JP2022110285A - スパウト付きパウチ及びその製造方法、並びに、積層体、包装材及び包装体 - Google Patents

スパウト付きパウチ及びその製造方法、並びに、積層体、包装材及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、耐熱性に優れる積層体を提供すること。【解決手段】基材フィルム10、接着剤層30、及び、スパウトに溶着されるシーラント層20をこの順に備え、接着剤層30に接着している静電インク層50を備える、スパウト付きパウチ用の積層体300を提供する。接着剤層30は、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される。【選択図】図1

Description

本開示は、スパウト付きパウチ及びその製造方法、並びに、積層体、包装材及び包装体に関する。
飲料、及び食料品等の被包装物を密封保存する包装袋としては、薄いフィルム又はシートを用いたパッケージが用いられている。このような包装袋には、製品、ブランド、製造元等の種々の情報が印刷されている。このような印刷の手段として、静電インク組成物を用いるデジタル印刷機が知られている。
例えば、特許文献1では、PETフィルム等の第一の可撓性基材にプライマー樹脂を塗布して塗布面を得ること、当該塗布面にデジタル印刷機(HP社製,Indigo20000ラベル及びパッケージ用デジタル印刷機)を用いて静電印刷を行うこと、及び、架橋組成物を塗布することが提案されている。このようにして所定の工程を行った後、所定の成分が塗布された第一の可撓性基材と、第二の可撓性基材とをラミネートして包装材を得る技術が提案されている。
一方、飲料及び流動性を有する食料品等の被包装物を密封保存する包装容器として、スパウト付きパウチが知られている。スパウト付きパウチにおけるスパウトは、パウチ本体のシーラント層との熱溶着によりパウチ本体に取り付けられる。特許文献2では、スパウト付きパウチにおけるスパウトとパウチ本体のシーラント層との良好な熱溶着を実現するため、オレフィン系樹脂及びエチレン-ビニルアルコール共重合体をそれぞれ含有する樹脂一体成形体で構成されるスパウトと、オレフィン系樹脂フィルムから構成されるシーラント層を用いることが提案されている。
特開2018-530478号公報 国際公開第2018/062126号
特許文献2に示されるようなスパウト付きパウチでは、スパウトとパウチ本体のシーラント層とを、高温条件でプレスしながら溶着させて、スパウトとシーラント層との接着を十分に強固にすることが求められる。ここで、静電インク組成物を用いるデジタル印刷は小ロットでの対応が可能であるため、デジタル印刷を施した積層体が種々の包装材に用いられている。しかしながら、静電インク組成物で構成される静電インク層は、耐熱性が十分ではないため、スパウト付きパウチのパウチ本体にデジタル印刷を施すと、スパウトとパウチ本体の溶着部分が変色する場合がある。
そこで、本開示は、静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、耐熱性に優れる積層体を提供する。また、静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、スパウトとの溶着部分の変色を十分に抑制することが可能なスパウト付きパウチ及びその製造方法、並びに包装体を提供する。また、このようなスパウト付きパウチのパウチ本体として好適に用いられる包装材を提供する。
本開示の一側面に係る積層体は、基材フィルム、接着剤層、及び、スパウトに溶着されるシーラント層をこの順に備え、接着剤層に接着している静電インク層を備える、スパウト付きパウチ用の積層体であって、接着剤層は、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される。
デジタル印刷に用いられる静電インク組成物は、他のインクに比べて耐熱性が劣る傾向にある。このため、静電インク組成物で構成される静電インク層を備える積層体を用いてスパウト付きパウチを製造する際、スパウトとパウチ本体とを溶着すると静電インク層が流動し、溶着部に変色が生じる。一方、本開示の積層体では、静電インク層に接着する接着剤層が、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される。このような接着剤層は、静電インク層を構成する静電インク組成物を十分に凝集させる作用、及び接着力を向上させる作用を有すると考えられる。このような作用は、エポキシ化合物が接着剤層から静電インク層に浸透してエポキシ化合物と静電インク組成物とが架橋することによって生じると考えられる。したがって、上記積層体は、静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、耐熱性に優れる。このような積層体は、スパウトが溶着されるスパウト付きパウチ用の積層体(積層フィルム)として用いても、溶着部分における変色を十分に抑制することができる。
上記積層体は、基材フィルムと静電インク層との間にプライマー層を有していてもよい。これによって、静電インク層の密着性を一層向上することができる。
上記接着剤層におけるポリオールは、脂肪族ポリエステルポリオールを含み、上記エポキシ化合物は、両末端にエポキシ基を有するものを含んでよい。このような接着剤層は、高温環境下においても高い接着強度を有する。したがって、スパウトを溶着する際、静電インク層と接着剤層との界面に隙間が発生したり、静電インク層が流動したりすることを十分に抑制することができる。このため、溶着に伴う変色を一層抑制することができる。
上記接着剤層におけるエポキシ化合物は、2官能の脂環式エポキシ化合物を含んでいてよい。このようなエポキシ化合物は、2官能であることによって、静電インク層を構成する静電インク組成物との架橋点を増やして接着剤層と静電インク層との接着を一層強固にすることができる。また、脂環式であることによって、立体障害によりポリイソシアネートとの反応を抑制することができる。このため、安定的な硬化が実現され、静電インク層と接着剤層との界面の密着性を十分に優れたものとすることができる。
上記ポリイソシアネートはキシリレンジイソシアネート誘導体を含んでよい。このようなポリイソシアネートとポリオールは反応性に優れる。これによって、接着剤層の硬化性が向上し、スパウト付きパウチの変色を一層抑制することができる。
本開示の一側面に係る包装材は、上述のいずれかの積層体におけるシーラント層同士がヒートシールされて構成されるシール部と、シーラント層同士が互いに対向し、スパウトが溶着される非シール部と、を備える、スパウト付きパウチ用の包装材である。
この包装材は、上述のいずれかの積層体におけるシーラントフィルム同士がヒートシールされて構成されるシール部と、スパウトが溶着される非シール部とを備える。上述の積層体は、耐熱性に優れることから、シール部における変色が抑制されるとともに、スパウトが溶着される非シール部における変色の発生も抑制することができる。したがって、スパウト付きパウチ用の包装材として好適に用いることができる。
本開示の一側面に係るスパウト付きパウチは、上述のいずれかの積層体におけるシーラント層同士がヒートシールされて構成されるシール部を有し、被包装物を収容する収容部を有するパウチ本体と、パウチ本体における上記積層体のシーラント層に溶着されているスパウトと、を備える。上述の積層体は、耐熱性に優れることから、上記スパウト付きパウチは、スパウトとの溶着部分におけるパウチ本体の変色を十分に抑制することができる。このようなスパウト付きパウチは、高精度なデジタル印刷のパフォーマンスを十分に発揮することができる。
本開示の一側面に係る包装体は、スパウト付きパウチと、これに収容された被包装物と、を備える。この包装体は上記スパウト付きパウチを備えることから、スパウトとの溶着部分における変色を十分に抑制することができる。このような包装体は、高精度なデジタル印刷のパフォーマンスを十分に発揮することが可能となり、商品として品質を一層高くすることができる。
本開示の一側面に係るスパウト付きパウチの製造方法は、基材フィルムと、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される接着剤層と、シーラント層と、をこの順に備え、接着剤層に接着している静電インク層を備える積層体を作製する工程と、積層体のシーラント層同士がヒートシールされて構成されるシール部と、シーラント層同士が対向する非シール部を設けて包装材を得る工程と、包装材の非シール部にスパウトの溶着部を挿入し、当該溶着部と非シール部におけるシーラント層とを溶着する工程と、を有する。
上記製造方法で用いられる積層体では、静電インク層に接着する接着剤層が、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される。このような接着剤層は、静電インク層を構成する静電インク組成物を十分に凝集させる作用、及び接着力を向上させる作用を有すると考えられる。このような作用は、エポキシ化合物が接着剤層から静電インク層に浸透してエポキシ化合物と静電インク組成物とが架橋することによって生じると考えられる。したがって、上記積層体は、静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、耐熱性に優れる。このため、積層体にスパウトを溶着する際に、静電インク層の流動が十分に抑制される。したがって、スパウト付きパウチのスパウトとの溶着部分における変色を十分に抑制することができる。
上記製造方法では、溶着部と非シール部におけるシーラント層との溶着を、150℃以上に加熱して行ってもよい。これによって、溶着部分の変色を十分に抑制しつつ、溶着部分の封止性を十分に良好にすることができる。
静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、耐熱性に優れる積層体を提供することができる。また、静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、スパウトとの溶着部分の変色を十分に抑制することが可能なスパウト付きパウチ及びその製造方法、並びに包装体を提供することができる。また、このようなスパウト付きパウチのパウチ本体として好適に用いられる包装材を提供することができる。
積層体の一例を示す断面図である。 積層体の別の例を示す断面図である。 スパウト付きパウチ及び包装体の一例を示す斜視図である。 スパウト付きパウチ用の包装材の一例を示す平面図である。 図4に示すスパウトを溶着部側から見たときの図である。 (A)は、実施例1の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。(B)は、実施例2の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。 (A)は、比較例1の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。(B)は、比較例2の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。 (A)は、比較例4の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。(B)は、比較例5の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。 (A)は、比較例6の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。(B)は、比較例7の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。
本開示の実施形態を、場合により図面を参照しながら以下に説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、積層体の一例を模式的に示す断面図である。図1は積層体の積層方向(厚さ方向)に沿う断面を示している。積層体300は、基材フィルム10、プライマー層40、接着剤層30、及びシーラント層20をこの順に有する。
基材フィルム10は、可撓性基材であってよい。可撓性基材は、例えば、アルミニウム箔等の金属箔、及び、フィルム状の熱可塑性ポリマーの一方又は双方を備えていてよい。可撓性基材としては、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、配向ポリアミド(OPA)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖低密度ポリエチエレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及びナイロンのフィルムが挙げられる。
基材フィルム10は、例えば、PETフィルムにアルミニウム又は酸化アルミニウム等が蒸着された蒸着フィルム(透明蒸着フィルム)であってよい。基材フィルム10の厚みは7~150μmであってよく、15~90μmであってよく、20~80μmであってもよい。
シーラント層20としては、通常のシーラントフィルムを用いることができる。シーラントフィルムとしては、例えば、CPPフィルム、LLDPEフィルム、LDPEフィルム等が挙げられる。シーラント層20の厚みは7~150μmであってよく、15~90μmであってよく、20~80μmであってもよい。
プライマー層40は、樹脂を含んでいてよい。樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル、ポリアミン、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン、ポリアクリルポリマーヒドロキシル含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂、及びアミン系ポリマー等が挙げられる。プライマー層40を有することによって、デジタル印刷機を用いた静電インク組成物の印刷を円滑に行うことができる。また、静電インク層50の密着性を向上することができる。プライマー層40を構成する樹脂の塗布量は、例えば0.01~1.5g/mであってよく、0.05~1.0g/mであってもよい。
積層体300は、プライマー層40上に印刷面52を備える。印刷面52には、静電インク層50が設けられている。静電インク層50は、接着剤層30とプライマー層40との間に設けられており、静電インク層50の一方面が接着剤層30に接着しており、他方面がプライマー層40に接着している。静電インク層50は、静電インク組成物の網点で構成されていてよい。静電インク層50は、デジタル印刷機を用いた静電印刷によって設けられる。図1において複数ある静電インク層50は、同一組成を有していてもよいし、互いに異なる組成を有することによって異なる色を有していてもよい。静電インク層50は、接着剤層30とプライマー層40との間に点在するように設けられてもよいし、接着剤層30の一方面及びプライマー層40の一方面の全体を覆うように設けられてもよい。
印刷面52におけるインク被覆率(インクカバレッジ)は、特に制限されず、例えば10~500%であってよく、50~500%であってもよい。本明細書におけるインク被覆率(インクカバレッジ)とは、単位面積当たりの網点面積の割合を表したものであり、例えば、所定の領域を単色で一様に印刷した際のインク被覆率は100%となる。一方、印刷がなされていない領域のインク被覆率は0%となる。この両者を基準としてインク被覆率を算出することができる。複数の色のインクによって印刷を行う場合には、各色のインクについてインク被覆率を算出し、その合計を対象の静電インク層のインク被覆率とすることができる。インク被覆率は、デジタル印刷機(例えば、HP社製の「Indigo20000ラベル及びパッケージ用デジタル印刷機」)で設定され、インク被覆率の設定において所望の値を指定することで調整できる。なお、印刷面52を光学顕微鏡で観察して、印刷面52におけるインク被覆率を確認することもできる。
静電インク層50を有する印刷面52は、接着剤層30で覆われている。接着剤層30は、接着剤組成物、その硬化物、又はこれらの混合物で構成されていてよい。接着剤組成物は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、エポキシ化合物と、を含有する。これらの三成分(ポリオール、ポリイソシアネート、及びエポキシ化合物)は、少なくとも一部が互いに反応して硬化し硬化物となっていてもよい。接着剤層30に含まれるエポキシ化合物と、ポリオール及びポリイソシアネートが反応して生成するポリウレタンは、架橋していてもよい。これによって、接着剤層30の耐熱性を向上することができる。
上記三成分を含有する接着剤層30と静電インク層50とは互いに接着している。接着剤層30に含まれるエポキシ化合物は静電インク層50に浸透し、エポキシ化合物と静電インク組成物とが架橋していてよい。これによって、静電インク組成物が十分に凝集するとともに接着力が向上する。これによって、積層体300の耐熱性を向上することができる。
図2は、積層体の別の例を示す断面図である。図2の積層体310は、接着剤層30の一方面の全体及びプライマー層40の一方面の全体が静電インク層51で覆われている点で、図1の積層体300と異なっている。積層体310のその他の構成は、図1の積層体300と同じであってよい。
図1及び図2の静電インク層50,51は、静電インク組成物の円形の網点で構成される。網点のサイズを変えることによって印刷面52における色の濃淡を調節することができる。積層体300,310では、網点で構成される静電インク層50,51を構成する静電インク組成物が十分に凝集するとともに高い接着力を有する。このため、積層体300,310は、耐熱性に優れる。したがって、積層体300,310を、スパウトが溶着されるスパウト付きパウチ用の積層体(積層フィルム)として好適に用いることができる。
積層体300,310において、静電インク層50,51を構成する静電インク組成物は、液体電子写真印刷、すなわち静電印刷に用いられるインク組成物であり、紙及びプラスチック等の基材上に印刷される。静電インク組成物は、染料等の着色剤又は顔料、及び樹脂を含んでよい。また、これらに加えて、キャリア流体又はキャリア液体を含んでよい。さらに、チャージディレクタ、チャージアジュバント、界面活性剤、粘度調節剤、乳化剤及びその他の添加剤を含んでよい。
着色剤としては、例えば、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料、及びブラック顔料が挙げられる。樹脂としては、エチレンアクリル酸コポリマー、プロピレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマー、プロピレンメタクリル酸コポリマー、及びエチレン酢酸ビニルコポリマー等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
キャリア液体としては、炭化水素、シリコーンオイル、及び植物油等が挙げられる。炭化水素としては、脂肪族炭化水素、分岐鎖脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水が挙げられる。静電インク組成物は、印刷基材、例えば第1基材上に印刷された場合に、キャリア液体を実質的に含まないものであってよい。例えば印刷中の電気泳動プロセス又は蒸発によってキャリア液体を除去してもよい。これによって実質的に固形分だけが印刷基材に転写される。
チャージディレクタは、静電インク組成物に含まれる粒子に十分な静電電荷を維持する作用を有する。チャージディレクタとしては、例えば脂肪酸の金属塩、スルホスクシネートの金属塩、オキシホスフェートの金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩、芳香族カルボン酸又は芳香族スルホン酸の金属塩等のイオン性化合物、並びにポリオキシエチレン化アルキルアミン、レシチン、ポリビニルピロリドン、多価アルコールの有機酸エステルのような双対イオン性及び非イオン性化合物が挙げられる。
チャージアジュバントは、静電インク組成物に含まれる粒子の電荷を増大させる又は安定化させる作用を有する。チャージアジュバントとしては、例えばバリウムペトロネート、カルシウムペトロネート、ナフテン酸Co塩、ナフテン酸Ca塩、ナフテン酸Cu塩、ナフテン酸Mn塩、ナフテン酸Ni塩、ナフテン酸Zn塩、ナフテン酸Fe塩、ステアリン酸Ba塩、ステアリン酸Co塩、ステアリン酸Pb塩、ステアリン酸Zn塩、ステアリン酸Al塩、ステアリン酸Cu塩、ステアリン酸Fe塩、及び金属カルボキシレート等が挙げられる。
静電インク組成物は、接着剤層30及び/又はプライマー層40に含まれる成分によって架橋した架橋物を含んでいてもよい。これによって、静電インク層50自体の強度、並びに、印刷面52と静電インク層50及び静電インク層50とプライマー層40との接着強度を十分に高くすることができる。また、ヒートシールの際に、静電インク層50を構成する網点が移動したり、静電インク層50と接着剤層30との界面に隙間が生じたりすることを抑制できる。これによって、ヒートシールに伴う変色を十分に抑制することができる。
静電インク組成物の印刷面52と接着剤層30とは互いに接着している。すなわち、静電インク組成物で構成される静電インク層50,51は、接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される接着剤層30に接着している。この接着剤組成物は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、エポキシ化合物と、を含有する。これらの三成分について以下に説明する。
ポリオールは、例えば、数平均分子量400以上であり、一分子中に2つ以上の水酸基を有する。ポリイソシアネートは、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する。ポリオール及びポリイソシアネートは、それぞれ、主剤及び硬化剤として反応してポリウレタン(ポリウレタン接着剤)を生成する。ポリオールは、数平均分子量は、例えば、10000以下であってよい。
ポリオールは、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有してよい。このうち、高温環境下における接着剤層30の接着強度を十分に高くする観点から、ポリオールは、ポリエステルポリオールを含んでよく、脂肪族ポリエステルポリオールを含んでもよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと、多塩基酸、そのアルキルエステル、その酸無水物、又は、その酸ハライドとの縮合反応、或いはエステル交換反応により得られる。多価アルコールとしては、低分子量ジオール、低分子量トリオール、水酸基を4つ以上有する低分子量ポリオール等が挙げられる。
低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
低分子量トリオールとしては、例えば、グリセリン、2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)ペンタン、及び、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-3-ブタノール等が挙げられる。
水酸基を4つ以上有する低分子量ポリオールとしては、例えば、テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、D-ソルビトール、キシリトール、D-マンニトール、及びD-マンニット等が挙げられる。
多塩基酸のアルキルエステルとしては、多塩基酸のメチルエステル、エチルエステルなどが挙げられる。酸無水物としては、多塩基酸から誘導される酸無水物が挙げられる。例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2-アルキル(炭素数12~18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、及び無水トリメリット酸等が挙げられる。
酸ハライドとしては、上記した多塩基酸から誘導される酸ハライドが挙げられる。例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバチン酸ジクロライドなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、ポリアルキレンオキサイドであってよい。例えば、低分子量ポリオールを開始剤として、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加反応させることによって得られるものであってよい。具体例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール(ランダム又はブロック共重合体)が挙げられる。また、例えば、テトラヒドロフランの開環重合などによって得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体、及びイソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。接着剤組成物は、互いに異なる複数種類のポリイソシアネートを含んでいてもよい。ポリオールの水酸基に対する、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、0.5~10であってよい。このような接着剤組成物は、高い接着強度を有しつつ柔軟性に優れる硬化物を形成することができる。
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート)、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、及び、2,6-ジイソシアネートメチルカプエート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネート誘導体が挙げられる。キシリレンジイソシアネート誘導体としては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3-キシリレンジイソシアネート、又は、1,4-キシリレンジイソシアネート)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、又は、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート)(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、及び、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応により得られるキシリレンジイソシアネートのポリオール変性体等が挙げられる。
ポリイソシアネート全体に対するキシリレンジイソシアネート誘導体の含有量は、主剤(例えば、ポリオール)との反応性向上の観点から、10質量%以上であってよく、20質量%以上であってよく、30質量%以上であってよく、40質量%以上であってもよい。30質量%以上とすることで、反応性を一層高くすることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート)、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)(IPDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート)、及び、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等が挙げられる。
ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート単量体の多量体、アロファネート変性体、ポリオール変性体、単量体とアルコール類との反応より生成するポリオール変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、オキサジアジントリオン変性体、カルボジイミド変性体、ウレトジオン変性体、ウレトンイミン変性体などが挙げられる。
イソシアネート基末端プレポリマーは、少なくとも2つのイソシアネート基を分子末端に有するウレタンプレポリマーである。ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体及びイソシアネート基末端プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ポリオールとを、ウレタン化反応させて得ることができる。このとき、ポリオールの水酸基に対する、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、0.5以上、0.6以上、0.8以上、1以上又は1.5以上であってよい。上記モル比(NCO/OH)は、10以下、5以下、4以下、又は、3以下であってもよい。モル比(NCO/OH)の数値範囲の例として、0.5~10、0.5~5、0.8~4、及び0.6~3が挙げられる。
エポキシ化合物は、1分子中に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物であってよい。高温環境下における接着剤層30の接着強度を一層高くする観点から、両末端にエポキシ基を有するものであってよい。エポキシ化合物としては、グリジシルエーテル型エポキシ化合物、グリジシルアミン型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、及び、脂環式エポキシ化合物(環状脂肪族エポキシ化合物)等が挙げられる。
エポキシ化合物の分子量は、500以下であってよく、450以下であってよく、400以下であってもよい。このようなエポキシ化合物は、静電インク層を構成する静電インク組成物中に十分に浸透させることができる。エポキシ化合物の分子量の下限は、例えば98であってよい。
脂環式エポキシ化合物としては、例えば、エポキシシクロヘキシルメチル-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、及び、ビス(エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられる。
1分子中に1個のエポキシ基を有する1官能の脂環式エポキシ化合物としては、3,4エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、及び、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。1分子中に2個のエポキシ基を有する2官能のエポキシ化合物としては、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、及び、4-ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。また、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物として、下記一般式(I)で表される2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物が挙げられる。
Figure 2022110285000002
上記一般式(I)中、nは、1~4の整数であってよい。
エポキシ化合物は、2官能の脂環式エポキシ化合物を含むことが好ましい。2官能であることによって、静電インク組成物及びプライマー樹脂との架橋点を増やして接着剤の硬化反応を促進し、硬化し易くすることができる。また、脂環式であることによって、立体障害によりポリイソシアネートとの反応を抑制することができる。このため、安定的に硬化し、印刷面52と接着剤層30の界面の密着性を十分に優れたものとすることができる。
接着剤組成物において、ポリオール100質量部に対するエポキシ化合物の含有量は、高い接着強度と優れた剪断抑制力を両立する観点から、3~25質量部であってよく、6~25質量部であってよく、8~20質量部であってもよい。エポキシ化合物の含有量が過大になると、優れた剪断抑制力が損なわれる傾向にある。すなわち、接着剤層30を形成したときに接着面がずれたり、接着剤組成物がはみ出したりする場合がある。エポキシ化合物の配合量が過小になると、高温熱水処理条件下における接着強度が低下する傾向にある。
接着剤組成物において、ポリオール100質量部に対するポリイソシアネートの含有量は、シール強度及び高温熱水処理条件下における接着強度を十分に高くする観点から、10~50質量部であってよく、15~35質量部であってよく、20~30質量部であってもよい。
ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基に対する、エポキシ化合物に含まれるエポキシ基のモル比は0.5~10であってよく、1.5~9であってよく、2.0~6.5であってもよい。これによって、高温熱水処理条件下において十分に高い接着強度を維持することができる。
接着剤組成物は、上述の成分の他に、添加剤等の任意成分を含有してよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、エポキシ樹脂、触媒、塗工性改良剤、レベリング剤、核剤、滑剤、離型剤、消泡剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、染料、有機微粒子、無機微粒子、防黴剤、及び難燃剤等が挙げられる。接着剤組成物は、有機溶媒等の溶剤を含有してよい。
接着剤組成物は、静電インク組成物が印刷されている印刷面52とシーラント層20とを接着する。シーラント層20と接着剤層30の間には任意の層を備えていてよい。この場合、接着剤組成物は、印刷面52と任意の層とを接着する。接着剤組成物は、ポリオールとポリイソシアネートと反応によってウレタン結合を形成し、接着剤としての機能を発揮する。エポキシ化合物の共存下でも、ウレタン結合の形成が円滑に進行するため、印刷面52と、シーラント層20又は任意の層とを、十分に高い接着強度で接着することできる。
接着剤組成物は、高温での接着強度に優れる一方で、ポットライフにも優れる。このため、印刷面と基材とを接着する際の、塗工及びラミネート加工等の作業性にも優れる。接着剤組成物は、ウレタンを形成するポリオール及びポリイソシアネートと、エポキシ化合物とを含み、これらの少なくとも一部が硬化物となって接着剤層30を形成してよい。これは、ポリウレタンのみを含む接着剤層とエポキシコーティング層とを別々に設ける場合に比べて、積層体300を構成する層の数を減らすことができる。このため、例えばロールトゥロールで積層体を作製する際、エージング後のロールの蛇行、及び、ブロッキング等による皺の発生等の問題が発生しない。また、コーティング後のエージング工程を削減し、製造の効率化を図ることができる。
静電インク層50,51と接着剤層30とが直接接する積層体300,310では、接着剤組成物に含まれるエポキシ化合物及び/又はポリイソシアネート等の成分が静電インク層50,51中に浸透してよい。これによって、静電インク層50,51を構成する静電インク組成物を架橋し、静電インク組成物(静電インク層50,51)が凝集して高温での強度を向上することができる。また、隣り合う層との接着力を向上することができる。また、図1のように印刷面52が静電インク層50のない無地部分(透明部分)を含む場合であっても、エポキシ化合物は接着剤層30の中に含まれるため、べたつきをなくすことができる。一方、接着剤層30と別にエポキシコーティング層を設けると、印刷面52が無地部分を含む場合に、無地部分の近傍でエポキシ化合物が過剰となり、べたつきが発生し易くなる。このように、積層体300は、静電インク層50が形成されていない無地部分を含む印刷面52を高い接着強度で接着しつつ、べたつきをなくすことができる。
積層体300,310は、静電インク層50が優れた高温強度を有するとともに、高温での接着強度にも優れる。したがって、スパウトと溶着される際、静電インク層50が流動して移動することを十分に抑制することができる。これによって、スパウトとの溶着部分における変色を十分に抑制することができる。積層体300,310の厚みは、例えば、15~200μmであってよく、18~120μmであってもよい。
変形例に係る積層体は、プライマー層40を有していなくてもよいし、基材フィルム10とシーラント層20との対向面のそれぞれにプライマー層40を有していてもよい。また、基材フィルム10及びシーラント層20との間には、積層体300,310のガスバリア性及び水蒸気バリア性向上の観点から、基材フィルム10とプライマー層40の間、及び/又は、シーラント層20と接着剤層30の間に、アルミニウム箔等の金属層、及び、ナイロンフィルム等の樹脂層の少なくとも一つを有していてもよい。
積層体の層構造の具体例を、以下に例示する。各例示において、左端が基材フィルム10、右端がシーラント層20であり、左から右に向かって順番に各層が積層されている。また、第1接着剤層は接着剤層30である。第2接着剤層及び第3接着剤層は、接着剤層30と同様の接着剤層であってよく、これとは異なる通常の接着剤層であってよい。
(1)透明蒸着PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/ナイロン層/第2接着剤層/CPPフィルム(無延伸ポリプロピレンフィルム)
(2)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/アルミニウム層/第2接着剤層/CPPフィルム(無延伸ポリプロピレンフィルム)
(3)ナイロン層/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルム
(4)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/ナイロン層/第2接着剤層/CPPフィルム
(5)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/LLDPEフィルム
(6)透明蒸着PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/CPPフィルム
(7)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/アルミ蒸着バリアフィルム/LLDPEフィルム
(8)OPPフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/アルミ蒸着バリアフィルム/第2接着剤層/CPPフィルム
(9)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/ナイロン層/第2接着剤層/LLDPEフィルム
(10)透明蒸着PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/ナイロン層/第2接着剤層/LLDPEフィルム
(11)透明蒸着PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/ナイロン層/第2接着剤層/LDPEフィルム
(12)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/アルミニウム層/第2接着剤層/ナイロン層/第3接着剤層/LLDPEフィルム
(13)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/アルミニウム層/第2接着剤層/ナイロン層/第3接着剤層/LDPEフィルム
(14)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/ナイロン層/第2接着剤層/アルミニウム層/第3接着剤層/LLDPEフィルム
(15)PETフィルム/プライマー層/静電インク層/第1接着剤層/ナイロン層/第2接着剤層/アルミニウム層/第3接着剤層/LDPEフィルム
上記各具体例において、プライマー層はなくてもよい。また、任意の位置に任意の層を設けてもよい。
一実施形態に係る積層体の製造方法を以下に説明する。本実施形態の製造方法では、図1に示す積層体300を製造する。まず、基材フィルム10の一方面上にプライマー層40を形成する工程と、プライマー層40上に静電インク組成物を印刷して静電インク層50を形成し印刷面52を得る工程と、印刷面52とシーラント層20の一方面とを、接着剤組成物を用いて接着する工程を有する。
プライマー層40は、基材フィルム10の一方面上にフレキソ印刷又はグラビア印刷等で形成してよい。プライマー層40は、樹脂原料を、架橋剤によって架橋させて形成してもよい。架橋は、紫外光、加熱、電子ビームのようなイオン化放射線、及び、マイクロ波放射線のような非イオン化放射線を照射して行ってもよい。静電インク組成物の印刷は、デジタル印刷機を用いた静電印刷によって行うことができる。デジタル印刷機としては、例えば、HP社製の「Indigo20000ラベル及びパッケージ用デジタル印刷機」を用いることができる。このようにして、静電インク層50を形成し印刷面52を得る。
印刷面52とシーラント層20の一方面との接着剤組成物による接着は、ラミネートによって行うことができる。ラミネートは、任意の装置を用いて行うことができる。接着剤組成物に含まれるエポキシ化合物及び/又はポリイソシアネートが静電インク層50を構成する静電インク組成物及びプライマー層40に浸透し、静電インク組成物及びプライマー層40に含まれる成分と架橋反応してもよい。これによって、静電インク層50の強度が向上するとともに、各層の界面が十分に結着した積層体300を得ることができる。ラミネートの際に、接着剤組成物の少なくとも一部は硬化して硬化物となってもよい。このようにして、基材フィルム10、プライマー層40、静電インク層50、接着剤層30及びシーラント層20をこの順に備える積層体300を製造することができる。積層体310及び変形例に係る積層体も、積層体300と同様にして製造することができる。
このようにして製造される積層体300,310は、これらの実施形態で説明したとおりの構成及び性状を有する。積層体300,310及びこれらの変形例に係る説明内容は、上述の製造方法の実施形態の説明にも適用される。
積層体300,310は、スパウト付きパウチ用の包装材(パウチ本体)として好適に用いられる。積層体300,310を包装材として用いてスパウト付きパウチを作製することができる。
図3は、スパウト付きパウチ及び包装体の一例を示す斜視図である。スパウト付きパウチ100は、所謂サイドガゼットタイプの形状を有するパウチ本体部110と、パウチ本体部110の上端部に溶着されたスパウト120と、を備える。パウチ本体部110は、複数枚の積層体300(310)のシーラント層20同士をヒートシールで貼り合わせて構成されるシール部101を有する。シール部101によって内部に被包装物を収容可能な袋体が形成される。
スパウト付きパウチ100は、パウチ本体部110の内部に被包装物202(例えば、飲料)を収容することができる。これによって、被包装物202が収容された包装体200を得ることができる。すなわち、包装体200は、スパウト付きパウチ100と、パウチ本体部110のシール部101によって形成された収容部に収容される被包装物202と、を備える。
図4は、スパウト付きパウチ用の包装材140と、これに溶着されるスパウト120とを示す平面図である。パウチ本体部110となる包装材140の外縁部には、積層体300(310)同士がヒートシールされて構成されるシール部101と、スパウト120の溶着部126が溶着される非シール部102が設けられている。シール部101では、シーラント層20同士がヒートシールによって接着されている。これに対し、非シール部102ではシーラント層20同士が接着されておらず、シーラント層20同士が対向配置されている。すなわち、非シール部102は、パウチ本体部110の内部と外部を連通する貫通穴となっている。
スパウト120は、被包装物が流通する流路をなす筒部122と、筒部122の下端に設けられる溶着部126と、筒部122の上端にねじ結合される蓋体121と、を有する。溶着部126には、溶着部126と包装材140との溶着を強固にするため、横筋状に複数の溶着リブ126rが形成されている。ただし、溶着リブ126rを有するものに限定されず、溶着リブ126rはなくてもよい。筒部122の外周面には、筒部122の側方に延在するように、溶着部126側からフランジ124及びフランジ123がこの順に形成されている。筒部122、溶着部126、フランジ124及びフランジ123は、合成樹脂を用いて一体成形された成形品であってよい。これらの合成樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L-LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。蓋体121も、上述の合成樹脂を用いて成形された成形品であってよい。
図4の包装材140の非シール部102に、スパウト120の溶着部126を溶着することによって、スパウト付きパウチ100を製造することができる。溶着は、溶着部126と積層体300(310)のシーラント層20とを重ね合わせた状態で加熱及び加圧することによって行う。
図5は、スパウト120を溶着部126側から見たときの図である。すなわち、図4に示すスパウト120を図4の下方から上方に向かって見たときの図である。スパウト120の溶着部126は、菱形の平面形状を有している。溶着部126に形成される溶着リブ126rは、溶着リブ126r以外の部分よりも外方に突出している。これによって、溶着部126と非シール部102におけるシーラント層20との溶着が十分確実に行われ溶着部分150における封止性を向上することができる。溶着部126の中央には、被包装物の流路128が形成されている。この流路128を用いて、スパウト付きパウチの収容部に被包装物を充填したり、収容部から被包装物を導出したりすることができる。
溶着部126に積層体300(310)のシーラント層20を溶着する際には、溶着部126を挟むようにして、溶着部126とシーラント層20とが接するように積層体300(310)を配置し、溶着部126の表面に沿うように加熱された金型等を用いてプレスする。これによって、シーラント層20が溶着部126に溶着され、スパウト付きパウチを得ることができる。この際、積層体300(310)の溶着部126に溶着される部分は、加圧されながら高温に曝されることとなる。このため、積層体に含まれる静電インク層の耐熱性が低い場合には、静電インク層が溶けて流動し、加圧部分から非加圧部分に移動する。このように静電インク層が溶けて移動すると、図3の溶着部分150に変色が生じる。
積層体300(310)における静電インク層50(51)は十分に凝集し、優れた接着力を有することから耐熱性にも優れる。このため、溶着部126に溶着する際に、静電インク層50(51)が溶けて流動することが抑制できる。このため、溶着部分150における変色を十分に抑制することができる。
スパウト及びスパウト付きパウチの形状は、図示のものに限定されない。例えば、スパウトの溶着部126は、菱形の平面形状ではなく、真円又は楕円の平面形状を有していてもよい。また、包装材140(パウチ本体部110)は、サイドガゼットタイプの形状以外の形状であってもよい。例えば、二方袋、三方袋、四方袋、又は合掌袋の形状であってもよい。
積層体300(310)を用いて包装材を製造する手順を以下に説明する。製造する包装材(パウチ本体部)の形状に応じて、所定形状にカットされた一つ又は複数の積層体300(310)を準備する。積層体300(310)の一方面に設けられたシーラント層20同士を対向させ、シーラント層20同士をヒートシールして接着する。図3及び図4に示すようなサイドガゼットタイプの形状を有する包装材(パウチ本体部110)を製造してもよい。このようにして、図4に示すような、外縁部にヒートシールによって形成されたシール部101と、シーラント層20同士が対向配置された非シール部102とを有する、包装材140を形成する。
非シール部102で形成される包装材140の内部と外部を連通する貫通穴にスパウト120の溶着部126を挿入し、一対の積層体300で溶着部126を挟んだ状態で加熱及び加圧して、溶着部126と積層体300(310)のシーラント層20とを溶着する。このようにして、図3に示すような溶着部分150を有するスパウト付きパウチ100を製造することができる。このスパウト付きパウチ100のスパウト120の蓋体121を開放して、被包装物を充填し、蓋体121で密閉すれば、図3に示すような包装体200が得られる。
溶着部126とシーラント層20とを溶着する際の加熱温度は、150℃以上であってよく、170℃以上であってよく、190℃以上であってもよい。これによって、スパウト120の溶着部126とシーラント層20とを十分強固に溶着させ、溶着部分150の封止性を十分に高くすることができる。また、このような温度で溶着を行っても、溶着部分150における変色を十分に抑制することができる。加熱温度の上限は、積層体300(310)及び溶着部126の耐熱性の観点から、220℃以下であってよい。
積層体300(310)は、静電インク層50(51)を有しつつも耐熱性に優れることから、熱水で加熱される食品用にも好適に用いることができる。包装体200は、通常の飲料等の包装体として用いてもよく、煮沸加熱又はレトルト包装体として用いてもよい。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[積層体の作製]
基材フィルムとして、ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名:エンブレムONM、厚さ:15μm)を準備した。このナイロンフィルムの一方面に水性プライマー樹脂(ポリエチレンイミンを含有する樹脂、Michelman社製、商品名:DP050)を塗布してプライマー層を形成した。このとき、水性プライマー樹脂の塗布量が0.10~0.18g/mとなるように塗布した。
デジタル印刷機(HP社製,Indigo20000ラベル及びパッケージ用デジタル印刷機)を用いて、プライマー層の表面に印刷を行って静電インク層を形成した。静電インク組成物としては、エチレンアクリル酸、及びエチレンメタクリル酸のコポリマーを含有する熱可塑性樹脂を含む静電インク組成物(HP Indigo エレクトロインキ)を使用した。静電インク組成物の色としては、黒色を用いた。デジタル印刷機の設定によってインク被覆率は200%とした。
主剤として脂肪族ポリエステルポリオール(三井化学株式会社製、商品名:タケラックA626、以下「(A)成分」と称する場合もある。)、硬化剤としてポリイソシアネート(三井化学株式会社製、商品名:タケネートA50、以下「(B)成分」と称する場合もある。)、エポキシ化合物として3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(以下、「(C)成分」と称する場合もある。)、及び、溶媒として酢酸エチルを配合して、固形分濃度が36.5質量%の接着剤組成物を調製した。このエポキシ化合物の構造は下記式(1)に示すとおりである。各成分の質量基準の配合比(質量基準)は、(A)成分:(B)成分:(C)成分=8:1:0.28とした。
静電インク組成物を印刷した印刷面に対し、ドライラミネート装置を用いて、上述のとおりに調製した接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成した。接着剤組成物の塗布量は、4.0g/mとした。
Figure 2022110285000003
上記ドライラミネート装置を用い、基材フィルム上の接着剤層と、シーラント層となる直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:T.U.X-FCS、厚さ:60μm)とが向かい合うにようにして、接着剤層と直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとを貼り合わせた。養生時間(エージング)は、40℃で2日間とした。このようにして図2に示すような積層構造を有する積層体を得た。
[評価用サンプルの作製、並びに、変色の有無及び溶着状態の評価]
図3~図5に示すような形状を有するポリエチレン製のスパウトを準備した。スパウトの溶着部とシーラント層とが接するようにして溶着部を一対の積層体で挟み、評価用サンプルとした。熱傾斜試験機(東洋精機製作所製、装置名:HG-3)を用いて、温度:200℃、圧力:0.3MPaの条件で1.0秒間の加熱及び加圧を行って、溶着部とシーラント層とを溶着させた。加圧は、溶着部とシーラント層とが対向する方向に沿って行った。設定した溶着面積(75mm)に対して、インク抜けによって目視で検知される変色部分の面積を算出した。結果は表1に示すとおりであった。また、スパウトの溶着部とシーラント層との溶着状態についても評価を行った。スパウトの溶着部とシーラント層とが強固に封止されている場合を「A」、封止が不十分である場合を「B」と評価した。結果は表1に示すとおりであった。
(実施例2)
静電インク組成物の色としてシアンとマゼンタを重ね刷りして用いたこと、及びインク被覆率を300%にしたこと以外は、実施例1と同様にして、積層体及び評価用サンプルを作製し評価を行った。結果は表1に示すとおりであった。
(実施例3)
静電インク組成物の色として白を用いたこと、及びインク被覆率を100%としたこと以外は、実施例1と同様にして、積層体及び評価用サンプルを作製し評価を行った。結果は表1に示すとおりであった。
(比較例1)
接着剤組成物を調製する際にエポキシ化合物((C)成分)を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、積層体及び評価用サンプルを作製し評価を行った。結果は表1に示すとおりであった。
(比較例2)
接着剤組成物を調製する際にエポキシ化合物((C)成分)を配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、積層体及び評価用サンプルを作製し評価を行った。結果は表1に示すとおりであった。
(比較例3)
接着剤組成物を調製する際にエポキシ化合物((C)成分)を配合しなかったこと以外は、実施例3と同様にして積層体及び評価用サンプルを作製し評価を行った。結果は表1に示すとおりであった。
Figure 2022110285000004
図6(A)は、実施例1の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。図6(B)は、実施例2の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。図6に示すとおり、実施例1,2では変色は全く生じていなかった。実施例3でも、実施例1,2と同様に目視で検知できるような変色は全く生じていなかった。また、実施例1~3の評価用サンプルは、いずれも、スパウトの溶着部とシーラント層とが強固に溶着されていた。
図7(A)は、比較例1の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。図7(B)は、比較例2の溶着価後における評価用サンプルの外観を示す写真である。図7に示すとおり、比較例1,2では、インク抜けが生じており、明らかに変色が生じていた。比較例3でもインク抜けが生じており変色が生じていた。なお、比較例1~3の評価用サンプルは、いずれも、スパウトの溶着部とシーラント層とが強固に溶着されていた。
(比較例4~7)
スパウトの溶着部とシーラント層とを溶着させる際の温度を、表2に示すとおりに変更したこと以外は、比較例1と同様にして、積層体及び評価用サンプルを作製し溶着評価を行った。結果は表2に示すとおりであった。表2には、上述の比較例1の結果も併せて示した。
Figure 2022110285000005
図8(A)は、比較例4の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。図8(B)は、比較例5の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。図9(A)は、比較例6の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。図9(B)は、比較例7の溶着後における評価用サンプルの外観を示す写真である。表2、図8及び図9に示すとおり、溶着温度を低くすることで変色面積を低減できるものの、溶着温度を下げ過ぎると、溶着部とシーラント層との溶着が不十分となることが確認された。
上述の実施例及び比較例の結果から、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物を用いることによって、溶着の際に、インク抜けによって生じる変色を抑制できることが確認された。このように変色が抑制できる要因としては、静電インク組成物の凝集及び接着力の向上によって耐熱性が向上していることが考えられる。これを検証するため、以下の実験を行った。
(実施例4)
[接着剤組成物及び積層体の作製]
基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、厚さ:12μm)を準備した。このPETフィルムの一方面に実施例1と同じ水性プライマー樹脂を塗布してプライマー層を形成した。水性プライマー樹脂の塗布量も実施例1と同じとした。
実施例1で用いたデジタル印刷機を用いて、プライマー層の表面に所定の印刷を行った。静電インク組成物としては、エチレンアクリル酸、及びエチレンメタクリル酸のコポリマーを含有する熱可塑性樹脂を含む静電インク組成物(HP Indigo エレクトロインキ)を使用した。静電インク組成物の色としては、表3に示すとおり、白(W)、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)を用いた。静電インク組成物の色及びインク被覆率が異なる複数の試料を作製した。各色のインク被覆率及びその合計は、表3に示すとおりとした。表3に示すとおり、インク被覆率の合計は200~500%であった。
実施例1と同じ接着剤組成物を調製し、実施例1と同じ手順で印刷面に接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成した。接着剤組成物の塗布量は、4.0g/mとした。
アルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製、厚さ:7μm)、ナイロンフィルム及び無延伸ポリプロピレンフィルムをこの順に有する積層フィルムを準備した。実施例1と同じドライラミネート装置を用い、基材フィルム上の接着剤層と積層フィルムのアルミニウム箔とが向かい合うにして、アルミニウム箔と接着剤層とを貼り合わせて積層体を得た。養生時間(エージング)は、40℃で2日間とした。
[接着強度(常温)の測定]
JIS K 6854-1:1999に準拠して、作製した積層体の接着強度を測定した。具体的には、作製した積層体を15mm幅にカットして測定用サンプルとした。測定用サンプルの端部における層間を剥離した後、角度:90°、引張速度:300mm/min、及び室温の条件で引張試験機を用いて、積層体の層間の剥離強度を測定した。この剥離強度を常温(20℃)での接着強度とした。測定結果は表3に示すとおりであった。
(実施例5~9)
接着剤組成物の配合を、表3及び表4に示すとおりに変更したこと以外は、実施例4と同様にして積層体を作製し、接着強度の測定を行った。測定結果は表3及び表4に示すとおりであった。
(実施例10)
実施例1で用いた(A)成分からなる第1液と、(B)成分及び(C)成分からなる第2液とが、別々に容器に収容された2液型接着剤を準備した。第1液と第2液とを混合し、表4に示す配合の接着剤組成物を調製した。この接着剤組成物を用いたこと以外は、実施例4と同様にして積層体を作製し、接着強度の測定を行った。測定結果は表4に示すとおりであった。
(比較例8)
接着剤組成物を調製する際に(C)成分を配合しなかったこと以外は、実施例4と同様にして積層体を作製し、接着強度の測定を行った。測定結果は表4に示すとおりであった。
(比較例9)
静電インク組成物を印刷した印刷面に対し、式(1)のエポキシ化合物を塗布してエポキシコーティング層を設けたこと、このエポキシコーティング層に、比較例8の接着剤組成物を塗布したこと以外は、実施例4と同様にして積層体を作製し、接着強度の測定を行った。エポキシコーティング層の塗布量は、表4に示す配合において0.53質量部に相当する量とした。測定結果は表4に示すとおりであった。
Figure 2022110285000006
Figure 2022110285000007
表3及び表4の[(B)/(A)]×100の欄には、100質量部の(A)成分に対する(B)成分の配合量(質量部)を示している。表3及び表4の[(C)/(A)]×100の欄には、100質量部の(A)成分に対する(C)成分の配合量(質量部)を示している。表3及び表4の「エポキシ基/イソシアネート基」の欄には、(B)成分に含まれるイソシアネート基に対する、(C)成分に含まれるエポキシ基のモル比を示している。
表3及び表4に示すとおり、エポキシ化合物を含む接着剤層と印刷面とを接着した実施例4~10の積層体は、エポキシ化合物を含まない接着剤層と印刷面とを接着した比較例8の積層体よりも接着強度が高くなることが確認された。なお、比較例9では、比較的高い接着強度が得られたが、接着剤層に加えてエポキシコーティング層を形成するため、工程数が増加した。エポキシコーティング層の硬化(エージング)には2日間所要し、生産性が低下した。
比較例8の積層体では、静電インク層とプライマー層との界面付近で剥離していた。比較例9の積層体では、静電インク層が凝集破壊していた。一方、実施例4~10の積層体では、静電インク層と接着剤層の界面で剥離しており、静電インク層の凝集破壊は見られなかった。このことは、静電インク層の凝集力及び接着力が向上していることを示唆している。なお、実施例4~10における、(A)成分の水酸基に対する、(B)成分に含まれるイソシアネート基のモル比は0.5~10の範囲内であった。
次に、実施例8と比較例9の積層体の接着強度、熱水接着強度及びシール強度の測定を行った。測定には、インク被覆率の合計が500%のものと、200%のものを用いた。測定手順の詳細は以下のとおりである。
[熱水接着強度の測定]
実施例8と比較例9の積層体を、それぞれ15mm幅にカットして測定用サンプルを得た。測定用サンプルの端部における層間を剥離した後、90℃の熱水に浸した状態で引張試験機を用いて剥離強度を測定した。すなわち、剥離角度:フリー、引張速度:300mm/minとした。この剥離強度を熱水接着強度として表5に示す。
[シール強度(熱処理前)の測定]
実施例8の一対の積層体を用いて、無延伸ポリプロピレンフィルム同士が重なり合うようにしてヒートシールを行い、シール部を形成した。これによって、無延伸ポリプロピレンフィルム同士を溶着させ、15mm幅の測定用サンプルを作製した。JIS K 7127:1999に準拠して、作製した測定用サンプルのシール部におけるシール強度を測定した。測定は、剥離角度:90°、引張速度:300mm/min、及び常温(20℃)の条件で引張試験機を用いて、ヒートシール間の剥離強度を測定した。この剥離強度を「熱処理前」のシール強度とした。測定結果は表5に示すとおりであった。比較例10の積層体を用いて、同様の測定用サンプルを作製し、同様の測定を行った。測定結果は表5に示すとおりであった。
[シール強度(ボイル後)の測定]
上述の「シール強度(熱処理前)の測定」で作製した測定用サンプルを、100℃の水中で30分間加熱した。その後、上述の「シール強度(熱処理無し)の測定」と同じ手順でシール強度を測定した。測定結果は表5の「ボイル後」の欄に示すとおりであった。
[レトルト(120℃)後のシール強度の測定]
上述の「シール強度(熱処理前)の測定」で作製した測定用サンプルのレトルト熱処理(120℃×30分間)を行った。引張試験機を用い、「シール強度(熱処理前)の測定」と同様にして剥離強度を測定した。測定結果は表5の「120℃×30分間」の欄に示すとおりであった。
[レトルト(130℃)後のシール強度の測定]
上述の「シール強度(熱処理前)の測定」で作製した測定用サンプルのレトルト熱処理(130℃×30分間)を行った。引張試験機を用い、「シール強度(熱処理無し)の測定」と同様にして剥離強度を測定した。測定結果は表5の「130℃×30分間」の欄に示すとおりであった。
Figure 2022110285000008
表5に示すとおり、熱水接着強度は実施例8の方が比較例9よりも大幅に高かった。また、シール強度も、実施例8の方が比較例9よりも優れることが確認された。特に、実施例8のシール強度はボイル後も十分に高かったのに対し、比較例9のシール強度はボイル後に大幅に低下した。比較例9の積層体は、水分存在下で加熱した場合に接着強度及びシール強度が大幅に低下することが確認された。
(実施例11)
[接着剤組成物及び積層体の作製]
基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、厚さ:12μm)を準備した。このPETフィルムの一方面に実施例1と同じ水性プライマー樹脂を塗布してプライマー層を形成した。水性プライマー樹脂の塗布量も実施例1と同じとした。
実施例1で用いたデジタル印刷機を用いて、プライマー層に表面に所定の印刷を行った。静電インク組成物の色としては、白(W)、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)を用いた。インク被覆率として、W200%のものと、C100%+M100%+Y100%+W200%のものを調製した。表6では、前者を「インク被覆率(1)」とし、後者を「インク被覆率(2)」とした。このように、静電インク組成物のインク被覆率が異なる2種類の試料を作製した。
実施例1と同じ接着剤組成物を調製し、実施例1と同じ手順で印刷面に接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成した。接着剤組成物の塗布量は、4.0g/mとした。
実施例4で用いた、積層フィルム(ナイロンフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムとを市販の接着剤で貼り合わせて得た積層フィルム)を、実施例4と同様にして基材フィルムの接着剤層に貼り合わせて積層体を得た。養生時間(エージング)は、40℃×2日間とした。
このようにして得られた積層体のシール強度(熱処理前)及びシール強度(ボイル後)を測定した。測定結果は表6に示すとおりであった。また、接着強度(熱処理前)及び熱間接着強度(120℃)を以下の手順で測定した。
実施例11の一対の積層体を用いて、無延伸ポリプロピレンフィルム同士が重なり合うようにしてヒートシールを行い、シール部を有する三方袋を作製した。この三方袋に水を封入した。その後、レトルト処理装置(日阪製作所製)を用いて、レトルト熱処理(120℃×30分間)を実施した。レトルト熱処理後、15mm幅にカットして、シール部のサンプルを採取し、静電インク層と静電インク層に接する層との層間強度を測定した。測定された剥離強度を、表6の「熱間接着強度(120℃)」の欄に示す。なお、表6には、レトルト熱処理前の接着強度も併せて示した。
(実施例12~15)
接着剤組成物を調製する際、ポリイソシアネート(B)の配合量を表6に示すとおりに変更したこと以外は、実施例11と同様にして積層体を作製した。作製した積層体を、実施例11と同様にして評価した。評価結果は表6に示すとおりであった。
(比較例10)
静電インク組成物を印刷した印刷面に対するラミネートを、ドライラミネート装置を用いずにハンドラミネーター機で実施したこと以外は、比較例8と同様にして、積層体を作製した。静電インク組成物の色及びインク被覆率は、表6に示すとおりとした。作製した積層体を、実施例11と同様にして評価した。評価結果は表6に示すとおりであった。
Figure 2022110285000009
表6に示すとおり、各実施例では加熱条件下においても高い接着強度及びシール強度が得られることが確認された。また、(A)成分に対する(B)成分の配合割合を調整することによって、熱間接着強度(120℃)、並びにシール強度(熱処理前及びボイル後)を十分に高くできることが確認された。一方、(C)成分を用いていない比較例10では、高温熱水処理条件に曝されると接着強度及びシール強度が大幅に低下することが確認された。なお、実施例11~15における、(A)成分に含まれる水酸基に対する、(B)成分に含まれるイソシアネート基のモル比は0.5~10の範囲内であった。
(実施例16~20)
脂肪族ポリエステルポリオール(A1)(三井化学株式会社製、タケラックA525)、ポリイソシアネート(B1)(三井化学株式会社製、タケネートA52)、及びエポキシ化合物(C)として3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを配合して、接着剤組成物を調製した。配合割合は、表7に示すとおりとした。このような接着剤組成物を用いたこと以外は、実施例11~15と同様にして積層体を作製して評価した。評価結果は、表7に示すとおりであった。
(比較例11)
ポリオールとして脂肪族ポリエステルポリオール(A1)(三井化学株式会社製、タケラックA525)、及び、ポリイソシアネート(B1)(三井化学株式会社製、タケネートA52)を配合して、接着剤組成物を調製した。配合割合は、表7に示すとおりとした。このような接着剤組成物を用いたこと以外は、比較例10と同様にして積層体を作製して評価した。評価結果は、表7に示すとおりであった。
Figure 2022110285000010
表7に示すとおり、脂肪族ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの組み合わせを変更した場合も、各実施例では高い接着強度及びシール強度が得られることが確認された。また、脂肪族ポリエステルポリオール(A1)に対するポリイソシアネート(B1)の配合割合を調整することによって、シール強度(熱処理無し及びボイル後)並びに熱間接着強度(120℃)を十分に高くできることが確認された。一方、エポキシ化合物(C)を用いていない比較例11では、高温熱水処理条件に曝されると接着強度及びシール強度が大幅に低下することが確認された。なお、実施例16~20における、脂肪族ポリエステルポリオール(A1)に含まれる水酸基に対する、ポリイソシアネート(B1)に含まれるイソシアネート基のモル比は0.5~10の範囲内であった。
本開示によれば、静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、耐熱性に優れる積層体が提供される。また、静電インク組成物で構成される静電インク層を有しつつも、溶着部分の変色を十分に抑制することが可能なスパウト付きパウチ及びその製造方法、並びに包装体が提供される。また、このようなスパウト付きパウチのパウチ本体として好適に用いられる包装材が提供される。
10…基材フィルム、20…シーラント層、30…接着剤層、40…プライマー層、50,51…静電インク層、52…印刷面、100…スパウト付きパウチ、101…シール部、102…非シール部、110…パウチ本体部、120…スパウト、121…蓋体、122…筒部、123…フランジ、124…フランジ、126…溶着部、126r…溶着リブ、128…流路、140…包装材、150…溶着部分、200…包装体、202…被包装物、300,310…積層体。

Claims (10)

  1. 基材フィルム、接着剤層、及び、スパウトに溶着されるシーラント層をこの順に備え、前記接着剤層に接着している静電インク層を備える、スパウト付きパウチ用の積層体であって、
    前記接着剤層は、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される、積層体。
  2. 前記基材フィルムと前記静電インク層との間にプライマー層を有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ポリオールは脂肪族ポリエステルポリオールを含み、前記エポキシ化合物は両末端にエポキシ基を有するものを含む、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記エポキシ化合物は2官能の脂環式エポキシ化合物を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記ポリイソシアネートはキシリレンジイソシアネート誘導体を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体における前記シーラント層同士がヒートシールされて構成されるシール部と、前記シーラント層同士が互いに対向し、前記スパウトが溶着される非シール部と、を備える、スパウト付きパウチ用の包装材。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体における前記シーラント層同士が貼り合わせられたシール部を有し、被包装物を収容する収容部を有するパウチ本体と、
    前記パウチ本体における前記積層体の前記シーラント層に溶着されているスパウトと、を備える、スパウト付きパウチ。
  8. 請求項7に記載のスパウト付きパウチと、これに収容された被包装物と、を備える包装体。
  9. 基材フィルムと、ポリオール、ポリイソシアネート及びエポキシ化合物を含む接着剤組成物及びその硬化物の少なくとも一方で構成される接着剤層と、シーラント層と、をこの順に備え、前記接着剤層に接着している静電インク層を備える積層体を作製する工程と、
    前記積層体のシーラント層同士がヒートシールされて構成されるシール部と、前記シーラント層同士が対向する非シール部を設けて包装材を得る工程と、
    前記包装材の前記非シール部にスパウトの溶着部を挿入し、当該溶着部と前記非シール部における前記シーラント層とを溶着する工程と、を有する、スパウト付きパウチの製造方法。
  10. 前記溶着部と前記非シール部における前記シーラント層との溶着を、150℃以上に加熱して行う、請求項9に記載のスパウト付きパウチの製造方法。
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