JP2022102052A - タッチセンサユニットおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、障害物の接触を検出するタッチセンサユニットおよびその製造方法に関する。
従来、自動車等の車両に搭載される自動開閉装置は、開口部を開閉する開閉体と、開閉体を駆動する電動モータと、電動モータをオンまたはオフする操作スイッチと、を備えている。そして、操作スイッチを操作することで電動モータが駆動され、これにより開閉体が開駆動または閉駆動される。また、自動開閉装置は、操作スイッチの操作以外の条件によっても、開閉体を駆動することができる。
例えば、自動開閉装置は、開口部と開閉体との間に障害物が挟まれたことを検出するためにタッチセンサユニットを用いる。タッチセンサユニットは、開口部または開閉体に固定されて、障害物の接触を検出する。そして、自動開閉装置は、タッチセンサユニットからの検出信号の入力に基づき、操作スイッチの操作に依らず閉駆動されている開閉体を開駆動させたり、閉駆動されている開閉体をその場で停止させたりする。
このような自動開閉装置に用いられるタッチセンサユニットが、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたタッチセンサユニットは、外力の付加により弾性変形される絶縁チューブを備え、絶縁チューブの内部には一対の電極が互いに離間した状態で設けられている。そして、一対の電極の端部には、それぞれ露出部が設けられており、これらの露出部には、抵抗に設けられた一対の接続部(長尺および短尺)が、それぞれかしめ部材により電気的に接続されている。
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術では、複数の銅線(導線)を束ねてなる導電線の露出部(芯線)と、抵抗に設けられた一対の接続部(被接続線)とを、かしめ部材を用いて電気的に接続している。したがって、芯線と被接続線との接続作業性を向上させるためにも、まず、複数の導線を捩り合わせて(撚って)、芯線をばらけないようにしておくのが望ましい。このとき、導線の捩り合わせ具合にばらつきが生じ、例えば、捩り合わせ具合が緩い場合には、接続作業の際に芯線がばらけてしまい、複数の導線のうちの一部が断線する虞があった。複数の導線のうちの一部が断線すると、導電線全体の抵抗値が若干ではあるが変化して、これにより製品毎に仕様がばらつくといった問題を生じ得る。
本発明の目的は、芯線と被接続線との接続作業性を向上させることができ、かつ製品毎に仕様がばらつくことを抑制することができるタッチセンサユニットおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のタッチセンサユニットでは、障害物の接触を検出するタッチセンサユニットであって、外力の付加により弾性変形される管状絶縁体と、前記管状絶縁体の内部に設けられ、前記管状絶縁体の弾性変形により互いに接触される複数の電極と、前記電極の端部に設けられ、先端側が前記管状絶縁体の長手方向一側に向けられ、複数の導線からなる芯線と、先端側が前記管状絶縁体の長手方向他側に向けられ、前記芯線に接続される被接続線と、前記芯線の先端側と前記被接続線の先端側とを、前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向に重ねて挟持するかしめ部材と、を備え、前記芯線の先端側および前記被接続線の先端側を、前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向から見たときに、少なくとも前記芯線の前記被接続線と重なる部分に、前記芯線を形成する複数の導線をばらけないように補強する補強部が設けられ、前記補強部が前記かしめ部材により挟持されていることを特徴とする。
本発明のタッチセンサユニットの製造方法では、障害物の接触を検出するタッチセンサユニットの製造方法であって、外力の付加により弾性変形される管状絶縁体と、前記管状絶縁体の内部に設けられ、前記管状絶縁体の弾性変形により互いに接触される複数の電極と、を有するセンサ本体を、前記センサ本体を保持するセンサホルダに組み付けるセンサ本体組付工程と、前記センサホルダの端部から突出された前記管状絶縁体および前記電極を形成する導電チューブを除去し、前記電極の端部に複数の導線からなる芯線を露出させる芯線露出工程と、前記芯線を前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向から見たときに、前記芯線の少なくとも前記芯線が接続される被接続線と重なる部分に、前記芯線を形成する複数の導線をばらけないように補強する補強部を形成する補強部成形工程と、前記芯線の先端側を前記管状絶縁体の長手方向一側に向け、かつ前記被接続線の先端側を前記管状絶縁体の長手方向他側に向け、前記補強部および前記被接続線を、前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向に重ねた状態でかしめ部材により挟持する接続工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、芯線と被接続線との接続作業性を向上させることができ、かつ製品毎に仕様がばらつくことを抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1はタッチセンサユニットを備えたテールゲートを示す正面図を、図2は図1の車両の後方側を側方から見た側面図を、図3はタッチセンサユニットを単体で示す斜視図を、図4はタッチセンサユニットの先端部を示す斜視図を、図5は図4のA-A線に沿う断面図を、図6はタッチセンサユニットの基端部を示す斜視図を、図7は芯線と配線(被接続線)との接続手順を示すフローチャートを、図8は[センサ本体組付工程]を説明する図を、図9は[芯線露出工程]の前段を説明する図を、図10は[芯線露出工程]の後段を説明する図を、図11は[導線捩り工程]を説明する図を、図12は[補強部成形工程](導電性接着剤塗布)を説明する図を、図13は[接続工程]を説明する図を、図14は[補強部成形工程](コンパクティング処理)を説明する図をそれぞれ示している。
図1および図2に示される車両10は、所謂ハッチバックタイプの車両である。車両10の後方側には、大きな荷物を車室内に出し入れし得る開口部11が形成されている。開口部11は、車両10の天井部の後方側に設けられたヒンジ(図示せず)を中心に回動されるテールゲート12により、図2の実線矢印および破線矢印に示すように開閉される。
また、車両10には、パワーテールゲート装置13が搭載されている。パワーテールゲート装置13は、テールゲート12を開閉させる減速機付きのアクチュエータ13aと、操作スイッチ(図示せず)の操作信号に基づいてアクチュエータ13aを制御するコントローラ13bと、障害物BLの接触を検出する一対のタッチセンサユニット20と、を備えている。
図1に示されるように、タッチセンサユニット20は、テールゲート12の車幅方向両側(図中左右側)にそれぞれ設けられている。具体的には、一対のタッチセンサユニット20は、テールゲート12の車幅方向両側のドア枠の形状に倣って設けられている。これにより、開口部11とテールゲート12との間において、障害物BLがタッチセンサユニット20に接触すると、タッチセンサユニット20は直ぐに弾性変形される。
そして、それぞれのタッチセンサユニット20は、コントローラ13bに電気的に接続されており、それぞれのタッチセンサユニット20の弾性変形時に発生する検出信号は、コントローラ13bに入力される。コントローラ13bは、それぞれのタッチセンサユニット20からの検出信号の入力に基づき、操作スイッチの操作に依らず閉駆動されているテールゲート12を開駆動させるか、または閉駆動されているテールゲート12をその場で停止させる。これにより、障害物BLの挟み込みが未然に防止される。
ここで、タッチセンサユニット20は、図4に示されるように、一対の電極32a,32bを備えており、その先端側(図中右側)には抵抗Rが電気的に接続されている。これにより、タッチセンサユニット20が弾性変形されていない状態では、一対の電極32a,32bは互いに接触されず、コントローラ13bには、抵抗Rの抵抗値が入力される。つまり、コントローラ13bは、抵抗Rの抵抗値が入力されている場合には、障害物BLの挟み込みが無いと判断して、テールゲート12の閉駆動を継続して実行する。
これに対し、タッチセンサユニット20に障害物BLが接触して、タッチセンサユニット20が弾性変形されると、一対の電極32a,32bが互いに接触されて短絡する。すると、コントローラ13bには、抵抗Rを介さない抵抗値(無限大)が入力されるようになる。これにより、コントローラ13bは抵抗値の変化を検出して、これをトリガにテールゲート12を開駆動させるか、またはテールゲート12をその場で停止させる制御を実行する。
図3ないし図6に示されるように、タッチセンサユニット20は、センサ本体30と、センサ本体30を保持するセンサホルダ40と、を備えている。また、図3に示されるように、タッチセンサユニット20の基端側には配線21が設けられ、配線21の先端部分には、コントローラ13bのメス型コネクタ(図示せず)に装着されるオス型コネクタ21aが設けられている。さらに、配線21の長手方向における略中間部分には、テールゲート12に設けられた固定穴(図示せず)に固定されるゴム製のグロメット21bが設けられている。これにより、車室外に配置されるセンサホルダ40側と、車室内に配置されるオス型コネクタ21a側との間がシール(密封)される。
図5および図6に示されるように、センサ本体30は、可撓性を有する絶縁ゴム材等よりなる絶縁チューブ(管状絶縁体)31を備えており、絶縁チューブ31は、外力の付加により弾性変形される。そして、絶縁チューブ31の径方向内側(内部)には、一対の電極32a,32bが互いに非接触の状態で螺旋状に固定されている。
一対の電極32a,32bは、可撓性を有する導電ゴム等よりなる導電チューブ33を備えており、その内部には、黄銅等からなる複数の導線(細線)を束ねてなる導電線34が設けられている。そして、図5に示されるように、絶縁チューブ31の内径寸法は、一対の電極32a,32bの直径寸法の略3倍となっている。すなわち、絶縁チューブ31の軸心を中心に互いに対向するそれぞれの電極32a,32bの間には、電極32a,32bが略1本入る程度の隙間Sが形成されている。
このように、絶縁チューブ31の径方向内側には、一対の電極32a,32bが、絶縁チューブ31の周方向に180度間隔で配置されるとともに、絶縁チューブ31の長手方向に螺旋状に固定され、さらに絶縁チューブ31の軸心を中心に互いに対向するそれぞれの電極32a,32bの間に、電極32a,32bが略1本入る程度の隙間Sが形成されている。これにより、センサ本体30の周方向におけるどの部分に障害物BL(図1参照)が接触したとしても、略同じ条件(押圧力)のもとで絶縁チューブ31が弾性変形され、それぞれの電極32a,32bが互いに接触されて短絡する。
図4ないし図6に示されるように、センサホルダ40は、可撓性を有する絶縁ゴム材等により所定形状に形成され、テールゲート12(図1参照)に固定される土台部41と、センサ本体30を保持するセンサ部42とを備えている。土台部41は、センサホルダ40の長手方向と交差する短手方向に沿う断面形状が、略台形形状に形成され、土台部41の底面41aには、センサホルダ40をテールゲート12に固定するための両面テープや接着剤等(図示せず)が設けられる。
土台部41の底面41a側とは反対側(図5の上側)には、センサホルダ40の短手方向における断面形状が略半円形状に形成されたセンサ部42が一体に設けられている。そして、図5の左右方向におけるセンサ部42の幅寸法は、図5の左右方向における土台部41の幅寸法よりも小さい幅寸法となっている。また、センサ部42の肉厚は、センサホルダ40のその他の部分に比して最も薄肉となっており、容易に弾性変形可能となっている。これにより、センサ部42の内側に保持されたセンサ本体30の十分な検出性能が確保される。
ここで、土台部41とセンサ部42とは、互いに滑らかに連結されるように、一対のテーパ面TPを介して連結されている。これにより、土台部41とセンサ部42との間に、応力が集中し易い鋭角の部分が形成されないので、センサホルダ40の寿命を延ばすことが可能となっている。
このように、センサホルダ40は、センサ本体30の長手方向と交差する方向の断面形状が非円形となっている。これにより、センサ部42を弾性変形し易くしつつ、土台部41の剛性を十分なものとして、両面テープや接着剤等によるテールゲート12への固定強度を確保している。
図4に示されるように、タッチセンサユニット20の先端部TEには、プラスチック等の樹脂材料からなる第1セパレータ50と、電子部品としての抵抗Rと、黄銅板等からなる一対のかしめ部材SWと、が設けられている。これらの第1セパレータ50,抵抗Rおよび一対のかしめ部材SWは、図示のようにセンサホルダ40に対して正規の位置に位置決めされた状態で、第1モールド樹脂60の内部にインサート成形により埋設されている。なお、電気を通す部品の配置関係を分かり易くするために、当該電気を通す部品に淡色の網掛けを施している。
一対の電極32a,32bを形成する導電チューブ33の端部(絶縁チューブ31の端部)からは、それぞれの電極32a,32bに対応した導電線34の一方側が突出されている。これらの導電チューブ33から露出された一方側の導電線34の部分は、それぞれの電極32a,32bに対応した芯線34a,34bとなっている。
これらの露出された芯線34a,34bの先端側は、絶縁チューブ31の長手方向一側(図4では右側)に向けられており、これらの芯線34a,34bの先端側には、かしめ部材SWを介して抵抗Rの長尺接続部C1および短尺接続部C2がそれぞれ電気的に接続されている。このように、導電線34の一方側にある一対の芯線34a,34bは、一対の電極32a,32bの端部にそれぞれ設けられ、これらの芯線34a,34bにおいても、第1モールド樹脂60の内部にインサート成形により埋設されている。
ここで、長尺接続部C1および短尺接続部C2は、それぞれ抵抗Rの両側に設けられ、本発明における被接続線を構成している。抵抗Rの長尺接続部C1および短尺接続部C2は、一対の芯線34a,34bを形成する複数の導線よりも太い単一のリード線により形成されている。そして、第1セパレータ50を中心に、長尺接続部C1を短尺接続部C2に対して180度折り返すことで、長尺接続部C1の先端側および短尺接続部C2の先端側が、絶縁チューブ31の長手方向他側(図4では左側)に向けられている。
そして、長尺接続部C1の先端側および短尺接続部C2の先端側は、一対の芯線34a,34bの先端側に対して、一対のかしめ部材SWによりそれぞれ電気的に接続されている。具体的には、一対の芯線34a,34bの先端側と、長尺接続部C1の先端側および短尺接続部C2の先端側とは、絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向に重ねられた状態で、かしめ部材SWによりそれぞれ挟持されている。このように、一対の電極32a,32bの一方側の端部は、抵抗Rを介して互いに電気的に接続されている。
ここで、第1セパレータ50は、絶縁チューブ31およびセンサホルダ40の一方側の端部に装着されており、さらには一対の芯線34a,34bの間および長尺接続部C1と短尺接続部C2との間に横切るようにして設けられている。これにより、一対の芯線34a,34b同士や、長尺接続部C1および短尺接続部C2が短絡(ショート)することが防止される。
一対の芯線34a,34bは導電線34の一部であって、黄銅等からなる複数の導線を束ねて形成されている。したがって、かしめ部材SWによる長尺接続部C1および短尺接続部C2への接続作業の際には、これらの導線をばらけないようにしておくのが望ましい。仮に、これらの導線がばらけてしまうと、かしめ装置90のダイス91やポンチ93(図13参照)が導線の一部に引っ掛かって断線を招くばかりか、芯線34aの導線の一部と芯線34bの導線の一部とが短絡した状態になる等、作業性を低下させてしまう。
そこで、本実施の形態では、それぞれの芯線34a,34bの先端側の所定箇所に、所定量の導電性接着剤70(濃色の網掛け参照)を覆うようにして設け、これにより導通状態を良好に保ったまま、複数の導線をばらけないように纏めて補強している。ここで、導電性接着剤70は、本発明における補強部を構成しており、当該部分がかしめ部材SWにより挟持されている。これにより、かしめ部材SWによる接続作業を効率良く行うことが可能となっている。
具体的には、それぞれの芯線34a,34bの周囲に塗布する導電性接着剤70には、例えば、エポキシ樹脂と導電性材料とを混合した加熱硬化性を有するものを採用している。そして、それぞれの芯線34a,34bの先端側と、長尺接続部C1の先端側および短尺接続部C2の先端側とを、絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向(図中矢印Bの方向)から見たときに、それぞれの芯線34a,34bの長尺接続部C1および短尺接続部C2と重なる部分に、導電性接着剤70が塗布されている。また、導電性接着剤70は、それぞれの芯線34a,34bを形成する複数の導線をそれぞれ捩り合わせて細径に纏めた状態で、それぞれの芯線34a,34bの周囲に塗布されている。
なお、本実施の形態では、図4に示されるように、それぞれの芯線34a,34bの基端側(導電チューブ33側)の部分を残して、その他の部分に導電性接着剤70を塗布している。しかしながらこれに限らず、それぞれの芯線34a,34bの基端側から先端側の全ての部分に亘って、導電性接着剤70を塗布するようにしても良い。要するに、それぞれの芯線34a,34bを形成する複数の導線が、かしめ装置90のダイス91やポンチ93に引っ掛かったり、互いに短絡したりするほど大きくばらけないようにすれば良い。
図6に示されるように、タッチセンサユニット20の基端部BEには、プラスチック等の樹脂材料からなる第2セパレータ51と、配線21を形成するプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dと、黄銅板等からなる一対のかしめ部材SWと、が設けられている。
ここで、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dは、本発明における被接続線を構成しており、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dの周囲には、ポリ塩化ビニル等からなるシース(被覆)CVが設けられている。また、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dは、黄銅等からなる複数の導線(太線)を束ねて形成されている。具体的には、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dを形成する導線の線径は、一対の芯線34a,34bを形成する導線の線径よりも大きくなっている。
そして、第2セパレータ51と、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dと、一対のかしめ部材SWとは、図示のようにセンサホルダ40に対して正規の位置に位置決めされた状態で、第2モールド樹脂61の内部にインサート成形により埋設されている。なお、図6においても、電気を通す部品の配置関係を分かり易くすべく、当該電気を通す部品に淡色の網掛けを施している。
一対の電極32a,32bを形成する導電チューブ33の端部(絶縁チューブ31の端部)からは、それぞれの電極32a,32bに対応した導電線34の他方側が突出されている。これらの導電チューブ33から露出された他方側の導電線34の部分においても、それぞれの電極32a,32bに対応した芯線34a,34bとなっている。
これらの露出された芯線34a,34bの先端側は、絶縁チューブ31の長手方向一側(図6では左側)に向けられており、これらの芯線34a,34bの先端側には、かしめ部材SWを介してプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dがそれぞれ電気的に接続されている。このように、導電線34の他方側にある一対の芯線34a,34bは、一対の電極32a,32bの端部にそれぞれ設けられ、これらの芯線34a,34bにおいても、第2モールド樹脂61の内部にインサート成形により埋設されている。
ここで、プラス側接続線21cの先端側およびマイナス側接続線21dの先端側は、絶縁チューブ31の長手方向他側(図6では右側)に向けられている。そして、プラス側接続線21cの先端側およびマイナス側接続線21dの先端側は、一対の芯線34a,34bの先端側に対して、一対のかしめ部材SWによりそれぞれ電気的に接続されている。
具体的には、一対の芯線34a,34bの先端側と、プラス側接続線21cの先端側およびマイナス側接続線21dの先端側とは、絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向に重ねられた状態で、かしめ部材SWによりそれぞれ挟持されている。このように、一対の電極32a,32bの他方側の端部は、配線21のプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dのそれぞれに電気的に接続されている。
ここで、第2セパレータ51は、絶縁チューブ31およびセンサホルダ40の他方側の端部に装着されており、さらには一対の芯線34a,34bの間およびプラス側接続線21cとマイナス側接続線21dとの間に横切るようにして設けられている。これにより、一対の芯線34a,34b同士や、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dが短絡することが防止される。
導電線34の他方側の一対の芯線34a,34bにおいても、導電線34の一方側の芯線34a,34b(図4参照)と同様に、黄銅等からなる複数の導線を束ねて形成されている。よって、かしめ部材SWによるプラス側接続線21cとマイナス側接続線21dへの接続作業の際には、これらの導線をばらけないようにしておくのが望ましい。仮に、これらの導線がばらけてしまうと、上述と同様に作業性を低下させてしまう。
そこで、導電線34の他方側の一対の芯線34a,34bにおいても、それぞれの芯線34a,34bの先端側の所定箇所に、所定量の導電性接着剤70(濃色の網掛け参照)を覆うようにして設け、これにより導通状態を良好に保ったまま、複数の導線をばらけないように纏めて補強している。なお、導電線34の他方側の一対の芯線34a,34bにおいても、補強部としての導電性接着剤70が、かしめ部材SWにより挟持されている。これにより、かしめ部材SWによる接続作業を効率良く行うことが可能となっている。
また、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dを形成する複数の導線においては、その線径が芯線34a,34bを形成する導線の線径よりも大きいため、ばらける心配がない。したがって、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dにおいては、導電性接着剤70の塗布を省略している。ただし、必要に応じて、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dの周囲にも導電性接着剤70を塗布しても良い。
そして、導電線34の他方側の一対の芯線34a,34bにおいても、それぞれの芯線34a,34bの先端側と、プラス側接続線21cの先端側およびマイナス側接続線21dの先端側とを、絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向(図中矢印Bの方向)から見たときに、それぞれの芯線34a,34bのプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dと重なる部分に、導電性接着剤70が塗布されている。また、導電性接着剤70は、それぞれの芯線34a,34bを形成する複数の導線をそれぞれ捩り合わせて細径に纏めた状態で、それぞれの芯線34a,34bの周囲に塗布されている。
さらには、導電線34の他方側の一対の芯線34a,34bにおいても、図6に示されるように、それぞれの芯線34a,34bの基端側の部分を残して、その他の部分に導電性接着剤70を塗布しているが、それぞれの芯線34a,34bの基端側から先端側の全ての部分に亘って、導電性接着剤70を塗布しても良い。要するに、それぞれの芯線34a,34bを形成する複数の導線が、かしめ装置90のダイス91やポンチ93に引っ掛かったり、互いに短絡したりするほど大きくばらけないようにすれば良い。
図4および図6に示されるタッチセンサユニット20の先端部TEおよび基端部BEは、それぞれかしめ部材SWを用いて同様に組み立てられる。以下、タッチセンサユニット20の基端部BEのみを示し、その組み立て手順(製造方法)を図面に基づいて説明する。
タッチセンサユニット20の基端部BE(図6参照)において、一対の芯線34a,34bのそれぞれと、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dとは、図7に示される合計5つの工程(ステップS1ないしステップS5)を経ることで、互いに電気的に接続される。
[センサ本体組付工程]
まず、図7のステップS1において、[センサ本体組付工程]を実施する。具体的には、図8に示されるように、ぞれぞれの製造工程を経て製造されたセンサ本体30と、当該センサ本体30を保持するセンサホルダ40とを準備する。
[センサ本体組付工程]
まず、図7のステップS1において、[センサ本体組付工程]を実施する。具体的には、図8に示されるように、ぞれぞれの製造工程を経て製造されたセンサ本体30と、当該センサ本体30を保持するセンサホルダ40とを準備する。
次いで、図中矢印M1に示されるように、センサ本体30の一方側(図中右側)をセンサホルダ40のセンサ部42の内部に挿入していく。このとき、センサ本体30の周囲に微量の潤滑油(図示せず)を塗布する等して、センサ本体30の挿入作業を容易にしつつ、センサ本体30に無理な力が掛からないようにする。
ここで、上述のように潤滑油を塗布することで、タッチセンサユニット20の組み立て後において、センサ本体30に無理な力を掛けることなく、タッチセンサユニット20をテールゲート12(図1参照)のドア枠の形状に容易に沿わせることが可能となる。なお、圧縮エアの正圧や負圧を利用して、センサ本体30のセンサ部42の内部への挿入作業を効率良く行うこともできる。
その後、図9に示されるように、センサホルダ40の端部から、センサ本体30の他方側(図中左側)の端部を、長さ寸法L1の分だけ突出された状態とする。ここで、長さ寸法L1は、センサ本体30の外径の略2倍となっている。これにより、センサ本体30のセンサホルダ40への組み付けが完了して、[センサ本体組付工程]が終了する。
[芯線露出工程]
次に、図7のステップS2において、[芯線露出工程]を実施する。具体的には、図9に示されるように、レーザ照射装置80の下方の所定位置に、センサホルダ40の端部から突出されたセンサ本体30を設置する。そして、図中矢印M2に示されるようにレーザ照射装置80を作動させ、センサホルダ40の端部から突出されたセンサ本体30に向けて、レーザ光線LBを照射する。このとき、センサ本体30の基端側において、センサホルダ40の端部からの距離がL2の所(L2<L1)に、レーザ光線LBを照射するようにする。
次に、図7のステップS2において、[芯線露出工程]を実施する。具体的には、図9に示されるように、レーザ照射装置80の下方の所定位置に、センサホルダ40の端部から突出されたセンサ本体30を設置する。そして、図中矢印M2に示されるようにレーザ照射装置80を作動させ、センサホルダ40の端部から突出されたセンサ本体30に向けて、レーザ光線LBを照射する。このとき、センサ本体30の基端側において、センサホルダ40の端部からの距離がL2の所(L2<L1)に、レーザ光線LBを照射するようにする。
これにより、絶縁チューブ31と一対の導電チューブ33のみが、センサホルダ40の端部からの距離がL2の所(所定箇所)において、溶融されて切断される。ここで、レーザ光線LBの照射時間を短くして作業効率を上げるためにも、絶縁チューブ31および一対の導電チューブ33を、容易に加熱し得る「黒色」の材料で形成するのが望ましい。これにより、一対の芯線34a,34b(複数の導線)が受ける加熱によるダメージを低減することができる。
また、レーザ光線LBを、センサホルダ40の端部からの距離がL2の所に照射しているが、これは、熱源(レーザ光線LB)からセンサホルダ40の端部を遠ざけて溶融変形させないようにするためである。
次に、図10の矢印M3に示されるように、分離された絶縁チューブ31および一対の導電チューブ33を引き抜く。具体的には、分離された絶縁チューブ31および一対の導電チューブ33を、センサホルダ40側とは反対側(図中左側)に引っ張る。これにより、複数の導線からなる一対の芯線34a,34bが露出される。このとき、複数の導線は捩り合わされた(撚った)状態ではなく、先端側が幅広となってばらけ易い状態(纏められていない状態)となっている。
このようにして、分離された絶縁チューブ31および一対の導電チューブ33が除去されて、一対の電極32a,32bの端部に複数の導線からなる芯線34a,34bがそれぞれ露出される。これにより、[芯線露出工程]が終了する。
[導線捩り工程]
次に、図7のステップS3において、[導線捩り工程]を実施する。具体的には、図11に示されるように、一対の芯線34a,34bを形成する複数の導線を、図中矢印M4に示されるように捩り合わせる。このとき、複数の導線のうちの一部を断線させないようにするために、強く捩り過ぎないようにする。具体的には、一対の芯線34a,34bの先端側を、ばらけないように軽く纏める程度に捩れば良い。
次に、図7のステップS3において、[導線捩り工程]を実施する。具体的には、図11に示されるように、一対の芯線34a,34bを形成する複数の導線を、図中矢印M4に示されるように捩り合わせる。このとき、複数の導線のうちの一部を断線させないようにするために、強く捩り過ぎないようにする。具体的には、一対の芯線34a,34bの先端側を、ばらけないように軽く纏める程度に捩れば良い。
これにより、一対の芯線34a,34bを形成する複数の導線が纏められて、図12に示される状態となる。具体的には、それぞれの芯線34a,34bの太さが、その基端側から先端側まで略同じ太さとなる。これにより、[導線捩り工程]が終了する。
[補強部成形工程(導電性接着剤塗布)]
次に、図7のステップS4において、[補強部成形工程(導電性接着剤塗布)]を実施する。具体的には、図12に示されるように、導電性接着剤70を準備する。その後、一対の芯線34a,34bを絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向から見たときに、一対の芯線34a,34bの少なくともプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dと重なる部分(図6参照)に、これらの芯線34a,34bを形成する複数の導線をばらけないように補強すべく導電性接着剤70を塗布する。
次に、図7のステップS4において、[補強部成形工程(導電性接着剤塗布)]を実施する。具体的には、図12に示されるように、導電性接着剤70を準備する。その後、一対の芯線34a,34bを絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向から見たときに、一対の芯線34a,34bの少なくともプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dと重なる部分(図6参照)に、これらの芯線34a,34bを形成する複数の導線をばらけないように補強すべく導電性接着剤70を塗布する。
より具体的には、図12の矢印M5に示されるように、捩り合わされた複数の導線(芯線34a,34b)の周囲を覆うように、それぞれの芯線34a,34bの基端側の部分を若干残して、導電性接着剤70を塗布していく。このとき、導電性接着剤70を、それぞれの芯線34a,34bの全周に塗布するようにする。
これにより、一対の芯線34a,34bを形成する複数の導線がばらけないように補強され、補強部としての導電性接着剤70の塗布が完了する。ここで、導電性接着剤70は加熱硬化性を有しているので、導電性接着剤70を塗布した後に約80℃の環境下で約1時間放置する。これにより、導電性接着剤70が確実に硬化されて、[補強部成形工程(導電性接着剤塗布)]が終了する。
なお、導電性接着剤70の塗布量は、それぞれの芯線34a,34bの表面に薄く膜を張る程度、言い換えれば、複数の導線がばらけない程度とする。導電性接着剤70の塗布量が多いと、それぞれの芯線34a,34bの太さが太くなり、後述するかしめ部材SWによるかしめ作業が難しくなるという問題を生じ得る。
[接続工程]
次に、図7のステップS5において、「接続工程」を実施する。具体的には、図13に示されるかしめ装置90を用いてかしめ部材SWをかしめて、それぞれの芯線34a,34bの導電性接着剤70の部分(補強部)と、プラス側接続線21cの先端側およびマイナス側接続線21dの先端側とを、電気的に接続する作業を実施する。
次に、図7のステップS5において、「接続工程」を実施する。具体的には、図13に示されるかしめ装置90を用いてかしめ部材SWをかしめて、それぞれの芯線34a,34bの導電性接着剤70の部分(補強部)と、プラス側接続線21cの先端側およびマイナス側接続線21dの先端側とを、電気的に接続する作業を実施する。
ここで、かしめ装置90は、基台(図示せず)に固定されたダイス91と、ダイス91に対して上下方向に移動する可動部材92と、当該可動部材92に移動自在に設けられたポンチ93と、を備えている。また、ダイス91には、かしめ後のかしめ部材SWを形作る凹部91aが形成されており、ポンチ93によりかしめ部材SWを凹部91aに向けて押し付けることで、かしめ作業が行われる。
具体的には、一対の芯線34a,34bのうちのいずれか一方(芯線34a)からかしめ作業を行う。まず、芯線34aの導電性接着剤70が塗布された部分と、プラス側接続線21cの先端側の部分とを、ダイス91の凹部91aにセットする。このとき、芯線34aの先端側を絶縁チューブ31の長手方向一側(図6の左側)に向けるようにし、プラス側接続線21cの先端側を絶縁チューブ31の長手方向他側(図6の右側)に向けるようにする。
ここで、プラス側接続線21cを形成する複数の導線は、ばらける心配がない程度に太い線径となっている。そのため、凹部91aへのセットの際に、プラス側接続線21cの先端部分が芯線34aを傷付けることが考えられる。しかしながら、芯線34aの凹部91aにセットされる部分は、導電性接着剤70で覆われているため、芯線34aはダメージを受けることが殆どない。
続いて、図中矢印M6に示されるように、断面が略V字形状に形成されたかしめ部材SWを、芯線34a(導電性接着剤70)およびプラス側接続線21cに被せるようにして、凹部91aにセットする。その後、図中矢印M7に示されるように、可動部材92を下降させてダイス91に突き当てる。そして、ダイス91に可動部材92を突き当てた状態で、図中矢印M8に示されるようにポンチ93を下降させて、比較的大きな押圧力でかしめ部材SWを押圧する。
これにより、かしめ部材SWが凹部91aの内側の形状に倣って塑性変形され、芯線34aの導電性接着剤70の部分と、プラス側接続線21cの先端側の部分とが、かしめ部材SWにより挟持されて電気的に接続される(図13の右側参照)。つまり、芯線34aの導電性接着剤70の部分およびプラス側接続線21cの先端側の部分は、図6に示されるように、絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向に重ねられた状態でかしめ部材SWにより挟持される。
なお、一対の芯線34a,34bのうちのいずれか他方、すなわち、芯線34b(導電性接着剤70)およびマイナス側接続線21dについても、上述と同様の手順でかしめ作業が行われる。
これにより、一対の芯線34a,34bおよびプラス側接続線21c,マイナス側接続線21dが、それぞれかしめ部材SWにより電気的に接続されて、[接続工程]が終了する。
その後、[接続工程]を終えたタッチセンサユニット20の基端側の部分を、図6に示されるように、第2モールド樹脂61で覆うインサート成形を実施(詳細図示せず)して、これにより、タッチセンサユニット20の基端部BEが完成する。
ここで、変形例として、図7のステップS3の[導線捩り工程]およびステップS4の[補強部成形工程(導電性接着剤塗布)]に代えて、破線で示されるステップS6の[補強部成形工程(コンパクティング処理)]を実施することもできる。
具体的には、ステップS6の[補強部成形工程(コンパクティング処理)]では、図14に示されるように、コンパクティング溶接機100を用いて、一対の芯線34a,34bを形成する複数の導線を、ばらけないように纏めて補強する作業を実施する。
コンパクティング溶接機100は、平板状に形成された基台101と、基台101上で左右方向にスライドする一対のクランプ部材102と、基台101に対して上下方向に移動する可動電極103と、を備えている。そして、可動電極103の基台101側(図中下側)には、基台101上にセットされた芯線34a,34bを、所定圧で押圧する押圧突起103aが設けられている。
具体的には、[補強部成形工程(コンパクティング処理)]では、図中矢印M9に示されるように、まず、一対の芯線34a,34bのうちの一方(芯線34a)を、基台101上でかつ一対のクランプ部材102の間にセットする。ここで、芯線34aを捩り合わせておく必要はない。
次いで、図中矢印M10に示されるように、一対のクランプ部材102を互いに近接するように移動させる。これにより、一対のクランプ部材102の間において、芯線34aを形成する導線が纏められて動かないように固定される。
その後、図中矢印M11に示されるように、可動電極103を下降させて、当該可動電極103の押圧突起103aで、芯線34aを所定圧で押圧する。そして、当該状態において可動電極103に所定の大きさの電圧を印加して芯線34a(複数の導線)を加熱して溶融させる。これにより、芯線34aの基端側を少し残した状態で、当該芯線34aの所定箇所が略直方体形状となり、複数の導線が組織的に一体化されて、単一の塊部110が形成される。よって、芯線34aの塊部110は単一となって補強され、ひいてはばらける心配が全く無くなる。これにより、[補強部成形工程(コンパクティング処理)]が終了する。
なお、略直方体形状となった塊部110が、本発明における補強部を構成しており、一対の芯線34a,34bのうちの他方(芯線34b)においても、上述と同様の手順で[補強部成形工程(コンパクティング処理)]が実施される。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、一対の芯線34a,34bの先端側と、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dの先端側とを、絶縁チューブ31の長手方向と交差する方向から見たときに、少なくともそれぞれの芯線34a,34bのプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dと重なる部分に、それぞれの芯線34a,34bを形成する複数の導線をばらけないように補強する導電性接着剤70が設けられ、当該導電性接着剤70をかしめ部材SWにより挟持した。
これにより、それぞれの芯線34a,34bとプラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dとの接続作業性を向上させることができ、かつ製品毎に仕様がばらつくことを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dは複数の導線からなり、プラス側接続線21cおよびマイナス側接続線21dを形成する導線の線径が、一対の芯線34a,34bを形成する導線の線径よりも大きくなっている。
このような導線同士の接続であっても、細い導線を束ねてなる一対の芯線34a,34bを傷付けてばらけないようにすることができる。よって、互いに接続する導線の線径の大きさに関わらず、接続作業性を向上させ、かつ製品毎に仕様がばらつくことを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、[芯線露出工程]において、絶縁チューブ31および導電チューブ33の所定箇所をレーザ光線LBを照射して切断するので、絶縁チューブ31および導電チューブ33を確実に切断しつつ、加熱時間を短時間にでき、ひいてはそれぞれの芯線34a,34bを形成する複数の導線が受ける加熱によるダメージを低減することができる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上述の実施の形態では、絶縁チューブ31の内部に一対の電極32a,32bを螺旋状に固定したものを示したが、本発明はこれに限らず、電極の太さや必要とされる検出性能等に応じて、例えば、4本や6本等の電極を、絶縁チューブ31の延在方向に真っ直ぐに設けることもできる。
また、上述の実施の形態では、タッチセンサユニット20を、車両10のテールゲート12に設けた場合を示したが、本発明はこれに限らず、車両のサンルーフや車両の側方にあるスライドドアに設けることもできる。さらには、車両に設けられる開閉体に限らず、建物の出入り口を開閉する自動ドア等にも設けることができる。
その他、上述の実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上述の実施の形態に限定されない。
10:車両,11:開口部,12:テールゲート,13:パワーテールゲート装置,13a:アクチュエータ,13b:コントローラ,20:タッチセンサユニット,21:配線,21a:オス型コネクタ,21b:グロメット,21c:プラス側接続線(被接続線),21d:マイナス側接続線(被接続線),30:センサ本体,31:絶縁チューブ(管状絶縁体),32a,32b:電極,33:導電チューブ,34:導電線,34a,34b:芯線,40:センサホルダ,41:土台部,41a:底面,42:センサ部,50:第1セパレータ,51:第2セパレータ,60:第1モールド樹脂,61:第2モールド樹脂,70:導電性接着剤(補強部),80:レーザ照射装置,90:かしめ装置,91:ダイス,91a:凹部,92:可動部材,93:ポンチ,100:コンパクティング溶接機,101:基台,102:クランプ部材,103:可動電極,103a:押圧突起,110:塊部(補強部),BE:基端部,BL:障害物,C1:長尺接続部(被接続線),C2:短尺接続部(被接続線),CV:シース,LB:レーザ光線,R:抵抗,S:隙間,SW:かしめ部材,TE:先端部,TP:テーパ面
Claims (8)
- 障害物の接触を検出するタッチセンサユニットであって、
外力の付加により弾性変形される管状絶縁体と、
前記管状絶縁体の内部に設けられ、前記管状絶縁体の弾性変形により互いに接触される複数の電極と、
前記電極の端部に設けられ、先端側が前記管状絶縁体の長手方向一側に向けられ、複数の導線からなる芯線と、
先端側が前記管状絶縁体の長手方向他側に向けられ、前記芯線に接続される被接続線と、
前記芯線の先端側と前記被接続線の先端側とを、前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向に重ねて挟持するかしめ部材と、
を備え、
前記芯線の先端側および前記被接続線の先端側を、前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向から見たときに、少なくとも前記芯線の前記被接続線と重なる部分に、前記芯線を形成する複数の導線をばらけないように補強する補強部が設けられ、前記補強部が前記かしめ部材により挟持されていることを特徴とする、
タッチセンサユニット。 - 請求項1に記載のタッチセンサユニットにおいて、
前記被接続線は複数の導線からなり、前記被接続線を形成する導線の線径が、前記芯線を形成する導線の線径よりも大きいことを特徴とする、
タッチセンサユニット。 - 請求項1または請求項2に記載のタッチセンサユニットにおいて、
前記補強部が、捩り合わされた複数の導線の周囲を覆う導電性接着剤であることを特徴とする、
タッチセンサユニット。 - 請求項1または請求項2に記載のタッチセンサユニットにおいて、
前記補強部が、複数の導線を溶融して一体化された単一の塊部であることを特徴とする、
タッチセンサユニット。 - 障害物の接触を検出するタッチセンサユニットの製造方法であって、
外力の付加により弾性変形される管状絶縁体と、前記管状絶縁体の内部に設けられ、前記管状絶縁体の弾性変形により互いに接触される複数の電極と、を有するセンサ本体を、前記センサ本体を保持するセンサホルダに組み付けるセンサ本体組付工程と、
前記センサホルダの端部から突出された前記管状絶縁体および前記電極を形成する導電チューブを除去し、前記電極の端部に複数の導線からなる芯線を露出させる芯線露出工程と、
前記芯線を前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向から見たときに、前記芯線の少なくとも前記芯線が接続される被接続線と重なる部分に、前記芯線を形成する複数の導線をばらけないように補強する補強部を形成する補強部成形工程と、
前記芯線の先端側を前記管状絶縁体の長手方向一側に向け、かつ前記被接続線の先端側を前記管状絶縁体の長手方向他側に向け、前記補強部および前記被接続線を、前記管状絶縁体の長手方向と交差する方向に重ねた状態でかしめ部材により挟持する接続工程と、
を備えていることを特徴とする、
タッチセンサユニットの製造方法。 - 請求項5に記載のタッチセンサユニットの製造方法において、
前記芯線露出工程では、前記センサホルダの端部から突出された前記管状絶縁体および前記導電チューブの所定箇所をレーザ光線を照射して切断し、分離された前記管状絶縁体および前記導電チューブを引き抜いて前記芯線を露出させることを特徴とする、
タッチセンサユニットの製造方法。 - 請求項5または請求項6に記載のタッチセンサユニットの製造方法において、
前記芯線露出工程と前記補強部成形工程との間に、前記芯線を形成する複数の導線を捩り合わせる導線捩り工程が設けられ、
前記補強部成形工程では、捩り合わされた複数の導線の周囲を覆うように導電性接着剤を塗布して、補強部を形成することを特徴とする、
タッチセンサユニットの製造方法。 - 請求項5または請求項6に記載のタッチセンサユニットの製造方法において、
前記補強部成形工程では、前記芯線を形成する複数の導線を溶融して一体化し、単一の塊部からなる補強部を形成することを特徴とする、
タッチセンサユニットの製造方法。
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