JP2022102104A - ダイクッション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価でダイクッション力を良好に制御することができるダイクッション装置を提供する。【解決手段】ダイクッション装置は、クッションパッド110を支持する第1油圧シリンダ120と、第1油圧シリンダ120を駆動する第1油圧回路140-1とを備える。第1油圧回路140-1は、ダイクッション圧力発生ライン142とシステム圧力ライン144との間に接続されたロジック弁148と、ロジック弁148にパイロット圧力を印加する第1サーボモータ(SM1)により駆動される油圧ポンプ(HP)と、を含む油圧閉回路である。第1制御器は、ダイクッション力に対応する第1圧力指令と第1圧力検出器143により検出される圧力とに基づいて第1サーボモータ(パイロット圧力)を制御し、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を第1圧力指令通りの圧力に制御する。【選択図】 図2

Description

本発明はダイクッション装置に係り、特に安価で機能的なダイクッション装置に関する。
従来、安価で機能的なダイクッション装置として、特許文献1、2に記載のものが提案されている。
特許文献1に記載のダイクッション装置は、クッションパッドを支持する油圧シリンダの下室に、ダイクッション圧力を発生させるための油圧閉回路が接続されている。この油圧閉回路は、油圧シリンダの下室に接続されたダイクッション圧力発生ラインと、ノックアウト作用が可能な低圧のシステム圧力の作動油を蓄圧するアキュムレータが接続されたシステム圧力ラインと、ダイクッション圧力発生ラインとシステム圧力ラインとの間に配置されたダイクッション作用時にメインリリーフ弁として動作可能なパイロット駆動式のロジック弁と、パイロット圧力を発生させるパイロットリリーフ弁と、を備え、予め作動油が加圧封入されている。
特許文献1に記載のダイクッション装置によれば、油圧閉回路内の作動油は、ダイクッション作用とノックアウト作用とを含むクッションパッドの1サイクル期間において、クッションパッドから油圧シリンダを介して加えられるダイクッション力のみにより加圧可能になっており、油圧ポンプ等の油圧駆動源がなく、シンプルで安価な装置とすることができる。
また、特許文献2に記載のダイクッション装置は、比例弁で絞り制御する油圧サーボ式の制御機能と、サーボモータで駆動される油圧ポンプ/モータを使用する電動サーボ式の制御機能とを併設し、比例弁の開度とサーボモータのトルクを制御することにより、クッションパッドを支持する油圧シリンダのダイクッション圧力発生室(下室)のダイクッション圧力が、ダイクッション圧力指令に対応する圧力になるようにしている。
特許文献2に記載のダイクッション装置によれば、ダイクッション圧力の作用時に、油圧シリンダの下室から押し退けられる作動油を、比例弁及び油圧ポンプ/モータを介して低圧源側に放出するため、サーボモータ(+油圧ポンプ/モータ)単独でダイクッション圧力を制御する場合に比べて、サーボモータの小容量化が可能となり、その結果、装置の小型化及び低価格化が可能になる。
特開2016-000407号公報 国際公開第2010/058710号
特許文献1に記載のダイクッション装置は、油圧駆動源がなく、シンプルで安価な装置であるが、パイロットリリーフ弁は、油圧シリンダの下室の作動油の圧力を利用してパイロット圧力を発生させるため、ダイクッション圧力の立ち上がりが遅くなり、所定圧力まで到達するのに時間を要するという問題がある。
また、特許文献1に記載のダイクッション装置は、パイロットリリーフ弁固有の流量特性に従い圧力オーバーライドが発生するため、流量(ダイクッションシリンダの速度)によって圧力変動がある。プレス機械においては特に下死点付近で減速するため、それに応じてダイクッション圧力が降下する。これにより、下死点まで所定圧力を保持できないという問題がある。
一方、特許文献2に記載のダイクッション装置は、プレス成形中の全期間にわたって、油圧シリンダの下室から押し退けられる作動油を、サーボモータによりトルク制御される油圧ポンプ/モータを介して低圧源側に放出し、油圧シリンダの下室から押し退けられる作動油が多い期間(プレス機械のスライド速度が速いプレス成形の初期の期間)、比例弁を開き、油圧ポンプ/モータのみでは賄えない作動油を、比例弁を介して低圧源側に放出するが、サーボモータの制御と比例弁の制御とを、コンパクトな油圧駆動装置内で行うと、互いのノイズにより誤作動する可能性があり、また、サーボモータ及び比例弁の制御が複雑になるという問題がある。
また、特許文献2に記載のダイクッション装置は、比例弁を使用しない電動サーボ式のダイクッション装置に比べてサーボモータの小容量化が可能であるが、少なくとも所要のダイクッション力を発生させるサーボモータ(+油圧ポンプ/モータ)が必要であり、その分、高価な装置となる。
更に、特許文献2に記載のダイクッション装置は、ダイクッション工程(下降側)において高速化あるいはサーボモータの小容量化が可能であるが、ノックアウト工程側(上昇側)においてサーボ弁は動力を持たない故にサーボモータと連結された油圧モータを逆回転させることのみで上昇させるため、油圧モータの能力と数量に応じた上昇速度しか出すことができない。サーボモータの小容量化を進めるほどそれは顕著になる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、安価でダイクッション力を良好に制御することができるダイクッション装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1態様に係るダイクッション装置は、クッションパッドを支持し、プレス機械のスライドの下降時にクッションパッドにダイクッション力を発生させる第1液圧シリンダと、第1液圧シリンダを駆動する第1液圧回路と、ダイクッション力に対応するダイクッション圧力を示す第1圧力指令を出力する第1圧力指令器と、第1液圧シリンダの下室の圧力を検出する第1圧力検出器と、第1圧力指令と第1圧力検出器により検出される圧力とに基づいて第1液圧シリンダに加わる圧力が、第1圧力指令に対応する圧力になるように第1液圧回路を制御する第1制御器と、を備え、第1液圧回路は、第1液圧シリンダの下室に接続されたダイクッション圧力発生ラインと、第1システム圧力の作動液を蓄圧する第1アキュムレータが接続されたシステム圧力ラインと、Aポートがダイクッション圧力発生ラインに接続され、Bポートがシステム圧力ラインに接続されたパイロット駆動式のロジック弁と、ロジック弁のパイロットポートに作用するパイロット圧力を発生する圧力発生器と、を含む液圧閉回路であり、第1制御器は、第1圧力指令と第1圧力検出器により検出される圧力とに基づいてパイロット圧力を制御し、ロジック弁のAポートからBポートに流れる作動液の、Aポート側の圧力である第1液圧シリンダの下室の圧力を、第1圧力指令に対応する圧力に制御することを特徴とする。
本発明の第1態様によれば、ダイクッション圧力の作用時に、第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液を、パイロット駆動式のロジック弁を介して第1システム圧力の低圧源側(第1アキュムレータ側)に放出することで、ダイクッション圧力を発生させるが、ロジック弁のパイロットポートに作用するパイロット圧力であって、圧力発生器が発生するパイロット圧力を、ダイクッション力に対応する第1圧力指令と第1圧力検出器により検出される圧力とに基づいて制御するようにしたため、ダイクッション力を良好に制御することができる。
また、ダイクッション圧力の作用時に第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液が大流量であっても、ロジック弁で賄うことができるため、スライド速度の高速化が可能であり、大きなダイクッション力を発生するダイクッション装置に適用するができる。更に、圧力発生器は、パイロット圧力を発生することができればよいため、安価なもので構成することができ、ダイクッション装置として安価なものとすることができる。
本発明の第2態様に係るダイクッション装置において、第1液圧回路は、ダイクッション圧力発生ラインとシステム圧力ラインとの間の流路を開閉する第1電磁弁を有し、第1制御器は、プレス成形後、又はプレス成形後の一定期間のロッキング後に第1電磁弁を開弁させ、第1アキュムレータに蓄圧された第1システム圧力の作動液を第1液圧シリンダの下室に供給可能にする。
これにより、スライド位置が下死点に到達したときに、第1液圧シリンダの下室(ダイクッション圧力発生ライン)に発生したダイクッション圧力を第1システム圧力に脱圧することができ、また、第1アキュムレータに蓄圧された第1システム圧力の作動液が第1液圧シリンダの下室に供給され、第1液圧シリンダのピストンロッドが上昇することで、製品のノックアウト作用を含むクッションパッドの上昇動作を行うことができる。
本発明の第3態様に係るダイクッション装置において、第1液圧回路は、圧力発生器とダイクッション圧力発生ラインと接続する第1液圧ラインと、第1液圧シリンダの上室とシステム圧力ラインとを接続する第2液圧ラインと、を有し、第1圧力指令器は、プレス成形前に第1液圧シリンダの下室の圧力を予め設定した圧力にプリ加圧させる第2圧力指令を出力し、第1制御器は、プレス成形前に第2圧力指令及び第1圧力検出器により検出される圧力に基づいて圧力発生器を制御し、第1液圧シリンダの下室の圧力を第2圧力指令に対応する圧力にプリ加圧させることが好ましい。
クッションパッドが上限ストッパに当接してダイクッション待機位置に待機している状態で、圧力発生器から第2圧力指令に対応する圧力の作動液を第1液圧シリンダの下室に供給することで、第1液圧シリンダの下室を第2圧力指令に対応する圧力にプリ加圧することができる。プレス成形前に第1液圧シリンダをプリ加圧することで、プレス機械のスライドがクッションパッドに衝突する瞬間から成形上必要なダイクッション圧力で成形を開始することができる。
本発明の第4態様に係るダイクッション装置において、第1液圧ライン、又は圧力発生器とロジック弁のパイロットポートとの間には絞りが配設されることが好ましい。
本発明の第5態様に係るダイクッション装置において、第1液圧回路は、第1システム圧力又はパイロット圧力を、ロジック弁のパイロットポートに選択的に作用させる第2電磁弁を有することが好ましい。スライド位置が下死点に到達したときに、ロジック弁のパイロットポートに印加される圧力を、パイロット圧力から第1システム圧力に切り替えることで、第1液圧シリンダの下室に発生したダイクッション圧力を第1システム圧力に脱圧することができる。
本発明の第6態様に係るダイクッション装置において、圧力発生器は、システム圧力ラインとロジック弁のパイロットポートとの間に配設された液圧ポンプと、液圧ポンプの回転軸に接続された第1サーボモータと、から構成され、第1制御器は、プレス成形時に第1圧力指令と第1圧力検出器により検出される圧力とに基づいて第1サーボモータのトルクを制御し、パイロット圧力を制御することが好ましい。
本発明の第7態様に係るダイクッション装置において、圧力発生器は、システム圧力ラインと第1液圧ラインとの間に配設された第1液圧ポンプ/モータと、第1液圧ポンプ/モータの回転軸に接続された第1サーボモータと、から構成され、第1圧力指令器は、プレス成形前に第2圧力指令を出力し、第1制御器は、プレス成形前に第2圧力指令及び第1圧力検出器により検出される圧力に基づいて第1サーボモータを制御し、第1液圧ポンプ/モータを液圧ポンプとして作用させて第1液圧シリンダの下室に作動液を供給し、第1液圧シリンダの下室の圧力を第2圧力指令に対応する圧力にプリ加圧させ、プレス成形中に第1圧力指令及び第1圧力検出器により検出される圧力に基づいて第1サーボモータを制御し、第1液圧ポンプ/モータを液圧モータとして作用させて第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液の一部を、第1液圧ポンプ/モータを介してシステム圧力ラインに流し、第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液の残りを、ロジック弁を介してシステム圧力ラインに流し、第1液圧シリンダの下室の圧力を第1圧力指令に対応する圧力に制御することが好ましい。
本発明の第7態様によれば、プレス成形中に第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液の一部を、第1液圧ポンプ/モータを介してシステム圧力ラインに流し、第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液の残りを、ロジック弁を介してシステム圧力ラインに流すことで、ロジック弁のみに比べて第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液の流量を多くすること(スライド速度を速くすること)ができ、またロジック弁のみに比べて作動液の発熱量を少なくすることができる。更に、クッションパッドがダイクッション待機位置に位置するときに、第1液圧ポンプ/モータを液圧ポンプとして作用させて第1液圧シリンダの下室に作動液を供給することで、プレス成形前にクッションパッドを加圧(プリ加圧)することができ、インパクトの瞬間から成形上必要な圧力で成形を開始することができる。
本発明の第8態様に係るダイクッション装置において、クッションパッドを支持し、クッションパッドを上下方向に移動させる第2液圧シリンダと、第2液圧シリンダを駆動する第2液圧回路と、クッションパッドの位置を示すダイクッション位置指令を出力するダイクッション位置指令器と、クッションパッドの位置を検出するダイクッション位置検出器と、ダイクッション位置指令器から出力されるダイクッション位置指令とダイクッション位置検出器により検出されるダイクッション位置とに基づいてクッションパッドの位置が、ダイクッション位置指令に対応する位置になるように第2液圧回路を制御する第2制御器と、を備えることが好ましい。
本発明の第8態様によれば、圧力制御される第1液圧シリンダとは独立して位置制御される第2液圧シリンダを設けることで、クッションパッドを位置制御することができ、クッションパッドの上昇速度の制御、ダイクッション待機位置等での途中停止を自在に行うことができる。例えば、クッションパッドをダイクッション待機位置に位置制御することにより、第1液圧シリンダの下室を加圧しても、クッションパッドをダイクッション待機位置に保持することができ、これにより、クッションパッドをダイクッション待機位置に精度よく位置させることができ、同時にダイクッション待機位置での第1液圧シリンダの下室の圧力を所望の圧力にプリ加圧することができ、インパクトの瞬間から成形上必要な圧力で成形を開始することができる。
本発明の第9態様に係るダイクッション装置は、クッションパッドを支持し、プレス機械のスライドの下降時にクッションパッドにダイクッション力を発生させる第1液圧シリンダと、第1液圧シリンダを駆動する第1液圧回路と、クッションパッドを支持し、クッションパッドを上下方向に移動させる第2液圧シリンダと、第2液圧シリンダを駆動する第2液圧回路と、クッションパッドの位置を示すダイクッション位置指令を出力するダイクッション位置指令器と、クッションパッドの位置を検出するダイクッション位置検出器と、ダイクッション位置指令器から出力されるダイクッション位置指令とダイクッション位置検出器により検出されるダイクッション位置とに基づいてクッションパッドの位置が、ダイクッション位置指令に対応する位置になるように第2液圧回路を制御する第2制御器と、を備え、第1液圧回路は、第1液圧シリンダの下室に接続されたダイクッション圧力発生ラインと、第1システム圧力の作動液を蓄圧する第1アキュムレータが接続されたシステム圧力ラインと、Aポートがダイクッション圧力発生ラインに接続され、Bポートがシステム圧力ラインに接続されたパイロット駆動式のロジック弁と、ロジック弁のパイロットポートに作用するパイロット圧力を加えるパイロット圧力印加部と、を含む液圧閉回路である。
本発明の第9態様によれば、圧力制御される第1液圧シリンダと、位置制御される第2液圧シリンダとを設けることで、クッションパッドに付与するダイクッション力の制御とクッションパッドの位置制御とを独立して行うことができ、第1液圧シリンダを駆動する第1液圧回路が、クッションパッドを上昇させる機能がなくても、第2液圧シリンダによりクッションパッドを、ダイクッション位置指令に対応する位置に移動させることができる。
また、第1液圧シリンダを駆動する第1液圧回路は、ダイクッション圧力の作用時に第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液を、パイロット駆動式のロジック弁を介して低圧源側に放出することで、ダイクッション圧力を発生させるため、安価な液圧回路とすることができ、一方、第2液圧シリンダを駆動する第2液圧回路は、主としてプレス成形以外の期間にクッションパッドを移動させることができればよいため、比較的安価なものとすることができ、全体としてダイクッション装置を安価に構成することができる。
本発明の第10態様に係るダイクッション装置において、パイロット圧力印加部は、ダイクッション圧力発生ラインとシステム圧力ラインとの間に配設されたパイロットリリーフ弁である。パイロットリリーフ弁の設定圧力を所望の圧力に設定し、パイロットリリーフ弁により発生される圧力をパイロット圧力としてロジック弁に印加することで、パイロット圧力に応じたダイクッション圧力を発生させることができる。
本発明の第11態様に係るダイクッション装置において、パイロット圧力印加部は、ロジック弁のパイロットポートと第2液圧シリンダの下室とを接続する第3液圧ラインである。例えば、第1液圧シリンダが発生するダイクッション力(主ダイクッション力)を補助する補助ダイクッション力を、第2液圧シリンダから発生させる場合、第2液圧シリンダの下室の圧力を、第3液圧ラインを介してロジック弁のパイロット圧力とすることができる。
本発明の第12態様に係るダイクッション装置において、第3液圧ラインの流路を開閉する第3電磁弁を備えることが好ましい。第3液圧ラインを所望の圧力に加圧した後、第3電磁弁を閉じることで、パイロット圧力を保持することができる。
本発明の第13態様に係るダイクッション装置において、ダイクッション位置指令器は、プレス成形前にクッションパッドをダイクッション待機位置に待機させる第1ダイクッション位置指令を出力し、第2制御器は、プレス成形前に第1ダイクッション位置指令に基づいて第2液圧回路を制御し、クッションパッドをダイクッション待機位置に待機させることが好ましい。
本発明の第13態様によれば、第1ダイクッション位置指令に基づいてクッションパッドをダイクッション待機位置に待機させることができるため、クッションパッドをダイクッション待機位置にて待機させるための上限ストッパが不要であり、かつダイクッション待機位置を任意に設定することができる。また、第1圧力指令器からプレス成形前にプリ加圧させる第2圧力指令を出力し、第1制御器が圧力発生器を制御し、第1液圧シリンダの下室の圧力を第2圧力指令に対応する圧力にプリ加圧する場合、クッションパッドの上昇を阻止する上限ストッパがなくても、クッションパッドをダイクッション待機位置に保持することができるため、プリ加圧することが可能である。
本発明の第14態様に係るダイクッション装置において、ダイクッション待機位置は、プレス成形開始のインパクト位置よりも上方の位置であり、ダイクッション位置指令器は、第1ダイクッション位置指令を出力した後、クッションパッドがダイクッション待機位置からインパクト位置に達するまでの期間、クッションパッドをプリ加速させる第2ダイクッション位置指令を出力し、第2制御器は、第2ダイクッション位置指令に基づいて第2液圧回路を制御し、ダイクッション待機位置からインパクト位置に達するまでの期間にクッションパッドをプリ加速させることが好ましい。これにより、インパクト時にサージ圧(衝撃圧)の発生を抑制することができる。
本発明の第15態様に係るダイクッション装置において、予め設定した第3圧力を示す第3圧力指令を出力する第2圧力指令器と、第2液圧シリンダの下室の圧力を検出する第2圧力検出器と、を備え、第2制御器は、プレス成形中に第3圧力指令と第2圧力検出器により検出される圧力とに基づいて第2液圧回路を制御し、第2液圧シリンダの下室の圧力を第3圧力指令に対応する第3圧力に制御することが好ましい。これによれば、第2液圧シリンダの制御は、プレス成形中には位置制御から圧力制御に切り替えられる。
本発明の第16態様に係るダイクッション装置において、第3圧力指令は、第1液圧シリンダが発生する主ダイクッション力を補助する補助ダイクッション力に対応する圧力指令、又は第2液圧シリンダが発生するダイクッション力をゼロにする圧力指令であることが好ましい。
第3圧力指令が補助ダイクッション力に対応する圧力指令の場合、第2液圧シリンダは、第1液圧シリンダが発生する主ダイクッション力では所望のダイクッション力として不足する場合、その不足分を補う補助ダイクッション力を発生することができ、第3圧力指令がダイクッション力をゼロにする圧力指令の場合、第2液圧シリンダは、第1液圧シリンダが発生する主ダイクッション力を阻害しないように圧力制御される。
本発明の第17態様に係るダイクッション装置において、ダイクッション位置指令器は、プレス成形中にスライドの位置に対応する第3ダイクッション位置指令を出力し、第2制御器は、プレス成形中に第3ダイクッション位置指令に基づいて第2液圧回路を制御し、クッションパッドをスライドの位置に対応するダイクッション位置に移動させることが好ましい。この場合、第2液圧シリンダは、プレス成形中には第1液圧シリンダが発生する主ダイクッション力を阻害しないように位置制御される。
本発明の第18態様に係るダイクッション装置において、ダイクッション位置指令器は、スライドが下死点に達すると、クッションパッドを下死点に対応する位置に保持する第4ダイクッション位置指令を一定時間出力した後、クッションパッドをダイクッション待機位置に移動させる第5ダイクッション位置指令を出力し、第2制御器は、スライドが下死点に達すると、第4ダイクッション位置指令及び第5ダイクッション位置指令に基づいて第2液圧回路を制御し、クッションパッドを下死点に対応する位置に一定時間保持した後、ダイクッション待機位置に移動させることが好ましい。
本発明の第19態様に係るダイクッション装置において、第2液圧回路は、第2液圧シリンダの上室と下室との間に接続された第2液圧ポンプ/モータと、第2液圧ポンプ/モータの回転軸に接続された第2サーボモータと、第2システム圧力の作動液を蓄圧する第2アキュムレータと、第2液圧シリンダの上室と第2アキュムレータとの間の流路に設けられた第1パイロットチェック弁と、第2液圧シリンダの下室と第2アキュムレータとの間の流路に設けられた第2パイロットチェック弁と、を有し、第2制御器は、第2液圧ポンプ/モータから第2液圧シリンダの上室に作動液を供給する場合には、第2サーボモータを第1方向に回転させ、第2液圧ポンプ/モータから第2液圧シリンダの上室に作動液を供給するとともに、第2液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液を、第2パイロットチェック弁を介して第2アキュムレータに蓄圧させ、第2液圧ポンプ/モータから第2液圧シリンダの下室に作動液を供給する場合には、第2サーボモータを第2方向に回転させ、第2液圧ポンプ/モータから第2液圧シリンダの下室に作動液を供給するとともに、第2液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液を、第1パイロットチェック弁を介して第2アキュムレータに蓄圧させることが好ましい。ダイクッション工程で、第1液圧シリンダの下室に発生するダイクッション圧力(主ダイクッション力)は、液圧特性により上下動するが、第2液圧シリンダは、応答性のよい電動サーボ式の圧力制御を行うことができるため、第1液圧シリンダの圧力の上下動を相殺することができる。
本発明によれば、ダイクッション圧力の作用時に、第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液を、パイロット駆動式のロジック弁を介して第1システム圧力の低圧源側に放出することで、ダイクッション圧力を発生させることができ、特にロジック弁のパイロットポートに作用するパイロット圧力を、第1圧力指令と第1液圧シリンダの下室の圧力とに基づいて制御するようにしたため、ダイクッション圧力(ダイクッション力)を良好に制御することができる。また、ダイクッション圧力の作用時に第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液が大流量であっても、ロジック弁で賄うことができるため、スライド速度の高速化が可能であり、大きなダイクッション力を発生するダイクッション装置に適用するができる。更に、圧力発生器は、パイロット圧力を発生することができればよいため、安価なもので構成することができ、ダイクッション装置として安価なものとすることができる。
図1は、第1実施形態のダイクッション装置を備えたプレス機械を示す構成図である。 図2は、図1に示したダイクッション装置の第1油圧シリンダを駆動する第1油圧回路の第1実施形態を示す図である。 図3は、第1油圧回路を制御する第1制御器の第1実施形態を示すブロック図である。 図4は、図1に示したダイクッション装置の第1油圧シリンダを駆動する第1油圧回路の第2実施形態を示す図である。 図5は、第1油圧回路を制御する第1制御器の第2実施形態を示すブロック図である。 図6は、第2実施形態のダイクッション装置を備えたプレス機械を示す構成図である。 図7は、第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第1実施形態を示す図である。 図8は、第2油圧回路を制御する第2制御器の第1実施形態を示すブロック図である。 図9は、ダイクッション装置を第1制御方法にて制御する場合のプレス1サイクルのスライド位置、ダイクッション位置、圧力指令(設定圧力)、及び実圧力を示す波形図である。 図10は、ダイクッション装置を第2制御方法にて制御する場合のプレス1サイクルのスライド位置、ダイクッション位置、圧力指令(設定圧力)、及び実圧力を示す波形図である。 図11は、第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第2実施形態を示す図である。 図12は、第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第3実施形態を示す図である。
以下添付図面に従って本発明に係るダイクッション装置の好ましい実施形態について詳説する。
[ダイクッション装置の第1実施形態]
図1は、第1実施形態のダイクッション装置を備えたプレス機械を示す構成図である。
図1に示すプレス機械10は、コラム12、ベッド14、及びクラウン(フレーム上部強度部材)16によりフレームが構成され、コラム12に設けられたガイド部18によりスライド20が上下方向(鉛直方向)に移動自在に案内されている。
スライド20は、サーボモータからクランク軸22及びコンロッド24を介して駆動力が伝達され、図1上で上下方向に移動させられる。
プレス機械10のベッド14側には、スライド20の位置を検出するスライド位置検出器26が設けられ、クランク軸22には、クランク軸22の角度及び角速度をそれぞれ検出するためのクランク軸エンコーダ28が設けられている。
スライド20には上型30が装着され、ベッド14のボルスタ32上には下型34が装着されている。
上型30と下型34の間には、ブランクホルダ(皺押え板)102が配置され、下側が複数のクッションピン104を介してクッションパッド110で支持され、上側には材料がセットされる(接触する)。
プレス機械10は、スライド20を下降させることにより、上型30と下型34との間で材料をプレス成形する。ダイクッション装置100-1は、プレス成形される材料の周縁を下側から押圧するものである。
第1実施形態のダイクッション装置100-1は、主としてブランクホルダ102と、ブランクホルダ102を複数のクッションピン104を介して支持するクッションパッド110と、クッションパッド110を支持し、クッションパッド110にダイクッション力を発生させる第1油圧シリンダ(第1液圧シリンダ)120と、第1油圧シリンダ120を駆動する第1油圧回路(第1液圧回路)140と、第1油圧回路140を制御する第1制御器160と、から構成されている。
第1油圧シリンダ120は、第1油圧回路140及び第1制御器160による圧力制御によってクッションパッド110にダイクッション力を発生させる油圧シリンダとして機能する。
<第1油圧回路の第1実施形態>
図2は、図1に示したダイクッション装置の第1油圧シリンダを駆動する第1油圧回路の第1実施形態を示す図である。
図2に示す第1油圧シリンダ120のピストンロッド120Cは、クッションパッド110の下面に連結されている。第1油圧シリンダ120のクッション圧発生側加圧室(以下「下室」と称す)120Aは、第1油圧回路140-1のダイクッション圧力発生ライン142に接続され、第1油圧シリンダ120のロッド側圧力室(以下「上室」と称す)120Bは、サイレンサ121を介して大気に開放されている。
図2において、ベッド14の下面には、クッションパッド110が当接可能な上限ストッパ15が配設されている。図2に示すように上限ストッパ15にクッションパッド110が当接し、クッションパッド110の位置が規制されるクッションパッド110の上下方向の位置(ダイクッション位置)は、プレス成形前にクッションパッド110が待機するダイクッション待機位置である。
また、第1油圧シリンダ120が固定される固定部115とクッションパッド110との間には、クッションパッド110のダイクッション位置を検出するダイクッション位置検出器116が設けられている。尚、ダイクッション位置検出器は、第1油圧シリンダ120内に内蔵され、ピストンロッド120Cの伸縮方向の位置を、ダイクッション位置として検出するものでよいし、ベッド14とクッションパッド110との間に設けるようにしてもよい。
第1油圧回路140-1は、クッションパッド110がダイクッション力を発生するように第1油圧シリンダ120を駆動するもので、第1油圧シリンダ120の下室120Aに接続されたダイクッション圧力発生ライン142と、第1システム圧力の作動油(作動液)を蓄圧する第1アキュムレータ146が接続されたシステム圧力ライン144と、Aポートがダイクッション圧力発生ライン142に接続され、Bポートがシステム圧力ライン144に接続されたパイロット駆動式のロジック弁148と、ダイクッション圧力発生ライン142とシステム圧力ライン144との間の流路を開閉する第1電磁弁150と、ロジック弁148のパイロットポートPに作用するパイロット圧力を発生する圧力発生器として機能する第1サーボモータ(SM1)及び油圧ポンプ(液圧ポンプ)(HP)と、を含む液圧閉回路により構成される。
第1油圧回路140-1には、図示しない逆止弁付きのカプラを介して給油装置から作動油が供給され、所定の第1システム圧力の作動油が加圧封入される。
システム圧力ライン144に接続された第1アキュムレータ146には、第1システム圧力の作動油が蓄圧される。第1アキュムレータ146は、所定のガス圧がセットされ、タンクの役割を果たすとともに、低圧源として機能する。尚、低圧の第1システム圧力は、少なくともクッションパッド110を上昇させ、製品のノックアウト作用及びクッションパッド待機位置への移動を可能にする圧力以上にする必要がある。
第1システム圧力の作動油が第1油圧回路140に封入されると、カプラから給油装置が外され、その後、第1油圧回路140-1は、作動油が外部に流出入しない油圧閉回路となる。尚、第1油圧回路140-1には、第1システム圧力が予め設定された下限値よりも低下しない限り、給油装置から第1油圧回路140-1に作動油を注入する必要はない。
また、第1油圧回路140-1には、第1油圧シリンダ120の下室120A(ダイクッション圧力発生ライン142)の圧力を検出する第1圧力検出器143、油圧ポンプ(HP)が発生する作動油の圧力(パイロット圧力)を検出する圧力検出器145、ダイクッション圧力発生ライン142とシステム圧力ライン144との間に配設されたリリーフ弁153、及び第1システム圧力又はパイロット圧力を、ロジック弁148のパイロットポートPに選択的に作用させる第2電磁弁154が設けられている。尚、リリーフ弁153は、第1油圧シリンダ120の下室120Aの異常圧力の発生時(圧力制御が不能で、突発的な異常圧力の発生時)に動作し、油圧機器の破損を防止する手段として設けられている。
第1油圧回路140-1は、ロジック弁148のパイロットポートPに印加されるパイロット圧力の制御により、ダイクッション工程中にパイロット圧力に応じたダイクッション圧力を発生させることができる構成を有している。
<第1制御器の第1実施形態>
図3は、第1油圧回路を制御する第1制御器の第1実施形態を示すブロック図であり、特に図2に示した第1油圧回路140-1を制御する第1実施形態の第1制御器160-1に関して示している。
図3に示すように第1制御器160-1には、第1圧力検出器143から第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を示す圧力信号と、スライド位置検出器26からスライド20の位置を示すスライド位置信号とが加えられている。
第1制御器160-1は、第1圧力指令器162-1を備え、第1圧力指令器162-1には、スライド20の位置に応じたダイクッション圧力指令(第1圧力指令)を出力するために、スライド位置検出器26により検出されたスライド位置信号が加えられる。
第1圧力指令器162-1は、プレス成形中のダイクッション力を制御すべく、ダイクッション力に対応するダイクッション圧力を示す第1圧力指令を出力し、スライド位置信号に基づいて第1圧力指令の出力タイミング等を制御する。
ここで、第1油圧シリンダ120からクッションパッド110に加わるダイクッション力は、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力とシリンダ断面積の積で表すことができるため、ダイクッション力を制御することは、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を制御することを意味する。
第1制御器160-1は、第1圧力指令器162-1から出力される第1圧力指令と第1圧力検出器143により検出される第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を示す圧力信号とに基づいて、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を第1圧力指令どおりに制御すべく、第1サーボモータ(SM1)を駆動するためのトルク指令を演算する。
第1制御器160-1は、第1圧力指令、圧力信号等を用いて演算したトルク指令を、増幅器164を介して第1サーボモータ(SM1)に出力し、第1サーボモータ(SM1)を介して油圧ポンプ(HP)を駆動することで、油圧ポンプ(HP)が発生する作動油の圧力(パイロット圧力)を制御する。
また、第1制御器160-1は、ダイクッション工程で第1油圧シリンダ120を圧力制御する場合には、第1油圧回路140-1の第1電磁弁150及び第2電磁弁154をそれぞれOFF(図2に示す切替位置)にする。OFF状態の第1電磁弁150は閉弁しているため、ダイクッション圧力発生ライン142とシステム圧力ライン144との間の流路を閉じる。また、第2電磁弁154は、4ポート2位置電磁弁であるが、OFF状態の第2電磁弁154は、入力する2つの圧力(パイロット圧力及び第1システム圧力)のうちのパイロット圧力を選択してロジック弁148のパイロットポートPに印加させる。
パイロット圧力がパイロットポートPに印加されるロジック弁148は、ダイクッション圧力発生ライン142を介してパイロット圧力を超える圧力が、ロジック弁148のAポート側に加わらない限り閉じた状態となり、第1油圧シリンダ120の下室120Aの加圧を可能にする。
ここで、プレス機械10のスライド20が下降し、スライド位置がインパクト位置(ダイクッション待機位置)に達すると、クッションパッド110は、その後、スライド20の下降に伴って(スライド20からの押し下げ力により)スライド20とともに下降する。
クッションパッド110の下降とともに、第1油圧シリンダ120のピストンロッド120Cが下降し、第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油が圧縮され、下室120Aの圧力が上昇する。
第1油圧シリンダ120の下室120Aには、ダイクッション力に比例するダイクッション圧力が発生する。ロジック弁148のポペットには、Aポートからのダイクッション圧力発生ライン142に作用するダイクッション圧力と、Bポートからのシステム圧力ライン144に作用する第1システム圧力とによるポペットを開く力と、パイロットポートPからのパイロット圧力と、ロジック弁内部のバネ力とによるポペットを閉じる力と、ダイクッション圧力発生ライン142からシステム圧力ライン144に至る圧油の流れを妨げる(ポペットを閉じる)方向に作用する流体力とが加わる。
ここで、ダイクッション圧力はパイロット圧力よりも若干大きく、かつ、パイロット圧力は第1システム圧力よりも極端に大きい(パイロット圧力とシステム圧力の差は、ダイクッション圧力とパイロット圧力の差よりも大きい)ことが、パイロット圧力によりダイクッション圧力を制御する場合の条件となる。
ダイクッション工程では、これらの力の均衡を保持すべく、ロジック弁148のポペット位置(開度)が調整され、この一連の作用の中で、ダイクッション圧力が発生する。第1制御器160-1は、所望のダイクッション圧力を示す第1圧力指令に基づいて油圧ポンプ(HP)が発生するパイロット圧力を制御することにより、第1圧力指令どおりのダイクッション圧力を発生させる。
スライド位置が下死点に達すると、第1制御器160-1は、ダイクッション圧力の制御状態を終了させるために、第2電磁弁154をONさせる駆動信号を、増幅器168を介して第2電磁弁154に出力する。
これにより、ロジック弁148のパイロットポートPには、第2電磁弁154を介して第1システム圧力が加わり、ロジック弁148のポペットが開く方向に移動し、ダイクッション圧力は脱圧される。第1油圧シリンダ120の下室120Aの脱圧が完了した時点で、ロジック弁148のポペットは閉じる。尚、スライド位置が下死点に達すると、パイロット圧力をロジック弁148のパイロットポートPに印加する必要がないため、第1サーボモータ(SM1)を停止させることが好ましい。
第1油圧シリンダ120の下室120Aの脱圧後、スライド20が下死点から上昇すると、スライド20からの押下力がクッションパッド110に加わらなくなり、第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油(脱圧された作動油)の圧力は開放され、クッションパッド110は僅かに上昇するが、その後は、ダイクッション圧力発生ライン142とシステム圧力ライン144とが、ロジック弁148及び第1電磁弁150により遮断されているため、クッションパッド110は下死点近傍で停止(ロッキング)することが可能となる。
一定期間のロッキング後、第1制御器160-2は、第1電磁弁150をONにする駆動信号を、増幅器166を介して第1電磁弁150に出力する。
第1電磁弁150は、駆動信号が加えられると、ONとなり、図2に示した状態から弁位置が切り替わり開弁する。これにより、ダイクッション圧力発生ライン142とシステム圧力ライン144との間の流路が開放され、第1アキュムレータ146に蓄圧された第1システム圧力の作動油が、システム圧力ライン144、第1電磁弁150及びダイクッション圧力発生ライン142を介して第1油圧シリンダ120の下室120Aに供給可能になる。
第1システム圧力は、クッションパッド110を上昇させ、製品のノックアウト作用及びクッションパッド待機位置への移動を可能にする圧力を有するため、第1油圧シリンダ120の下室120Aに第1システム圧力の作動油が流入することにより、第1油圧シリンダ120のピストンロッド120C(クッションパッド110)を上昇させる。
クッションパッド110は、上限ストッパ15に当接するまで上昇し、ここで停止(待機)する。
第1油圧回路140-1及び第1制御器160-1を有するダイクッション装置によれば、ダイクッション圧力の作用時に、第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油を、パイロット駆動式のロジック弁148を介して第1システム圧力の低圧源側に放出することで、ダイクッション圧力を発生させることができ、特にロジック弁148のパイロットポートPに作用するパイロット圧力を、第1圧力指令と第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力とに基づいて第1サーボモータ(SM1)及び油圧ポンプ(HP)をサーボ制御することより発生させるようにしたため、ダイクッション圧力(ダイクッション力)を良好に制御することができる。
即ち、第1油圧回路140-1及び第1制御器160-1を有するダイクッション装置は、パイロットリリーフ弁によりパイロット圧力を発生させる特許文献1に記載のダイクッション装置と比較してパイロット圧力の制御の応答性がよく、ダイクッション圧力が所定圧力に到達するまでの時間を短縮する(ダイクッション圧力の立ち上がりを速くする)ことができる。
また、比例弁及び油圧ポンプ/モータをそれぞれサーボ制御する特許文献2に記載のハイブリットサーボダイクッション装置は、圧力発生器である油圧ポンプ/モータが直接ダイクッションシリンダの大流量を受けるため外乱が大きかったのに対し、第1油圧回路140-1は、流量のない(少ない)パイロット圧力ラインに圧力発生器として機能する油圧ポンプ(HP)があるため、外乱が少ない。換言すると、特許文献2に記載のハイブリットサーボダイクッション装置が、大流量のダイクッションシリンダの圧力ラインの圧力を制御するのに対して、第1油圧回路140-1の油圧ポンプ(HP)は、ダイクッション流量の影響を受けないパイロット圧力を制御するようにしたため、外乱が少なく、良好に制御することができる。
また、ダイクッション圧力の作用時に第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油が大流量であっても、ロジック弁148で賄うことができるため、スライド速度の高速化が可能であり、大きなダイクッション力を発生するダイクッション装置に適用するができる。更に、パイロット圧力を発生する圧力発生器として機能する油圧ポンプ(HP)及びサーボモータ(SM)は、パイロット圧力を発生することができればよいため、大きな流量を必要としない。したがって、安価なもの(小容量、少数)で構成することができ、ダイクッション装置全体として安価なものとすることができる上に、装置全体の省スペース化も可能になる。
<第1油圧回路の第2実施形態>
図4は、図1に示したダイクッション装置の第1油圧シリンダを駆動する第1油圧回路の第2実施形態を示す図である。尚、図4において、図2に示した第1実施形態の第1油圧回路140-1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4に示す第2実施形態の第1油圧回路140-2は、図2に示した第1油圧回路140-1の油圧ポンプ(HP)の代わりに、第1油圧ポンプ/モータ(第1液圧ポンプ/モータ)(P/M1)が配設され、また、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)とダイクッション圧力発生ライン142とを接続する第1油圧ライン(第1液圧ライン)151、及び第1油圧シリンダ120の上室120Bとシステム圧力ライン144とを接続する第2油圧ライン(第2液圧ライン)147を有している。また、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)と第2電磁弁154との間には、絞りとして機能するオリフィス156が配設されている。
第1油圧回路140-2は、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)から第1油圧ライン151及びダイクッション圧力発生ライン142を介して第1油圧シリンダ120の下室120Aに作動油を供給することが可能であり、また、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)とロジック弁148とを併用し、ダイクッション工程中にダイクッション圧力を発生させることができる構成を有している。
<第1制御器の第2実施形態>
図5は、第1油圧回路を制御する第1制御器の第2実施形態を示すブロック図であり、特に図4に示した第1油圧回路140-2を制御する第1制御器160-2に関して示している。尚、図5において、図3に示した第1制御器160-1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示す第1制御器160-2は、第1圧力指令器162-2を備え、第1圧力指令器162-2には、スライド20の位置に応じたダイクッション圧力指令(第1圧力指令、第2圧力指令)を出力するために、スライド位置検出器26により検出されたスライド位置信号が加えられる。
第1圧力指令器162-2は、ダイクッション圧力を示す第1圧力指令の他に、プレス成形前に第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を予め設定した圧力にプリ加圧させる第2圧力指令を出力する点で、図3に示した第1圧力指令器162-1と相違する。
また、第1制御器160-2は、プレス成形前に第1油圧シリンダ120の下室120Aをプリ加圧するために第1サーボモータ(SM1)を駆動するためのトルク指令を演算し、プレス成形中に第1油圧シリンダ120の下室120Aに所望のダイクッション圧力を発生させるべく、第1サーボモータ(SM1)を駆動するためのトルク指令を演算し、演算したトルク指令に基づいて第1サーボモータ(SM1)を駆動制御する。
第1制御器160-2は、第1油圧シリンダ120の下室120Aに圧力(プリ加圧、ダイクッション圧力)を発生させる場合、第1油圧回路140-2の第1電磁弁150及び第2電磁弁154をそれぞれOFF(図4に示す切替位置)にする。OFF状態の第1電磁弁150は閉弁しているため、ダイクッション圧力発生ライン142とシステム圧力ライン144との間の流路を閉じる。また、第2電磁弁154は、4ポート2位置電磁弁であるが、OFF状態の第2電磁弁154は、入力する2つの圧力(パイロット圧力及び第1システム圧力)のうちのパイロット圧力を選択してロジック弁148のパイロットポートPに印加させる。
ここで、図4に示すようにクッションパッド110がダイクッション待機位置に保持され、スライド位置がインパクト位置(ダイクッション待機位置)に達する前に、第1圧力指令器162-2は、第1油圧シリンダ120の下室120Aを予め設定した圧力にプリ加圧させる第2圧力指令(本例では、プレス成形中のダイクッション力に対応するダイクッション圧力を示す第1圧力指令と同じ大きさの圧力指令)を出力する。
第1制御器160-2は、第1圧力指令器162-2から出力されるプリ加圧用の第1圧力指令と第1圧力検出器143により検出される第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を示す圧力信号とに基づいて、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を第2圧力指令どおりに制御すべく、第1サーボモータ(SM1)を駆動するためのトルク指令を演算する。トルク指令の演算に際し、動的安定性を確保するための角速度フィードバック信号として、第1サーボモータ(SM1)の駆動軸の角速度を使用することが好ましい。
第1制御器160-2は、第2圧力指令、圧力信号等を用いて演算したトルク指令を、増幅器兼PWM制御器165を介して第1サーボモータ(SM1)に出力し、第1サーボモータ(SM1)を介して第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)を油圧ポンプとして駆動し、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)から第1油圧シリンダ120の下室120Aに作動油を供給させる。
クッションパッド110は、上限ストッパ15に当接して上昇しないため、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力は、作動油の供給により第2圧力指令どおりの圧力まで加圧(プリ加圧)される。
続いて、プレス機械10のスライド20が下降し、スライド位置がインパクト位置(ダイクッション待機位置)に達すると、クッションパッド110は、その後、スライド20の下降に伴って(スライド20からの押し下げ力により)スライド20とともに下降する。
クッションパッド110の下降とともに、第1油圧シリンダ120のピストンロッド120Cが下降し、第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油が押し退けられる。第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油の一部は、ダイクッション圧力発生ライン142、第1油圧ライン151、及び第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)を介してシステム圧力ライン144に流れ、また、第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油の残りは、ダイクッション圧力発生ライン142及びロジック弁148を介してシステム圧力ライン144に流れる。
ここで、第1制御器160-2は、ダイクッション圧力を示す第1圧力指令と第1圧力検出器143により検出される第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を示す圧力信号とに基づいて、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を圧力指令どおりに制御すべく、第1サーボモータ(SM1)を駆動するためのトルク指令を演算する。トルク指令の演算に際し、動的安定性を確保するための角速度フィードバック信号として、第1サーボモータ(SM1-1、SM1-2)の駆動軸の角速度を使用することが好ましい。
第1制御器160-2は、圧力指令、圧力信号等を用いて演算したトルク指令を、増幅器兼PWM制御器165を介して第1サーボモータ(SM1)に出力することで第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を制御する。
ところで、第1油圧シリンダ120の下室120Aをプリ加圧する場合の圧力制御時の第1サーボモータ(SM1)のトルク出力方向と、スライド20の下降時にスライド20がクッションパッド110にインパクト(スライド20に装着された上型30が、材料、ブランクホルダ102及びクッションピン104を介して第1油圧シリンダ120により支持されたクッションパッド110に衝突)してから下死点に至るまでの下降時(プレス成形時)の第1サーボモータ(SM1)のトルク出力方向とは逆になる。
即ち、スライド20からクッションパッド110が受ける動力によって第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油が第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)に流入し、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)が油圧モータ(液圧モータ)として作用する。この第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)によって第1サーボモータ(SM1)が従動して発電機として作用する。
換言すると、スライド20からクッションパッド110を介して第1油圧シリンダ120に伝わった力は、第1油圧シリンダ120の下室120Aを圧縮し、ダイクッション圧力を発生させる。同時に、ダイクッション圧力によって第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)を油圧モータとして作用させ、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)に発生する回転軸トルクが、第1サーボモータ(SM1)の駆動トルクに抗じたところで、第1サーボモータ(SM1)を回転させ、ダイクッション圧力を制御する。
ダイクッション圧力の発生中に第1サーボモータ(SM1)によって発電された電力は、増幅器兼PWM制御器165及び電力回生機能付き直流電源装置167を介して交流電源169に回生される。
また、ロジック弁148のパイロットポートPには、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)の流入側の圧力が、オリフィス156及び第2電磁弁154を介してパイロット圧力として加わっているが、第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油のちの、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)では賄えない残りの作動油は、ロジック弁148のダイクッション圧力発生ライン142に接続されたAポートから低圧のシステム圧力ライン144に流れる。
プレス成形後、第1制御器160-2は、図3に示した第1制御器160-1と同様に第1油圧回路140-2を制御することができる。
第1油圧回路140-2及び第1制御器160-2を有するダイクッション装置によれば、図4に示すようにクッションパッド110が上限ストッパ15に当接するダイクッション待機位置に待機している状態時に、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)から第1油圧ライン151及びダイクッション圧力発生ライン142を介して第1油圧シリンダ120の下室120Aに作動油を供給することができ、これにより、第1油圧シリンダ120の下室120Aをプレス成形前に加圧(プリ加圧)することができる。
また、プレス成形中にスライド20とともにクッションパッド110が下降すると、第1油圧シリンダ120の下室120Aから作動油が押し退けられるが、第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油の一部は、ダイクッション圧力発生ライン142、第1油圧ライン151、及び第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)を介してシステム圧力ライン144に流れ、第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油の残りは、ダイクッション圧力発生ライン142及びロジック弁148を介してシステム圧力ライン144に流れる。尚、クッションパッド110の下降に伴って、第1油圧シリンダ120の上室120Bには、システム圧力ライン144から第2油圧ライン147を介してシステム圧力の作動油が供給される。
第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油の一部を、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)を油圧モータ(負荷)として作用させて放出すことで、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)及び第1サーボモータ(SM1)は、クッションパッド110が発生するダイクッション力の一部を担うことができる。また、第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油の残りを、絞りとして機能するロジック弁148を介して放出することで、ロジック弁148は、クッションパッド110が発生するダイクッション力の一部を担うことができる。また、ロジック弁148は、大流量の作動油を流すことができるため、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)を駆動する第1サーボモータ(SM1)の小容量化が可能である。
更に、第1サーボモータ(SM1)を第1油圧シリンダ120の下室120Aへ作動油を送り込む方向へ回転させることにより、ノックアウト工程において上昇速度を自在に速度制御することが可能である。その過程で第1サーボモータ(SM1)のトルクを加えることにより第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を大きくすることができる。結果として第1アキュムレータ146に依存する圧力によるものよりも大きなノックアウト力を発生させることが可能である。
[ダイクッション装置の第2実施形態]
図6は、第2実施形態のダイクッション装置を備えたプレス機械を示す構成図である。尚、図6において、図1に示した第1実施形態のダイクッション装置と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6に示す第2実施形態のダイクッション装置100-2は、第1油圧シリンダ120に加えて、クッションパッド110を支持し、クッションパッド110を上下方向に移動させる第2油圧シリンダ(第2液圧シリンダ)130を備え、また、第2油圧シリンダ130を駆動する第2油圧回路(第2液圧回路)170、及び第2油圧回路170を制御する第2制御器180を備えている点で、図1に示したダイクッション装置100-1と相違する。
図6に示す第2油圧シリンダ130のピストンロッド120Cは、クッションパッド110の下面に連結されている。
本例の第2油圧シリンダ130の上室130Bの断面積は、第1油圧シリンダ120の下室120Aの断面積よりも大きいことが好ましく、第2油圧シリンダ130の下室130Aの断面積は、第2油圧シリンダ130の上室130Bの断面積よりも小さいことが好ましい。
後述するように、第2油圧シリンダ130の上室130Bの断面積を大きくすれば、下方向荷重(=プリ加圧による上方向荷重の反力)を大きくしても、上室130Bの圧力は低い。上室130Bの圧力が低いと、インパクト時の上室130Bの脱圧を速くすることできる。(なぜならば、反力分の圧力からシステム圧力へ低下する時間が無視できるレベルであるため。)その結果、インパクト後即座に第1油圧シリンダ120の下室120Aによる所定のクッション力を発生させることができる。また、第2油圧シリンダ130の下室130Aの断面積を小さくすることで、第2油圧シリンダ130の下室130Aへの作動油の供給量に対する、ピストンロッド130C(クッションパッド110)の上方向への移動速度を速くすることができる。
[第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第1実施形態]
図7は、第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第1実施形態を示す図であり、特に第1油圧回路140-3及び第2油圧回路170に関して示している。
図7に示す第3実施形態の第1油圧回路140-3において、図4に示した第1油圧回路140-2と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7に示す第1油圧回路140-3は、図4に示した第1油圧回路140-2と比較して、第1油圧ポンプ/モータ(P/M1)の代わりに、油圧ポンプ(HP)が配設され、また、絞りとして機能するオリフィス156が、第1油圧ライン151に配設されている点で相違する。
この第1油圧回路140-3は、図2に示した第1油圧回路140-1と同様に、第1サーボモータ(SM1)により油圧ポンプ(HP)を駆動し、ロジック弁148のパイロットポートPに印加するパイロット圧力を制御することにより、ダイクッション工程中にパイロット圧力に応じたダイクッション圧力を発生させることができる構成を有している。
また、第1油圧回路140-3は、例えば、クッションパッド110がダイクッション待機位置に保持され、クッションパッド110が移動しない場合、第1電磁弁150及び第2電磁弁154をそれぞれOFFにし、第1サーボモータ(SM1)により油圧ポンプ(HP)を駆動することにより、オリフィス156が配設された第1油圧ライン151及びダイクッション圧力発生ライン142を介して第1油圧シリンダ120の下室120Aを加圧(プリ加圧)できる構成を有している。尚、第1油圧シリンダ120の下室120Aをプリ加圧する場合、油圧ポンプ(HP)からプリ加圧の圧力に相当するパイロット圧力が、ロジック弁148のパイロットポートPに加わり、ロジック弁148が閉じるため、第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油は、ロジック弁148を介してシステム圧力ライン144に流れることはない。
第1油圧回路140-3を有するダイクッション装置によれば、図2に示した第1油圧回路140-1を有するダイクッション装置と同様に、ダイクッション圧力の作用時に、第1油圧シリンダ120の下室120Aから押し退けられる作動油を、パイロット駆動式のロジック弁148を介して第1システム圧力の低圧源側に放出することで、ダイクッション圧力を発生させることができ、特にロジック弁148のパイロットポートPに作用するパイロット圧力を、第1圧力指令と第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力とに基づいて第1サーボモータ(SM1)及び油圧ポンプ(HP)をサーボ制御することより、ダイクッション圧力(ダイクッション力)を良好に制御することができる。
即ち、第1油圧回路140-3を有するダイクッション装置は、パイロットリリーフ弁によりパイロット圧力を発生させる特許文献1に記載のダイクッション装置と比較してパイロット圧力の制御の応答性がよく、ダイクッション圧力が所定圧力に到達するまでの時間を短縮する(ダイクッション圧力の立ち上がりを速くする)ことができる。
また、比例弁及び油圧ポンプ/モータをそれぞれサーボ制御する特許文献2に記載のハイブリットサーボダイクッション装置は、圧力発生器である油圧ポンプ/モータが直接ダイクッションシリンダの大流量を受けるため外乱が大きかったのに対し、第1油圧回路140-3は、流量のない(少ない)パイロット圧力ラインに圧力発生器として機能する油圧ポンプ(HP)があるため、外乱が少ない。換言すると、特許文献2に記載のハイブリットサーボダイクッション装置が、大流量のダイクッションシリンダの圧力ラインの圧力を制御するのに対して、第1油圧回路140-3の油圧ポンプ(HP)は、ダイクッション圧力発生ライン142とオリフィス156を介して接続されているため、ダイクッション流量の影響を殆ど受けないパイロット圧力を制御することができ、外乱が少なく、良好に制御することができる。
一方、第1油圧回路140-3は、第1油圧シリンダ120を移動させる作動油を第1油圧シリンダ120に流すことができず、クッションパッド110を上下方向に移動させることができない。
<第2油圧回路>
第2油圧回路170は、クッションパッド110を上下方向に移動させ、また、所望の位置に保持するように第2油圧シリンダ130を駆動し、また、第2油圧シリンダ130を圧力制御することができる構成を有している。
第2油圧シリンダ130のピストンロッド130Cは、第1油圧シリンダ120と同様に、クッションパッド110の下面に連結されている。第2油圧シリンダ130の下室130Aは、自重落下防止機能を有する油圧回路112を経由して第2油圧回路170の油圧ライン171に接続され、第2油圧シリンダ130の上室130Bは、油圧回路112を経由して第2油圧回路170の油圧ライン172に接続されている。
油圧ライン171、172は、一方の油圧ラインから第2油圧シリンダ130に作動油を供給する場合には、他方の油圧ラインは、後述するように低圧の第2システム圧力に切り替えられ、他方の油圧ラインから第2油圧シリンダ130に作動油を供給する場合には、一方の油圧ラインは、第2システム圧力に切り替えられる。
自重落下防止機能を有する油圧回路112は、クッションパッド110等を含む重量を支える機能を有するもので、ロジック弁112A、ロジック弁112Aへのパイロット圧力を切り替える電磁弁112B、一対の逆止弁112C、リリーフ弁112D、及び第2圧力検出器114を備えている。
ロジック弁112Aのパイロットポートには、電磁弁112BのON/OFFにより第2油圧シリンダ130の下室130A(又は油圧ライン171)の圧力、又は第2油圧シリンダ130の上室130B(油圧ライン172)の圧力が印加される。
プレス機械10(ダイクッション装置)を運転しない場合に電磁弁112BがOFFにされると(図7の状態の場合)、ロジック弁112AのパイロットポートPには、第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力(油圧ライン171の圧力よりも重量相当分だけ高い圧力)が印加され、ロジック弁112Aが閉じる。その結果、第2油圧シリンダ130の下室130Aの作動油は下室130Aから流出することがなく、第2油圧シリンダ130は、クッションパッド110等の重量を支えることができる。
一方、クッションパッド110を上昇させるために第2油圧シリンダ130の下室130Aに作動油を供給する場合には、電磁弁112BをONにする。尚、クッションパッド110を上昇させる場合、後述するように油圧ライン171には第2システム圧力よりも高い作動油が供給され、油圧ライン172は第2システム圧力に脱圧される。
電磁弁112BをONにすると、ロジック弁112AのパイロットポートPには、第2油圧シリンダ130の上室130B(油圧ライン172)側に第2システム圧力が印加される。第2システム圧力は、第2油圧シリンダ130の下室130Aに作動油を供給する場合の油圧ライン171の圧力よりも低いため、ロジック弁112Aは開く。その結果、油圧ライン171からロジック弁112Aを介して第2油圧シリンダ130の下室130Aに作動油を供給することができ、第2油圧シリンダ130の上室130Bから押し退けられる作動油は、第2システム圧力の油圧ライン172に流れる。
また、クッションパッド110を下降させるために第2油圧シリンダ130の上室130Bに作動油を供給する場合には、電磁弁112BをOFFにする。尚、クッションパッド110を下降させる場合、後述するように油圧ライン172には第2システム圧力よりも高い作動油が供給され、油圧ライン171は第2システム圧力に脱圧される。
電磁弁112BをOFFにすると、ロジック弁112AのパイロットポートPには、第2油圧シリンダ130の下室130A(油圧ライン171)側に第2システム圧力が印加される。第2システム圧力は、第2油圧シリンダ130の上室130Bに作動油を供給する場合の油圧ライン171の圧力よりも低いため、ロジック弁112Aは開く。その結果、油圧ライン172から第2油圧シリンダ130の上室130Bに作動油を供給することができ、第2油圧シリンダ130の下室130Aから押し退けられる作動油は、ロジック弁112Aを介して第2システム圧力の油圧ライン171に流れる。
尚、第2圧力検出器114は、第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力を検出する。また、自重落下防止機能を有する油圧回路112は、第2実施形態のダイクッション装置の必須の構成要件ではない。
第2油圧回路170は、主として油圧ライン171と油圧ライン172との間に接続された第2油圧ポンプ/モータ(第2液圧ポンプ/モータ)(P/M2)と、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の回転軸に接続された第2サーボモータ(SM2)と、第2システム圧力の作動油を蓄圧する第2アキュムレータ173と、第2油圧シリンダ130の下室130Aと第2アキュムレータ173との間の流路に設けられた第1パイロットチェック弁174Aと、第2油圧シリンダ130の上室130Bと第2アキュムレータ173との間の流路に設けられた第2パイロットチェック弁174Bと、第1パイロットチェック弁174A及び第2パイロットチェック弁174Bをそれぞれ開放させるパイロット圧力を印加させるための電磁弁175A、175Bと、油圧ライン171、172の圧力をそれぞれ検出する圧力検出器176、177と、を備えている。
また、油圧ライン171、172との間には、一対の逆止弁178Aが配設され、逆止弁178Aと第2アキュムレータ173との間には、異常圧力の発生を防止するリリーフ弁178Bが配設されている。
第2油圧回路170は、油圧ライン171、172に接続された逆止弁付きのカプラ179A、179Bを通じて、図示しない給油装置から作動油が供給され、所定の第2システム圧力の作動油が封入される。
第1パイロットチェック弁174A及び第2パイロットチェック弁174Bを介してそれぞれ油圧ライン171、172に接続される第2アキュムレータ173には、第2システム圧力の作動油が蓄圧される。第2システム圧力は、0.1MPa~1.0MPaの範囲内の圧力に設定することが好ましい。
第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)は、2つのポートから作動油を吐出することができるもので、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の一方のポートは、油圧ライン171に接続され、他方のポートは油圧ライン172に接続される。
図7に示す電磁弁175A、175Bは、いずれもOFF状態であるが、クッションパッド110を上昇させる場合には、電磁弁175AはONにされ、電磁弁175BはOFFにされ、一方、クッションパッド110を下降させる場合には、電磁弁175AはOFFにされ、電磁弁175BはONにされる。
また、第2サーボモータ(SM2)は、クッションパッド110を上昇させる場合には、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の一方のポートから油圧ライン171、及び油圧回路112を介して第2油圧シリンダ130の下室130Aに圧油が供給されるように第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)を駆動し、クッションパッド110を下降させる場合には、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の他方のポートから油圧ライン172及び油圧回路112を介して第2油圧シリンダ130の上室130Bに圧油が供給されるように第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)を駆動する。
クッションパッド110を上昇させる場合(第2油圧シリンダ130の下室130Aを加圧する場合)には、第2油圧シリンダ130の下室130Aに圧油が供給されるように第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)が駆動されるが、この場合、電磁弁175AがONにされ、第2アキュムレータ173に蓄圧された第2システム圧力が電磁弁175Aを介して第1パイロットチェック弁174Aに印加されるため、第1パイロットチェック弁174Aは閉状態を維持する。
一方、電磁弁175BがOFFにされ、油圧ライン171(第2油圧シリンダ130の下室130A)の圧力が電磁弁175Bを介して第2パイロットチェック弁174Bに印加されるため、第2パイロットチェック弁174Bは開放され、第2油圧シリンダ130の上室130Bの圧力は、第2システム圧力に脱圧される。
これにより、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の一方のポートから吐出される作動油は、油圧ライン171及び油圧回路112を介して第2油圧シリンダ130の下室130Aに供給され、第2油圧シリンダ130のピストンロッド130C(クッションパッド110)の上昇に伴って第2油圧シリンダ130の上室130Bから押し退けられる作動油は、油圧ライン172を介して第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の他方のポートに流入するとともに、第2パイロットチェック弁174Bを介して第2アキュムレータ173に蓄圧される。
また、クッションパッド110を下降させる場合(第2油圧シリンダ130の上室130Bを加圧する場合)には、第2油圧シリンダ130の上室130Bに圧油が供給されるように第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)が駆動されるが、この場合、電磁弁175BがONにされ、第2アキュムレータ173に蓄圧された第2システム圧力が電磁弁175Bを介して第2パイロットチェック弁174Bに印加されるため、第2パイロットチェック弁174Bは閉状態を維持する。
一方、電磁弁175AがOFFにされ、油圧ライン172(第2油圧シリンダ130の上室130B)の圧力が電磁弁175Aを介して第1パイロットチェック弁174Aに印加されるため、第1パイロットチェック弁174Aは開放され、第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力は、第2システム圧力に脱圧される。
これにより、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の他方のポートから吐出される作動油は、油圧ライン172を介して第2油圧シリンダ130の上室130Bに供給され、第2油圧シリンダ130のピストンロッド130C(クッションパッド110)の下降に伴って第2油圧シリンダ130の下室130Aから押し退けられる作動油は、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の一方のポートに吸入される。尚、第2油圧シリンダ130の上室130Bの断面積は、下室130Aの断面積よりも大きいため、クッションパッド110を下降させる場合には、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)に流入する作動油の一部の作動油は、第2アキュムレータ173から供給される。
このように第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)は、第2油圧シリンダ130の下室130Aに作動油を供給することでクッションパッド110を上昇させ、第2油圧シリンダ130の上室130Bに作動油を供給することでクッションパッド110を下降させることができる。
<第2制御器>
次に、第2油圧シリンダ130を駆動する第2油圧回路170を制御する第2制御器180について説明する。
図8は、第2油圧回路を制御する第2制御器の第1実施形態を示すブロック図である。
図8に示すように第1実施形態の第2制御器180には、ダイクッション位置検出器116からクッションパッド110の位置(ダイクッション位置)を示すダイクッション位置信号と、スライド位置検出器26からスライド20の位置を示すスライド位置信号と、第2圧力検出器114から第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力を示す圧力信号と、が加えられている。
本例の第2制御器180は、ダイクッション位置制御部180Aと、ダイクッション圧力制御部180Bとを備えている。
ダイクッション位置制御部180Aは、主としてダイクッション位置制御器181及びダイクッション位置指令器182を有している。ダイクッション位置指令器182には、スライド位置検出器26からスライド位置信号が加えられており、ダイクッション位置指令器182は、入力するスライド位置信号に基づいてプレス成形期間以外の期間におけるクッションパッド110の位置を制御するためのダイクッション位置指令を出力する。
本例では、ダイクッション位置指令器182は、プレス成形前にクッションパッド110をダイクッション待機位置に待機させる第1ダイクッション位置指令と、第1ダイクッション位置指令を出力した後、クッションパッド110がダイクッション待機位置からインパクト位置に達するまでの期間、クッションパッド110を加速(プリ加速)させる第2ダイクッション位置指令、クッションパッド110をスライド20の下死点に対応する位置に保持する第4ダイクッション位置指令、及び第4ダイクッション位置指令を一定時間出力した後、クッションパッド110をダイクッション待機位置に移動させる第5ダイクッション位置指令等を出力する。
ダイクッション位置制御器181は、第2油圧シリンダ130が位置制御状態の場合、ダイクッション位置指令器182から出力されるダイクッション位置指令とダイクッション位置検出器116により検出されるダイクッション位置信号とに基づいて、クッションパッド110の位置をダイクッション位置指令どおりに移動させ、または保持させるべく、第2サーボモータ(SM2)を制御するためのトルク指令を演算する。トルク指令の演算に際し、動的安定性を確保するための角速度フィードバック信号として、第2サーボモータ(SM2)の駆動軸の角速度を使用することが好ましい。
第2制御器180のダイクッション位置制御器181は、第2油圧シリンダ130が位置制御状態の場合、ダイクッション位置指令、ダイクッション位置信号等を用いて演算したトルク指令を、増幅器兼PWM制御器185を介して第2サーボモータ(SM2)に出力することにより第2油圧シリンダ130のピストンロッド130C(クッションパッド110)を上下方向に移動させ、又はクッションパッド110を所望の位置に保持する。
尚、ダイクッション位置制御器181は、第2油圧シリンダ130の下室130Aに作動油を供給するトルク指令を出力する場合には、電磁弁175AをONにする駆動信号を、増幅器188を介して電磁弁175Aに出力し、これにより第2油圧シリンダ130の下室130Aへの作動油の供給及び上室130Bからの作動油の流出を可能にする。また、ダイクッション位置制御器181は、第2油圧シリンダ130の上室130Bに作動油を供給するトルク指令を出力する場合には、電磁弁175BをONにする駆動信号を、増幅器189を介して電磁弁175Bに出力し、これにより第2油圧シリンダ130の上室130Bへの作動油の供給及び下室130Aからの作動油の流出を可能にする。
一方、ダイクッション圧力制御部180Bは、主としてダイクッション圧力制御器183及び第2圧力指令器184を有している。第2圧力指令器184には、スライド位置検出器26からスライド位置信号が加えられており、第2圧力指令器184は、入力するスライド位置信号に基づいてプレス成形期間に第2油圧シリンダ130を圧力制御するためのダイクッション圧力指令(第3圧力指令)を出力する。
本例では、第2圧力指令器184は、プレス成形中に第1油圧シリンダ120が発生するダイクッション力(主ダイクッション力)を補助する補助ダイクッション力に対応する圧力指令を出力し、または第2油圧シリンダ130が発生するダイクッション力をゼロにする圧力指令を出力する。
ダイクッション圧力制御器183は、第2油圧シリンダ130が圧力制御状態の場合、第2圧力指令器184から出力されるダイクッション圧力指令と、第2圧力検出器114から出力される圧力信号とに基づいて、第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力を圧力指令どおりに制御すべく、第2サーボモータ(SM2)を駆動するためのトルク指令を演算する。トルク指令の演算に際し、動的安定性を確保するための角速度フィードバック信号として、第2サーボモータ(SM2)の駆動軸の角速度を使用することが好ましい。
そして、第2制御器180のダイクッション圧力制御器183は、第2油圧シリンダ130が圧力制御状態の場合、圧力指令、圧力信号等を用いて演算したトルク指令を、増幅器兼PWM制御器185を介して第2サーボモータ(SM2)に出力することで第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力を、補助ダイクッション力に対応する圧力に制御し、又は第2油圧シリンダ130が発生するダイクッション力をゼロにする圧力に制御する。
尚、ダイクッション圧力制御器183は、第2油圧シリンダ130の下室130Aに作動油を供給するトルク指令を出力する場合には、電磁弁175AをONにする駆動信号を、増幅器188を介して電磁弁175Aに出力し、これにより第2油圧シリンダ130の下室130Aの加圧を可能にし、かつ上室130Bを第2システム圧力にする。
また、第2油圧シリンダ130が補助ダイクッション力を発生するように制御される場合、第2サーボモータ(SM2)は発電機として作用し、第2サーボモータ(SM2)によって発電された電力は、増幅器兼PWM制御器185及び電力回生機能付き直流電源装置186を介して交流電源187に回生される。
一方、第2油圧シリンダ130が発生するダイクッション力がゼロになるように第2油圧シリンダ130を圧力制御する場合、第2油圧シリンダ130は、第1油圧シリンダ120が発生するダイクッション力を阻害することがない。
ダイクッション位置制御部180Aによる第2油圧シリンダ130の位置制御と、ダイクッション圧力制御部180Bによる第2油圧シリンダ130の圧力制御とは、スライド20の位置やクランク軸エンコーダ28によって検出されるクランク角度に応じて切り替えることができる。
また、第2制御器180は、第2油圧シリンダ130を位置制御のみ行うものでもよい。この場合、第2制御器180において、ダイクッション圧力制御部180Bは不要になる。
また、プレス成形中には、ダイクッション位置制御部180Aのダイクッション位置指令器182は、スライド20の位置に対応するダイクッション位置指令(第3ダイクッション位置指令)を出力し、ダイクッション位置制御器181は、第3ダイクッション位置指令とダイクッション位置信号とに基づいて第2油圧シリンダ130を位置制御することが好ましい。これにより、第1油圧シリンダ120が発生するダイクッション力を阻害しないように第2油圧シリンダ130を位置制御することができる。
尚、本例では、第1油圧シリンダ120、第2油圧シリンダ130を圧力制御する場合、説明の簡単のために第1油圧シリンダ120の上室120Bの圧力(第1システム圧力)、及び第2油圧シリンダ130の上室130Bの圧力(第2システム圧力)を考慮していないが、クッションパッド110が発生するダイクッション力を精度よく制御するためには、第1油圧シリンダ120の上室120Bの圧力等を考慮することが望ましい。
<第2実施形態のダイクッション装置の第1制御方法>
次に、第2実施形態のダイクッション装置の第1制御方法について説明する。
図9は、ダイクッション装置を第1制御方法にて制御する場合のプレス1サイクルのスライド位置、ダイクッション位置、圧力指令(設定圧力)、及び実圧力を示す波形図である。
ダイクッション装置100-2の第1制御方法は、特にプレス成形前に第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を予め設定した圧力にプリ加圧する点に特徴がある。
プレス成形前は、プレス機械10のスライド20からの押下力がクッションパッド110に加わっていないため、図2に示すようにクッションパッド110が上限ストッパ15に当接し、クッションパッド110の上昇が制限されない限り、第1油圧シリンダ120の下室120Aをプリ加圧することができない。
そこで、ダイクッション装置100-2は、プレス成形前にクッションパッド110をプリ加圧する場合には、ダイクッション圧力制御とダイクッション位置制御とを同時に行い、プリ加圧するために第1油圧シリンダ120を圧力制御するとともに、クッションパッド110がダイクッション待機位置から移動しないように第2油圧シリンダ130を位置制御する。
図9に示した1サイクルの波形図において、プリ加圧が開始される時刻tよりも前の状態の場合、図7に示した第1油圧回路140-3を制御する第1制御器160は、第2制御器180により第2油圧シリンダ130が位置制御されている状態で、クッションパッド110等の重量分を第1油圧シリンダ120が補助的に支えるように第1油圧シリンダ120の圧力制御を行うことが好ましい。即ち、第1制御器160は、第1サーボモータ(SM1)を制御し、第1油圧ポンプ(HP)からクッションパッド110等の重量分を支えるための圧力Pを第1油圧シリンダ120の下室120Aに印加する。
尚、プリ加圧が開始される時刻tよりも前の状態の場合、第1制御器160は、第1電磁弁150をONにし、第1油圧シリンダ120の下室120A及び上室120Bを、それぞれシステム圧力ライン144に接続して均等の圧力(第1システム圧力)にしておき、第2油圧シリンダ130によるクッションパッド110の移動時には、第1油圧シリンダ120の下室120Aと上室120Bとは、第1システム圧力の作動油の移動のみとすることができる。
一方、図8に示した第2制御器180は、クッションパッド110をダイクッション待機位置Xに位置させるダイクッション位置指令(第1ダイクッション位置指令)により第2油圧シリンダ130の位置制御を行う。この場合、第2制御器180は、第1ダイクッション位置指令通りに、クッションパッド110をダイクッション待機位置Xに保持させるべく、第2サーボモータ(SM2)を一方の方向(第1方向)又は他方の方向(第2方向)に回転させ、第2サーボモータ(SM2)により駆動される第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)から第2油圧シリンダ130の下室130Aに印加する圧力と上室130Bに印加する圧力を調整する。クッションパッド110がダイクッション待機位置Xに保持されている状態では、第2油圧シリンダ130の下室130Aの断面積×圧力は、上室130Bの断面積×圧力とほぼ一致している。
その後、スライド20が下降し、スライド位置がダイクッション待機位置Xよりも高さHだけ高い位置X(図9の時刻t)に達すると、第1制御器160は、第1油圧シリンダ120の下室120Aを設定圧力Pに加圧するプリ加圧を開始する。
この場合、第1制御器160は、予め設定した圧力Pにプリ加圧させる第2圧力指令等に基づいて第1サーボモータ(SM1)を介して第1油圧ポンプ(HP)を駆動し、第1油圧ポンプ(HP)から第1油圧シリンダ120の下室120Aに圧油を供給することで、第1油圧シリンダ120の下室120Aが設定圧力Pになるように圧力制御する。
第1油圧シリンダ120の下室120Aが加圧されることで、第1油圧シリンダ120は、クッションパッド110を上昇させる力をクッションパッド110に加える。
クッションパッド110がプリ加圧制御により上昇しようとすると、第2制御器180は、クッションパッド110をダイクッション待機位置に保持するように(上昇しないように)第2油圧シリンダ130を位置制御する。
これによりクッションパッド110は、ダイクッション待機位置Xに保持され、第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油は、設定圧力P に加圧(圧縮)される状態となる。この状態では、第1油圧ポンプ(HP)から第1油圧シリンダ120の下室120Aへの作動油の流入はないが、第1制御器160は、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を設定圧力P に保持するために、第1サーボモータ(SM1)を駆動しつづけ、第1油圧ポンプ(HP)の吐出側の圧力が設定圧力Pになるように圧力制御する。
一方、第2制御器180は、クッションパッド110をダイクッション待機位置に保持するように第2油圧シリンダ130を位置制御する結果、第2油圧シリンダ130は、第1油圧シリンダ120からクッションパッド110に加えられる押し上げる力を相殺する力(押し下げる力)をクッションパッド110に加えることになる。
ここで、第1油圧シリンダ120からクッションパッド110に加えられる押し上げる力Fは、次式、
[数1]
=第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力(設定圧力P)×断面積
で表すことができ、第2油圧シリンダ130からクッションパッド110に加えられる押し下げる力Fは、次式、
[数2]
=第2油圧シリンダ130の上室130Bの圧力×断面積
で表すことができる。
したがって、クッションパッド110がダイクッション待機位置に保持され、かつプリ加圧が完了した場合、F=Fとなっている。
尚、[数1]式では、第1油圧シリンダ120の上室120Bの第1システム圧力が考慮されておらず、[数2]式では、第2油圧シリンダ130の下室130Aの第2システム圧力が考慮されていないが、第1システム圧力と第2システム圧力が略同じであり、かつ第1油圧シリンダ120の上室120Bの断面積と第2油圧シリンダ130の下室130Aの断面積とが略同じ場合には、第1システム圧力と第2システム圧力とにより発生する力は略相殺されることになり、クッションパッド110を押し上げる力Fとクッションパッド110を押し下げる力Fは、略等しくなる。
図9に示すようにプリ加圧は、スライド位置がダイクッション待機位置X(時刻t)に達するまでに完了していればよい。
第1制御器160は、スライド位置がダイクッション待機位置Xに達した後(インパクト後)も第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を設定圧力Pに保持するように第1油圧シリンダ120を圧力制御する。本例では、プレス成形前に第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を予め設定した圧力Pにプリ加圧させる第2圧力指令と、プレス成形中のダイクッション力に対応するダイクッション圧力Pを示す第1圧力指令とは同じ圧力指令であるため、第1制御器160は、時刻tから時刻tまでの期間と、プレス成形期間である時刻tから時刻(スライド位置が下死点に到達する時点)tまでの期間は、同じ圧力指令に基づいて第1油圧シリンダ120を圧力制御する。
一方、第2制御器180は、スライド位置がダイクッション待機位置Xに達すると(時刻t)、スライド位置に対応するダイクッション位置指令(第3ダイクッション位置指令)に基づいて第2油圧シリンダ130を位置制御し、これにより、第1油圧シリンダ120が発生するダイクッション力を阻害しないようにすることができる。
また、第2制御器180は、スライド位置がダイクッション待機位置Xに達すると、第2油圧シリンダ130の位置制御の代わりに、第3圧力指令に基づく圧力制御に切り替えることができる。第3圧力指令は、プレス成形中に第1油圧シリンダ120が発生するダイクッション力(主ダイクッション力)を補助する補助ダイクッション力に対応する圧力指令、または第2油圧シリンダ130が発生するダイクッション力をゼロにする圧力指令である。
次に、スライド位置が下死点に達すると、第1制御器160は、下死点の時刻tから製品ノックアウトの開始時刻t までの一定時間(クッションパッド110を下死点に対応する位置に保持するロッキング期間)に第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を脱圧し、第1システム圧力に遷移させる圧力制御を行い、ロッキング後に製品ノックアウトに必要な圧力制御を行う。
一方、第2制御器180は、スライド位置が下死点に達すると、下死点の時刻tから時刻t までの一定時間(ロッキング期間)、第4ダイクッション位置指令に基づいてクッションパッド110を下死点に対応する位置に一定時間保持する位置制御(ロッキング制御)を行い、その後、第5ダイクッション位置指令に基づいてクッションパッド110を上昇させ、再びダイクッション待機位置に移動させる位置制御を行う。
ダイクッション装置の第1制御方法によれば、プレス成形前に第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を設定圧力Pになるようにプリ加圧し、第2油圧シリンダ130からクッションパッド110に加えられる力を、インパクト後即座にゼロにできるようにしたため、インパクトの瞬間から成形上必要なダイクッション力(ダイクッション力に対応する設定圧力P)でプレス成形を開始することができる。
また、プレス成形前にプリ加圧することで、インパクト時のサージ圧を、プリ加圧しない場合に比べて低減することができる。
更に、プレス成形前に第2油圧シリンダ130によりクッションパッド110をダイクッション待機位置に保持しているため、インパクト位置を間違えてもクッションパッド110が突き上げられることがなく、位置制御と圧力制御とが分離しているため、クッションパッド110をダイクッション待機位置に保持する位置制御から圧力制御(又は他の位置制御)への切り替えを、アバウトに(インパクト後に)行っても支障がないという利点がある。
また、ダイクッション待機位置の自由な設定が可能であり、これにより同じ長さのクッションピンで対応できる金型が多くなる。
<ダイクッション装置の第2制御方法>
次に、ダイクッション装置の第2制御方法について説明する。
図10は、ダイクッション装置を第2制御方法にて制御する場合のプレス1サイクルのスライド位置、ダイクッション位置、圧力指令(設定圧力)、及び実圧力を示す波形図である。
ダイクッション装置の第2制御方法は、図9等を使用して説明したダイクッション装置の第1制御方法とし比較して、プレス成形前にクッションパッド110をプリ加速する制御が追加されている点で相違する。尚、ダイクッション装置の第2制御方法において、第1制御方法と共通する部分については、その詳細な説明は省略する。
図10に示すようにダイクッション待機位置X’は、プレス成形開始のインパクト位置Xよりも高さHだけ高い上方の位置である。
スライド20が下降し、スライド位置がダイクッション待機位置X’よりも高さHだけ高い位置X(図10の時刻t)に達すると、第1制御方法と同様に第1制御器160は、第1油圧シリンダ120の下室120Aを設定圧力Pに加圧するプリ加圧を開始し、また、第2制御器180は、クッションパッド110をダイクッション待機位置X’に保持するように第2油圧シリンダ130を位置制御する。
続いて、第2制御器180のダイクッション位置指令器182は、スライド位置がインパクト位置に到達する前(図10の時刻t)に、ダイクッション待機位置X’を示す第1ダイクッション位置指令の出力に代えて、クッションパッド110をプリ加速させる第2ダイクッション位置指令を出力する。
第2制御器180は、第2ダイクッション位置指令に基づいてクッションパッド110がインパクト前に加速(プリ加速)するように第2油圧シリンダ130を位置制御する。
即ち、第2制御器180は、第2サーボモータ(SM2)を制御し、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)から第2油圧シリンダ130の上室130Bに作動油を供給し、第2油圧シリンダ130によりクッションパッド110を下降(下方向にプリ加速)させる。
プリ加速中の第1制御器160は、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力がプリ加圧の設定圧力Pになるように継続して圧力制御する。
その後、スライド位置がプレス成形開始のインパクト位置X(図10の時刻t)に達すると、第2制御器180は、現在のスライド位置に対応するダイクッション位置指令(第3ダイクッション位置指令)に基づいて第2油圧シリンダ130を位置制御する。これにより、第1油圧シリンダ120が発生するダイクッション力を阻害しないようにすることができる。尚、第2制御器180は、インパクト時に第2油圧シリンダ130の制御を位置制御から圧力制御に切り替えてもよい。
一方、第1制御器160は、プリ加速中の圧力制御と同様に第1油圧シリンダ120を継続して圧力制御する。
図10上の時刻tはスライド位置が下死点に達する時刻であり、時刻tはロッキング終了時刻であり、第1制御器160及び第2制御器180は、第1制御方法と同様にこれらの時刻t、時刻tにて異なる圧力指令及び位置指令に切り替えて圧力制御及び位置制御を行う。
尚、クッションパッド110をプリ加速させる第2制御器180による位置制御では、インパクト時にスライド20の速度とクッションパッド110の速度の差を小さくさせることが好ましい。
ダイクッション装置の第2制御方法によれば、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力を設定圧力Pになるようにプリ加圧するとともに、クッションパッド110をプリ加速させるようにしたため、インパクトの瞬間から成形上必要なダイクッション力でプレス成形を開始することができ、また、インパクト時のサージ圧を更に低減することができる。
尚、図7に示した第1油圧回路140-3の代わりに、図2に示した第1油圧回路140-1、又は図4に示した第1油圧回路140-2を適用してもよい。この場合、クッションパッド110は、第2油圧シリンダ130等により位置制御することができるため、上限ストッパ15は不要になる。また、第1油圧回路140-1は、第1油圧シリンダ120の下室120Aに作動油を供給することができないため、クッションパッド110がダイクッション待機位置に位置しているときにクッションパッド110をプリ加圧することができないが、クッションパッド110をプリ加速させる場合、プリ加速開始からインパクトまでの間にプリ加圧することができる。
[第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第2実施形態]
図11は、第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第2実施形態を示す図であり、特に第1油圧回路140-4及び第2油圧回路170に関して示している。尚、図11において、図7に示した油圧回路等の第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11に示す油圧回路等の第2実施形態は、図7に示した第1実施形態と比較して、第1油圧回路140-3の代わりに、第1油圧回路140-4が使用されている点で相違する。
図11に示す第4実施形態の第1油圧回路140-4は、第3実施形態の第1油圧回路140-3と比較して、圧力発生器として機能する第1サーボモータ(SM1)及び油圧ポンプ(HP)の代わりに、パイロットリリーフ弁157が配設されている。
パイロットリリーフ弁157は、第1油圧ライン151に設けられた絞りとして機能するオリフィス156とシステム圧力ライン144との間に配設されており、ロジック弁148のパイロットポートPにパイロット圧力を印加するために設けられている。
プレス成形中にクッションパッド110の下降とともに、第1油圧シリンダ120のピストンロッド120Cが下降し、第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油が圧縮され、下室120Aの圧力が上昇する。
第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力(ダイクッション圧力)により、第1油圧シリンダ120の下室120Aから、ダイクッション圧力発生ライン142、第1油圧ライン151のオリフィス156、及びパイロットリリーフ弁157を介してシステム圧力ライン144に流れる油流(単位時間に流れる圧油の流量)に伴い、オリフィス156、とパイロットリリーフ弁157の間に、ダイクッション圧力より小さいパイロット圧力が発生する。このパイロット圧力が、第2電磁弁154を介してロジック弁148のパイロットポートPに加わり、ダイクッション工程におけるロジック弁148の開度が調整される。
尚、パイロットリリーフ弁157は、第1油圧シリンダ120の下室120Aに所望のダイクッション圧力が発生するようにリリーフ圧力が調整されている。
この第1油圧回路140-4は、油圧ポンプ等の動力源がなく、他の実施形態の第1油圧回路に比べて最もシンプルな構成であり、安価なものとなる。また、第1油圧回路140-4を制御する第1制御器としては、第1電磁弁150及び第2電磁弁154を制御する機能があればよい。
一方、第2油圧シリンダ130を駆動する第2油圧回路170は、図7に示したものと同じものが適用されている。また、第2油圧回路170を制御する第2制御器も、図8に示した第2制御器180と同じものを適用することが可能である。
これにより、第2油圧シリンダ130、第2油圧回路170等を使用して、クッションパッド110の位置制御を行うことができる。第2油圧シリンダ130をプレス速度に応じて下降させることにより、クッションパッド110をプリ加速することができる。また、クッションパッド110は、プリ加速中に第1油圧シリンダ120により自動的にプリ加圧されることになる。
また、第2油圧シリンダ130の制御を、位置制御から圧力制御に切り替えることができ、ダイクッション工程中に第2油圧シリンダ130を圧力制御することで、クッションパッド110にダイクッション力を発生させることができる。
即ち、ダイクッション工程において、第1油圧シリンダ120によるダイクッション力(主ダイクッション力)と第2油圧シリンダ130によるダイクッション力(補助ダイクッション力)とをクッションパッド110に発生させることができる。これにより、トータルのダイクッション力を大きくすることができ、また、補助ダイクッション力は可変可能であるため、トータルのダイクッション力も可変可能にするこができる。更に、ダイクッション工程で、油圧特性による第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力の上下動を、第2油圧シリンダ130の圧力制御により相殺することができ、これによりトータルのダイクッション力として滑らかなものにすることができる。
また、トータルのダイクッション力のうちの主ダイクッション力は、第1油圧シリンダ120により賄うことができるため、補助ダイクッション力を小さくすることが可能であり、第2油圧シリンダ130を駆動する第2油圧回路170内の第2サーボモータ(SM2)、第2油圧ポンプ/モータ(P/M2)の数を最小限(本例では、1基)にすることができ、ダイクッション装置全体として安価なものにすることができる。
[第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第3実施形態]
図12は、第2実施形態のダイクッション装置に適用される油圧回路等の第3実施形態を示す図であり、特に第1油圧回路140-5及び第2油圧回路170に関して示している。尚、図12において、図7に示した油圧回路等の第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12に示す油圧回路等の第2実施形態は、図7に示した第1実施形態と比較して、第1油圧回路140-3の代わりに、第1油圧回路140-5が使用されている点で相違する。
図12に示す第5実施形態の第1油圧回路140-5は、図2に示した第1実施形態の第1油圧回路140-1と比較して、圧力発生器として機能する第1サーボモータ(SM1)及び油圧ポンプ(HP)の代わりに、ロジック弁148のパイロットポートPと第2油圧回路170の油圧ライン171とを接続可能にする第3油圧ライン(第3液圧ライン)152と、第3油圧ライン152の流路を開閉する第3電磁弁158とを備えている。
第3油圧ライン152及び第3電磁弁158は、第2油圧回路170の油圧ライン171の圧力(即ち、油圧ライン171が接続される第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力)を、ロジック弁148を制御するパイロット圧力として作用させるパイロット圧力印加部として機能する。
即ち、第3電磁弁158がOFFされている場合(図12に示す状態の場合)、第1油圧回路140-5と第2油圧回路170とは、油圧回路として切り離された状態になるが、第3電磁弁158がONにされると、第1油圧回路140-5と第2油圧回路170とは、第3油圧ライン152を介して接続され、第2油圧回路170の油圧ライン171の圧力は、第3電磁弁158を有する第3油圧ライン152、及び第2電磁弁154を介してロジック弁148のパイロットポートPに印加可能になる。
次に、第5実施形態の第1油圧回路140-5の作用について説明する。
プレス成形前に第2油圧シリンダ130によりクッションパッド110を位置制御する場合、第1電磁弁150をONにし、第1油圧シリンダ120の下室120A及び上室120Bを、それぞれシステム圧力ライン144に接続して均等の第1システム圧力にする。これにより、第2油圧シリンダ130によるクッションパッド110の移動時には、第1油圧シリンダ120の下室120Aと上室120Bでは、第1システム圧力の作動油が移動する。
プレス成形中のダイクッション工程では、第2油圧シリンダ130の制御を、位置制御から圧力制御に切り替え、また、第1電磁弁150及び第2電磁弁154をそれOFFにし、第3電磁弁158をONにする。これにより、圧力制御された第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力(油圧ライン171の圧力)が、第3油圧ライン152、第3電磁弁158、及び第2電磁弁154を介してロジック弁148のパイロットポートPにパイロット圧力として加わる。
ロジック弁148の開度は、パイロット圧力に応じて調整され、第1油圧シリンダ120の下室120Aの圧力は、パイロット圧力よりもわずかに高い圧力(パイロット圧力+α)のダイクッション圧力になる。
第1油圧シリンダ120及び第2油圧シリンダ130によりクッションパッド110に加えられるトータルのダイクッション力は、第1油圧シリンダ120の下室120Aの断面積×(パイロット圧力(=第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力)+α)による主ダイクッション力と、第2油圧シリンダ130の下室130Aの断面積×第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力による補助ダイクッション力との合計である。したがって、第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力を制御することにより、クッションパッド110が発生するトータルのダイクッション力を、設定ダイクッション力にすることができる。
また,以下の方法により、クッションパッド110がダイクッション待機位置に保持された状態で、クッションパッド110をプリ加圧することが可能である。
例えば、第2油圧シリンダ130の制御が圧力制御に切り替えられ、第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力が、パイロット圧力に相当する圧力になっているときに、第3電磁弁158をOFFにし、油圧ライン171から第3油圧ライン152、第3電磁弁158及び第2電磁弁154を介してロジック弁148のパイロットポートPに加わるパイロット圧力を封入する。
次に、第2油圧シリンダ130を位置制御する場合に、ダイクッション待機位置よりもわずかに高い位置にクッションパッド110を上昇させ、その後、ダイクッション待機位置に下降させる位置制御を行う。
一方、クッションパッド110がダイクッション待機位置よりもわずかに高い位置に移動した後、第1電磁弁150をOFFにし、第1油圧シリンダ120の下室120Aと上室120Bとの間の第1システム圧力の作動油の移動を阻止する。
その後、第2油圧シリンダ130によりクッションパッド110をダイクッション待機位置に移動(下降)させると、このクッションパッド110の下降に伴って第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油が圧縮される。第1油圧シリンダ120の下室120Aの作動油は、ロジック弁148のパイロットポートPに加わる、封入されたパイロット圧力に応じた圧力になるように圧縮される。これにより、第1油圧シリンダ120の下室120Aは、封入されたパイロット圧力に応じた圧力にプリ加圧される。
尚、ダイクッション工程の期間に第3電磁弁158をONにし、第2油圧シリンダ130の下室130Aの圧力をパイロット圧力とするが、ダイクッション工程中も封入したパイロット圧力が低下しない限り、第3電磁弁158を引き続きOFFにし、パイロット圧力の封入を継続してもよい。
この第1油圧回路140-5は、第4実施形態の第1油圧回路140-4と同様に油圧ポンプ等の動力源がなく、シンプルな構成であり、安価なものとなる。
[その他]
本実施形態では、クッションパッド110に対して圧力制御される第1油圧シリンダ120は1つであるが、第1油圧シリンダ120の本数はこれに限定されない。また、第1油圧シリンダ120とは独立して制御される第2油圧シリンダ130の本数も本実施形態に限定されない。
また、第2油圧シリンダ130を駆動する第2油圧回路170は、1つの第2油圧シリンダ130に対して、サーボモータ+油圧ポンプ/モータを1基使用したが、これに限らず、サーボモータ+油圧ポンプ/モータは、任意の数だけ設けることができる。
更に、第2油圧シリンダを駆動する第2油圧回路、及び第2油圧回路を制御する第2制御器は、本実施形態のものに限定されず、少なくとも第2油圧シリンダを位置制御できるものであれば、いかなるものでもよい。
また、第1、第2油圧シリンダ、及び第1、第2油圧回路の作動液として油を使用した場合について説明したが、これに限らず、水やその他の液体を使用してもよい。
更にまた、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
10 プレス機械
11 クッションパッド
12 コラム
14 ベッド
15 上限ストッパ
18 ガイド部
20 スライド
22 クランク軸
24 コンロッド
26 スライド位置検出器
28 クランク軸エンコーダ
30 上型
32 ボルスタ
34 下型
100-1、100-2 ダイクッション装置
102 ブランクホルダ
104 クッションピン
110 クッションパッド
112 油圧回路
112A ロジック弁
112B 電磁弁
112C 逆止弁
112D リリーフ弁
114 第2圧力検出器
115 固定部
116 ダイクッション位置検出器
120 第1油圧シリンダ
120A 下室
120B 上室
120C ピストンロッド
121 サイレンサ
130 第2油圧シリンダ
130A 下室
130B 上室
130C ピストンロッド
140、140-1~140-5 第1油圧回路
142 ダイクッション圧力発生ライン
143 第1圧力検出器
144 システム圧力ライン
145 圧力検出器
146 第1アキュムレータ
147 第2油圧ライン
148 ロジック弁
150 第1電磁弁
151 第1油圧ライン
152 第3油圧ライン
153 リリーフ弁
154 第2電磁弁
156 オリフィス
157 パイロットリリーフ弁
158 第3電磁弁
160 第1制御器
160-1 第1制御器
160-2 第1制御器
162-1 第1圧力指令器
162-2 第1圧力指令器
164、166 増幅器
165 増幅器兼PWM制御器
167 電力回生機能付き直流電源装置
169 交流電源
170 第2油圧回路
171、172 油圧ライン
173 第2アキュムレータ
174A 第1パイロットチェック弁
174B 第2パイロットチェック弁
175A、175B 電磁弁
176、177 圧力検出器
178A 逆止弁
178B リリーフ弁
179A、179B カプラ
180 第2制御器
180A ダイクッション位置制御部
180B ダイクッション圧力制御部
181 ダイクッション位置制御器
182 ダイクッション位置指令器
183 ダイクッション圧力制御器
184 第2圧力指令器
185 増幅器兼PWM制御器
186 電力回生機能付き直流電源装置
187 交流電源
188、189 増幅器
SM1 第1サーボモータ
SM2 第2サーボモータ
P/M1 第1油圧ポンプ/モータ
P/M2 第2油圧ポンプ/モータ

Claims (19)

  1. クッションパッドを支持し、プレス機械のスライドの下降時に前記クッションパッドにダイクッション力を発生させる第1液圧シリンダと、
    前記第1液圧シリンダを駆動する第1液圧回路と、
    前記ダイクッション力に対応するダイクッション圧力を示す第1圧力指令を出力する第1圧力指令器と、
    前記第1液圧シリンダの下室の圧力を検出する第1圧力検出器と、
    前記第1圧力指令と前記第1圧力検出器により検出される圧力とに基づいて前記第1液圧シリンダに加わる圧力が、前記第1圧力指令に対応する圧力になるように前記第1液圧回路を制御する第1制御器と、を備え、
    前記第1液圧回路は、前記第1液圧シリンダの下室に接続されたダイクッション圧力発生ラインと、第1システム圧力の作動液を蓄圧する第1アキュムレータが接続されたシステム圧力ラインと、Aポートが前記ダイクッション圧力発生ラインに接続され、Bポートが前記システム圧力ラインに接続されたパイロット駆動式のロジック弁と、前記ロジック弁のパイロットポートに作用するパイロット圧力を発生する圧力発生器と、を含む液圧閉回路であり、
    前記第1制御器は、前記第1圧力指令と前記第1圧力検出器により検出される圧力とに基づいて前記パイロット圧力を制御し、前記ロジック弁のAポートからBポートに流れる作動液の、前記Aポート側の圧力である前記第1液圧シリンダの下室の圧力を、前記第1圧力指令に対応する圧力に制御する、
    ことを特徴とするダイクッション装置。
  2. 前記第1液圧回路は、前記ダイクッション圧力発生ラインと前記システム圧力ラインとの間の流路を開閉する第1電磁弁を有し、
    前記第1制御器は、プレス成形後、又はプレス成形後の一定期間のロッキング後に前記第1電磁弁を開弁させ、前記第1アキュムレータに蓄圧された前記第1システム圧力の作動液を前記第1液圧シリンダの下室に供給可能にする、
    請求項1に記載のダイクッション装置。
  3. 前記第1液圧回路は、前記圧力発生器と前記ダイクッション圧力発生ラインと接続する第1液圧ラインと、前記第1液圧シリンダの上室と前記システム圧力ラインとを接続する第2液圧ラインと、を有し、
    前記第1圧力指令器は、プレス成形前に前記第1液圧シリンダの下室の圧力を予め設定した圧力にプリ加圧させる第2圧力指令を出力し、
    前記第1制御器は、プレス成形前に前記第2圧力指令及び前記第1圧力検出器により検出される圧力に基づいて前記圧力発生器を制御し、前記第1液圧シリンダの下室の圧力を前記第2圧力指令に対応する圧力にプリ加圧させる、
    請求項1又は2に記載のダイクッション装置。
  4. 前記第1液圧ライン、又は前記圧力発生器と前記ロジック弁のパイロットポートとの間には絞りが配設される、
    請求項3に記載のダイクッション装置。
  5. 前記第1液圧回路は、前記第1システム圧力又は前記パイロット圧力を、前記ロジック弁のパイロットポートに選択的に作用させる第2電磁弁を有する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  6. 前記圧力発生器は、前記システム圧力ラインと前記ロジック弁のパイロットポートとの間に配設された液圧ポンプと、前記液圧ポンプの回転軸に接続された第1サーボモータと、から構成され、
    前記第1制御器は、プレス成形時に前記第1圧力指令と前記第1圧力検出器により検出される圧力とに基づいて前記第1サーボモータのトルクを制御し、前記パイロット圧力を制御する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  7. 前記圧力発生器は、前記システム圧力ラインと前記第1液圧ラインとの間に配設された第1液圧ポンプ/モータと、前記第1液圧ポンプ/モータの回転軸に接続された第1サーボモータと、から構成され、
    前記第1圧力指令器は、プレス成形前に前記第2圧力指令を出力し、
    前記第1制御器は、
    プレス成形前に前記第2圧力指令及び前記第1圧力検出器により検出される圧力に基づいて前記第1サーボモータを制御し、前記第1液圧ポンプ/モータを液圧ポンプとして作用させて前記第1液圧シリンダの下室に作動液を供給し、前記第1液圧シリンダの下室の圧力を前記第2圧力指令に対応する圧力にプリ加圧させ、
    プレス成形中に前記第1圧力指令及び前記第1圧力検出器により検出される圧力に基づいて前記第1サーボモータを制御し、前記第1液圧ポンプ/モータを液圧モータとして作用させて前記第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液の一部を、前記第1液圧ポンプ/モータを介して前記システム圧力ラインに流し、前記第1液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液の残りを、前記ロジック弁を介して前記システム圧力ラインに流し、前記第1液圧シリンダの下室の圧力を前記第1圧力指令に対応する圧力に制御する、
    請求項3に記載のダイクッション装置。
  8. 前記クッションパッドを支持し、前記クッションパッドを上下方向に移動させる第2液圧シリンダと、
    前記第2液圧シリンダを駆動する第2液圧回路と、
    前記クッションパッドの位置を示すダイクッション位置指令を出力するダイクッション位置指令器と、
    前記クッションパッドの位置を検出するダイクッション位置検出器と、
    前記ダイクッション位置指令器から出力されるダイクッション位置指令と前記ダイクッション位置検出器により検出されるダイクッション位置とに基づいて前記クッションパッドの位置が、前記ダイクッション位置指令に対応する位置になるように前記第2液圧回路を制御する第2制御器と、
    を備えた請求項1から7のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  9. クッションパッドを支持し、プレス機械のスライドの下降時に前記クッションパッドにダイクッション力を発生させる第1液圧シリンダと、
    前記第1液圧シリンダを駆動する第1液圧回路と、
    前記クッションパッドを支持し、前記クッションパッドを上下方向に移動させる第2液圧シリンダと、
    前記第2液圧シリンダを駆動する第2液圧回路と、
    前記クッションパッドの位置を示すダイクッション位置指令を出力するダイクッション位置指令器と、
    前記クッションパッドの位置を検出するダイクッション位置検出器と、
    前記ダイクッション位置指令器から出力されるダイクッション位置指令と前記ダイクッション位置検出器により検出されるダイクッション位置とに基づいて前記クッションパッドの位置が、前記ダイクッション位置指令に対応する位置になるように前記第2液圧回路を制御する第2制御器と、を備え、
    前記第1液圧回路は、前記第1液圧シリンダの下室に接続されたダイクッション圧力発生ラインと、第1システム圧力の作動液を蓄圧する第1アキュムレータが接続されたシステム圧力ラインと、Aポートが前記ダイクッション圧力発生ラインに接続され、Bポートが前記システム圧力ラインに接続されたパイロット駆動式のロジック弁と、前記ロジック弁のパイロットポートに作用するパイロット圧力を加えるパイロット圧力印加部と、を含む液圧閉回路である、
    ダイクッション装置。
  10. 前記パイロット圧力印加部は、前記ダイクッション圧力発生ラインと前記システム圧力ラインとの間に配設されたパイロットリリーフ弁である、
    請求項9に記載のダイクッション装置。
  11. 前記パイロット圧力印加部は、前記ロジック弁のパイロットポートと前記第2液圧シリンダの下室とを接続する第3液圧ラインである、
    請求項9に記載のダイクッション装置。
  12. 前記第3液圧ラインの流路を開閉する第3電磁弁を備える、
    請求項11に記載のダイクッション装置。
  13. 前記ダイクッション位置指令器は、プレス成形前に前記クッションパッドをダイクッション待機位置に待機させる第1ダイクッション位置指令を出力し、
    前記第2制御器は、プレス成形前に前記第1ダイクッション位置指令に基づいて前記第2液圧回路を制御し、前記クッションパッドを前記ダイクッション待機位置に待機させる、
    請求項8から12のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  14. 前記ダイクッション待機位置は、プレス成形開始のインパクト位置よりも上方の位置であり、
    前記ダイクッション位置指令器は、前記第1ダイクッション位置指令を出力した後、前記クッションパッドが前記ダイクッション待機位置から前記インパクト位置に達するまでの期間、前記クッションパッドをプリ加速させる第2ダイクッション位置指令を出力し、
    前記第2制御器は、前記第2ダイクッション位置指令に基づいて前記第2液圧回路を制御し、前記ダイクッション待機位置から前記インパクト位置に達するまでの期間に前記クッションパッドをプリ加速させる、
    請求項13に記載のダイクッション装置。
  15. 予め設定した第3圧力を示す第3圧力指令を出力する第2圧力指令器と、
    前記第2液圧シリンダの下室の圧力を検出する第2圧力検出器と、を備え、
    前記第2制御器は、プレス成形中に前記第3圧力指令と前記第2圧力検出器により検出される圧力とに基づいて前記第2液圧回路を制御し、前記第2液圧シリンダの下室の圧力を前記第3圧力指令に対応する前記第3圧力に制御する、
    請求項8から14のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  16. 前記第3圧力指令は、前記第1液圧シリンダが発生する主ダイクッション力を補助する補助ダイクッション力に対応する圧力指令、又は前記第2液圧シリンダが発生するダイクッション力をゼロにする圧力指令である、
    請求項15に記載のダイクッション装置。
  17. 前記ダイクッション位置指令器は、プレス成形中に前記スライドの位置に対応する第3ダイクッション位置指令を出力し、
    前記第2制御器は、プレス成形中に前記第3ダイクッション位置指令に基づいて前記第2液圧回路を制御し、前記クッションパッドを前記スライドの位置に対応するダイクッション位置に移動させる、
    請求項8から14のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  18. 前記ダイクッション位置指令器は、前記スライドが下死点に達すると、前記クッションパッドを前記下死点に対応する位置に保持する第4ダイクッション位置指令を一定時間出力した後、前記クッションパッドをダイクッション待機位置に移動させる第5ダイクッション位置指令を出力し、
    前記第2制御器は、前記スライドが前記下死点に達すると、前記第4ダイクッション位置指令及び前記第5ダイクッション位置指令に基づいて前記第2液圧回路を制御し、前記クッションパッドを前記下死点に対応する位置に一定時間保持した後、前記ダイクッション待機位置に移動させる、
    請求項8から17のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
  19. 前記第2液圧回路は、前記第2液圧シリンダの上室と下室との間に接続された第2液圧ポンプ/モータと、前記第2液圧ポンプ/モータの回転軸に接続された第2サーボモータと、第2システム圧力の作動液を蓄圧する第2アキュムレータと、前記第2液圧シリンダの上室と前記第2アキュムレータとの間の流路に設けられた第1パイロットチェック弁と、前記第2液圧シリンダの下室と前記第2アキュムレータとの間の流路に設けられた第2パイロットチェック弁と、を有し、
    前記第2制御器は、
    前記第2液圧ポンプ/モータから前記第2液圧シリンダの上室に作動液を供給する場合には、前記第2サーボモータを第1方向に回転させ、前記第2液圧ポンプ/モータから前記第2液圧シリンダの上室に作動液を供給するとともに、前記第2液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液を、前記第2パイロットチェック弁を介して前記第2アキュムレータに蓄圧させ、前記第2液圧ポンプ/モータから前記第2液圧シリンダの下室に作動液を供給する場合には、前記第2サーボモータを第2方向に回転させ、前記第2液圧ポンプ/モータから前記第2液圧シリンダの下室に作動液を供給するとともに、前記第2液圧シリンダの下室から押し退けられる作動液を、前記第1パイロットチェック弁を介して前記第2アキュムレータに蓄圧させる、
    請求項8から18のいずれか1項に記載のダイクッション装置。
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