JP2005520109A - トルクコンバータの固定子のブレード - Google Patents

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Abstract

本発明はトルクコンバータの構成要素である従来の固定子のブレードに貫通通路を形成させ、失速状態及び低速度比区間で安定的なトルクを発生させ、セグ現象を防止する固定子のブレードに関するものである。本発明の特徴は固定子のブレードの腹面部と背面部との間にオイル流動用貫通通路を新しく形成させたことを特徴とする。本発明は固定子のブレードの構造形状変更を通して低速度比区間における流動剥離及び再循環領域の発生を抑制して性能低下現象を防止し、その他の区間においてもトルクコンバータ全体の性能を向上させる効果を期待することができる。

Description

本発明は流体カップリング式トルクコンバータに関するものであって、より詳しくは、インペラーとタービンとの間に配置されたトルクコンバータの固定子のブレードに関するものである。
トルクアクスルと一体的に回転するインペラー、該インペラーから吐出されるオイルによって回転されるタービン、及びタービンからインペラーに還流するオイルの流れをインペラーの回転方向に向ける固定子を備えた流体カップリング式トルクコンバータは既に公知である。
このようなトルクコンバータでは、インペラーから吐出されたオイルをタービンに流入させ、このオイルの流動エネルギーでタービンを回転させ、その後、タービンからインペラーに還流するオイルの流れを固定子によってインペラーの回転方向に転換させ、このオイルによってインペラーブレードの背面を押してインペラーの回転を増加させ、さらに回転が増加されたインペラーから吐出されたオイルによってタービンを回転させる工程が繰り返され、これによってタービンにインペラーより大きなトルクを発生させるようにしている。
既存のトルクコンバータの固定子は、薄板形(sheet shaped)からなったブレードを備えているが、オイルの流動が固定子のブレードに流入されるとき、オイルの流動方向と薄板形ブレードの入口角度が流動を滑らかに流出させることのできない迎角(attack angle)を有しているので、乱流であるオイルの流動を惹起し、オイルが有する力学的エネルギーが熱エネルギーに変換され失われるため、トルクコンバータのトルク伝達効率が低下するという問題がある。
よって、現在では全てのトルクコンバータは翼形(wing shaped 又はhydrofoil shaped)のブレードを備えている。この固定子の翼形ブレードは前縁(leading edge)部位の幾何学的特性によってオイルの流動が固定子のブレードに流入されるとき、オイルの流動方向と翼形ブレードの入口角度が一定角度の差異においても、流動を滑らかに流れ出させることができる。
しかしながら、上記固定子の翼形ブレードが失速状態にあるときには、上記固定子のブレードが翼形であるにも拘わらず図4に図示されたとおり、流動を滑らかに流れ出させることができないことが、翼形状の固定子ブレード周りのオイル流れを観察した結果、明らかになった。
ここで、上記失速状態は速度比が0である状態を言い、上記速度比は翼形のインペラーの回転速度とタービンの回転速度との比を言う。即ち、上記失速状態はエンジンの動力を受けてインペラーがエンジンの回転速度で回転し、そして運転者がブレーキを踏んでいることに因りタービンが回転停止された状態にあることをいう。
図4に図示された固定子ブレードの周りのオイル流れに対して具体的に説明する。速度比が失速状態であるかまたは低い区間では、タービンが停止されているか、低い回転速度で回転しているので、タービン出口を離れた流動が固定子のブレードの前縁の左側下から腹面部側に比較的に大きな迎角を持って流入する。このとき、固定子の背面部では流動剥離(flow separation)が発生しながら再循環流動(flow recirculation)が同伴され、これに因り、オイルの流れを固定子によってインペラーの回転方向に十分に転換させることができず、このオイルによってインペラーブレードの背面を十分に押さえてインペラーの回転を所望の程度だけ増加させることが出来なかった。そのため、トルクコンバータの設計性能が低下される現象が発生する。これをいわゆるセグ(sag)現象という。
セグ現象があると、速度比が漸次増加するほど、タービンの回転数が増加するようになり、従って、タービンを離れた固定子に流入される流動の迎角が小さくなり、よって固定子ブレードに滑らかに流入される。これに因り、固定子ブレードの周辺では流動剥離又は流動再循環が起こらない。
従って、失速状態において上記セグ現象を防止するために今まで研究された一例として、固定子のブレードに多数の貫通孔を形成させることが開示されている。しかしながら、固定子のブレードに多数の貫通孔を形成させることは次のような問題点が惹起された。
即ち、固定子のブレード8に多数の孔を形成させた場合、固定子ブレード8の腹面部に大きな迎角を有する状態で入射される高速流動のエネルギーが孔を通して背面部へ伝達されながら腹面部における衝撃に因る運動量損失を最少化する効果を挙げるようになり、流体機械としての若干の効率を上昇させることが出来る。しかし、図7に図示されたとおり、このような固定子のブレードに形成された多数の孔ではトルクコンバータの性能に直接的な影響を及ぼす流動剥離及び再循環流動を完全に防止することが出来ない。即ち、失速状態又は低い速度比状態の場合、タービン出口から出る流動が大きい迎角を持って固定子のブレードに流入されるとき、腹面部先部分に先ず当った流動の殆どは腹面部下流方向に抜け出るか流動の反対方向である前縁を通過して背面部に向かいながら、剥離され、一部少量の流動だけが貫通孔を通過しながら、背面部に流動を形成する。翼形理論においても、剥離流動を防止するためには貫通孔を通した噴出(blowing)は別に効果がなく、かえって、吸入(suction)流動が流動剥離の防止効果があるものと知られている。従って、図7に図示されたとおり、多数の貫通孔を有する固定子ブレード8の背面部では流動剥離と流動再循環は依然として発生し、主流動に貫通孔を通過した噴出流動(jet stream)が混合されながら乱流流動が一層発生し、流体機械の設計性能を低減させる複雑な流動構造(complex flow structure)が形成される。
本発明は上の事情を背景として成ったものであって、固定子ブレードの腹面部と背面部との間にオイル流動のための最適のスロットタイプの貫通通路を形成して、固定子のブレード周りにおける剥離流動及び再循環流動を常時防止してセグ現像を防止することを目的とする。
(発明の構成)
本発明は上記目的を達成するために、連結部材を介してクランク軸と同軸的に取り付けられクランク軸と一体的に回転するインペラー、該インペラーから吐出されたオイルによって回転されると同時に、後端部がトランスミッション軸に同軸に取り付けられたタービン、固定された固定子シャフトにワンウェイクラッチを介して取り付けられ、タービンからインペラーに還流するオイルの流動方向をインペラー3の回転方向に向ける固定子としてインナーリング6とアウターリング7との間に多数の翼形のブレード8が形成されている上記固定子を含んでいる流体式トルクコンバータにおいて、上記固定子のブレード8は、互いに所定の間隔を置いて配置された2つの部分8’、8”からなっており、上記ブレード8には上記2つの部分8’、8”、インナーリング6及びアウターリング7によって区画された空間が形成されており、該空間がオイルの流れ方向上流側である腹面部から下流側である背面部に亘って貫通するオイル流動用スロット状貫通通路15として作用し、上記ブレード8は上記ブレードに形成されたスロット状貫通通路15の角度が−5度乃至+40度の範囲を有している。上記角度が、固定子ブレードの平均キャンバーライン(camber line)上の所定位置に位置する上記所定の間隔を二等分するスロット状貫通通路の中心軸線と、タービンブレードの設計流線上の出口点における接線の平行線とにより形成された角度であることを特徴とする。
次に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1に示されたとおり、流体式トルクコンバータ1は連結部材2を介してクランク軸と同軸的に取り付けられ、そのクランク軸と一体的に回転するインペラー3、その後端部がトランスミッション軸13に同軸に取り付けられ、該インペラーから吐出されたオイルによって回転されるタービン4、固定された固定子シャフト12にワンウェイクラッチ9を介して取り付けられ、タービン4からインペラーに還流するオイルの流動方向をインペラー3の回転方向に向ける固定子5で構成されている。
上記構成において、インペラー3が回転すると、インペラー3内のオイルが矢印Bで示すように、タービン4に向かって吐出され、該オイルによってタービン4がインペラー3と同じ方向に回転される。このようにしてタービン4内に流入されたオイルはタービン4を回転させる同時にその反作用によって固定子5に向かって流出される。このとき、タービン4の回転数がインペラー3の回転数より少ない通常の状態では、オイルはタービンの回転方向、即ち、インペラー3の回転方向とは反対方向の周速度を有する流れになる。そして、該インペラー3の回転方向と反対方向の周速度を有するオイルの流れは固定子5内にその円周方向に多数配置された固定子ブレード8によってインペラー3の回転方向と同一な方向の周速度を有する流れに変換される。そして、このようにインペラー3の回転方向と同一方向の周速度を有するオイルはインペラー3内に流入され、インペラー3の翼の背面部にあたり、インペラー3の回転を高める。このようにして回転が高められたインペラー3から再びオイルがタービン4に吐出され、タービン4にトルクが伝達される。このような工程が繰り返されることにより、タービン4に伝達されたトルクが大きくなり、インペラー3のトルク、即ち、クランク軸のトルクより大きいトルクがタービン4に伝達され、このように高められたトルクがトランスミッション軸13に伝達される。
固定子5は、インナーリング6とアウターリング7との間に多数の翼形のブレード8を形成したものであり、そのインナーリング6がワンウェイクラッチ9のアウターレース10にスプライン嵌め合わせられている。また、そのワンウェイクラッチ9のインナーレース11は固定子シャフト12にスプライン嵌め合わせられ、又、該固定子シャフト12の内周側に配置したトランスミッション軸13にハブ14がスプライン嵌め合わせられ、該ハブ14にタービン4が設けられている。
固定子5において、翼形のブレード8は図1に示したとおり、オイル流動用スロット形状の貫通孔15が形成されている。
これを具体的に説明すると、固定子の翼形のブレード8は、一実施例として固定子の翼形のブレード8を斜視図で示す図2に示したとおり、中実構造であり、外表面が凸曲面で成った背面部と凹曲面で成った腹面部によって形成されている。固定子の翼形ブレード8は図2に示されたとおり、互いに所定の間隔をおいて配置された2つの部分8’、8”でなっており、ブレード8には2つの部分8’、8”、インナーリング6及びアウターリング7によって区画された空間が形成されており、該空間がオイルの流れ方向上流側である腹面部から下流側である背面部に亘って貫通するオイル流動用スロット状貫通通路15として作用する。
第4図に示されたとおり、従来の固定子翼形べーンでは該ブレードの周りにおいて流動剥離及び流動再循環が、主に固定子翼形のブレードの背面部近くで発生したが、貫通通路15を備えている本発明の固定子5の翼形ブレード8では該貫通通路15から下流側である背面部近くに流出するオイルの流れによってブレード周りにおける流動剥離及び流動再循環現象の発生を防止することができる。
本発明の第1実施例では、図2に示されたとおり、単純に互いに所定の間隔を置いて配置された2つの部分8’、8”を合わせた全体的な形状が翼形になっており、2つの部分8’、8”それぞれの形状が翼形でない形状になっている。一方、本発明の第2実施例では、図3に示されたとおり、2つの部分8’、8”のそれぞれを翼形になるように形成させても好ましいのは勿論である。
その理由は、既に、流体力学教科書(Fluid Mechanics、第3版、著者:F.M.White, McGrawHill出版、pp.423−431)において開示されているように、多様な迎角を有する流動形態に対して、可変翼(variable wing)の如くブレードの形状を能動的に変更できるように主ブレードの前縁部及び後縁部に、もう一つの小さい補助翼(flap又はslat)を取り付けて二重翼の構造を有することにより、離着陸時に、翼の形及び翼の角度を変更させ揚力及び飛行性能を向上させることができるというものである。このような概念から出発したが、翼の角度を能動的に変更することができない環境である本発明の場合、既存固定子のブレードに大きな迎角の流動に対して前縁部側の補助翼を取り付けた形態の二重翼であるか既存固定子のブレードにスロットを適切に形成させて二重翼構造を有するようになれば、大きな迎角の流動に対しても流動剥離なく滑らかに流動を固定子ブレード表面を沿って流らせることができるようになる。図3はこのような本発明の一実施例であって既存の固定子ブレードにスロットを適切に形成させ二重翼構造を有するようにしたもので、流動剥離をほとんど除去できる流動構造が示される。迎角が大きいのにも拘わらず翼の表面を滑らかに流れる流動形態となるので性能係数の向上が期待される。勿論、航空機の翼においては安定的な揚力を得ることが主目的であるが、本発明では大きな迎角の流動を流動剥離が生成することなしに流れ出し抗力を減少させることが目的である。トルクコンバータ内の流動抗力が減少すると流体の流れ速度が増加し、これに因り性能係数、特に入力容量係数が増加する。
つぎに、上記のように構成された固定子5の作用に関し説明する。速度比が0である失速状態又は低い速度比区間において、固定子5のブレード8の前縁の左側下に流入されるオイルは固定子5のブレード8に対して大きな迎角から流れ、該ブレード8によって流れ方向が変化され得る。その場合、図4に示されたとおり、ブレード8の表面に近い境界層における速度分布は、ブレード8の前縁から後縁側に行くにつれて変化し、ブレード8の表面を沿って流れない場合にはその部分から剥離が生じるが、本発明の固定子5では、小さい迎角を持ってブレード8に流入されるオイルの流体はブレード8の前縁を沿って迂回するが、図5に示したとおり、大きな迎角を持ってブレード8に流入されるオイルの流体はブレード8に新しく形成された貫通通路15を通してブレードの背面部側に突出されるため、固定子のブレードの背面部側におけるオイル流体の剥離領域ないし再循環領域を惹起することなく下流側に流出されて、圧力損失の防止、言い換えれば、伝達比率の向上を図ることが可能である。
又、上記説明において、固定子の翼形ブレード8に貫通通路15を形成すると、固定子のブレードの背面部側におけるオイル流体の剥離領域ないし再循環領域が図5に示したとおり、発生しないことが実験的に立証された。これに加えて固定子のブレード8が翼形でない中実の薄板形であっても、外表面を凸曲面からなった背面部と凹曲面とからなった腹面部によって形成し、オイルの流れ方向上流側である腹面部から下流側である背面部に亘って固定子ブレード8を貫通するオイル流動用スロット状の貫通通路15を備えることにより、図4に示されたような現象が、即ち、該貫通通路から下流側である背面部近くに流出するオイルの流れによって流動剥離現象が防止されることが実験的に立証された。
以下、固定子ブレード8に対する最適の条件に対して説明する。
本発明による固定子ブレード8に形成された最適の貫通通路は、図6で示されたように角度θとして限定される。この角度は、固定子ブレードの平均キャンバーライン(mean camber line)上の貫通通路の幅(互いに離れて配置された二つの部分8’、8”の間隔)を2等分する貫通通路の中心軸線とタービン翼の設計流線(design path)上の出口点における接線の平行線とにより形成される貫通通路の角度(θ)と定義する。タービン翼の出口接点から延長した線と貫通通路の中心軸線が平行のとき、貫通通路の角度は0度である。貫通通路の中心軸線が主流動方向に傾いた場合の角度を貫通通路角度の陽(+)の方向と定める。
本発明の効果を挙げるために多様な貫通通路の角度に対して体系的な実験研究結果、表1に示したとおりの結果を得た。即ち、貫通通路の角度変化によってトルクコンバータの主要性能係数として使用されるトルク比(torque ratio, TR)と入力性能係数(input capacity factor, CF)の変化を研究した結果、貫通通路の最適角度範囲は−5度から+40度であり、この最適角度範囲においては、入力性能係数が10%以上向上されることが分かった。この角度範囲におけるトルク比は貫通通路がない既存の翼に対する値に比べてほとんど同一な値である。このように入力性能係数が向上されたのは図5に示したとおり、本発明で解決しようとした翼の背面部における流動剥離及び流動再循環が貫通通路を通過する新たな流動によって低減されるか消滅されたからだと確認された。図5は本発明の一実施例であって、貫通通路の角度は10度である。しかし、貫通通路の角が−5度より小さいか40度より大きい場合、表1に示したように性能係数等が大きく低下される現象を見ることができるので、本発明の効果を得るためには上述した最適角度が不可欠である。
Figure 2005520109
さらに、固定子ブレード8に形成された貫通通路の位置にも最適の条件があることが本発明によって明らかとなった。先ず、貫通通路の位置の定義は固定子ブレード8の全体コード(chord)すなわち固定子ブレード8の前縁から後縁までの直線距離に対して、前記前縁から、固定子ブレード8の平均キャンバーライン(camber line)と貫通通路の中心軸との交差点から延びる垂線とコード線との交点までの距離の比を百分率で表したものである。多様な位置の貫通通路が可能であるが、本発明の効果を挙げるために多様な貫通通路の位置に対して体系的に行った実験研究の結果、表2に示されたような結果を得た。即ち、貫通通路の位置が変化するに従って適切な位置の場合、入力性能係数(input capacity factor, CF)が大きく向上される。しかし、位置が適切でない場合、返って性能を大きく低下させ、甚だしくは、トルク比の顕著な低下を招くこともある。このような研究結果を整理すると表2のとおりである。
即ち、12%から38%の間の最適位置範囲ではトルク比の減少なしに入力性能係数が向上されるが、最適位置範囲以外の位置ではトルク比及び入力性能係数が急激に低下し、基準翼の値より良くない結果を招くこともあることが分かった。従って、表2に示したように、本発明の効果を得るためには、最適位置に貫通通路を設けることが不可欠である。
Figure 2005520109
一方、貫通通路の面積も貫通通路の主要変数である。貫通通路の面積は貫通通路の背面部表面積と固定子ブレード8の背面部表面積との比によって定義する。先の研究におけるように、多様なサイズの貫通通路に対し体系的に研究した結果を表3に整理した。即ち、貫通通路の面積が小さすぎると本発明の効果が微々になり、大きすぎるとかえって固定子ブレード8の固有機能、即ち、タービンから出た流動をよく整列してインペラーに送ってトルク増配を発生する固有の機能を失うようになる。研究結果、貫通通路の面積比は3%乃至20%の範囲内にあってこそセグ(sag)現象の防止機能と共に元来のトルク増配機能が最適に存在することが明らかになった。
Figure 2005520109
一方、貫通通路の断面積が流動方向に漸次拡大されるような断面形状である場合に、本発明の効果がより向上することがわかった。即ち、断面が一定な場合では、貫通通路の流入速度が背面部への出口速度と同一であるので、貫通流動が噴出(jet)成分の流動になり、背面部流動を妨害することもある。しかしながら、断面が拡大される貫通通路の場合においては、貫通通路を貫通する流動が断面積の拡大に因り、流入速度より貫通通路の出口流動速度が減少するようになり、背面部の主流動と円満に進入して主流動場を妨害することなく本発明の効果である流動剥離および再循環流動を低減させるようになる。
本研究では、表4に示したように貫通通路の入口面積に比べて、出口の断面積の比が10%乃至30%の範囲内で拡大されるのが、最適であることが分かった。
Figure 2005520109
以上の説明から明らかなように、本発明のトルクコンバータの固定子のブレードによれば、失速および低い速度比区間においても流動剥離及び流動再循環発生を抑制して流体の損失を最少化することにより、発生トルクを増大させることができるばかりでなく、失速点から一定速度比領域まで安定的なトルクを発生させ伝達することができる効果を得ることができる。特に、セグ現象を流体力学的な側面から発生原因を究明し、これに対する本発明の設計案に対し流動解釈を通して画期的な流動剥離減少及び入力容量係数の増加、そして安定的なトルクを確認することができた。
本発明による固定子を備えたトルクコンバータの縦断面図。 本発明による固定子ブレードの1実施例を図示する斜視図。 本発明による固定子ブレードの第2実施例を図示する斜視図。 失速状態における従来の固定子ブレード周りのオイルの流れを図示する図面。 失速状態における本発明の固定子ブレード周りのオイルの流れを図示する図面。 インペラーのブレードに対する本発明の固定子ブレードの角度を図示する図面。 複数の貫通孔が形成された従来の固定子ブレード周りのオイルの流れを失速状態で図示する図面。

Claims (11)

  1. 連結部材2を介してクランク軸と同軸的に取り付けられ、クランク軸と一体的に回転するインペラー3、該インペラーから吐出されたオイルによって回転されると同時に、後端部がトランスミッション軸13に同軸に取り付けられたタービン4、固定された固定子シャフト12にワンウェイクラッチを介して取り付けられ、タービンからインペラーに還流するオイルの流動方向をインペラー3の回転方向に向ける固定子5としてインナーリング6とアウターリング7との間に多数の翼形のブレード8が形成されている上記固定子を含んでいる流体式トルクコンバータにおいて、
    上記固定子のブレード8は、互いに所定の間隔を置いて配置された2つの部分8’、8”からなっており、上記ブレード8には該2つの部分8’、8”、インナーリング6及びアウターリング7によって区画された空間が形成されており、該空間がオイルの流動方向上流側である腹面部から下流側である背面部に亘って貫通するオイル流動用スロット状の貫通通路15として作用し、上記ブレード8に形成された上記スロット状貫通通路15の角度が−5度乃至+40度の範囲を有しており、上記角度は固定子ブレードの平均キャンバーライン上の所定の位置に位置する上記所定の間隔を二等分するスロット状貫通通路の中心軸線と、タービンブレードの設計流線上の出口点における接線の平行線とにより形成された角度であることを特徴とする、トルクコンバータの固定子のブレード。
  2. 上記ブレード8は翼形である請求項1に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  3. 上記ブレード8は薄板形である請求項1に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  4. 固定子ブレード8の前縁と後縁とを結ぶ弦の全直線距離に対する、前記前縁から固定子ブレード8の平均キャンバーラインと貫通通路の中心軸との交点から延びる垂線と前記コード線との交点までの距離の比の百分率である、上記ブレード8に形成された貫通通路の距離比は12%乃至38%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  5. 上記貫通通路の背面部表面積は、固定子ブレード8の背面部の全表面積の3%乃至20%の範囲内にあるサイズを有している請求項1乃至3項のいずれか1項に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  6. 上記貫通通路の背面部表面積は、固定子ブレード8の背面部の全表面積の3%乃至20%の範囲内にあるサイズを有している請求項4に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  7. 上記ブレード8に形成された貫通通路の入口と出口断面積の拡大率が10%乃至30%の範囲内である請求項1乃至3項のいずれか1項に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  8. 上記ブレード8に形成された貫通通路の入口と出口断面積の拡大率が10%乃至30%の範囲内である請求項4に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  9. 上記ブレード8に形成された貫通通路の入口と出口断面積の拡大率が10%乃至30%の範囲内である請求項5に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  10. 上記ブレード8に形成された貫通通路の入口と出口断面積の拡大率が10%乃至30%の範囲内である請求項6に記載のトルクコンバータの固定子のブレード。
  11. 連結部材2を介してクランク軸と同軸的に取り付けられクランク軸と一体的に回転するインペラー3、該インペラーから吐出されたオイルによって回転されると同時に、後端部がトランスミッション軸13に同軸に取り付けられたタービン4、固定された固定子シャフト12にワンウェイクラッチを介して取り付けられ、タービンからインペラーに還流するオイルの流動方向をインペラー3の回転方向に向ける固定子5としてインナーリング6とアウターリング7との間に多数の翼形のブレード8が形成されている上記固定子を含んでいる流体式トルクコンバータにおいて、
    上記固定子のブレード8は、互いに所定の間隔を置いて配置された2つの部分8’、8”からなっており、上記ブレード8には該2つの部分8’、8”、インナーリング6及びアウターリング7によって区画された空間が形成されており、該空間がオイルの流れ方向上流側である腹面部から下流側である背面部に亘って貫通するオイル流動用貫通通路として作用し、上記ブレード8をなしている2つの部分8’、8”が全て翼形状であるトルクコンバータの固定子のブレード。
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