JP2022108154A - 車載装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続される車載機器に対し効率的に対応することができる車載装置を提供する。【解決手段】車載装置は、車両に搭載される電源装置から供給される電力を、複数の車載機器に分配する車載装置であって、前記電源装置に接続される電源入力コネクタが設けられる電源基板と、前記車載機器に対し、分配した電力を出力する出力コネクタが設けられた配電基板と、前記車載機器と通信可能に接続するための通信ポートが設けられた通信制御基板とを備え、前記配電基板は、前記電源基板と前記通信制御基板との間に介在して挟持され、自装置に接続される前記車載機器に応じて取り換え可能に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、車載装置に関する。
車両には、電源装置等の車両用電源が搭載されており、当該車両用電源からの電力線を分岐し、分岐した電力線を介してECU(Electronic Control Unit)等の車載機器(負荷)に電力を分配して供給する車両用電気接続箱が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1の車両用電気接続箱は、車両用電源に接続される電源端子、当該電源端子に接続されたリレー及び、当該リレーの後段側に位置し、4系統に分岐された電線を備えている。4系統に分岐された電線夫々には、負荷が接続されており、これら4つの負荷夫々には、車両用電源からの電力が分配されて供給される。
特開2014-94660号公報
しかしながら、特許文献1の車両用電気接続箱においては、当該車両用電気接続箱に収納されるリレー等の電気部品が固定的に配置されるものであり、当該車両用電気接続箱が複数の車種に搭載されるにあたり、当該車種に応じて決定される車載機器に対し柔軟に対応することが困難であるという問題点がある。
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、接続される車載機器に対し効率的に対応することができる車載装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る車載装置は、車両に搭載される電源装置から供給される電力を、複数の車載機器に分配する車載装置であって、前記電源装置に接続される電源入力コネクタが設けられる電源基板と、前記車載機器に対し、分配した電力を出力する出力コネクタが設けられた配電基板と、前記車載機器と通信可能に接続するための通信ポートが設けられた通信制御基板とを備え、前記配電基板は、前記電源基板と前記通信制御基板との間に介在して挟持され、自装置に接続される前記車載機器に応じて取り換え可能に設けられている。
本開示の一態様によれば、接続される車載機器に対し効率的に対応する車載装置を提供することができる。
実施形態1に係る車載装置を含む車載システムを示す模式図である。 電気接続箱の内部を略示する側断面図である。 通信制御基板の構成を示すブロック図である。 電源基板におけるセル基板の装着態様を略示する説明図である。 電源基板におけるバスバーの実装態様を略示する説明図である。 セル基板及びスロットの要部を略示する側断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本開示の一態様に係る車載装置は、車両に搭載される電源装置から供給される電力を、複数の車載機器に分配する車載装置であって、前記電源装置に接続される電源入力コネクタが設けられる電源基板と、前記車載機器に対し、分配した電力を出力する出力コネクタが設けられた配電基板と、前記車載機器と通信可能に接続するための通信ポートが設けられた通信制御基板とを備え、前記配電基板は、前記電源基板と前記通信制御基板との間に介在して挟持され、自装置に接続される前記車載機器に応じて取り換え可能に設けられている。
本態様にあたっては、車載装置は、電源基板、配電基板及び通信制御基板を備え、電源装置から供給される電力を、複数の車載機器に分配して中継すると共に、自装置に通信ポートを介して接続される複数の車載機器間の通信を中継する電力通信中継装置(PLB:Power Lan Box)として機能する。車載装置が電力及び通信の中継装置として機能するにあたり、電源基板、配電基板及び通信制御基板を、各機能に応じた機能別基板として別個に構成した機能レイヤ構造とすることにより、それぞれの基板の組み合わせを可能とし、車種に応じて、自装置に接続される車載機器に対し効率的に対応することができる。その上で、分配した電力を出力する出力コネクタが設けられた配電基板を、自装置に接続される車載機器に応じて取り換え可能に設けることにより、当該車載機器に基づき決定される出力コネクタの形状及び個数に柔軟に対応することができる。配電基板は、電源基板と通信制御基板との間に介在して設けられることにより、電源基板及び通信制御基板によって挟持される。電流が流れる際の熱影響が最も少ない配電基板を内側に配置し、配電基板及び通信制御基板を外側に配置する事で、熱的課題の抑制と電源基板、配電基板及び通信制御基板を電気的に接続するための接続ピンの本数の削減や効率的な配線設計が可能になる。
(2)本開示の一態様に係る車載装置は、前記電源基板は、自装置に接続される前記車載機器の電源仕様に応じた電気部品が実装される実装面を含み、前記配電基板は、前記出力コネクタが実装される実装面を含み、前記電源基板の実装面における前記電気部品が実装される領域と、前記配電基板の実装面における前記出力コネクタが実装される領域とを異ならせて、前記配電基板及び前記電源基板は、互いの実装面を対向させて設けられている。
本態様にあたっては、配電基板及び前記電源基板のそれぞれの実装面を対向させて設けるにあたり、電源基板の実装面における電気部品が実装される領域と、配電基板の実装面における出力コネクタが実装される領域とを異ならせてある。すなわち、これら部品が実装される領域が重ならないように、電源基板及び配電基板は、互いの実装面を対向させて、積層されている。従って、積層された電源基板及び配電基板において、電源基板の実装面に実装される電気部品と、基板実装面の実装面に実装される出力コネクタとが、互いに干渉することを防止することができる。
(3)本開示の一態様に係る車載装置は、前記配電基板と、前記電源基板及び前記通信制御基板とは、基板間コネクタにより電気的に接続されており、前記基板間コネクタは、前記配電基板、前記電源基板及び前記通信制御基板のそれぞれの実装面に設けられている。
本態様にあたっては、配電基板、電源基板及び通信制御基板のそれぞれの実装面に基板間コネクタを設け、当該基板間コネクタにより配電基板、電源基板及び通信制御基板を電気的に接続することにより、自装置に接続される車載機器に応じて取り換える配電基板と、電源基板及び通信制御基板とを組み合わせた車載装置を効率的に製造することができる。
(4)本開示の一態様に係る車載装置は、前記電源基板には、前記車載機器の電源仕様に応じたセル基板が着脱自在に装着される複数のスロットが設けられている。
本態様にあたっては、電源基板には、複数のスロットが設けられており、これら複数のスロットは、例えばバスバー等の導通部品と電気的に接続されている。これら複数のスロットの内、いずれかのスロットには、電気接続箱に接続される車載機器の種類及び個数に応じて、セル基板が装着される。車載機器は、例えば車載ECU又は、モータ等のアクチュエータから成る車載負荷を含むものであり、電気接続箱に接続される車載機器の種類及び個数は、当該電気接続箱が搭載される車種に基づき決定されるものとなる。これに対し、電源基板に設けられた複数のスロットそれぞれは、電気接続箱に接続される車載機器の電源仕様に応じたセル基板を着脱自在に装着するため、電気接続箱は、接続される車載機器に対し効率的に対応することができる。このような構成とすることにより、異なる複数の車種に対し電気接続箱を搭載するにあたり、当該車種に依拠することなく電源基板を適用することができ、すなわち電源基板を共通部品化することができる。
(5)本開示の一態様に係る車載装置は、前記セル基板は、前記スロットに装着される板部と、前記板部の実装面に実装される電気部品とを有し、前記電気部品は、リレー及びヒューズの少なくともいずれか一つを含む。
本態様にあたっては、セル基板は、スロットに装着される板部と、板部の実装面に実装される電気部品とを有し、電気部品は、リレー、ヒューズ又は、リレー及びヒューズの双方を含む。リレーは機械リレー及び半導体リレーを含み、ヒューズは溶断ヒューズ及び半導体ヒューズを含む。従って、バスバー等の導通部品を介して電源装置から流れる電流に対し、リレー(機械リレー、半導体リレー)によるスイッチング制御、又はヒューズ(溶断ヒューズ、半導体ヒューズ)による保護制御を図ることができる。セル基板の板部(セル基板基板)に実装される電気部品は、リレー又はヒューズ等の回路素子に限定されず、例えば、電源装置から印加された直流電圧を降圧するDCDCコンバータ又はレギュレータ等のICチップであってもよい。スロットに装着されるセル基板が、例えばランプ又はモータ等のアクチュエータから成る車載負荷に接続される場合、当該セル基板は、車載負荷が接続される部位(グランドに対するセル基板と車載負荷との上下関係)に応じて、ハイサイド負荷用のセル基板、及びローサイド負荷用のセル基板を含むものであってもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本開示の実施形態に係る車載装置1を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る車載装置1を含む車載システムを示す模式図である。図2は、車載装置1の内部を略示する側断面図である。車載システムSは、車両Cに搭載され、電源装置9及び、当該電源装置9に電源線91を介して接続される1つ以上(本実施形態では4つ)の車載装置1を含む。これら車載装置1同士は、通信線110にて構成される車載ネットワークで接続される。
車載装置1それぞれは、例えば電力ケーブルを含むワイヤーハーネス等を介して複数の車載機器8と接続されており、車載装置1は、電源装置9から供給された電力を、自装置に接続されている車載機器8に分配して、供給する。車載装置1は更に、例えば通信ケーブルを含むワイヤーハーネス等を介して複数の車載機器8と接続されており、これら複数の車載機器8間の通信を中継する。すなわち、車載装置1は、複数の車載機器8に電力を分配して中継すると共に、複数の車載機器8間の通信を中継する電力通信中継装置(PLB:Power Lan Box)として機能する。詳細は後述するが、車載装置1は、電力及び通信の中継装置として機能するにあたり、当該車載装置1に含まれる電源基板2、配電基板7及び通信制御基板100を、各機能に応じた機能別基板として別個に構成した機能レイヤ構造を有する。これにより、それぞれの基板の組み合わせを可能とし、車種に応じて、自装置に接続される車載機器8に対し効率的に対応することができる。更に車載装置1は、自装置に接続される車載機器8の種類及び個数に応じ、当該車載機器8の電源仕様に対応したセル基板5を着脱自在に装着することができる。従って、車載装置1が搭載される車種により、当該車載装置1に接続される車載機器8の種類及び個数が変動した場合であっても、車載装置1に装着するセル基板5の種類及び個数を選択することにより、当該車載装置1をこれら複数の車種に対し、共通して適用(共通部品化)することができる。
電源装置9は、鉛バッテリ又はオルタネータであり、例えば12Vの直流電圧を印加(出力)する。又は、電源装置9は、所定の電圧に降圧するDCDCコンバータを介して接続されるリチウムイオン電池等の高圧蓄電装置であてもよい。
車載装置1に接続される車載機器8は、車載ECU81(Electronic Control Unit)及び車載負荷82を含む。車載ECU81は、制御部、記憶部及び通信部を含み、対応する車載装置1を制御するための演算処理を行うコンピュータである。車載負荷82(ACT)は、例えば、ランプ、モータ、カーエアコン又はドアスイッチ等のアクチュエータ、又はCMOSカメラ、LiDAR等のセンサーであってもよい。車載ECU81又は車載負荷82等の車載機器8には、電源装置9から出力される電力が、車載装置1を介して供給される。
車載装置1は、外郭を成す筐体11と、当該筐体11に収納される電源基板2、配電基板7、及び通信制御基板100を備える。筐体11は、例えば、樹脂製の矩形状の箱体である。
電源基板2は、電源入力コネクタ21を介して電源装置9と電気的に接続されている。電源基板2と配電基板7とは、それぞれに設けられた基板間コネクタ6によって、電気的に接続されている。配電基板7は、出力コネクタ71を介して車載ECU81又は車載負荷82等の車載機器8と電気的に接続されている。
電源基板2の実装面には、電源入力コネクタ21、複数のスロット4、当該スロット4に装着(挿入)されたセル基板5、隣接するスロット4間に位置するバスバー3、及び基板間コネクタ6が、設けられている。電源入力コネクタ21には電源線91が接続され、車載装置1と電源装置9とは電気的に接続される。
バスバー3は、例えば銅等の導電性の高い金属製の板状を成す導電部材である。バスバー3は、電源入力コネクタ21及び全てのスロット4に接続されている。バスバー3は、隣接するスロット4の間に位置し、電源基板2の実装面から突出して設けられている。
スロット4は、上述のとおりバスバー3と電気的及び熱的に接続しており、更に、電源装置9から出力される電流の流れ方向における下流側に位置する基板間コネクタ6と電気的に接続している。スロット4は、電源基板2の実装面から突出して設けられた突設部位から成り、当該スロット4には、セル基板5が装着(挿入)される。セル基板5がスロット4に挿入されることにより、セル基板5とスロット4とは電気的及び熱的に接続され、当該セル基板5には、電源装置9から出力される直流電圧が印加される。
スロット4に装着されるセル基板5の種類及び個数は、車載装置1が搭載される車種に応じた車載機器8の種類及び個数に基づき、決定される。従って、電源基板2に設けられたスロット4は、セル基板5が装着された装着済みスロット4と、セル基板5が装着されていない空きスロット4とを、含む。当該空きスロット4は、生産された車両Cが市場に出荷された以降、当該車両Cにオプション品等の車載装置1が追加搭載される場合に用いることができる。すなわち、複数のスロット4の内の空きスロット4を用いて、追加搭載される車載装置1の電源仕様に応じたセル基板5を追加装着し、当該車載装置1の追加搭載に柔軟に対応することができる。スロット4及びセル基板5の詳細は、後述する。電源基板2に設けられた基板間コネクタ6は、例えばメス型であり、全てのスロット4と電気的に接続されている。
配電基板7の実装面には、複数の出力コネクタ71、及び基板間コネクタ6が、設けられている。配電基板7に設けられた基板間コネクタ6は、例えばオス型である。配電基板7に設けられた基板間コネクタ6と、電源基板2に設けられた基板間コネクタ6とが、嵌合することにより、配電基板7と電源基板2とは、電気的に接続される。
出力コネクタ71には、例えばワイヤーハーネスが接続され、当該ワイヤーハーネスを介して、車載装置1と、車載ECU81及び車載負荷82等の車載機器8とは、電気的に接続される。
電源基板2及び配電基板7は、共に矩形状を成し、同形状であってもよい。電源基板2と、配電基板7とは、互いに実装面同士を対向し、積層されて筐体11の内部に収納されている。電源基板2及び配電基板7の実装面同士を対向させるにあたり、電源基板2の実装面におけるスロット4が設けられる領域と、配電基板7実装面における出力コネクタ71が設けられる領域とは異ならせて、すなわちこれら領域が重ならないように電源基板2及び配電基板7は積層されている。従って、積層された電源基板2及び配電基板7において、電源基板2のスロット4と、基板実装面の出力コネクタ71とが、互いに干渉することを防止することができる。これにより、積層されて配置される配電基板7及び電源基板2による幅、すなわち車載装置1の高さ(製品高さ)を小さくすることができ、車載装置1の小型化を図ることができる。
通信制御基板100は、配電基板7等と同様に矩形状を成し、通信制御基板100の実装面には、複数の通信ポート104及び基板間コネクタ6と、例えばマイコン等として構成(モジュール化)される制御部101、中継部102及び記憶部103とが、設けられている。
通信制御基板100と、配電基板7とは、基板間コネクタ6によって電気的に接続されている。通信制御基板100の基板間コネクタ6は、制御部101等が実装されている実装面に設けられている。通信制御基板100の基板間コネクタ6に接続される配電基板7の基板間コネクタ6は、出力コネクタ71が実装される実装面の裏面に設けられている。すなわち、電源基板2と通信制御基板100との間に介在する配電基板7は、実装面と、当該実装面の裏面との両面のそれぞれに、基板間コネクタ6が設けられている。通信制御基板100の実装面に設けられている基板間コネクタ6と、配電基板7の実装面の裏面に設けられている基板間コネクタ6とを篏合することにより、通信制御基板100の実装面と、配電基板7の実装面の裏面とが対向して、通信制御基板100及び配電基板7は積層される。
電源基板2、配電基板7、及び通信制御基板100は、この順番に積層されて設けられている。すなわち、配電基板7は、電源基板2と通信制御基板100との間に介在して設けられており、電源基板2及び通信制御基板100によって挟持される。電源基板2、配電基板7、及び通信制御基板100は、上述のとおり、これら基板それぞれの実装面等に設けられた基板間コネクタ6同士が篏合することより、電気的に接続される。
各基板において、出力コネクタ71が設けられている配電基板7の発熱量は、電気部品が設けられている電源基板2、及び制御部101等が設けられている通信制御基板100の発熱量よりも少ない。すなわち、電源基板2、配電基板7、及び通信制御基板100において、配電基板7は、最も発熱量が少ない基板である。従って、電流が流れる際の発熱量が最も少ない配電基板7を内側に配置し、配電基板7よりも発熱量の多い電源基板2及び通信制御基板100を外側に配置し、当該電源基板2及び通信制御基板100からの発熱を効率的に車載装置1の外部に放熱することができる。更に、電源基板2及び通信制御基板100によって配電基板7を挟み込むことにより、通信制御基板100と配電基板7との間の内部バスの配策を簡素化し、電源基板2、配電基板7及び通信制御基板100を電気的に接続するための接続ピンの本数を削減することができる。
本実施形態において、車載ECU81と通信可能に接続するための通信ポート104は、通信制御基板100の実装面に設けられるとしたが、これに限定されない。当該通信ポート104は、配電基板7の実装面に設けられる出力コネクタ71の一部として構成されるものであってもよい。すなわち、配電基板7の実装面に設けられる出力コネクタ71は、車載ECU81に電力を供給するための電力端子と、通信ポート104とを含む複合コネクタとして構成され、当該通信ポート104と、通信制御基板100の中継部102とは基板間コネクタ6を介して電気的に接続されるものであってもよい。
図3は、通信制御基板100の構成を示すブロック図である。通信制御基板100の実装面には、制御部101、中継部102、記憶部103、及び通信ポート104が設けられており、制御部101、中継部102及び記憶部103は内部バスにより電気的に接続されている。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部103に予め記憶されたプログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行うようにしてある。制御部101は、プログラム等を実行することにより、CAN又はLINゲートウェイ、レイヤ3スイッチ(TCP/IP)として機能し、中継に関する制御を行うものであってもよい。制御部101は、電源基板2に実装されるセル基板と、基板間コネクタ6及び内部バスで電気的に接続され、セル基板に対し制御信号を出力するものであってもよい。
中継部102は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASCI(Application Specific Integrated Circuit)等によるICチップにより構成され、FPGA等の回路構成(中継回路)に基づき中継に関する制御を行うCAN又はLINトランシーバ、レイヤ2スイッチとして機能するものであってもよい。中継部102には、他の車載装置1(PLB)、又は車載装置1(車載ECU81)と通信するための通信ポート104が、内部バス等を介して接続される。
通信ポート104は、イーサネット(登録商標)用ポート又はCAN用ポートであり、自装置(車載装置1)に接続される、他の車載装置1(PLB)又は車載装置1(車載ECU81)との通信プロコトルに応じたイーサネットケーブル又はCANバス等の通信線110が接続される。
記憶部103は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子又は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、通信データの中継用のプログラム、自装置に接続される車載機器8の制御用のプログラム、及び処理時に参照するデータが予め記憶してある。記憶部103に記憶されたプログラムは、制御部101が読み取り可能な記録媒体(図示せず)から読み出された制御プログラムを記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラムをダウンロードし、記憶部103に記憶させたものであってもよい。更に、記憶部103には、中継制御を行うにあたり、通信プロトコルに基づき規定される経路情報(ルーティングテーブル)に関する情報が、記憶されるものであってもよい。
本実施形態において制御部101及び中継部102を別個の機能部として説明したがこれに限定されず、例えば、制御部101及び中継部102が一体化されたSOC(System on a chip)により、中継制御及び、自装置に接続される車載機器8の制御に関する処理を行うものであってもよい。又は、制御部101、中継部102及び記憶部103は、これらが一体となってパッケージ化されたマイクロコンピュータ等によって構成されるものであってもよい。制御部101又は中継部102は、イーサネット、CAN及びLIN等の異なるプロトコル間の変換処理(プロトコル変換)を行うものであってもよい。
図4は、電源基板2におけるセル基板の装着態様を略示する説明図である。図5は、電源基板2におけるバスバーの実装態様を略示する説明図である。本実施形態における図示において、電源基板2に設けられた全てのスロット4に対しセル基板5を装着した状態が、示されている。矩形状を成す電源基板2に対し、複数のスロット4は、長手方向及び短手方向に等配して設けられている。これら複数のスロット4にセル基板5を装着することにより、装着されたセル基板5も、スロット4と同様に等間隔で並べて実装することができ、スロット4及びセル基板5の実装密度を向上させることができる。
電源入力コネクタ21と、全てのスロット4とを接続するバスバー3は、隣接するスロット4間に位置する主ライン31と、当該主ライン31から個々のスロット4に対し分岐する分岐ライン32とを含む。主ライン31は、電源基板2の実装面において、電源入力コネクタ21側の縁部を基点とし、反対側の縁部を終点として、複数回、曲折してクランク状を成し、隣接するスロット4間に位置するように設けられている。
主ライン31において、個々のスロット4に近接する部位からは、分岐ライン32が分岐して設けられており、当該分岐ライン32は、対応するスロット4に接続される。これにより、バスバー3は、電源基板2に設けられているスロット4の個数に応じて分岐された並列回路を構成する。従って、電源基板2に設けられた全てのスロット4に対し、電源装置9から出力される電圧が印加されるものとなる。
図6は、セル基板及びスロットの要部を略示する側断面図である。バスバー3は基端とする電源基板2から突出して設けられており、当該バスバー3の先端には、放熱部34が設けられている。すなわち、バスバー3は、電源基板2から突出する板状の突出部33と、当該突出部33の先端部に設けられる板状の放熱部34とを含み、突出部33と放熱部34とによりT字状を成す。本実施形態における図示においては、突出部33はT字状の縦辺部に相当し、放熱部34はT字状の横辺部に相当する。バスバー3をT字状に形成することにより、バスバー3の放熱面積を増加させ、放熱効率を向上させることができる。T字状を成すバスバー3において、放熱される部位は放熱部34のみならず、突出部33からも放熱されることは、言うまでもない。
放熱部34はバスバー3の一部としたが、これに限定されない。放熱部34は、バスバー3の先端に接合された絶縁部材により構成されるものであってもよい。絶縁部材により構成される放熱部34は、例えば高熱伝導性PPS(ポリフェニレンスルファイド)等の伝熱性の高い樹脂製の絶縁部材であり、超音波溶着又は熱伝導性が高い接着剤により、バスバー3の先端に接合され、放熱部34及びバスバー3は熱的に接続される。この場合、バスバー3及び絶縁部材はT字状を成し、バスバー3の突出部33はT字状の縦辺部に相当し、絶縁部材はT字状の横辺部に相当する。放熱部34として樹脂製を用いることにより、部品重量を低減し、車載装置1の軽量化を図ることができる。
バスバー3の主ライン31に接続される分岐ライン32(基板銅パターン)は、電源基板2に形成されたスルーホール等の孔部に挿通されている入力側導電部43(スロット4)に接続される。これにより、バスバー3(主ライン31)と、スロット4(入力側導電部43)に接続されるセル基板5とは、分岐ライン32(基板銅パターン)を介して導通する。セル基板5からの発熱は、分岐ライン32(基板銅パターン)を介してバスバー3に伝熱し、当該バスバー3の放熱部34から放熱される。バスバー3の主ライン31、及びスロット4の入力側導電部43は、例えば電源基板に設けられたスルーホールに挿通され、実装面の反対側となる裏面から、それぞれの端部が突出している。当該裏面から突出している端部それぞれと、裏面とは、例えば半田付けがされているものであってもよい。
スロット4は、2つの挟持辺41(セルハウジング)と、当該2つの挟持辺41の内側に設けられる入力側導電部43及び出力側導電部44とを含む。入力側導電部43及び出力側導電部44は、例えば銅製の板状の導電板であり、対向して設けられている。入力側導電部43はバスバー3の分岐ライン32と接続され、出力側導電部44は基板間コネクタ6に接続されている。入力側導電部43及び出力側導電部44は、装着されたセル基板5を保持する保持部42として機能する。すなわち、スロット4に含まれる保持部42は、入力側導電部43及び出力側導電部44により構成される。入力側導電部43及び出力側導電部44において、当該対向しているそれぞれの面には、例えば、半円状又は凸状の突起部が設けられており、これら突起部によって、装着されたセル基板5は押圧され、スロット4内に保持される。
2つの挟持辺41は、板状を成し、電源基板2の実装面から突出して設けられている。2つの挟持辺41は、装着されたセル基板5を、入力側導電部43及び出力側導電部44と共に、挟持する。
セル基板5は、リレー又はヒューズ等の電気部品52、当該電気部品52が実装される板部51を含み、当該板部51には導電体53が設けられている。当該電気部品52に電流が流れることにより発熱し、発生した熱は、スロット4の入力側導電部43及びバスバー3に伝熱し、放熱部34を含むバスバー3から放熱される。
導電体53は、例えば、ランド、配線パターン、又はリード線等により構成され、セル基板5に含まれる電気部品52を導通する。導電体53は、セル基板5がスロット4に装着された状態において、スロット4に含まれる入力側導電部43に接触する部位と、出力側導電部44に接触する部位とを含む。本実施形態における図示のとおり、セル基板5がスロット4に装着されることにより、入力側導電部43に接触する導電体53の部位には、当該セル基板5に入力される入力電流が流れ、出力側導電部44に接触する導電体53の部位には、当該セル基板5から出力される出力電流が流れる。
セル基板5から出力された出力電流は、スロット4の出力側導電部44及び基板間コネクタ6を介し配電基板7に流れ、当該スロット4に対応する出力コネクタ71を介して、当該出力コネクタ71に接続されている車載機器8に出力される。当該出力コネクタ71は、例えば、1.0型又は1.5型等にて規格化されたものであってもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
C 車両
1 車載装置(PLB)
11 筐体
2 電源基板
21 電源入力コネクタ
3 バスバー
31 主ライン
32 分岐ライン
33 突出部
34 放熱部
4 スロット
41 挟持辺
42 保持部
43 入力側導電部
44 出力側導電部
5 セル基板
51 板部
52 電気部品
53 導電体
6 基板間コネクタ
7 配電基板
71 出力コネクタ
8 車載機器
81 車載ECU
82 車載負荷(ACT)
9 電源装置
91 電源線
100 通信制御基板
101 制御部
102 中継部
103 記憶部
104 通信ポート
110 通信線

Claims (5)

  1. 車両に搭載される電源装置から供給される電力を、複数の車載機器に分配する車載装置であって、
    前記電源装置に接続される電源入力コネクタが設けられる電源基板と、
    前記車載機器に対し、分配した電力を出力する出力コネクタが設けられた配電基板と、
    前記車載機器と通信可能に接続するための通信ポートが設けられた通信制御基板とを備え、
    前記配電基板は、前記電源基板と前記通信制御基板との間に介在して挟持され、自装置に接続される前記車載機器に応じて取り換え可能に設けられている
    車載装置。
  2. 前記電源基板は、自装置に接続される前記車載機器の電源仕様に応じた電気部品が実装される実装面を含み、
    前記配電基板は、前記出力コネクタが実装される実装面を含み、
    前記電源基板の実装面における前記電気部品が実装される領域と、前記配電基板の実装面における前記出力コネクタが実装される領域とを異ならせて、前記配電基板及び前記電源基板は、互いの実装面を対向させて設けられている
    請求項1に記載の車載装置。
  3. 前記配電基板と、前記電源基板及び前記通信制御基板とは、基板間コネクタにより電気的に接続されており、
    前記基板間コネクタは、前記配電基板、前記電源基板及び前記通信制御基板のそれぞれの実装面に設けられている
    請求項1又は請求項2に記載の車載装置。
  4. 前記電源基板には、前記車載機器の電源仕様に応じたセル基板が着脱自在に装着される複数のスロットが設けられている
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載装置。
  5. 前記セル基板は、前記スロットに装着される板部と、前記板部の実装面に実装される電気部品とを有し、
    前記電気部品は、リレー及びヒューズの少なくともいずれか一つを含む
    請求項4に記載の車載装置。
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