JP2022114230A - ダイカスト用のプランジャチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動面の耐久性を改善させるとともに、摺動面によって捕集された粉体潤滑剤の粒子の潤滑剤としての機能を向上させることで、高い摺動性を得ることができるプランジャチップを提供する。【解決手段】ダイカスト用のプランジャチップは、チップ本体と、チップリングとを備え、チップリングは、摺動面50を有し、摺動面50は、粉体潤滑剤の粒子Pを回転可能に保持する溝500を有し、溝500は、側面510及び側面520と溝開口530とを有し、側面510と側面520とのなす角θ及び溝開口530の幅Lは、粒子Pが溝500に入り込むとき、粒子Pが側面510及び側面520とも当接し、かつ、深さ方向において、粒子Pが溝500の外部に位置する部分の寸法を、粒子Pの直径Dの1/3以上から1/2以下までの範囲に属させるように形成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、ダイカスト用のプランジャチップ、特に、プランジャチップの摺動面の構造に関する。
従来、金型の可動部品間の摺動性を向上させつつ、ダイカスト製品の品質への影響を軽減するために、ガスが発生しにくい粉末潤滑剤を金型の可動部品の間に設けることがある。また、粉末潤滑剤の潤滑性能を十分に発揮させるために、可動部品の摺動面に粉体潤滑剤の粒子を捕集することができる被膜を設ける技術が知られている。
例えば、特許文献1には、鋳造部材の溶湯接触表面に凹凸を有するナノカーボン層を設けることで、粉末潤滑剤の捕集効率を向上させる技術が開示されている。
ところで、金型において、粉体潤滑剤を介してプランジャスリーブ内で摺動するプランジャチップの摺動性を改善するために、プランジャチップ又はプランジャスリーブの摺動面に特許文献1に開示されたナノカーボン膜を設けることが考えられる。しかしながら、ダイカストを行うとき、特許文献1に開示されたナノカーボン膜が酸素雰囲気において高熱物と接触すると、ナノカーボン膜に含まれた炭素が酸素と化学反応をすることによって、ナノカーボン膜は酸化して損傷し、さらに消えてしまうことがある。よって、ナノカーボン膜の機能を維持することができず、プランジャチップの摺動性に大きな影響を与える。また、粉体潤滑剤の粒子の大きさに比べて、ナノカーボン膜の凹凸はかなり大きい。このため、粉体潤滑剤の粒子がナノカーボン膜の凹凸に入り込むとき、粒子が完全にナノカーボン膜の凹凸に囲まれて凹凸の外部に位置する部分がなくなる。その結果、粉体潤滑剤の粒子は潤滑剤としての機能が発揮できなくなり、ランジャチップの摺動性が低下してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みて発明されたものであり、本発明の目的は、摺動面の耐久性を改善させるとともに、摺動面によって捕集された粉体潤滑剤の粒子の潤滑剤としての機能を向上させることで、高い摺動性を得ることができるプランジャチップを提供することである。
本発明の一態様に係るダイカスト用のプランジャチップは、プランジャスリーブの内部に挿入され、粉体潤滑剤を介して、プランジャスリーブ内に摺動することで、プランジャスリーブにある溶湯金属を金型に圧入するプランジャチップであって、圧入方向に沿って溶湯金属を押し出すチップ本体と、チップ本体に設けられ、溶湯金属がチップ本体よりも圧入方向の上流側に流入することを防ぐチップリングと、を備え、チップ本体又はチップリングは、プランジャスリーブのスリーブ内周面を向くように設けられた摺動面を有し、摺動面とスリーブ内周面との間に、粉体潤滑剤が介在しており、摺動面は、深さ方向が圧入方向に交差するように設けられた、粉体潤滑剤の粒子を回転可能に保持する溝を有し、溝は、互いに交差している2つの側面と、2つの側面によって挟まれた溝開口とを有し、2つの側面のなす角及び溝開口の幅は、粒子が溝に入り込むとき、粒子が2つの側面とも当接し、かつ、深さ方向において、粒子が溝の外部に位置する部分の寸法を、粒子の直径の1/3以上から1/2以下までの範囲に属させるように形成されている。
上記態様のダイカスト用のプランジャチップの摺動面の溝は、粉体潤滑剤の粒子を、その粒子全体の1/2以上かつ2/3以下の一部(すなわち、粒子全体の半分以上の一部)は、溝の内部に位置し、粒子全体の1/3以上かつ1/2以下の他の一部(すなわち、粒子全体の半分以下の他の一部)は、溝の外部に位置するように、保持することができる。このように保持された粉体潤滑剤の粒子は、プランジャチップがプランジャスリーブ内で摺動するとき、溝の外部に位置する他の一部を介して、プランジャスリーブのスリーブ内周面と接触して、スリーブ内周面からの力を受けることができるとともに、溝の内部に位置する一部を介して、スリーブ内周面からの力によって粒子が溝から押し出されることを抑制することができる。よって、摺動状態特に、高速摺動状態において、溝が粒子を回転可能に保持することができる。こうして、プランジャチップの摺動に伴い、粉体潤滑剤は、プランジャチップによって移動し、常にプランジャチップ及びプランジャスリーブの間に介在することができる。言い換えれば、摺動面によって捕集された粉体潤滑剤の粒子は潤滑剤としての機能を発揮することができる。その結果、プランジャチップの摺動性の向上を実現できる。
また、プランジャチップの摺動性を向上させることによって、プランジャチップとプランジャスリーブとの間に凝着摩損の発生を抑制することができる。その結果、凝着摩損の発生によるプランジャチップ及びプランジャスリーブの耐久性への影響も回避することができる。
また、本実施形態に係る摺動面の溝は、削り加工によって形成されたものであり、ナノカーボン膜のような酸素と化学反応する特性を有しない。このため、ダイカストを行うとき、摺動面が酸素雰囲気において高熱物と接触しても、酸素との酸化反応が起きて損傷又は消えることがなく、高い耐久性を得ることができる。
本発明によれば、摺動面の耐久性を改善させるとともに、摺動面によって捕集された粉体潤滑剤の粒子の潤滑剤としての機能を向上させることで、高い摺動性を得ることができるダイカスト用のプランジャチップを提供することが可能になる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面の記載において同一又は類似の構成要素は同一又は類似の符号で表している。図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本発明の技術的範囲を当該実施の形態に限定して解するべきではない。
[本実施形態]
<金型1>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係る金型1の構成について説明する。図1は、金型1の構成を示す断面図である。また、図1は、後述するプランジャスリーブ4の中心軸を通過する断面を示している。
<金型1>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係る金型1の構成について説明する。図1は、金型1の構成を示す断面図である。また、図1は、後述するプランジャスリーブ4の中心軸を通過する断面を示している。
本実施形態に係る金型1は、ダイカスト用の金型の一例である。図1に示すように、金型1は、固定型2と、固定型2に対して移動可能な可動型3と、固定型2に固定されたプランジャスリーブ4と、プランジャスリーブ4内で摺動可能なプランジャチップ5とを備える。
金型1の型締め状態において、固定型2のキャビティ面21及び可動型3のキャビティ面31は、鋳物を鋳造する空間であるキャビティ6を構成する。プランジャスリーブ4及びプランジャチップ5は、キャビティ6にダイカスト用の溶湯金属Mを供給する供給部を構成する。また、プランジャスリーブ4及びプランジャチップ5の間に、粉体潤滑剤が介在している。本実施形態に使用される粉体潤滑剤の粒子Pの直径Dは、例えば8μmである。
このように、ダイカストを行うとき、プランジャチップ5は、粉体潤滑剤を介して、圧入方向(すなわち、プランジャスリーブ4の軸方向の一方側に向かる方向)に沿ってプランジャスリーブ4内で摺動することで、プランジャスリーブ4に一時的に貯溜された溶湯金属Mをキャビティ6に圧入する。そして、圧入された溶湯金属Mは、キャビティ6を完全に充填した後に凝固して、キャビティ6の形状に応じた鋳物を形成する。
<プランジャスリーブ4及びプランジャチップ5>
次に、図1乃至4を参照しつつ、本実施形態に係るプランジャスリーブ4及びプランジャチップ5の構成を説明する。図2は、プランジャチップ5の構成を示す模式図である。図3は、図1のA部の拡大図である。図4は、プランジャチップ5の溝500の構成を示す模式図である。図5は、プランジャチップ5の溝500の構成と高速摺動特性との関係を示す図である。
次に、図1乃至4を参照しつつ、本実施形態に係るプランジャスリーブ4及びプランジャチップ5の構成を説明する。図2は、プランジャチップ5の構成を示す模式図である。図3は、図1のA部の拡大図である。図4は、プランジャチップ5の溝500の構成を示す模式図である。図5は、プランジャチップ5の溝500の構成と高速摺動特性との関係を示す図である。
(プランジャスリーブ4)
プランジャスリーブ4は、例えば、耐摩耗性及び耐熱性が優れた金属によって構成された円筒状の部材である。図1示すように、プランジャスリーブ4は、軸方向の両側にある開口端41及び開口端42と、周壁面に形成された開口部43と、スリーブ内周面40とを有する。
プランジャスリーブ4は、例えば、耐摩耗性及び耐熱性が優れた金属によって構成された円筒状の部材である。図1示すように、プランジャスリーブ4は、軸方向の両側にある開口端41及び開口端42と、周壁面に形成された開口部43と、スリーブ内周面40とを有する。
開口端41は、溶湯金属Mの射出口であり、キャビティ6に連通するように、圧入方向の下流側に位置する。開口端42は、プランジャチップ5の挿入口であり、圧入方向の上流側に位置する。
開口部43は、プランジャスリーブ4の周壁面の一部を貫通するように設けられている。ダイカストを行うとき、開口部43を介して、溶湯金属Mをプランジャスリーブ4の内部に注入することができる。
スリーブ内周面40は、プランジャスリーブ4の摺動面である。図3に示すように、スリーブ内周面40は、複数の溝400を有する。溝400は、その深さ方向が圧入方向、すなわちプランジャスリーブ4の軸方向と垂直するように設けられている。溝400の溝幅方向の断面視形状は、例えば、V字状である。
また、溝400は、側面410及び側面420と、溝開口430とを有する。側面410及び側面420のなす角及び溝開口430の幅は、粉体潤滑剤の粒子Pが溝400に進入できないように形成されている。この場合、溝400の溝深さhは、例えば1.6μmである。
こうして、このような構成を有する溝400によって、粉体潤滑剤の粒子Pは、スリーブ内周面40に捕集されることがない。また、溝400によって、スリーブ内周面40の表面粗さは所定値に形成されることができる。
(プランジャチップ5)
プランジャチップ5は、図2に示すように、円柱状の部材である。プランジャチップ5は、チップ本体51と、チップ本体51の外周面の一方側に設けられたチップリング52とを有する。
プランジャチップ5は、図2に示すように、円柱状の部材である。プランジャチップ5は、チップ本体51と、チップ本体51の外周面の一方側に設けられたチップリング52とを有する。
チップ本体51は、圧入方向に沿ってプランジャスリーブ4にある溶湯金属Mを押し出すための構成である。チップ本体51は、例えば、耐摩耗性及び耐熱性が優れた金属によって構成された円柱状の中空部材である。チップ本体51の軸方向の一端側には、溶湯金属Mと接触するための端面511が設けられている。
チップリング52は、溶湯金属Mがチップ本体51よりも圧入方向の上流側に流入することを防ぐための構成である。チップリング52は、例えば、耐熱樹脂によって構成されたリング状の部材である。なお、チップリング52は、金属によって構成されてもよい。
チップリング52の外周面側には、摺動面50が形成されている。なお、摺動面50は、チップ本体51の外周面側に形成されてもよい。図3に示すように、摺動状態において、摺動面50は、プランジャスリーブ4のスリーブ内周面40を向くように設けられている。また、この場合、摺動面50に、粉体潤滑剤が塗布されている。こうして、粉体潤滑剤は、摺動面50及びスリーブ内周面40の間に介在している。
また、摺動面50は、複数の溝500を有する。溝500は、プランジャチップ5の摺動に伴い、粉体潤滑剤の粒子Pを回転可能に保持するために構成であり、溝400よりも大きく形成されている。このため、溝500を有する摺動面50の表面粗さは、溝400を有するスリーブ内周面40よりも粗い。こうして、スリーブ内周面40と異なり、摺動面50は、溝500を介して粉体潤滑剤の粒子Pを捕集することができる。
より詳しく説明すると、図3に示すように、溝500は、その深さ方向が圧入方向、すなわちチップリング52の軸方向と垂直するように設けられている。溝500の溝幅方向の断面視形状は、例えば、V字状である。なお、溝500の溝幅方向の断面視形状は、溝500の加工刃具及び加工方法の変更により、V字状以外の形状になる可能性もある。
また、図4に示すように、溝500は、互いに交差している側面510及び側面520と、側面510及び側面520によって挟まれた溝開口530とを有する。側面510と側面520とのなす角θ及び溝開口530の幅Lは、粒子Pが溝500に入り込むとき、粒子Pが側面510及び側面520とも当接し、かつ、深さ方向において、粒子Pが溝500の外部に位置する部分の寸法を、粒子Pの直径Dの1/3以上から1/2以下までの範囲に属させるように形成されている。この場合、溝500の溝深さHは、例えば6.3μmである。
また、溝500の加工性と、粉体潤滑剤の潤滑性性能の発揮とを考慮し、側面510と側面520とのなす角θと溝開口530の幅Lとの関係は、図5の「高速摺動OK」部分に示された関係を有することが好ましい。なお、このような溝500を有する摺動面50の表面粗さRaは、3.2以上かつ10.0以下である。
<摺動面50の採用による効果>
続いて、図3乃至図6を参考しつつ、比較例に係るプランジャチップ9の摺動面90と比較しながら、本実施形態に係るプランジャチップ5の摺動面50の効果について説明する。図6は、比較例に係るプランジャチップ9がプランジャスリーブ4内での摺動状態を示す模式図である。
続いて、図3乃至図6を参考しつつ、比較例に係るプランジャチップ9の摺動面90と比較しながら、本実施形態に係るプランジャチップ5の摺動面50の効果について説明する。図6は、比較例に係るプランジャチップ9がプランジャスリーブ4内での摺動状態を示す模式図である。
(比較例)
ここで、本実施形態に係る摺動面50の採用による効果を説明する前に、まず、図6を参照しつつ、比較例に係るプランジャチップ9の摺動面90の特徴について説明する。なお、以下の説明では、比較例の本実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点に係る内容を説明する。
ここで、本実施形態に係る摺動面50の採用による効果を説明する前に、まず、図6を参照しつつ、比較例に係るプランジャチップ9の摺動面90の特徴について説明する。なお、以下の説明では、比較例の本実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点に係る内容を説明する。
プランジャチップ9のチップリング92は、例えば金属によって構成されたリング状の部材である。チップリング92の外周面側には、摺動面90が形成されている。図6に示すように、摺動面90は、複数の溝900を有する。また、溝900は、プランジャスリーブ4のスリーブ内周面40の溝400と同様の構成を有する。つまり、比較例に係る溝900は、本実施形態に係る溝500よりも小さく、粉体潤滑剤の粒子Pを保持することができない。よって、このような溝900を有する摺動面90は、粉体潤滑剤の粒子Pを捕集することができない。
こうして、プランジャチップ9がプランジャスリーブ4内で摺動する摺動状態において、プランジャチップ9の摺動面90が粉体潤滑剤の粒子Pを捕集することができないため、プランジャチップ9の摺動に伴い、粉体潤滑剤はプランジャチップ9によって移動しない。このため、プランジャチップ9が摺動する前、粉体潤滑剤は、プランジャチップ9及びプランジャスリーブ4の間に介在しているが、一方、プランジャチップ9が圧入方向に沿って摺動したとき、粉体潤滑剤はほぼ元の位置に残されている。よって、プランジャチップ9の摺動に伴い、プランジャチップ9及びプランジャスリーブ4の間に粉体潤滑剤がなくなり、プランジャチップ9とプランジャスリーブ4との間に凝着摩損が発生して、プランジャチップ9がプランジャスリーブ4に対して高速摺動することができなくなる。その結果、プランジャチップ9及びプランジャスリーブ4の耐久性とも低下するのみならず、溶湯金属Mがキャビティ6に高速射入されることができなくなり、このように製造された鋳物の品質に大きな影響を与える。
(本実施形態)
上述した比較例に係る問題に対して、本実施形態に係るプランジャチップ5は、溝500を有する摺動面50を採用することで、摺動面50の耐久性を改善させるとともに、摺動面50によって捕集された粉体潤滑剤の粒子Pの潤滑剤としての機能を向上させることで、高い摺動性を得ることを実現している。
上述した比較例に係る問題に対して、本実施形態に係るプランジャチップ5は、溝500を有する摺動面50を採用することで、摺動面50の耐久性を改善させるとともに、摺動面50によって捕集された粉体潤滑剤の粒子Pの潤滑剤としての機能を向上させることで、高い摺動性を得ることを実現している。
具体的には、本実施形態に係る摺動面50の溝500は、側面510と側面520とのなす角θ及び溝開口530の幅Lが、粉体潤滑剤の粒子Pが溝500に入り込むとき、粒子Pが側面510及び側面520とも当接し、かつ、深さ方向において、粒子Pが溝500の外部に位置する部分の寸法を、粒子Pの直径Dの1/3以上から1/2以下までの範囲に属させるように形成されている。言い換えれば、粒子Pが溝500によって保持される場合、粒子P全体の1/2以上かつ2/3以下の一部(すなわち、粒子P全体の半分以上の一部)は、溝500の内部に位置し、粒子P全体の1/3以上かつ1/2以下の他の一部(すなわち、粒子P全体の半分以下の他の一部)は、溝500の外部に位置するようになっている。
このように保持された粉体潤滑剤の粒子Pは、プランジャチップ5がプランジャスリーブ4内で摺動するとき、溝500の外部に位置する他の一部を介して、プランジャスリーブ4のスリーブ内周面40と接触して、スリーブ内周面40からの力を受けることができるとともに、溝500の内部に位置する一部を介して、スリーブ内周面40からの力によって粒子Pが溝500から押し出されることを抑制することができる。よって、摺動状態特に、高速摺動状態において、溝500が粒子Pを回転可能に保持することができる。こうして、プランジャチップ5の摺動に伴い、粉体潤滑剤は、プランジャチップ5によって移動し、常にプランジャチップ5及びプランジャスリーブ4の間に介在することができる。言い換えれば、摺動面50によって捕集された粉体潤滑剤の粒子Pは潤滑剤としての機能を発揮することができる。その結果、プランジャチップ5の摺動性の向上を実現できる。
また、プランジャチップ5の摺動性を向上させることによって、プランジャチップ5とプランジャスリーブ4との間に凝着摩損の発生を抑制することができる。その結果、凝着摩損の発生によるプランジャチップ5及びプランジャスリーブ4の耐久性への影響も回避することができる。
また、本実施形態に係る摺動面50の溝500は、削り加工によって形成されたものであり、ナノカーボン膜のような酸素と化学反応する特性を有しない。このため、ダイカストを行うとき、摺動面50が酸素雰囲気において高熱物と接触しても、酸素との酸化反応が起きて損傷又は消えることがなく、高い耐久性を得ることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
1…金型、4…プランジャスリーブ、5…プランジャチップ、50…摺動面、51…チップ本体、52…チップリング、500…溝、510,520…側面、530…溝開口
Claims (1)
- プランジャスリーブの内部に挿入され、粉体潤滑剤を介して、前記プランジャスリーブ内に摺動することで、前記プランジャスリーブにある溶湯金属を金型に圧入するプランジャチップであって、
圧入方向に沿って溶湯金属を押し出すチップ本体と、
前記チップ本体に設けられ、溶湯金属が前記チップ本体よりも前記圧入方向の上流側に流入することを防ぐチップリングと、を備え、
前記チップ本体又は前記チップリングは、前記プランジャスリーブのスリーブ内周面を向くように設けられた摺動面を有し、
前記摺動面と前記スリーブ内周面との間に、前記粉体潤滑剤が介在しており、
前記摺動面は、深さ方向が前記圧入方向に交差するように設けられた、前記粉体潤滑剤の粒子を回転可能に保持する溝を有し、
前記溝は、互いに交差している2つの側面と、前記2つの側面によって挟まれた溝開口とを有し、
前記2つの側面のなす角及び前記溝開口の幅は、前記粒子が前記溝に入り込むとき、前記粒子が前記2つの側面とも当接し、かつ、前記深さ方向において、前記粒子が前記溝の外部に位置する部分の寸法を、前記粒子の直径の1/3以上から1/2以下までの範囲に属させるように形成されている、
ダイカスト用のプランジャチップ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4306677A1 (en) | 2022-07-15 | 2024-01-17 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method for forming metal oxide |
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- 2021-01-26 JP JP2021010439A patent/JP2022114230A/ja active Pending
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EP4306677A1 (en) | 2022-07-15 | 2024-01-17 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method for forming metal oxide |
DE102023117180A1 (de) | 2022-07-15 | 2024-01-18 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Verfahren zum Ausbilden eines Metalloxids |
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