JP2022102264A - シート - Google Patents

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Abstract

【課題】面状支持体が緯糸の延びる方向に縮むのを抑えることで、硬さが異なる各部位の位置が所望の位置からずれるのを抑制することを目的とする。【解決手段】シートは、枠状のシートフレームの内側に配置されて着座者を支持する面状支持体30であって、第1方向に延びる複数の経糸T1と、第1方向に直交する第2方向に延びる複数の緯糸T2を有する面状支持体30を備える。面状支持体30は、着座者を支持する面状部31であって、第1部位31Aと、経糸T1の本数、太さおよび材料のうち少なくとも1つが第1部位31Aとは異なる第2部位31Bを有する面状部31と、シートフレームに取り付けられる取付部32,33であって、面状部31の第1方向の各端に位置する取付部32,33と、面状部31に設けられ、面状部31が第2方向に縮んで皺がよるのを抑える面状部31よりも剛性が高い皺抑制部材35を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、着座者を支持する面状支持体を備えたシートに関する。
従来、シートの着座者をパッドを介して支持する面状支持体を備えたシートが知られている(特許文献1参照)。
特開2019-104370号公報
ところで、面状支持体を、第1方向に延びる複数の経糸と、第1方向に直交する第2方向に延びる複数の緯糸からなる織物で構成することが考えられる。そして、この場合、第2方向における単位長さの経糸の本数である経糸密度を、面状支持体の部位ごとに異なる密度にすることで、部位ごとの硬さを異ならせて、着座者への負担を減らすことが考えられる。具体的には、例えば、面状支持体から着座者の座骨にかかる荷重を小さくしたい場合には、面状支持体のうち座骨に対応する部分を、他の部分よりも柔らかくすることが考えられる。
しかしながら、このような構造において、第1方向における面状支持体の両端部を一対のフレームに取り付けた場合には、着座者の荷重が面状支持体に加わると、面状支持体が第2方向に縮んで皺がよってしまい、硬さが異なる各部位の位置が所望の位置からずれてしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は、面状支持体が緯糸の延びる方向に縮むのを抑えることで、硬さが異なる各部位の位置が所望の位置からずれるのを抑制することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るシートは、枠状のシートフレームと、前記シートフレームの内側に配置されて着座者を支持する面状支持体であって、第1方向に延びる複数の経糸と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の緯糸とを有する面状支持体と、を備える。
前記面状支持体は、着座者を支持する面状部であって、第1部位と、前記経糸の本数、太さおよび材料のうち少なくとも1つが前記第1部位とは異なる第2部位とを有する面状部と、前記シートフレームに取り付けられる第1取付部であって、前記面状部の前記第1方向における一端に位置する第1取付部と、前記シートフレームに取り付けられる第2取付部であって、前記面状部の前記第1方向における他端に位置する第2取付部と、前記面状部に設けられ、前記面状部が前記第2方向に縮んで皺がよるのを抑える前記面状部よりも剛性が高い皺抑制部材と、を有する。
この構成によれば、面状部よりも剛性が高い皺抑制部材が面状部に設けられることで、面状部が第2方向に縮んで皺がよることが抑えられるので、硬さが異なる第1部位と第2部位の位置が所望の位置からずれるのを抑制することができる。
また、前記皺抑制部材は、前記第2方向に延び、少なくとも前記面状部の前記第2方向における一端部と他端部とを拘束してもよい。
この構成によれば、面状部の第2方向における一端部と他端部が皺抑制部材によって拘束されるので、面状部が第2方向に縮んで皺がよるのを抑えることができる。
また、前記皺抑制部材は、前記面状部の前記第1方向における一端部に位置する第1皺抑制部材と、前記面状部の前記第1方向における他端部に位置する第2皺抑制部材と、を備えていてもよい。
この構成によれば、2つの皺抑制部材によって面状部の第1方向における一端部と他端部が第2方向に縮むのを抑制することができるので、面状部全体が第2方向に縮んで皺がよるのを抑えることができる。
また、前記第1皺抑制部材および前記第2皺抑制部材は、それぞれ長尺状の部材からなっていてもよい。
また、前記皺抑制部材は、前記第1方向に延びるとともに、前記面状部の前記第2方向における両端部に設けられ、前記面状部の少なくとも一部を拘束するとともに、前記シートフレームに支持されていてもよい。
また、前記シートフレームは、クッションフレームであってもよい。
また、前記第1方向は、前後方向であり、前記第2方向は、左右方向であってもよい。
本発明によれば、面状支持体が緯糸の延びる第2方向に縮むのを抑えることができるので、硬さが異なる各部位の位置が所望の位置からずれるのを抑制することができる。
また、第2方向に延びる皺抑制部材によって、少なくとも面状部の第2方向における一端部と他端部とを拘束することで、面状部が第2方向に縮んで皺がよるのを抑えることができる。
また、2つの皺抑制部材によって面状部の第1方向における一端部と他端部が第2方向に縮むのを抑制することで、面状部全体が第2方向に縮んで皺がよるのを抑えることができる。
本発明の一実施形態に係るシートを示す斜視図である。 シートを構成するシートフレームを示す斜視図である。 面状支持体を、前斜め上から見た斜視図(a)と、前斜め下から見た斜視図(b)である。 面状支持体の側面図(a)と、第1取付部周りの構造を拡大して示す断面図(b)と、第2取付部周りの構造を拡大して示す断面図(c)である。 延在部とクリップ等との関係を示す斜視図(a)と、延在部を分解して示す斜視図(b)である。 面状部の各部位を示す平面図(a)と、各部位での経糸密度の違いを示す図(b)~(d)である。 延在部および取付部の変形例を示す図(a)と、図7(a)の延在部を示す斜視図(b)と、延在部のフック部を孔に係合させた状態を示す斜視図(c)である。 皺抑制部材の第1変形例を示す斜視図である。 皺抑制部材の第2変形例を示す斜視図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、シートに座った者から見た、前後、左右、上下を基準とする。
図1に示すように、本実施形態のシートは、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されており、シートクッションS1、シートバックS2およびヘッドレストS3を備えている。
シートクッションS1は、図2に示すような、シートフレームの一例としてのクッションフレームF1に、ウレタンフォームなどからなるパッドと、布地や皮革などからなる表皮材を被せることで構成されている。シートバックS2は、図2に示すようなバックフレームF2に、パッドと表皮材を被せることで構成されている。なお、図示は省略するが、ヘッドレストS3も、ヘッドレストフレームに、パッドと表皮材を被せることで構成されている。
クッションフレームF1は、自動車のフロアにスライドレールSLを介して設置されており、これにより、車両用シートSは、前後位置を調整可能となっている。また、バックフレームF2は、その下部がクッションフレームF1の後部にリクライニング機構RLを介して回動可能に連結されている。
バックフレームF2は、上部フレーム21と、左右のシートバックサイドフレーム22と、下部フレーム23とを主に有して構成され、上部フレーム21、左右のシートバックサイドフレーム22および下部フレーム23が溶接などによって一体に結合された枠状に形成されている。
上部フレーム21は、略U形状に屈曲するパイプ材で構成されており、左右方向に延びる横パイプ部21Aの前側には、ヘッドレストS3を取り付けるための左右一対のサポートブラケット21Bが溶接によって固定されている。また、上部フレーム21の上下方向に延びる左右の縦パイプ部21Cは、それぞれ、その下部に結合される板状の左右のサイドフレーム本体部22Aと一体となって左右のシートバックサイドフレーム22を構成している。
クッションフレームF1は、左右のクッションサイドフレーム11と、パンフレーム12と、リア連結パイプ13とを主に有して構成され、左右のクッションサイドフレーム11、パンフレーム12およびリア連結パイプ13が溶接などによって一体に結合された枠状に形成されている。この枠状のクッションフレームF1の内側には、パッドを介して着座者を支持する面状支持体30が配置されている。
パンフレーム12は、前後方向および左右方向に延びる板状の部材である。パンフレーム12は、リア連結パイプ13よりもリクライニング機構RLから遠い位置に配置されている。パンフレーム12は、後端部に、取付用フック12Aを有している。取付用フック12Aは、面状支持体30の前端を取り付けるためのフックである。取付用フック12Aは、左右方向に間隔を空けて複数設けられている。取付用フック12Aは、板状のパンフレーム12の一部を切り起こすことで、パンフレーム12に一体に形成されている。
リア連結パイプ13は、左右方向に延びる円筒状の部材である。リア連結パイプ13は、面状支持体30の後端を取り付けるための取付用フック13Aを有している。取付用フック13Aは、板金を折り曲げることで形成されており、溶接等によりリア連結パイプ13に接合されている。取付用フック13Aは、左右方向に間隔を空けて複数設けられている。
図3(a),(b)に示すように、面状支持体30は、着座者を支持するシート状の面状部31と、クッションフレームF1に取り付けられる第1取付部32および第2取付部33と、第1取付部32から延び、面状部31に対して着座者とは反対側に位置する延在部34とを有する。面状部31は、1枚のシート状部材30Sの一部によって構成されている。本実施形態では、シート状部材30Sは、布である。
第1取付部32は、面状部31の前端に配置されている。第1取付部32は、係合部材の一例としてのワイヤ32Aと、ワイヤ32Aを保持する保持部32Bとを有している。ワイヤ32Aは、例えば金属からなり、シート状部材30Sよりも剛性が高い。
保持部32Bは、シート状部材30Sの一部を折り返して糸STで縫製することで筒状に形成されている。ワイヤ32Aは、保持部32B内に入ることで、保持部32Bに保持されている。保持部32Bには、ワイヤ32Aを露出させる切欠き32Cが形成されている。切欠き32Cは、左右方向において間隔を空けて複数設けられている。ワイヤ32Aの切欠き32Cから露出した部分は、図4(b)に示すように、パンフレーム12の取付用フック12Aに係合可能となっている。
図3(a)に示すように、第2取付部33は、面状部31の後端に配置されている。第2取付部33は、第1取付部32と同様の構造となっている。具体的に、第2取付部33は、ワイヤ33Aと、複数の切欠き33Cを有する筒状の保持部33Bとを有している。ワイヤ33Aの切欠き33Cから露出した部分は、図4(c)に示すように、リア連結パイプ13に接合された取付用フック13Aに係合可能となっている。
図4(b)に示すように、延在部34は、前側の第1取付部32から垂れ下がるように設けられている。このように延在部34が前側の第1取付部32に設けられることで、延在部34からリア連結パイプ13までの距離は、延在部34からパンフレーム12までの距離よりも大きくなっている。
延在部34は、筒状部34Aと、筒状部34A内に配置される補強部材34Bとを有している。筒状部34Aは、シート状部材30Sの前端部を折り返して糸STで縫製することで筒状に形成されている。詳しくは、シート状部材30Sの前端部が、保持部32Bを形成するシート状部材30Sの断面視C字状の部分の各端部に挟まれた状態で、各端部とともに糸STで縫製されることで、筒状部34Aと保持部32Bが形成されている。
補強部材34Bは、シート状部材30Sよりも剛性が高い部材であり、例えば樹脂板などからなる。図5(b)に示すように、補強部材34Bは、板状の部材であり、係止部としての係止孔H1を有している。係止孔H1は、補強部材34Bを貫通する貫通孔であり、左右方向に間隔を空けて2つ設けられている。
筒状部34Aは、係止孔H1を外部に露出させる露出孔H2を有している。露出孔H2は、係止孔H1の一方の開口を外部に臨ませる第1露出孔H21と、係止孔H1の他方の開口を外部に臨ませる第2露出孔H22とを有している。図5(a)に示すように、補強部材34Bは、筒状部34Aに糸STで縫製されることで固定されている。補強部材34Bの係止孔H1には、電装部品に電力または信号を伝達するワイヤーハーネスWHがクリップCPによって係止されている(図4(b)も参照)。
図6(a)~(d)に示すように、シート状部材30Sは、第1方向としての前後方向に延びる複数の経糸T1と、第1方向に直交する第2方向としての左右方向に延びる複数の緯糸T2とを有する。経糸T1は、緯糸T2よりも太く弾性変形しやすいように構成されている。具体的には、例えば、経糸T1は、エラストマからなり、緯糸T2は、ポリエステルからなる。
面状部31は、左右方向における単位長さUL当たりの経糸T1の本数である経糸密度が異なる第1部位31A、第2部位31B、第3部位31Cおよび第4部位31Dを有する。第1部位31Aは、面状部31の左右の両端部に位置している。図6(b)に示すように、第1部位31Aは、経糸密度が最も高い第1密度となっている。第1部位31Aを構成する複数の経糸T1のピッチは略一定となっている。
第2部位31Bは、着座者の左右の座骨に対応した位置に1つずつ設けられている。図6(c)に示すように、第2部位31Bは、経糸密度が第1密度よりも低い第2密度となっている。第2部位31Bを構成する複数の経糸T1のピッチは略一定となっている。
第3部位31Cは、左の第1部位31Aと左の第2部位31Bの間と、右の第1部位31Aと右の第2部位31Bとの間に、それぞれ1つずつ設けられている。第3部位31Cは、経糸密度が、第1密度よりも低く、かつ、第2密度よりも高くなっている。第3部位31Cを構成する複数の経糸T1のピッチは、第1部位31Aから第2部位31Bに向かうにつれて徐々に大きくなっている。
第4部位31Dは、左右の第2部位31Bの間に設けられている。第4部位31Dは、経糸密度が、第1密度よりも低く、かつ、第2密度よりも高くなっている。第4部位31Dを構成する複数の経糸T1のピッチは、例えば、左右方向の端から中央に向かうにつれて徐々に大きくなっている。
図3(a),(b)に示すように、面状部31には、面状部31が左右方向に縮んで皺がよるのを抑える皺抑制部材35が設けられている。皺抑制部材35は、面状部31の前端部に位置する第1皺抑制部材35Aと、面状部31の後端部に位置する第2皺抑制部材35Bと、を備えている。第1皺抑制部材35Aおよび第2皺抑制部材35Bは、それぞれ面状部31よりも剛性が高い部材であり、例えば樹脂板などからなる。
第1皺抑制部材35Aおよび第2皺抑制部材35Bは、それぞれ、面状部31の左右方向の一端から他端にわたって延びる長尺の板状部材であり、全体が面状部31に糸STで縫製されることで固定されている。これにより、第1皺抑制部材35Aおよび第2皺抑制部材35Bは、面状部31が第2方向に縮まないように、面状部31の全体を拘束している。なお、面状部31が第2方向に縮まないようにするためには、第1皺抑制部材35Aおよび第2皺抑制部材35Bの左右方向の各端部のみを面状部31に縫い付けて、面状部31の左右方向における一端部と他端部とを拘束してもよい。また、面状支持体に皺抑制部材を設けるにあたり、本実施例では皺抑制部材が面状支持体に縫製されているが、他にも面状支持体に樹脂を含侵させることによるインジェクション成型で皺抑制部材を面状支持体に一体成形しても良い。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
ワイヤーハーネスWHが係止される延在部34が、面状部31に対して着座者とは反対側に位置するので、延在部34に係止されたワイヤーハーネスWHやクリップCPの存在を着座者が感じるのを抑えることができる。そのため、着座者に違和感を覚えさせることなく、ワイヤーハーネスWHを面状支持体30に取り付けることができる。
延在部34がリクライニング機構RLから遠くに離れた位置に配置されるので、クッションフレームF1に対してバックフレームF2を回動させたときに、バックフレームF2に設けられた部材が延在部34と干渉するのを抑えることができる。
延在部34が、面状部31を構成するシート状部材30Sの端部が折り返されることで形成されるので、延在部34を簡易に構成することができる。
延在部34がシート状部材30Sよりも剛性が高い補強部材34Bを有するので、ワイヤーハーネスWHが取り付けられる部分の強度を高めることができる。
筒状部34Aが、補強部材34Bの係止孔H1を外部に露出させる露出孔H2を有するので、補強部材34Bの係止孔H1にクリップCPを良好に係合させることができる。
延在部34が第1取付部32から延びることで、ワイヤーハーネスWHから延在部34に加わる負荷が面状部31に伝達されにくいので、面状部31で着座者を良好に支持することができる。
取付部32,33が、取付用フック12A,13Aに係合するワイヤ32A,33Aを有するので、取付部32,33をクッションフレームF1に良好に取り付けることができる。
面状部31よりも剛性が高い皺抑制部材35が面状部31に設けられることで、面状部31が第2方向に縮んで皺がよることが抑えられるので、経糸密度が異なる各部位、特に着座者の座骨を支持する第2部位31Bの位置が所望の位置からずれるのを抑制することができる。
また、前記皺抑制部材は、前記第2方向に延び、少なくとも前記面状部の前記第2方向における一端部と他端部とを拘束してもよい。
左右方向に延びる皺抑制部材35によって面状部31が左右方向に縮むことが拘束されるので、面状部31が左右方向に縮んで皺がよるのを抑えることができる。
2つの皺抑制部材35A,35Bによって面状部31の前端部と後端部が左右方向に縮むのを抑制することができるので、面状部31全体が左右方向に縮んで皺がよるのを抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、延在部34を第1取付部32から延びるように構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば図7(a)に示すように、延在部36は、面状部31から延びていてもよい。具体的に、この形態では、延在部36は、板状の樹脂部材からなり、糸STで縫製されることで面状部31に固定されている。なお、面状支持体に延在部を設けるにあたり、本実施例では延在部が面状支持体に縫製されているが、他にも面状支持体に樹脂を含侵させることによるインジェクション成型で延在部を面状支持体に一体成形しても良い。
図7(b),(c)に示すように、延在部36は、ワイヤーハーネスWHを直接係止するための係止部361を有している。係止部361は、延在部36に形成される孔H3と、延在部36の輪郭の一部から延びる帯状部361Aと、帯状部361Aの先端に設けられ、孔H3と係合するフック部361Bと、を有している。
この形態によれば、帯状部361Aの先端のフック部361Bを孔H3に係合させると、帯状部361Aが筒状になるので、筒状の帯状部361AによってワイヤーハーネスWHを保持することができる。そのため、この形態では、前記実施形態のようなクリップCPが不要となる。
取付部の構造は、前記実施形態に限定されない。例えば、図7(a)に示すように、面状部31の前端に位置する第1取付部37を、パンフレーム12の取付用フック12Aに係合する樹脂製のフック形状の部材としてもよい。また、面状部31の後端に位置する第2取付部38を、2つのフック38A,38Bと、2つのフック38A,38Bを連結する連結部38Cとで構成してもよい。連結部38Cは、シート状部材30Sの一部であり、前後方向の各端にフック38A,38Bが固定されている。第2取付部38は、連結部38Cをリア連結パイプ13に巻き掛けた状態で、各フック38A,38Bを係合させることで、リア連結パイプ13に取り付けられる。
なお、延在部や取付部は、他にも様々な構造とすることができる。例えば、延在部は、図5(b)の構造から補強部材34Bを取り除いた構造することもできる。この場合、延在部34の筒状部34Aに形成した露出孔H2に、ワイヤーハーネスWH等を取り付けるための取付部材を係合させてもよい。また、取付部は、シート状部材に形成した孔であって、取付用フックと係合する孔であってもよい。
前記実施形態では、延在部に係止される所定の部材を、ワイヤーハーネスWHとしたが、所定の部材は、例えば、リクライニング機構などを操作するための操作用のワイヤなどであってもよい。
図8に示すように、第1皺抑制部材135Aおよび第2皺抑制部材135Bは、それぞれ棒状の部材、例えば金属製のロッドからなっていてもよい。この場合、面状部31の左右の端部に、面状部31の下面に折り返される折り返し部311を設け、左右の折り返し部311の左右方向内側への移動を第1皺抑制部材135Aで規制してもよい。具体的には、左右の折り返し部311の前後端を面状部31に縫い付けることで袋状の部分を形成し、この袋状の部分の中に、第1皺抑制部材135Aの両端を入れればよい。
また、面状部31の左右方向の中央に、第1皺抑制部材135Aを保持するためのシート状の保持部材312を設けてもよい。具体的には、シート状の保持部材312の前後端を面状部31に縫い付けることで筒状の部分を形成し、この筒状の部分の中に、第1皺抑制部材135Aを入れればよい。
また、図9に示すように、皺抑制部材235は、前後方向に延びるとともに、面状部31の左右方向の両端部に配置される第1棒状部235Aおよび第2棒状部235Bを有していてもよい。具体的に、第1棒状部235Aは、ワイヤ32Aの左右方向の一端に一体に形成されており、第2棒状部235Bは、ワイヤ32Aの左右方向の他端に一体に形成されている。第1棒状部235Aおよび第2棒状部235Bの各前端は、ワイヤ32Aを介してパンフレーム12に支持されている。また、第1棒状部235Aおよび第2棒状部235Bの各後端は、リア連結パイプ13に接合された係止片13Bに支持されている。
面状部31の左右の端部には、前述したような折り返し部311が設けられている。左右の折り返し部311は、第1棒状部235Aまたは第2棒状部235Bに巻き掛けられた状態で面状部31に縫い付けられている。なお、この形態では、左右の折り返し部311は、面状部31の前側に配置されている。そのため、皺抑制部材235は、面状部31の前側部分を拘束している。なお、折り返し部311を面状部31の前端から後端にわたって形成した場合には、皺抑制部材235は、面状部31の全体を拘束する。
前記実施形態では、シートとして、自動車で使用される車両用シートSを例示したが、本発明はこれに限定されず、その他の乗物用シート、例えば、船舶や航空機などで使用されるシートであってもよい。また、シートは、乗物用シートに限らず、例えば、座椅子、家具やアウトドアの椅子などであってもよい。
前記実施形態では、シートフレームとしてクッションフレームを例示したが、本発明はこれに限定されず、シートフレームは、バックフレームであってもよい。この場合、第1方向は、上下方向であり、第2方向は、左右方向であってもよい。なお、第1方向を左右方向、第2方向を前後方向または上下方向としてもよい。
前記実施形態では、面状部の各部位において経糸の本数を異ならせたが、本発明はこれに限定されず、面状部の各部位は、硬さが異なっていればよく、例えば、面状部の各部位における経糸の太さを異ならせてもよいし、面状部の各部位における経糸の材料を異ならせてもよい。つまり、面状部は、第1部位と、経糸の本数、太さおよび材料のうち少なくとも1つが第1部位とは異なる第2部位とを有していればよい。
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
30 面状支持体
31 面状部
31A 第1部位
31B 第2部位
32 第1取付部
33 第2取付部
35 皺抑制部材
F1 クッションフレーム
T1 経糸
T2 緯糸

Claims (7)

  1. 枠状のシートフレームと、
    前記シートフレームの内側に配置されて着座者を支持する面状支持体であって、第1方向に延びる複数の経糸と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の緯糸とを有する面状支持体と、を備えたシートであって、
    前記面状支持体は、
    着座者を支持する面状部であって、第1部位と、前記経糸の本数、太さおよび材料のうち少なくとも1つが前記第1部位とは異なる第2部位とを有する面状部と、
    前記シートフレームに取り付けられる第1取付部であって、前記面状部の前記第1方向における一端に位置する第1取付部と、
    前記シートフレームに取り付けられる第2取付部であって、前記面状部の前記第1方向における他端に位置する第2取付部と、
    前記面状部に設けられ、前記面状部が前記第2方向に縮んで皺がよるのを抑える前記面状部よりも剛性が高い皺抑制部材と、を有することを特徴とするシート。
  2. 前記皺抑制部材は、前記第2方向に延び、少なくとも前記面状部の前記第2方向における一端部と他端部とを拘束することを特徴とする請求項1に記載のシート。
  3. 前記皺抑制部材は、
    前記面状部の前記第1方向における一端部に位置する第1皺抑制部材と、
    前記面状部の前記第1方向における他端部に位置する第2皺抑制部材と、を備えることを特徴とする請求項2に記載のシート。
  4. 前記第1皺抑制部材および前記第2皺抑制部材は、それぞれ長尺状の部材からなることを特徴とする請求項3に記載のシート。
  5. 前記皺抑制部材は、
    前記第1方向に延びるとともに、前記面状部の前記第2方向における両端部に設けられ、
    前記面状部の少なくとも一部を拘束するとともに、前記シートフレームに支持されていることを特徴とする請求項1に記載のシート。
  6. 前記シートフレームは、クッションフレームであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシート。
  7. 前記第1方向は、前後方向であり、
    前記第2方向は、左右方向であることを特徴とする請求項6に記載のシート。
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