JP6674815B2 - 二重封止型ターミナルヘッダの製造方法 - Google Patents
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Description
この種の二重封止型ターミナルヘッダは、周知のとおり、LNG/LPG等の液化天然ガスを貯蔵する低温タンク等の貫通部分に用いられている。この二重封止型ターミナルヘッダは、前記タンクの貫通部を塞ぐように固定される隔壁フランジと、前記隔壁フランジに設けた透孔に挿通固定されたセラミックスリーブと、前記セラミックスリーブの内部の中空部に挿通された導体とを備え、封止が必要な箇所を封止材にて封止してなるものが周知である。
図4において、1は隔壁フランジ、2はセラミックスリーブ、3は環状長尺封着管、4は中心導体、5は第1の環状封着金具、6は第2の環状封着金具、7は第3の環状封着金具、8は第4の環状封着金具、9は環状短尺封着管、11は大径孔部、12は小径孔部、13及び20は空間、21は太円柱部、22は細円柱部、23は第1の凹部、24は第2の凹部、25は凸部である。
この二重封止型ターミナルヘッダを製造する方法において一部工程を次のようにしている。第1の環状封着金具5の一端と第2の環状封着金具6の一端を溶接した後、第2の環状封着金具6を第2の凹部24にロー付けしている。また、第3の環状封着金具7の一端と第4の環状封着金具8の一端を溶接した後、第4の環状封着金具8を凸部25にロー付けしている。
これらの終了後に、セラミックスリーブ2を隔壁フランジ1に大径孔部11側から挿入して、第1の環状封着金具5の他端を隔壁フランジ1に、第3の環状封着金具7の他端を隔壁フランジ1にそれぞれ溶接している。
また、第3の環状封着金具7の一端と第4の環状封着金具8の一端との溶接工程において、それら一端がセラミックスリーブ2の空間20に入り込んだ構造を用いるため、構造上溶接がしにくいという欠点があった。
また、図4符号Aの領域に示すように、大径孔部11と小径孔部12との境界Fの面と、太円柱部21と細円柱部22の境界面とが当接していることから、セラミックスリーブ2が高圧に晒されて応力を受けることになったときに、セラミックスリーブ2にひびが入ったり破損したりする欠点があった。
液化天然ガス等を貯蔵する低温タンクの貫通部分で用いられる二重封止型ターミナルヘッダの製造方法において、
隔壁フランジ及びセラミックスリーブの形状を所定形状に加工する第1加工工程と、
第1の環状封着金具、第2の環状封着金具、第3の環状封着金具及び第4の環状封着金具、中空筒型保護金具を所定形状に加工する第2加工工程と、
第2の環状封着金具、中空筒型保護金具及び第4の環状封着金具をセラミックスリーブの所定位置に配置して位置決め後に、ロー付けする第1の処理工程と、
第1の環状封着金具を第2の環状封着金具に配置して位置決めするとともに、第3の環状封着金具を第4の環状封着金具に配置して位置決めし、かつ第1の環状封着金具と第2の環状封着金具との一端側面及び第3の環状封着金具と第4の環状封着金具との一端側面を溶接する第2の処理工程と、
第1の環状封着金具、第2の環状封着金具、第3の環状封着金具及び第4の環状封着金具が取り付けられた状態で、セラミックスリーブを隔壁フランジの透孔に配置した後、第1の環状封着金具の端部側面と隔壁フランジ及び第3の環状封着金具の端部側面と隔壁フランジをそれぞれ溶接する第3の処理工程とからなることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明の二重封止型ターミナルヘッダの製造方法は、前記第2加工工程が、第4の環状封着金具の一端側をその一端側の側面が他端側を向くように円形状に折り曲げて断面略J字形状に形成する加工工程と、
第3の環状封着金具の一端側が、第4の環状封着金具の折り曲げた部分に嵌まり合う形状に形成するとともに、第3の環状封着金具の一端側の折り曲げた部分が第4の環状封着金具の折り曲げた部分に嵌まり合ったときに、互いの折り曲げた部分の側面が揃う形状に形成する加工工程とからなることを特徴とするものである。
(1)上記製造工程を採用することによりロー付け時の熱処理工程の影響をなくすことができたので、各環状封着金具の溶接部の劣化を防止することができる。
(2)第4の環状封着金具と第3の環状封着金具のそれぞれの一端側面がそれぞれの他端側を向いているため、溶接作業が著しく容易である。
(3)セラミックスリーブの太円柱部と細円柱部の境界部分において中空型保護金具の中空円筒体をセラミックスリーブの第2太円柱部に嵌合してロー付けしてある。セラミックスリーブと隔壁フランジとはセラミックスリーブとロー付けによって固定された中空円筒保護金具を介して当接しているため、セラミック部が直接隔壁フランジに接しないので、セラミックスリーブが高圧に晒されても、セラミック部分に応力集中が発生しないために、セラミックスリーブ2が破損したりひびが入ったりすることがなく、強度の強い二重封止型ターミナルヘッダを得ることができる。
図1及び図2には、本発明の実施の形態に係る二重封止型ターミナルヘッダの製造方法で製造された二重封止型ターミナルヘッダが示されている。
これらの図に示す二重封止型ターミナルヘッダTHも、LNG/LPG等の液化天然ガスを貯蔵する低温タンク等の貫通部分に用いられるものである。なお、図1及び図2に示す各部材につける符号は、図4に示す部材と同一のものには同一の符号を基本的に付すものとする。
前記小径孔部12は、前記第2の側面Sb側から前記第1の側面Sa側に向けて前記大径孔部11までの第2の長さLbにわたって、大径孔部11の半径Raより小さい半径であって前記中心軸Oから第2の半径Rbに保たれて穿設されている。
隔壁フランジ1には、大径孔部11と小径孔部12の境界部Fから小径孔部12側に向かって所定の長さLhで小径孔部12の径Rbよりも大きい半径Rhに穿設することにより第2小径孔部15を形成している。
また、前記セラミックスリーブ2にあって、太円柱部21と細円柱部22との境界Fの境界面(太円柱部21の細円柱部22側の境界面)は一部が平坦面となる所定の形状に形成されている。
また、第3の環状封着金具7は、その一端側が、第4の環状封着金具8の折り曲げた部分に嵌まり合う形状に形成されている。
さらに、第3の環状封着金具7は、その一端側の折り曲げた部分が第4の環状封着金具8の折り曲げた部分に嵌まり合ったときに、互いの折り曲げた部分の側面が揃う形状に形成されている。
そして、第3の環状封着金具7の折り曲がった部分と第4の環状封着金具8の折り曲がった部分とが嵌まり合って互いの側面が揃った両面を溶接して両者を接合している。
<隔壁フランジ1及びセラミックスリーブ2の第1加工工程>
[隔壁フランジ1の加工工程]
[セラミックスリーブ2の加工工程]
<第1〜4の環状封着金具と中空筒型保護金具の第2加工工程>
[第1の環状封着金具5の加工工程]
[第2の環状封着金具6の加工工程]
[第4の環状封着金具8の加工工程]
[第3の環状封着金具7の加工工程]
図3は、本発明に係る二重封止型ターミナルヘッダの製造方法を説明するために示す工程図であって、図3(a)が第1の処理工程を、図3(b)が第2の処理工程を、図3(c)が第3の処理工程を、それぞれ示している。また、図3(a)〜(c)では、中心線Oから図示上半分のみを示し、図示下半分を省略している。
<第1の処理工程>
中空筒型保護金具90の中空円筒体92をセラミックスリーブ2の第3太円柱部23に嵌合して図3(a)に示すように位置決めをする。
第4の環状封着金具8をセラミックスリーブ2に嵌め込み図3(a)に示すように位置決めをする。
次いで、第4の環状封着金具8とセラミックスリーブ2の凸部25との間の領域101と、第2の環状封着金具6の内周面とセラミックスリーブ2の第2太円柱部24の外周面との間の領域102と、中空筒型保護金具90の中空円筒体92の内周面とセラミックスリーブ2の第3太円柱部23の外周面との間の領域103を、それぞれロー付けをする。
<第2の処理工程>
第3の環状封着金具7の一端側の折り曲げた部分を、第4の環状封着金具8の折り曲げた部分に嵌合して位置決めすると、第4の環状封着金具8の折り曲げた部分の側面と第3の環状封着金具7の一端側の側面とが面が揃うので、その揃った両側面202を溶接する。
<第3の処理工程>
二重封止型ターミナルヘッダの製造方法は、上記各加工工程、処理工程を含んで構成されている。また、この製造方法により、図1及び図2に示す二重封止型ターミナルヘッダが製造されたことになる。
(1)上記製造工程を採用することにより熱処理工程の影響をなくすことができたので、各環状封着金具の溶接部の劣化を防止することができる。
(2)第4の環状封着金具と第3の環状封着金具のそれぞれの一端側面がそれぞれの他端側を向いているため、溶接作業が著しく容易である。
(3)セラミックスリーブの太円柱部と細円柱部の境界部分において中空型保護金具の中空円筒体をセラミックスリーブの第2太円柱部に嵌合してロー付けしてある。セラミックスリーブと隔壁フランジとはセラミックスリーブとロー付けによって固定された中空円筒保護金具を介して当接しているため、セラミック部が直接隔壁フランジに接しないので、セラミックスリーブが高圧に晒されても、セラミック部分に応力集中が発生しないために、セラミックスリーブ2が破損したりひびが入ったりすることがなく、強度の強い二重封止型ターミナルヘッダを得ることができる。
2 セラミックスリーブ
3 環状長尺封着管
4 中心導体
5 第1の環状封着金具
6 第2の環状封着金具
7 第3の環状封着金具
8 第4の環状封着金具
10 透孔
11 大径孔部
12 小径孔部
15 第2小径孔部
21 太円柱部
22 細円柱部
23 第3太円柱部
24 第2太円柱部
90 中空筒型保護金具
Claims (3)
- 液化天然ガス等を貯蔵する低温タンクの貫通部分で用いられる二重封止型ターミナルヘッダの製造方法において、
隔壁フランジ及びセラミックスリーブの形状を所定形状に加工する第1加工工程と、
第1の環状封着金具、第2の環状封着金具、第3の環状封着金具及び第4の環状封着金具、中空筒型保護金具を所定形状に加工する第2加工工程と、
第2の環状封着金具、中空筒型保護金具及び第4の環状封着金具をセラミックスリーブの所定位置に配置して位置決め後に、ロー付けする第1の処理工程と、
第1の環状封着金具を第2の環状封着金具に配置して位置決めするとともに、第3の環状封着金具を第4の環状封着金具に配置して位置決めし、かつ第1の環状封着金具と第2の環状封着金具との一端側面及び第3の環状封着金具と第4の環状封着金具との一端側面を溶接する第2の処理工程と、
第1の環状封着金具、第2の環状封着金具、第3の環状封着金具及び第4の環状封着金具が取り付けられた状態で、セラミックスリーブを隔壁フランジの透孔に配置した後、第1の環状封着金具の端部側面と隔壁フランジ及び第3の環状封着金具の端部側面と隔壁フランジをそれぞれ溶接する第3の処理工程とからなることを特徴とする二重封止型ターミナルヘッダの製造方法。 - 前記第2加工工程は、第4の環状封着金具の一端側をその一端側の側面が他端側を向くように円形状に折り曲げて断面略J字形状に形成する加工工程と、
第3の環状封着金具の一端側が、第4の環状封着金具の折り曲げた部分に嵌まり合う形状に形成するとともに、第3の環状封着金具の一端側の折り曲げた部分が第4の環状封着金具の折り曲げた部分に嵌まり合ったときに、互いの折り曲げた部分の側面が揃う形状に形成する加工工程とからなることを特徴とする請求項1記載の二重封止型ターミナルヘッダの製造方法。 - 第2の処理工程は、中空筒型保護金具の中空円筒体をセラミックスリーブの第3太円柱部に嵌合し、ロー付けする工程を含むことを特徴とする請求項1記載の二重封止型ターミナルヘッダの製造方法。
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