JP2022114895A - 機上測定システム - Google Patents

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Yuki Masuda
徹 河原
Toru Kawahara
眞 野々山
Makoto Nonoyama
慎二 村上
Shinji Murakami
明 齋藤
Akira Saito
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Abstract

【課題】研削加工のインプロセスにおいて、安価且つ短時間で研削における加工品質を取得することができる機上測定システムを提供すること。【解決手段】機上測定システムHは、機上測定装置20と出力装置30とを備える。機上測定装置20は、研削装置10に設けられている定寸装置を含むと共に高周波成分測定装置25を備える。そして、機上測定装置20は、工作物Wの表面を周方向及び軸方向にて螺旋状に測定すると共に、軸方向の同一位置にて測定し、低周波成分及び高周波成分を含む測定データを出力する。出力装置30は、機上測定装置20から出力された測定データの低周波成分及び高周波成分を用いて、研削装置10によって研削された工作物Wの加工品質に関連する複数の解析を行い、複数の解析結果を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、機上測定システムに関する。
従来から、例えば、特許文献1に開示された自動寸法計測装置が知られている。この自動寸法計測装置は、真円度解析処理を行う制御部を備える。そして、制御部は、定寸装置で測定した測定データに基づいて工作物を定寸加工するように研削装置を制御すると共に、定寸装置の測定データに基づいて工作物の真円度を解析するようになっている。
特開2006-153897号公報
ところで、従来の自動寸法計測装置は、定寸装置による測定データを用いて、真円度を解析するのみである。工作物を研削する場合、工作物の形状、研削された表面状態、研削装置の作動状態等を測定し、研削装置によって研削された工作物の加工品質が把握できることが望ましい。このため、通常においては、工作物の形状、研削された表面状態、研削装置の作動状態等の各々を測定するための複数の装置が設けられる場合がある。その結果、研削装置を含むシステム全体が複雑化して高価になると共に、加工品質を取得するまでに時間を要する場合がある。
本発明は、研削加工のインプロセスにおいて、安価且つ短時間で研削における加工品質を取得することができる機上測定システムを提供することを目的とする。
機上測定システムは、研削装置に設けられて、研削装置にて砥石車により研削した工作物の表面状態を測定し、工作物の表面状態を表す測定データを出力する機上測定装置と、機上測定装置が工作物の表面における測定位置を少なくとも周方向に工作物に対して相対移動させることによって測定した測定データを取得し、測定データの周波数成分のうちの低周波成分と、測定データの周波数成分のうちの低周波成分よりも高周波領域の高周波成分と、測定データの周波数成分のうちの低周波数成分及び高周波成分と、のうちの何れかを用いて、研削装置によって研削された工作物の加工品質に関連する複数の解析を行い、複数の解析結果を出力する出力装置と、を備える。
機上測定システムによれば、研削装置に設けられた機上測定装置が工作物の表面状態を測定し、出力装置が機上測定装置から取得した測定データの低周波成分と、高周波成分と、低周波成分及び高周波成分との何れかの測定データを用いて工作物の加工品質に関連する複数の解析を行うことができる。そして、出力装置は、解析によって得られた複数の解析結果を出力することができる。
これにより、機上測定システムにおいては、例えば、測定データの低周波成分のみ、測定データの高周波成分のみ、或いは、測定データの低周波成分及び高周波成分の両方を用いて複数の解析結果を出力することができる。又、機上測定システムにおいては、例えば、測定データの第一の低周波成分及び第二の低周波成分、測定データの第一の高周波成分及び第二の高周波成分、測定データの第一の低周波成分及び第二の高周波成分、或いは、測定データの第二の低周波成分及び第一の高周波成分等、低周波成分及び高周波成分を適宜組み合わせて用い、複数の解析結果を出力することもできる。
従って、機上測定システムによれば、工作物の表面状態を測定する簡素な構成の機上測定装置を用いることができるため、システムの構成を簡素化して安価にすることができる。又、機上測定システムによれば、機上測定装置によって測定された測定データの低周波成分及び高周波成分を適宜組み合わせて用いることにより、複数の測定装置から各々の測定データを集めて解析する場合に比べて、解析結果を得るまでの時間を短縮することができる。
研削装置の構成を示す平面図である。 機上測定装置を説明するための図である。 研削装置の研削工程を示すフローチャートである。 工作物の表面性状を説明するための図である。 砥石起因による表面性状を説明するための図である。 砥石起因による表面性状を説明するための図である。 心間相対振動起因による表面性状を説明するための図である。 機上測定システムの構成を示すブロック図である。 第一測定データの測定を説明するための図である。 第二測定データの測定を説明するための図である。 出力装置の第一データ解析処理部の構成を示すブロック図である。 出力装置の第二データ解析処理部の構成を示すブロック図である。 出力装置の出力処理部の構成を示すブロック図である。 出力処理部による工作物の形状に関する解析結果を説明するための図である。 出力処理部による機械状態に関する解析結果を説明するための図である。 出力処理部による加工品質に関する解析結果(マップ)を説明するための図である。 出力処理部による加工品質に関する解析結果(マップ)を説明するための図である。 出力処理部による加工品質に関する解析結果(マップ)を説明するための図である。 出力処理部による加工品質に関する解析結果(マップ)を説明するための図である。 出力処理部による加工品質に関する解析結果(マップ)を説明するための図である。
以下、機上測定システムHについて図面を参照しながら説明する。機上測定システムHは、図1に示すように、研削装置10、機上測定装置20、出力装置30を備える。又、本例の機上測定システムHは、画像出力装置40を備える。
本例の機上測定システムHは、研削装置10によって研削中或いは研削された後の工作物Wの表面(研削面)を機上測定装置20が測定し、出力装置30が機上測定装置20によって測定された測定データに基づいて各種データ解析処理を行って工作物Wの加工品質に関連する複数の解析結果を出力する。そして、本例の画像出力装置40は、出力装置30から出力された複数の解析結果を画像として出力する。
ここで、機上測定装置20が検出する測定データとしては、例えば、工作物Wの表面状態(表面性状)に対応して発生する振動の加速度や、振動の変位(振幅)等を例示することができる。又、機上測定装置20は、工作物Wに直接的又は間接的に接触して測定データを測定することが可能であると共に、工作物Wに接触することなく(非接触により)測定データを測定することが可能である。尚、本例においては、機上測定装置20が工作物Wの表面における変位及び変位に関連する加速度を測定する場合を例示して説明する。
(1.研削装置10の構成)
図1及び図2に示すように、研削装置10は、ベッド11、砥石車12、砥石台13、主軸台14、心押台15、主軸テーブル16、及び、制御器17を備えると共に、機上測定装置20を備える。工作物Wは、回転軸方向の両端を、主軸台14及び心押台15に支持され、回転する。尚、本例においては、工作物Wが円柱状又は円筒状である場合を例示する。研削装置10は、回転する工作物Wの表面(外周面)に砥石車12を当接させ、研削することにより工作物Wの形状を形成する。
砥石車12は、Z軸に平行な軸線回りに回転可能に砥石台13に支持される。ベッド11上には、砥石台案内部11aが固定され、砥石台13は、X軸方向に移動可能に砥石台案内部11aに支持される。砥石車12には、制御器17によって制御される砥石回転モータ12aから回転駆動力が付与され、砥石車12が回転軸回りに回転する。砥石車12は、砥石台13がX軸方向に移動することにより、X軸方向に離間して設置された工作物Wに接近し、工作物Wを研削する。
ベッド11上において、砥石台案内部11aからX軸方向に離間した位置に、主軸テーブル案内部11bが固定される。主軸テーブル案内部11bは、主軸テーブル16をZ軸方向に移動可能に支持する。主軸テーブル16の上には、主軸台14及び心押台15が対向配置される。工作物Wは、その両端が主軸台14及び心押台15に回転可能に支持されており、制御器17によって制御される主軸回転モータ14aから回転駆動力が付与され、回転する。
(2.機上測定装置20の構成)
本例の機上測定装置20は、所謂、定寸装置を含んで形成される。機上測定装置20は、図1及び図2に示すように、工作物Wの表面に接触する接触部である一対の測定子21と、測定子21を支持する一対のフィンガー22を備える。測定子21は、図2に示すように、工作物Wの回転中心Oを挟んだ2点において工作物Wの表面に当接するように設けられる。一対のフィンガー22は、先端部分に測定子21を備え、基端部分を脱着することによって交換可能とされている。そして、機上測定装置20は、軸方向移動装置23に支持され、工作物Wの軸方向、即ち、Z軸方向に移動可能である。機上測定装置20のZ軸方向の移動は、軸方向移動制御部24によって制御される。尚、Z軸方向への移動は、軸方向移動装置23によるものに限定されず、例えば、研削装置10の主軸及び心押軸のシフト機能を用いることも可能である。
機上測定装置20は、測定子21の機械的変位を変位及び加速度に関連した電気信号に変換することにより、工作物Wの表面状態としての工作物Wの外周の凹凸を測定する。ここで、機上測定装置20は、例えば、60Hz未満の周波数領域で工作物Wの外径即ち工作物Wの表面状態を測定する。即ち、機上測定装置20は、工作物Wの表面状態の周波数特性うち、低周波成分を測定することができる。
又、機上測定装置20は、一対のフィンガー22のうちの少なくとも一方に組み付けられた高周波成分測定装置25を有する。本例の高周波成分測定装置25は、フィンガー22に組み付けられることによって追加された加速度センサを主に備え、工作物Wの表面状態の周波数特性のうち、例えば、60Hz以上の周波数領域で、工作物Wの表面状態における変位値に関連する加速度を測定する。即ち、高周波成分測定装置25は、測定子21が工作物Wの表面に接触した状態で工作物Wに対して相対移動した際にフィンガー22に発生する変位(振動)に伴う加速度を、工作物Wの表面状態の周波数特性うちの低周波成分よりも高周波領域である高周波成分として測定する。
ここで、本例においては、高周波成分測定装置25として加速度センサを、フィンガー22に組み付けて(追加して)用いる場合を例示する。但し、高周波成分測定装置25としては、加速度センサを追加することに限られるものではなく、例えば、ローパスフィルタを省略したアナログ出力アンプや、高周波デジタル出力アンプ等の定寸装置に設けられているものを用いることができる。この場合は、機上測定装置20は、加速度ではなく変位を測定するため、後述する加速度から変位に変換する処理が不要になる。
(3.研削装置10による工作物Wの研削工程)
研削装置10は、図3に示す複数の工程を経て工作物Wを研削する。研削工程は、砥石送り速度の違いによって分けられ、粗研工程St1、精研工程St2、微研工程St3、スパークアウト工程St4の順で行われる。各工程の砥石送り速度は、粗研工程St1>精研工程St2>微研工程St3>スパークアウト工程St4となる。粗研工程St1では、工作物Wの大まかな形状を形成する。続く精研工程St2及び微研工程St3では、砥石送り速度を小さくしながら、工作物Wの表面形状を整える。最後のスパークアウト工程St4では、工作物Wの表面の仕上げを行い、工作物Wを完成させる。
ここで、機上測定システムHにおいては、機上測定装置20が、工作物Wの研削中である粗研工程St1からスパークアウト工程St4までの間、或いは、研削が完了するスパークアウト工程St4後に工作物Wの表面状態を測定することが好ましい。尚、機上測定システムHは、インプロセスにおいて、後述する加工品質に関連する複数の解析結果を出力するものであるが、インプロセスとは、工作物Wが研削装置10から取り外されるまでの期間であって、スパークアウト工程St4後も含む。
(4.出力装置30の概要)
次に、出力装置30の概要について説明する。図4に示すように、研削装置10によって研削された工作物Wの加工品質の1つである表面性状Sは、種々の要因に起因して決定される。即ち、工作物Wの表面性状Sは、図4にて実線及び二点鎖線により示すように、砥石車12の研削面の表面状態が転写される砥石起因による表面性状S1と、図4にて破線により示すように、砥石車12と工作物Wとの間つまり心間の相対的な変動により発生する振動が転写される心間相対振動起因による表面性状S2とが合成されたものである。
そして、表面性状S、即ち、表面性状S1及び表面性状S2は、機上測定装置20によって測定データとして測定される。ここで、機上測定装置20によって測定される測定データは、測定子21によって測定される低周波成分と、高周波成分測定装置25によって測定される高周波成分とを含む。従って、表面性状Sは、低周波成分と高周波成分とが合成されて決定されるとも言える。
砥石起因による表面性状S1は、工作物Wの周方向及び軸方向における表面性状であり、図5及び図6に示すように、砥石表面凹凸が転写された高周波成分の表面性状S11と、低周波成分を含んで静的な工作物基準半径の表面性状S12とが合成されている。ここで、表面性状S11は、例えば、工作物Wの1断面の周方向における砥石起因の凹凸であるびびり振動(以下、「びびり度」と称呼する。)や、工作物Wの軸方向におけるびびり度のばらつきの程度(以下、「うろこ度」と称呼する。)等の加工精度を反映する。
又、心間相対振動起因による表面性状S2は、工作物Wの1断面の周方向における表面性状であり、図7に示すように、低周波成分と高周波成分とが合成されている。即ち、表面性状S2は、高周波成分である表面性状S21と、低周波成分である表面性状S22とが合成されている。ここで、表面性状S2は、例えば、真円度や研削加工面の振れ量、同軸度等の加工精度に依存する工作物Wの形状と、研削装置10の振動や、加工時の自励振動、スパークアウト効果等の機械状態及び機械加工状態とを反映する。
そこで、本例の出力装置30は、機上測定装置20によって測定された測定データから低周波成分と高周波成分とを抽出する。そして、出力装置30は、抽出した(取得した)低周波成分及び高周波成分について各種データ解析処理を行い、各種データ解析処理を用いた複数の解析結果を出力する。
(4-1.出力装置30の構成)
出力装置30は、図8に示すように、基礎データ取得部31と、第一データ解析処理部32と、第二データ解析処理部33と、出力処理部34と、を備える。
(4-2.基礎データ取得部31)
基礎データ取得部31は、研削中或いは研削した後に機上測定装置20によって検出された測定データ(変位及び加速度)を取得する。具体的に、基礎データ取得部31は、図8に示すように、機上測定装置20から出力された第一測定データK1を第一基礎データD1として取得すると共に、第二測定データK2を第二基礎データD2として取得する。
ここで、機上測定装置20は、先ず、図9に示すように、工作物Wの表面状態に応じた変位及び加速度を測定する測定位置を工作物Wに対して周方向及び軸方向にて相対的に螺旋状に移動させた場合の第一測定データK1を検出し、基礎データ取得部31に出力する。即ち、第一基礎データD1を取得する場合、工作物Wを回転させた状態で、機上測定装置20の測定子21を工作物Wの表面に接触させ、軸方向移動装置23により、機上測定装置20を工作物Wの軸方向に連続的に移動させる。ここで、本例の測定位置は、機上測定装置20の測定子21が工作物Wの表面に接触する位置である。又、第一測定データK1には、低周波成分の測定データ(変位)と高周波成分測定装置25によって測定された高周波成分の測定データ(加速度)とが含まれる。
又、機上測定装置20は、図10に示すように、測定位置を螺旋状に移動させることなく、測定位置を軸方向にて同一の位置(軸方向の同一位置)又は軸方向にて離間的に移動させた場合の工作物Wの外周面1周分の第二測定データK2を検出し、基礎データ取得部31に出力する。即ち、工作物Wを回転させた状態で、機上測定装置20の測定子21を工作物Wの表面に接触させ、軸方向移動装置23により、機上測定装置20を工作物Wの軸方向の同一位置にて停止させる。ここで、第二測定データK2には、低周波成分の測定データ(変位)と高周波成分測定装置25によって測定された高周波成分の測定データ(加速度)とが含まれる。
基礎データ取得部31は、螺旋状に検出された第一測定データK1を第一基礎データD1として取得する。又、基礎データ取得部31は、軸方向同一位置で取得された1周分の第二測定データK2を第二基礎データD2として取得する。そして、基礎データ取得部31は、第一基礎データD1及び第二基礎データD2を、第一データ解析処理部32及び第二データ解析処理部33の各々に出力する。
ここで、第一基礎データD1及び第二基礎データD2は、変位及び加速度に関する時系列データである。尚、第一基礎データD1及び第二基礎データD2は、一般的には、時間軸を基準とするデータとして取得されるが、時間及び工作物Wの回転速度から、工作物Wの回転角度を基準とするデータに変換されても良い。
(4-3.第一データ解析処理部32)
第一データ解析処理部32は、第一基礎データD1及び第二基礎データD2の周波数特性のうち、低周波成分を抽出し、抽出した低周波成分について後述する各種データ解析処理を行うことにより、複数の第一解析結果を算出する。このため、第一データ解析処理部32は、図11に示すように、低周波成分抽出部321、スパイラル低周波波形生成部322、低周波心間相対振動波形生成部323、工作物基準半径算出部324を主に備える。
低周波成分抽出部321は、基礎データ取得部31から取得した第一基礎データD1について高速フーリエ変換(以下、「FFT」と称呼する。)を行い、第一基礎データD1の周波数特性のうち、低周波成分D11を抽出する。又、低周波成分抽出部321は、基礎データ取得部31から取得した第二基礎データD2についてFTTを行い、第二基礎データD2の周波数特性のうち、第一解析結果である低周波成分D21を抽出する。ここで、低周波成分抽出部321は、低周波成分として、例えば、60Hz未満(波形として15~50山程度)の周波数範囲となる第一基礎データD1及び第二基礎データD2の低周波成分を抽出する。
スパイラル低周波波形生成部322は、低周波成分抽出部321によって抽出された第一基礎データD1の低周波成分D11について逆高速フーリエ変換(以下、「逆FFT」と称呼する。)を行う。ここで、第一基礎データD1は、機上測定装置20によって工作物Wの外周面(表面)に沿って螺旋状に検出された第一測定データK1(変位)である。これにより、スパイラル低周波波形生成部322は、工作物Wの螺線方向における変位変動即ち振動の低周波成分D11の波形を表すスパイラル低周波波形SLWを第一解析結果として算出する。
低周波心間相対振動波形生成部323は、低周波成分抽出部321によって抽出された第二基礎データD2の低周波成分D21について逆FFTを行う。ここで、第二基礎データD2は、機上測定装置20によって工作物Wの軸方向の同一位置にて検出された第二測定データK2(変位)である。これにより、第二基礎データD2の低周波成分D21について逆FFTを行うと、工作物Wの周方向(1周)における変位変動即ち振動の低周波成分D21を表す1断面低周波波形が得られる。
ところで、1断面低周波波形は、例えば、研削装置10におけるポンプ脈動や工作物Wのセット精度等、1つの工作物Wの研削中に大きく変化しない砥石車12と工作物Wとの相対位置即ち心間距離の変化に起因して発生する相対振動(低周波心間相対振動)を表し、1つの工作物Wについて工作物Wの軸方向に沿って同一とみなすことができる。従って、低周波心間相対振動波形生成部323は、逆FFTを行うことによって得られる1断面低周波波形を、第一解析結果である低周波心間相対振動波形LDVとして算出する。
工作物基準半径算出部324は、スパイラル低周波波形生成部322によって生成されたスパイラル低周波波形SLWと、低周波心間相対振動波形生成部323によって生成された低周波心間相対振動波形LDVと、を用いて、研削された工作物Wの表面において砥石車12の研削面の表面状態が転写されることに起因する工作物基準半径Rを算出する。具体的に、工作物基準半径算出部324は、スパイラル低周波波形SLWから低周波心間相対振動波形LDVを減算することにより、工作物基準半径Rを第一解析結果として算出する。
ここで、低周波心間相対振動波形LDVは、上述したように、工作物Wの軸方向にて同一とみなした1断面低周波波形である。このため、工作物基準半径算出部324は、下記式1に従い、スパイラル低周波波形SLWの螺旋回数Cに一致する数だけ低周波心間相対振動波形LDVを加算し(複写し)、スパイラル低周波波形SLWから減算することにより、工作物基準半径Rを算出する。
R=SLW-C×LDV …式1
(4-4.第二データ解析処理部33)
第二データ解析処理部33は、第一基礎データD1及び第二基礎データD2の周波数特性のうち、高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分について後述する各種データ処理を行うことにより、複数の第二解析結果を算出する。このため、第二データ解析処理部33は、図12に示すように、スパイラル高周波成分抽出部331、1断面高周波成分抽出部332、スパイラル高周波波形生成部333、高周波心間相対振動波形生成部334、砥石表面凹凸算出部335を主に備える。
スパイラル高周波成分抽出部331は、基礎データ取得部31から取得した第一基礎データD1についてFFTを行い、更に加速度データを変位データに変換することにより、第一基礎データD1の周波数特性のうち、高周波成分をスパイラル高周波成分D12として抽出する。ここで、第一基礎データD1は、機上測定装置20によって工作物Wの外周面に沿って螺旋状に検出された第一測定データK1(加速度)である。又、スパイラル高周波成分抽出部331は、高周波成分として、例えば、60Hz以上且つ機上測定装置20による検出上限の周波数以下(波形として50~500山程度)の周波数範囲の周波数特性を、スパイラル高周波成分D12として抽出する。
1断面高周波成分抽出部332は、基礎データ取得部31から取得した第二基礎データD2についてFFTを行い、更に加速度データを変位データに変換することにより、第二基礎データD2の周波数特性のうち、高周波成分D22を抽出する。更に、1断面高周波成分抽出部332は、抽出した高周波成分D22から砥石車12の回転数に対応する砥石回転周波数成分fg及びその高調波を除外した高周波成分を、1断面高周波成分D221として抽出する。
ここで、第二基礎データD2は、機上測定装置20によって工作物Wの軸方向の同一位置にて検出された第二測定データK2(加速度)である。これにより、第二基礎データD2から抽出された高周波成分は、工作物Wの周方向にて1周分、即ち、工作物Wの1断面に対応するものである。又、1断面高周波成分抽出部332も、高周波成分として、例えば、60Hz以上且つ機上測定装置20による検出上限の周波数以下(波形として50~500山程度)の周波数範囲を、高周波成分D22として抽出する。
スパイラル高周波波形生成部333は、スパイラル高周波成分抽出部331によって抽出された第一基礎データD1のスパイラル高周波成分D12について逆FFTを行う。これにより、スパイラル高周波波形生成部333は、工作物Wの螺線方向における変位変動即ち振動のスパイラル高周波成分D12の波形を表すスパイラル高周波波形SHWを第二解析結果として算出する。
高周波心間相対振動波形生成部334は、1断面高周波成分抽出部332によって抽出された第二基礎データD2の1断面高周波成分D221について逆FFTを行う。これにより、第二基礎データD2の高周波成分から砥石回転周波数成分fg及びその高調波を除外した1断面高周波成分D221について逆FFTを行うと、工作物Wの周方向(1周)における変位変動即ち振動の1断面高周波成分D221を表す1断面高周波波形が得られる。
ところで、1断面高周波成分D221は、砥石車12の回転数に対応する砥石回転周波数成分fg及びその高調波を含まない。従って、1断面高周波波形は、砥石車12の回転数に対応する砥石回転周波数成分fg及びその高調波以外の、工作物Wの表面性状S(より詳しくは、心間相対振動起因による表面性状S2における表面性状S22)に影響を与える振動を表す。ここで、工作物Wの表面性状S22に影響を与える振動としては、例えば、砥石台13や主軸テーブル16の移動を制御するサーボモータの回転、外部から加えられる振動、自励びびり等を挙げることができる。
このため、1断面高周波波形は、砥石車12と工作物Wとの相対位置即ち心間距離の高周波領域における変化に起因して発生する相対振動(高周波心間相対振動)を表し、1断面低周波波形と同様に、1つの工作物Wについて工作物Wの軸方向に沿って同一とみなすことができる。従って、高周波心間相対振動波形生成部334は、逆FFTを行うことによって得られる1断面高周波波形を、第二解析結果である高周波心間相対振動波形HDVとして算出する。
砥石表面凹凸算出部335は、スパイラル高周波波形生成部333によって生成されたスパイラル高周波波形SHWと、高周波心間相対振動波形生成部334によって生成された高周波心間相対振動波形HDVと、を用いて、研削された工作物Wの外周面において砥石車12の研削面の表面状態が転写されることに起因する砥石表面凹凸Pを算出する。具体的に、砥石表面凹凸算出部335は、スパイラル高周波波形SHWから高周波心間相対振動波形HDVを減算することにより、砥石表面凹凸Pを第二解析結果として算出する。
ここで、高周波心間相対振動波形HDVは、上述したように、工作物Wの軸方向にて同一とみなした1断面高周波波形である。このため、砥石表面凹凸算出部335は、下記式2に従い、スパイラル高周波波形SHWの螺旋回数Cに一致する数だけ高周波心間相対振動波形HDVを加算し(複写し)、スパイラル高周波波形SHWから減算することにより、砥石表面凹凸Pを算出する。
P=SHW-C×HDV …式2
(4-5.出力処理部34)
出力処理部34は、第一データ解析処理部32によって算出された複数の第一算出結果及び第二データ解析処理部33によって算出された複数の第二算出結果を用いて、複数の解析結果を処理して出力することが可能である。以下、出力される複数の解析結果を例示して説明する。
出力処理部34が出力する複数の解析結果は、研削装置10によって研削された工作物Wの加工品質に関連するものである。加工品質としては、上述した表面性状S2に関連する工作物Wの真円度や、研削加工面の振れ量、工作物Wの同軸度等の工作物Wの形状(加工精度)を例示することができる。又、加工品質に関連して、研削装置10の加工状態及び研削装置10の機械状態を挙げることができる。加工状態は、加工精度に含まれ、スパークアウトの状態や砥石車12の切れ味状態を挙げることができる。機械状態としては、研削装置10の振動(機械振動)を挙げることができる。
そして、これらの加工品質、加工状態及び機械状態については、機上測定装置20が工作物Wの研削中において軸方向の同一位置にて測定された第二測定データK2(第二基礎データD2)を用いて得られる解析結果である。このため、これらの解析結果は、研削装置10が工作物Wを研削する加工毎即ち全数の工作物Wについて出力される。
又、加工品質としては、加工精度に含まれる工作物Wの表面性状S(表面性状S1)や線粗さ等を例示することができる。そして、これらの加工品質(加工精度)については、工作物Wが研削された後、機上測定装置20が工作物Wの周方向及び軸方向にて測定された第一測定データK1(第一基礎データD1)と、軸方向の同一位置にて測定された第二測定データK2(第二基礎データD2)を用いて得られる解析結果である。従って、これらの解析結果は、必要に応じて、例えば、工作物Wの研削後に適宜出力される。
本例の出力処理部34は、図13に示すように、加工品質に関連する解析結果を出力する形状解析出力部341、加工状態に関連する解析結果を出力する加工状態出力部342、機械状態に関連する解析結果を出力する機械状態出力部343、及び、加工品質に関連する解析結果を出力するマップ生成出力部344を備える。
ここで、形状解析出力部341、加工状態出力部342、及び、機械状態出力部343は、機上測定装置20が工作物の軸方向の同一位置にて測定した第二測定データK2(第二基礎データD2)の低周波成分及び高周波成分を用いる。一方、マップ生成出力部344は、機上測定装置20が工作物Wの周方向及び軸方向にて測定した第一測定データK1(第一基礎データD1)の低周波成分及び高周波成分及び工作物の軸方向の同一位置にて測定した第二測定データK2(第二基礎データD2)の低周波成分及び高周波成分を用いる。
形状解析出力部341は、第一データ解析処理部32(低周波心間相対振動波形生成部323)から第一解析結果である低周波心間相対振動波形LDVを取得すると共に、第二データ解析処理部33(高周波心間相対振動波形生成部334)から第二解析結果である高周波心間相対振動波形HDVを取得する。そして、形状解析出力部341は、低周波心間相対振動波形LDVと高周波心間相対振動波形HDVとを合成する(加算する)ことにより、図14に示すように、工作物Wの1断面における真円度、研削加工面の振れ量を解析結果A1として出力する。尚、例えば、工作物Wの軸方向において複数の真円度及び振れ量が解析された場合には、工作物Wの同軸度を出力することもできる。
加工状態出力部342は、図3に示した研削の工程の各々の研削効果を評価するため、砥石車12及び工作物Wの各々の回転数の比を表す回転数比の状態を解析結果A2として出力する。このため、加工状態出力部342は、研削の各々の工程について、第二データ解析処理部33(1断面高周波成分抽出部332)から第二解析結果として第二基礎データD2の高周波成分D22を取得する。
例えば、スパークアウト工程St4の研削効果を評価する場合、加工状態出力部342は、図3に示した粗研工程St1における砥石回転周波数成分fg1に対するスパークアウト工程St4における砥石回転周波数成分fg2の比(fg2/fg1)を解析結果A2として出力する。この場合、出力される解析結果A2(fg2/fg1)が「0」に近い程スパークアウト工程St4の研削効果が高く、「1」に近い程スパークアウト工程St4の研削効果が低いと評価することができる。
機械状態出力部343は、第一データ解析処理部32(低周波成分抽出部321)から第一解析結果として第二基礎データD2の低周波成分D21を取得し、第二データ解析処理部33(1断面高周波成分抽出部332)から第二解析結果として第二基礎データD2の高周波成分D22を取得する。そして、機械状態出力部343は、図15に示すように、周波数変化と振幅との関係を解析結果A3として出力する。ここで、図15に示すグラフにおいて、黒塗りの四角を付して示す振幅及び同振幅に対応する周波数は砥石起因の振動状態を示し、それ以外の振幅及び同振幅に対応する周波数は機械振動を示す。
マップ生成出力部344は、工作物Wの周方向及び軸方向における表面性状S(表面性状S1)を表すマップを生成して出力する。このため、マップ生成出力部344は、第二データ解析処理部33(砥石表面凹凸算出部335)から第二解析結果である砥石表面凹凸Pを取得する。そして、マップ生成出力部344は、図16に示すように、砥石起因である砥石表面凹凸Pによる表面性状S11を表すマップM1を生成し、解析結果A4として出力する。
又、マップ生成出力部344は、第一データ解析処理部32(工作物基準半径算出部324)から第一解析結果である工作物基準半径Rを取得する。そして、マップ生成出力部344は、図17に示すように、砥石起因である工作物基準半径Rによる表面性状S12を表すマップM2を生成し、解析結果A4として出力する。
更に、マップ生成出力部344は、マップM1及びマップM2を合成(加算)する。これにより、マップ生成出力部344は、図18に示すように、砥石起因の表面性状S1を表すマップM3を生成し、解析結果A4として出力する。
ここで、本例においては、表面性状S11を表すマップM1及び表面性状S12を表すマップM2を合成することにより、砥石起因の表面性状S1を表すマップM3を生成する。しかしながら、マップ生成出力部344は、生成したマップM3に対して、心間相対振動起因の表面性状S2を更に合成して工作物Wの表面性状Sを表すマップを生成することも可能である。
この場合、マップ生成出力部344は、第二データ解析処理部33(高周波心間相対振動波形生成部334)から高周波心間相対振動波形HDVを取得し、図19に示すように、心間相対振動起因である高周波心間相対振動波形HDVによる表面性状S21を表すマップM4を生成する。又、マップ生成出力部344は、第一データ解析処理部32(低周波心間相対振動波形生成部323)から低周波心間相対振動波形LDVを取得し、図20に示すように、心間相対振動起因である低周波心間相対振動波形LDVによる表面性状S22を表すマップM5を生成する。そして、マップ生成出力部344は、砥石起因の表面性状S1を表すマップM3に対して、心間相対振動起因の表面性状S2を表すマップM4及びマップM5を更に合成(加算)することにより、最終的に工作物Wの表面性状Sを表すマップを生成することができる。
尚、マップ生成出力部344は、生成したマップM1-M3(更には、生成したマップM4,M5)を解析結果A4として出力することに限らず、生成したマップM1-M5に基づいてその他の解析結果A4を出力することも可能である。例えば、マップ生成出力部344は、表面性状S11を表すマップM1に基づいて、びびり度やうろこ度等によって表される加工精度を解析結果A4として出力することが可能である。
そして、出力処理部34は、複数の解析結果を画像出力装置40に出力する。これにより、画像出力装置40は、取得した複数の解析結果の各々を、例えば、ディスプレイ上に表示する。
以上の説明からも理解できるように、機上測定システムHによれば、研削装置10に設けられている定寸装置と定寸装置に組み付けられた高周波成分測定装置25とを用いて形成される機上測定装置20が工作物Wの表面状態を測定し、出力装置30が機上測定装置20から取得した第一測定データK1(第一基礎データD1)の低周波成分及び高周波成分と、第二測定データK2(第二基礎データD2)の低周波成分及び高周波成分を用いて工作物Wの加工品質に関連する複数の解析を行うことができる。
そして、出力装置30は、解析によって得られた複数の解析結果A1-A4を出力することができる。これにより、機上測定システムHによれば、工作物Wの表面状態を測定する簡素な構成の機上測定装置20を用いることができるため、システムの構成を簡素化して安価にすることができる。又、機上測定システムHによれば、機上測定装置20によって測定された第一測定データK1(第一基礎データD1)及び第二測定データK2(第二基礎データD2)を用いることにより、例えば、複数の測定装置から各々の測定データを集めて解析する場合に比べて、解析結果A1-A4を得るまでの時間を短縮することができる。
より詳しく、出力装置30は、螺旋状に検出された第一基礎データD1(第一測定データK1)の周波数成分のうちの低周波成分D11及び高周波成分であるスパイラル高周波成分D12と、軸方向同一位置にて検出された第二基礎データD2(第二測定データK2)の周波数成分のうちの低周波成分D21と高周波成分D22とを用いて複数の解析を行うことができる。そして、出力装置30は、加工品質に関連する複数の解析結果として、工作物Wの形状に関連する解析結果A1、加工状態に関連する解析結果A2、機械状態に関連する解析結果A3を、工作物Wの研削時に出力することができる。又、出力装置30は、研削の後において、必要に応じて、加工品質に関連する工作物Wの表面性状をマップ化して解析結果A4として出力することもできる。
これにより、解析結果A1-A4を活用することにより、例えば、解析結果A1-A3をモニタすることにより、研削装置10のごみ噛み等によって突発的に発生した工作物Wの不良品が流出することを防止することができる。又、解析結果A1-A4を活用することにより、研削装置10に発生した異常を早期に発見して要因を解析し、異常の対策を早期に施すことができる。更に、解析結果A1-A4を活用することにより、研削装置10メンテナンス、例えば、ツルーイングインターバルの最適化が可能となり、ひいては、工作物Wの製造コストを低減することも可能となる。
(5.その他の別例)
上述した本例においては、機上測定装置20が研削装置10に設けられた定寸装置を用いるようにした。これに代えて、機上測定装置20がリニアゲージを用いることも可能である。この場合においても、上述した本例と同様の効果が得られる。
又、上述した本例においては、機上測定装置20の高周波成分測定装置25が加速度センサを主に備えて、第一測定データ及び第二測定データとして加速度を検出する場合を例示した。高周波成分測定装置25は、加速度センサを主に備えることに限定されず、工作物Wの表面の凹凸に起因する変位を検出する変位センサを主に備えることも可能である。
高周波成分測定装置25が備える変位センサとしては、例えば、接触型の定寸装置やリニアゲージ、或いは、非接触型のレーザ式センサ、光学式センサ、渦電流型センサ等を例示することができる。接触型の定寸装置やリニアゲージは、工作物Wの表面に接触する測定子21等の接触部材を有し、工作物Wの回転に伴い生じる接触部材の振動の変位を検出する。非接触型のレーザ式センサ、光学式センサ、渦電流型センサは、工作物Wの表面に対して非接触となるように配置され、工作物Wの回転に伴い生じる基準位置から工作物Wの表面までの変位を検出する。
接触型のセンサにより検出される接触部材の振動の変位、及び、非接触型のセンサにより検出される変位は、何れも、工作物の表面の凹凸の変位を示す測定データ(時系列データ)である。従って、この場合においても、機上測定装置20から出力される測定データ(変位)は時系列データであり、基礎データ取得部31は、機上測定装置20から出力された第一測定データK1及び第二測定データK2を、各々、第一基礎データD1及び第二基礎データD2として取得する。
尚、リニアゲージは、工作物Wに接触する測定子と、測定子を支持するアームを備え、測定子を回転中の工作物Wに接触させた状態で工作物Wの表面の変位を検出するものである。又、リニアゲージは、定寸装置と同様に、軸方向移動装置に支持されており、工作物Wの軸方向、即ち、Z方向に移動可能とされる。
更に、上述した本例においては、第一データ解析処理部32の低周波成分抽出部321がFFTを行い、スパイラル低周波波形生成部322及び低周波心間相対振動波形生成部323が逆FFTを行うようにした。又、第二データ解析処理部33のスパイラル高周波成分抽出部331及び1断面高周波成分抽出部332がFFTを行い、スパイラル高周波波形生成部333及び高周波心間相対振動波形生成部334が逆FFTを行うようにした。
このように、FFT又は逆FFTを行うことを省略するために、上記各部に所望の周波数成分を抽出可能なフィルタを設けることも可能である。フィルタとしては、例えば、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、或いは、ガウシアンフィルタ等を例示することができる。
10…研削装置、11…ベッド、11a…砥石台案内部、11b…主軸テーブル案内部、12…砥石車、12a…砥石回転モータ、13…砥石台、14…主軸台、14a…主軸回転モータ、15…心押台、16…主軸テーブル、17…制御器、20…機上測定装置、21…測定子、22…フィンガー、23…軸方向移動装置、24…軸方向移動制御部、25…高周波成分測定装置、30…出力装置、31…基礎データ取得部、32…第一データ解析処理部、321…低周波成分抽出部、322…スパイラル低周波波形生成部、323…低周波心間相対振動波形生成部、324…工作物基準半径算出部、33…第二データ解析処理部、331…スパイラル高周波成分抽出部、332…1断面高周波成分抽出部、333…スパイラル高周波波形生成部、334…高周波心間相対振動波形生成部、335…砥石表面凹凸算出部、34…出力処理部、341…形状解析出力部、342…加工状態出力部、343…機械状態出力部、344…マップ生成出力部、40…画像出力装置、A1,A2,A3,A4…解析結果、C…螺旋回数、K1…第一測定データ、K2…第二測定データ、D1…第一基礎データ、D11…低周波成分、D12…スパイラル高周波成分、D2…第二基礎データ、D21…低周波成分(第一解析結果)、D22…高周波成分(第二解析結果)、D221…1断面高周波成分、LDV…低周波心間相対振動波形(第一解析結果)、HDV…高周波心間相対振動波形(第二解析結果)、SLW…スパイラル低周波波形(第一解析結果)、SHW…スパイラル高周波波形(第二解析結果)、M1,M2,M3,M4,M5…マップ、O…回転中心、R…工作物基準半径(第一解析結果)、P…砥石表面凹凸(第二解析結果)、S…表面性状、S1…(砥石起因の)表面性状、S2…(心間相対振動起因の)表面性状、S11,S12,S21,S22…表面性状、H…機上測定システム、W…工作物

Claims (9)

  1. 研削装置に設けられて、前記研削装置にて砥石車により研削した工作物の表面状態を測定し、前記工作物の前記表面状態を表す測定データを出力する機上測定装置と、
    前記機上測定装置が前記工作物の表面における測定位置を少なくとも周方向に前記工作物に対して相対移動させることによって測定した前記測定データを取得し、前記測定データの周波数成分のうちの低周波成分と、前記測定データの前記周波数成分のうちの前記低周波成分よりも高周波領域の高周波成分と、前記測定データの前記周波数成分のうちの前記低周波数成分及び前記高周波成分と、のうちの何れかを用いて、前記研削装置によって研削された前記工作物の加工品質に関連する複数の解析を行い、複数の解析結果を出力する出力装置と、
    を備えた、機上測定システム。
  2. 前記出力装置は、
    前記測定データの前記低周波成分を用いた解析処理によって複数の第一解析結果を算出する第一データ解析処理部と、
    前記測定データの前記高周波成分を用いた解析処理によって複数の第二解析結果を算出する第二データ解析処理部と、
    前記第一解析結果及び前記第二解析結果のうちの少なくとも一方を用いて、複数の前記解析結果を出力する出力処理部と、を有する、請求項1に記載の機上測定システム。
  3. 複数の前記解析結果は、
    前記研削装置による前記工作物の研削に関する加工精度、及び、前記研削装置の研削に関する機械状態を含む、請求項1又は2に記載の機上測定システム。
  4. 前記機上測定装置は、
    前記工作物の表面における前記測定位置を前記工作物の軸方向の同一位置にて周方向に移動させることによって前記工作物の前記表面状態を測定し、前記測定データを出力する、請求項1-3の何れか一項に記載の機上測定システム。
  5. 前記機上測定装置は、前記研削装置による前記工作物の研削加工ごとに、前記測定データを出力する、請求項4に記載の機上測定システム。
  6. 前記機上測定装置は、更に、
    前記測定位置を前記工作物の周方向及び軸方向にて螺旋状に移動させることによって前記工作物の前記表面状態を測定し、前記測定データを出力する、請求項4に記載の機上測定システム。
  7. 前記機上測定装置は、
    前記測定データを時系列データとして出力する、請求項1-6の何れか一項に記載の機上測定システム。
  8. 前記機上測定装置は、
    前記研削装置において前記工作物の外径を測定する定寸装置を含んで形成される、請求項1-7の何れか一項に記載の機上測定システム。
  9. 前記機上測定装置は、
    前記定寸装置と、前記定寸装置に組み付けられて前記工作物の前記表面状態の周波数成分のうちの前記高周波成分を測定する高周波成分測定装置と、を有し、
    前記定寸装置を用いて前記工作物の前記表面状態の周波数成分のうちの前記低周波成分を測定し、
    前記高周波成分測定装置を用いて前記工作物の前記表面状態の周波数成分のうちの前記高周波成分を測定する、請求項8に記載の機上測定システム。
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