JP2022114228A - デッキプレート及び梱包構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、デッキプレート及び梱包構造に関する。
従来から、コンクリート構造部の型枠として用いられるデッキプレートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたデッキプレートは、平坦形状のフランジ部と、フランジ部から突出した複数のリブと、を備えており、フランジ部と一体に形成されたリブにより、デッキプレートの強度向上が図られている。
特許文献1に記載されたようなデッキプレートでは、複数のデッキプレートを輸送又は搬送する際、スペースの都合上、2枚のデッキプレートをリブ同士が向かい合うように配置して梱包することが好ましい。しかしながら、短辺方向寸法の異なる複数のデッキプレートをまとめて梱包すると、比較的短いデッキプレートが設けられた位置に空間が生じることにより、比較的短いデッキプレートが移動しやすく、梱包の安定性が低下してしまう可能性があった。
梱包内におけるデッキプレートの移動を抑制するために、空間を埋めるようにスペーサ等を設ける方法が考えられる。しかしながら、このようなスペーサ等の梱包部材は、施工に必要なものではないことから、削減することが望まれていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、梱包の安定性を確保しつつ梱包部材を削減することができるデッキプレート及び該デッキプレートの梱包構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るデッキプレートは、長方形板状のフランジ部と、前記フランジ部の一面側から突出し、該フランジ部の長辺方向に沿って延在するとともに短辺方向に並んだ複数のリブと、を備え、前記複数のリブのうち少なくとも1つが、他のデッキプレートのリブを保持可能な保持リブとされており、前記フランジ部の前記一面側には、前記保持リブとの間に前記他のデッキプレートのリブを保持可能な保持突起が設けられていることを特徴とする。
本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記フランジ部の他面側には、前記保持突起が設けられた位置に、凹部が形成されている。
本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記保持突起は、前記フランジ部の長辺方向に沿って延在する。
本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記保持突起は、前記保持リブの側を向くとともに前記フランジ部と直交するように延びる直交面を有する。
一方、本発明に係るデッキプレートの梱包構造は、長方形状に形成されたフランジ部と、前記フランジ部の一面側から突出し該フランジ部の長辺方向に沿って延在するとともに短辺方向に並んだ複数のリブと、を備えた一対の前記デッキプレートが、前記一面側同士が向かい合うことでデッキプレート対を構成し、複数の前記デッキプレート対が、前記フランジ部との直交方向に沿って重ねられ、前記デッキプレート対として、前記デッキプレートのうち少なくとも一方が、上記のデッキプレートであるものを備えることを特徴とする。
本発明に係るデッキプレート及びデッキプレートの梱包構造によれば、梱包の安定性を確保しつつ梱包部材を削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るデッキプレート1A,1Bを示す斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態に係るデッキプレート1Aの一例を模式的に示す断面図であり、図3は、本発明の実施の形態に係るデッキプレート1Bの他の一例を模式的に示す断面図であり、図4は、本発明の実施の形態に係るデッキプレート1A,1Bを梱包した様子を模式的に示す断面図である。
図1~3に示すように、本発明の実施の形態に係るデッキプレート1A,1Bは、長方形板状のフランジ部2A,2Bと、フランジ部2A,2Bの一面201側から突出し、フランジ部2A,2Bの長辺方向Xに沿って延在するとともに短辺方向Yに並んだ複数のリブ31,32と、を備え、複数のリブ31,32のうち少なくとも1つが、他のデッキプレートのリブを保持可能な保持リブ4とされており、フランジ部2A,2Bの一面201側には、保持リブ4との間に他のデッキプレートのリブを保持可能な保持突起5が設けられている。以下、デッキプレート1A,1Bについて具体的に説明する。
以下では、長方形板状のフランジ部2A,2Bの長辺方向をX方向とし、短辺方向をY方向とし、板に直交する方向をZ方向とする。デッキプレート1A,1Bは、Y方向の寸法が互いに異なっており、即ち、互いにY方向寸法が異なるフランジ部2A,2Bを備えている。以下では主としてデッキプレート1Aについて説明するが、特に説明がない限りはデッキプレート1Bも同様の構成を有しているものとする。
デッキプレート1A,1Bは、例えばフラットデッキであって、全体が1枚の薄鋼板により形成されている。デッキプレート1A,1Bの表面には、溶融亜鉛メッキ等の耐食加工が適宜に施されていてもよい。デッキプレート1A,1Bは、鉄筋コンクリート構造部の型枠に用いられるものであり、その使用状態と梱包状態とで形状が特に変化しないものとするが、形状が変化する部分が設けられていてもよい。
フランジ部2A,2Bは、複数の板部20によって構成されている。板部20は、X方向を長辺方向とする長方形板状に形成され、複数の板部20がY方向に並んでいる。複数の板部20は、リブ31,32を介して互いに一体に形成されている。フランジ部2A,2Bのうち、リブ31,32が設けられる側の面(図1,2における下面)を一面201とし、その反対側の面(図1,2における上面)を他面202とする。他面202には、剛性向上を目的としてエンボス加工や突条部加工等が施されていてもよい。
フランジ部2A,2Bは、例えば板部20の数が異なっており、この差により、デッキプレート1A,1BのY方向寸法の差が生じている。即ち、デッキプレート1Aは、板部20のY方向寸法(又はその整数倍)だけデッキプレート1BよりもY方向寸法が大きい。デッキプレート1Aには、フランジ部2AのY方向における一端部に連続するように折曲部21が形成され、デッキプレート1Bには折曲部が形成されていない。
リブ31,32は、フランジ部2A,2Bの一面201側から突出しており、その基端部311,321から先端部312,322に向かうにしたがって(即ち一面201から離れるにしたがって)X方向寸法が大きくなるような断面三角形状に形成されている。即ち、基端部311,321は断面の三角形の頂点に位置し、先端部312,322は底辺に位置する。リブ31,32は、Y方向両側に位置する板部20のそれぞれと一体に形成されることにより、両側の板部20を接続している。2つのリブ31,32は、Y方向に沿って並んでおり、形状及び寸法は互いに同様である。図示の例では、デッキプレート1A,1Bがそれぞれ2つのリブ31,32を備えているが、3つ以上のリブを備えていてもよい。
上記のように、フランジ部2A,2Bでは、板部20のY方向両側にリブ31,32が設けられている。これにより、板部20のY方向寸法と、Y方向に並んだリブ31,32同士の間隔(即ち基端部311,321同士の間隔)と、が略等しくなっている。
保持突起5は、フランジ部2A,2Bの一面201側に突出するように板部20に形成され、即ち2つのリブ31,32の間に配置されている。フランジ部2A,2Bの他面202側には、保持突起5が設けられた位置に、凹部6が形成されている。即ち、板部20に対して例えばパンチ加工やプレス加工、ロール加工等の適宜な加工を施すことにより、保持突起5と凹部6とが同時に形成されている。
保持突起5及び凹部6は、図1に示すように、X方向に沿って延在している。このとき、保持突起5及び凹部6は、フランジ部2A,2BのX方向全体に亘って(端部にまで)形成されていてもよいし、Y方向端部には形成されていなくてもよい。
図示の例では、保持突起5が板部20のY方向中央部に位置しているが、実際には、保持突起5と、後述する保持リブ4であるリブ31と、の間隔が、リブ31,32の先端部312,322のY方向寸法よりも若干大きくなるような配置とされている。
保持突起5は断面略V字状に形成されており、即ち、頂点51と、リブ31側を向いた面52と、リブ32側を向いた面53と、を有している。保持突起5は、リブ31側を向いた面52が、フランジ部2A,2Bと直交するように(即ちZ方向に沿って)延びる直交面となっている。尚、面52は、フランジ部2A,2Bとの直交方向に対して多少の傾きを有していてもよく、この直交方向に対する傾斜角度が面53よりも小さければよい。このように、保持突起5は、頂点51を挟んだX方向の両側が非対称な形状となっている。
ここで、複数のデッキプレート1A,1Bの梱包構造100及び梱包方法について、図4も参照しつつ説明する。尚、図4では、説明の都合上、X方向寸法の異なる2種類のデッキプレート1A,1Bを梱包するものとするが、3種類以上のデッキプレートを梱包してもよい。
まず、同一種類の一対のデッキプレート同士(即ち、2つのデッキプレート1A同士、及び、2つのデッキプレート1B同士)を、フランジ部2A,2Bの一面201側同士が向かい合うようにし、一方のデッキプレートのリブ31,32を他方のデッキプレートの一面201に当接又は近接させることで、デッキプレート対が構成される。即ち、2つのデッキプレート1Aによってデッキプレート対10Aが構成され、2つのデッキプレート1Bによってデッキプレート対10Bが構成される。
次に、複数のデッキプレート対10A,10Bを、他面202同士が向かい合うようにZ方向に重ねる。図示の例では、5組のデッキプレート対10A,10Bが重なっており、デッキプレート対10Bが中央に1組設けられており、他の4組はデッキプレート対10Aとなっている。
上記のようにデッキプレート対10A,10Bを構成する際、一方のデッキプレートのリブ31が他方のデッキプレートによって保持され、他方のデッキプレートのリブが一方のデッキプレートによって保持される。図4において最も上側に配置されたデッキプレート対10Aを参照しつつこの保持構造について説明する。ここでは、上側に設けられたデッキプレート1Aを一方のデッキプレート1A1とし、そのリブ31をリブ31Aとし、その保持突起5を保持突起5Aとする。また、下側に設けられたデッキプレート1Bを他方のデッキプレート1A2とし、そのリブ31をリブ31Bとし、その保持突起5を保持突起5Bとする。
一方のデッキプレート1A1におけるリブ31Aの基端部311と保持突起5Aとの間に、他方のデッキプレート1A2のリブ31Bの先端部312が配置され、このリブ31Bが保持される。即ち、デッキプレート1A1に対してデッキプレート1A2がY方向に相対移動しようとした際、リブ31A及び保持突起5Aによってリブ31Bの移動が規制されるようになっている。このようにして、デッキプレート1A1のリブ31Aは、保持突起5Aとともに他方のデッキプレート1A2のリブ31Bを保持する保持リブ4として機能する。同様に、一方のデッキプレート1A1のリブ31Aが、他方のデッキプレート1A2のリブ31B(保持リブ4)と保持突起5Bとによって保持される。
同様に、デッキプレート対10Bにおいても、保持リブ4と保持突起5とによって、相手側のデッキプレートのリブが保持される。このとき、デッキプレート対10BのY方向寸法がデッキプレート対10AのY方向寸法と同等になるような状態で相手側のデッキプレートのリブを保持させ、このY方向寸法を維持することができるようになっている。尚、上記の梱包構造100及び梱包方法では、同一種類の一対のデッキプレート同士を重ねることでデッキプレート対を構成するものとしたが、種類の異なるデッキプレート同士を重ねてデッキプレート対を構成してもよい。
ここで、図5に比較例の梱包構造900を示す。梱包構造900は、5組のデッキプレート対901~905が梱包されたものであり、梱包構造100と同様に、中央に配置されたデッキプレート対903を構成するデッキプレートのY方向寸法が比較的小さい。このとき、各デッキプレートには保持突起が形成されていない。このため、デッキプレート対を構成する一対のデッキプレートは、Y方向に相対移動可能となっている。Y方向寸法が比較的大きいデッキプレートによって構成されたデッキプレート対901,902,904,905では、梱包時に外側から押さえつけることで相対移動を抑制することができるものの、Y方向寸法が比較的小さいデッキプレートによって構成されたデッキプレート対903では、外側から押さえつけてもY方向の相対移動を抑制することができない。そこで、デッキプレート対903に対してY方向に並ぶ位置に、梱包部材としてのスペーサ906を配置し、梱包構造900内に生じる空間を埋めることで相対移動が抑制される。
このように、本発明の実施の形態に係るデッキプレート1A,1Bによれば、フランジ部2A,2Bの一面側に保持突起5が設けられていることで、梱包の安定性を確保しつつ、スペーサ906等の梱包部材を削減することができる。
また、フランジ部2A,2Bの他面202側に、保持突起5が設けられた位置に凹部6が形成されていることで、フランジ部2A,2Bの剛性を向上させることができる。
また、保持突起5がフランジ部2A,2Bの長辺方向であるX方向に沿って延在することで、他のデッキプレートのリブを安定して保持しやすくすることができる。
また、保持突起5が保持リブ4の側を向くとともにフランジ部2A,2Bと直交するように延びる面52を有することで、他のデッキプレートのリブが保持突起5を乗り越えにくくすることができる。
尚、本発明は上記の実施の形態の形態に限定されず、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、上記の本発明の実施の形態では、保持突起5が設けられた位置に凹部6が形成され、保持突起5と凹部6とが同時に形成されるものとしたが、保持突起のみが形成される(即ち、保持突起の形成位置においてフランジ部の肉厚が厚くなる)構成としてもよい。また、フランジ部とは別体の突起部が、溶接等によってフランジ部に固定されていてもよい。
また、上記の本発明の実施の形態では、保持突起5がフランジ部2A,2Bの長辺方向に沿って延在するものとしたが、保持突起の形状はこれに限定されない。例えば、フランジ部の長辺方向に沿って複数の保持突起が点在していてもよいし、1つの点状の保持突起が設けられていてもよい。
また、上記の本発明の実施の形態では、保持突起5が保持リブ4の側を向くとともにフランジ部2A,2Bと直交するように延びる面52を有するものとしたが、このような構成に限定されない。例えば、断面三角形状のリブ側面がZ方向に対して比較的小さい傾斜角度を有する場合や、保持突起の突出寸法が充分に大きい場合等、リブが保持突起を乗り越えにくい場合には、保持突起はフランジ部に直交する面を有していなくてもよい。
また、上記の本発明の実施の形態では、梱包構造100を構成するデッキプレート1A、1Bが、全て保持突起5を備えるものとしたが、少なくとも、相対移動を規制したいデッキプレートに保持突起が設けられていればよい。即ち、梱包構造のうち最大のY方向寸法を有するデッキプレートでは、デッキプレート対において相対移動が生じにくいことから、保持突起が省略されていてもよい。また、デッキプレート対を構成する一対のデッキプレートのうち、少なくとも一方に保持突起が設けられていれば相対移動を規制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係るデッキプレートに限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
1A,1B…デッキプレート、2A,2B…フランジ部、31,32…リブ、4…保持リブ、5…保持突起、52…面(直交面)、6…凹部、100…梱包構造、10A,10B…デッキプレート対
Claims (5)
- 長方形板状のフランジ部と、
前記フランジ部の一面側から突出し、該フランジ部の長辺方向に沿って延在するとともに短辺方向に並んだ複数のリブと、を備え、
前記複数のリブのうち少なくとも1つが、他のデッキプレートのリブを保持可能な保持リブとされており、
前記フランジ部の前記一面側には、前記保持リブとの間に前記他のデッキプレートのリブを保持可能な保持突起が設けられていることを特徴とするデッキプレート。 - 前記フランジ部の他面側には、前記保持突起が設けられた位置に、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。
- 前記保持突起は、前記フランジ部の長辺方向に沿って延在することを特徴とする請求項1又は2に記載のデッキプレート。
- 前記保持突起は、前記保持リブの側を向くとともに前記フランジ部と直交するように延びる直交面を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のデッキプレート。
- 長方形状に形成されたフランジ部と、前記フランジ部の一面側から突出し該フランジ部の長辺方向に沿って延在するとともに短辺方向に並んだ複数のリブと、を備えた一対の前記デッキプレートが、前記一面側同士が向かい合うことでデッキプレート対を構成し、
複数の前記デッキプレート対が、前記フランジ部との直交方向に沿って重ねられ、
前記デッキプレート対として、前記デッキプレートのうち少なくとも一方が、請求項1~4のいずれか1項に記載のデッキプレートであるものを備えることを特徴とする梱包構造。
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