JP6575341B2 - 絶縁構造及び絶縁部材 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧導電体の絶縁構造及び絶縁部材に関する。
一般に、電気を伝導するための電線は、銅線等の導電体を複数本束ねて形成される。例えば、電気設備等に用いられる電線は、絶縁対策として金属線(裸電線)の外周に絶縁体を被覆して構成される(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。具体的に、特許文献1、2では、銅等の金属線の外周にポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を被覆した、いわゆる絶縁電線が提案されている。
特開平10−269855号公報 特開2015−67819号公報
ところで、配電盤内に配設される送電用の電線は、一般的な電線に比べて高電圧環境下(例えば、3kV、6kV)で使用されるため、更なる絶縁性が要求される。この場合、金属線の全体にわたって絶縁体が被覆された電力ケーブルを用いることが考えられる。しかしながら、このような電力ケーブルでは、一般的な電線に比べて断面径が大きいため、金属線の全体にわたって絶縁体を被覆するとコストアップの要因となってしまう。また、放熱の観点からもあまり望ましいとはいえない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、放熱性を確保しつつ、安価な構成で導電体を絶縁することができる絶縁構造及び絶縁部材を提供することを目的とする。
本発明における絶縁構造は、所定方向に延在する導電体の絶縁構造であって、前記導電体が挿通される筒状の絶縁体と、前記絶縁体の外周に形成される第1の導電層と、を備え、前記絶縁体は、前記導電体の延在方向において局所的に設けられ、前記第1の導電層は、接地されていることを特徴とする。
特に、上記絶縁構造においては、前記絶縁体の内周に形成される第2の導電層を更に備え、前記第2の導電層は、少なくとも一部が前記導電体に接触することが好ましい。
例えば、上記絶縁構造においては、前記第2の導電層と前記導電体との間に設けられる弾性導電体を更に備え、前記第2の導電層は、前記弾性導電体を介して前記導電体に接触してもよい。
また、上記絶縁構造においては、前記絶縁体を前記導電体に向かって締め付ける締め付け手段を更に備え、前記締め付け手段によって、前記第2の導電層の少なくとも一部が前記導電体に接触することが好ましい。
特に、上記絶縁構造において、前記第1の導電層は、前記締め付け手段を介して接地されることが好ましい。
なお、上記絶縁構造において、前記絶縁体、前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、一体的に形成されてもよい。
また、上記絶縁構造において、前記導電体は、金属製の筐体に形成された貫通口に通され、前記第1の導電層は、前記筐体に接地されることが好ましい。
本発明における絶縁部材は、所定方向に延在する導電体に取り付けられる絶縁部材であって、前記導電体が挿通される筒状の絶縁体と、前記絶縁体の外周に形成される第1の導電層と、前記第1の導電層を接地するための接地手段と、を備えることを特徴とする。
特に、上記絶縁部材においては、前記第2の導電層と前記導電体との間に設けられる弾性導電体を更に備え、前記第2の導電層は、前記弾性導電体を介して前記導電体に接触することが好ましい。
例えば、上記絶縁部材においては、前記第2の導電層と前記導電体との間に設けられる弾性導電体を更に備え、前記第2の導電層は、前記弾性導電体を介して前記導電体に接触してもよい。
また、上記絶縁部材においては、前記絶縁体を前記導電体に向かって締め付ける締め付け手段を更に備え、前記締め付け手段によって、前記第2の導電層の少なくとも一部が前記導電体に接触することが好ましい。
特に、上記絶縁部材において、前記締め付け手段は、前記接地手段であり、前記第1の導電層は、前記締め付け手段を介して接地されることが好ましい。
なお、上記絶縁部材において、前記絶縁体、前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、一体的に形成されてもよい。
本発明の絶縁構造によれば、放熱性を確保しつつ、安価な構成で導電体と筐体とを絶縁することができる。
従来例に係る絶縁構造を示す模式図である。 第1の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。 第2の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。 第3の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。 第4の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る絶縁構造について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に係る絶縁構造については、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
先ず、図1及び図2を参照して、従来例に係る絶縁構造と第1の実施の形態に係る絶縁構造とを比較して説明する。図1は、従来例に係る絶縁構造を示す模式図である。図1Aは絶縁構造の横断面図を示し、図1Bは図1AのA−A線に沿う断面図を示している。図2は、第1の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。図2Aは絶縁構造の横断面図を示し、図2Bは図2AのB−B線に沿う断面図を示している。なお、以下に示す実施の形態では、配電盤内に配設される配電線の絶縁構造を例にして説明するが、絶縁構造の適用対象は適宜変更が可能である。例えば、本発明に係る絶縁構造をスイッチギヤ等、各種電気設備に適用してもよい。
一般に、高電圧受配電設備(以下、単に「配電盤」という)においては、配電盤の筐体部分が接地電位とされ、筐体内部に高電圧となる導電体(導線)が引き回されて構成される。このような高電圧の導線と筐体との間では、常時運転電圧や雷インパルス電圧、開閉インパルス電圧に対して絶縁破壊しない程度の絶縁性が求められる。
例えば、図1に示すように、配電盤の筐体部10の内壁11には、導線Wを通すための貫通口12が形成されている。この貫通口12には、配電盤内の電力供給のための配電線(導線W)が隙間を空けて挿通されている。この導線Wに対して絶縁対策がなされていない場合、導線Wと筐体部10との間で気中放電が発生してしまう。
また、仮に導線Wの外周に固体の絶縁体をモールドして被覆したとしても、単純に絶縁体で被覆しただけでは、絶縁体と筐体部10との間で気中放電が発生してしまう。これは、導線Wと筐体部10との間の電界分布が、絶縁体の内部だけでなく、絶縁体と筐体部10との間の空気部分においても発生するためである。
具体的に、異なる媒体(例えば、上記した絶縁体及び空気)に跨って存在する電界分布では、各媒体の誘電率の低い方に電界強度が集中する。すなわち、比誘電率が1より大きい絶縁体ではなく、比誘電率が1である空気側に電界強度が集中する。この結果、上記したように絶縁体と筐体部10との間で気中放電が発生してしまう。このように、単純に導線を絶縁体で被覆しただけでは、かえって絶縁性能を低下させてしまうおそれがある。
そこで従来では、図1に示すように、導線Wの外周に全長にわたって固体の絶縁体2をモールドし、当該絶縁体2の外周に導電層20を形成した電力ケーブルが提案されている。導電層20はケーブル全体のいずれか1か所以上で、筐体部10は図示しない入出力端子部などでそれぞれ接地されており、電力ケーブルの表面と筐体部10は同電位となっている。これにより、絶縁体2と筐体部10との間で気中放電が発生するのを防止することができる。
しかしながら、高電圧仕様の電力ケーブルにあっては、導線Wの断面径が比較的低電圧仕様の導線に比べて大きい。このため、導線Wの全体にわたって絶縁体2をモールドして当該絶縁体2の外周に導電層20を形成すると、電力ケーブル全体としてコストアップの要因となってしまう。また、導線Wで発生する熱が絶縁体2によって内部に閉じ込められるため、放熱性が悪化してしまうという問題がある。さらに、絶縁体2がモールドされることで電力ケーブルの断面径が大きくなるため、電力ケーブル全体としての可撓性が悪くなる。この結果、電力ケーブルの配線形状が制約され、配電盤内の配線取り回しが困難になるという問題もある。
そこで、第1の実施の形態に係る絶縁構造では、図2に示すように、配電盤内に配設される導線Wを裸電線やブスバー等、基本的に導電体が露出した形態とし、配電盤内の筐体部10と導線Wとの位置関係で、絶縁対策が必要とされる部分にのみ、局所的に絶縁体3(絶縁部材)を設ける構成とした。すなわち、導線Wと筐体部10とが最も接近する部分(筐体部10の貫通口12近傍)に局所的に絶縁体3を設けている。具体的には、導線Wと貫通口12との距離が最短となる位置に絶縁体3が取り付けられている。
図2に示すように、配電盤の筐体部10の内壁11に形成された貫通口12には、導電体として、所定方向に延在して線状に形成される導線Wが通されている。導線Wは、例えば、銅等の金属線を複数本束ねて構成され、断面形状が概して円形に形成されている。また、導線Wは筒状の絶縁体3に挿通されている。すなわち、導線Wの外周は、一部が絶縁体3によって覆われている。この絶縁体3は、導線Wの延在方向に沿って局所的(より具体的には貫通口12の近傍)に設けられている。また、絶縁体3の外周には、導電層30(第1の導電層)が形成されている。
具体的に絶縁体3及び導電層30は、貫通口12に導線Wを通した後、貫通口12の近傍において、導線Wの外周にスプレーや焼き付け等によって形成される。導電層30は、接地線31を介して筐体部10(内壁11)に接地される。これにより、絶縁体2の外周の導電層30と筐体部10(貫通口12)との間の電位差がなくなり、導電層30と筐体部10との間の空間(空気)には電界が生じない。この結果、導電層30と筐体部10との間で気中放電を防止することができ、絶縁性が確保される。
また、局所的に絶縁体3を設けたことにより、絶縁体3の使用量が減ると共に安価な裸電線を使用することができ、コストダウンに寄与することができる。また、導線Wの露出面積が確保されることで、導線Wの表面で発生する熱がこもることなく、冷却性(放熱性)も向上される。さらには、導線Wの可撓性が確保されることで導線Wの配線形状の自由度が拡大される。このため、配電盤内の配線取り回しを容易にすることができる。
次に、図3を参照して、第2の実施の形態に係る絶縁構造について説明する。図3は、第2の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。図3Aは絶縁構造の横断面図を示し、図3Bは図3AのC−C線に沿う断面図を示している。なお、図3においては、説明の便宜上、図2と同一の構成について同一の符号を付し、一部説明を省略する。また、詳細は後述するが、第2の実施の形態では、絶縁体と導電体(導線)との間に隙間が形成され、筒状の絶縁体の内周に導電層(第2の導電層)が形成されている点で第1の実施の形態と相違する。
図2においては、導線Wの外周に絶縁体3をスプレーや焼き付きで形成する場合について説明したが、その他に、絶縁体3として熱収縮チューブを用いることも考えられる。具体的には、予め導線Wに対して所定長さの熱収縮チューブを通しておき、絶縁性を確保したい位置に当該熱収縮チューブを位置付ける。そして、熱収縮チューブをヒーター等で加熱することで収縮させ、導線Wの外周に密着させる。
この場合、熱収縮チューブを導線Wに密着させたとしても、絶縁体3と導線Wとの間に隙間ができてしまうことがある。このような隙間が形成されると、導線Wに対して絶縁処理を施したとしても、当該隙間において気中放電が発生してしまうおそれがある。
そこで、第2の実施の形態に係る絶縁構造(絶縁部材)では、図3に示すように、筒状の絶縁体4の内周に導電層41(第2の導電層)を全周にわたって形成している。具体的に絶縁体4は、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂によって所定長さの円筒状に形成されている。絶縁体4の内径は、導線Wを挿通可能な大きさを有している。また、絶縁体4の外周及び内周には、銀ペーストやメタリコン塗装によって導電処理が施されている。ここで、絶縁体4の外周に形成される導電層40を第1の導電層とし、絶縁体4の内周に形成される導電層41を第2の導電層とする。導電層40は、接地線42を介して筐体部10(内壁11)に接地される。
図3では、予め導線Wに対して絶縁体4を通しておき、絶縁性を確保したい位置に当該絶縁体4を位置付ける。そして、絶縁体4と導線Wとを導電性接着剤や半田付けにより接着する。これにより、導電層41は、少なくとも一部が導線Wの外周に接触した状態になる。よって、導電層41と導線Wとが同電位となり、絶縁体4と導線Wとの間に電界が生じるのを防ぐことができる。この結果、絶縁体4と導線Wとの間に隙間が形成された場合であっても、気中放電が発生することなく、絶縁性を確保することができる。
以下、図4及び図5を参照して、導線と絶縁体との間に隙間があるときの絶縁対策のバリエーションについて説明する。図4は、第3の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。図4Aは絶縁構造の横断面図を示し、図4Bは図4AのD−D線に沿う断面図を示している。図5は、第4の実施の形態に係る絶縁構造を示す模式図である。図5Aは絶縁構造の横断面図を示し、図5Bは図5AのE−E線に沿う断面図を示している。
先ず、第3の実施の形態について説明する。図3では、導電性接着剤や半田付けによって、導電層41と導線Wを接触させる構成としたが、図4では、導電性の弾性体(弾性導電体5)を介して絶縁体4と導線Wとを接触させる点で相違する。
図4に示すように、第3の実施の形態に係る絶縁構造では、絶縁対策を施したい導線Wの所定箇所にリング状の弾性導電体5が取り付けられる。弾性導電体5は、例えば、導電性材料を含有するゴム素材で形成される。具体的に弾性導電体5は、シリコーンゴムに導電性充填剤を混合して形成される。また、弾性導電体5は、導線Wの外径より僅かに小さい内径を有している。弾性導電体5は、導線Wに取り付けられると、ゴム素材の弾性力で導線Wを締付ける。これにより、弾性導電体5は、導線Wの所定箇所で固定(保持)される。
弾性導電体5の外周には、筒状の絶縁体4が嵌め込まれる。絶縁体4の外周及び内周には、図3と同様に、銀ペーストやメタリコン塗装によって導電処理が施されている。導電層40は、接地線42を介して筐体部10(内壁11)に接地されている。また、絶縁体4は、弾性導電体5の外径より僅かに小さい内径を有している。このため、絶縁体4が弾性導電体5に嵌め込まれると、絶縁体4は、弾性導電体5の反発力によって所定箇所に固定される。
このとき、絶縁体4と導線Wとの間には、弾性導電体5の分だけ隙間が空いている。また、絶縁体4の導電層41(第2の導電層)は、弾性導電体5の外周に接触し、弾性導電体5の内周は導線Wの外周に接触している。すなわち、導電層41は、弾性導電体5を介して導線Wに接触している。このため、導電層41、弾性導電体5及び導線Wとが同電位となり、絶縁体4と導線Wとの間に電界が生じるのを防ぐことができる。この結果、絶縁体4と導線Wとの間に隙間が形成された場合であっても、気中放電が発生することなく、絶縁性を確保することができる。
次に、第4の実施の形態について説明する。図5では、絶縁体6を締め付け手段7で締め付けることにより、導電層61(第2の導電層)を導線Wに接触させる点で、第2、第3の実施の形態と相違する。また、絶縁体6の形状は、図3及び図4と同じであるが、絶縁体6の材質は他の実施の形態と異なる。
図5に示すように、第4の実施の形態に係る絶縁構造では、予め導線Wに対して筒状の絶縁体6を通しておき、絶縁性を確保したい位置に当該絶縁体6を位置付ける。このとき、絶縁体6と導線Wとの間には、隙間が空いている。絶縁体6は、例えば、天然ゴムやクロロプレンゴムといった弾性を有する絶縁材料で形成される。また、絶縁体6の外周及び内周には、図3及び図4と同様に、銀ペーストやメタリコン塗装によって導電処理が施されている。ここで、絶縁体6の外周に形成される導電層60を第1の導電層とし、絶縁体6の内周に形成される導電層61を第2の導電層とする。
そして、絶縁体6の外周に環状の締め付け手段7が取り付けられる。締め付け手段7は、例えば、金属製のホースバンド等で構成される。締め付け手段7は、図示しないネジを締める等して縮径させることにより、絶縁体6を径方向内側に向かって締め付ける。図5に示すように、締め付け手段7が縮径される結果、絶縁体6が導線Wに向かって押し付けられる。
具体的には、絶縁体6の延在方向の略中央部分が締め付け手段7によって締め付けられる。この結果、絶縁体6の内周の導電層61は、一部が導線Wに接触される一方、絶縁体6の両端部分においては、導電層61と導線Wとの間に僅かな隙間が形成される。また、絶縁体6の外周の導電層60は、締め付け手段7に接触している。
また、締め付け手段7は、接地線70を介して筐体部10(内壁11)に接地される。すなわち、導電層60は、締め付け手段7(及び接地線70)を介して筐体部10に接地される。これにより、締め付け手段7(及び接地線70)を接地手段としても利用することができる。なお、締め付け手段7を介して導電層60を筐体部10に接地する構成に限らず、導電層60を筐体部10に直接接地させる構成としてもよい。
上記したように、導電層61は、少なくとも一部が導線Wの外周に接触したことで、導電層61と導線Wとが同電位となり、絶縁体6と導線Wとの間に電界が生じるのを防ぐことができる。この結果、絶縁体6と導線Wとの間に隙間が形成された場合であっても、気中放電が発生することなく、絶縁性を確保することができる。また、絶縁体6を弾性材料で形成したことにより、導線全体として可撓性を確保することができ、導線Wを曲げて配設しなければならない箇所においても、絶縁性を確保することができる。
以上説明したように、本発明に係る絶縁構造(絶縁部材)によれば、絶縁処理を施したい導線Wの所定箇所に局所的に絶縁体3を設け、絶縁体3の外周の導電層30を筐体部10に接地している(図2参照)。これにより、絶縁体3と筐体部10との間に電界が生じるのを防止することができる。よって、導電層30と筐体部10との間で気中放電を防止することができ、絶縁性が確保される。また、局所的に絶縁体3を設けたことにより、絶縁体3の使用量が減ると共に安価な裸電線を使用することができ、コストダウンに寄与することができる。また、導線Wが裸電線であるため、絶縁体3が設けられる箇所以外の導線Wは、外部に露出される。このため、放熱性が向上される。さらには、導線Wの可撓性が確保されることで、配電盤内の配線取り回しを容易にすることができる。
また、絶縁体4、6と導線Wとの間に隙間がある場合には(図3から図5参照)、絶縁体4、6の内周に導線層41、61を形成し、当該導電層41、61を導線Wに接触されている。これにより、導電層41、61と導線Wとが同電位となり、絶縁体4、6と導線Wとの間に電界が生じるのを防ぐことができる。この結果、絶縁体4、6と導線Wとの間に隙間が形成された場合であっても、気中放電が発生することなく、絶縁性を確保することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記の各実施の形態において、添付図面に図示されている部材や孔などの大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
例えば、上記の実施の形態において、絶縁体3、4、6の延在方向の所定長さは、絶縁処理を施したい範囲に応じて適宜変更が可能である。例えば、導線Wを挿通する内壁11と導線Wとの距離に応じて絶縁体3、4、6の長さを決めてもよい。
また、上記の実施の形態においては、導線Wが円形断面を有する場合について説明している。しかしながら、導線Wの断面形状は、上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、導線Wの断面形状は、楕円や四角形状であってもよい。この場合、導線Wの断面形状に合わせて絶縁体の断面形状も変更することが好ましい。
また、上記の実施の形態においては、貫通口12に対して絶縁体4、6が隙間を空けて設けられる場合について説明している。しかしながら、上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、絶縁体4、6の外周(導電層20、60)が貫通口12の内周に接触してもよい。
また、上記の実施の形態においては、絶縁体4、6の内周の導電層41、61(第2の導電層)の一部が導線Wに接触する場合について説明している。しかしながら、上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、導電層41、61の全体を導線Wに接触させてもよい。
また、上記の実施の形態においては、弾性導電体5の軸方向の長さが絶縁体4の長さに対して比較的短い場合について説明している。しかしながら、弾性導電体5の長さは、上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、弾性導電体5の長さを絶縁体4の長さに合わせてもよい。
また、上記の実施の形態においては、締め付け手段7が環状に形成される場合について説明している。しかしながら、締め付け手段7の形状は、上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、締め付け手段7をCリング(C字形状)や、クランプ(コ字形状)で構成してもよい。また、締め付け手段7は、絶縁体6の全周を締付ける構成としたが、この構成に限定されない。締め付け手段7は、導電層61の一部が導線Wに接触するように絶縁体6を締め付ければよく、絶縁体6の一部を締め付けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、絶縁体6の外周及び内周に表面処理を施して第1、第2の導電層を形成する場合について説明している。しかしながら、上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、絶縁体の最内周側に導電性ゴム、中間層に絶縁性ゴム、最外層に導電性ゴムを配置して、これら三層のゴムを一体的に形成することも可能である。これにより、絶縁体の外周及び内周に表面処理を施す必要がなく、絶縁体の製造工程が簡略化される。
また、上記の実施の形態では、絶縁体3、4、6の両端部に導電層30、40、60(導電層41、61も同様)が形成されていない場合について説明している。しかしながら、上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、導電体の両端部まで導電層が形成されてもよい。
また、上記の各実施の形態では、所定方向に延在する導電体として、線状に形成される導線Wを例にして説明している。しかしながら、導電体は上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、ブスバー等、金属製の板状体で導電体を構成してもよい。
また、上記の各実施の形態では、接地手段として、接地線31、42、70を用いて第1の導電層を筐体部10に接地する場合について説明している。しかしながら、接地手段は上記の構成に限定されるものではなく適宜変更が可能である。接地線31、42、70に限らず、例えば、外部の接地線を接続するための端子を用いて第1の導電層を接地してもよい。
本発明の絶縁構造及び絶縁部材によれば、放熱性を確保しつつ、安価な構成で導電体を絶縁することができるという効果を奏し、特に、高圧導電体の絶縁構造及び絶縁部材に好適に用いることができる。
W 導線(導電体)
10 筐体部(筐体)
11 内壁(筐体)
12 貫通口
3、4、6 絶縁体
30、40、60 第1の導電層
31、42、70 接地線(接地手段)
41、61 第2の導電層
5 弾性導電体
7 締め付け手段(接地手段)

Claims (14)

  1. 所定方向に延在する導電体の絶縁構造であって、
    前記導電体が挿通される筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に形成される第1の導電層と、を備え、
    前記絶縁体は、前記導電体の延在方向において局所的に設けられ、
    前記第1の導電層は、接地されていることを特徴とする絶縁構造。
  2. 前記絶縁体の内周に形成される第2の導電層を更に備え、
    前記第2の導電層は、少なくとも一部が前記導電体に接触することを特徴とする請求項1に記載の絶縁構造。
  3. 前記第2の導電層と前記導電体との間に設けられる弾性導電体を更に備え、
    前記第2の導電層は、前記弾性導電体を介して前記導電体に接触することを特徴とする請求項2に記載の絶縁構造。
  4. 前記絶縁体を前記導電体に向かって締め付ける締め付け手段を更に備え、
    前記締め付け手段によって、前記第2の導電層の少なくとも一部が前記導電体に接触することを特徴とする請求項2に記載の絶縁構造。
  5. 前記第1の導電層は、前記締め付け手段を介して接地されることを特徴とする請求項4に記載の絶縁構造。
  6. 前記絶縁体、前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、一体的に形成されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の絶縁構造。
  7. 前記導電体は、金属製の筐体に形成された貫通口に通され、
    前記第1の導電層は、前記筐体に接地されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の絶縁構造。
  8. 前記絶縁体は、前記貫通口と前記導電体との距離が最短となる位置に取り付けられることを特徴とする請求項7に記載の絶縁構造。
  9. 所定方向に延在する導電体に取り付けられる絶縁部材であって、
    前記導電体が挿通される筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に形成される第1の導電層と、
    前記第1の導電層を接地するための接地手段と、を備えることを特徴とする絶縁部材。
  10. 前記絶縁体の内周に形成される第2の導電層を更に備え、
    前記第2の導電層は、少なくとも一部が前記導電体に接触することを特徴とする請求項9に記載の絶縁部材。
  11. 前記第2の導電層と前記導電体との間に設けられる弾性導電体を更に備え、
    前記第2の導電層は、前記弾性導電体を介して前記導電体に接触することを特徴とする請求項10に記載の絶縁部材。
  12. 前記絶縁体を前記導電体に向かって締め付ける締め付け手段を更に備え、
    前記締め付け手段によって、前記第2の導電層の少なくとも一部が前記導電体に接触することを特徴とする請求項10に記載の絶縁部材。
  13. 前記締め付け手段は、前記接地手段であり、
    前記第1の導電層は、前記締め付け手段を介して接地されることを特徴とする請求項12に記載の絶縁部材。
  14. 前記絶縁体、前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、一体的に形成されることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれかに記載の絶縁部材。
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