JP2022118355A - パイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パイプに熱応力が生じることを防ぎながら、パイプ貫通部をシールするうえで信頼性が高くなるパイプ貫通部のシール構造を提供する。【解決手段】第1のパイプ21と、第1のパイプ21の中空部23に挿入された第2のパイプ22とを備える。第1のパイプ21の端部21aが挿入された第1の穴24および第2のパイプ22が挿入された第2の穴25からなる段付き穴26を有する側壁12(壁)を備える。第1の穴24と第1のパイプ21との間が溶接またはろう付けによってシールされる。第2の穴25と第2のパイプ22との間が溶接またはろう付けによってシールされている。【選択図】 図1
Description
本発明は、パイプ貫通部を溶接またはろう付けによってシールするパイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法に関する。
液体や気体が充填された金属製の容器の壁にパイプを貫通させて接続する場合は、パイプ貫通部を溶接やろう付けによってシールすることが多い。このパイプ貫通部のシール構造によれば、例えば図4に示すように、パイプ1が容器2の壁3の外面3aに溶接またはろう付けによって固定される。図4においては、溶接部またはろう付け部を符号4で示す。
この種のシール構造においては、容器2とパイプ1との接続部分が破損すると容器2内の液体や気体が外部に漏洩するおそれがあるため、パイプ貫通部の信頼性を確保することが重要となる。
この種のシール構造においては、容器2とパイプ1との接続部分が破損すると容器2内の液体や気体が外部に漏洩するおそれがあるため、パイプ貫通部の信頼性を確保することが重要となる。
パイプ貫通部の信頼性を高くするためには、例えば図5に示すように、容器2の内側においてパイプ1を壁3の内面3bにろう付けした後に容器2の外側においてパイプ1を壁3の外面3aに溶接し、漏洩を2重に防止するシール構造を採ることが考えられる。図5においては、ろう付け部を符号5で示し、溶接部を符号6で示す。このシール構造によれば、容器2の内部と外部をそれぞれ接続する事で、一方が破損した場合でも他方の接続部が健全であれば漏洩することはない。
容器2にパイプ1を接続する構造として、図6に示すようにパイプ1と容器2を接着剤7で接着する構造も考えられる。
容器2にパイプ1を接続する構造として、図6に示すようにパイプ1と容器2を接着剤7で接着する構造も考えられる。
パイプ1を容器2に接続するにあたって容器2の内側にパイプ1をろう付けして容器2の外側にパイプ1を溶接する構造を採ると、パイプ1にろう付け時と溶接時とでそれぞれ熱が加えられることが原因で問題が生じるおそれがある。すなわち、ろう付けで容器2に固定されたパイプ1に、溶接時に生じた熱応力による負荷が加わってパイプ1が破断するおそれがある。
一方、パイプ1を接着剤7で容器2に接着する場合は、ろう付けや溶接よりも低い温度で接着する事が可能になるから、パイプ1に作用する熱応力による負荷を低減することができる。しかし、接着剤7を使用する構造では、パイプ貫通部をシールするうえで信頼性が溶接やろう付けよりも低くなるという問題がある。また、容器2の内部の充填物の種類によっては接着剤7が使用できない場合があるし、接着剤7は高温になると接着強度が低下するため高温では使用できないという問題もある。
本発明の目的は、パイプに熱応力が生じることを防ぎながら、パイプ貫通部をシールするうえで信頼性が高くなるパイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法を提供することである。
この目的を達成するために本発明に係るパイプ貫通部のシール構造は、第1のパイプと、前記第1のパイプより小径に形成され、一端部が前記第1のパイプの中空部に挿入されて他端部が前記第1のパイプの端部から突出する第2のパイプと、前記第1のパイプの前記端部が挿入された第1の穴および前記第1の穴より穴径が小さく形成されて前記第2のパイプの前記他端部が挿入された第2の穴からなる段付き穴を有する壁とを備え、前記第1の穴と前記第1のパイプとの間が溶接またはろう付けによってシールされ、前記第2の穴と前記第2のパイプとの間が溶接またはろう付けによってシールされているものである。
本発明は、前記パイプ貫通部のシール構造において、前記壁は容器の壁であり、前記第1のパイプは、前記壁から容器外に向けて突出して前記壁に前記溶接によって固定され、前記第2のパイプは、前記壁から容器内に向けて突出して前記壁にろう付けによって固定されていてもよい。
本発明に係るパイプ貫通部のシール方法は、第1の穴と前記第1の穴より穴径が小さい第2の穴とからなる段付き穴を壁に形成するステップと、前記第1の穴に挿入可能な第1のパイプの中空部に前記第1のパイプより小径な第2のパイプを挿入するステップと、前記第1のパイプを前記第1の穴に挿入しかつ前記第2のパイプを前記第2の穴に挿入するステップと、前記第1の穴と前記第1のパイプとの間を溶接またはろう付けによってシールするステップと、前記第2の穴と前記第2のパイプとの間を溶接またはろう付けによってシールするステップとによって実施する方法である。
本発明は、前記パイプ貫通部のシール方法において、前記段付き穴を前記壁に形成するステップは、容器の壁に前記第1の穴が前記容器の外側に位置するように行い、前記第1のパイプの前記中空部に前記第2のパイプを挿入するステップは、前記中空部に前記第2のパイプを圧入して行い、前記第1の穴と前記第1のパイプとの間をシールするステップは溶接によって行い、前記第2の穴と前記第2のパイプとの間をシールするステップはろう付けによって行ってもよい。
本発明においては、溶接やろう付けで第1のパイプと第2のパイプとがそれぞれ壁に固定されているから、漏洩を2重で防止することができる。また、第1のパイプと第2のパイプは、互いに移動できるから、壁の両側で溶接やろう付けが行われるにもかかわらず、これらのパイプに熱応力が生じることはない。
したがって、本発明によれば、パイプに熱応力が生じることを防ぎながら、パイプ貫通部をシールするうえで信頼性が高くなるパイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法を提供することができる。
したがって、本発明によれば、パイプに熱応力が生じることを防ぎながら、パイプ貫通部をシールするうえで信頼性が高くなるパイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法を提供することができる。
以下、本発明に係るパイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法の一実施の形態を図1~図3を参照して詳細に説明する。この実施の形態においては、本発明を容器の壁に適用する場合の一例について説明する。
図1に示す容器11は、図示していない液体や気体を貯留するための容器で、金属材料によって形成された側壁12および底壁13を備えている。この実施の形態においては、側壁12が本発明でいう「壁」に相当する。この側壁12には、液体や気体を通すためのパイプ組立体14が貫通している。側壁12におけるパイプ組立体14が貫通するパイプ貫通部15は、本発明に係るシール構造16によってシールされている。
図1に示す容器11は、図示していない液体や気体を貯留するための容器で、金属材料によって形成された側壁12および底壁13を備えている。この実施の形態においては、側壁12が本発明でいう「壁」に相当する。この側壁12には、液体や気体を通すためのパイプ組立体14が貫通している。側壁12におけるパイプ組立体14が貫通するパイプ貫通部15は、本発明に係るシール構造16によってシールされている。
パイプ組立体14は、外径が相対的に大きい金属製の第1のパイプ21と、第1のパイプ21より小径に形成された金属製の第2のパイプ22とによって構成されている。第2のパイプ22の一端部22aは第1のパイプ21の中空部23に挿入されている。この実施の形態においては、第2のパイプ22が第1のパイプ21の中空部23に圧入されている。第2のパイプ22の他端部22bは、第1のパイプ21の端部21aから突出している。
容器11の側壁12には、図2に示すように、側壁12の外面12aに開口する第1の穴24と、側壁12の内面12bに開口する第2の穴25とからなる段付き穴26が形成されている。第1の穴24には、第1のパイプ21の端部21aが挿入されている。第2の穴25は、第1の穴24より穴径が小さく形成されて第2のパイプ22の他端部22bが挿入されている。
この実施の形態においては、第1の穴24と第1のパイプ21との間が溶接によってシールされている。この溶接部を図2中に符号31で示す。この溶接は、第1のパイプ21の周囲の全域にわたって行われている。このため、第1のパイプ21は、側壁12から容器外に向けて突出した状態で側壁12に溶接によって固定されている。
また、第2の穴25と第2のパイプ22との間は、ろう付けによってシールされている。このろう付け部を図2中に符号32で示す。このろう付けは、第2のパイプ22の周囲の全域にわたって行われている。このため、第2のパイプ22は、側壁12から容器内に向けて突出して側壁12にろう付けによって固定されている。
また、第2の穴25と第2のパイプ22との間は、ろう付けによってシールされている。このろう付け部を図2中に符号32で示す。このろう付けは、第2のパイプ22の周囲の全域にわたって行われている。このため、第2のパイプ22は、側壁12から容器内に向けて突出して側壁12にろう付けによって固定されている。
ここで、このシール構造16によってパイプ貫通部15をシールするシール方法を図3を参照して説明する。
このシール方法を実施するためには、先ず、容器11の側壁12に第1の穴24と第2の穴25とからなる段付き穴26を形成する(ステップS1)。なお、この段付き穴26は、容器11を製造する過程で第1の穴24が容器11の外側に位置するように機械加工によって形成することができる。
このシール方法を実施するためには、先ず、容器11の側壁12に第1の穴24と第2の穴25とからなる段付き穴26を形成する(ステップS1)。なお、この段付き穴26は、容器11を製造する過程で第1の穴24が容器11の外側に位置するように機械加工によって形成することができる。
次に、パイプ組立体14を形成する(ステップS2)。パイプ組立体14は、第1のパイプ21に第2のパイプ22を圧入することにより形成することができる。その後、このパイプ組立体14の第2のパイプ22を段付き穴26に容器11の外側から挿入して容器11の内側に突出させ、第1のパイプ21を第1の穴24に挿入する(ステップS3)。このようにパイプ組立体14を段付き穴26に挿入した状態で第2のパイプ22を側壁12の内面12bにろう付けする(ステップS4)。このろう付け工程が終了することにより、第2のパイプ22と第2の穴25との間がシールされ、パイプ組立体14が容器11に固定される。
ろう付け終了後、第1のパイプ21を側壁12の外面12aに溶接する(ステップS5)。この溶接工程が終了することにより、第1のパイプ21と第1の穴24との間がシールされ、パイプ組立体14が側壁12の両側で固定される。第1のパイプ21を側壁12に溶接する工程で第1のパイプ21に容器11の外側あるいは容器11の内側に押すような応力が生じた場合は、第1のパイプ21が第2のパイプ22に対して圧入部で滑って移動する。なお、ステップS4とステップS5とを実施する順序は、上記の逆とすることができる。すなわち、第1のパイプ21を側壁12に溶接した後に第2のパイプ22を側壁12にろう付けすることができる。
このように構成されたパイプ貫通部のシール構造およびシール方法においては、溶接やろう付けで第1のパイプ21と第2のパイプ22とがそれぞれ側壁12に固定されているから、漏洩を2重で防止することができる。また、第1のパイプ21と第2のパイプ22は、一方に対して他方が滑ることにより互いに移動可能であるから、側壁12の両側で溶接やろう付けが行われるにもかかわらず、これらの第1および第2のパイプ21,22に熱応力が生じることはない。
したがって、この実施の形態によれば、第1および第2のパイプ21,22に熱応力が生じることを防ぎながら、パイプ貫通部15をシールするうえで信頼性が高くなるパイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法を提供することができる。
この実施の形態においては、第2のパイプ22が第1のパイプ21の中空部23に圧入されているから、パイプ組立体14を容器11に組み付ける過程で第2のパイプ22が第1のパイプ21から脱落することがない。なお、第1のパイプ21と第2のパイプ22との圧入部が仮に外れたとしても、段付き穴26の両端の開口が溶接部31とろう付け部32とによって塞がれているから、容器11内の液体や気体がパイプ貫通部15を通って容器11の外に漏洩することはない。
この実施の形態においては、第2のパイプ22が第1のパイプ21の中空部23に圧入されているから、パイプ組立体14を容器11に組み付ける過程で第2のパイプ22が第1のパイプ21から脱落することがない。なお、第1のパイプ21と第2のパイプ22との圧入部が仮に外れたとしても、段付き穴26の両端の開口が溶接部31とろう付け部32とによって塞がれているから、容器11内の液体や気体がパイプ貫通部15を通って容器11の外に漏洩することはない。
この実施の形態においては、第2のパイプ22が容器11の内側に配置される例を示したが、本発明は、このような限定にとらわれることはなく、第1のパイプ21が容器11の内側に位置するように構成することができる。この実施の形態に示すように相対的に細い第2のパイプ22が側壁12の内面12bにろう付けされる構成を採ることにより、容器11の中の狭いスペースでろう付けを行うにもかかわらず、ろう付けを確実に行うことができる。
上述した実施の形態においては、容器11の側壁12のパイプ貫通部15に本発明のシール構造16を適用する例を示したが、本発明は、液体や気体が流れる流路の壁や、流路内の隔壁にパイプが貫通する部分にも適用することができる。
また、上述した実施の形態においては、側壁12の外面12aに溶接が施されるとともに側壁12の内面12bにろう付けが施される例を示したが、本発明は、このような限定にとらわれることはない。すなわち、側壁12の外面12aにろう付けが施されるとともに、側壁12の内面12bに溶接が施される構成を採ることができるし、側壁12の外面12aと内面12bとにろう付けが施されたり、側壁12の外面12a内面12bとに溶接が施される構成を採ることができる。
また、上述した実施の形態においては、側壁12の外面12aに溶接が施されるとともに側壁12の内面12bにろう付けが施される例を示したが、本発明は、このような限定にとらわれることはない。すなわち、側壁12の外面12aにろう付けが施されるとともに、側壁12の内面12bに溶接が施される構成を採ることができるし、側壁12の外面12aと内面12bとにろう付けが施されたり、側壁12の外面12a内面12bとに溶接が施される構成を採ることができる。
11…容器、12…側壁(壁)、15…パイプ貫通部、16…シール構造、21…第1のパイプ、22…第2のパイプ、23…中空部、24…第1の穴、25…第2の穴、26…段付き穴、31…溶接部、32…ろう付け部。
Claims (4)
- 第1のパイプと、
前記第1のパイプより小径に形成され、一端部が前記第1のパイプの中空部に挿入されて他端部が前記第1のパイプの端部から突出する第2のパイプと、
前記第1のパイプの前記端部が挿入された第1の穴および前記第1の穴より穴径が小さく形成されて前記第2のパイプの前記他端部が挿入された第2の穴からなる段付き穴を有する壁とを備え、
前記第1の穴と前記第1のパイプとの間が溶接またはろう付けによってシールされ、
前記第2の穴と前記第2のパイプとの間が溶接またはろう付けによってシールされていることを特徴とするパイプ貫通部のシール構造。 - 請求項1記載のパイプ貫通部のシール構造において、
前記壁は容器の壁であり、
前記第1のパイプは、前記壁から容器外に向けて突出して前記壁に前記溶接によって固定され、
前記第2のパイプは、前記壁から容器内に向けて突出して前記壁にろう付けによって固定されていることを特徴とするパイプ貫通部のシール構造。 - 第1の穴と前記第1の穴より穴径が小さい第2の穴とからなる段付き穴を壁に形成するステップと、
前記第1の穴に挿入可能な第1のパイプの中空部に前記第1のパイプより小径な第2のパイプを挿入するステップと、
前記第1のパイプを前記第1の穴に挿入しかつ前記第2のパイプを前記第2の穴に挿入するステップと、
前記第1の穴と前記第1のパイプとの間を溶接またはろう付けによってシールするステップと、
前記第2の穴と前記第2のパイプとの間を溶接またはろう付けによってシールするステップとによって実施することを特徴とするパイプ貫通部のシール方法。 - 請求項3記載のパイプ貫通部のシール方法において、
前記段付き穴を前記壁に形成するステップは、容器の壁に前記第1の穴が前記容器の外側に位置するように行い、
前記第1のパイプの前記中空部に前記第2のパイプを挿入するステップは、前記中空部に前記第2のパイプを圧入して行い、
前記第1の穴と前記第1のパイプとの間をシールするステップは溶接によって行い、
前記第2の穴と前記第2のパイプとの間をシールするステップはろう付けによって行うことを特徴とするパイプ貫通部のシール方法。
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JP2021014804A JP2022118355A (ja) | 2021-02-02 | 2021-02-02 | パイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法 |
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JP2021014804A Pending JP2022118355A (ja) | 2021-02-02 | 2021-02-02 | パイプ貫通部のシール構造およびパイプ貫通部のシール方法 |
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