JP2022102150A - ブッシング - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、VCT用ブッシングとして、導体パイプ内に2本の紙巻きより線を配置して第1及び第2通電経路を形成する構造も知られているが、この場合も、2本の紙巻きより線を配置するため、導体パイプが大径となり、さらなる小型化、軽量化は困難である。
また、ブッシング端部には、付加される外力に対抗しうる強度を有することが要求される。
計器用変圧変流器用のブッシングであって、
中心に軸方向に延在する導電部材と、
前記導電部材の外側を覆う導体パイプと、
前記導体パイプの外側を覆う補強絶縁部と、
前記導電部材に電気的に接続される第1接続端子と、
前記導体パイプに電気的に接続される第2接続端子と、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子を固定する固定部材と、を備え、
前記導電部材及び前記導体パイプにより、高圧電路から電流を引き込む第1通電経路、及び前記高圧電路に電流を帰還させる第2通電経路が形成されており、
前記固定部材は、
絶縁材料からなる絶縁部と、
前記絶縁部と一体的に形成され前記第1接続端子と電気的及び機械的に接続される第1剛性部と、
前記絶縁部と一体的に形成され前記第2接続端子と機械的に接続される第2剛性部と、を有し、
前記第1剛性部及び前記第2剛性部は、前記絶縁材料よりも曲げ強度の高い材料で形成され、径方向に離間し、軸方向に重なるように配置されている。
なお、図1は、ブッシングBU、BWに、参考形態に係るブッシング1A(図2参照)を適用した図となっているが、第1の実施の形態に係るブッシング1B(図4参照)を適用した場合の図は、後述する第1のケーブル接続端子、第2のケーブル接続端子の延在する向きが異なるだけで同様の構成となるため図示を省略する。
図2は、参考形態に係るブッシング1Aの全体構成を示す図である。図3は、ブッシング1Aの機器他方側端部の拡大図である。以下の説明において、図中、下方を「機器側」、上方を「機器他方側」と称する。
ブッシング1Aは、例えば、機器他方側が気中、機器側が絶縁ガス中に配置される、気中―ガス中ブッシングである。ブッシング1Aは、中心に軸方向に延在する導電部材11と、絶縁ケーブル11の外側を覆う導体パイプ21と、導体パイプ21の外側を覆う第1の補強絶縁部30と、を備える。導電部材11は、参考形態では、ケーブル導体111及びケーブル絶縁層112を有する絶縁ケーブル11からなる。更に、ブッシング1Aは、計器用変圧変流器Aに取り付けるためのフランジ部50を有する。ブッシング1Aは、フランジ部50より基端部側(図2では機器側)に第2の補強絶縁部33を有する。第2の補強絶縁部33は、第1の補強絶縁部30における絶縁筒31と同一材料で絶縁筒31と一体的に形成される。第2の補強絶縁部33は、ブッシング1Aを計器用変圧変流器Aのケースに設置した際に、計器用変圧変流器Aの内側に配置される。絶縁ケーブル11により第1通電経路10が形成され、導体パイプ21により第2通電経路20が形成される。
ケーブル絶縁層112は、例えば、架橋ポリエチレン等の絶縁材料で形成される。ケーブル絶縁層112は、絶縁耐圧に応じて材質及び厚さが設定される。
絶縁ケーブル11には、架空リード線Cの公称電圧(例えば、66kV)よりも低電圧のケーブル(例えば、6kV級のケーブル)が適用される。
ポリマー被覆体32は、電気絶縁性能に優れる材料(例えば、シリコーンポリマーなどの高分子材料)で形成される。ポリマー被覆体32は、絶縁筒31の外周を覆う胴部(符号略)と、胴部の外周に長手方向に離間して形成される複数の傘状の襞部(符号略)とを有する。襞部は、図2、3に示すように、突出長の異なる複数の襞が長手方向に離間して交互に形成されてもよいし、突出力の同じ複数の襞が長手方向に離間して形成されてもよい。
ところで、図1におけるブッシングBU、BWにブッシング1Aを適用した場合、ブッシング1Aがリード線から風の荷重や地震時の揺れにより引っ張られることや短絡時の電磁力によりブッシング1Aに外力が付加されることがあるため、ブッシング端部の曲げ強度をより向上させることが求められている。
図4は、第1の実施の形態に係るブッシング1Bの全体構成を示す図である。図5は、ブッシング1Bの機器他方側端部の拡大図である。図6は、VCT他方側固定部材51における埋込金具512,513の位置関係を示す図である。
ここでは、ケーブル導体111の先端に金属製の圧縮プラグ113が取り付けられており、圧縮プラグ113とVCT他方側固定部材51の内側埋込金具512とが、例えば、マルチラムバンド等の導体接触子(図示略)を介して接触するように配置され、電気的に接続されている。また、内側埋込金具512に第1のケーブル接続端子12Bが、例えば、ボルト締結により固定され、電気的に接続されている。機器側の端部においても同様である。
ここでは、導体パイプ21Bの両端部はフランジ状に形成されており、導体パイプ21Bのフランジ部と第2のケーブル接続端子22Bとが面接触するように固定され、電気的に接続されている。なお、溶接又は半田付けにより、導体パイプ21Bに他の接続部材を機械的かつ電気的に接続し、この接続部材によって第2のケーブル接続端子22Bと接続されるフランジ部が形成されてもよい。また、第2のケーブル接続端子22Bは、VCT他方側固定部材51の外側埋込金具513に、例えば、ボルト締結により固定されている。機器側の端部においても同様である。
保護層514の先端側(ブッシング1Bの軸方向端部側)及び基端側(ブッシング1Bの軸方向中央側)にはそれぞれ凸部514a、凸部514bが設けられ、対応する内側埋込金具512及び絶縁部511の外周面にはそれぞれ凹部(符号略)が設けられている。これにより、直接モールド成型しない場合でも対応する凹部に凸部514a、514bを嵌合させることで、保護層514の脱落やずれを防ぐことができる。また、直接モールドする場合でも、強固に一体化させることができる。
なお、保護層514の内側は、接着剤等により接着させてもよい。また、保護層514は、ゴム材料に代えて、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等の絶縁材料で形成してもよい。
また、内側埋込金具512及び外側埋込金具513の座ぐり512a、513aの位置及び数は特に限定されない。せん断強度や成型の容易さを考慮して適宜に設定されればよく、いずれか一方だけに設けられてもよい。
また、ブッシング1Bは、計器用変圧変流器Aに取り付けるためのフランジ部50を備え、補強絶縁部は、フランジ部50を介して計器用変圧変流器側とは反対側に配置される第1の補強絶縁部30と、計器用変圧変流器側に配置される第2の補強絶縁部33と、を有する。
また、ブッシング1Bにおいて、導体パイプ21B、絶縁筒31、第2の補強絶縁部33及びポリマー被覆体32は、モールド成型により一体的に形成されている。
また、ブッシング1Bにおいて、絶縁ケーブル11の外周面と導体パイプ21Bの内周面との離間距離は、2mm以下(接触する場合を含む)である。
また、ブッシング1Bにおいて、第1の補強絶縁部30は、気中絶縁構造のため、導体パイプ21の外側に配置される絶縁筒31と、絶縁筒31の外側に配置されるポリマー被覆体32と、を有する、いわゆるポリマー套管で構成されている。固体絶縁構造の気中絶縁において実績のあるポリマー套管を適用することで、VCT用ブッシングとしても好適な特性を得ることができる。また、ブッシング1Bは完全乾式の固体絶縁構造であることにより、従来の磁器製ブッシングのように内部に絶縁油あるいはSF6ガスなどを使用しない環境に配慮した技術であり、磁器製ブッシングに比較して耐震性に優れ災害に強い。よって、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」及び目標11「包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」に貢献することが可能となる。
よって、ブッシング1Bにおいても、参考形態に係るブッシング1Aと同様の効果が得られる。
すなわち、ブッシング1Bは、ケーブル導体111に電気的に接続される第1のケーブル接続端子12B及び第1のVCT接続端子13B(第1接続端子)と、導体パイプ21Bに電気的に接続される第2のケーブル接続端子22B及び第2のVCT接続端子23B(第2接続端子)と、第1のケーブル接続端子12B(第1接続端子)及び第2のケーブル接続端子22B(第2接続端子)を固定するVCT他方側固定部材51並びに第1のVCT接続端子13B(第1接続端子)及び第2のVCT接続端子23B(第2接続端子)を固定するVCT側固定部材52(固定部材)と、を備え、第1のケーブル接続端子12B及び第1のVCT接続端子13B(第1接続端子)と導体パイプ21Bは、VCT他方側固定部材51及びVCT側固定部材52(固定部材)により絶縁されており、第1のケーブル接続端子12B及び第1のVCT接続端子13B(第1接続端子)は、それぞれ、VCT他方側固定部材51及びVCT側固定部材52(固定部材)におけるブッシング1Bの軸方向端部側に固定される固定部12Bb、13Bbと、当該固定部12Bb、13Bbに連設する端子取付部12Ba、13Baと、を備え、
第2のケーブル接続端子22B及び第2のVCT接続端子23B(第2接続端子)は、それぞれ、VCT他方側固定部材51及びVCT側固定部材52(固定部材)におけるブッシング1Bの軸方向中央側に固定される固定部22Bb、23Bbと、当該固定部22Bb、23Bbに連設する端子取付部22Ba、23Bbと、を備え、第1のケーブル接続端子12Bの端子取付部12Baと第2のケーブル接続端子22Bの端子取付部22Ba、及び第1のVCT接続端子13Bの端子取付部13Baと第2のVCT接続端子23Bの端子取付部23Baは、それぞれ、ブッシング1Bの中心軸AXに平行で中心軸AXとは異なる2つの延在軸に沿って延在している。これにより、軸方向から見たブッシング1Bの外径を大きくすることなく、端子間距離を十分に確保することができる。したがって、ブッシング1Bを狭い機器取付穴にスムーズに挿入することができ、作業性が向上する。また、必要な端子間距離を確保しやすいため、設計の自由度が高まり、様々な取り合いに対応できる。さらには、機器取付穴に対して斜めに挿入しやすくなり、設置姿勢の自由度が高い固体絶縁の利点を活かすことができる。
すなわち、ブッシング1Bは、計器用変圧変流器用のブッシングであって、中心に軸方向に延在する導電部材11(実施の形態では絶縁ケーブル11)と、導電部材11(絶縁ケーブル)の外側を覆う導体パイプ21Bと、導体パイプ21Bの外側を覆う第1の補強絶縁部30及び第2の補強絶縁部33(補強絶縁部)と、導電部材11(実施の形態ではケーブル導体111)に電気的に接続される第1のケーブル接続端子12B及び第1のVCT接続端子13B(第1接続端子)と、導体パイプに21B電気的に接続される第2のケーブル接続端子22B及び第2のVCT接続端子23B(第2接続端子)と、第1のケーブル接続端子12B及び第1のVCT接続端子13B並びに第2のケーブル接続端子22B及び第2のVCT接続端子23Bを固定するVCT他方側固定部材51及びVCT側固定部材52(固定部材)と、を備え、導電部材11(絶縁ケーブル)及び導体パイプ21Bにより、高圧電路から電流を引き込む第1通電経路10B、及び高圧電路に電流を帰還させる第2通電経路20Bが形成されている。VCT他方側固定部材51は、絶縁材料からなる絶縁部511と、絶縁部511と一体的に形成され第1のケーブル接続端子12B(第1接続端子)と電気的及び機械的に接続される内側埋込金具512(第1剛性部)と、絶縁部511と一体的に形成され第2のケーブル接続端子22B(第2接続端子)と機械的に接続される外側埋込金具513(第2剛性部)と、を有する。VCT側固定部材52も同様に、絶縁材料からなる絶縁部511と、絶縁部511と一体的に形成され第1のVCT接続端子13B(第1接続端子)と電気的及び機械的に接続される内側埋込金具512(第1剛性部)と、絶縁部511と一体的に形成され第2のVCT接続端子23B(第2接続端子)と機械的に接続される外側埋込金具513(第2剛性部)と、を有する。そして、内側埋込金具512及び外側埋込金具513は、絶縁材料よりも曲げ強度の高い材料で形成され、径方向に離間し、軸方向に重なるように配置されている。
具体的には、ブッシング1Bにおいて、内側埋込金具512(第1剛性部)及び外側埋込金具513(第2剛性部)は、円筒形状を有し、ブッシング1Bの中心軸AXに関して同心状に配置されている。
実施の形態では、ブッシング1Bの中心に軸方向に延在する導電部材11として、ケーブル導体111及びケーブル絶縁層を有する絶縁ケーブル11を適用している。
ブッシング1Bによれば、第1通電経路10Bとなるケーブル導体111と第2通電経路20Bとなる導体パイプ21Bが、絶縁ケーブル11のケーブル絶縁層112により絶縁されるので、空気絶縁の場合に比較して小型化(細径化)、軽量化を図ることができる。さらに、ブッシング1Bの端部に外力が付加されたときにVCT他方側固定部材51及びVCT側固定部材52の内部に生じる応力が径方向において分散され、曲げ応力及びせん断応力が低減されるので、ブッシング1Bの信頼性が向上する。
なお、実施の形態では、ブッシング1Bの中心に軸方向に延在する導電部材11として、ケーブル導体111及びケーブル絶縁層を有する絶縁ケーブル11を適用しているが、例えば棒状の導体を適用し、マルチラムバンド等の導体接触子を介して、当該導体と内側埋込金具512(第1剛性部)とを電気的に接続するように構成してもよい。また、この場合、棒状の導体(導電部材)と内側埋込金具512(第1剛性部)との間に金属製のプラグを介してもよいし、プラグを介さず直接当該導体の先端にマルチラムバンド等の導体接触子を配置してもよく、導電部材と内側埋込金具512(第1剛性部)とが電気的に接続すれば手段は限定されない。
また、実施の形態では、第1のケーブル接続端子12Bの端子取付部12Baと第2のケーブル接続端子22Bの端子取付部22Ba、及び第1のVCT接続端子13Bの端子取付部13Baと第2のVCT接続端子23Bの端子取付部23Baは、それぞれ、ブッシング1Bの中心軸AXに平行で中心軸AXとは異なる2つの延在軸に沿って延在するように設けられているが、端子取付部の延在する向きは限定されない。例えば、第2のケーブル接続端子22Bの端子取付部22Ba、第2のVCT接続端子23Bの端子取付部23Baは、参考形態のブッシング1Aのように中心軸AXと直角方向に延在するようにしてもよい。
10,10B 第1通電経路
11 絶縁ケーブル(導電部材)
12,12B 第1のケーブル接続端子
13,13B 第1のVCT接続端子
20,20B 第2通電経路
21,21B 導体パイプ
22,22B 第2のケーブル接続端子
23,23B 第2のVCT接続端子
30 第1の補強絶縁部(補強絶縁部)
31 絶縁筒
32 ポリマー被覆体
33 第2の補強絶縁部(補強絶縁部)
51 VCT他方側固定部材(固定部材)
52 VCT側固定部材(固定部材)
511 絶縁部
512 内側埋込金具(第1剛性部)
513 外側埋込金具(第2剛性部)
A 計器用変圧変流器
Claims (5)
- 計器用変圧変流器用のブッシングであって、
中心に軸方向に延在する導電部材と、
前記導電部材の外側を覆う導体パイプと、
前記導体パイプの外側を覆う補強絶縁部と、
前記導電部材に電気的に接続される第1接続端子と、
前記導体パイプに電気的に接続される第2接続端子と、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子を固定する固定部材と、を備え、
前記導電部材及び前記導体パイプにより、高圧電路から電流を引き込む第1通電経路、及び前記高圧電路に電流を帰還させる第2通電経路が形成されており、
前記固定部材は、
絶縁材料からなる絶縁部と、
前記絶縁部と一体的に形成され前記第1接続端子と電気的及び機械的に接続される第1剛性部と、
前記絶縁部と一体的に形成され前記第2接続端子と機械的に接続される第2剛性部と、を有し、
前記第1剛性部及び前記第2剛性部は、前記絶縁材料よりも曲げ強度の高い材料で形成され、径方向に離間し、軸方向に重なるように配置されている、
ブッシング。 - 前記第1剛性部及び前記第2剛性部は、円筒形状を有し、前記ブッシングの中心軸に関して同心状に配置される、請求項1に記載のブッシング。
- 前記第1剛性部及び/又は前記第2剛性部は、それぞれの円筒部分の周面に、座ぐりを有する、請求項2に記載のブッシング。
- 前記座ぐりは、前記第1剛性部及び前記第2剛性部が軸方向に重なる部分以外の箇所に設けられる、請求項3に記載のブッシング。
- 前記導電部材は、ケーブル導体及びケーブル絶縁層を有する絶縁ケーブルからなる、請求項1から4のいずれか一項に記載のブッシング。
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