JP2022115295A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

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Mayumi Maeda
恭平 大島
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Abstract

【課題】起動時の意図しない通信異常や誤診断を抑制することができる車両用電子制御装置を提供する。【解決手段】車両用電子制御装置100Aは、車両に搭載された他の電子制御装置100Bとの間で通信を行う通信機能と、前記車両のイグニッションスイッチのオン時に自己診断を行い、所定時間通信がない場合に通信エラーと判定する判定機能と、を有する。そして、起動後に通信を開始するタイミングを予め調整する、ことを特徴とする。電子制御装置の起動時の遷移ルートにより起こり得る長い起動時間を基に電子制御装置の相互通信を設定することで、機器間の相互通信は成立させながら起動時の意図しない通信異常や誤診断を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両ネットワークに接続され、複数の電子制御装置間で通信を行う車両用電子制御装置に関する。
特許文献1には、簡素な構成でタイムアウトエラーの誤判定を抑制する、車両制御システムの通信エラー判定装置が記載されている。この特許文献1に開示されているシステムでは、複数のECU(Electronic Control Unit)がCAN(Controller Area Network)で通信を行い、各々のECUが起動したタイミングでトリガーフレームを送信し、当該トリガーフレームを起点として通信エラー判定を行うことで、各ECUの起動時間の差による通信エラーの誤判定を抑制している。
特開2010-136544号公報
ところで、ECUの起動処理において、起動のトリガからマイコンの初期設定が完了し、通信データの送受信が可能となるまでの処理状態遷移のルートが複数存在する場合、遷移ルートによっては起動のトリガから通信データの送受信可能となるまでの時間に大きな差が生ずることがある。例えば、起動時間が最短の遷移ルートで起動したECU1と、最長の遷移ルートで起動したECU2においては、ECU1のCAN送信データに対してECU2がACK(ACKnowledgement)を返さない。このため、ECU1の送信エラーカウンタがカウントアップしてしまう。また、ECU2からのCAN送信が行われないため、ECU1がCAN未受信異常と判断する可能性がある。
更に、一般に、車両用電子制御装置では、イグニッションオンの際に、各種の自己・相互診断を実行している。この診断中に、通信が停止されている状態が長く続くと、車両に搭載された電子制御装置間の相互通信が異常状態と判断され、実際には正常な装置が異常状態として扱われる可能性がある。特に、複数のCPUにより実現される機能の診断では、全体の確認が遅れるため、このような問題が生じる可能性が高まる。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、起動時の意図しない通信異常や誤診断を抑制することができる車両用電子制御装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る車両用電子制御装置は、車両に搭載された他の電子制御装置との間で通信を行う通信機能と、前記車両のイグニッションスイッチのオン時に自己診断を行い、所定時間通信がない場合に通信エラーと判定する判定機能と、を有する車両用電子制御装置であって、起動後に通信を開始するタイミングを予め調整した、ことを特徴とする。
本発明によれば、遷移ルート(起動パス)により起こり得る長い起動時間を基に電子制御装置の相互通信を開始するタイミングを予め調整し、遷移ルートが異なる複数の電子制御装置の起動タイミングを近づけるようにすることで、機器間の相互通信を成立させながら起動時の意図しない通信異常や誤診断を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る車両用電子制御装置が用いられる車両制御システムの概略構成を示すブロック図である。 従来の車両用電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでの参考例のタイムチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのタイムチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用電子制御装置が用いられる車両制御システムの概略構成を示している。ここでは、説明を簡単にするために二つの電子制御装置100A,100Bが相互に通信し、車両のアクチュエータ502を駆動制御する構成を例示しているが、複数の電子制御装置が車両ネットワークに接続され、これらの電子制御装置が相互に通信を行って車両を制御する構成の車両制御システムに適用できる。
電子制御装置100Aは、メインユニット200、サブユニット300、及びCAN通信回路400などを備えている。他の電子制御装置100Bも、電子制御装置100Aと同様な構成になっている。
メインユニット200は、メインプロセッサ、制御ユニット、あるいはメインCPU等として機能するもので、車両のアクチュエータ502を駆動制御すると共に、他の電子制御装置100Bとの間でCAN通信回路400を介してCAN通信を行うユニットである。
サブユニット300は、サブプロセッサ、監視ユニット、あるいはサブCPU等として機能するもので、メインユニット200の監視(診断)を行うユニットである。このサブユニット300は、メインユニット200の異常を検出したときに、メインユニット200が制御するアクチュエータ502への電源供給ラインをスイッチングするリレー501をオフしてアクチュエータ502の駆動を停止し、また、係るアクチュエータ502の駆動停止に同期してCAN通信回路400をディセーブル(Disable)状態にしてCAN通信を停止させる。
これらメインユニット200とサブユニット300は、ROM、RAM、CPUなどを含むプロセッサコアをそれぞれ有する。
CAN通信回路(通信ユニット)400は、OR回路401とCANトランシーバ402とを備える。OR回路(論理演算部)401には、メインユニット200からのCANコントロール信号NCSと、リレー駆動回路500のオン/オフを制御するリレー制御信号RCSとが入力される。CANトランシーバ402は、OR回路401がハイレベル信号(イネーブル(Enable)信号)を出力するときにイネーブル(有効)状態、つまりCAN通信可能な状態となり、OR回路401がローレベル信号(ディセーブル信号)を出力するときにディセーブル(無効)状態、つまりCAN通信停止状態となる。
なお、CANコントロール信号NCSは、CAN通信を可能とする(CANトランシーバ402をイネーブル状態とする)指令の場合にハイレベル信号として出力され、リレー制御信号RCSは、リレー501をオンさせる場合(アクチュエータ502に電源供給する場合)にハイレベル信号として出力される。また、リレー駆動回路500は、リレー制御信号RCSがハイレベル信号であるときにリレー501をオン(閉成状態、電源供給状態)にする。
そして、CANコントロール信号NCSとリレー制御信号RCSとの少なくとも一方がハイレベル信号であるときに、OR回路401はハイレベル信号を出力する。これにより、CANトランシーバ402がイネーブル状態となってCAN通信回路400によるCAN通信が可能となる。このとき、CAN通信回路400は、電子制御装置100Bからの受信信号RXをメインユニット200に送信し、メインユニット200からの送信信号TXを電子制御装置100Bに向けて送信する。
一方、CANコントロール信号NCS及びリレー制御信号RCSが共にローレベル信号であるときに、OR回路401はローレベル信号を出力する。これにより、CANトランシーバ402がディセーブル状態となってCAN通信回路400によるCAN通信が停止され、電子制御装置100Bからの受信信号RXはメインユニット200に送信されず、また、メインユニット200からの送信信号TXが電子制御装置100Bに向けて送信されない状態となる。
換言すれば、リレー501をオフする指令に基づきリレー制御信号RCSがローレベルに設定されていても、メインユニット200からハイレベルのCANコントロール信号NCSを出力することで、リレー制御信号RCSによるCAN通信の停止指令が無効とされ、CAN通信回路400によるCAN通信を可能とすることができるように構成されている。
また、メインユニット200からローレベルのCANコントロール信号NCSが出力されているときには、リレー制御信号RCSに応じてCANトランシーバ402のディセーブル状態、イネーブル状態が切り替えられ、リレー制御信号RCSがローレベルになることで、リレー501(リレー駆動回路500)がオフされてアクチュエータ502の駆動が停止され、係るアクチュエータ502の駆動停止に同期してCANトランシーバ402がディセーブル状態に切り替わってCAN通信回路400によるCAN通信が停止される。
後述するように、リレー制御信号RCSは、メインユニット200のプロセッサの異常が検出されたときにローレベルに設定されるよう構成されており、プロセッサに異常が発生したときに、アクチュエータ502の駆動を停止しかつCAN通信を停止することで、車両を安全側に制御するフェイルセーフが実施される。
サブユニット300は、例えば例題演算方式でメインユニット(プロセッサ)200の演算機能の異常を診断(監視)する演算機能監視部301と、メインユニット200におけるリレー501の診断結果を示す信号に基づいてリレー501のオン/オフを制御する信号を出力するリレー出力部302と、演算機能監視部301の出力を入力するNOT回路(インバータ回路)304と、NOT回路304の出力及びリレー出力部302の出力を入力するAND回路305とを備える。
演算機能監視部301は、メインユニット200に向けて例題を出力し、この例題に従ってメインユニット200が演算した結果である回答データを入力し、回答データと期待値とを照合することで、メインユニット200の演算機能が正常であるか異常であるかを診断する。
演算機能監視部301におけるメインユニット200の診断結果を示す信号は、NOT回路304によって反転されてAND回路305の一方の入力端子に入力される。
ここで、演算機能監視部301は、メインユニット200の演算機能が正常であればローレベル信号を出力し、メインユニット200の演算機能が異常であればハイレベル信号を出力する。従って、メインユニット200の演算機能が正常であればハイレベル信号がAND回路305に入力され、メインユニット200の演算機能が異常であればローレベル信号がAND回路305に入力されることになる。
リレー出力部302は、メインユニット200におけるリレー501の診断結果を示す信号を入力し、診断結果が正常であってリレー501をオンする場合にはハイレベル信号を出力し、診断結果が異常であってリレー501をフェイル処理としてオフする場合にはローレベル信号を出力する。そして、リレー出力部302は、AND回路305の他方の入力端子にリレー501の正常、異常に応じた信号を出力する。
従って、サブユニット300の演算機能監視部301がメインユニット200の演算機能が正常であると診断し、かつ、リレー501は正常であるとメインユニット200が診断してリレー501のオンを指令する場合に、AND回路305の2つの入力が共にハイレベル信号となりAND回路305はハイレベル信号を出力する。
一方、演算機能監視部301がメインユニット200の異常状態を判定した場合には、AND回路305の一方の入力信号がローレベル信号になることで、AND回路305はローレベル信号を出力する。
また、メインユニット200がリレー501は異常であると診断してリレー501のオフを指令する場合に、AND回路305の一方の入力信号がローレベル信号になることで、AND回路305はローレベル信号を出力する。
サブユニット300は、AND回路305の出力を外部のAND回路600の一方の入力端子に出力する。
AND回路600の他方の入力端子にはリレー出力部700の出力が入力される。リレー出力部700には、メインユニット200の自己診断部203の出力が入力される。
自己診断部203は、メインユニット200が正常であればローレベル信号をリレー出力部700に出力し、メインユニット200が異常であればハイレベル信号をリレー出力部700に出力する。
そして、リレー出力部700は、自己診断部203の出力がローレベル信号であるときにハイレベル信号をAND回路600に出力し、自己診断部203の出力がハイレベル信号であるときにローレベル信号をAND回路600に出力する。
つまり、リレー出力部700は、メインユニット200における自己診断の結果が正常である場合にハイレベル信号を出力し、メインユニット200における自己診断の結果が異常である場合にはフェイル処理としてのリレー501のオフを実行すべくローレベル信号を出力する。
AND回路600の他方の入力端子にはリレー出力部700の出力が入力されるから、演算機能監視部301がメインユニット200の正常を診断しかつメインユニット200におけるリレー501の診断結果が正常である場合であってAND回路600の一方の入力端子にハイレベル信号が入力される場合であっても、メインユニット200の自己診断結果が異常でリレー出力部700の出力がローレベルであれば、AND回路600の出力(リレー制御信号RCS)はローレベルになる。
このように、演算機能監視部301がメインユニット200の正常を診断し、かつ、メインユニット200におけるリレー501の診断結果が正常で、かつ、メインユニット200の自己診断結果が正常である場合に、AND回路600の出力であるリレー制御信号RCSはハイレベル信号になる。
一方、演算機能監視部301がメインユニット200の異常を診断した場合、メインユニット200がリレー501の異常を診断した場合、メインユニット200の自己診断結果が異常である場合は、AND回路600の出力であるリレー制御信号RCSはローレベル信号になる。
リレー駆動回路500は、AND回路600の出力(リレー制御信号RCS)がハイレベル信号であるときにリレー501をオン(閉成状態)に駆動し、AND回路600の出力がローレベル信号であるときにリレー501をオフ(開成状態)に駆動する。
リレー501は、オン(閉成状態)であるときにアクチュエータ502へ電源電力を供給し、オフ(開成状態)であるときにアクチュエータ502への電源電力の供給を遮断する。
なお、リレー501として、電磁リレーを用いることができ、また、MOSFETなどの半導体リレーを用いることができる。また、アクチュエータ502は、例えば、ソレノイドやモータなどである。
上記構成により、演算機能監視部301がメインユニット200の異常を診断した場合、メインユニット200がリレー501の異常を診断した場合、メインユニット200の自己診断結果が異常である場合に、リレー制御信号RCSがローレベルになる。これによって、リレー501がオフされてアクチュエータ502への電源電力の供給が遮断される。
更に、リレー制御信号RCSはOR回路401に出力されるから、CANコントロール信号NCSがローレベルである状態でリレー制御信号RCSがローレベルに切り替わればアクチュエータ502の駆動停止に同期してCAN通信回路400によるCAN通信が停止されることになる。
但し、メインユニット200からハイレベルのCANコントロール信号NCSが出力されている状態では、リレー制御信号RCSがローレベルになってもCAN通信回路400によるCAN通信は可能な状態に保持される。
なお、リレー制御信号RCSをローレベルにする条件は、上記の診断結果に限定されるものではない。例えば、メインユニット200がサブユニット300を監視し、サブユニット(プロセッサ)300の異常を検出したときに、リレー制御信号RCSをローレベルに制御することができる。
メインユニット200は、サブユニット300の演算機能監視部301からの例題データを受信し、受信した例題を演算して回答を演算機能監視部301に出力する例題演算部(ALU診断部)201を備えている。
また、メインユニット200は、リレー501の診断(閉固着、開固着異常などの診断)を行うリレー診断部202を備え、このリレー診断部202は、サブユニット300のリレー出力部302に診断結果を示す信号、換言すれば、リレー501のオン/オフ指令信号を出力する。
また、メインユニット200は、自己診断部203を備える。この自己診断部203は、車両のイグニッションスイッチのオン時に自己診断を行い、所定時間通信がない場合に通信エラーと判定する判定機能を有する。更に、この自己診断部203は、タイマ/クロック診断、タスク実行周期診断、A/D変換診断、電源回路診断、CPU機能診断などの各種の自己診断を実施し、診断結果を示す信号を外部のリレー出力部700に出力する。
更に、メインユニット200は、CAN通信回路400のOR回路401に対してCANコントロール信号NCSを出力するCANコントロール部204、CAN通信回路400を介して受信信号RXを受信しCAN通信回路400に向けて送信する送信信号TX(CANデータ)を生成するCAN通信部205を備える。
図2は、従来の車両用電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまで、すなわち、車両のメインスイッチであるイグニッションスイッチがオンされて電源が投入され、電子制御装置が通信データの送受信可能となるまでの参考例のタイムチャートを示している。
まず、時刻t0にイグニッションスイッチがオンしてイグニッション信号IGNSWがハイレベルになると、このイグニッションスイッチのオンから、メインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットが開始され、リセット処理が完了する時間Th[s]経過後の時刻t1に、パワーオンリセット信号RESETがハイレベルになってリセットが解除される。この時刻t1に起動処理が開始され、ソフトウェアの起動時間をTs[s]とすると、時刻t2に起動処理が終了し、通常制御が開始されてCAN通信が可能となる。
ここで、時刻t0~t2間の期間が最長起動時間Tmaxであり、「Tmax=Th+Ts」である。時間Thは電子制御装置のハードウェア構成により決定され、時間Tsは電子制御装置のソフトウェアと、起動パスに介在される他の電子制御装置のソフトウェアによって決定される。時間Tsは、ソフトウェアのバージョンによっても異なる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのタイムチャートである。図2と比較すれば明らかなように、本実施形態では、電子制御装置の起動処理と通常制御との間に、ウェイト時間(待ち時間)を設け、起動後にCAN通信を含む通常制御を開始するタイミングを予め設定(調整)している。
すなわち、時刻t10にイグニッションスイッチがオンしてイグニッション信号IGNSWがハイレベルになると、このイグニッションスイッチのオンから、メインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットが開始され、リセット処理が完了する時間Th[s]経過後の時刻t11に、パワーオンリセット信号RESETがハイレベルになってリセットが解除される。この時刻t11に起動処理が開始され、ソフトウェアの起動時間をTs[s]とすると、時刻t12に起動処理が終了する。時刻t12に起動処理が終了すると、時刻t13まではウェイト時間となる。ウェイト時間は、例えば各々の遷移ルートにおける処理時間を予め計測しておき、この差分から算出する。このウェイト時間は、車両制御システムに搭載された電子制御装置のうち、イグニッションオンから複数の起動パスを経由してCAN通信を開始するまでの時間が最も長い最長起動時間Tmaxとなるように設定する。そして、時刻t13にウェイト時間が終了すると、通常制御が開始されてCAN通信が可能となる。
このように起動処理を最長起動時間Tmaxまで延長することで、起動時間Twaitを一定化することができる。換言すれば、車両制御システムに搭載されている複数の電子制御装置の起動を、起動トリガからCAN通信可能となるまでの時間が最も遅い電子制御装置の起動時間に揃えることができる。
なお、起動時間Twaitは、「Twait=Tmax-Th」で表すことができ、例えばメインユニット200またはサブユニット300に内蔵のタイマを用いて設定してもよい。また、必ずしも最長起動時間Tmaxに設定する必要はなく、車両に搭載された電子制御装置間の相互通信が異常状態と判断されない時間に調整してもよい。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのフローチャートである。まず、起動のトリガとなるイグニッション信号IGNSWを検出し(ステップS1)、イグニッション信号IGNSWのレベルにより、イグニッションオンか判定する(ステップS2)。イグニッションオン(ハイレベル)と判定されると、メインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットを実行し(ステップS3)、パワーオンリセットが終了したか判定する(ステップS4)。
ステップS2で、イグニッションオンではない(ローレベル)と判定された場合には、イグニッション信号IGNSWがハイレベルになるまで待ち続ける。また、ステップS4で、メインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットが終了していないと判定された場合には、ステップS3に戻ってパワーオンリセットを続行する。
ステップS4でメインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットが終了したと判定されると、起動処理を開始する(ステップS5)。この起動処理には、起動パス(遷移ルート)の選択が含まれており、例えば通常起動ルートか、シャットダウン復帰起動ルートか、それ以外の起動ルートかが選択される。
次のステップS6では、通常起動ルートか否か判定し、通常起動ルートであると判定されると、ウェイト時間ΔWt1を設定する(ステップS7)。ステップS6で通常起動ルートではないと判定されると、シャットダウン復帰起動ルートか否か判定し(ステップS8)、シャットダウン復帰起動ルートであると判定されると、ウェイト時間ΔWt2を設定する(ステップS9)。ステップS8でシャットダウン復帰起動ルートではないと判定されると、ウェイト時間ΔWt3を設定する(ステップS10)。そして、設定したウェイト時間が経過したか判定し(ステップS11)、経過した時点で通常制御を実行する(ステップS12)。
上述したように、電子制御装置の起動処理と通常制御との間にウェイト時間を設け、遷移ルート(起動パス)により起こり得る長い起動時間を基に電子制御装置の相互通信を設定することで、機器間の相互通信は成立させながら起動時の意図しない通信異常や誤診断を抑制することができる。
また、車両ネットワークに接続された複数の電子制御装置の起動から通常制御の開始までの時間を合わせることができるので、どの起動パスを通ったとしても起動時間の差を少なくして通信エラーの発生及び誤判定を低減できる。
なお、上述した第1の実施形態では、起動後に通信を開始するタイミングを予め調整するようにしたが、自己診断を実行するタイミングを電子制御装置自身で設定することでウェイト時間に相当する遅延を生成するように構成してもよい。
また、遷移ルート(起動パス)が分かれば、ソフトウェアの起動時間Tsが決まっているので、遷移ルートから起動時間Twaitを算出してもよい。
更に、メインユニット200のパワーオンリセットが解除されるまでの時間Thの精度を上げるために、サブユニット300から時間Thを受信し、起動時間Twaitを算出するように構成してもよい。
更にまた、サブユニット300から時間Thが受信できない場合や、机上計算の時間Thより大きい場合には、時間Thを使用するフェイルセーフ(F/S)動作も考慮するとよい。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのタイムチャートである。本実施形態では、電子制御装置の起動時間別に通常制御に適合値を持たせている。
すなわち、時刻t20にイグニッションスイッチがオンしてイグニッション信号IGNSWがハイレベルになると、このイグニッションスイッチのオンから、メインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットが開始され、リセット処理が完了する時間Th[s]経過後の時刻t21に、パワーオンリセット信号RESETがハイレベルになってリセットが解除される。この時刻t11に起動処理が開始され、ソフトウェアの起動時間をTs[s]とすると、時刻t22に起動処理が終了して通常制御が開始される。そして、通常制御が開始されてから所定時間経過した時刻t23に、CAN通信が可能となる。この時刻t22,t23間の時間は、起動処理完了時に取得した「Tinit=Th+Ts」に基づき、起動パス毎に設定された適合値で調整される。この適合値は、起動パスによって変化し、起動トリガから通信可能となるまでの時間が長いと大きくなる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る電子制御装置における起動トリガから通信可能となるまでのフローチャートである。まず、起動のトリガとなるイグニッション信号IGNSWを検出し(ステップS21)、イグニッション信号IGNSWのレベルにより、イグニッションオンか判定する(ステップS22)。イグニッションオン(ハイレベル)と判定されると、メインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットを実行し(ステップS23)、パワーオンリセットが終了したか判定する(ステップS24)。
ステップS22で、イグニッションオンではない(ローレベル)と判定された場合には、イグニッション信号IGNSWがハイレベルになるまで待ち続ける。また、ステップS24で、メインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットが終了していないと判定された場合には、ステップS23に戻ってパワーオンリセットを続行する。
ステップS24でメインユニット200及びサブユニット300のパワーオンリセットが終了したと判定されると、起動処理を開始する(ステップS25)。
起動処理が終了すると、適合値を設定するために「Tinit=Th-Ts」を取得する(ステップS26)。これによって、起動パス(遷移ルート)が認識され、適合値が設定される。
続いて、通常制御が開始され、設定された適合値に応じてCAN通信を開始するまでの時間が調整される(ステップS27)。
このように起動パス別に適合値を持たせることで、通常制御側でTinitに応じた制御を行うことができる。起動パスの相違により起こり得る長い起動時間を基に電子制御装置の相互通信を設定するので、機器間の相互通信は成立させながら起動時の意図しない通信異常や誤診断を抑制することができる。しかも、起動時間に対する適合への対応策として、起動時間毎に適合値を可変させる構成とすることで、動作パラメータを変更できる。
車載機器においては、制御対象の状態や車両全体の整合等の都合で起動時間が変化した場合には、動作パラメータを変更したいという車両メーカ側の要求があるが、起動条件により起動時間が変化する機器の場合は、ECUを単一のパラメータで起動すると必ずしも適切な動作状態とならない惧れがあった。しかし、本第2の実施形態では、動作パラメータを変更できるので、このような要求にも応えることができる。
なお、上述した第1の実施形態と同様に、ソフトウェアの起動時間Tsが決まっているので、本第2の実施形態でも遷移ルート(起動パス)が分かれば、遷移ルートから起動時間Twaitの設定を行ってもよい。
また、メインユニット200のパワーオンリセットが解除されるまでの時間Thの精度を上げるために、サブユニット300から時間Thを受信し、起動時間Twaitを算出するように構成してもよい。
更に、サブユニット300から時間Thが受信できない場合や、机上計算の時間Thより大きい場合には、時間Thを使用するフェイルセーフ(F/S)動作も考慮するとよい。
以上、第1、第2の実施形態を用いて本発明の説明を行ったが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
例えば、電子制御装置100A,100Bが、メインユニット200と、このメインユニット200の診断を行う監視用のサブユニット300で構成されている場合を例に取って説明したが、自己診断機能を持っていればサブユニットは設けなくてもよい。
また、電子制御装置100A,100B間の通信方式としてCAN通信を挙げたが、AUD通信、LIN通信、FlexRay通信など他の通信方式にも同様にして適用できる。
このように、上記第1、第2の実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
100A,100B…電子制御装置、200…メインユニット、202…リレー診断部、203…自己診断部、204…CANコントロール部、205…CAN通信部、300…サブユニット、301…演算機能監視部、305,600…AND回路、400…CAN通信回路、401…OR回路、402…CANトランシーバ、500…リレー駆動回路、501…リレー、502…アクチュエータ

Claims (3)

  1. 車両に搭載された他の電子制御装置との間で通信を行う通信機能と、前記車両のイグニッションスイッチのオン時に自己診断を行い、所定時間通信がない場合に通信エラーと判定する判定機能と、を有する車両用電子制御装置であって、
    起動後に通信を開始するタイミングを予め調整する、ことを特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 更に、前記自己診断を実行するタイミングを電子制御装置自身で設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用電子制御装置。
  3. 前記自己診断を実行するタイミングを起動時間に応じて変更し、当該タイミングの変更に伴い起動内容を変更する、ことを特徴とする請求項2に記載の車両用電子制御装置。
JP2021011826A 2021-01-28 2021-01-28 車両用電子制御装置 Pending JP2022115295A (ja)

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