JP2022102151A - 医療デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】医療デバイスが体内から体外へ回収される際に、該医療デバイスが回収した狭窄物が体内に脱落することを抑制する医療デバイスを提供する。【解決手段】本発明に係る医療デバイス1は、血管内に形成された狭窄物Lを切削可能な複数のフィルタ100と、フィルタ100の中心部付近(内縁付近)に接続された長尺なシャフト200と、フィルタ100の外縁付近に接続された操作部300と、を有し、複数のフィルタ100は、第1フィルタ101と、第1フィルタ101よりも近位側(軸方向X1側)に配置され、第1フィルタ101とは異なる構造を備える第2フィルタ102と、を有し、第1フィルタ101及び第2フィルタ102は、操作部300の軸方向Xに沿って操作部300が操作されると、近位側(軸方向X1側)に向けて閉じる。【選択図】図4C
Description
本発明は、医療デバイスに関する。
従来から、血管等の生体内に導入され血栓やプラークなどの狭窄物を回収するために用いられる医療デバイス(血管内用の装置)が知られ、血管内用の装置として血栓塞栓保護防止フィルタが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、従来の医療デバイスでは、医療デバイスを回収する際に該医療デバイスが回収した狭窄物が体内に脱落してしまい、回収作業を複数回にわたって行う必要がある。特に、末梢血管領域での病変は病変長が長いため、従来の医療デバイスでは効率的に狭窄物を回収することができない。また、術者が医療デバイスを回収する際に狭窄物が脱落してしまうと、狭窄物が末梢血管を閉塞してしまう虞がある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、医療デバイスが体内から体外へ回収される際に、該医療デバイスが回収した狭窄物が体内に脱落することを抑制する医療デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の医療デバイスは、血管内に形成された狭窄物を切削可能な複数のフィルタと、前記フィルタの中心部付近に接続された長尺なシャフトと、前記フィルタの外縁付近に接続された操作部と、を有し、前記複数のフィルタは、第1フィルタと、前記第1フィルタよりも近位側に配置され、前記第1フィルタとは異なる構造を備える第2フィルタと、を有し、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、前記操作部の軸方向に沿って前記操作部が操作されると、前記近位側に向けて閉じる。
本発明に係る医療デバイスによれば、第1フィルタ及び第2フィルタは、術者によって操作部が操作されると、操作部の近位側に向けて閉じる。そのため、第1フィルタ及び第2フィルタのそれぞれが体内から体外へ回収されるときに形成する空間部の開口部は、術者による操作部の操作によって小さくなる。したがって、医療デバイスは、体内から体外へ回収される際に、該医療デバイスが回収した狭窄物が体内に脱落することを抑制することができる。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1~図4Cは、実施形態に係る医療デバイス1の各部の構成を示す図である。
各図に示す矢印X1-X2(単に矢印Xともいう)は、医療デバイス1の「長手方向(軸方向)」を示し、矢印Yは、医療デバイス1の「幅方向(奥行方向)」を示し、矢印Zは、医療デバイス1の「高さ方向」を示す。また、医療デバイス1の軸方向Xから視た周方向を単に「周方向θ」と称し、医療デバイス1の軸方向Xから視た径方向を単に「放射方向r」と称する。
なお、本明細書では、生体内に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、術者の手元側を「基端」若しくは「基端側」と称する。また、明細書の説明において「先端部」とは、先端(最先端)及びその周辺を含む一定の範囲を意味し、「基端部」とは、基端(最基端)及びその周辺を含む一定の範囲を意味するものとする。
医療デバイス1は、図1に示すように、血管内に形成された狭窄物Lを切削可能な複数のフィルタ100と、複数のフィルタ100の中心部付近に接続されたシャフト200と、複数のフィルタ100の外縁付近に接続され、操作されることによってフィルタ100の各々に対して外力を付与する複数の操作部300と、を有している。
(フィルタ)
フィルタ100は、図1、図3に示すように、2つ設けられ、シャフト200の先端側(軸方向X2側)に配置される第1フィルタ101と、第1フィルタ101よりも近位側に配置され、第1フィルタ101とは異なる構造を備える第2フィルタ102と、を有している。
フィルタ100は、図1、図3に示すように、2つ設けられ、シャフト200の先端側(軸方向X2側)に配置される第1フィルタ101と、第1フィルタ101よりも近位側に配置され、第1フィルタ101とは異なる構造を備える第2フィルタ102と、を有している。
フィルタ100は、図1、図4Aに示すように、自然状態(フィルタ100に操作部300による外力が与えられていない状態)において軸方向X2側(先端側)に向かって閉じるように構成されている。また、フィルタ100は、図3、図4Bに示すように、拡張状態(フィルタ100に操作部300による外力が与えられている状態)において、略円形である。
第1フィルタ101と第2フィルタ102は、図3に示すように、外径(外形)が互いに異なるように構成され、第2フィルタ102は、第1フィルタ101より小さくなるように構成されている。そのため、拡張状態の第1フィルタ101が血管壁等に形成された狭窄物Lに当接する場所と、拡張状態の第2フィルタ102が血管壁等に形成された狭窄物Lに当接する場所は、シャフト200を軸方向Xから視たときに互いに異なる位置となる。
第1フィルタ101と第2フィルタ102は、互いに異なる構造を有することによって、一回の作業による狭窄物L1の回収効率をあげることができる。また、このような第1フィルタ101と第2フィルタ102によれば、医療デバイス1が体内から体外へ回収されるときにフィルタ100の各々が狭窄物Lに当接することによって発生する抵抗力を抑制することができる。そのため、術者は、医療デバイス1を簡易に血管等から抜去することができる。
また、フィルタ100は、図3に示すように、フィルタ本体部110と、フィルタ100とシャフト200、あるいはフィルタ100と操作部300の接続を可能にする複数の接続部120と、を有している。また、フィルタ100は、図4Cに示すように、操作部300の操作に伴って形成される、空間部111と、開口部112と、を有している。
フィルタ本体部110は、メッシュ構造を有している。フィルタ本体部110は、フィルタ100が拡張状態に変化すると、メッシュ構造によって管壁等に形成された狭窄物Lを切削して、狭窄物L1を絡めとることができる。
フィルタ本体部110の構成材料は、例えば、Ni-Tiなどの形状記憶性を有する合金を用いることができる。これにより、術者の操作によって変形したフィルタ100が再び自然状態の形状に戻ることが可能になり、術者は、一回の作業(一回の医療デバイス1の挿入すること)で複数回の回収作業(操作部300を操作して狭窄物Lを切削し、切削された狭窄物L1を回収すること)を行うことができる。
空間部111は、フィルタ本体部110によって切削された狭窄物L1を収容することができる。
開口部112は、フィルタ100の外縁によって形成される。開口部112は、フィルタ本体部110が拡張状態(図4Bを参照)から収容状態(拡張状態のフィルタ100に操作部300による外力がさらに与えられている状態、図4Cを参照)に変化すると、その外形を小さくすることができため、回収した狭窄物L1が空間部111から体内に脱落することを抑制することができる。
接続部120は、フィルタ100の各々の外縁付近、またはフィルタ100の各々の中心部付近の内縁に設けられる。
接続部120は、図3に示すように、第1フィルタ101の内縁101Pに設けられる第1接続部121と、第1フィルタ101の外縁101Qに設けられる第2接続部122と、第2フィルタ102の内縁102Pに設けられる第3接続部123と、を備えている。
第1接続部121は、シャフト200の外周面を少なくとも部分的に覆うように配置されている。第1接続部121は、第1フィルタ101の内縁101Pにシャフト200を固定することができる。
第2接続部122は、図3に示すように、3つ設けられ、シャフト200(または第1フィルタ101)の周方向θに対称的に配置されている。第2接続部122は、第1フィルタ101の外縁101Qに操作部300を固定することができる。
第1接続部121及び第2接続部122は、図4A~図4Cに示すように、術者が操作部300を軸方向X1側に操作すると、第1フィルタ101を軸方向X1側に引っ張ることができ、シャフト200に対する第1フィルタ101のフィルタ本体部110の位置(言い換えれば、第1フィルタ101の空間部111と開口部112の形状)を変化させることができる。
第3接続部123は、シャフト200の外周面を少なくとも部分的に覆うように配置されている。第3接続部123は、第2フィルタ102の内縁102Pにシャフト200を固定することができる。
なお、第1接続部121、第2接続部122、第3接続部123の固定方法は、特に制限されないが、例えば、溶着、接着剤による接着、熱融着による固定方法を用いることができる。
以上、フィルタ100の構成について説明したが、各フィルタ100の構成は種々改変することが可能である。例えば、図面に示す各フィルタ100の平面形状は略円形であるが、その形状は特に限定されない。例えば、楕円形、多角形(矩形や三角形等)であってもよい。また、フィルタ100ごとに平面形状や断面形状が異なっていてもよい。
また、第1フィルタ101と第2フィルタ102との間の異なる構造は、上述した構造(図3に示す第1フィルタ101と第2フィルタ102の構造)に限定されない。例えば、図5A~図5Cに示すように、第1フィルタと第2フィルタとの間の異なる構造が、操作部300の操作に伴って拡張した際のフィルタ本体部110のメッシュ構造の位置が互いに異なること(図5Aの第1フィルタ101Aと第2フィルタ102Aを参照)、該メッシュ構造の構成が互いに異なること(図5Bの第1フィルタ101Bのフィルタ本体部110Aと第2フィルタ102Bのフィルタ本体部110Bを参照)、第1フィルタと第2フィルタの外径が互いに異なること(図3または図5Cの第1フィルタ101Cと第2フィルタ102Cを参照)のいずれか条件またはその組み合わせによる条件によって構成されていてもよい。なお、図5A~図5Cに示す第1フィルタと第2フィルタの構造は、一例であり、該構造は種々改変することが可能である。
また、第2接続部122の各々は、シャフト200の周方向θに非対称的に配置されていてもよい。
また、各第2接続部122に固定される操作部300の個数は、特に限定されない。
また、第2接続部122の個数は、特に限定されない。
(シャフト)
シャフト200は、図1に示すように、医療デバイス1の軸方向Xに沿って延在している、可撓性を備える長尺体である。
シャフト200は、図1に示すように、医療デバイス1の軸方向Xに沿って延在している、可撓性を備える長尺体である。
シャフト200の基端部は、図1~図2Bに示すように、操作部300の基端側を収容可能なルーメン210を備えている。ルーメン210は、各操作部300に対応して設けられ、3つ配置されている。ルーメン210は、シャフト200の軸方向Xに沿ってほぼ一定の外径を備えている。そのため、シャフト200の基端部は、シャフト200の先端部より大きい外径を備える。
また、シャフト200の先端部は、図1、図4A~図4Cに示すように、R形状である。そのため、術者が医療デバイス1を前進または後退させるときに生体管腔の内壁などが傷付くことを防止することができる。
シャフト200の断面形状は、特に限定されないが、例えば、図2A、図2Bに示すように、略円形に形成することができる。
シャフト200の全長(軸方向Xの長さ)は、特に限定されないが、130cm~200cmに設定することができる。
シャフト200は、ワイヤーにより構成され、該ワイヤーの構成材料は、例えば、Ni-Tiなどの超弾性を有する合金、ステンレス鋼などの金属材料を用いることができる。これにより、医療デバイス1は、生体管腔に対する貫通性を向上させることができる。
(操作部)
操作部300は、図3に示すように、各第2接続部122に対応して設けられ、3つ配置されている。
操作部300は、図3に示すように、各第2接続部122に対応して設けられ、3つ配置されている。
操作部300は、術者によって軸方向X1側に操作されると、各第2接続部122を介して第1フィルタ101の外縁101Qを軸方向X1側に引っ張ることができ、第1フィルタ101の空間部111と開口部112の形状を変化させることができる。
操作部300の構成材料は、例えば、塩化ビニル、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、スチレン‐エチレン‐ブチレン‐スチレン共重合体(SEBS)、スチレン‐エチレン‐プロピレン‐スチレン共重合体(SEPS)などの熱可塑性エラストマー、ナイロン、PETなどの熱可塑性樹脂、またはゴム、シリコーンエラストマー、繊維素材、SUS線、銅線、チタン線、ナイチノール線などを用いることができる。
なお、操作部300の断面形状や細さ、全長(軸方向Xの長さ)は、医療デバイス1による狭窄物Lの回収を阻害しない限り、特に制限されない。
また、操作部300は、図3に示すように、第2フィルタ102の外縁102Q付近に設けられた孔部103に挿通され、術者の操作に伴って第2フィルタ102の外縁102Qに引っ掛かる突起部301を有している。
ている。
ている。
突起部301は、操作部300と第2フィルタ102の外縁102Qと操作部300を接続することができる第4接続部として機能し、第2フィルタ102の外縁102Qは、操作部300の操作に伴って可動可能に構成される。操作部300は、術者によって軸方向X1側に操作されると、各突起部301を介して第2フィルタ102の外縁102Qを軸方向X1側に引っ張ることができ、第2フィルタ102の空間部111と開口部112の形状を変化させることができる。
突起部301の構成材料は、特に制限されないが、例えば、操作部300と同等の材料を用いることができる。
なお、各操作部300に形成される突起部301の個数は、特に限定されない。
また、第4接続部は、操作部300に形成される突起部301によって構成されていなくてもよい。第4接続部は、第2フィルタ102の外縁102Qが操作部300の操作に伴って可動可能に構成される限り、その構成は限定されない。例えば、第4接続部は、第2フィルタ102に設けられた切れ込みに操作部300が引っ掛かることによって達成されてもよい。
また、操作部300と第2フィルタ102の外縁102Qは、あらかじめ固定されていてもよく、その固定方法は、例えば、溶着、接着剤による接着、熱融着による固定方法であってもよい。なお、操作部300と第2フィルタ102の外縁102Qがあらかじめ固定されている場合、第2フィルタ102の内縁102Pは、シャフト200に固定されておらず、操作部300の操作に伴って可動可能に構成されていてもよい。第2フィルタ102は、シャフト200および操作部300の少なくとも一方に接続される構成である限り、その接続方法は、特に限定されない。
(使用方法)
図4A~図4Cを参照して、医療デバイス1の使用方法を説明する。
図4A~図4Cを参照して、医療デバイス1の使用方法を説明する。
まず、術者は、医療デバイス1を生体管腔に挿入する。このとき、フィルタ100は、自然状態(フィルタ100に操作部300による外力が与えられていない状態)であり、軸方向X2側(先端側)に向かって閉じている状態(閉状態、収縮している状態ともいう図4Aを参照)である。
次に、術者は、操作部300をシャフト200の基端側(軸方向X1側、軸方向Xの近位側)に操作する。該操作は、操作部300を軸方向X1側に引っ張る、または可逆的な手段によって巻き取ることによって達成される。
このとき、操作部300は、各第2接続部122を介して第1フィルタ101の外縁101Qを軸方向X1側に引っ張ることができる。また、操作部300は、突起部301のいずれかが第2フィルタ102の外縁102Qに引っ掛けることによって第2フィルタ102の外縁102Qを軸方向X1側に引っ張ることができる。
そのため、フィルタ100は、操作部300の操作に伴って、閉状態から、フィルタ本体部110をシャフト200の軸方向Xに対して放射方向rに開いている状態(開状態、拡張している状態ともいう、図3及び図4Bを参照)に変化する。フィルタ100は、開状態に変化すると、フィルタ本体部110のメッシュ構造によって管壁等に形成された狭窄物Lを切削して、狭窄物L1を絡めとることができる。
そして、術者は、操作部300をシャフト200の基端側にさらに操作すると、フィルタ100は、開状態から、フィルタ本体部110をシャフト200の軸方向Xの近位側に向けて閉じている状態(収容状態ともいう、図4Cを参照)に変化する。フィルタ100は、収容状態に変化すると、空間部111と、空間部111と外部とを連通する開口部112と、を形成し、開口部112の外形を段階的に小さくすることができる。そのため、フィルタ100は、空間部111に狭窄物L1を回収するとともに、回収した狭窄物L1が空間部111から体内に脱落することを抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る医療デバイス1は、血管内に形成された狭窄物Lを切削可能な複数のフィルタ100と、フィルタ100の中心部付近(内縁付近)に接続された長尺なシャフト200と、フィルタ100の外縁付近に接続された操作部300と、を有し、複数のフィルタ100は、第1フィルタ101と、第1フィルタ101よりも近位側(軸方向X1側)に配置され、第1フィルタ101とは異なる構造を備える第2フィルタ102と、を有し、第1フィルタ101及び第2フィルタ102は、操作部300の軸方向Xに沿って操作部300が操作されると、近位側(軸方向X1側)に向けて閉じる。
このように構成された医療デバイス1によれば、第1フィルタ101及び第2フィルタ102は、術者によって操作部300が操作されると、近位側に向けて閉じる。そのため、第1フィルタ101及び第2フィルタ102のそれぞれが体内から体外へ回収されるときに形成する空間部111の開口部112は、術者による操作部300の操作によって小さくなる。したがって、医療デバイス1は、体内から体外へ回収される際に、医療デバイス1が回収した狭窄物Lが体内に脱落することを抑制することができる。
また、第1フィルタ101及び第2フィルタ102は、外縁または内縁の端部に設けられる接続部120を有し、接続部120は、第1フィルタ101の一端(内縁101P)がシャフト200に接続される第1接続部121と、第1フィルタ101の他端(外縁101Q)が操作部300に接続される第2接続部122と、第2フィルタ102の一端(内縁102P)がシャフト200に接続される(または第2フィルタ102の外縁102Qが操作部300に接続される)第3接続部123と、を備え、第2フィルタ102の他端(内縁102Pまたは外縁101Q)は、操作部300の操作に伴って可動可能に構成される。これにより、接続部120は、術者が操作部300を操作すると、フィルタ100の各々を軸方向X1側に引っ張ることができ、シャフト200に対するフィルタ100のフィルタ本体部110の位置を変化させることができる。
また、第1フィルタ101及び第2フィルタ102は、メッシュ構造を有するフィルタ本体部110を有し、第1フィルタ101と第2フィルタ102との間の異なる構造は、操作部300の操作に伴って拡張した際の該メッシュ構造の位置が互いに異なること、該メッシュ構造の構成が互いに異なること、第1フィルタ101と第2フィルタ102の外径が互いに異なること、のいずれか条件またはその組み合わせによる条件によって構成される。これにより、医療デバイス1は、一回の作業による狭窄物L1の回収効率をあげることができる。また、このような第1フィルタ101と第2フィルタ102によれば、医療デバイス1が体内から体外へ回収されるときにフィルタ100の各々が狭窄物Lに当接することによって発生する抵抗力を抑制することができる。そのため、術者は、医療デバイス1を簡易に血管等から抜去することができる。
また、シャフト200は、ワイヤーにより構成される。これにより、医療デバイス1は、生体管腔に対する貫通性を向上させることができる。
また、第1フィルタ101及び前記第2フィルタ102は、形状記憶合金により形成される。これにより、術者の操作によって変形したフィルタ100が再び自然状態の形状に戻ることが可能になり、術者は、一回の作業(一回の医療デバイス1の挿入すること)で複数回の回収作業(操作部300を操作して狭窄物Lを切削し、切削された狭窄物L1を回収すること)を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず特許請求の範囲において種々の変更が可能である。
例えば、図6に示す変形例1に係る医療デバイス1aのように、シャフト200を構成するワイヤーWを挿通可能に構成される、カテーテル400をさらに備えていてもよい。これにより、ワイヤーWは、術者が操作部300をシャフト200の基端側(軸方向X1側、軸方向Xの近位側)に操作すると、カテーテル400の先端側開口部400Kから出し入れ可能に構成される。そのため、術者は、ワイヤーWを操作することによって切削された狭窄物L1を空間部(図示省略)に収容しているフィルタ100の各々をカテーテル400の内腔410に収容することができる。したがって、このような医療デバイス1aによれば、医療デバイス1aが回収した狭窄物L1が体内に脱落することを抑制することができる。
また、カテーテル400の先端側開口部400Kから血栓溶解を体内へ注入することも可能である。したがって、このような医療デバイス1aによれば、簡易に血栓を切削することができる。
また、図7、図8に示す形例2に係る医療デバイス1bのように、シャフト200Aを構成するワイヤーは、操作部300を挿通させるためのルーメン210A以外のルーメン220を備える中空の管状部材で形成されていてもよい。これにより、医療デバイス1bは、ルーメン220にガイドワイヤやその他の治療デバイスを挿通させることができる。
また、図9に示す変形例3に係る医療デバイス1cのように、フィルタ100mを構成する第1フィルタ101m及び第2フィルタ102mは、自然状態において軸方向X1側(基端側)に向かって閉じるように構成されていてもよい。このような医療デバイス1cによれば、術者が操作部300をシャフト200の先端側(軸方向X2側、軸方向Xの遠位側)に操作する(操作部300を軸方向X2側に押す)と、第2接続部122や突起部301を介してフィルタ100mの外縁を軸方向X2側に押すことができる。
そのため、フィルタ100mは、操作部300の操作に伴って、閉状態(図9を参照)から開状態(図10Aを参照)に変化することができ、血管壁等に形成された狭窄物Lを切削して、狭窄物L1を絡めとることができる。そして、術者が操作部300をシャフト200の基端側(軸方向X1側、軸方向Xの近位側)に操作する(操作部300を軸方向X1側に引っ張る)と、開状態から収容状態(図10Bを参照)に変化することができ、切削された狭窄物L1がフィルタ100mから体内に脱落することを抑制することができる。
そのため、フィルタ100mは、操作部300の操作に伴って、閉状態(図9を参照)から開状態(図10Aを参照)に変化することができ、血管壁等に形成された狭窄物Lを切削して、狭窄物L1を絡めとることができる。そして、術者が操作部300をシャフト200の基端側(軸方向X1側、軸方向Xの近位側)に操作する(操作部300を軸方向X1側に引っ張る)と、開状態から収容状態(図10Bを参照)に変化することができ、切削された狭窄物L1がフィルタ100mから体内に脱落することを抑制することができる。
1 医療デバイス、
100 フィルタ、
101 第1フィルタ、
102 第2フィルタ、
110 フィルタ本体部、
111 空間部、
112 開口部、
120 接続部、
121 第1接続部、
122 第2接続部、
123 第3接続部、
200 シャフト、
300 操作部、
301 突起部、
L、L1 狭窄物、
X 軸方向
Y 幅方向、
Z 高さ方向、
r 放射方向、
θ 周方向。
100 フィルタ、
101 第1フィルタ、
102 第2フィルタ、
110 フィルタ本体部、
111 空間部、
112 開口部、
120 接続部、
121 第1接続部、
122 第2接続部、
123 第3接続部、
200 シャフト、
300 操作部、
301 突起部、
L、L1 狭窄物、
X 軸方向
Y 幅方向、
Z 高さ方向、
r 放射方向、
θ 周方向。
Claims (7)
- 血管内に形成された狭窄物を切削可能な複数のフィルタと、
前記フィルタの中心部付近に接続された長尺なシャフトと、
前記フィルタの外縁付近に接続された操作部と、を有し、
前記複数のフィルタは、第1フィルタと、前記第1フィルタよりも近位側に配置され、前記第1フィルタとは異なる構造を備える第2フィルタと、を有し、
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、前記操作部の軸方向に沿って前記操作部が操作されると、前記近位側に向けて閉じる、医療デバイス。 - 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、外縁または内縁の端部に設けられる接続部を有し、
前記接続部は、前記第1フィルタの一端が前記シャフトに接続される第1接続部と、前記第1フィルタの他端が前記操作部に接続される第2接続部と、前記第2フィルタの一端が前記シャフトまたは前記操作部に接続される第3接続部と、を備え、
前記第2フィルタの他端は、前記操作部の操作に伴って可動可能に構成される、請求項1に記載の医療デバイス。 - 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、メッシュ構造を有するフィルタ本体部を有し、
前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間の異なる構造は、前記操作部の操作に伴って拡張した際の前記メッシュ構造の位置が互いに異なること、前記メッシュ構造の構成が互いに異なること、前記第1フィルタと前記第2フィルタの外径が互いに異なること、のいずれか条件またはその組み合わせによる条件によって構成される、請求項2に記載の医療デバイス。 - 前記シャフトは、ワイヤーにより構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
- 前記ワイヤーを挿通可能に構成されるカテーテルをさらに備える、請求項4に記載の医療デバイス。
- 前記ワイヤーは、中空の管状部材で形成される、請求項4または5に記載の医療デバイス。
- 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、形状記憶合金により形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の医療デバイス。
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JP2020216715A JP2022102151A (ja) | 2020-12-25 | 2020-12-25 | 医療デバイス |
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