JP2022102107A - トルクコンバータ - Google Patents

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道憲 松尾
Michinori Matsuo
一訓 川島
Kazunori Kawashima
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Abstract

【課題】トルクコンバータにおけるトルクの増大と摩擦損失の低減を両立する。【解決手段】トルクコンバータは、ポンプインペラと、タービンランナと、ステータと、を有し、ポンプインペラと、タービンランナと、ステータとの間を循環する流体を介して、トルクを伝達し、ポンプインペラと、タービンランナと、ステータの各々は、トルクを伝達するために流体に流れを生じさせる羽根を有しており、羽根には、トルクの伝達時に流体の圧力を受ける受圧面が設けられており、受圧面は、流体との親和性が異なる複数の領域を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、トルクコンバータに関する。
特許文献1には、トルクコンバータが備える羽根車の羽根を、撥油性皮膜でコーティングすることで、流体と羽根との間での摩擦損失を低減することが開示されている。
実開昭59-146650号公報
トルクコンバータでは、羽根車の羽根の入口から流入した流体は、羽根によって流れの向きを変えられたのち、羽根の出口から流出する。この際に、流れの向きが変化する際の流体の角運動量の変化から、羽根車に回転トルクを生じさせている。
羽根車の羽根を撥油性皮膜でコーティングすると、流体と羽根との間での摩擦損失が低減するものの、羽根車のトルクが低下することになる。
そこで、トルクコンバータにおいて、流体と羽根との間での摩擦損失を低減しつつ、羽根車のトルクを確保することが求められている。
本発明のある態様は、
ポンプインペラと、
タービンランナと、
ステータと、を有し、
前記ポンプインペラと、前記タービンランナと、前記ステータとの間を循環する流体を介して、トルクを伝達するトルクコンバータであって、
前記ポンプインペラと、前記タービンランナと、前記ステータの各々は、前記トルクを伝達するために前記流体に流れを生じさせる羽根を有しており、
前記羽根には、前記トルクの伝達時に前記流体の圧力を受ける受圧面が設けられており、
前記受圧面は、前記流体との親和性が異なる複数の領域を有している。
本発明のある態様によれば、トルクコンバータにおいて、流体と羽根間との間での摩擦損失を低減しつつ、羽根車のトルクを確保することができる。
本実施形態にかかるトルクコンバータを説明する図である。 本実施形態にかかるトルクコンバータ内のオイルの流れを説明する図である。 本実施形態にかかるポンプインペラのブレードを説明する図である。 本実施形態にかかるタービンランナのブレードを説明する図である。 本実施形態にかかるステータのブレードを説明する図である。 本実施形態にかかる受圧面を説明する図である。 本実施形態にかかる受圧面を説明する図である。 本実施形態にかかる受圧面を説明する図である。 比較例1にかかる受圧面を説明する図である。 比較例2にかかる受圧面を説明する図である。 変形例1にかかる受圧面を説明する図である。 変形例2にかかる受圧面を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態にかかるトルクコンバータを、図面を参照しながら説明する。実施の形態では、車両用のトルクコンバータの例を説明する。
トルクコンバータ1は、駆動源を備えた車両に搭載される流体伝動装置である。実施の形態は、駆動源をエンジンとする例を説明する。トルクコンバータ1は、エンジンの回転駆動力を変速機に伝達するものである。
図1は、本実施形態にかかるトルクコンバータ1を説明する図である。
図1に示すように、トルクコンバータ1は、コンバータハウジング2内に配置されたポンプインペラ3と、タービンランナ5と、ステータ6とを備える。
コンバータハウジング2は、ポンプインペラ3のポンプシェル30と、フロントカバー4とから構成される。コンバータハウジング2内には、作動流体であるオイルOLが貯留される。
ポンプインペラ3とタービンランナ5は、共通の軸線である回転軸X上で相対回転可能に設けられている。ポンプインペラ3とタービンランナ5の互いの対向面には、それぞれ複数のブレード31、51(羽根)が固定されている。複数のブレード31、51は、それぞれ、回転軸Xの軸線方向から見て、放射状に配置されている。
以降の説明において、「回転軸Xの軸線方向」は、単に「回転軸X方向」という。また以降の説明において、「回転軸Xの径方向における内径側」および「回転軸Xの径方向における外径側」を、単に「内径側」および「外径側」ともいう。
ポンプインペラ3のブレード31は、ポンプシェル30に固定されている。ポンプシェル30は、外径側がフロントカバー4に固定され、内径側がコンバータスリーブ32に固定されている。ポンプシェル30は、溶接によってフロントカバー4とコンバータスリーブ32に固定されている。コンバータスリーブ32は、不図示の変速機ケースに回転可能に支持されている。
タービンランナ5のブレード51は、弧状のシェル50に固定されている。シェル50は、内径側でタービンハブ7に固定されている。
タービンハブ7は、フランジ状の連結部72と、円筒状の基部71を有する。シェル50は、連結部72にリベットRで固定されている。基部71は、入力軸ISの外周にスプライン嵌合している。タービンランナ5は、タービンハブ7を介して、入力軸ISに相対回転不能に連結されている。
また、タービンハブ7には、ロックアップクラッチ8が固定されている。
ロックアップクラッチ8は、回転軸X方向におけるタービンランナ5とフロントカバー4の間に配置されている。ロックアップクラッチ8は、ピストン80がタービンハブ7の基部71に外挿され、トーションダンパ81がタービンハブ7の連結部72にリベットRで固定されている。ピストン80とトーションダンパ81は、外径側でリベットRにより互いに固定されている。
ステータ6は、回転軸X方向におけるポンプインペラ3とタービンランナ5の間に位置している。ステータ6は、ワンウェイクラッチOWCを介してステータシャフト65に支持されている。ステータ6は、回転軸X回りの周方向における一方向にのみ回転できるようになっている。ステータシャフト65は、不図示の変速機ケースに固定されている。
ステータ6は、ワンウェイクラッチOWCに外挿された内周側筒状部60と、当該内周側筒状部60を囲む外周側筒状部62と、内周側筒状部60と外周側筒状部62とを接続する複数のブレード61(羽根)と、を有する。複数のブレード61は、回転軸X方向から見て、放射状に配置されている。
図1に示すように、ステータ6の外径は、ポンプインペラ3及びタービンランナ5の外径よりも小さい。
トルクコンバータ1の外径側では、ブレード31とブレード51とが回転軸X方向で間隔をあけて対向している。また、トルクコンバータ1の内径側では、ブレード31、51は、ステータ6のブレード61と回転軸X方向で間隔をあけてそれぞれ対向している。
フロントカバー4は、不図示のエンジンのクランクシャフトに連結されている。
エンジンの回転駆動力は、不図示のクランクシャフトからフロントカバー4に入力される。フロントカバー4にはポンプインペラ3のポンプシェル30が固定されている。そのため、フロントカバー4に入力された回転駆動力はポンプインペラ3に入力される。ポンプインペラ3は、フロントカバー4と一体に回転軸X回りに回転する。
ポンプインペラ3が回転軸X回りに回転すると、遠心力が発生する。この遠心力によって、ポンプインペラ3周りのオイルOLは、内径側から外径側に移動する(図中、白矢印A)。
そして、ポンプインペラ3を外径側に移動したオイルOLは、タービンランナ5側に移動する。タービンランナ5側に移動したオイルOLは、ポンプインペラ3側から順次流れてくるオイルOLによって押されて、タービンランナ5を外径側から内径側に移動する(図中、白矢印B)。
そして、タービンランナ5を内径側に移動したオイルOLは、外径側から内径側に順次流れてくるオイルOLによって押されて、ステータ6を通過したのちポンプインペラ3側に戻る(図中、白矢印C)。ポンプインペラ3に戻ったオイルOLは、遠心力によって再び外径側に移動する(図中、白矢印A)。
このように、ポンプインペラ3が回転すると、コンバータハウジング2内のオイルOLは、ポンプインペラ3と、タービンランナ5と、ステータ6の間を循環する(図中、白矢印A~C)。コンバータハウジング2内のオイルOLは、ポンプインペラ3、タービンランナ5、ステータ6の順番で循環する。すなわち、ポンプインペラ3側がオイルOLの流れにおける上流側となり、ステータ6側が下流となる。コンバータハウジング2内をオイルOLが循環することで、エンジンのトルク(回転駆動力)がポンプインペラ3からタービンランナ5に伝達される。タービンランナ5に伝達されたトルクは入力軸ISから変速機に伝達される。
ここで、ステータ6は、ワンウェイクラッチOWCによって、回転軸X回りにおける一方向の回転のみが許容され、他方向の回転は規制される。
例えばロックアップクラッチ8がフロントカバー4と締結して、タービンランナ5の回転数とポンプインペラ3の回転数とが一致している場合、ステータ6は、タービンランナ5から流入するオイルOLによって、回転軸X回りの一方向に回転しようとする。ステータ6は回転軸X回りの一方向の回転が許容されているので、タービンランナ5と共に連れ回る。
タービンランナ5から流入したオイルOLは、回転軸X方向に沿ってステータ6を通過したのち、ポンプインペラ3に戻る。
一方で、車両の発進時など、タービンランナ5の回転数と、ポンプインペラ3の回転数とが大きく離れている場合、ステータ6は、タービンランナ5から流入するオイルOLによって、回転軸X回りの他方向に回転しようとする。しかしながら、ステータ6は、ワンウェイクラッチOWCによって他方向の回転は規制されているので、ステータシャフト65に相対回転不能に固定された状態となる。
タービンランナ5から流入したオイルOLは、回転軸X方向に沿ってステータ6を通過する際に周方向に大きく曲げられたのち、ポンプインペラ3に戻る。
これにより、再びオイルOLがポンプインペラ3からタービンランナ5に移動した際に、ポンプインペラ3からタービンランナ5に伝達されるトルクは増大される。
以下の説明では、タービンランナ5の回転数とポンプインペラ3の回転数とが大きく離れている場合を例に挙げて説明する。
図2は、コンバータハウジング2内を循環するオイルOLの流れを説明する図である。
なお、図2では、オイルOLの通流方向の上流から下流に向かって、ポンプインペラ3、タービンランナ5及びステータ6を順番に並べている。図2では、ブレード31、51、61を、それぞれ3枚ずつ回転軸X周りの周方向に展開して示している。また、ブレード31、51、61は、オイルOLの通流方向に沿う断面で示している。
図2に示すように、エンジンの回転駆動力によって、ポンプインペラ3は、回転軸X回りに回転する。ポンプインペラ3のブレード31は、回転軸X周りの周方向における一方側(図中、右側)から他方側(図中、左側)に移動する(図2における黒矢印方向)。オイルOLは、周方向で隣り合うブレード31、31の間を通って上流から下流に移動する(図2における上側から下側)。このときの移動方向が、図1における白矢印Aに相当する。
ブレード31、31の間を通ったオイルOLは、タービンランナ5に到達する。タービンランナ5に到達したオイルOLは、周方向で隣り合うブレード51、51の間を通って上流から下流に移動する(図2における上側から下側)。このときの移動方向が、図1における白矢印Bに相当する。
なお、詳細は後記するが、ブレード51、51の間を通るオイルOLによって、ブレード51は、回転軸X周りの周方向における一方側(図中、右側)から他方側(図中、左側)に移動する(図2におけるハッチング矢印方向)。ブレード51の移動方向は、ポンプインペラ3のブレード31の移動方向と同じである。
ブレード51、51の間を通ったオイルOLは、ステータ6に到達する。ステータ6に到達したオイルOLは、周方向で隣り合うブレード61、61の間を通って、上流から下流に移動する(図2における上側から下側)。このときの移動方向が、図1における白矢印Cに相当する。
ステータ6の回転が許容されている場合、ブレード61の移動方向は、タービンランナ5のブレード51と同じである。すなわち、周方向における一方側(図中、右側)から他方側(図中、左側)に移動する。ステータ6の回転が規制されている場合、ブレード61の移動は規制され、位置が固定される。
ブレード31、51、61の各々は、オイルOLの通流方向に沿う向きで設けられている。これらブレード31、51、61は、オイルOLの通流方向に沿う断面視において、それぞれ翼型をなす基本形状を有している。
図3は、ポンプインペラ3のブレード31を説明する図であり、図2におけるA領域の拡大図である。
図3に示すように、ブレード31は、周方向における一方の面32と、他方の面33を有している。これら一方の面32と他方の面33は、オイルOLの通流方向に平行な直線Lnに沿う向きで形成されている。
一方の面32と他方の面33は、直線Ln方向における上流側から下流側に向かうにつれて、周方向の間隔W1が狭くなっている。
一方の面32の上流側端部321と他方の面33の上流側端部331は、弧状の前縁部34を介して滑らかに接続されている。
一方の面32の下流側端部322と他方の面33の下流側端部332は、弧状の後縁部35を介して滑らかに接続されている。
後縁部35は、前縁部34よりも周方向の一方側にオフセットしている(図中、右側)。前縁部34の頂点P1と後縁部35の頂点P2とを結ぶ直線Lm1は、直線Lnに対して傾斜している。
一方の面32と他方の面33は、直線Lm1より下流側(図3における下側)を通って、前縁部34と後縁部35とをつないでいる。一方の面32は、直線Lm1から離れる方向(図中、左方向)に窪んでいる。他方の面33は、直線Lm1から離れる方向(図中、左方向)に膨出している。
ブレード31では、オイルOLは、前縁部34から流入したのち、一方の面32側と他方の面33側を通って、後縁部35から排出される(図3における白矢印A1、A2)。
ブレード31の一方の面32は、オイルOLの移動を妨げる方向に湾曲しており、オイルOLの圧力を受ける受圧面となる(以下、一方の面32を受圧面32と表記する)。
ブレード31の他方の面33は、オイルOLの移動を妨げない方向に湾曲しており、オイルOLの圧力を受けない。他方の面33では、オイルOLは、移動を妨げられることなく、速やかに下流に移動する。よって、ブレード31の他方の面33は、一方の面32よりも負圧になる(以下、他方の面33を負圧面33と表記する)。
図4は、タービンランナ5のブレード51を説明する図であり、図2におけるB領域の拡大図である。
図4に示すように、ブレード51は、ブレード31と略同じ形状を有している。
ブレード51は、周方向における一方の面52と、他方の面53を有している。これら一方の面52と他方の面53は、オイルOLの通流方向に平行な直線Lnに沿う向きで形成されている。
一方の面52と他方の面53は、オイルOLの通流方向における上流側から下流側に向かうにつれて、周方向の間隔W2が狭くなっている。
一方の面52の上流側端部521と他方の面53の上流側端部531は、弧状の前縁部54を介して滑らかに接続されている。
一方の面52の下流側端部522と他方の面53の下流側端部532は、弧状の後縁部55を介して滑らかに接続されている。
後縁部55は、前縁部54よりも周方向の一方側にオフセットしている(図中、右側)。前縁部54の頂点P3と後縁部55の頂点P4とを結ぶ直線Lm2は、直線Lnに対して傾斜している。
一方の面52と他方の面53は、直線Lm2より下流側(図4における下側)を通って、前縁部54と後縁部55とをつないでいる。一方の面52は、直線Lm2から離れる方向(図中、左方向)に窪んでいる。他方の面53は、直線Lm2から離れる方向(図中、左方向)に膨出している。
ブレード51では、オイルOLは、前縁部54から流入し、一方の面52側と他方の面53側を通って、後縁部55から排出される(図4における白矢印B1、B2)。
ブレード51の一方の面52は、オイルOLの移動を妨げる方向に湾曲しており、オイルOLの圧力を受ける受圧面となる(以下、一方の面52を受圧面52と表記する)。
ブレード51の他方の面53は、オイルOLの移動を妨げない方向に湾曲しており、オイルOLの圧力を受けない。他方の面53では、オイルOLは、移動を妨げられることなく、速やかに下流に移動する。よって、ブレード51の他方の面53は、一方の面52よりも負圧になる(以下、他方の面53を負圧面53と表記する)。
図5は、ステータ6のブレード61を説明する図であり、図2におけるC領域の拡大図である。
図5に示すように、ブレード61は、周方向における一方の面62と、他方の面63を有している。これら一方の面62と他方の面63は、オイルOLの通流方向に平行な直線Lnに沿う向きで形成されている。
一方の面62と他方の面63は、オイルOLの通流方向における上流側から下流側に向かうにつれて、周方向の間隔W3が狭くなっている。
一方の面62の上流側端部621と他方の面63の上流側端部631は、弧状の前縁部64を介して滑らかに接続されている。
一方の面62の下流側端部622と他方の面63の下流側端部632は、弧状の後縁部65を介して滑らかに接続されている。
後縁部65は、前縁部64よりも周方向の他方側にオフセットしている(図中、左側)。前縁部64の頂点P5と後縁部65の頂点P6とを結ぶ直線Lm3は、直線Lnに対して傾斜している。
一方の面62と他方の面63は、直線Lm3より下流側(図5における下側)を通って、前縁部64と後縁部65とをつないでいる。一方の面62は、直線Lm3から離れる方向(図中、右方向)に膨出している。他方の面63は、直線Lm3から離れる方向(図中、右方向)に窪んでいる。
ブレード61では、オイルOLは、前縁部64から流入し、一方の面62側と他方の面63側を通って、後縁部65から排出される(図5における白矢印C1、C2)。
ブレード61の他方の面63は、オイルOLの移動を妨げる方向に湾曲しており、オイルOLの圧力を受ける受圧面となる(以下、他方の面63を受圧面63と表記する)。
ブレード61の一方の面62は、オイルOLの移動を妨げない方向に湾曲しており、オイルOLの圧力を受けない。一方の面62では、オイルOLは、移動を妨げられることなく、速やかに下流に移動する。よって、ブレード61の一方の面62は、他方の面63よりも負圧になる(以下、一方の面62を負圧面62と表記する)。
ここで、本実施形態では、ポンプインペラ3のブレード31の受圧面32と、タービンランナ5のブレード51の受圧面52と、ステータ6のブレード61の受圧面63のうちの少なくとも1つの受圧面に、オイルOLとの親和性が異なる2つの領域が設けられている。
「オイルとの親和性」とは、「固体表面におけるオイルのぬれ性」を意味する。「オイルとの親和性が高い」とは、固体表面におけるオイルのぬれ性が良いことをいう。「オイルとの親和性が低い」とは、固体表面におけるオイルのぬれ性が悪い、すなわちオイルを弾き易いことをいう。
具体的には、図3に示すように、受圧面32は、オイルOLとの親和性が高い親油部32aと、オイルOLとの親和性が低い撥油部32bとを有している。親油部32aは、撥油部32bよりも、オイルOLの移動方向の上流に位置している。
図4に示すように、受圧面52は、オイルOLとの親和性が高い親油部52aと、オイルOLとの親和性が低い撥油部52bとを有している。親油部52aは、撥油部52bよりも、オイルOLの移動方向の上流に位置している。
図5に示すように、受圧面63は、オイルOLとの親和性が高い親油部63aと、オイルOLとの親和性が低い撥油部63bとを有している。親油部63aは、撥油部63bよりも、オイルOLの移動方向の上流に位置している。
ここで、ブレード51の親油部52aと撥油部52bを例に挙げて、オイルOLとの親和性が高い親油部52aと、オイルOLとの親和性が低い撥油部52bの具体的な構成を説明する。
図4に示すように、受圧面52では、上流側端部521から、上流側端部521と下流側端部522との中間点525までの領域が親油部52aとなっている。中間点525から下流側端部522までの領域が撥油部52bとなっている。
図6は、受圧面52の親油部52aを説明する図である。図6は、図4のA領域の拡大図である。
図7は、受圧面52の撥油部52bを説明する図である。図7は、図4のB領域の拡大図である。
なお、図6、図7では、説明の便宜上、オイルOLを液滴で記載している。図6では、表面の凹凸を誇張して記載している。図7では、コーティングの厚みを誇張して記載している。
本実施形態では、受圧面52における表面を荒らした領域を親油部52aとしている。具体的には、ショットブラスト処理やサンドブラスト処理により、受圧面52の表面に多数の微小な凹凸を形成することで、表面が荒らされた親油部52aを、受圧面52の一部に設けている。
図6に示すように、親油部52aでは、オイルOLの表面と親油部52aとの成す角φ(直線Lpと直線Lqの成す角:接触角)が、小さくなる(例えば90°以下)。そうすると、親油部52aでは、オイルOLが移動する際の摩擦が大きくなる。親油部52aを通るオイルOLは、摩擦による抵抗を受けて移動速度が大きく落とされる。
なお、親油部52aは、受圧面52に親油材をコーティングして形成してもよい。
例えば、トルクコンバータで使用するオイルOLとの親和性の高い置換基を持つ樹脂材料を受圧面52の一部領域に塗布して、親油部52aを形成しても良い。
撥油部52bは、受圧面52に撥油材をコーティングすることで形成される。撥油材は、例えばフッ素系のコーティング材などが挙げられる。
図7に示すように、撥油部52bでは、オイルOLの表面と撥油部52bの表面との成す角φ(直線Lpと直線Lqの成す角:接触角)は、大きくなる(例えば90°以上)。そうすると、撥油部52bでは、オイルOLが移動する際の摩擦が小さくなる。撥油部52bを通るオイルOLは、移動速度が落とされることなく撥油部52bを滑らかに移動する。
なお、撥油部52bの撥油材は、フッ素系のコーティング材に限られない。接触角φが大きくなるものであればよい。
以下、ブレード51における親油部52aおよび/または撥油部52bの作用を説明する。
図4に示すように、ブレード51の前縁部54から流入し、受圧面52に沿って流れるオイルOLは、親油部52aと撥油部52bを順番に通過したのち、後縁部55から排出される。
以下、親油部52aと撥油部52bの作用を説明する。
図8は、ブレード51の受圧面52周りのオイルOLの速度を説明する図である。図8では、分かり易くするために、親油部52aと撥油部52bについて、異なるハッチングを付している。
図8に示すように、ポンプインペラ3からタービンランナ5に向けて送り出されたオイルOLは、タービンランナ5のブレード51に、前縁部54側(図4参照)から流入し、受圧面52に沿って後縁部55に向けて移動する。
ブレード51の受圧面52に沿って移動するオイルOLは、最初に親油部52aを通過する。ここで、親油部52aに到達したときのオイルOLの速度をV1(流入速度V1)とすると、オイルOLの流入速度V1は、受圧面52に沿う速度成分V1sと、受圧面52に直交する速度成分V1nに分解される。
そのため、親油部52aに到達した後のオイルOLは、速度成分V1sが、オイルOLの移動に寄与する速度となる。以下の説明では、速度成分V1sを、単に速度V1sと表記する。
親油部52aに到達したオイルOLは、親油部52aにおいて摩擦による抵抗を受けながら撥油部52bとの境界となる中間点525まで移動する。このとき、オイルOLの速度は、摩擦による抵抗に起因して、親油部52aに到達したときの速度V1sから速度V2sまで減速される(V1s>V2s)。
そして、中間点525を撥油部52b側に越えたオイルOLは、撥油部52bに沿って後縁部55に向けて移動する。
前記したように、撥油部52bは、オイルOLの撥油性が高い領域であり、オイルOLが撥油部52bを通過する際に受ける摩擦による影響は小さい。そのため、撥油部52bを移動するオイルOLは、撥油部52bに到達したときの速度V2sを略維持したままで移動して、最終的に後縁部55(図4参照)に到達して、後縁部55から排出される。
なお、正確には、撥油部52bを通過するオイルOLは、撥油部52bの領域でも摩擦による抵抗を受けており、オイルOLの速度は僅かながらに低減される。しかしながら、撥油部52bでの流速の低減量は、親油部52aでの減速量と比べて無視できるほど小さい。そのため、説明の便宜上、速度V2sが維持されると記載している。
ここで、オイルOLの角運動量Lは、質量Mと、速度Vと、位置(半径)Rとの積で表される(L=M×V×R)。すなわち、角運動量Lは、速度Vに比例する。
図4に示すように、ブレード51に流入したオイルOLは、受圧面52の親油部52aを通る過程で、速度V1sから速度V2sまで減速される。
これにより、オイルOLの角運動量Lは、M×V1s×Rから、M×V2s×Rに減少する。このときの角運動量Lの減少量(M×R×(V1s-V2s))が、トルクに変換される(角運動量保存の法則)。このトルクは、ブレード51を周方向における一方側(図2における右側)から他方側(図2における左側)に移動させる方向に作用する。これにより、タービンランナ5は、回転軸X回りに回転する。タービンランナ5は、ポンプインペラ3の回転方向と同じ方向に回転する。
ここで、オイルOLの通流によって発生するトルクと摩擦損失とは、トレードオフの関係にある。
トルクを大きくするためには、摩擦を増やしてオイルOLの速度を大きく落として、角運動量Lの減少量を大きくする必要がある。しかしながら、摩擦を増やしてオイルOLの速度を遅くすることは、摩擦損失が大きくなることになる。摩擦損失が大きくなると、オイルOLの循環効率が悪くなり、トルクコンバータ1全体のトルクの伝達効率が悪くなる。
図9は、比較例1にかかるブレード51Aを説明する図である。
比較例1にかかるブレード51Aは、受圧面52の全面が、撥油部52bとなっている。
図10は、比較例2にかかるブレード51Bを説明する図である。
比較例2にかかるブレード51Bは、受圧面52の全面が、親油部52aとなっている。
図9に示すように、流入速度V1で流入したオイルOLは、受圧面52に沿う速度成分V1sと、受圧面52に直交する速度成分V1nに分解される。
比較例1にかかるブレード51Aでは、撥油部52bは、受圧面52の全面に亘って形成されている。オイルOLは、撥油部52bを移動している間、速度V1sが略維持される。
従って、比較例1にかかるブレード51Aでは、オイルOLの速度は減少しにくく、摩擦損失は低い。よって、オイルOLの循環効率は高い。しかしながら、速度V1sが略維持されるため、角運動量Lの減少量は小さい。よって、トルクに変換される量は少ない。
一方、図10に示すように、流入速度V1で流入したオイルOLは、受圧面52に沿う速度成分V1sと、受圧面52に直交する速度成分V1nに分解される。
比較例2にかかるブレード51Bでは、親油部52aは、受圧面52の全面に亘って形成されている。オイルOLは、受圧面52を移動している間、摩擦による抵抗を受けて減速し続ける。よって、後縁部55から排出される速度V3sは、本実施形態にかかる排出速度V2s(図8参照)よりも大きく減速されたものになる(V2s>V3s)。
従って、比較例2にかかるブレード51Bでは、オイルOLの速度が大きく減速される。よって、角運動量Lの減少量が大きくなるので、トルクに変換される量は多い。
しかしながら、オイルOLの速度が遅くなるので、摩擦損失は大きい。よって、オイルOLの循環効率は悪くなる。
本実施形態では、受圧面52に親油部52aと撥油部52bを設けている。タービンランナ5のブレード51を通るオイルOLの速度は、親油部52aでは減速され、撥油部52bでは維持される。これにより、トルクの確保に必要な分だけ速度を落とすことができる。よって、トルクの確保と摩擦損失の低減が両立される。
トルクの確保と摩擦損失の低減を両立することで、以下の効果が奏される。
(i)車両の動力性能を向上させることができる。
(ii)車両の動力性能を維持しつつトルクコンバータ1を小型・軽量化できる。
トルクコンバータ1を小型・軽量化させると、イナーシャが減少する。そうすると、エンジンではトルクコンバータ1を回転させるための負荷が小さくなるので、燃費が改善する。
また、本実施形態では、上流側に親油部52aを配置し、下流側に撥油部52bを配置している。ブレード51へのオイルOLの流入速度は上流側が最も速い。そのため、上流側に親油部52aを配置することでオイルOLを大きく減速させることができる。親油部52aを上流側に配置することで、親油部52aを下流側に配置するよりもトルクを増やすことに寄与できる。
また、ポンプインペラ3では、オイルOLがブレード31の親油部32aを通ることで、周方向における一方側(図3における右側)から他方側(図3における左側)に向かうトルクが増大する。このトルクは、エンジンの回転方向と同じ方向(図2における黒矢印方向)に作用するので、ポンプインペラ3の回転をアシストすることになる。これによって、燃費の向上が期待できる。
また、ステータ6では、オイルOLがブレード61の親油部63aを通ることで、周方向における他方側(図5における左側)から一方側(図5における右側)に向かうトルクが発生する。
ここで、ブレード61は、ワンウェイクラッチOWC(図1参照)によって、周方向の他方側から一方側への移動が規制されている(図2における左側から右側)。従って、オイルOLがブレード61の親油部63aを通ることで発生するトルクは、オイルOL自身が反発力として受けることになる。この反発力は、オイルOLの流れを周方向における一方側から他方側へ向きを大きく変えることに寄与する。よって、より効率的にオイルOLの向きを変えることができる。
また、車両の発進時など、オイルOLの循環速度が遅く、受圧面63に作用するオイルOLの圧が低いような場合であっても、確実にステータ6の回転をロックさせることができる。
以上の通り、本実施形態にかかるトルクコンバータ1は、以下の構成を有している。
(1)トルクコンバータ1は、
ポンプインペラ3と、
タービンランナ5と、
ステータ6と、を有する。
トルクコンバータ1は、ロックアップクラッチ8が解放状態であるときに、ポンプインペラ3と、タービンランナ5と、ステータ6との間を循環する流体であるオイルOLを介して、トルクを伝達する。
ポンプインペラ3と、タービンランナ5と、ステータ6の各々は、トルクを伝達するためにオイルOLに流れを生じさせる羽根であるブレード31、51、61を有している。
ブレード31、51、61には、トルクの伝達時にオイルOLの圧力を受ける受圧面32、52、63が設けられている。
受圧面32は、オイルOLとの親和性が異なる親油部32aと、撥油部32bを有している。
受圧面52は、オイルOLとの親和性が異なる親油部52aと、撥油部52bを有している。
受圧面63は、オイルOLとの親和性が異なる親油部63aと、撥油部63bを有している。
このように構成すると、オイルOLの速度は、親油部で減速され、撥油部で維持される。これにより、オイルOLとの摩擦損失を低減しつつ、トルクを確保することができる。
よって、車両の動力性能を向上させることができる。また、車両の動力性能を維持しつつトルクコンバータ1を小型・軽量化できるので、燃費を改善することができる。
本実施形態にかかるトルクコンバータ1は、以下の構成を有している。
(2)ブレード31、51、61では、受圧面32、52、63が、オイルOLの流れに沿う向きで設けられている。
受圧面32、52、63は、オイルOLの流入側の領域に前縁部34、54、64を有する。
受圧面32、52、63は、オイルOLの排出側の領域に後縁部35、55、65を有する。
受圧面32、52、63は、前縁部34、54、64側の親和性が、後縁部35、55、65側の親和性よりも高い親油部32a、52a、63aとなっている。
各々のブレード31、51、61へのオイルOLの流入速度はオイルOLの流入側(上流側)が最も速い。
そこで、上記のように構成して、上流側に親油部32a、52a、63aを配置することでオイルOLを大きく減速させることができる。これにより、親油部32a、52a、63aを下流側に配置する場合よりもトルクの増大に寄与できる。
本実施形態にかかるトルクコンバータ1は、以下の構成を有している。
(3)受圧面52のうち、親油部52a(オイルOLの流入側の領域)には、オイルOLとの親和性の高い樹脂材料がコーティングされている。
このように構成すると、親油部52aとオイルOLとの接触角φが小さくなる(図6参照)。これにより、親油部52aでは、オイルOLが移動する際の摩擦が大きくなる。親油部52aを通るオイルOLは、摩擦による抵抗を受けて移動速度が大きく落とされる。
よって、親油部52aでは、角運動量Lの減少量を大きくできるので、トルクの増大に寄与できる。なお、ブレード31、61の親油部32a、63aでも同様である。
本実施形態にかかるトルクコンバータ1は、以下の構成を有している。
(4)受圧面52のうち、オイルOLの排出側の領域は、オイルOLとの親和性の低い撥油部52bとなっている。
撥油部52bは、オイルOLとの親和性の低いフッ素系材料がコーティングされている。
このように構成すると、撥油部52bとオイルOLとの接触角φが大きくなる(図7参照)。これにより、撥油部52bでは、摩擦による抵抗が小さくなる。撥油部52bを通るオイルOLは、大きく減速されることなく排出される。
よって、撥油部52bでは、摩擦損失を低減できるので、オイルOLの循環効率向上に寄与できる。なお、ブレード31、61の撥油部32b、63bでも同様である。
本実施形態にかかるトルクコンバータ1は、以下の構成を有している。
(5)受圧面52では、親油部52aの領域の表面粗さが、撥油部52bの領域の表面粗さよりも粗い。
表面粗さが粗くなると、親油部52aとオイルOLとの接触角φが小さくなる(図6参照)。すなわち、表面粗さが粗い親油部52aは、オイルOLとの親和性が高くなるので、オイルOLが移動する際の摩擦が大きくなる。
これにより、親油部52aを通るオイルOLは、摩擦による抵抗を受けて移動速度が大きく落とされる。
よって、親油部52aでは、角運動量Lの減少量を大きくできるので、トルクの増大に寄与できる。なお、ブレード31、61の親油部32a、63aでも同様である。
ここで、本実施形態では、ポンプインペラ3、タービンランナ5及びステータ6の各々のブレードの受圧面が、親油部と撥油部とを有しているものを例示した。本件発明は、この態様にのみ限定されない。ポンプインペラ3、タービンランナ5及びステータ6の少なくとも1つのブレードが親油部と撥油部を有していればよい。
この場合において、少なくともタービンランナ5のブレード51が親油部52aと撥油部52bを有していることが好ましい。タービンランナ5は変速機に直結しており、変速機に直接トルクを伝達するからである。
本実施形態にかかるトルクコンバータ1は、以下の構成を有している。
(6)ポンプインペラ3とタービンランナ5とステータ6のうち、少なくともタービンランナ5のブレード51が、親和性の異なる領域である親油部53aと撥油部53bを有している。
このように構成すると、オイルOLから伝達されるトルクを増大させることができるので、トルクコンバータ1を動力伝達経路上に持つ車両の動力性能を、特に向上させることができる。また、車両の動力性能を維持しつつトルクコンバータ1を小型・軽量化できるので、燃費を改善することに特に寄与できる。
本実施形態では、親油部52aは、受圧面52における上流側端部521から中間点525までの領域に設けられたものを例示したが、これに限定されない。例えば、親油部52aは、受圧面52の上流側端部521から前縁部54の頂点P3までの領域(図4参照)も含んでいても良い。
また、撥油部52bは、受圧面52における中間点525から下流側端部522までの領域に設けられたもの例示したが、これに限定されない。例えば、撥油部52bは、後縁部55(図4参照)を含んでいてもよい。
さらに、ブレード51の負圧面53においてオイルOLとの親和性を低くしてもよい。この場合、負圧面53を全面に亘って、撥油材でコーティングすればよい。撥油材のコーティング領域は、負圧面53の上流側端部531から前縁部54の頂点P3までの領域(図4参照)も含んでいても良い。撥油部52bと同様に、撥油材にはフッ素系のコーティング材を用いればよい。
これにより、ブレード51では、トルクの確保に寄与する領域と、摩擦損失の低減に寄与する領域とが全面に亘って設定される。よって、トルクの確保と摩擦損失の低減との両立がより確実に行われる。ブレード31、61も同様である。
また、本実施形態では、親油部52aと撥油部52bの境界が中間点525(図8参照)である場合を例示したがこれに限定されない。親油部52aと撥油部52bとの境界は、中間点525からずれた位置であってもよい。例えば、オイルOLの粘度やトルクコンバータ1の大きさに合わせて、適宜変更可能である。
図11は、変形例1にかかる受圧面52Aを説明する図である。
図11に示すように、変形例1にかかる受圧面52Aは、中間点525から見てオイルOLの移動方向の上流側に親油部52a(図中、太線部分)を有し、下流側に未加工面(金属地肌)を有する。
図12は、変形例2にかかる受圧面52Bを説明する図である。
図12に示すように、変形例2にかかる受圧面52Bは、中間点525から見てオイルOLの移動方向の下流側に撥油部52b(図中、太線部分)を有し、上流側に未加工面(金属地肌)を有する。
図11に示すように、受圧面52Aは、上流側に親油部52aのみを有することで、相対的に上流側がオイルOLとの親和性が高い領域となり、下流側がオイルOLとの親和性が低い領域となる。また、図12に示すように、受圧面52Bは、下流側に撥油部52bのみを有することで、相対的に上流側がオイルOLとの親和性が高い領域となり、下流側がオイルOLとの親和性が低い領域となる。
よって、変形例1、2にかかる受圧面52A、52Bは、親油部52aと撥油部52bの両方を形成する場合よりも、製造コストを抑えつつ、トルクの確保と摩擦損失の低減とを両立することができる。
以上、本件発明の実施形態を説明したが、本件発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1 トルクコンバータ
3 ポンプインペラ
5 タービンランナ
6 ステータ
31、51、61 ブレード(羽根)
32、52、63 受圧面
32a、52a、63a 親油部(親和性の高い領域)
32b、52b、63b 撥油部(親和性の低い領域)
34、54、64 前縁部(流入側の領域)
35、55、65 後縁部(排出側の領域)
OL オイル(流体)
X 回転軸

Claims (6)

  1. ポンプインペラと、
    タービンランナと、
    ステータと、を有し、
    前記ポンプインペラと、前記タービンランナと、前記ステータとの間を循環する流体を介して、トルクを伝達するトルクコンバータであって、
    前記ポンプインペラと、前記タービンランナと、前記ステータの各々は、前記トルクを伝達するために前記流体に流れを生じさせる羽根を有しており、
    前記羽根には、前記トルクの伝達時に前記流体の圧力を受ける受圧面が設けられており、
    前記受圧面は、前記流体との親和性が異なる複数の領域を有している、トルクコンバータ。
  2. 請求項1において、
    前記羽根では、前記受圧面が、前記流体の流れに沿う向きで設けられており、
    前記受圧面は、前記流体の流入側の領域における親和性が、前記流体の排出側の領域における親和性よりも高い、トルクコンバータ。
  3. 請求項2において、
    前記流体は、オイルであり、
    前記受圧面のうち、前記オイルの流入側の領域には、前記オイルとの親和性の高い材料がコーティングされている、トルクコンバータ。
  4. 請求項2または3において、
    前記流体は、オイルであり、
    前記受圧面のうち、前記オイルの排出側の領域には、前記オイルとの親和性の低い材料がコーティングされている、トルクコンバータ。
  5. 請求項2において、
    前記受圧面のうち、前記流体の流入側の領域は、前記流体の排出側の領域よりも表面粗さを大きくすることで前記流体との親和性を高くしている、トルクコンバータ。
  6. 請求項1から5のいずれか1において、
    前記親和性の異なる領域は、少なくとも前記タービンランナの前記羽根に設けられている、トルクコンバータ。
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