JP2022105846A - X線発生用ターゲット、x線発生装置及びx線撮像システム - Google Patents

X線発生用ターゲット、x線発生装置及びx線撮像システム Download PDF

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Abstract

【課題】X線発生装置における複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態にすることができるX線発生用ターゲット、X線発生装置及びX線撮像システムを提供する。【解決手段】X線発生用ターゲットKは、電子線EBの入射によってX線Lを発生する複数の長尺のターゲット部22と、複数のターゲット部22が互いに平行となるように埋設されたターゲット部保持板21と、を備える。ターゲット部保持板21は、ターゲット部22の配置状態を示す目印部23を含む。【選択図】図4

Description

本開示は、X線発生用ターゲット、X線発生装置及びX線撮像システムに関する。
従来、電子線を出射する電子銃と、電子線の入射によってX線を発生する複数のターゲット部を有するX線発生用ターゲットと、を備えたX線発生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなX線発生装置は、例えばX線撮像システムに搭載される。
特表2016-537797号公報
上述したような技術では、複数のターゲット部が長尺で且つ互いに平行となるように配置される場合があるが、その場合、これらのターゲット部の配置状態が所望の配置状態でなければ、所望の照射条件を満たすX線を得ることが困難になるおそれがある。
本開示は、このような実情に鑑みてなされたものであり、X線発生装置における複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態にすることができるX線発生用ターゲット、X線発生装置及びX線撮像システムを提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るX線発生用ターゲットは、電子線の入射によってX線を発生する複数の長尺のターゲット部と、複数のターゲット部が互いに平行となるように埋設されたターゲット部保持部と、を備え、ターゲット部保持部は、ターゲット部の配置状態を示す目印部を含む。
このX線発生用ターゲットでは、目印部によってターゲット部の配置状態を把握することができる。これにより、例えばターゲット部の長手方向を規定された方向に確実に向いた状態にして、X線発生用ターゲットを組み付けることができる。すなわち、複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態にすることが可能となる。
目印部は、ターゲット部の長手方向又は短手方向を示してもよい。この場合、複数のターゲット部の長手方向又は短手方向の向きを所望の向きにすることが可能となる。
ターゲット部保持部は、ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見てターゲット部の長手方向又は短手方向に沿って延びる辺を有する形状の外形を、目印部として含んでいてもよい。この場合、ターゲット部保持部の外形の辺に基づき、ターゲット部の長手方向又は短手方向を把握することができる。
ターゲット部保持部は、ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て欠円形状の外形を目印部として含んでいてもよい。この場合、ターゲット部保持部の外形の欠円形状から、ターゲット部の長手方向又は短手方向を容易に把握することができる。
ターゲット部保持部は、ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て多角形形状の外形を目印部として含んでいてもよい。この場合、ターゲット部保持部の外形の長方形形状から、ターゲット部の長手方向又は短手方向を容易に把握することができる。
ターゲット部保持部は、凹部又は凸部を目印部として含んでいてもよい。この場合、ターゲット部保持部の凹部又は凸部に基づき、ターゲット部の配置状態を把握することができる。
凹部又は凸部は、ターゲット部保持部のターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て、ターゲット部の長手方向又は短手方向に沿って延びる縁を含んでいてもよい。この場合、ターゲット部保持部の凹部又は凸部の縁から、ターゲット部の配置状態としてのターゲット部の長手方向又は短手方向を容易に把握することができる。
ターゲット部は、ターゲット部の長手方向に沿って、一体となるように連続的に形成されていてもよいし、ターゲット部の長手方向に沿って、複数に分割されて形成されていてもよい。この場合、異なる形態で長尺のターゲット部を構成することで、異なる照射条件のX線を得ることができる。
本開示の一側面に係るX線発生装置は、電子線を出射する電子銃と、上記X線発生用ターゲットと、X線発生用ターゲットを支持する支持体と、を備える。
このX線発生装置においても、上記X線発生用ターゲットを備えることから、複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態にすることが可能となる。
本開示の一側面に係るX線発生装置は、電子線を出射する電子銃と、上記X線発生用ターゲットと、X線発生用ターゲットを支持する支持体と、ターゲット部保持部のターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て、電子線が照射される領域を第1照射領域と第2照射領域との間で切り替える照射領域切替え部と、を備え、第1照射領域は、埋設面と対向する方向から見て、ターゲット部保持部内における複数のターゲット部を含む領域であり、第2照射領域は、埋設面と対向する方向から見て、辺を跨いでターゲット部保持部の内外を含む領域である。
このX線発生装置においても、上記X線発生用ターゲットを備えることから、複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態にすることが可能となる。また、第2照射領域に電子線が照射される場合には、第1照射領域に電子線が照射される場合に比べ、X線発生装置から出射されるX線を検出して得られる画像上に、ターゲット部保持部の外形の辺が境界して現れる。したがって、当該画像における境界に基づくことによっても、ターゲット部の配置状態を把握することが可能となる。
支持体は、ターゲット部保持部が嵌め込まれる凹部を含み、目印部としてのターゲット部保持部の外形は、支持体に対するターゲット部の長手方向又は短手方向の向きが所望の向きになるように位置決めする位置決め部を構成してもよい。この場合、目印部によってターゲット部の配置状態を把握することができるだけでなく、支持体に対するターゲット部の長手方向又は短手方向の向きが所望の向きになるように位置決めすることができる。
X線発生装置は、電子銃、X線発生用ターゲット及び支持体の少なくとも一部を収容する筐体部と、筐体部に設けられ、ターゲット部で発生したX線を筐体部の外部に出射させるX線出射窓と、を備えていてもよい。この場合、複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態とした、取り扱いの容易なX線発生装置が構成される。
本開示の一側面に係るX線撮像システムは、上記X線発生装置と、X線発生装置から出射され、撮影対象となる対象物を介したX線を検出するX線検出器と、X線発生装置とX線検出器との間に配置される位相格子と、位相格子とX線検出器との間に配置される吸収格子と、を備える。
このX線撮像システムにおいても、上記X線発生装置を備えることから、複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態にすることが可能となる。
本開示によれば、X線発生装置における複数のターゲット部の配置状態を所望の配置状態にすることができるX線発生用ターゲット、X線発生装置及びX線撮像システムを提供することが可能となる。
図1は、一実施形態に係るX線撮像システムを示す概略構成図である。 図2は、図1のX線発生装置の概略的な断面図である。 図3は、図2の支持体及び放熱部を示す斜視図である。 図4(a)は、X線発生用ターゲットを示す平面図である。図4(b)は、図4(a)の破線枠内を拡大して示す図である。図4(c)は、図4(a)のA-A線に沿った断面図である。 図5(a)は、図4(a)のX線発生用ターゲットの製造方法の一例を示す平面図である。図5(b)は、図5(a)の続きを示す平面図である。図5(c)は、図5(b)の続きを示す平面図である。図5(d)は、図5(c)の続きを示す平面図である。図5(e)は、図5(d)の続きを示す平面図である。図5(f)は、図5(e)の続きを示す平面図である。 図6(a)は、第1照射領域を示す平面図である。図6(b)は、照射領域が第1照射領域の場合においてX線検出器で検出される画像を示す図である。 図7(a)は、第2照射領域を示す平面図である。図7(b)は、照射領域が第2照射領域の場合においてX線検出器で検出される画像を示す図である。 図8(a)は、変形例に係るターゲット部保持板を示す平面図である。図8(b)は、変形例に係るターゲット部保持板を示す平面図である。図8(c)は、変形例に係るターゲット部保持板を示す平面図である。図8(d)は、変形例に係るターゲット部保持板を示す平面図である。 図9は、変形例に係るX線発生用ターゲットを模式的に示す平面図である。 図10(a)は、図9のX線発生用ターゲットの製造方法の一例を示す平面図である。図10(b)は、図10(a)の続きを示す平面図である。図10(c)は、図10(b)の続きを示す平面図である。図10(d)は、図10(c)の続きを示す平面図である。図10(e)は、図10(d)の続きを示す平面図である。図10(f)は、図10(e)の続きを示す平面図である。 図11は、変形例に係るX線発生用ターゲットを模式的に示す平面図である。 図12は、変形例に係るX線発生装置の概略的な断面図である。 図13は、変形例に係るX線発生装置の概略的な断面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係るX線発生装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係るX線撮像システム100を示す概略構成図である。図1に示されるように、X線撮像システム100は、撮影対象となる対象物Sを透過したX線Lの強度及び位相の違いから画像の濃淡(コントラスト)を生成し、吸収コントラストのX線画像、微分位相画像及び小角散乱画像を得ることが可能なX線位相イメージングシステムである。X線撮像システム100は、例えば対象物Sの非破壊検査に用いられるシステムである。X線撮像システム100は、タルボ・ロー干渉計方式を利用した撮影が可能なシステムである。
X線撮像システム100は、X線発生装置1、X線検出器112、位相格子113及び吸収格子114を備える。X線発生装置1は、X線Lを出射するX線源である。X線検出器112は、X線発生装置1で出射されたX線Lを対象物Sを介して検出し、画像を取得する。位相格子113は、X線発生装置1とX線検出器112との間に配置される格子であり、本実施形態においては対象物SとX線検出器112との間に配置される。なお、位相格子113は、対象物Sの前、又は、X線発生装置1と対象物Sとの間に配置されてもよい。位相格子113は、一定の周期で並ぶ複数のスリットを有する。位相格子113は、その各スリットで回折した球面波を互いに干渉させて自己像を形成する(タルボ効果)。吸収格子114は、位相格子113とX線検出器112との間に配置される格子である。吸収格子114は、位相格子113に応じた周期で並ぶ複数のスリットを有する。
X線撮像システム100では、X線発生装置1から出射されて位相格子113及び吸収格子114を通ったX線Lはモアレ縞を形成し、当該モアレ縞はX線検出器112により検出される。対象物Sが無い場合、モアレ縞は直線的で等間隔に並ぶ。一方、対象物Sが存在する場合、位相格子113を通ってできたX線Lの縞は対象物Sによりひずみ、モアレ縞もひずむ。当該ひずみ量が位相情報(位相シフトに相当)となる。ひずみを含むモアレ縞はX線検出器112により検出することができる。なお、位相格子113を通ってできたX線Lの縞のひずみは、それ自体はわずかであるためにX線検出器112では十分に検出できないが、吸収格子114を設けることにより、モアレ縞のひずみとして検出可能な大きさに拡大しているといえる。
図2は、図1のX線発生装置1の概略的な断面図である。図3は、図2の支持体3及び放熱部14を示す斜視図である。図2に示されるように、X線発生装置1は、電子銃2と、X線発生用ターゲットKと、支持体3と、筐体部4と、X線出射窓5と、冷却機構31と、を備える。X線発生装置1は、X線発生用ターゲットKに対する電子線EBの入射方向に対して交わる方向に放出されたX線Lを取り出す反射型タイプのX線管である。
電子銃2は、電子線EBを出射する。電子銃2は、例えば数keVから数100keV程度のエネルギーを持つ電子線EBを発生し、出射する部分である。電子銃2は、フィラメント2a、グリッドG、後述する照射領域切替え部7及びそれら電気的に接続された内部配線などを有している。フィラメント2aは、カソードを構成する。フィラメント2aは、電子線EBとなる電子を放出する電子放出部材であり、例えばタングステンを主成分とした材料により形成されている。グリッドGは、電子を引き出すと共に拡散を抑制するための電界形成部材であり、フィラメント2a及び照射領域切替え部7を覆うように配置されている。
電子銃2を保持するベース部6は、例えばセラミック及びエポキシなどの絶縁性材料によって形成されている。ベース部6の端部には、X線発生装置1の外部から数kVから数100kV程度の電源電圧の供給を受けるための高耐電圧型コネクタ(不図示)が取り付けられている。フィラメント2a等に接続された内部配線は、ベース部6の内部を通って高耐電圧型コネクタに接続されている。
フィラメント2aは、外部電源からの電流供給を受けて高温に加熱されると共に、-数kVから-数百kV程度の負の高電圧が印加されることにより、電子を放出する。フィラメント2aから放出された電子は、グリッドGの一部に形成された孔又はスリットから電子線EBとして出射される。フィラメント2aに負の高電圧が印加される一方で、筐体部4及びアノードとなるX線発生用ターゲットK(及び支持体3)は、グランド電位(接地電位)となっている。このため、電子銃2から出射した電子線EBは、フィラメント2aとX線発生用ターゲットKとの電位差により加速した状態でX線発生用ターゲットKに入射する。X線発生用ターゲットKでは、入射した電子線EBによりX線Lが発生する。X線発生用ターゲットKへの入射位置における電子線EBの大きさ(ビームサイズ)、つまり、電子線EBの照射領域ER(図6(a)参照)は、例えばφ1mm程度となっている。
筐体部4は、電子銃2、X線発生用ターゲットK及び支持体3を収容する。筐体部4は、電子銃2を収容する電子銃収容部11と、支持体3を収容する支持体収容部12とを有する。筐体部4は、電子銃収容部11と支持体収容部12とが互いに気密に結合されることにより、全体として略円筒形状の真空容器を構成している。電子銃収容部11は、例えばステンレス鋼などの金属材料によって中空の円筒形状に形成され、電子銃2を取り囲むように配置されている。電子銃収容部11の先端部分(電子線EBの出射側)は、支持体収容部12の後述のアパーチャ部13に対して気密に結合されている。電子銃収容部11の基端部分には、例えば断面円形の開口部が設けられ、当該開口部には、上述した高耐電圧型コネクタが設けられた蓋部が気密に結合されている。
支持体収容部12は、例えば銅などの導電性及び伝熱性に優れる金属材料によって形成されている。本実施形態では、支持体収容部12は、電子銃2からの電子線EBをX線発生用ターゲットKに向けて導入するアパーチャ部13と、支持体3の基端部分3aと熱的に結合された放熱部14と、支持体3を包囲すると共にX線出射窓5を保持する窓保持部15と、を有する。窓保持部15は、中空の円筒形状に形成され、アパーチャ部13及び放熱部14は、円盤状に形成されている。支持体収容部12は、窓保持部15の一端側(電子銃2側)にアパーチャ部13が気密に結合され、窓保持部15の他端側(電子銃2の反対側)に放熱部14が気密に結合されることにより、支持体3を取り囲むように全体として円筒形状に形成されている。
アパーチャ部13は、例えば電子銃収容部11の外径と略同径の外径を有する円盤状をなしている。アパーチャ部13の略中央部分には、その厚さ方向に貫通する断面円形の開口部(アパーチャ)13aが設けられている。電子銃2から出射した電子線EBは、開口部13aを通って支持体収容部12内に導入される。
図2及び図3に示されるように、放熱部14は、例えばアパーチャ部13よりも僅かに小径の円盤状をなしている。放熱部14において、アパーチャ部13との対向面側には、アパーチャ部13側に向かって突出し、窓保持部15内に位置する支持体3が設けられている。支持体3は、X線発生用ターゲットKを支持し、例えば銅等の熱伝導率の高い材料から形成されている。ここでは、支持体3と放熱部14とは、一体的に形成されているが、これらは別体であってもよい。支持体3の一面側は、窓保持部15の内周面15aに対応する円弧状をなしており、当該内周面15aに気密に結合されている。これにより、アパーチャ部13側に向かって突出する支持体3は、窓保持部15に対しても熱的に結合された状態となっている。
支持体3の他面側のターゲット支持面16には、ターゲット部22が電子線EBの出射軸に対して所定の傾斜角度をもって電子銃2と対向するように、X線発生用ターゲットKが配置されている。具体的には、ターゲット支持面16には凹部19が形成されており、当該凹部19にX線発生用ターゲットKが嵌め込まれている。凹部19は、X線発生用ターゲットKの外形に対応する形状の窪みである。ここでは、凹部19は、後述のターゲット部保持板(ターゲット部保持部)21の厚さに対応する深さを有すると共に、ターゲット支持面16に対向する方向から見て、後述のターゲット部保持板21の外形(欠円形状)に対応する形状を呈する。
凹部19の内面は、X線発生用ターゲットKの裏面及び側面が直接又は熱伝導性に優れた接合部材を介して接触する。ターゲット支持面16と、凹部19に嵌め込まれたX線発生用ターゲットKにおいて電子入射側となる表面Kfとは、面一となっている。つまり、ターゲット支持面16は、X線発生用ターゲットKの表面Kfと同一平面上に配置されるように構成されている。
図2に示されるように、窓保持部15は、放熱部14と同径の円筒形状をなしている。窓保持部15において、ターゲット支持面16と対向する周壁部17には、X線出射窓5が固定される固定部Fが設けられている。固定部Fには、X線出射窓5よりも一回り小さい寸法の矩形の開口部が形成されている。開口部の端縁部分には、X線出射窓5の周縁部分がロウ付けなどにより接合され、これにより、開口部がX線出射窓5で気密に封止された状態となっている。固定部Fに固定されたX線出射窓5は、X線発生用ターゲットKに対して所定の傾斜角度をもって対向配置されている。
筐体部4には、その外側を覆うケース25が設けられている。ケース25は、例えば金属などの導電性材料によって略直方体形状に形成されている。ケース25において、X線出射窓5の固定部Fに対応する位置には、当該固定部Fの平面形状と同形状の開口部25aが設けられている。ケース25の内面側には、開口部25aの位置を除いてX線遮蔽部材26が配置されている。X線遮蔽部材26は、X線遮蔽能の高い材料(例えば鉛などの重金属材料)からなり、ケース25と筐体部4との間に配置される。これにより、無用なX線Lの漏洩が抑制されると共に、ケース25と筐体部4との間が電気的に接続され、X線発生装置1のグランド電位が安定に確保されている。
冷却機構31は、支持体収容部12を冷却する。冷却機構31は、冷却媒体を導入及び排出するための接続管32と、支持体収容部12の壁部内に冷却媒体Mを循環させる冷却流路33とによって構成されている。冷却流路33は、支持体収容部12を構成する壁部の内部に形成された貫通孔であり、少なくとも放熱部14及びアパーチャ部13に配置されている。冷却流路33は、放熱部14内に設けられた第1冷却流路33Aと、窓保持部15内に設けられた第2冷却流路33Bと、アパーチャ部13内に設けられた第3冷却流路33Cとによって構成されている。冷却媒体Mとしては、例えば水或いはエチレングリコールが用いられる。
接続管32は、冷却流路33に接続されていると共に、ケース25の外部に引き出されている。接続管32は一対設けられており、一方の接続管32は、外部の循環装置から冷却流路33に冷却媒体Mを導入する管として機能し、他方の接続管32は、冷却流路33を循環させた冷却媒体Mを外部の循環装置に搬出する管として機能する。このような冷却機構31では、一方の接続管32から導入された冷却媒体が第1冷却流路33Aを流れ、他方の接続管32から排出される。また、一方の接続管32から第1冷却流路33Aに導入された冷却媒体の一部は、第1冷却流路33Aから分岐して第2冷却流路33Bを流れ、第3冷却流路33Cに導入される。第3冷却流路33Cを流れた冷却媒体は、第2冷却流路33Bを流れて第1冷却流路33Aに回帰し、他方の接続管32から排出される。
以上のように構成されたX線発生装置1では、X線発生用ターゲットK上の後述のターゲット部22に電子線EBが入射し、電子線EBの入射によってX線発生用ターゲットKで発生したX線Lは、X線出射窓5を透過し、X線発生装置1の外部に取り出される。
図4(a)は、X線発生用ターゲットKを示す平面図である。図4(b)は、図4(a)の破線枠内を拡大して示す図である。図4(c)は、図4(a)のA-A線に沿った断面図である。図4(c)の断面図では、図4(a)の破線枠内を示している。図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示されるように、X線発生用ターゲットKは、電子線EBの入射によってX線Lを発生する複数の長尺のターゲット部22と、複数のターゲット部22が互いに平行となるように埋設されたターゲット部保持板21と、を備える。
ターゲット部保持板21は、例えば単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド又は銅等の、ターゲット部22を構成する材料よりも熱伝導率が高い材料によって形成された平板状部材である。ターゲット部保持板21を構成する材料の熱伝導率は、支持体3を構成する材料の熱伝導率以上であることが好ましい。ターゲット部保持板21は、電子線入射側面である表面(埋設面)21fと、表面21fの対向面であって支持体3との物理的且つ熱的接続部となる裏面21bと、を備える。ターゲット部保持板21の表面21fには、その全面に亘って、断面矩形状で有底の複数の溝部21aが形成されている。溝部21aは、互いに平行な直線状に延在する。溝部21aの両端は、表面21fの縁まで到達しており、いずれも開放端となる。つまり、溝部21aは、後述するターゲット部保持板21の円形CSにおける直径を示す線分Rに対して平行に延在するように、表面21fの縁と縁を直線状に繋ぐように形成された長尺の溝である。
ターゲット部22は、例えばタングステンなどの金属によって形成されている。ターゲット部22は、溝部21aを埋めるようにターゲット部保持板21に設けられている。ターゲット部22は、互いに平行な直線状に延在する線状ターゲット部であり、単独で見れば長尺の直方体形状を有している。つまり、ターゲット部22は、長手方向に沿って、一体となるように連続的に形成されている。X線発生用ターゲットKにおけるターゲット部22の配置領域は、電子線EBの大きさ(ビームサイズ)、すなわち、電子線EBの照射領域ER(図6(a)参照)よりも大きい。
本実施形態において、ターゲット部保持板21は、ターゲット部22の長手方向を示す目印部23を含む。具体的には、ターゲット部保持板21は、当該ターゲット部保持板21の表面21fと対向する方向、換言すれば、当該ターゲット部保持板21の厚さ方向(以下、単に「厚さ方向」ともいう)から見て、辺23Eを有する形状の外形を目印部23として含む。ここでは、ターゲット部保持板21は、厚さ方向から見て欠円形状の外形を呈しており、この欠円形状の外形を目印部23として含む。辺23Eは、厚さ方向から見てターゲット部22の短手方向に沿って延びる。欠円形状とは、円の一部が欠けたような形状である。欠円形状とは、円形CSから弓形ASを除いた形状である(図4(a)参照)。また、辺23Eは、円形CSにおける直径を示す線分Rに対して垂直に交わる方向に延在している。目印部23としてのターゲット部保持板21の外形は、支持体3に対するターゲット部22の長手方向の向きを位置決めする位置決め部を構成する。
本実施形態では、ターゲット部保持板21の円形CSの径はφ3~12mmであり、ターゲット部保持板21の厚さは0.1~3mmである。また、ターゲット部22のピッチ(隣り合うターゲット部22の中心間距離)は5~20μmであり、ターゲット部22の幅は2~10μmであり、ターゲット部22の深さは5~30μmである。ターゲット部保持板21の欠円形状の程度は、弓形ASの高さh(図4(a)参照)が円形CSの半径以下になる程度である。なお、ターゲット部22は、ターゲット部保持板21の円形CSにおける直径を示す線分Rに対して、平行に延在するような長尺形状を有している。換言すれば、ターゲット部22の長手方向の向きは、ターゲット部保持板21の円形CSにおける直径を示す線分Rが延在する向きと等しい。
図2及び図3に示されるように、このようなX線発生用ターゲットKは、目印部23を利用してターゲット部22の長手方向の向き(厚さ方向回りの回転方向における角度)が把握及び調整されながら、支持体3のターゲット支持面16の凹部19に組み付けられる。具体的には、ターゲット部保持板21の欠円形状が凹部19の欠円形状と合致するようにターゲット部保持板21の向きが調整され、これにより、X線発生用ターゲットKのターゲット部22の長手方向の向きが所望の向き(定められた所定の向き)に向いた状態とされる。X線発生用ターゲットKは、銀ロウなどの接合部材を介して凹部19に嵌め込まれて接合される。その結果、X線発生用ターゲットKは、ターゲット部22の長手方向の向きが所望の向きに向いた状態で位置決めされると共に、ターゲット支持面16に表面Kfが面一となるように埋設される。
図5(a)~図5(f)は、X線発生用ターゲットKの製造方法の一例を示す平面図である。図5(a)~図5(f)では、図面の寸法比率は、説明の対象と必ずしも一致していない。図5(a)に示されるように、円板状の基板101を用意する。図5(b)に示されるように、基板101の表面にレジスト102を塗布し、溝部21aに対応する周期構造を基板101に転写する。図5(c)に示されるように、例えば誘導結合型の反応性イオンエッチング(ICP-RIE: Inductive Coupled Plasma-Reactive Ion Etching)によって、基板101の表面に複数の溝部21aを形成する。
図5(d)に示されるように、基板101から、複数のターゲット部保持板21を切り出す。図5(e)に示されるように、ターゲット部保持板21の複数の溝部21aに金属103を埋め込むように、、例えば化学気相蒸着(CVD: Chemical Vapor Deposition)によりターゲット部保持板21の表面を金属103で覆う。図5(f)に示されるように、ターゲット部保持板21の表面に付着した金属103の余剰部分(主として溝部21aに埋め込まれていない部分)を化学機械研磨(CMP: Chemical Mechanical Polishing)などによって除去し、ターゲット部22を形成する。そして、ターゲット部保持板21の表面21f側にチタンなどの基板保護膜(不図示)を成膜する。以上により、X線発生用ターゲットKが完成する。
図2に戻り、X線発生装置1は、厚さ方向から見て、電子線EBが照射される照射領域ERを第1照射領域ER1(図6(a)参照)と第2照射領域ER2(図7(a)参照)との間で切り替える照射領域切替え部7を備える。第1照射領域ER1は、厚さ方向から見て、ターゲット部保持板21内における複数のターゲット部22を含む領域である(図6(a)参照)。第2照射領域ER2は、厚さ方向から見て、ターゲット部保持板21の外形の辺23Eを跨いでターゲット部保持板21の内外を含む領域である。換言すれば、第2照射領域ER2は、厚さ方向から見て、X線発生用ターゲットKと支持体3とに跨る領域である。電子線EBの照射領域ERは、φ1mm程度である。
照射領域切替え部7は、電子銃2に設けられている。照射領域切替え部7は、偏向コイル71、第1電極72及び第2電極73を有する。偏向コイル71は、電子線EBの出射軸に垂直な方向において電子線EBの位置を調整する。第1電極72は、フィラメント2aから出射された電子線EBの電子の量を調整する。第1電極72は、フィラメント2aと偏向コイル71との間に配置されている。第2電極73は、電圧を変えることで、電子線EBのビームサイズを調整する。第2電極73は、第1電極72と偏向コイル71との間に配置されている。
以上、X線発生用ターゲットK、X線発生装置1及びX線撮像システム100では、目印部23によってターゲット部22の長手方向を把握することができる。これにより、例えばターゲット部22の長手方向を確実に所望の向きに向いた状態にして、X線発生用ターゲットKを組み付けることができる。複数のターゲット部22の長手方向の向きを所望の向きにすることが可能となる。すなわち、複数のターゲット部22の配置状態を所望の配置状態にすることが可能となる。よって、X線発生装置1において所望の照射条件を満たすX線を得ることができるため、例えばX線撮像システム100の光学系アライメントについて高いアライメント精度を容易に実現することができる。複数のターゲット部22の配置状態(例えば長手方向の向き)を所望の配置状態にできることは、光学系アライメントの精度が担保されていることにつながり、光学系アライメントの簡易化につながる。
ターゲット部保持板21は、表面21fと対向する方向(厚さ方向)から見てターゲット部22の短手方向に沿って延びる辺23Eを有する形状の外形を、目印部23として含む。この場合、ターゲット部保持板21の外形の辺23Eに基づき、ターゲット部22の長手方向を把握することができる。
ターゲット部保持板21は、表面21fと対向する方向(厚さ方向)から見て欠円形状の外形を目印部23として含む。この場合、ターゲット部保持板21の外形の欠円形状から、ターゲット部22の長手方向を容易に把握することができる。
X線発生装置1では、電子線EBが照射される照射領域ERを第1照射領域ER1と第2照射領域ER2との間で切り替える。第1照射領域ER1は、ターゲット部保持板21内における複数のターゲット部22を含む領域であり(図6(a)参照)、第2照射領域ER2は、辺23Eを跨いでターゲット部保持板21の内外を含む領域である(図7(a)参照)。図6(b)及び図7(b)に示されるように、第2照射領域ER2に電子線EBが照射される場合には、第1照射領域ER1に電子線EBが照射される場合に比べ、X線検出器112で取得する画像上に辺23Eが境界として現れる。したがって、当該画像における境界に基づくことによっても、ターゲット部22の配置状態(長手方向)を把握することが可能となる。
X線発生装置1では、目印部23としてのターゲット部保持板21の外形は、支持体3に対するターゲット部22の長手方向の向きが所望の向きになるように位置決めする位置決め部を構成する。これにより、目印部23によってターゲット部22の長手方向を把握することができるだけでなく、支持体3に対するターゲット部22の長手方向の向きが所望の向きになるように位置決めすることができる。
X線発生装置1は、密封された反射型タイプの装置である。反射型タイプのX線発生装置1では、透過型タイプに比べて筐体部4外からターゲット部22の配置状態を確認し難いため、複数のターゲット部22の配置状態を所望の配置状態にできる上記効果は顕著となる。
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、ターゲット部保持板21の欠円形状の外形を目印部23として含んでいるが、目印部23は特に限定されず、ターゲット部22の配置状態を示すことができれば種々の要素であってもよい。
例えば図8(a)に示されるように、ターゲット部保持板21は、円板状を呈すると共に、厚さ方向に貫通する孔AN(凹部)を目印部23として含んでいてもよい。孔ANは、厚さ方向から見て、矩形状を呈する。孔ANは、厚さ方向から見て、ターゲット部22の長手方向に沿って延びる縁及び短手方向に沿って延びる縁を含む。例えば孔ANは、2mm×1mmの長方形形状を呈する。この場合、支持体3のターゲット支持面16には、円形状の凹部19が形成され、凹部19内には、孔ANに嵌め込まれる凸部として、孔ANの形状に対応する矩形状の凸部が形成される。
これにより、ターゲット部保持板21の孔ANに基づき、ターゲット部22の配置状態を把握することができる。ターゲット部保持板21の孔ANの縁から、ターゲット部22の長手方向を容易に把握することができる。なお、孔ANの形状は矩形状に限定されず、種々の形状であってもよい。孔ANに代えて、ターゲット部22の長手方向及び短手方向の何れかに沿って延びる縁を含む形状の孔が形成されていてもよい。また、孔ANに代えて溝又は凸部が形成されていてもよい。孔ANの形状とターゲット部22の配置状態(長手方向)とを対応付けて、孔ANの形状を目印にして当該配置状態を把握してもよい。ターゲット部保持板21における孔ANの位置をターゲット部22の配置状態と対応付けて、孔ANの位置を目印にして当該配置状態を把握してもよい。
また、例えば図8(b)~図8(d)に示されるように、ターゲット部保持板21は、厚さ方向から見て、多角形形状の外形を目印部23として含んでいてもよい。例えば、図8(b)に示されるように、ターゲット部保持板21は、厚さ方向から見て、辺23Eを有する辺23Eを有する二等辺三角形形状の外形を目印部23として含んでいてもよい。この場合、支持体3のターゲット支持面16には、目印部23の外形に対応する二等辺三角形形状の凹部19が形成される。これにより、ターゲット部保持板21の外形の二等辺三角形形状から、ターゲット部22の配置状態(長手方向)を容易に把握することができる。
また、例えば図8(c)に示されるように、ターゲット部保持板21は、厚さ方向から見て、辺23Eを有する長方形形状の外形を目印部23として含んでいてもよい。この場合、支持体3のターゲット支持面16には、目印部23の外形に対応する長方形形状の凹部19が形成される。これにより、ターゲット部保持板21の外形の長方形形状から、ターゲット部22の配置状態(長手方向)を容易に把握することができる。
また、例えば図8(d)に示されるように、ターゲット部保持板21は、厚さ方向から見て、辺23Eを有する正三角形形状の外形を目印部23として含んでいてもよい。この場合、支持体3のターゲット支持面16には、目印部23の外形に対応する正三角形形状の凹部19が形成される。これにより、ターゲット部保持板21の外形の正三角形形状から、ターゲット部22の配置状態(長手方向)を容易に把握することができる。
上記実施形態では、目印部23に含まれる辺23Eは厚さ方向から見てターゲット部22の短手方向に沿って延びるが、これに限定されない。辺23Eは、厚さ方向から見て、ターゲット部22の長手方向に沿って延びてもよいし、ターゲット部22の長手方向又は短手方向に対して予め定められた一定角度だけ傾く方向に伸びてもよい。
上記実施形態では、ターゲット部保持板21に形成された複数の溝部21aの両端が側面21sまで到達して開放端を形成しており、ターゲット部22がターゲット部保持板21の縁まで到達している(図5(f)参照)が、これに限定されない。図9に示されるように、ターゲット部保持板21において、複数の溝部21aの両端がターゲット部保持板21の縁まで到達せず(開放端とならず)、ターゲット部22がターゲット部保持板21の縁まで到達していない構成であってもよい。
図9のX線発生用ターゲットKを製造する場合、図10(a)に示されるように、円板状の基板201を用意する。図10(b)に示されるように、基板201の弓形状の一部を切り欠くように切断し、基板201の外形を欠円形状とする。図10(c)に示されるように、基板201の表面にレジスト202を塗布し、溝部21aに対応する周期構造を基板201に転写する。図10(d)に示されるように、例えば誘導結合型の反応性イオンエッチングによって、基板201の表面に複数の溝部21aを形成し、ターゲット部保持板21を得る。
図10(d)に示されるように、ターゲット部保持板21の複数の溝部21aに金属103を埋め込むように、例えば化学気相蒸着によりターゲット部保持板21の表面を金属103で覆う。図10(f)に示されるように、ターゲット部保持板21の表面に付着した金属103の余剰部分(主として溝部21aに埋め込まれていない部分)を化学機械研磨などによって除去し、ターゲット部22を形成する。そして、ターゲット部保持板21の表面21f側にチタンなどの基板保護膜(不図示)を成膜する。以上により、図9のX線発生用ターゲットKが完成する。
上記実施形態では、ターゲット部22は、長手方向に沿って、一体となるように連続的に形成されているが、これに限定されない。図11に示されるように、ターゲット部22は、長手方向に沿って、複数に分割されて形成されていてもよい。より具体的には、ターゲット部22は、長手方向に沿った直線上に配置された複数の分割ターゲット部22aからなる。複数の分割ターゲット部22aは、表面21f(埋設面)と対向する方向から見て、いずれも同一形状であり、長手方向(Y軸方向)に沿って互いに等間隔となるように配置されている。さらに、複数のターゲット部22は、X軸方向において互いに等間隔となるように配置されているため、分割ターゲット部22aはマトリクス状に配置されている。なお、長手方向における分割ターゲット部22a同士の間隔(Y軸方向に沿って隣り合う分割ターゲット部22a同士の間隔)と、隣り合うターゲット部22同士の間隔(X軸方向に沿って隣り合う分割ターゲット部22a同士の間隔)とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。このように、異なる形態で長尺のターゲット部22を構成することで、異なる照射条件のX線を得ることができる。
上記実施形態では、照射領域切替え部7が偏向コイル71、第1電極72及び第2電極73を有するが、照射領域切替え部7の構成は特に限定されない。図12に示されるように、照射領域切替え部7は、集束コイル74、第1電極75及び偏向コイル76を有していてもよい。集束コイル74は、コイルに流れる電流量を調整することで、電子線EBのビームサイズを調整する。第1電極75は、フィラメント2aから出射された電子線EBの電子の量を調整する。第1電極75は、フィラメント2aと集束コイル74との間に配置されている。偏向コイル76は、電子線EBの出射軸に垂直な方向において電子線EBの位置を調整する。偏向コイル76は、第1電極75と集束コイル74との間に配置されている。なお、照射領域切替え部7は、照射領域ERを切り替えることができればよく、例えば第1電極72,75、第2電極73及び集束コイル74の少なくとも何れかを有していなくてもよい。
上記実施形態は、反射型タイプのX線発生装置1を備えているが、これに限定されない。例えば図13に示されるように、X線発生用ターゲットKを透過するように、X線発生用ターゲットKに対する電子線EBの入射方向に対して沿った方向に放出されたX線Lを取り出す透過型タイプのX線発生装置1Bを備えていてもよい。図示する例のX線発生装置1Bでは、X線出射窓5を兼ねたX線発生用ターゲットKが電子線EBの出射軸と直交するようにアパーチャ部13に配置されている。
上記実施形態では、支持体収容部12がアパーチャ部13、放熱部14、及び窓保持部15を組み合わせて構成されているが、支持体収容部12の構成はこれに限られない。例えばアパーチャ部13と一体化された窓保持部15が放熱部14に結合されて支持体収容部12が構成されていてもよく、放熱部14と一体化された窓保持部15がアパーチャ部13と結合されて支持体収容部12が構成されていてもよい。また、必ずしも目印部23が、視覚的、直感的にターゲット部22の長手方向を明示しなくてもよく、ターゲット部22の長手方向を判断可能な情報を含んでいればよい。また、ターゲット部22は、有底の溝部21aを埋めるように設けられていたが、溝部21aが表面21fから裏面21bに至るようにターゲット部保持板21を貫通した状態で設けられていてもよい。また、ターゲット部22は板状部材であるターゲット部保持板21に保持されていたが、ブロック状の保持部材によって保持してもよい。また、目印部23として、ターゲット部保持板21とは異なる材料からなる構造物をターゲット部保持板21上に設けてもよい。
上記実施形態及び変形例では、複数のターゲット部22の長手方向を把握したが、複数のターゲット部22の短手方向を把握してもよい。上記実施形態及び変形例では、複数のターゲット部22の長手方向を所望の向きにしたが、複数のターゲット部22の短手方向の向きを所望の向きにしてもよい。ターゲット部の長手方向又は短手方向を把握することができる。上記実施形態では、支持体3に対するターゲット部22の長手方向の向きが所望の向きになるように位置決めしたが、支持体3に対するターゲット部22の短手方向の向きが所望の向きになるように位置決めしてもよい。上記実施形態及び変形例において、長手方向又は短手方向を示すとは、直接的に長手方向又は短手方向を示すのみではなく、例えば配列方向等を示すことによって間接的に長手方向又は短手方向を示してもよい。上記実施形態及び変形例では、筐体部4は支持体3の少なくとも一部を収容すればよい。
上記実施形態及び変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成の一部は、本発明の一態様の要旨を逸脱しない範囲で適宜に省略可能である。
1,1B…X線発生装置、2…電子銃、3…支持体、4…筐体部、5…X線出射窓、7…照射領域切替え部、19…凹部、21…ターゲット部保持板(ターゲット部保持部)、22…ターゲット部、23…目印部(位置決め部)、23E…辺、100…X線撮像システム、112…X線検出器、113…位相格子、114…吸収格子、AN…孔、EB…電子線、L…X線、ER…照射領域、ER1…第1照射領域、ER2…第2照射領域、K…X線発生用ターゲット、S…対象物。

Claims (14)

  1. 電子線の入射によってX線を発生する複数の長尺のターゲット部と、
    複数の前記ターゲット部が互いに平行となるように埋設されたターゲット部保持部と、を備え、
    前記ターゲット部保持部は、前記ターゲット部の配置状態を示す目印部を含む、X線発生用ターゲット。
  2. 前記目印部は、前記ターゲット部の長手方向又は短手方向を示す、請求項1に記載のX線発生用ターゲット。
  3. 前記ターゲット部保持部は、前記ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て前記ターゲット部の長手方向又は短手方向に沿って延びる辺を有する形状の外形を、前記目印部として含む、請求項2に記載のX線発生用ターゲット。
  4. 前記ターゲット部保持部は、前記ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て欠円形状の外形を前記目印部として含む、請求項3に記載のX線発生用ターゲット。
  5. 前記ターゲット部保持部は、前記ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て多角形形状の外形を前記目印部として含む、請求項3に記載のX線発生用ターゲット。
  6. 前記ターゲット部保持部は、凹部又は凸部を前記目印部として含む、請求項1~5の何れか一項に記載のX線発生用ターゲット。
  7. 前記凹部又は前記凸部は、前記ターゲット部保持部の前記ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て、前記ターゲット部の長手方向又は短手方向に沿って延びる縁を含む、請求項6に記載のX線発生用ターゲット。
  8. 前記ターゲット部は、前記ターゲット部の長手方向に沿って、一体となるように連続的に形成されている、請求項1~7の何れか一項に記載のX線発生用ターゲット。
  9. 前記ターゲット部は、前記ターゲット部の長手方向に沿って、複数に分割されて形成されている、請求項1~7の何れか一項に記載のX線発生用ターゲット。
  10. 電子線を出射する電子銃と、
    請求項1~9の何れか一項に記載のX線発生用ターゲットと、
    前記X線発生用ターゲットを支持する支持体と、を備える、X線発生装置。
  11. 電子線を出射する電子銃と、
    請求項3~5の何れか一項に記載のX線発生用ターゲットと、
    前記X線発生用ターゲットを支持する支持体と、
    前記ターゲット部保持部の前記ターゲット部が埋設された埋設面と対向する方向から見て、前記電子線が照射される領域を第1照射領域と第2照射領域との間で切り替える照射領域切替え部と、を備え、
    前記第1照射領域は、前記埋設面と対向する方向から見て、前記ターゲット部保持部内における複数の前記ターゲット部を含む領域であり、
    前記第2照射領域は、前記埋設面と対向する方向から見て、前記辺を跨いで前記ターゲット部保持部の内外を含む領域である、X線発生装置。
  12. 前記支持体は、前記ターゲット部保持部が嵌め込まれる凹部を含み、
    前記目印部としての前記ターゲット部保持部の外形は、前記支持体に対する前記ターゲット部の長手方向又は短手方向の向きが所望の向きになるように位置決めする位置決め部を構成する、請求項10又は11に記載のX線発生装置。
  13. 前記電子銃、前記X線発生用ターゲット及び前記支持体の少なくとも一部を収容する筐体部と、
    前記筐体部に設けられ、前記ターゲット部で発生したX線を前記筐体部の外部に出射させるX線出射窓と、を備える、請求項10~12の何れか一項に記載のX線発生装置。
  14. 請求項10~13の何れか一項に記載のX線発生装置と、
    前記X線発生装置から出射され、撮影対象となる対象物を介したX線を検出するX線検出器と、
    前記X線発生装置と前記X線検出器との間に配置される位相格子と、
    前記位相格子と前記X線検出器との間に配置される吸収格子と、を備える、X線撮像システム。
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