JP2022110676A - 機能性シートの製造方法 - Google Patents

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Sotaro Oana
英樹 田中
Hideki Tanaka
葉子 中井
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忍 横川
Shinobu Yokogawa
彰雄 伊藤
Akio Ito
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Abstract

【課題】保湿性が高い機能性シートを製造することができる機能性シートの製造方法を提供する。【解決手段】綿花から得られるセルロースと、セリシンを含む粉体と、を混合して混合物を形成する工程と、前記混合物を堆積してウェブを形成する工程と、前記ウェブに対して水分を付与する工程と、前記水分が付与された前記ウェブを加圧および加熱する工程と、を含む、機能性シートの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、機能性シートの製造方法に関する。
従来より、セリシンを含む機能性シートが知られている。セリシンを含む機能性シートは保湿性に優れているため、化粧分野や医療分野等で好適に用いられる。
例えば特許文献1には、絹から製造したセリシンを含む肌当て紙の製造方法として、パルプおよび麻を漂白通し、水に懸濁させ、セリシン水溶液を添加して漉き水を調整した後、漉き水を抄紙機で抄き取り乾燥して抄紙する方法が記載されている。
特開平11-50397号公報
しかしながら、特許文献1のように、セリシンを水に溶融させて紙を抄いたとしても、セリシンは水に対して溶け易いため、多くは繊維に留まらず流出してしまう。したがって、特許文献1に記載の方法で製造されたシートは、十分な保湿性を有していない可能性がある。
本発明に係る機能性シートの製造方法の一態様は、
綿花から得られるセルロースと、セリシンを含む粉体と、を混合して混合物を形成する工程と、
前記混合物を堆積してウェブを形成する工程と、
前記ウェブに対して水分を付与する工程と、
前記水分が付与された前記ウェブを加圧および加熱する工程と、
を含む。
本実施形態に係る機能性シートの製造方法を説明するためのフローチャート。 本実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。 セリシンの含有量と水分率との関係を示す表。 セリシンの含有量と水分率との関係を示すグラフ。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 機能性シート
まず、本実施形態に係る機能性シートについて説明する。本実施形態に係る機能性シートは、セルロースと、セリシンを含む粉体と、を含む。さらに、粉体は、繭糸の粉体であってもよく、フィブロインを含んでもよい。以下、本実施形態に係る機能性シートの各成分について、順に説明する。
1.1. セルロース
機能性シートに含まれるセルロースは、綿花から得られるものである。セルロースは、綿花から得られた木綿で構成されていてもよい。機能性シートは、綿花から得られるセルロースを含むことにより、手触りがよい。機能性シートに含まれるセルロースは、繊維状である。セルロース繊維は、各種の表面処理が施されていてもよい。
1.2. セリシン
機能性シートに含まれるセリシンは、例えば、家蚕、野蚕に由来する。家蚕、野蚕としては、例えば、クワコ、カンボウジュ、ウスバクワコ、インドイクワコ、テンサン、サクサン、タサール蚕、ムガ蚕、エリ蚕、レッドエリ蚕、クスサン、ヨナクニサン、セクロビアサン、クリキュラ、シンジュサン、オミズアオ、ウスダビガ、ロスチャイルドヤママユガ、ボロセラ、マルカレハ、ゴノメタ、バキパサ、アナフェ、これらの交雑種、遺伝子を組み換えた蚕が挙げられる。セリシンは、特に家蚕に由来することが好ましく、セリシン繭品種のセリシンホープ、裸蛹(Nd)、セリシン蚕(Nd-s)は、セリシンを効率的に得ることができる点でよい。
機能性シートでは、セリシンによってセルロース繊維が結着されている。セリシンは、機能性シートに含まれる複数のセルロース繊維を結着するための結着材である。ここで、「セリシンによってセルロース繊維が結着されている」とは、セルロース繊維とセルロース繊維との間にセリシンが配置され、セルロース繊維とセルロース繊維とがセリシンを介して離れ難くなっている状態をいう。
機能性シートにおけるセリシンの含有量は、例えば、10質量%以上90質量%以下であり、好ましくは12.5質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上50質量%以下である。機能性シートにおけるセリシンの含有量が10質量%以上であれば、機能性シートの保湿性を高めることができる。機能性シートにおけるセリシンの含有量が90質量%以下であれば、機能性シートの手触りが悪化することを抑制することができる。
機能性シートにセリシンが含まれることは、例えば、赤外線吸収法、SEM-EDX(Scanning Electron Microscope-Energy Dispersive X-ray Detector)で確認することができる。機能性シートにおけるセリシンの含有量は、例えば、熱水抽出法、赤外線吸収法、核磁気共鳴法(NMR)、X線回析、質量分析(MALDI-TOF-MS)で測定することができる。
1.3. フィブロイン
機能性シートに含まれるフィブロインは、セリシンと同様に、例えば、家蚕、野蚕に由来する。家蚕は、セリシンおよびフィブロインを含んでいる。家蚕における質量比は、セリシン:フィブロイン=3:7程度である。フィブロインは、セリシンを纏っている。すなわち、セリシンは、フィブロインを覆うようにして存在している。機能性シートがフィブロインを含む場合、セリシンは、フィブロインを介してセルロース繊維同士を結着させることができる。これにより、機能性シートの引張り紙力を向上させることができる。
機能性シートにフィブロインが含まれることは、例えば、赤外線吸収法、SEM-EDXで確認することができる。機能性シートにおけるフィブロインの含有量は、例えば、赤外線吸収法、核磁気共鳴法(NMR)、X線回析、質量分析(MALDI-TOF-MS)で測定することができる。
1.4. 機能性シートの形状および用途等
機能性シートは、保湿性が高いため、化粧分野、医療分野などで好適に用いられる。例えば、化粧分野において機能性シートを用いる場合、機能性シートに化粧水を付与し、化粧水が付与された機能性シートを肌に接触させる。
機能性シートの厚さは、例えば、0.05mm以上5.0mm以下である。機能性シートの密度は、例えば、0.5g/cm以上1.0g/cm以下であり、好ましくは0.7g/cm以上0.9g/cm以下である。
1.5. その他の添加物
繊維性シートは、セルロース繊維、セリシン、およびフィブロイン以外の添加物を含んでいてもよい。繊維性シートに含まれる添加物としては、例えば、タルクや炭酸カルシウムなどの填料、デンプンやポリビニルアルコール(PVA)などの紙力増強剤、蛍光増白剤、難燃剤、香料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、凝集抑制剤、保存剤などが挙げられる。
2. 機能性シートの製造方法
次に、本実施形態に係る機能性シートの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る機能性シートの製造方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態に係る機能性シートの製造方法は、図1に示すように、混合物形成工程(ステップS1)と、ウェブ形成工程(ステップS2)と、水分付与工程(ステップS3)と、加圧加熱工程(ステップS4)と、を含む。以下、各工程について、順に説明する。
2.1. 混合物形成工程
混合物形成工程では、綿花から得られるセルロースと、セリシンを含む粉体と、を混合して混合物を形成する。混合する方法は、特に限定されない。例えば、綿花から得られた木綿と、繭玉と、を解繊することにより、セルロース繊維と、セリシンを纏ったフィブロインの粉体と、を得ることができ、これらを混合することによって、混合物を形成する。綿花から得られた木綿と、繭玉と、の解繊は同時に行われてもよい。これにより、別途、セルロース繊維と、セリシンを纏ったフィブロインの粉体と、を混合する工程を省略することができる。綿花から得られた木綿と、繭玉と、の解繊は、別々に行われてもよく、解繊工程の後に、セルロース繊維と、セリシンを纏ったフィブロインの粉体と、を混合してもよい。
粉末状のセリシンを利用することにより、投入量のハンドリングが容易となる。さらに、セリシンを付与するための機構を簡略化することができ、装置の小型化を図ることができる。さらに、セリシン水溶液を用いる場合に比べて、機能性シートにおけるセリシンの含有量を多くすることができる。なお、セリシンを含む粉体は、繭玉を解繊して得られた粉体でなくてもよく、例えば、粉末状のセリシンのみからなる粉体であってもよい。
粉末状のセリシンの粒径は、例えば、5μm以上1000μm以下である。セリシンの粒径が5μm以上であれば、容易に粉末状のセリシンを入手することができる。セリシンの粒径が1000μm以下であれば、セリシンがダマとなることを抑制することができ、機能性シートの引張り紙力を向上させることできる。なお、「粒径」は、体積平均粒子径を意味し、例えば、MicrotracBEL社製の粒度分布測定機「Nanotrac Wave II-EX150」を用いて測定することができる。
2.2. ウェブ形成工程
ウェブ形成工程では、混合物形成工程で形成された混合物を堆積させて、ウェブを形成する。堆積される方法は、特に限定されない。ウェブは、機能性シートよりも密度が低く、加圧加熱工程が行われていない状態のものである。ウェブは、例えば、篩から混合物を降らし、混合物をメッシュベルト上に堆積させることによって形成される。
2.3. 水分付与工程
水分付与工程では、ウェブ形成工程で形成されたウェブに対して水分を付与する。具体的には、水分付与工程では、ウェブに対して水を付与する。水分を付与する方法は、特に限定されない。常温の水分が付与されただけでは、セリシンは接着性を有さないが、水分が付与された状態で加熱されることによってセリシンは軟化して接着性を発現し、複数のセルロース繊維を結合させることができる。水としては、一般的な水道水等を用いることができるが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、および蒸留水等の純水、ならびに超純水のようなイオン性不純物を除去したものを用いてもよい。
水分付与工程において、水分の付与量は、ウェブに対して、例えば、30質量%以上200質量%以下であり、好ましくは50質量%以上150質量%以下である。水分の付与量が30質量%以上であれば、セリシンは、十分な接着性を有することができる。水分の付与量が200質量%以下であれば、水分が多すぎてセリシンが流出してしまうことを抑制することができる。
水分付与工程では、例えば、水分を、水蒸気または液体の状態でウェブに付与する。これにより、少量の水分を必要な分だけ付与し易い。液体の状態で付与する場合は、水を噴霧して付与してもよい。
2.4. 加圧加熱工程
加圧加熱工程では、水分付与工程で水分が付与されたウェブを、加圧および加熱する。水分が付与されたウェブを加熱することによって、セリシンは軟化して接着性を発現し、複数のセルロース繊維を結着させる。加圧加熱工程の加熱によって水分付与工程で付与された水分は、蒸発する。
加圧加熱工程では、例えば、ウェブを加熱プレスやローラーによって加圧および加熱する。加圧加熱工程では、ウェブを加圧した後に加熱してもよいし、ウェブの加圧と加熱とを同時に行ってもよい。ウェブの加圧と加熱とを同時に行えば、工程の簡略化を図ることができる。
加圧加熱工程では、例えば、5Pa以上200MPa以下、好ましくは10MPa以上100MPa以下の圧力で混合物を加圧する。これにより、肌触りのよい機能性シートを成形することができる。
加圧加熱工程では、例えば、40℃以上100℃以下、好ましくは50℃以上90℃以下の温度で混合物を加熱する。40℃以上の温度で加熱すれば、セリシンに接着性を発現させることができる。100℃以下の温度で加熱すれば、装置の消費電力を抑えることができる。
2.5. その他の工程
本実施形態に係る機能性シートの製造方法は、上述した工程以外の工程を含んでいてもよい。本実施形態に係る機能性シートの製造方法に含まれる工程としては、例えば、篩を用いてセルロース繊維を選別する工程、加圧加熱工程後に機能性シートを所定の大きさに切断する工程などが挙げられる。
2.6. 作用効果
本実施形態に係る機能性シートの製造方法では、綿花から得られるセルロースと、セリシンを含む粉体と、を混合して混合物を形成する工程と、混合物を堆積してウェブを形成する工程と、ウェブに対して水分を付与する工程と、水分が付与されたウェブを加圧および加熱する工程と、を含む。そのため、セリシンを水に溶融させて紙を抄く場合に比べて、セリシンが水に溶けて流出し難く、機能性シートにおけるセリシンの含有量を多くすることができる。したがって、保湿性を高めることができる。さらに、綿花から得られるセルロースを用いることにより、保湿性をいっそう高め、肌触りのよい機能性シートを製造することができる。このように、本実施形態に係る機能性シートの製造方法で製造された機能性シートは、保湿性が高く、肌触りのよいため、特に、化粧品用途に有効である。
本実施形態に係る機能性シートの製造方法では、粉体は、繭糸の粉体である。そのため、繭糸をそのまま解繊して得た粉体を、セリシンを含む粉体として用いることができる。
本実施形態に係る機能性シートの製造方法では、粉体は、セリシンを纏ったフィブロインを含む。そのため、セリシンに覆われたフィブロインを介してセルロース繊維同士が結着するため、引っ張り強度が高い機能性シートを製造することができる。
本実施形態に係る機能性シートの製造方法では、機能性シートにおけるセリシンの含有量は、10質量%以上である。そのため、セリシンの含有量が多い機能性シートを製造することができる。
本実施形態に係る機能性シートの製造方法では、水分を付与する工程において、水分の付与量は、ウェブに対して200質量%以下である。そのため、水分が多すぎてセリシンが流出してしまうことを抑制することができる。
本実施形態に係る機能性シートの製造方法では、水分を付与する工程において、水分を水蒸気または液体の状態で付与する。これにより、少量の水分を必要な分だけ付与し易い。また、セリシンが水に溶けて流出し難く、機能性シートにおけるセリシンの含有量を多くすることができる。したがって、保湿性が高い機能性シートを製造することができる。
3. シート製造装置
次に、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。上述した本実施形態に係る機能性シートの製造方法は、例えば、シート製造装置100を用いて行われる。
シート製造装置100は、図2に示すように、例えば、供給部10と、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、水分付与部78と、シート形成部80と、切断部90と、を含む。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、綿花から得られる木綿である。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、大気中等の気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊して解繊物を形成する。これにより、原料である木綿は、セルロース繊維が1本1本に解きほぐされた状態となる。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20としては、例えば、インペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、解繊物を排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。なお、解繊部20から選別部40に解繊物を搬送させるための気流は、解繊部20が発生させる気流を利用してもよいし、ブロアー等の気流発生装置を設け、その気流を利用してもよい。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、セルロース繊維の長さによって選別する。選別部40は、例えば、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43と、を有している。ドラム部41としては、例えば、篩を用いる。ドラム部41は、網を有し、網の目開きの大きさより小さいセルロース繊維、すなわち網を通過する第1選別物と、網の目開きの大きさより大きいセルロース繊維や未解繊片やダマ、すなわち網を通過しない第2選別物と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、堆積部60に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、管7に搬送する。第1ウェブ形成部45は、例えば、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、サクション機構48と、を有している。
サクション機構48は、選別部40の開口を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47、およびサクション機構48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74、およびサクション機構76と同様である。
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、堆積部60へと搬送される。
回転体49は、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bと、を有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウェブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
回転体49は、第1ウェブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウェブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に設けられている。回転体49は、突部49bがウェブVと接触可能な位置であって、ウェブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュベルト46が突部49bによって磨耗することを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。これは、メッシュベルト46が損傷を受けずにウェブVを切断することが可能な距離である。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物と、セリシンを含む粉体と、を混合する。混合部50は、例えば、セリシンを含む粉体を供給する粉体供給部52と、第1選別物と粉体とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、粉体は、粉体供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物とセリシンを含む粉体とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と粉体とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
粉体供給部52としては、図2に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。粉体供給部52から供給される粉体は、セリシンの他に、フィブロインを含んでいてもよい。
なお、粉体供給部52から供給される添加物には、セルロース繊維を結着させるセリシンやフィブロインの他、製造される機能性シートの種類に応じて、セルロース繊維を着色するための着色剤や、セルロース繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤、セルロース繊維等を燃え難くするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った混合物をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。
堆積部60は、例えば、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部63と、を有している。ドラム部61としては、回転する円筒の篩を用いる。ドラム部61は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さいセルロース繊維または粒子を降らせる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウェブ形成部70には、堆積部60を通過した混合物が堆積され、ウェブWが形成される。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72には、堆積部60の開口を通過した混合物が堆積される。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、混合物を通し難く空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した混合物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中にセルロース繊維が絡み合うことを防ぐことができる。堆積部60および第2ウェブ形成部70を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。
水分付与部78は、メッシュベルト72上のウェブWに水を付与する。水分付与部78は、水分を付与することができれば特に限定されないが、例えば、スプレーなどである。そして、ウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
シート形成部80は、水分が付与されたウェブWを加圧加熱して、機能性シートSを成形する。シート形成部80は、ウェブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱する加熱部84と、を有している。
加圧部82は、例えば、一対のカレンダーローラー85で構成され、ウェブWに対して圧力を加える。ウェブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウェブWの密度が高められる。
加熱部84としては、例えば、加熱ローラー、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を有している。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置として構成する場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながら機能性シートSを成形することができる。加熱部84で加熱されることにより、セリシンは軟化して接着性を発現し、複数のセルロース繊維を結着させる。ウェブWに付与された水分は、加熱部84の加熱によって蒸発する。カレンダーローラー85と加熱ローラー86は、例えば、それらの回転軸が平行になるように配置される。カレンダーローラー85は、加熱ローラー86によってウェブWに印加される圧力よりも高い圧力をウェブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー85および加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形された機能性シートSを切断する。図示の例では、切断部90は、機能性シートSの搬送方向と交差する方向に機能性シートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向に機能性シートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過した機能性シートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票の機能性シートSが成形される。切断された単票の機能性シートSは、排出部96へと排出される。
上述した本実施形態に係る機能性シートの製造方法において、混合物形成工程は、例えば、混合部50を用いて行われる。ウェブ形成工程は、例えば、堆積部60および第2ウェブ形成部70を用いて行われる。水分付与工程は、例えば、水分付与部78を用いて行われる。加圧加熱工程は、例えば、シート形成部80を用いて行われる。
なお、上記では、粉体供給部52からセリシンを含む粉体を供給する例について説明したが、例えば、綿花から得られた木綿と、繭玉と、を原料として、供給部10に投入してもよい。この場合、解繊物として、セルロース繊維と、セリシンを含む粉体と、を得ることができる。この場合、粉体供給部52は、設けられていなくてもよい。
4. 実験例
4.1. 機能性シートの作製
綿花から得られた木綿と、繭玉と、を別々に解繊した。次に、解繊された木綿と、解繊された繭玉と、を混合し、メッシュ径15mm角の篩にかけて堆積させてウェブを形成した。ウェブに対して、スプレーを用いて、ウェブの質量と等量の水を噴霧した。さらに、加熱プレスによって、温度70℃、圧力20MPaで、30秒間プレスし、機能性シートを得た。解繊された繭玉に対して熱水抽出を行ったところ、セリシンの含有量は、25質量%であった。解繊された木綿と、解繊された繭玉と、の混合比を変えることにより、機能性シートにおけるセリシンの含有量を変化させた。
4.2. 水分率の測定
上記の機能性シートに対して、水分率の測定を行った。具体的には、上記の機能性シートを、25℃、100%RH(relative humidity)である容器内に4時間放置させて含水させた。そして、容器から取り出してすぐに機能性シートの水分率を測定した。水分率の測定は、株式会社エー・アンド・デイ製の「加熱乾燥式水分計 MX-50」を用いた。
図3は、セリシンの含有量と水分率との関係を示す表である。図4は、セリシンの含有量と水分率との関係を示すグラフであり、図3に示す表の値をプロットしたものである。図3および図4に示すように、機能性シートにおけるセリシンの含有量が多いほど、水分率が高いことがわかった。すなわち、セリシンを多く含む機能性シートは、保湿性が高いことがわかった。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
機能性シートの製造方法の一態様は、
綿花から得られるセルロースと、セリシンを含む粉体と、を混合して混合物を形成する工程と、
前記混合物を堆積してウェブを形成する工程と、
前記ウェブに対して水分を付与する工程と、
前記水分が付与された前記ウェブを加圧および加熱する工程と、
を含む。
この機能性シートの製造方法によれば、セリシンを水に溶融させて紙を抄く場合に比べて、セリシンが水に溶けて流出し難く、機能性シートにおけるセリシンの含有量を多くすることができる。したがって、保湿性が高い機能性シートを製造することができる。
前記機能性シートの製造方法の一態様において、
前記粉体は、繭糸の粉体であってもよい。
この機能性シートの製造方法によれば、繭糸をそのまま解繊して得た粉体を、セリシンを含む粉体として用いることができる。
前記機能性シートの製造方法の一態様において、
前記粉体は、前記セリシンを纏ったフィブロインを含んでもよい。
この機能性シートの製造方法によれば、セリシンに覆われたフィブロインを介してセルロース繊維同士が結着するため、引っ張り強度が高い機能性シートを製造することができる。
前記機能性シートの製造方法の一態様において、
前記機能性シートにおける前記セリシンの含有量は、10質量%以上であってもよい。
この機能性シートの製造方法によれば、セリシンの含有量が多い機能性シートを製造することができる。
前記機能性シートの製造方法の一態様において、
前記水分を付与する工程において、前記水分の付与量は、前記ウェブに対して200質量%以下であってもよい。
この機能性シートの製造方法によれば、水分が多すぎてセリシンが流出してしまうことを抑制することができる。
前記機能性シートの製造方法の一態様において、
前記水分を付与する工程において、前記水分を水蒸気または液体の状態で付与してもよい。
この機能性シートの製造方法によれば、少量の水分を必要な分だけ付与し易い。また、セリシンが水に溶けて流出し難く、機能性シートにおけるセリシンの含有量を多くすることができる。したがって、保湿性が高い機能性シートを製造することができる。
1…ホッパー、2,3,7,8…管、9…ホッパー、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊部、22…導入口、24…排出口、40…選別部、41…ドラム部、42…導入口、43…ハウジング部、44…排出口、45…第1ウェブ形成部、46…メッシュベルト、47,47a…張架ローラー、48…サクション機構、49…回転体、49a…基部、49b…突部、50…混合部、52…粉体供給部、54…管、56…ブロアー、60…堆積部、61…ドラム部、62…導入口、63…ハウジング部、70…第2ウェブ形成部、72…メッシュベルト、74…張架ローラー、76…サクション機構、78…水分付与部、80…シート形成部、82…加圧部、84…加熱部、85…カレンダーローラー、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置

Claims (6)

  1. 綿花から得られるセルロースと、セリシンを含む粉体と、を混合して混合物を形成する工程と、
    前記混合物を堆積してウェブを形成する工程と、
    前記ウェブに対して水分を付与する工程と、
    前記水分が付与された前記ウェブを加圧および加熱する工程と、
    を含む、機能性シートの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記粉体は、繭糸の粉体である、機能性シートの製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記粉体は、前記セリシンを纏ったフィブロインを含む、機能性シートの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずか1項において、
    前記機能性シートにおける前記セリシンの含有量は、10質量%以上である、機能性シートの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずか1項において、
    前記水分を付与する工程において、前記水分の付与量は、前記ウェブに対して200質量%以下である、機能性シートの製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずか1項において、
    前記水分を付与する工程において、前記水分を水蒸気または液体の状態で付与する、機能性シートの製造方法。
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