60nm
電極面積:0.5cm
電池容量:7.84μAh
[負極ハーフセル]
理論容量:408mAh/g
密度:6.77g/cm
膜厚:100nm
電極面積:0.5cm
電池容量:12.8μAh
本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1では、上記のように正極の方が理論容量は小さいため、正極の理論容量によりセル容量が決定される。即ち、上述の本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1のセル容量は、正極の容量7.84μAhとなり、N/P比は12.8/7.84=1.63である。
以上の構成を備える本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、正極材層11と、負極材層13と、正極材層11と負極材層13の間に配置される固体電解質層15と、これら正極材層11、負極材層13及び固体電解質層15を収容して密封する外装体10と、を備える構成とした。また、外装体10内の密封空間をAr雰囲気とした。
これにより、外装体10内の密封空間がAr雰囲気であるため、充放電におけるフッ化及び脱フッ化反応の過程で電極活物質が酸素により酸化されて失活するのを抑制できる。従って、本実施形態によれば、密封空間の酸素濃度が高くても電池として動作し、高い充放電効率を得ることができる。具体的には、外装体10内の密封空間における酸素濃度が7.3ppm以下であっても、電池として動作し、高い充放電効率を得ることができる。
また本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、Agを含む正極材層11と、CeFとPbFのうち少なくとも一方を含む負極材層13と、正極材層11と負極材層13の間に配置されるLaFを含む固体電解質層15と、を備える構成とした。即ち、本実施形態に係るフッ化物イオン二次電池1は、ハーフセルでの充放電試験及び間欠充放電試験により、室温で動作させた場合であっても過電圧の少ない材料を選定して構成されたものである。そのため、室温で動作させた場合であっても、大きな過電圧が生じることを回避できるため、充放電サイクル劣化を抑制でき、高い充放電効率が得られる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1として、図1に示した第1実施形態に係るフッ化物イオン二次電池を、上述の製造方法に従って作製した。なお、実施例1では、コインセル外装体内の密封空間を真空排気した後に、Arガスを充填させた。即ち、実施例1のコインセル外装体内の密封空間における酸素濃度は2ppm以下とした。作製した実施例1に係るフッ化物イオン二次電池について、以下の条件で定電流(CC)充放電試験を実施した。
CC充放電試験は、室温25℃の真空下(1×10-4Pa以下)で実施した。実施例1に係るフッ化物イオン二次電池では、CeFからなる負極よりも理論容量が小さいAgからなる正極の理論容量248mAh/gによりセル容量が決定されるため、電流負荷は、Agからなる正極の理論容量248mAh/gの1/20Cに相当する400nAとした。実施例1のセル面積は約0.5cmのため、この電流負荷は単位面積あたり約0.8μA/cmに相当する。また、カットオフ条件は、カットオフ電圧1.0~4.2V、又は、カットオフ時間20時間とした。なお、充放電の各切り替え時には、10分間、休止させた。
充放電試験手順としては、初回の10サイクルについてはレート試験を実施した。具体的に、1~3サイクルでは1/20C、4~5サイクルでは1/10C、6~7サイクルでは1C、8~9サイクルでは2Cと、徐々により早いレートに上げた。レート試験後、レート1Cで継続して100サイクルの充放電試験を実施した。なお、途中、レートを1/20Cにして充放電容量の確認を行った。充放電試験結果を、図3~図5に示した。
図3は、実施例1に係るフッ化物イオン二次電池の充放電曲線を示す図である。図4は、実施例1に係るフッ化物イオン二次電池のサイクル数の平方根と容量との関係を示す図である。図5は、実施例1に係るフッ化物イオン二次電池のサイクル数の平方根と充放電効率との関係を示す図である。ここで、図3は、初回10サイクルのレート試験により得られた充放電曲線を示している。また、図4及び図5は、レート試験に加えて、レート試験後の100サイクルの充放電試験により得られた充放電容量と充放電効率を示している。
図3~図5に示されるように、実施例1に係るフッ化物イオン二次電池によれば、室温で電池として動作することが確認された。また、室温において、初期の充放電効率が90%であり、0.05Cの放電容量に対する2Cの放電容量は77%を維持しており、優れたレート特性を有することが分かった。さらには、室温において、1C充放電サイクル時の充放電効率が99%であり、100サイクル充放電後の容量維持率が50%であることが分かった。以上の結果から、実施例1に係るフッ化物イオン二次電池によれば、室温で高い充放電効率が得られることが確認された。
[実施例2]
実施例2として、図1に示した第1実施形態に係るフッ化物イオン二次電池を、上述の製造方法に従って作製した。なお、実施例2では真空排気はせずに、コインセル外装体内の密封空間にArガスを充填させた。作製した実施例2に係るフッ化物イオン二次電池について、上述した実施例1と同様の条件で定電流(CC)充放電試験を実施した。
図6は、実施例1及び実施例2に係るフッ化物イオン二次電池の充放電曲線を示す図である。図6に示されるように、実施例2に係るフッ化物イオン二次電池は、真空引きしていないにも関わらず、実施例1と同様に外装体内の密封空間がAr雰囲気であるため、電池として動作することが確認された。
なお、実施例2に係るフッ化物イオン二次電池を用いて、経時における実施例2のコインセル外装体内の酸素濃度を調べた。具体的には、実施例2に係るコインセル型のフッ化物イオン二次電池を作製後、大気中に放置し、2日後と3日後でコインセル内への酸素の漏れ込み量を調べた。酸素の漏れ込み量の測定は、以下の測定条件に従って行った。
(測定条件)
測定装置:TPD-MS装置
密閉容器:パッケージ分析用特殊密閉容器
GC/MS装置:島津製作所製GC/MS装置「QP2010Plus(10)」
測定モード:測定開始5分後に密閉容器内で試料を破壊し、放出された気体についてTPD-MS分析を実施
破壊温度:室温
MS感度:0.95kV
質量数範囲:m/z=10~300
雰囲気:He流(50ml/min)
標準物質:Air
データ処理:TRC製熱分析処理システム「THADAP-TGGC/MS」
図7は、経時における実施例2のコインセル外装体内の酸素濃度を示す図である。図7において、0日における酸素濃度は、コインセルを組み立てたグローブボックス内の酸素濃度0.5ppmとした。図7に示されるように、2日後、3日後と経時で酸素濃度が高くなることが分かり、コインセル内への酸素の漏れ込みが確認された。また、これらの結果から、図7に示されるような近似直線が得られることが分かった。
ここで、図8は、実施例2に係るフッ化物イオン二次電池の充放電試験における経過時間と電圧及び電流との関係を示す図である。図8に示されるように、実施例2ではCC充放電(1/20C)1サイクル目の34時間後における初期充放電効率は80%であり、1サイクルは持ちこたえることが確認された。そのため、34時間(1.42日)後の酸素濃度を図7の近似直線から求めると、7.3ppmであることが確認された。従って、外装体内の密封空間における酸素濃度は、7.3ppm以下が好ましいことが確認された。
1 フッ化物イオン二次電池
10 外装体
11 正極材層
12 正極集電体層
13 負極材層
14 負極集電体層
15 固体電解質層

Claims (3)

  1. 正極材層と、負極材層と、前記正極材層と前記負極材層の間に配置される固体電解質層と、前記正極材層、前記負極材層及び前記固体電解質層を収容して密封する外装体と、を備えるフッ化物イオン二次電池であって、
    前記外装体内の密封空間は、Ar雰囲気である、フッ化物イオン二次電池。
  2. 前記外装体内の密封空間における酸素濃度は、7.3ppm以下である、請求項1に記載のフッ化物イオン二次電池。
  3. 前記正極材層は、Agを含み、
    前記負極材層は、CeFとPbFのうち少なくとも一方を含み、
    前記固体電解質層は、LaFを含む、請求項1又は2に記載のフッ化物イオン二次電池。
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