JP2022115687A - 転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で回路基板への素子の転写を完了させることができる転写装置を提供する。【解決手段】第1の基板を被転写基板とし、第1の基板へ素子を転写させる第1の転写モードと、第1の基板を転写基板、第2の基板を被転写基板とし、第1の基板に保持された素子を第2の基板に転写させる第2の転写モードと、を有し、第1の転写モードによって第1の基板に転写された素子同士の間隔である第1の素子間隔は第2の転写モードによって第2の基板に転写された素子同士の間隔である第2の素子間隔よりも小さく、第1の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数は第2の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数よりも高い。【選択図】図4
Description
本発明は、LEDなどの素子を配線基板などに転写する、転写装置に関する。
近年、従来の液晶ディスプレイに代わる次世代表示方法として、LEDを使用したディスプレイの開発が進んでいる。LEDディスプレイでは、FHD(Full High Definition)パネルで1920×1080個、4Kパネルでは3840×2160個もの赤色LED、緑色LED、青色LEDがそれぞれ格子状の配列にて配線基板に高密度に実装されている。
このように配線基板へ高密度に実装される各色LEDは、たとえば約20um×40umといった微小寸法を有する、いわゆるマイクロLEDであり、特許文献1に示すようにサファイアなどの成長基板上に窒化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させる工程などを経て得られ、基板上で上記寸法のチップ状にダイシングされる。このように形成されたLEDチップは、複数回の転写工程を経て成長基板から配線基板へ転写される。その後、熱圧着などの実装工程を経て、配線基板にLEDチップが固定される。
基板から基板へチップを転写させる転写装置は、特許文献2のようにレーザーリフトオフを利用したものがある。転写元基板とチップとの界面にレーザー光を照射することにより、その界面でガスが発生する(いわゆるレーザーアブレーション)。そのガスによって転写先基板へチップを付勢させ、転写先基板へチップを転写させる。このようにレーザーアブレーションによってチップを付勢することをレーザーリフトオフと呼ぶ。
ここで、転写元基板には複数のチップがたとえばマトリクス状に保持されており、所定の位置のチップをレーザーリフトオフさせるためにガルバノミラーを用いている。このガルバノミラーの角度を制御することによってレーザー光の光路を制御し、所定の位置のチップと転写元基板の界面にレーザー光を照射し、このチップを転写先基板へ転写させている。
ここで、特許文献2のようにガルバノミラーを用いてレーザー光の照射位置を制御しながら行う加工では、レーザー光の発振周波数に対してレーザー光の照射スポットの移動速度(スキャン速度)が頭打ちになる可能性がある。具体的には、ディスプレイでは図7に示されるように回路基板101上で赤、緑、青のLEDチップ102が一組となって一つの画素を形成するが、たとえばテレビディスプレイ用途の回路基板101では隣接する画素における同じ色のLEDチップ102同士のピッチDは0.6mm程度になる。このように0.6mm間隔で配列されるLEDチップ102をレーザーリフトオフによって連続して転写させるにあたり、ガルバノミラーのスキャン速度が最高で5m/sであった場合、この最高速でガルバノミラーを動作させてもレーザー光の発振周波数は10kHz程度までしか高めることができず、仮にレーザー光源がこの値以上の発振周波数でレーザー光を出射できる場合であってもレーザー光源の性能を有効に活用することができなかった。その結果、基板から基板へのLEDチップ102の転写を複数回行うことによって成長基板から回路基板101へのLEDチップ102の転写を完了させるにあたって、この回路基板101上でのLEDチップ102のピッチを基準に転写を続ける場合、レーザー光の発振周波数に制約があることが原因で転写完了までに時間を要するという問題があった。
本願発明は、上記問題点を鑑み、短時間で回路基板への素子の転写を完了させることができる転写装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の転写装置は、レーザー光を出射し、レーザー光の発振周波数が制御可能であるレーザー光源と、レーザー光の光路を制御する光路制御部と、を備え、前記光路制御部によって転写基板におけるレーザー光の照射位置を制御し、当該転写基板に保持されている複数の素子のうち任意の当該素子をレーザーリフトオフによって被転写基板に転写させる転写装置であり、第1の基板を前記被転写基板とし、当該第1の基板へ前記素子を転写させる第1の転写モードと、前記第1の基板を前記転写基板、第2の基板を前記被転写基板とし、前記第1の基板に保持された前記素子を当該第2の基板に転写させる第2の転写モードと、を有し、前記第1の転写モードによって前記第1の基板に転写された前記素子同士の間隔である第1の素子間隔は前記第2の転写モードによって前記第2の基板に転写された前記素子同士の間隔である第2の素子間隔よりも小さく、
前記第1の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数は前記第2の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数よりも高いことを特徴としている。
前記第1の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数は前記第2の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数よりも高いことを特徴としている。
この転写装置により、第2の転写モードの直前の第1の転写モードまでは基板上の素子同士の間隔を比較的小さく設定することにより比較的高い発振周波数でレーザー光を出射しながら素子の転写を行うことができるため、短時間で回路基板への素子の転写を完了させることができる。
また、前記第2の基板は、配線回路が形成された回路基板であると良い。
こうすることにより、回路基板の直前まで基板上の素子間隔が比較的小さい条件で転写を行うため、より短時間で回路基板への素子の転写を完了させることができる。
また、前記第2の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数は、前記第1の基板におけるレーザー光の照射位置の移動速度に対し前記光路制御部が制御しうる最高速度近傍となるように前記光路制御部を動作させた場合に、前記レーザー光源から出射された各々のレーザー光が前記第2の素子間隔で前記素子を転写させうる発振周波数であると良い。
こうすることにより、第2の転写モードにおいても可能な限り短時間で素子の転写を行うことができる。
また、前記光路制御部はガルバノミラーであると良い。
こうすることにより、簡単な構成で光路制御部を形成することができる。
また、前記第1の素子間隔は、前記素子を成長させる基板である成長基板における前記素子同士の間隔と同等であると良い。
こうすることにより、第1の転写モードにおける素子同士の間隔が最小限に近くなり、第1の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数をより高く設定することができる。
また、各々の前記素子の動作性能を判定する性能判定モードをさらに有し、前記第1の転写モードでは、前記性能判定モードにおいて正常と判定された前記素子のみを前記第1の基板へ転写させると良い。
こうすることにより、第2の転写モードで正常な素子のみ分別して転写を行うことに対して、より短時間で転写を行うことができる。
また、このとき、前記第1の転写モードでは、前記性能判定モードで正常と判定されなかった前記素子が本来転写されるべき前記第1の基板上の転写位置に他の正常な前記素子を転写し、前記第1の基板上での前記素子の配列の抜けを無くすようにすると良い。
こうすることにより、第2の転写モードをより効率的に実施することができる。
また、前記素子は発光素子であり、各々の前記素子の発光波長を測定する波長測定モードをさらに有し、前記第1の転写モードでは、前記波長測定モードにおいて他の前記素子と発光波長が大きく異なる前記素子が分散して配置されるよう、前記素子を前記第1の基板へ転写させると良い。
こうすることにより、第2の転写モードでディスプレイのむらを考慮して転写位置を制御し、転写を行うことに対して、より短時間で転写を行うことができる。
本発明の転写装置により、短時間で回路基板への素子の転写を完了させることができる。
本発明の一実施形態における転写装置1について、図1を参照して説明する。
本実施形態の転写装置1は、転写部10および制御装置20を有し、転写基板3によって保持されている複数の素子2を転写部10によって被転写基板4へ転写する。また、この転写部10の動作などは制御装置20によって制御される。
ここで、本実施形態では、素子2はマイクロLEDチップであり、最終的な被転写基板4は配線回路が形成されたディスプレイ用の回路基板である。回路基板には、赤色、緑色、青色の素子2が配置され、配置される個数は、回路基板がFHD(Full High Definition)パネル向けの回路基板であった場合は各色1920×1080個、4Kパネル向けの回路基板であった場合は3840×2160個にも及ぶ。
また、転写基板3は、LEDチップをエピタキシャル成長させるベースとなる成長基板でも良く、また、複数回の転写を経て成長基板から回路基板への素子2の転写を完了させる場合の中間基板であっても良い。また、転写基板3の形状は、ウェハ状であっても良く、四角の板状であっても良い。また、転写基板3による素子2の保持形態は、本実施形態ではレーザーアブレーションを生じさせることが可能な公知の形態が適用されている。
なお、本説明では、水平方向であり互いに直交する方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向と呼び、鉛直方向をZ軸方向と呼ぶ。
転写部10は、本実施形態ではレーザーリフトオフを利用することによって転写基板3が保持する素子2を被転写基板4へ転写するものであり、レーザー光源11、ガルバノミラー12、Fθレンズ13、吸着ハンド14、および載置部15を備える。
この転写部10内では、転写基板3は、素子2が保持されている面(表面とする)が水平かつ下向きとなるように、吸着ハンド14によって裏面が吸着把持されている。また、被転写基板4は、素子2が転写される面(表面とする)が水平かつ上向きとなるように、載置部15によって裏面が吸着把持されている。また、転写基板3と被転写基板4は上下に対向し、転写基板3の方が上側に位置する。
レーザー光源11は、1本のレーザー光L1を所定の発振周波数で出射する装置であり、本実施形態ではYAGレーザー、可視光レーザーなどのレーザー光を出射する。また、レーザー光L1の発振周波数は制御可能となっている。
ここで、本説明における発振周波数とは、所定の光出力が1秒間に繰り返し出力される回数のことを指し、たとえば発振周波数が1kHzであった場合、所定の光出力が1秒間に1000回繰り返し出力される。この発振周波数が大きくなるほど、光出力の時間間隔は短くなる。
ガルバノミラー12は、2枚のミラーを有し、これらミラーの位置および角度を制御することにより、入射される光線を任意の方向へ出射させる。
レーザー光源11から発せられたパルス状のレーザー光L1は、ガルバノミラー12およびFθレンズ13を経由し、吸着ハンド14に把持された転写基板3に照射される。そして、転写基板3に照射されたレーザー光L1は、転写基板3を透過して転写基板3と素子2との界面に到達し、この界面においてレーザーアブレーションを生じさせる。このレーザーアブレーションにより、素子2は付勢されて転写基板3から分離し、直下の被転写基板4に転写される。なお、本説明では、このようにレーザーアブレーションによって転写基板3から素子2を分離させることをレーザーリフトオフと呼ぶ。
ここで、レーザー光L1は、ガルバノミラー12によって光路が制御され、X軸方向およびY軸方向における転写基板3の任意の位置に照射可能となっている。このようにガルバノミラー12を有することにより、転写基板3に保持された任意の位置の素子2をレーザーリフトオフさせることができる。なお、本説明ではガルバノミラー12のようにレーザー光の光路を制御する構成要素を光路制御部と呼ぶ。また、光路制御部であるガルバノミラー12がFθレンズ13を介して制御しうる、転写基板3上のレーザー光L1の照射スポットの移動速度を、本説明ではスキャン速度と呼ぶ。
なお、Fθレンズ13は、ガルバノミラー12の等速回転運動をレーザー光L1のスポットの等速直線運動に変換するレンズであり、ガルバノミラー12と対で用いられ、ガルバノミラー12によるレーザー光L1のスキャン速度の制御を容易とする。
また、載置部15は移動ステージ16によってX軸方向およびY軸方向に移動可能となっており、転写基板3に対して被転写基板4をX軸方向およびY軸方向に相対移動させる。この移動ステージ16による被転写基板4の位置制御および上記のガルバノミラー12によるレーザー光L1の照射位置制御を組み合わせることにより、転写基板3に保持されている任意の位置の素子2を被転写基板4上の任意の位置に転写することが可能である。
制御装置20は、本実施形態ではコンピュータであり、レーザー光源11によるレーザー光L1の発振周波数の制御、ガルバノミラー12の角度制御、吸着ハンド14や移動ステージ16の位置制御などを実行する。
上記の転写装置1は、本発明では第1の転写モードおよび第2の転写モードを実行する。
図2は、第1の転写モードを示す概略図である。
第1の転写モードでは、被転写基板を第1の基板w1とし、転写部10は基板w0に保持されている素子2を第1の基板w1に転写させる。基板w0は、素子2をエピタキシャル成長させる成長基板であっても良く、基板から基板への素子2の転写が1回または複数回なされた中間基板であっても良い。
ここで、第1の基板w1に転写された素子2のピッチである第1の素子間隔d1は、後述する第2の転写モードによって第2の基板w2に転写される素子2のピッチである第2の素子間隔d2よりも小さい。さらには、第1の素子間隔d1はダイシングの末に成長基板に形成された素子2のピッチであって、成長基板から第1の基板w1までこのピッチを維持するように素子2の転写が行われることが好ましい。たとえば、20um×40umの寸法の素子2が短辺方向に30um、長辺方向に50umのピッチで成長基板上に形成されていれば、このピッチが維持されながら成長基板から第1の基板w1まで転写が行われることが好ましい。
この第1の転写モードにおいて、レーザー光源11からは所定の発振周波数f1でレーザー光L1が出射される。この発振周波数f1(Hz)およびガルバノミラー12によるスキャン速度v1(m/s)は、出射された各レーザー光L1が所定の素子2をレーザーリフトオフさせることが可能なように設定される。たとえば、図2のようにピッチd1で配列された素子2を順番にレーザーリフトオフさせる場合は、v1/f1=d1の式を満たすよう、発振周波数f1およびスキャン速度v1が設定される。具体的には、第1の素子間隔d1=30um(=0.03mm)の場合、たとえば発振周波数f1=166kHz、スキャン速度v1=5m/sと設定された場合に、転写部10は素子2を順番に転写させることができる。一方、発振周波数f1=10kHz、スキャン速度v1=300mm/sと設定された場合にも、転写部10は素子2を順番に転写させることができるが、発振周波数f1がすなわち所定時間内に転写させることが可能な素子2の数量となるため、可能な限り発振周波数f1が高い条件で転写が行われることが好ましい。
図3は、第2の転写モードを示す概略図である。
第2の転写モードでは、上述の第1の転写モードによって素子2が転写された第1の基板w1を転写基板、第2の基板w2を被転写基板とし、転写部10は第1の基板w1に保持されている素子2を第2の基板w2に転写させる。
第2の基板w2は、本実施形態では表面に配線回路が形成されたテレビディスプレイ用途の回路基板であり、配線回路上に素子2が転写されることにより、LED発光素子である素子2が点灯可能となる。
この第2の転写モードでは、転写部10が第1の基板w1に保持されている素子2を数個おきに転写させることによって、第2の基板w2上での素子2のピッチは回路基板上で素子2が機能するために配置されるべきピッチ、すなわち回路基板上の配線回路のピッチである第2の素子間隔d2へ調節される。たとえば、転写部10が第1の基板w1に第1の素子間隔d1=30umで配列されている素子2を20個おきに第1の基板w1から第2の基板w2へ転写させることにより、第2の基板w2における素子2のピッチである第2の素子間隔d2は600umとなる。
一方、この第2の転写モードのように素子2のピッチを拡張するように転写が実施される場合、レーザー光源11によるレーザー光L1の発振周波数に制約が生じる可能性がある。
図4は、光路制御部(ガルバノミラー12)のスキャン速度とレーザー光L1の発振周波数との関係を示すグラフである。グラフ上、実線はレーザーリフトオフ対象(素子2)のピッチが0.03mmの場合、一点鎖線はピッチが0.60mmである場合を示す。
転写部10において、ガルバノミラー12(光路制御部)のスキャン速度は有限であり、仮にスキャン速度の最高値が5m/sであった場合、この最高速のスキャン速度の条件でパルス状に出射された各レーザー光L1が0.03mmのピッチで配列されている素子2を転写させることが可能なレーザー光L1の発振周波数は約166kHzとなる。
これに対し、素子2のピッチが0.60mmであった場合には、スキャン速度が最高値であった場合であっても、パルス状に出射された各レーザー光L1が素子2を転写させることが可能なレーザー光L1の発振周波数は約8.3kHzにとどまり、仮にレーザー光源11が200kHzの発振周波数でレーザー光L1を出射可能であってもその性能を充分に活かせず、所定時間内に転写させることが可能な素子2の数量は比較的少なくなってしまう。
そこで、本発明では第1の転写モードと第2の転写モードとの間でレーザー光源11の発振周波数を異ならせ、第1の転写モードにおける第1の素子間隔d1が第2の転写モードにおける第2の素子間隔d2よりも小さくされた上で、第1の転写モードにおける発振周波数f1が第2の転写モードにおける発振周波数f2よりも高くなるように制御している。
具体的には、本実施形態において、第2の転写モードでは、ガルバノミラー12のスキャン速度v2は最高速(5m/s)近傍とされ、発振周波数f2はそのときに各レーザー光L1が配線回路のピッチ相当の第2の素子間隔d2(0.60mm)で素子2を転写させうる周波数(約8.3kHz)とされる。
これに対し、第1の転写モードでは、ガルバノミラー12のスキャン速度v1はスキャン速度v2と等しく最高速(5m/s)近傍とされ、発振周波数f1はそのときに各レーザー光L1が第1の素子間隔d1(0.03mm)で素子2を転写させうる周波数(約166kHz)とされる。
こうすることにより、配線回路のピッチの都合上第2の転写モードでは第2の素子間隔d2が比較的大きくなることが原因で転写スピードが遅くなる一方、第2の転写モードの直前の第1の転写モードまでは基板上の素子同士の間隔が比較的小さく設定されることにより、比較的高い発振周波数に設定してレーザー光を出射しながら素子の転写を行うことができるため、短時間で回路基板への素子の転写を完了させることができる。
また、第2の転写モードにおけるレーザー光L1の発振周波数f2は、光路制御部であるガルバノミラー12が制御しうる最高速度近傍となるようにガルバノミラー12を動作させた場合にレーザー光源11から出射された各々のレーザー光L1が第2の素子間隔d2で素子2を転写させうる周波数であることにより、第2の転写モードにおいても可能な限り短時間で素子2の転写を行うことができる。
また、前記第1の素子間隔d1が成長基板における素子2同士の間隔と同等であることにより、第1の転写モードにおける素子2同士の間隔が最小限に近くなり、第1の転写モードにおけるレーザー光L1の発振周波数f1をより高く設定することができる。
次に、本発明の他の実施形態における転写装置を図5に示す。
この実施形態における転写装置1は、転写部10、制御装置20に加えて波長測定部30を備えており、この波長測定部30が発光素子である各々の素子2の発光特性(たとえば発光波長)を測定し、この測定結果を転写部10における素子2の転写に反映させている。
波長測定部30は、本実施形態ではフォトルミネッセンスを利用して転写基板3上の各素子2の発光波長を測定するものであり、レーザー光源31、波長測定器32、および載置部33を備える。
この波長測定部30内では、転写基板3は、素子2が保持されている面(表面)が水平かつ上向きとなるように、載置部33によって裏面が吸着把持されている。
レーザー光源31は、1本のレーザー光L2を出射する装置であり、本実施形態ではYAGレーザー、可視光レーザーなどのレーザー光を出射する。
波長測定器32は、自身に入射した光の波長を測定するものであり、公知の光波長計が適用される。
転写基板3上の所定の位置の素子2にレーザー光L2が入射されると、素子2内の電子が励起される。この電子が基底状態に戻る際に放出光L3を放出する(いわゆるフォトルミネッセンス)。この放出光L3を波長測定器32で取り込み、この放出光L3の波長を測定することにより、素子2を結線することなく所定の素子2の発光波長を測定することが可能である。
また、載置部33は移動ステージ34によってX軸方向およびY軸方向に移動可能となっており、レーザー光源31および波長測定器32に対して転写基板3をX軸方向およびY軸方向に相対移動させる。この移動ステージ34による転写基板3の位置制御により、転写基板3に保持されている任意の位置の素子2の発光波長を測定することが可能である。この波長測定部30により、転写基板3が保持する全ての素子2の発光波長が測定される。
図6は、波長測定部30によって得られた転写基板3上の素子2の発光波長の分布を示すグラフである。横軸は発光波長、縦軸は各発光波長で発光する素子2の個数(素子数)である。
同一の成長基板からエピタキシャル成長した同一色の素子2であっても、発光波長には各素子2で多少の差があり、図6に示すような正規分布に似た分布が形成される。
ここで本実施形態では、この分布に対して制御装置20は最頻値(モード値)をとる発光波長を含む所定の波長範囲のグループAとグループAより外側のグループ(発光波長がモード値から大きく異なるグループ)であるグループBの2つのグループに分類する。
具体的には、本実施形態では、図6におけるグループAとグループBの境界となる発光波長において、たとえば、赤色LEDでは600nm~780nm、緑色LEDでは505nm~530nm、青色LEDでは470~485nmの発光波長の範囲をグループAとし、その範囲の外側の範囲をグループBと設定している。
このような各素子2の発光波長の測定結果をもとに、制御装置20は発光波長がモード値からかけ離れているグループBに属する素子2は性能未達と判断する。そして、転写部10における被転写基板4への転写にはグループBの素子2が用いられないように、性能が正常な素子2であるグループAに属する素子2のみを転写基板3から被転写基板4へ転写させる。
ここで、本説明では、上記の通り波長測定部30が各々の素子2の発光波長を測定することを波長測定モードと呼び、また、各々の素子2において動作性能がグループAのような正常な範疇に入るのか、もしくはグループBのような未達の範疇に入るのか、というように制御装置20が各々の素子2の動作性能を判定することを性能判定モードと呼ぶ。
これら性能判定モードおよび波長測定モードを素子2の転写の工程に組み込むことにより、完成されたディスプレイは発光むらが無いものとなる。
そして、本実施形態において性能判定モードが第1の転写モードに先立って実施され、第1の転写モードでは性能判定モードにおいて正常と判定された素子2のみを第1の基板w1へ転写させることにより、素子2のピッチを大きくする第2の転写モードで正常な素子2のみ分別して転写を行うことに対して、より短時間で転写を行うことができる。
また、このとき、第1の転写モードでは、性能判定モードで正常と判定されなかった素子2が本来転写されるべき第1の基板上w1の転写位置に他の正常な素子2を転写し、第1の基板w1上での素子2の配列の抜けを無くすようにすると良い。こうすることにより、第2の転写モードをより効率的に実施することができる。このとき、他の正常な素子2は一つの基板w0の他の場所に保持されている正常な素子2であっても良く、また、他の基板w0に保持されている正常な素子2であっても良い。
以上の転写装置により、短時間で回路基板への素子の転写を完了させることが可能である。
ここで、本発明の転写装置および転写方法は、以上で説明した形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、上記の説明では光路制御部はガルバノミラーであるが、これに限らずたとえばポリゴンミラーなどであっても良い。
また、上記の説明では第2の基板をディスプレイなどの製品に最終的に搭載される回路基板としているが、これに限らず、たとえば回路基板よりも前の段階で転写される基板を第2の基板としても良い。ただし、この場合第2の素子間隔で転写される基板が回路基板を含めて複数になり、その分転写時間を要するため、上記の説明の通り回路基板を第2の基板とし、この第2の基板への素子の転写までは素子の間隔が小さい状態で基板から基板への素子の転写が進められることが最も望ましい。
また、上記の説明では第1の素子間隔はダイシングの末に成長基板に形成された素子のピッチであって、成長基板から第1の基板までこのピッチを維持するように素子の転写が行われるが、それに限らず途中の段階でピッチが変更されても構わず、最終的に回路基板に所定間隔で素子が配置されれば良い。
また、上記の説明では、第1の転写モードおよび第2の転写モードにおいてスキャン速度は同じであり、ガルバノミラーが制御しうる最高速であるが、これに限らず、たとえば第1の転写モードでのスキャン速度が第2の転写モードでのスキャン速度よりも遅くても良い。
1 転写装置
2 素子
3 転写基板
4 被転写基板
10 転写部
11 レーザー光源
12 ガルバノミラー
13 Fθレンズ
14 吸着ハンド
15 載置部
16 移動ステージ
20 制御装置
30 波長測定部
31 レーザー光源
32 波長測定器
33 載置部
34 移動ステージ
101 回路基板
102 LEDチップ
A グループ
B グループ
L1 レーザー光
L2 レーザー光
L3 放出光
W0 基板
W1 第1の基板
W2 第2の基板
2 素子
3 転写基板
4 被転写基板
10 転写部
11 レーザー光源
12 ガルバノミラー
13 Fθレンズ
14 吸着ハンド
15 載置部
16 移動ステージ
20 制御装置
30 波長測定部
31 レーザー光源
32 波長測定器
33 載置部
34 移動ステージ
101 回路基板
102 LEDチップ
A グループ
B グループ
L1 レーザー光
L2 レーザー光
L3 放出光
W0 基板
W1 第1の基板
W2 第2の基板
Claims (7)
- レーザー光を出射し、レーザー光の発振周波数が制御可能であるレーザー光源と、
レーザー光の光路を制御する光路制御部と、
を備え、前記光路制御部によって転写基板におけるレーザー光の照射位置を制御し、当該転写基板に保持されている複数の素子のうち任意の当該素子をレーザーリフトオフによって被転写基板に転写させる転写装置であり、
第1の基板を前記被転写基板とし、当該第1の基板へ前記素子を転写させる第1の転写モードと、
前記第1の基板を前記転写基板、第2の基板を前記被転写基板とし、前記第1の基板に保持された前記素子を当該第2の基板に転写させる第2の転写モードと、
を有し、
前記第1の転写モードによって前記第1の基板に転写された前記素子同士の間隔である第1の素子間隔は前記第2の転写モードによって前記第2の基板に転写された前記素子同士の間隔である第2の素子間隔よりも小さく、
前記第1の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数は前記第2の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数よりも高いことを特徴とする、転写装置。 - 前記第2の基板は、配線回路が形成された回路基板であることを特徴とする、請求項1に記載の転写装置。
- 前記第2の転写モードにおけるレーザー光の発振周波数は、前記第1の基板におけるレーザー光の照射スポットの移動速度に対し前記光路制御部が制御しうる最高速度近傍となるように前記光路制御部を動作させた場合に、前記レーザー光源から出射された各々のレーザー光が前記第2の素子間隔で前記素子を転写させうる発振周波数であることを特徴とする、請求項1もしくは2に記載の転写装置。
- 前記光路制御部はガルバノミラーであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の転写装置。
- 前記第1の素子間隔は、前記素子を成長させる基板である成長基板における前記素子同士の間隔と同等であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の転写装置。
- 各々の前記素子の動作性能を判定する性能判定モードをさらに有し、前記第1の転写モードでは、前記性能判定モードにおいて正常と判定された前記素子のみを前記第1の基板へ転写させることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の転写装置。
- 前記第1の転写モードでは、前記性能判定モードで正常と判定されなかった前記素子が本来転写されるべき前記第1の基板上の転写位置に他の正常な前記素子を転写し、前記第1の基板上での前記素子の配列の抜けを無くすことを特徴とする、請求項6に記載の転写装置。
Priority Applications (5)
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2021
- 2021-01-28 JP JP2021012397A patent/JP2022115687A/ja active Pending
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WO2024135353A1 (ja) * | 2022-12-23 | 2024-06-27 | 東レエンジニアリング株式会社 | 転写装置 |
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