JP2022108546A - 銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板 - Google Patents

銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】冷熱サイクル信頼性に優れた銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板を提供する。【解決手段】銅又は銅合金からなる銅部材とセラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体であって、銅部材12とセラミックス部材11との接合界面には、Ag-Cu共晶層45が形成されており、Ag-Cu共晶層45の中には、コアとこのコアを覆うシェルとを有するコアシェル粒子50が存在しており、前記コアがAgまたはCuまたはAg-Cu共晶いずれか1つ以上からなり、前記シェルがTi化合物からなることを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、銅又は銅合金からなる銅部材とセラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体、および、セラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板に関するものである。
パワーモジュール、LEDモジュールおよび熱電モジュールにおいては、絶縁層の一方の面に導電材料からなる回路層を形成した絶縁回路基板に、パワー半導体素子、LED素子および熱電素子が接合された構造とされている。
例えば、風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等を制御するために用いられる大電力制御用のパワー半導体素子は、動作時の発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して形成した回路層と、を備えた絶縁回路基板が、従来から広く用いられている。なお、絶縁回路基板としては、セラミックス基板の他方の面に金属板を接合して金属層を形成したものも提供されている。
例えば、特許文献1には、セラミックス基板の一方の面および他方の面に、銅板を接合することにより回路層および金属層を形成した絶縁回路基板が提案されている。この特許文献1においては、セラミックス基板の一方の面および他方の面に、Ag-Cu-Ti系ろう材を介在させて銅板を配置し、加熱処理を行うことにより銅板が接合されている(いわゆる活性金属ろう付け法)。この活性金属ろう付け法では、活性金属であるTiが含有されたろう材を用いているため、溶融したろう材とセラミックス基板との濡れ性が向上し、セラミックス基板と銅板とが良好に接合されることになる。
特許第3211856号公報
ところで、最近では、絶縁回路基板に搭載される半導体素子の発熱温度が高くなる傾向にあり、絶縁回路基板には、従来にも増して、厳しい冷熱サイクルに耐えることができる冷熱サイクル信頼性が求められている。
ここで、特許文献1のように、Ag-Cu-Ti系ろう材を用いて銅板とセラミックス基板とを接合した際には、接合界面にCu-Ti化合物が析出し、冷熱サイクル負荷時に、接合界面が加工硬化し、セラミックス割れが生じ、冷熱サイクル信頼性が低下するおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、冷熱サイクル信頼性に優れた銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の銅/セラミックス接合体は、銅又は銅合金からなる銅部材とセラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体であって、前記銅部材と前記セラミックス部材との接合界面には、Ag-Cu共晶層が形成されており、前記Ag-Cu共晶層の中には、コアとこのコアを覆うシェルとを有するコアシェル粒子が存在しており、前記コアがAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、前記シェルがTi化合物からなることを特徴としている。
本発明の銅/セラミックス接合体によれば、前記銅部材と前記セラミックス部材との接合界面に形成されたAg-Cu共晶層の中に、コアがAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、シェルがTi化合物からなるコアシェル粒子が存在しているので、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、上述のコアシェル粒子によって多方向へ分散させることができる。また、冷熱サイクル負荷時に、接合界面が加工硬化することを抑制できる。
よって、冷熱サイクル負荷に、セラミックス部材に割れが生じることを抑制でき、冷熱サイクル信頼性を向上させることができる。
ここで、本発明の銅/セラミックス接合体においては、前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが1.0μm以上15.0μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが1.0μm以上とされているので、前記Ag-Cu共晶層の中に上述のコアシェル粒子を十分に存在させることができ、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、上述のコアシェル粒子によって確実に多方向へ分散させることができる。
一方、前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが15.0μm以下とされているので、冷熱サイクル負荷時に、接合界面が加工硬化することをさらに抑制できる。
また、本発明の銅/セラミックス接合体においては、前記コアシェル粒子の平均粒子径が0.05μm以上5.00μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記コアシェル粒子の平均粒子径が0.05μm以上とされているので、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、上述のコアシェル粒子によって確実に多方向へ分散させることができる。
一方、前記コアシェル粒子の平均粒子径が5.00μm以下とされているので、コアシェル粒子によって接合性が阻害されず、銅部材とセラミックス部材とを良好に接合することができる。
本発明の絶縁回路基板は、セラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板であって、前記銅板と前記セラミックス基板との接合界面には、Ag-Cu共晶層が形成されており、前記Ag-Cu共晶層の中には、前記Ag-Cu共晶層の中には、コアとこのコアを覆うシェルとを有するコアシェル粒子が存在しており、前記コアがAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、前記シェルがTi化合物からなることを特徴としている。
本発明の絶縁回路基板によれば、前記銅板と前記セラミックス基板との接合界面に形成されたAg-Cu共晶層の中に、コアがAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、シェルがTi化合物からなるコアシェル粒子が存在しているので、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、上述のコアシェル粒子によって多方向へ分散させることができる。また、冷熱サイクル負荷に、接合界面が加工硬化することを抑制できる。
よって、冷熱サイクル負荷に、セラミックス基板に割れが生じることを抑制でき、冷熱サイクル信頼性を向上させることができる。
ここで、本発明の絶縁回路基板においては、前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが1.0μm以上15.0μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが1.0μm以上とされているので、前記Ag-Cu共晶層の中に上述のコアシェル粒子を十分に存在させることができ、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、上述のコアシェル粒子によって確実に多方向へ分散させることができる。
一方、前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが15.0μm以下とされているので、冷熱サイクル負荷時に、接合界面が加工硬化することをさらに抑制できる。
また、本発明の絶縁回路基板においては、前記コアシェル粒子の平均粒子径が0.05μm以上5.00μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記コアシェル粒子の平均粒子径が0.05μm以上とされているので、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、上述のコアシェル粒子によって確実に多方向へ分散させることができる。
一方、前記コアシェル粒子の平均粒子径が5.00μm以下とされているので、コアシェル粒子によって接合性が阻害されず、銅板とセラミックス基板とを良好に接合することができる。
本発明によれば、冷熱サイクル信頼性に優れた銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板を提供することができる。
本発明の実施形態に係る絶縁回路基板を用いたパワーモジュールの概略説明図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の回路層(金属層)とセラミックス基板との接合界面の拡大説明図である。 コアシェル粒子の説明図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の回路層(金属層)とセラミックス基板との接合界面の観察結果である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の製造方法のフロー図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の製造方法の概略説明図である。 本発明の実施例においてコアシェル粒子の平均粒子径を測定する方法を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係る銅/セラミックス接合体は、セラミックスからなるセラミックス部材としてのセラミックス基板11と、銅又は銅合金からなる銅部材としての銅板22(回路層12)および銅板23(金属層13)とが接合されてなる絶縁回路基板10である。図1に、本実施形態である絶縁回路基板10を備えたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、回路層12および金属層13が配設された絶縁回路基板10と、回路層12の一方の面(図1において上面)に接合層2を介して接合された半導体素子3と、金属層13の他方側(図1において下側)に配置されたヒートシンク30と、を備えている。
半導体素子3は、Si等の半導体材料で構成されている。この半導体素子3と回路層12は、接合層2を介して接合されている。
接合層2は、例えばSn-Ag系、Sn-In系、若しくはSn-Ag-Cu系のはんだ材で構成されている。
ヒートシンク30は、前述の絶縁回路基板10からの熱を放散するためのものである。このヒートシンク30は、銅又は銅合金で構成されており、本実施形態ではりん脱酸銅で構成されている。このヒートシンク30には、冷却用の流体が流れるための流路31が設けられている。
なお、本実施形態においては、ヒートシンク30と金属層13とが、はんだ材からなるはんだ層32によって接合されている。このはんだ層32は、例えばSn-Ag系、Sn-In系、若しくはSn-Ag-Cu系のはんだ材で構成されている。
そして、本実施形態である絶縁回路基板10は、図1に示すように、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13と、を備えている。
セラミックス基板11は、絶縁性および放熱性に優れたセラミックスで構成されており、本実施形態では、窒化ケイ素(Si)で構成されている。このセラミックス基板11の厚さは、例えば、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.32mmに設定されている。
回路層12は、図6に示すように、セラミックス基板11の一方の面(図6において上面)に、銅又は銅合金からなる銅板22が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、回路層12は、無酸素銅の圧延板からなる銅板22がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
なお、回路層12となる銅板22の厚さは0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.8mmに設定されている。
金属層13は、図6に示すように、セラミックス基板11の他方の面(図6において下面)に、銅又は銅合金からなる銅板23が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、金属層13は、無酸素銅の圧延板からなる銅板23がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
なお、金属層13となる銅板23の厚さは0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.8mmに設定されている。
セラミックス基板11と回路層12(金属層13)との接合界面においては、図2に示すように、Ag-Cu共晶層45が形成されている。
本実施形態では、Ag-Cu共晶層45の平均厚さは、1.0μm以上15.0μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
なお、Ag-Cu共晶層45の平均厚さの下限は、1.5μm以上であることがさらに好ましく、2.0μm以上であることがより好ましい。また、Ag-Cu共晶層45の平均厚さの上限は、13.0μm以下であることがさらに好ましく、11.0μm以下であることがより好ましい。
そして、このAg-Cu共晶層45の中には、図2から図4に示すように、コアシェル粒子50が存在している。
このコアシェル粒子50は、コア51がAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、シェル52がTi化合物で構成されている。本実施形態では、コア51はAg-Cu共晶組織とされている。また、シェル52を構成するTi化合物としては、例えば、TiN等のTiを含む金属間化合物やTi酸化物等が挙げられる。
本実施形態では、このコアシェル粒子50の平均粒子径が0.05μm以上5.00μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
なお、コアシェル粒子50の平均粒子径の下限は、0.07μm以上であることがさらに好ましく、0.10μm以上であることがより好ましい。また、コアシェル粒子50の平均粒子径の上限は、4.50μm以下であることがさらに好ましく、4.00μm以下であることがより好ましい。
また、上述のコアシェル粒子50は、図4に示すように、断面において概略円形状をなしており、球状組織となっていると推測される。
以下に、本実施形態に係る絶縁回路基板10の製造方法について、図5および図6を参照して説明する。
(ブラスト処理工程S01)
まず、回路層12となる銅板22および金属層13となる銅板23を準備する。そして、これら銅板22,23のセラミックス基板11との接合面に対して、チタン粉または水素化チタン粉を用いて、ブラスト処理を行う。ここで、チタン粉または水素化チタン粉の噴射圧力を0.05MPa以上0.50MPa以下の範囲内、ブラスト時間を0.1秒以上10.0秒以下の範囲内とすることが好ましい。
ブラスト時間が0.1秒未満の場合には、十分にコアシェル組織を形成することができないおそれがある。一方、ブラスト時間が10秒を超えると、過剰にコアシェル組織が形成され、液相とセラミック基板11との界面反応が不十分となり接合不良となるおそれがある。
また、噴射圧力が0.05MPa未満の場合には、界面にコアシェル組織を有することができず効果が得られないおそれがある。一方、噴射圧力が0.5MPaを超えると銅板22,23の表面粗さが大きくなり、接合不良となるおそれがある。
ここで、上述のチタン粉または水素化チタン粉の粒径(D50)は、3.0μm以上8.0μm以下の範囲内とすることが好ましい。
(積層工程S02)
次に、窒化アルミニウム(AlN)からなるセラミックス基板11を準備し、図6に示すように、回路層12となる銅板22とセラミックス基板11との間、および、金属層13となる銅板23とセラミックス基板11との間に、接合材としてろう材24を配設する。なお、上述のろう材24としては、Ag-Cu-Ti系ろう材、Ag-Ti系ろう材を用いる。
具体的には、ろう材24として、例えば、Cuを0mass%以上32mass%以下の範囲内、活性金属であるTiを0.5mass%以上20mass%以下の範囲で含み、残部がAgおよび不可避不純物とされた組成のものを用いることが好ましい。また、ろう材24の厚さは、2μm以上10μm以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、ろう材24に含まれる銀粉の粒径(D50)は、0.4μm以上5.0μm以下の範囲内とすることが好ましい。
また、ろう材24に含まれるチタン粉(水素化チタン粉)の粒径(D50)は、3.0μm以上8.0μm以下の範囲内とすることが好ましい。
さらに、ろう材24が銅を含む場合には、銅粉の粒径(D50)は、0.3μm以上5.0μm以下の範囲内とすることが好ましい。
(接合工程S03)
次に、銅板22,23とセラミックス基板11とを積層方向に加圧した状態で、真空雰囲気の加熱炉内で加熱し、ろう材24を溶融する。
ここで、加熱工程S03における加熱温度は、AgとCuの共晶点温度以上850℃以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、加熱温度の上限は845℃以下とすることが好ましく、840℃以下とすることがより好ましく、835℃以下とすることがさらに好ましい。また、加熱温度の下限は800℃以上とすることが好ましい。
また、この加熱工程S03において、上述の加熱温度での保持時間は、10min以上90min以下の範囲内とすることが好ましい。
さらに、この加熱工程S03における加圧荷重は、0.10MPa以上1.00MPa以下の範囲内とすることが好ましい。
以上のように、ブラスト処理工程S01と、積層工程S02と、接合工程S03とによって、セラミックス基板11と銅板22,23が接合され、本実施形態である絶縁回路基板10が製造されることになる。
ここで、ろう材24に含まれるAgと銅板22,23のCuとが反応することにより、銅板22,23とセラミックス基板11とのAg-Cu共晶層45が形成される。
また、接合前に、銅板22,23の接合面に対してチタン粉(水素化チタン粉)を用いてブラスト処理を行うことにより、Ag-Cu共晶層45の中に、コアシェル粒子50が存在することになる。
なお、ブラスト処理に用いられるチタン粉(水素化チタン粉)の粒径、ろう材24に含まれる銀粉、銅粉、チタン粉(水素化チタン粉)の粒径を調整することにより、コアシェル粒子50の粒径を制御することができる。
(ヒートシンク接合工程S05)
次に、絶縁回路基板10の金属層13の他方の面側にヒートシンク30を接合する。
絶縁回路基板10とヒートシンク30とを、はんだ材を介して積層して加熱炉に装入し、はんだ層32を介して絶縁回路基板10とヒートシンク30とをはんだ接合する。
(半導体素子接合工程S06)
次に、絶縁回路基板10の回路層12の一方の面に、半導体素子3をはんだ付けにより接合する。
上述の工程により、図1に示すパワーモジュール1が製出される。
以上のような構成とされた本実施形態の絶縁回路基板10(銅/セラミックス接合体)によれば、回路層12(金属層13)とセラミックス基板11との接合界面に形成されたAg-Cu共晶層45の中に、コア51がAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、シェル52がTi化合物からなるコアシェル粒子50が存在しているので、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、コアシェル粒子50によって多方向へ分散させることができる。また、冷熱サイクル負荷に、接合界面が加工硬化することを抑制できる。
よって、冷熱サイクル負荷に、セラミックス基板11に割れが生じることを抑制でき、冷熱サイクル信頼性を向上させることができる。
本実施形態において、Ag-Cu共晶層45の平均厚さが1.0μm以上である場合には、Ag-Cu共晶層45の中に上述のコアシェル粒子50を十分に存在させることができ、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、コアシェル粒子50によって確実に多方向へ分散させることができる。
また、本実施形態において、Ag-Cu共晶層45の平均厚さが15.0μm以下である場合には、冷熱サイクル負荷時に、接合界面が加工硬化することをさらに抑制できる。
さらに、本実施形態において、コアシェル粒子50の平均粒子径が0.05μm以上である場合には、冷熱サイクル負荷時に接合界面に作用する応力を、コアシェル粒子50によって確実に多方向へ分散させることができる。
また、本実施形態において、コアシェル粒子50の平均粒子径が5μm以下である場合には、コアシェル粒子50によって接合性が阻害されず、回路層12(金属層13)とセラミックス基板11とを良好に接合することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、絶縁回路基板に半導体素子を搭載してパワーモジュールを構成するものとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、絶縁回路基板の回路層にLED素子を搭載してLEDモジュールを構成してもよいし、絶縁回路基板の回路層に熱電素子を搭載して熱電モジュールを構成してもよい。
また、本実施形態の絶縁回路基板では、回路層と金属層がともに銅又は銅合金からなる銅板によって構成されたものとして説明したが、これに限定されることはない。
例えば、回路層とセラミックス基板とが本発明の銅/セラミックス接合体で構成されていれば、金属層の材質や接合方法に限定はなく、金属層がなくてもよいし、金属層がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていてもよく、銅とアルミニウムの積層体で構成されていてもよい。
一方、金属層とセラミックス基板とが本発明の銅/セラミックス接合体で構成されていれば、回路層の材質や接合方法に限定はなく、回路層がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていてもよく、銅とアルミニウムの積層体で構成されていてもよい。
さらに、本実施形態では、セラミックス基板が窒化ケイ素(Si)で構成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)等の他のセラミックスで構成されたものであってもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
まず、Siからなるセラミックス基板(40mm×40mm×0.32mm)と、無酸素銅からなる銅板(37mm×37mm×厚さ0.3mm)と、を準備した。
本発明例1~12においては、銅板の接合面に、表1に示す平均粒径の水素化チタン粉を用いて、噴射圧力0.05MPa、表1に記載した時間でブラスト処理を行った。なお、比較例では、ブラスト処理を実施しなかった。
次に、セラミックス基板の両面に、表1に示す金属粉を含むろう材(組成:Cu28mass%、1mass%TiH、残部がAgおよび不可避不純物)を用いて、表1に示す条件で銅板とセラミックス基板とを接合し、絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)を得た。なお、接合時の真空炉の真空度は5×10-3Paとした。
得られた絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)について、Ag-Cu共晶層の平均厚さ、Ag-Cu共晶層の中のコアシェル粒子の平均粒子径、冷熱サイクル信頼性を、以下のようにして評価した。
(Ag-Cu共晶層の平均厚さ)
Ag-Cu共晶層の厚さは、断面からのSEM観察により確認した。まず、基板中央部を積層方向に切断し、断面研磨を行なった。得られた研磨面に対してクロスセクションポリッシャ(SM-09010:日本電子製)を用いてArイオンエッチングを行い、平滑な断面サンプルを得た。得られたサンプルに対して走査型電子顕微鏡(S-3400N:日立ハイテク社製)を用いてSEM観察を行った。倍率1000倍で観察を行い、反射電子像得られる界面近傍の明るいコントラストの部分を共晶組織とした。共晶組織の面積を求め、共晶組織の面積/測定視野の幅をAg-Cu共晶層の厚さとし、5視野で同様の観察を行い、その平均値をAg-Cu共晶層の平均厚さとした。
(コアシェル粒子の平均粒子径)
上記SEM観察において、倍率1000倍の視野に存在する円形組織10個を選び、その直径を測定した。直径の測定方法としては、図7に示すように、各SEM像における円形組織の外形を8等分し、得られた4本の対角線上での直径の平均値をコアシェル粒子の粒子径とした。10視野測定を行い、その平均値を平均粒子径とした。
(冷熱サイクル信頼性)
以下の冷熱サイクルを負荷し、100回のサイクル毎に、SAT検査により銅板とセラミックス基板の接合界面を検査し、セラミックス割れが発生したサイクル数を評価した。
-55℃×2min←→150℃×2min
Figure 2022108546000002
水素化チタン粉によるブラスト処理を実施しなかった比較例においては、Ag-Cu共晶層の中にコアシェル粒子が確認できなかった。このため、冷熱サイクルを1200回負荷した時点でセラミックス割れが生じた。
これに対して、Ag-Cu共晶層の中にコアシェル粒子が確認された本発明例1~12においては、冷熱サイクルを4000回負荷してもセラミックス割れが生じておらず、冷熱サイクル信頼性に優れていた。
また、Ag-Cu共晶層の平均厚さが1μm以上15μm以下の範囲内とされた本発明例1~10においては、さらにセラミックス割れが抑制されており、冷熱サイクル信頼性に特に優れていた。
以上の実施例の結果、本発明例によれば、冷熱サイクル信頼性に優れた銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板を提供可能であることが確認された。
10 絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)
11 セラミックス基板(セラミックス部材)
12 回路層(銅部材)
13 金属層(銅部材)
45 Ag-Cu共晶層
50 コアシェル粒子
51 コア
52 シェル

Claims (6)

  1. 銅又は銅合金からなる銅部材とセラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体であって、
    前記銅部材と前記セラミックス部材との接合界面には、Ag-Cu共晶層が形成されており、
    前記Ag-Cu共晶層の中には、コアとこのコアを覆うシェルとを有するコアシェル粒子が存在しており、
    前記コアがAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、前記シェルがTi化合物からなることを特徴とする銅/セラミックス接合体。
  2. 前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが1.0μm以上15.0μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の銅/セラミックス接合体。
  3. 前記コアシェル粒子の平均粒子径が0.05μm以上5.00μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅/セラミックス接合体。
  4. セラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板であって、
    前記銅板と前記セラミックス基板との接合界面には、Ag-Cu共晶層が形成されており、
    前記Ag-Cu共晶層の中には、前記Ag-Cu共晶層の中には、コアとこのコアを覆うシェルとを有するコアシェル粒子が存在しており、
    前記コアがAg、Cu、Ag-Cu共晶のいずれか1つ以上からなり、前記シェルがTi化合物からなることを特徴とする絶縁回路基板。
  5. 前記Ag-Cu共晶層の平均厚さが1.0μm以上15.0μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項4に記載の絶縁回路基板。
  6. 前記コアシェル粒子の平均粒子径が0.05μm以上5.00μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の絶縁回路基板。
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