JP2000023584A5 - - Google Patents

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【0001】 本発明は、牛、馬、豚、鶏、フランス鴨等の家畜舎の床面に敷設するヤシガラチップに関し、水分保持力及び透水性が良くさらさらした感じを維持し、また虫等が付かず発酵もし難く、更に家畜の糞は堆肥化し尿との分離が容易で繰り返し使用が可能なヤシガラチップ等の繊維質塊体を家畜舎に敷設し、家畜の尿の排出処理を簡便に行えるようにするとともに家畜の成長促進と健康状態を維持することが出来る低廉な床敷料を提供するものである。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例について詳しく説明すると、本発明になるヤシガラチップで構成される床敷料は、家畜舎の床面に密に敷設して飼育する牛、馬、豚、鶏、フランス鴨等の家畜の生活環境を良くするとともに家畜が排出する尿の流下蒸発促進とヤシガラに付着した糞の堆肥化を速やかに図り、しかも繰り返し使用することが出来る床敷料に関するものであり、床敷料として用いるヤシガラチップよりなる繊維質塊体は、入手したヤシガラを5ミリから35ミリの範囲内に入るように分割するとともに柔らかい感じの塊状に成形したヤシガラチップを形成し、この塊状のヤシガラチップをベルトコンベヤ等の移動手段を用いて移動させつつ蒸気により3分間乃至5分間130°C程度の高温殺菌処理を施したものを、牛、馬、豚、鶏、フランス鴨等の家畜を飼育している家畜舎の床面に50ミリ以上に重ねて敷設し床敷料として用いるものである。
ヤシガラチップには、フエノールやタンニン酸等が含まれているので、虫が付きにくく、発酵もしにくい性質を有する。しかもヤシガラチップは適度の弾力があるとともに空隙を有する繊維質の柔軟な塊で構成されているので、水分保持力が高いにもかかわらず透水性が良く水分はすぐ流下してしまうこと及び蒸発も同時に進行するのであたかも乾燥しているようなさらさらの感じを維持する優れた性質を有する。
柔らかい感じの塊状のヤシガラチップは、上記のとおり透水性が良くさらさらした感じの敷料なのでこれを家畜に用いると、家畜の蹄に抵抗感を与えずに使用することが出来るばかりでなく家畜の蹄は当然乾燥した状態を長く維持するので家畜舎の生活環境が良くなり、家畜の生育と健康管理に好ましい良い効果をもたらす。特に牛の畜舎に適用した場合、蹄が乾燥している状態を持続出来るので生育が良く、太りやすくかつ肉質も大幅に向上するので家畜舎の床敷料として用いるのに適した敷料であ。
なおヤシガラチップから流下した尿は併せて蒸発するが大部分は下面に流出するので、家畜舎の床面は少し傾斜させて尿が排出溝に向かって流れるように形成したほうが好ましいことは言う迄もない。
また塊状のヤシガラチップを敷料として用いた後付着した糞と併せて堆肥化処理した場合、糞尿に好気性放線菌や嫌気性細菌が繁殖するのですぐ発熱して翌日には40度C以上の温度になる。すなわち堆肥化処理を始めた翌日あたりから家畜の糞は堆肥化が進み1週間程度で一時発酵が終了する。その後2週間程度で二次発酵が完了すると堆肥として利用出来るようになる。ヤシがらチップは発酵も起こらず腐敗もしない性質を有しているので、悪臭も発生しない優れた性質を有するものである。
家畜舎に敷設するヤシがらチップの塊の大きさは、通常5ミリから35ミリの範囲内に入るように成形しているが、家畜によってはヤシガラチップが小粒であると糞と一緒に踏み固めてしまう場合もあり、また家畜により発生する糞とヤシガラチップとの混合物を堆肥化させるとさらさらした粉状に変化するので堆肥として用いる場合は良いが繰り返し使用する場合は、ヤシがらチップの大きさを5ミリ以上の大きさの塊状に成形して用いた方が再度使用する場合及び排出処理作業も簡単に行えるので好ましい。
以下実施例について述べる。
1区画、18坪で肉牛13頭飼育のフリ−スト−ル牛舎の床に約20ミリの塊体に成形したヤシガラチップの敷料を適当位置に数カ所山盛りに敷設し様子を見たところ、牛はこのヤシガラチップを足でもってその周囲に適当な厚さに掻きだして寝床を作成し寝ころんでいた。また肉牛が排泄する尿に対して、ヤシガラチップは透水性が良いので尿は吸水される分を除いて速やかに流下しつつ蒸発するためその表面はすぐ自然乾燥することにより、湿った感じは受けない。
従って肉牛は喜んで寝床として利用していた。5日間程度使用した使用済みのヤシガラチップと糞の混合物は堆肥処理場にシヨベルロ−ダ−等により移送して堆積したが、ヤシガラチップと混練りされた糞は、糞に存在する好気性放散菌と嫌気性細菌の作用にて40°C以上に発熱していたのでハエ等の虫は飛来せずうじむしも発生しない。またヤシガラチップは腐敗しないので堆積した翌日から糞のみの堆肥化が始まり、1週間程度で1次発酵が終了する。その後2週間程度で2次発酵が完了すると堆肥として利用できる様になった。
この堆肥が付着したヤシガラチップから悪臭は発生せず、また60日経ってもヤシガラチップは腐敗していなかった。
またヤシガラチップと堆肥化した糞の混合物はさらさらした繊維状の塊となっていたので再度床敷料として使用してみたが特に問題は無く継続して使用することが出来た。
なおヤシガラチップは殺菌処理を施しているため寄生虫は存在していないので家畜に対して安心して使用することが出来た。
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