JP2022106626A - 消臭液及び消臭方法 - Google Patents

消臭液及び消臭方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022106626A
JP2022106626A JP2021001757A JP2021001757A JP2022106626A JP 2022106626 A JP2022106626 A JP 2022106626A JP 2021001757 A JP2021001757 A JP 2021001757A JP 2021001757 A JP2021001757 A JP 2021001757A JP 2022106626 A JP2022106626 A JP 2022106626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deodorant
odor
liquid
compost
shredded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021001757A
Other languages
English (en)
Inventor
勉 伊堂
Tsutomu Ido
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EI CO Ltd
Original Assignee
EI CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EI CO Ltd filed Critical EI CO Ltd
Priority to JP2021001757A priority Critical patent/JP2022106626A/ja
Publication of JP2022106626A publication Critical patent/JP2022106626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

【課題】臭気を発生する有機物を安定して消臭された状態とすること。【解決手段】本発明の一実施形態である消臭液は、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有する第1世代の消臭剤と水との混合物に、エアレーション処理を施して取得される。【選択図】図1

Description

本発明は、消臭対象物を消臭する消臭液及び消臭方法に関する。
牛舎、豚舎、鳥舎等の畜舎においては家畜から大量の糞が発生しており、日本全体で1年間に発生する家畜排せつ物の量は約8千万トンと推計されている。この家畜の糞は野積みされることもあるが、悪臭を放つことや土壌汚染につながることから、堆肥化、乾燥処理、スラリー処理等も行われている。
近年、家畜の糞の処理方法として様々な方法が開発されてきた。たとえば、豚糞を嫌気的条件及び好気的条件の交互に繰り返された条件下に保存した後、光合成細菌、酵母及び糸状菌から選ばれる少なくとも1種の微生物を添加し、好気的条件下で発酵させて豚糞肥料を製造する方法(特許文献1参照)や、木材を破砕して得られた木材破砕物と樹皮を破砕して得られた樹皮破砕物であって、それらの少なくとも一方の細長比が2~20の細長形状を有するものを含む前記木質細片を含んで構成された糞尿処理基材で処理する方法(特許文献2参照)や、家畜排せつ物と動植物性残渣とを、木質チップを含む副資材を用いた1次発酵及び2次発酵を連続して行い、完熟堆肥化を進める堆肥化処理方法(特許文献3参照)が知られている。
ところで、近年、牛や豚等の糞便を利用したバイオマス発電が実現されている。このようなバイオマス発電においては、バイオガスを発生させた後の廃液を液肥として用いることが試みられている。
特開2001-80980号公報 特開2008-229622号公報 特開2005-41738号公報
しかしながら、バイオガスを発生させた後の廃液は、強い臭気を発生するものであるため、液肥として直ちに利用することが困難な場合がある。
そのため、バイオガスを発生させた後の廃液を安定して消臭された状態とするための技術が求められている。
なお、このような課題は、バイオガスを発生させた後の廃液を液肥として利用する場合のみならず、強い臭気を発生する有機物を利用あるいは処理する上で、共通するものである。
本発明の課題は、臭気を発生する有機物を安定して消臭された状態とすることである。
本発明者らは、家畜の糞から作製した動物質堆肥に植物の細断物を混合したもの等を、消臭対象の糞便に加え、水を加えてエアレーション処理することで、臭気を発生する有機物を消臭可能な消臭液を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有する第1世代の消臭剤と水との混合物に、エアレーション処理を施して取得される消臭液。
(2)(1)に記載の消臭液によって消臭処理された処理物を含む第2世代の消臭剤と水との混合物に、エアレーション処理を施して取得される消臭液。
(3)(1)または(2)に記載の消臭液によって消臭処理された処理物を含む第n世代(nは3以上の整数)の消臭剤と水との混合物に、エアレーション処理を施して取得される消臭液。
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
前記エアレーション処理を24時間以上施されることにより、消臭効果を生じる状態となっていることを特徴とする消臭液。
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
前記エアレーション処理を1週間以上施され、開封容器に保存した状態で臭気が再発生しないことを特徴とする消臭液。
(6)(1)から(5)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
前記エアレーション処理を1ヶ月以上施され、密閉容器に保存した状態で臭気が再発生しないことを特徴とする消臭液。
(7)(1)から(6)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
前記第1世代の消臭剤は、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有することを特徴とする消臭液。
(8)(1)から(7)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
糞便が家畜糞であることを特徴とする消臭液。
(9)(1)から(8)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
家畜糞が、豚の糞であることを特徴とする消臭液。
(10)(1)から(9)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
動物質堆肥に対してススキ科又はキク科植物の細断物を1~40重量%含有することを特徴とする消臭液。
(11)(1)から(10)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
動物質堆肥が、家畜糞を20日以上発酵させた堆肥であることを特徴とする消臭液。
(12)(1)から(11)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
動物質堆肥が、完熟した動物質堆肥であることを特徴とする消臭液。
(13)(1)から(12)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
ススキ科又はキク科植物の細断物が、乾燥したススキ科又はキク科植物の細断物であることを特徴とする消臭液。
(14)(1)から(13)のいずれか1項に記載の消臭液であって、
ススキ科又はキク科植物の細断物が、ススキ属植物又はタケ亜目植物の細断物であることを特徴とする消臭液。
(15)(1)から(14)のいずれか1項に記載の消臭液と消臭対象物との混合物に、エアレーション処理を施すことを特徴とする消臭方法。
(16)(15)に記載の消臭方法であって、
前記消臭対象物は、バイオマス発電の廃水であることを特徴とする消臭方法。
本発明によれば、臭気を発生する有機物を安定して消臭された状態とすることが可能となる。
本発明における消臭液の生産工程を示すフローチャートである。 参考例2において、塊状になった糞の写真を示す図である。 参考例3において、成長豚の糞に対して生の笹を加えた状態の写真を示す図である。 実施例2において、子豚の糞に豚の糞堆肥、乾燥した雑草を加えた状態の写真を示す図である。 実施例3において、子豚の糞に豚の糞堆肥、乾燥した竹チップを加えた状態の写真を示す図である。 有機消臭土と水との混合物を示す模式図である。 用意されたサンプル1~3を示す模式図である。 実験中のサンプル1~3の様子を示す模式図である。 実験開始9日後のサンプル1~3の様子を示す模式図である。 エアレーションの条件を検証するための実験の様子を示す模式図である。 水棲生物用のエアレーションに切り替えた後のサンプルの様子を示す模式図である。 追加実験の様子を示す模式図である。 追加実験の比較実験の様子を示す模式図である。 災害時用のトイレに有機消臭土を適用した例を示す模式図である。 排尿・排便後に有機消臭土を混ぜて攪拌した状態を示す模式図である。 菌床に有機消臭土を適用した例を示す模式図である。 ペットの排便・排尿に有機消臭土を適用した例を示す模式図である。
本発明の消臭液は、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有する混合体の発酵物を消臭効果の誘因物として含有する消臭剤(以下、「有機消臭土」ともいう。)と水との混合物に対し、エアレーショ処理を施して得られるものであり、さらに、この消臭液によって消臭された処理物を消臭効果の誘因物としてさらに利用することができる。
即ち、本発明においては、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有する混合体の発酵物を消臭効果の誘因物として含有する第1世代の消臭剤(有機消臭土)と水との混合物に対し、エアレーション処理を施して得られるものが第1世代の消臭液となる。また、第1世代の消臭液を用いて消臭された処理物を消臭効果の誘因物として含有する第2世代の消臭剤と水との混合物に対し、エアレーション処理を施して得られるものが第2世代の消臭液となる。以降、同様の工程で消臭液を得ることができ、本発明においては、第n世代(nは自然数)の消臭液を用いて消臭された処理物を消臭効果の誘因物として含有する第n世代の消臭剤と水との混合物に対し、エアレーション処理を施して得られるものが第n+1世代の消臭液となる。
以下、本発明における消臭液の生産工程について説明する。
[消臭液の生産工程]
図1は、本発明における消臭液の生産工程を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明における消臭液の生産工程は、消臭剤の生産工程(ステップS1)と、混合物を取得する混合工程(ステップS2)と、混合物をエアレーション処理するエアレーション工程(ステップS3)と、を含む。
[消臭剤の生産工程]
消臭剤の生産工程では、第1世代の消臭液が生産される場合、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有する混合体の発酵物を消臭効果の誘因物として含有する第1世代の消臭剤が生産される。また、第n+1世代の消臭液が生産される場合、第n世代の消臭液を用いて処理物を消臭することにより、第n+1世代の消臭剤が生産される。
第1世代の消臭液を生産するための消臭剤(第1世代の消臭剤)は、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有するものであればよく、消臭対象は家畜の糞やヒトの便である。上記家畜としては、ヒトが飼育して利用する獣類又は家禽類であれば特に制限されないが、豚、牛、鳥、馬、犬、猫、羊、ヤギ、ロバ等を挙げることができ、好ましくは豚、牛、鳥を挙げることができ、より好ましくは豚、さらに好ましくは子豚を挙げることができる。なお、本明細書において、「成長豚」とは生後3カ月以上の豚を意味し、「子豚」とは生後3カ月未満の豚を意味する。
本明細書において「動物質堆肥」としては、豚、牛又は鳥等の上記家畜の糞を少なくとも20日以上、好ましくは1ヶ月以上、より好ましくは3ヶ月以上発酵させた堆肥を意味する。かかる発酵させる方法としては特に制限されないが、家畜糞を堆積若しくは放置する方法や、撹拌装置等を用いて撹拌する方法を挙げることができる。必要に応じて、微生物の添加、通気調整、水分調整、温度調整、塩類濃度調整等を行ってもよい。また、上記動物質堆肥としては、完熟した動物質堆肥であることが好ましい。前記完熟した動物質堆肥とは、易分解性有機物が分解されており、アンモニア臭が人感でほぼなくなった動物質堆肥を意味する。
本明細書において「ススキ科植物」としては、ススキ等のススキ属植物や、タケ、笹等のタケ亜目植物を挙げることができる。また、「キク科植物」としては、たんぽぽ等のタンポポ亜科植物、キク、ヨモギ、ひまわり、ハハコグサ等のキク亜科植物、ブタクサ等のブタクサ属植物、アザミ等のアザミ亜科植物を挙げることができる。また、ススキ科又はキク科植物の細断物として、複数種のススキ科又はキク科植物の細断物を混合して用いても良い。なお、「オガクズ」、「米糠」、「もみ殻」、「小麦粉」、「コーヒー残渣」、「みかんの皮」では効果がないことが確認された。
用いる植物の部位としては、植物の葉、茎、根、枝、種子、果実等の植物体のいずれの部位でもよく、これらの混合物でもよいが、植物の葉又は茎であることが好ましい。
本明細書において「植物の細断物」としては、植物を細断して得られたものであればよく、細断物の長さとしては、0.1~20cm、好ましくは0.5~10cm、より好ましくは1~5cmを挙げることができる。また、上記細断物には、粉末、破砕物も含まれる。上記細断方法としては、カッター、はさみ、ミキサーを用いる方法を挙げることができる。
上記植物の細断物としては乾燥した植物の細断物であることが好ましい。乾燥した植物とは、乾燥する植物の種類に応じて適宜調整できるが、たとえば水分を25%以上、30%以上、あるいは60%以上除去した乾燥植物の細断物を挙げることができる。ただし、竹のように、もともと水分含量が少ない植物の場合には、竹の細断物自体を乾燥植物の細断物として用いても良い。ここで、例えば「水分を25%以上除去したススキ属植物又はキク科植物」とは、乾燥処理前の植物の水分含有量を100とした場合に、植物中の水分含有量を25以上除去したススキ属植物又はキク科植物、換言すれば乾燥処理前の植物の水分含有量を100とした場合に、水分含有量が75未満となるように乾燥させたススキ属植物又はキク科植物を意味する。植物を乾燥する方法としては、マイクロ波を照射して植物を乾燥するマイクロ波乾燥、太陽の光を利用して植物を乾燥する天日乾燥、風通しを確保した室内に放置することにより植物を乾燥させる自然乾燥、送風設備を有する乾燥室内で、例えば40~100℃の送風下に植物を曝す加熱送風乾燥、常温の送風下に植物を曝す常温送風乾燥等を挙げることができる。なお、乾燥植物の細断物は、乾燥した植物を細断しても、植物を細断した後に乾燥させてもよい。乾燥した植物を用いることで、空隙での悪臭成分の吸着、消臭に関わる微生物に対する適度な酸素の供給、家畜糞における水分含量の調整が可能となる。乾燥した植物の細断物の含水率は0.1~60重量%以下を挙げることができ、上限としては50重量%以下、40重量%以下、30重量%でもよく、下限としては1重量%以上、5重量%以上でもよい。
動物質堆肥に対するススキ科又はキク科植物の細断物の含有量としては、動物質堆肥に対して1~40重量%、好ましくは2~30重量%、より好ましくは3~25重量%を挙げることができる。
動物質堆肥における水分含量としては特に制限されないが、好ましくは10~40%、より好ましくは25~35%を挙げることができる。
本発明の糞便の消臭方法としては、消臭対象の糞便に上記糞便の消臭剤を加える方法であればよく、上記糞便の消臭剤を加えた後に消臭対象の糞便を撹拌する方法や、消臭対象の糞便に上記糞便の消臭剤を載せる方法を挙げることができ、上記糞便の消臭剤を加えた後に消臭対象の糞便を撹拌することが好ましい。攪拌する方法としては、攪拌装置を用いる方法や、切り返しを行う方法等を挙げることができる。なお、本発明の糞便の消臭方法によって得られた消臭処理堆肥は、そのまま堆肥として用いることが可能であるほか、糞便に対して本発明の糞便の消臭剤としての条件を満たす限り、糞便の消臭剤として用いることが可能である。
消臭効果を高めるために、上記糞便の消臭剤を加えてから12時間以上、好ましくは24時間以上、さらに好ましくは40時間経過後にカテキン類を含有する植物の細断物を加えることが好ましい。カテキン類を含有する植物の細断物を糞便の消臭剤を加えてから12時間以上経過後に加え、必要に応じて攪拌することで、消臭処理初期におけるカテキン類による微生物の生育、換言すれば発酵への影響を低減し、かつ悪臭、特にアンモニア等の窒素系揮発成分を主体とする悪臭をより効果的に抑制することが可能となる。
カテキン類を含有する植物の細断物としては、ツバキ科の植物の細断物を挙げることができ、茶(Camellia sinensis var sinensis、var assamica)の葉の細断物を挙げることができる。茶葉としては乾燥した茶葉であることが好ましく、かかる乾燥した茶葉は、上記植物を乾燥する方法と同様の方法で得ることができる。
消臭対象の糞便の水分含量としては特に制限されないが、好ましくは20~50%、より好ましくは30~40%を挙げることができる。なお、家畜糞には、尿が混ざっていてもよい。
消臭対象の糞便に対する、上記糞便の消臭剤におけるススキ科又はキク科植物の細断物の含有量としては、消臭対象の糞便に対して0.5~30重量%、好ましくは2~20重量%、より好ましくは3~15重量%を挙げることができる。また、消臭対象の糞便に対する、カテキン類を含有する植物の細断物の含有量としては、消臭対象の糞便に対して0.5~30重量%、好ましくは2~20重量%、より好ましくは4~10重量%を挙げることができる。
加える糞便の消臭剤の量は、消臭対象の糞便に対して3~300重量%、好ましくは30~250重量%、より好ましくは100~200重量%を挙げることができる。
本発明の消臭資材セットとしては、第一資材として上記糞便の消臭剤と、第二資材としてカテキン類を含有する植物の細断物を有し、第一資材と第二資材がそれぞれ個別に梱包されて組み合わされている消臭資材セットであればよく、かかる第一資材と第二資材を用いて、上記糞便の消臭方法を実施することが可能となる。なお、第一資材と第二資材がそれぞれ個別に梱包されているのは、第一資材と第二資材を同時に使用するよりは、消臭対象の糞便に対して第一資材を加えて、所定の時間後に第二資材を加えた方が消臭効果を向上させることができ、第一資材と第二資材とを、時間をずらして使用できるようにするためである。
第二資材の量は、第一資材に対して1~100重量%、好ましくは10~80重量%を挙げることができる。
以下、実施例により本発明の実施に用いられる消臭剤(有機消臭土)について、より具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、以下の参考例、実施例において臭気を測定する場合、測定対象の糞をおよそ3秒間攪拌し、その後3秒程度待って臭気が落ち着いた状態の糞の表面を臭気計(神栄テクノロジー株式会社製 ハンディにおいモニター OMX-ADM)で測定した。臭気は0(臭気がない状態)~999(臭気が極めて強い状態)で計測される。なお、計測値が「0」でなくても、およそ100以下の状態であると、臭気がない状態(以下では、消臭された状態、消臭されている状態、消臭効果を生じる状態又は消臭効果を生じている状態等と表現する場合もある)にあると言って良い。
[参考例1]
子豚の糞350gに笹10g、ススキ10gを加えて混合した(1日目)。次に、表1にあるように2日目以降に長さ0.1~5cm以内に細断した茶葉を加えて混合した。臭気計によって上述の方法で1日目から6日目まで毎日臭気を計測した。なお、笹、ススキは、細断した生の(未処理の)状態を市販の電子レンジで500W、2分で3回ほど加熱し、加熱前と比較して笹は38%、ススキは32%の重量となるように乾燥させたもの、茶葉は市販の茶葉を細断したものを用いた。
Figure 2022106626000002
No.1~5のいずれも、1日目から6日目で臭気計による測定値は999であり、測定者の人感でも糞の臭いが感じられ、糞便に笹、ススキ、茶葉を投与するだけでは消臭効果はみられなかった。
[参考例2]
参考例1において消臭効果がなかったのは、乾燥したそれぞれの細断物と糞とが分離することが原因ではないかと考えられた。そこで、豚の糞に動物質堆肥として豚糞の堆肥(豚の糞2kgを30日以上陶器製容器に堆積して発酵させて得られた堆肥)を加えて実験を行った。
表2に示すように、豚の糞に上記豚糞の堆肥を加えて、1日目、4日目、7日目に臭気計で臭気を測定した。測定結果は表3に示す。なお、測定値で「250~750」等のように幅を有しているのは、測定値が一定の値に安定せず、幅を持って臭気計における数値が表示されている状態である。
Figure 2022106626000003
Figure 2022106626000004
表3に示すように、3日目~7日目には消臭計による測定値で成長豚及び子豚の一部で消臭効果がみられたが、人感では臭いが残っていた。その後消臭効果が低減し、9日目には消臭計による測定値で消臭効果がほぼなくなると共に、人感でも強い臭いが感じられた。また、9日目には、消臭対象の糞が図2に示すように塊状となっていた。したがって、堆肥を加えることで消臭効果が少し見られるものの、その効果は一時的なものに過ぎなかった。
[参考例3]
参考例2において9日目には消臭効果がほとんどなかった原因として、加えた「豚糞の堆肥」により豚糞の水分を吸着しすぎて、糞と「豚糞の堆肥」の混合物が固まってしまったことが考えられた。そこで、まずは水分を含有している状態の生の笹又は生の茶葉を加えて消臭効果を調べた。
表4に示すように、成長豚又は子豚の糞350gに対して「生の笹15g」又は「生の笹15g及び生の茶葉40g」を加えて2日目及び14日目に臭いを上記臭気計で測定した。その結果、表5に示すように測定値は999であり、人感でも強い臭いが残っていて、2日目及び14日目のいずれにおいても消臭効果はみられなかった。したがって、豚の糞に水分を含有する生の笹又は茶葉のみを加えても消臭効果はみられないことが確認された。なお、No.3の1日目の状態の写真を図3に示す。
Figure 2022106626000005
Figure 2022106626000006
[参考例4]
参考例3においては生の笹又は生の茶葉を用いたが、乾燥させた植物を用いて同様に消臭効果について調べることとした。植物として雑草のタンポポ、よもぎ、ドクダミ、枯葉を用いて以下の表6の割合で糞と混合し、臭いを臭気計により測定した。結果を表7に示す。なお、タンポポ、よもぎ、ドクダミは60℃の温風で2時間処理し、加熱前と比較してそれぞれおよそ19%の重量、水分含量が30%以下となるように乾燥したものを用いた。
Figure 2022106626000007
Figure 2022106626000008
表7に示すように、臭気計による測定値でいずれも全く消臭効果が見られなかった。人感でも臭いは残っていた。また、ドクダミと枯葉は7日目以降、糞が固まり状となっていた。かかる結果から、堆肥なしで雑草のみを加えても消臭効果は十分ではないことが確認された。
[参考例5]
参考例3における生の笹又は生の茶葉、参考例4における雑草の代わりに、竹チップを用いて同様の実験を行った。竹チップとしては生の竹チップ(乾燥処理なし)と、竹チップを電子レンジで500W、2分間を2回ほど加熱して水分をおよそ30%除去した乾燥竹チップを用いた。それぞれの加えた配合比を表8に、臭いの測定結果を表9に示す。堆肥なしで生の竹チップを用いても、消臭効果は十分ではなく、乾燥竹チップを用いると消臭効果はあるものの、多少時間がかかることが明らかとなった。
Figure 2022106626000009
Figure 2022106626000010
[実施例1]
参考例3~5の結果を基に、子豚の糞に対して糞堆肥と共に水分調整のために乾燥した雑草、若しくは乾燥した茶葉を加えて消臭効果を調べた。子豚の糞1kgに対して、豚堆肥500g、及び乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)75gと茶葉200gを加えて混合し、臭いを臭気計により測定した。結果を表10に示す。
Figure 2022106626000011
表10に示すように、4~9日目は臭気計測定値が0となった。したがって、糞堆肥と共に乾燥した植物を加えることが短期間での消臭に効果的であることが明らかとなった。ただし、人感で獣臭のような臭いは残存していた。
なお、上記乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)の代わりに、5cm以内に細断した乾燥竹チップ75gを用いて同様の実験を行った。この場合、3~7日目は臭気計測定値が0となった。この場合でも、上記同様、短期間での消臭に効果的であることが明らかとなった。
一方、上記乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)及び上記乾燥竹チップの代わりに、「オガクズ」、「米糠」、「もみ殻」、「小麦粉」、「コーヒー残渣」、「みかんの皮」を用いて同様の実験を行ったが、消臭効果はみられなかった(データは図示せず)。
[参考例6]
実施例1においては堆肥と共に雑草と茶葉を同時に加えたが、茶葉を加えるタイミングを遅らせて、かつ豚堆肥なしで同様の実験を行った。子豚の糞2kgに対して乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)750gを加えて混合した。さらに3日後に乾燥した茶葉を550gほど加えて混合し、2日目、4日目、6日目に臭いを臭気計により測定した。しかしながら、2日目、4日目、6日目のいずれも、臭気計測定値は999であり、人感でも酸っぱい悪臭を感じ、消臭効果は全く見られなかった。堆肥を加えていないためか、全体としてしっとり感があり、発酵している様子がうかがえなかった。なお、茶葉を加えることで、発酵に関わる微生物の成育に影響があったのではないかと考えられる。
[実施例2]
上記実施例の結果を踏まえ、糞に対して糞堆肥を加え、その後茶葉を加えることでの消臭効果を以下に示す方法により調べた。子豚の糞7kgに豚糞の堆肥(参考例2と同様)2.9kg、乾燥した雑草(主にキク科植物のたんぽぽ、ヨモギを含有)600gを加えて混合した。2日目(豚糞の堆肥を加えてから41時間後)に湯気が出始めて発酵している様子がうかがえたので、さらに茶葉を2kg加えて混合した。豚糞の堆肥を加えてから3日目には人感で悪臭が低下したのが感じられ、4日目には人感で無臭となり、臭気計測定値も低下した。その後8日目まで、人感では無臭、臭気計による計測値もおよそ100以下の消臭された状態(ここでは計測値が40以下であった)が継続した。かかる結果より、豚の糞に対して、糞堆肥及び乾燥したキク科植物の細断物を加えることで消臭効果を高めることができること、及び、茶葉は豚糞に対して豚糞の堆肥を加えてから24時間経過後に加えることが消臭効果、特にアンモニア臭、すなわち窒素系の臭いに対する消臭効果が高いことが明らかとなった。
なお、上記乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)の代わりに、5cm以内に細断した乾燥竹チップ600gを用いて同様の実験を行った。この場合、2日目に上記と同様に湯気が出始めて発酵している様子がうかがえたので、さらに茶葉を2kg加えて混合したところ、豚糞の堆肥を加えてから2日目には人感で悪臭が低下し、3日目には人感で無臭となり、臭気計測定値も低下し、その後8日目まで、人感では無臭、臭気計による計測値も0以下が継続した。この場合でも、上記同様の消臭効果が高いことが明らかになった。
一方、豚糞の堆肥の代わりに枯れ草、落ち葉を用いて同様の実験を行ったが、消臭効果はみられなかった(データは図示せず)。
また、上記乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)及び上記乾燥竹チップの代わりに、「オガクズ」、「米糠」、「もみ殻」、「小麦粉」、「コーヒー残渣」、「みかんの皮」を用いて同様の実験を行ったが、消臭効果はみられなかった(データは図示せず)。
図4に、子豚の糞7kgに豚糞の堆肥、乾燥した雑草を加えた状態の写真を示す。図4に示すようにさらさらとした粉状であり、塊状態はほとんど見られなかった。
Figure 2022106626000012
[実施例3]
これまでの上記実験結果から豚の糞に対して、糞堆肥及び乾燥したキク科植物の細断物を加えることで消臭効果を高めることができることが明らかとなった。そこで、糞堆肥として完熟堆肥を用い、キク科植物の細断物の代わりにススキ科植物の細断物を用いた実験を行った。豚舎から子豚の糞の完熟した堆肥(5ヶ月発酵)を入手し、以下の実験に用いた。
子豚の糞1kgに対して豚の糞の完熟した堆肥を1kg、5cm以内に細断した乾燥竹チップ33gを加えて混合したところ、2日目には臭気計による測定値が低下し、その後3日間、測定値がおよそ100以下の消臭された状態(ここでは計測値が30以下であった)を継続した。人感でもアンモニア臭は感じなかった。子豚の糞に豚の糞の完熟堆肥、竹チップを加えた状態の写真を図5に示す。図5に示すようにさらさらとした粉状であり、塊状態はほとんど見られなかった。したがって、糞堆肥として完熟した糞堆肥を用いること、及び糞堆肥と共に水分を吸着できる竹を加えることが早期消臭効果を有する消臭剤として有効であることが明らかとなった。
なお、乾燥竹チップの代わりに、乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)33gを用いて同様の実験を行った。この場合、7日目には臭気計による測定値が低下し、その後3日間、測定値が50以下を継続した。人感でもアンモニア臭は感じなかった。この場合でも、上記同様、早期消臭効果を有する消臭剤として有効であることが明らかとなった。
一方、上記乾燥竹チップ及び上記乾燥した雑草(主にたんぽぽ、ヨモギを含有)の代わりに、「オガクズ」、「米糠」、「もみ殻」、「小麦粉」、「コーヒー残渣」、「みかんの皮」を用いて同様の実験を行ったが、消臭効果はみられなかった(データは図示せず)。
[実施例4]
実施例2によって8日間消臭処理した消臭処理堆肥が消臭剤として用いられるか否かを確認した。ヒトの便200gの上に実施例2により消臭処理して得られた消臭処理堆肥を150g載せて、人感により臭いを経過測定した。その結果、1日目、3日目、5日目のいずれにおいてもアンモニア臭は感じなかった。
また、上記実施例2の消臭処理堆肥の代わりに、実施例1の消臭処理堆肥200gを載せて、人感により臭いを経過測定したところ、1日目、3日目、5日目のいずれにおいてもアンモニア臭は感じなかった。さらに、上記実施例1の消臭処理堆肥の代わりに、実施例3の消臭処理堆肥150gを載せて、人感により臭いを経過測定したところ、1日目、3日目、5日目のいずれにおいてもアンモニア臭は感じなかった。
[混合工程]
混合工程では、消臭剤の生産工程で得られた消臭剤に水を加えて、消臭剤と水との混合物を生産する。
図6は、有機消臭土と水との混合物を示す模式図である。
図6に示すように、例えば、第1世代の消臭液を生産する際に用いられる、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有する混合体の発酵物を含む消臭剤(約100g)に水(1リットル)を加えることにより、消臭剤と水との混合物が得られる。
[エアレーション工程]
エアレーション工程では、混合工程で得られた消臭剤と水との混合物を所定時間エアレーション処理する。
エアレーションの度合いとしては、観賞魚の酸素供給を行う程度(即ち、水棲生物が生息可能な酸素濃度となる程度)が適当であり、エアレーション処理する時間は、例えば、24時間以上とすることができる。
この結果、本発明の消臭液を得ることができる。
[実験結果1]
次に、本発明に係る消臭液による消臭効果の実験結果を説明する。
なお、以下、バイオマス発電の廃液(または液肥)が消臭対象物の例であるものとして説明する。
(1)従来、バイオマス発電の廃液は豚糞尿であるが、予備実験として、ここでは牛糞尿を用いた。牛糞尿の臭気を消臭前に臭気計(臭気測定器)にて確認した。臭気計として、神栄テクノロジー株式会社 ハンディにおいモニター OMX-ADMを用いた。この臭気計では、臭気がない状態(下限値)0~臭気が極めて強い状態(上限値)999の数値で臭気が測定される。牛糞尿の臭気の測定値は上限値を超えていた。
(2)牛糞尿にエアレーション処理を施したところ、約1ヶ月で臭気の低下がみられた。
(3)次に、同様に豚糞尿にエアレーション処理を施したところ、約1ヶ月経過後も、臭気の低下は見られなかった。
したがって、豚糞尿に対しては、エアレーション処理のみでは消臭効果がないことがわかる。
[実験結果2]
次に、消臭剤を用いた消臭液による消臭実験の実験結果を説明する。
消臭剤に水を加えただけのものは、消臭効果は確認できなかった。そこで、消臭剤に水を加えた混合物(図6参照)にエアレーション処理を施し、24時間経過したものを液肥(豚糞尿)に混合して実験を開始した(2020年10月25日)。
消臭剤:水=100g:1リットル
で混合したものを消臭液として、
消臭液:液肥=1:1
で混合したものを用意し、比較実験を開始した。
このとき、サンプルとして、以下の1~3を用意した。
サンプル1.液肥+消臭液
サンプル2.液肥+消臭液+竹炭
サンプル3.液肥+消臭液+消臭剤
図7は、用意されたサンプル1~3を示す模式図である。
図7に示されるサンプルのいずれも、実験開始前の状態では、臭気計において上限値999が示され、極めて臭気が強いものであった。
また、図8は、実験中のサンプル1~3の様子を示す模式図である。
図8に示すように実験を開始すると、エアレーションを継続することにより、約1週間で急激に臭気が低下した。
臭気計では比較し難いが、人間の嗅覚(官能評価)では、サンプル2及びサンプル3の方が、サンプル1よりも臭気が下がっていると感じられる。
ただし、臭気が下がってもエアレーションを止めたり、容器に入れて蓋をしたりする等、酸素の供給を遮断すると、元の臭気に戻る程ではないものの、硫黄臭と呼ばれる臭気に近いものが発生する状態となる。
この結果から、エアレーションを一定期間(約3週間)継続しなければ臭気は安定しないと推測される。
また、実験開始9日後には、臭気計の数値がゼロに下がった。
図9は、実験開始9日後のサンプル1~3の様子を示す模式図である。
実験開始当初は、各サンプルを入れたバケツに近づけない程の悪臭があったものの、図9に示すように、実験開始9日後には、バケツの中のサンプル液面に顔を近づけないと臭気を感じない程度となった。
さらに、各サンプルを容器に入れ蓋をし、繰り返し実験を行った(2020年11月3日~11月18日)。
密閉状態とした場合、3日程で水の腐ったような、沼のような臭気が発生した。
実験開始1ヶ月後、毎日エアレーションを続けた結果、密閉状態にしても臭気が戻ることはなかった(2020年10月25日~11月20日)。
したがって、約1ヶ月以上、エアレーションを継続した各サンプルは、臭気がほぼゼロとなり、消臭液として利用することが可能となる。
[効果の検証]
有機消臭土に水を加えた水溶液のみでは、糞尿や尿・液肥・バイオガスから出る廃液に混ぜても消臭効果は確認できない。
有機消臭土に水を加え、24時間エアレーションした有機消臭液と、糞尿又は廃液とを1:1で混合し、さらに、この混合液もエアレーションし続けると消臭効果が表れ始める。消臭液の比率が大きければ、さらに大きな消臭効果が期待できると推測される。
有機消臭土を入れたサンプルは、臭気の安定期になると、
(i)泡が出ないこと。
(ii)凍り難くなること。
(iii)数値には表れ難いものの、官能評価によると、有機消臭土を入れていないサンプルとは明らかに臭気が異なること。
という特徴を有するものである。
なお、上記各実験において、臭気の測定には、臭気計として、神栄テクノロジー株式会社製 ハンディにおいモニター OMX-ADMを用いた。臭気は0~999の数値で測定される。
測定条件は、
気温0~40度、湿度40%~90%、天候は無関係、屋外測定、サンプル総量30kg以下、測定時間7:00~20:00まで、である。
消臭効果があるか否かについては、臭気計の測定値がおよそ100以下の状態となり、これが3日(あるいは設定した期間)以上継続することを臭気がない状態の条件とし、臭気計の測定値がそれより大きくなった場合、臭気があると判断した。また、消臭効果があるか否かについては、官能評価で臭気がないと判断した際の臭気計の測定値を基準値とし、基準値が3日(あるいは設定した期間)以上継続することを臭気がない状態の条件とすると共に、臭気計の測定値が基準値より大きくなった場合に、臭気があると判断することも可能である。
[エアレーションの条件]
豚糞尿に消臭液を同量混ぜ、エアレーションを開始した(2020年11月15日)。
図10は、エアレーションの条件を検証するための実験の様子を示す模式図である。
上記実験においては、水棲生物が生息可能な酸素濃度となる程度のエアレーションとしたが、図10に示す実験では、浄化槽用のエアレーションを導入し、上記実験よりも強力な酸素供給を行った。
ところが、1週間以上経過しても、臭気計の測定値は999のままであり、臭気に変化は見られなかった。
浄化槽用のエアレーションを中止し(2020年11月22日)、1日経過後、水棲生物用のエアレーションを2本取り付けてエアレーションを再開した(2020年11月23日)。
図11は、水棲生物用のエアレーションに切り替えた後のサンプルの様子を示す模式図である。
図11に示すように、翌日には人の嗅覚でも感じるほど臭気が急速に下がり始め、臭気計の測定値も999から178に低下する等、数値にも表れ始めた(2020年11月24日)。
また、外観としては実験開始時と大きな変化はないが、臭気も安定し始めた。
臭気計の測定値はゼロに表示されているが、わずかな臭気は感じられる。2週間程度で臭気は安定するものと推測される(2020年11月30日)。
このことから、酸素を過剰に供給すると、消臭効果に悪影響を及ぼすものと推測され、エアレーションの度合いとして、上記実験のように、観賞魚の酸素供給を行う程度(即ち、水棲生物が生息可能な酸素濃度となる程度)が適当であると判断される。
[より高い消臭効果を得るための追加実験]
上記実験結果に対し、より高い消臭効果を得るための各種追加実験を試みた結果、以下のケースにおいて、消臭効果が高まることがわかった。
即ち、有機消臭土(消臭した堆肥)を土嚢袋に入れ、混合液(尿と消臭液)に漬け込んだ。なお、混合液とは、家畜尿に消臭液を加えたものである。
このとき、混合液と有機消臭土とを以下の割合とした。
混合液(尿と消臭液):有機消臭土=2000ml:100g
図12は、本追加実験の様子を示す模式図である。また、図13は、本追加実験の比較実験の様子を示す模式図である。
図12に示すように、混合液と有機消臭土とを混ぜたサンプルに実験開始日(2020年12月9日)からエアレーションを施した結果、約2週間後(2020年12月22日)には、臭気がほぼゼロとなり、消臭液として利用することが可能な実験結果を得ることができた。図12に示す実験過程において、実験開始4日目(2020年12月13日)の時点で、臭気が低下したことから、消臭液を10%(200ml)追加した。
即ち、図7~9に示す実験の場合よりも、短い期間で同様の効果を得ることができた。
なお、図13に示す比較実験では、有機消臭土を加えることなく、混合液にエアレーションを施した結果、実験開始から約2週間の時点では消臭効果を得られず、目的とする消臭液を取得することはできなかった。
[有機消臭土の具体的適用例]
[災害時用トイレ]
図14は、災害時用のトイレに有機消臭土を適用した例を示す模式図である。
有機消臭土は牛糞・豚糞の消臭ができるため、人糞の無臭化ができれば災害時のトイレの悪臭問題にも役に立つのではないかと推測される。
そこで、図14に示すように、簡易トイレを用意して室内で排便・排尿を行い、有機消臭土を用いた消臭実験を開始した。
なお、有機消臭土のみでは尿の水分を吸着しきれないことから、ペット用の水分吸着材(檜)で尿を吸収させた。
この結果、吸着剤には消臭効果はないが、排尿・排便直後に有機消臭土を撒くと室内に悪臭が漂うことはなかった。また、有機消臭土を表面に被せる程度で効果はあり、そのまま放置しておくだけでよい。糞が表面に出なければ周囲に悪臭を放つことはなく、糞を回収する際も悪臭は発生しなかった。
図15は、排尿・排便後に有機消臭土を混ぜて攪拌した状態を示す模式図である。
使用後の糞尿の臭気が感じられるようであれば、以下の量を目安に吸着剤または有機消臭土を混ぜて攪拌しておけば、図15に示すように臭気はゼロとなり、何回でも糞の消臭剤としての利用が可能である。
・人の尿の量:2リットル/1日→吸着剤適量
・人の糞の量:200g~300g→有機消臭土100g/1回
[キノコ菌床の消臭]
有機消臭土を消臭剤として利用する場合、表面を覆う程度の量があれば、その悪臭のほとんどは消臭可能である。
一方、糞のように臭気計で数値化できる種類の臭いもあれば、できない種類の臭いもある。また、悪臭と感じる人もいれば感じない人もいる。
シイタケ等の栽培完了後に出る菌床のニオイもそうした問題のひとつである。
図16は、菌床に有機消臭土を適用した例を示す模式図である。
図16に示すように、菌床1に対して有機消臭土2の割合(体積比)でこれらを混ぜ、3日程度経過すると臭気が低下していき、約1週間でほぼ完全に消臭することが可能である。
[ペットの排便・排尿]
例えば、犬と猫とでは糞尿の臭いの性質は異なっている。
犬の体臭は臭う一方、猫の体臭は人の嗅覚ではほとんど感じられない。
また、犬の糞尿の臭いは、人の糞尿の臭いに近いものに感じられ、猫の排尿にはネコ科特有のコーキシンというたんぱく質が含まれるため、独特の臭いが感じられる。
本発明は、このような種類の悪臭にも対応することができる。
図17は、ペットの排便・排尿に有機消臭土を適用した例を示す模式図である。
一般的に、猫は、猫用トイレで糞尿をする。猫用トイレには、猫砂と呼ばれる水分吸着材が敷かれており、図17に示すように、猫砂等と一緒に有機消臭土をビニール袋等に入れて処分することで、ペットの排便・排尿を消臭することができる。
[野菜残渣の消臭]
有機消臭土の上にペレット状になった野菜残渣を乗せて上から、有機消臭土をかけて放置しておくのみで、野菜残渣の消臭を行うことができる。
季節的に強くなる生ごみの悪臭等も、このような方法で消臭することが可能である。

Claims (16)

  1. 動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有する第1世代の消臭剤と水との混合物に、エアレーション処理を施して取得される消臭液。
  2. 請求項1に記載の消臭液によって消臭処理された処理物を含む第2世代の消臭剤と水との混合物に、エアレーション処理を施して取得される消臭液。
  3. 請求項1または2に記載の消臭液によって消臭処理された処理物を含む第n世代(nは3以上の整数)の消臭剤と水との混合物に、エアレーション処理を施して取得される消臭液。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    前記エアレーション処理を24時間以上施されることにより、消臭効果を生じる状態となっていることを特徴とする消臭液。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    前記エアレーション処理を1週間以上施され、開封容器に保存した状態で臭気が再発生しないことを特徴とする消臭液。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    前記エアレーション処理を1ヶ月以上施され、密閉容器に保存した状態で臭気が再発生しないことを特徴とする消臭液。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    前記第1世代の消臭剤は、動物質堆肥にススキ科又はキク科植物の細断物を含有することを特徴とする消臭液。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    糞便が家畜糞であることを特徴とする消臭液。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    家畜糞が、豚の糞であることを特徴とする消臭液。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    動物質堆肥に対してススキ科又はキク科植物の細断物を1~40重量%含有することを特徴とする消臭液。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    動物質堆肥が、家畜糞を20日以上発酵させた堆肥であることを特徴とする消臭液。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    動物質堆肥が、完熟した動物質堆肥であることを特徴とする消臭液。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    ススキ科又はキク科植物の細断物が、乾燥したススキ科又はキク科植物の細断物であることを特徴とする消臭液。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の消臭液であって、
    ススキ科又はキク科植物の細断物が、ススキ属植物又はタケ亜目植物の細断物であることを特徴とする消臭液。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の消臭液と消臭対象物との混合物に、エアレーション処理を施すことを特徴とする消臭方法。
  16. 請求項15に記載の消臭方法であって、
    前記消臭対象物は、バイオマス発電の廃水であることを特徴とする消臭方法。
JP2021001757A 2021-01-07 2021-01-07 消臭液及び消臭方法 Pending JP2022106626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021001757A JP2022106626A (ja) 2021-01-07 2021-01-07 消臭液及び消臭方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021001757A JP2022106626A (ja) 2021-01-07 2021-01-07 消臭液及び消臭方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022106626A true JP2022106626A (ja) 2022-07-20

Family

ID=82457305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021001757A Pending JP2022106626A (ja) 2021-01-07 2021-01-07 消臭液及び消臭方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022106626A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105859332A (zh) 畜禽规模养殖场养殖粪便的生物处理方法
CN109042357A (zh) 一种用于奶牛牛床的发酵垫料
JP2000023584A (ja) 家畜舍の床敷料
JP2000023584A5 (ja)
JP2004147612A (ja) 乳酸発酵分解活性酵素組成物及び乳酸発酵組成物の製造方法
JP4868343B2 (ja) 肥料または土壌改良材、およびその製造方法、ならびにそれを用いた培養型土壌改良材の製造方法
JPH0255005B2 (ja)
JPH10174582A (ja) 活性混合微生物およびその利用
JP4806425B2 (ja) 発酵微粉末竹粉及び脱臭剤並びに入浴剤
JP2022106626A (ja) 消臭液及び消臭方法
WO2021006264A1 (ja) 糞便の消臭剤、及び糞便の消臭方法
KR20000002846A (ko) 지렁이 배설물을 이용한 유기설 폐기물의 원예용 상토 및 그 제조방법
Singh Handbook on vermicomposting: Requirements, methods, advantages and applications
JP2003274938A (ja) 有用組成物、及びその製造方法等
JP3561682B2 (ja) 堆肥の製造方法
JP2008000118A (ja) 家畜飼育場の殺菌方法
JP2002166295A (ja) 家畜糞尿処理材及び方法
JP2000191388A (ja) 高温発酵堆肥及びその製法
JP2004091225A (ja) 家畜糞尿の堆肥製造過程における無臭化処理方法
Safdar et al. Vermicompost and verminculture: structure, benefits and usage
JP2001026488A (ja) ミネラル強化肥料
KR102621921B1 (ko) 가축분뇨 발효촉진 분말 살포제 제조방법
JP2001112365A (ja) 動物舎用の床敷材
JP3561693B2 (ja) 動物飼育用床敷材料及びその製造方法並びに動物の飼育方法
Johnson et al. Poultry manure production, utilization and disposal

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231225