JP2022100615A - シート及びシートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び衝撃吸収性が高いシート、及び該シートの製造方法を提供する。【解決手段】シート10は、ポリウレタンフィルムで構成された表皮層11と、ポリウレタンフォームで構成された発泡層12と、を備えている。ポリウレタンフォームの平均セル径が50μm以上300μm以下である。また、ポリウレタンフィルムで構成された表皮層と、ポリウレタンフォームで構成された設置層と、を備えたシートであり、あるいは、JIS K7204に準じ、摩耗輪H-22、回転速度60rpm、荷重250g、及び回転数1000回の条件で測定した、表皮層側の面のテーバー摩耗量が250mg以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、シート及びシートの製造方法に関する。
特許文献1には、床マット等として利用できる発泡ウレタン成形品が開示されている。
特開2013-255995号公報
従来のポリウレタンフォームを用いたシートは、耐摩耗性及び衝撃吸収性の点で改善が望まれている。
本開示は、耐摩耗性及び衝撃吸収性が高いシート、及び耐摩耗性及び衝撃吸収性が高いシートの製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
ポリウレタンフィルムで構成された表皮層と、
ポリウレタンフォームで構成された発泡層と、を備え、
前記ポリウレタンフォームの平均セル径が50μm以上300μm以下である、シート。
ポリウレタンフィルムで構成された表皮層と、
ポリウレタンフォームで構成された設置層と、を備えたシート。
上記のシートの製造方法であって、
一方向に走行する前記ポリウレタンフィルムの表面にポリウレタンフォーム原料を供給し、前記ポリウレタンフォーム原料を反応及び硬化させて前記ポリウレタンフォームを形成する、シートの製造方法。
本開示によれば、耐摩耗性及び衝撃吸収性が高いシート、及び耐摩耗性及び衝撃吸収性が高いシートの製造方法を提供することができる。
一実施形態に係るシートの断面図である。 シートの断面の観察像を表す写真である。 シートの製造方法を説明するための図である。 離型紙付きポリウレタンフィルムの断面図である。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
上記のシートは、JIS K7204に準じ、摩耗輪H-22、回転速度60rpm、荷重250g、及び回転数1000回の条件で測定した、前記表皮層側の面のテーバー摩耗量が250mg以下であるとよい。
上記のシートは、JIS K7125に準じて測定した、前記発泡層または前記設置層側の面の静摩擦係数が、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下で0.3以上10.0以下であるとよい。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
以下、本開示を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態のシート10は、ポリウレタンフィルムで構成された表皮層11と、ポリウレタンフォームで構成された発泡層12と、を備えている。本実施形態では、発泡層12が設置層に相当する。
1.発泡層12
発泡層12は、ポリウレタンフォームで構成されている。ポリウレタンフォームは、ポリオール類及びポリイソシアネート類を含む混合原料を反応、及びメカニカルフロス法により発泡させて得ることができる。なお、メカニカルフロス法は、混合原料中に特定の発泡剤を添加することなく、混合原料を攪拌・混合する際に、不活性ガス等の圧縮気体を混入することによって気泡を形成させる方法である。
ポリオール類として、少なくとも(A)ポリマーポリオールからなる第1のポリオール、(B)ポリエーテルポリオールからなる第2のポリオール、及び(C)ポリエステルポリオールからなる第3のポリオールの3種のポリオールが組合せて用いられることが好ましい。このようにポリオールを組合せて用いることで、シート10の低圧縮残留歪性及び耐衝撃吸収性を向上できる。また、発泡層12が設置層である構成において、シート10のグリップ性を向上できる。
第1のポリオールは、例えば、数平均分子量1500~4500(好ましくは2000~4000)、官能基数3のポリマーポリオールである。第1のポリオールは、第2のポリオール及び第3のポリオールとの併用によりポリウレタンフォームに引張強度等の強度、用途に応じた硬度及び柔軟性を付与する。第1のポリオールとしては、例えば、ベースポリオールとしての官能基数3のポリエーテルポリオール中でアクリロニトリル及びスチレン等のビニルモノマーをグラフト共重合させてなるポリマーポリオールを好適に用いることができる。上記ベースポリオールとしては、例えば、グリセリン等の3価の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させた重合体よりなるポリエーテルポリオールが挙げられる。なお、上記第1のポリオールの数平均分子量は、ベースポリオールの数平均分子量を意味する。
また、第1のポリオールのポリマーコンテント(ポリマーポリオール全体に対するベースポリオール以外の部分の質量割合)は15質量%~45質量%であることが好ましく、20質量%~40質量%であることがより好ましい。ポリウレタンフォームの強度を向上させるという観点においては、第1のポリオールのポリマーコンテントは大きいほうが好ましいが、同ポリマーコンテントが45質量%を超えると、粘度が高くなりすぎて作業性が低下するおそれがある。なお、第1のポリオールとしては、一種のポリマーポリオールのみが含有されてもよいし、数平均分子量やポリマーコンテント等が異なる二種以上のポリマーポリオールが組み合わされて含有されてもよい。
混合原料中における第1のポリオールの含有量は、ポリオール類全体を100質量部としたとき、好ましくは50質量部~80質量部であり、より好ましくは55質量部~78質量部であり、さらに好ましくは58質量部~70質量部である。この含有量が下限値以上であれば、引張強度等の強度、硬度、及び柔軟性を向上できる。この含有量が上限値以下であれば、引張強度や引裂強度等における強度を確保できる。
第2のポリオールは、例えば、数平均分子量300~900(好ましくは、450~750)、官能基数3のポリエーテルポリオールである。第2のポリオールは、第1のポリオールとの併用によりポリウレタンフォームに引張強度等の強度及び低圧縮残留歪性を付与するとともに、第3のポリオールとの併用によりポリウレタンフォームの引張強度等の強度及び低圧縮残留歪性をさらに向上させる。
第2のポリオールとしては、例えば、グリセリン等の3価の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させた重合体よりなるポリエーテルポリオールを好適に用いることができる。また、第2のポリオールは、アミノ基等の水酸基以外の官能基を有していてもよい。そして、第2のポリオールとして、一種のポリエーテルポリオールのみが含有されていてもよいし、数平均分子量や官能基等の異なる二種以上のポリエーテルポリオールが組み合わされて含有されてもよい。
混合原料中における第2のポリオールの含有量は、ポリオール類全体を100質量部としたとき、好ましくは5質量部~16質量部である。この含有量が5質量部以上であれば、低圧縮残留歪性を十分に得ることができる。また上記の含有量が、16質量部を超えると低反発性が発現する。高反発性のポリウレタンフォームを得るという観点においては、上記含有量を16質量部以下にすることが好ましい。また、第2のポリオールの上記含有量を7質量部~10質量部とした場合には、ポリウレタンフォームに高反発性を付与することができる。
第2のポリオールの含有量と第3のポリオールの含有量は、加水分解性及び硬度のバランスを考慮して適宜調整される。第2のポリオールの含有量は、特に限定されないが、第3のポリオールの含有量よりも多くてもよい。
第3のポリオールは、例えば、官能基数2又は3のポリエステルポリオールである。第3のポリオールは、第1のポリオールとの併用によりポリウレタンフォームに耐熱性及び耐薬品性を付与するとともに、第2のポリオールとの併用によりポリウレタンフォームの引張強度及び低圧縮残留歪性を向上させる。また、第3のポリオールは、ポリウレタンフォームのセルを微細化、及び均一化する作用も有している。
第3のポリオールの分子量(数平均分子量)は、400~2500の範囲であることが好ましく、450~1500の範囲であることがより好ましい。第3のポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール、アジペート系ポリエステルポリオール等を用いることができる。ポリカプロラクトン系ポリエステルポリオールとしては、例えば、ε-カプロラクトン等のラクトン類を開環付加重合させて得たポリエステルポリオールが挙げられる。アジペート系ポリエステルポリオールとしては、例えば、多官能カルボン酸と多官能ヒドロキシ化合物との重縮合によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。これらのポリエステルポリオールの中でも、加水分解を生じ難くする観点及び揮発性有機化合物含量の低減という観点から官能基数3のポリカプロラクトン系ポリエステルポリオールを用いることが好ましい。
混合原料中における第3のポリオールの含有量は、ポリオール類全体を100質量部としたとき、好ましくは1質量部~6質量部であり、より好ましくは2質量部~5質量部である。この含有量が1質量部未満である場合には低反発性が発現する。高反発性のポリウレタンフォームを得るという観点においては、上記含有量を下限値以上にすることが好ましい。また、上記含有量が6質量部以下であれば、圧縮残留歪の増大を抑えて、低圧縮残留歪性を確保できる。
また、ポリオール類として、上記第1~3のポリオール以外のその他のポリオールを含有してもよい。その他のポリオールとしては、ポリウレタンフォームに一般に用いられるポリオールであれば特に限定されることなく用いることができる。なお、上記ポリオール類には、成分の酸化を抑制するために酸化防止剤が配合される場合があるが、揮発性有機化合物含量の低減という観点から、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を使用していないBHTフリーのポリオール類を用いることが好ましい。BHTフリーのポリオール類としては、例えば、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用したポリオールが挙げられる。
ポリイソシアネート類はイソシアネート基を複数有する化合物である。ポリイソシアネート類は、例えば、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ポリイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート類、又はこれらとポリオールとの反応による遊離イソシアネートプレポリマー類、カルボジイミド変性ポリイソシアネート類等の変性ポリイソシアネート類を用いることができる。また、これらのポリイソシアネート類は、一種のみ含有されていてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されていてもよい。
なお、ポリイソシアネート類は、ハロゲン含量(特に塩素含量)の低減という観点から、モノメリックイソシアネート(たとえば、モノメリックMDI)、カルボジイミド変性イソシアネート、又はそれらを出発原料として得られるイソシアネート基末端を有するプレポリマーを用いることが好ましい。また、ポリイソシアネート類の官能基数は2.0~2.2の範囲であることが好ましい。
なお、ポリイソシアネート類のイソシアネートインデックスは0.9~1.1の範囲であることが好ましい。イソシアネートインデックスは、ポリオール類におけるイソシアネートと反応し得る水酸基等の反応基に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比である。従って、その値が1未満の場合には水酸基等の反応基がイソシアネート基より過剰であることを意味し、1を越える場合にはイソシアネート基が水酸基等の反応基より過剰であることを意味する。イソシアネートインデックスが0.9以上であれば、ポリオール類がポリイソシアネート類と十分に反応し得る。イソシアネートインデックスが1.1以下であれば、低圧縮残留歪性の向上、高反発性の観点で好ましい。
混合原料は好ましくは整泡剤を含有する。整泡剤は混合原料の発泡を円滑に行うために用いられるものである。整泡剤としては、メカニカルフロス法を採用した場合に通常使用される公知の整泡剤、例えば、シリコーン系整泡剤を用いることができる。こうした整泡剤は粘度が高いことから、通常、アルキルベンゼン等の溶剤により希釈した状態として混合原料中に配合される。上記溶剤として粘度500cps以下(好ましくは粘度40cps~500cps)の低粘度ポリオールを用いてもよい。低粘度ポリオールとしては、例えば、分子量(数平均分子量)1700以下のポリエーテルポリオールや、常温で液体のポリオールが挙げられる。
混合原料中における整泡剤の含有量は、ポリオール類100質量部に対して、3質量部~6質量部であることが好ましい。この含有量が3質量部以上であれば、整泡力が十分となり、均一なセル構造の形成や低密度化することできる。また、6質量部を超えて含有させても、これ以上の飛躍的な整泡力の向上は期待できない。また、整泡剤を溶剤により希釈する場合には、質量比(整泡剤:溶剤)で25:75~75:25の範囲とすることが好ましい。
触媒は主としてポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応を促進するためのものであり、混合原料は好ましくは触媒を含有する。触媒としては、ポリウレタンフォームに通常使用される公知の触媒、例えば、アセチルアセトン第二鉄、スタナスオクトエート、オクチル酸スズ(スズオクトエート)等の有機金属化合物、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、N,N´,N´-トリメチルアミノエチルピペラジン等の第3級アミン、酢酸塩、アルカリ金属アルコラートを用いることができる。
混合原料中における触媒の含有量は、ポリオール類100質量部に対して、0.1質量部~5.0質量部であることが好ましい。この含有量が0.1質量部以上であれば、ウレタン化反応を十分に促進できる。上記の含有量が5.0質量部以下であれば、ウレタン化反応が過剰に促進されることを抑えて、セル構造の形成が均一にできる。
架橋剤はポリオール類間に架橋を形成して強度等を向上させるために用いられるものであり、混合原料は好ましくは架橋剤を含有する。架橋剤としては、ポリウレタンフォームに通常使用される公知の架橋剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類、及びこれらの活性水素化合物にエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等を付加した化合物を挙げることができる。
混合原料中における架橋剤の含有量は、ポリオール類100質量部に対して、2.0質量部~10.0質量部であることが好ましい。この含有量が2.0質量部以上であれば、引張強度等の強度を確保できる。また、上記の含有量が、10.0質量部以下であれば、適度な硬度とし、高反発性を付与することができる。
混合原料は必要に応じて上記以外のその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、可塑剤、抗菌剤、難燃剤、及び着色剤が挙げられる。なお、酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられるが、揮発性有機化合物含量の低減という観点から、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることが特に好ましい。増粘剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムが挙げられる。難燃剤としては、例えば、膨張黒鉛、リン酸エステル、メラミン樹脂、ハロゲン系難燃剤が挙げられる。
ポリウレタンフォームは、耐衝撃吸収性の観点から、連続気泡構造及び半連続気泡構造のいずれかを有することが好ましく、連続気泡構造を有することがより好ましい。連続気泡構造及び半連続気泡構造は、独立気泡構造と違い、気泡に気孔がある構造である。ポリウレタンフォームの気泡構造は、ポリウレタンフォームの通気度を測定することによって、評価できる。ポリウレタンフォームの通気度は、例えば、JIS L1096:2010に定められた通気性測定B法(ガーレ形法)に準じて求めた空気透過度(ガーレ通気度)として求めることができる。ポリウレタンフォームのガーレ通気度は、例えば5秒/100mL以上、20秒/100mL以下である。
ポリウレタンフォームの平均セル径は、製品の一様さの保持の観点から、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることが更に好ましい。ポリウレタンフォームの平均セル径は、50μm以上であることが好ましい。これらの観点から、ポリウレタンフォームの平均セル径は、50μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上250μm以下であることがより好ましく、50μm以上200μm以下であることが更に好ましい。
ポリウレタンフォームの平均セル径は、ポリウレタンフォームの断面を走査型電子顕微鏡により倍率200倍で観察したときの、25mmの直線に接触するセルについて、セル径の累計をセルの個数で除して算出することができる。
また、セルを構成するセル膜の厚さは、ポリウレタンフォームの弾性を維持する観点から、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
セル径の分布は、製品の一様さの保持の観点から、70%以上のセルが平均セル径の±50μm以内であることが好ましく、±30μm以内であることがより好ましく、±20μm以内であることが特に好ましい。セル径の分布は、上述した平均セル径を測定した際のセル径に基づいて算出することができる。
セルの形状は、衝撃吸収性の観点から、略球状であることが好ましい。セルの形状は、ポリウレタンフォームの断面を顕微鏡で観察して確認できる。
例えば、セルは、下記式(1)により算出される円形度の平均値(以下、平均円形度ともいう)が0.6以上であることが好ましい。
円形度=4π((セルの断面積(mm))/(セル断面の周囲長(mm))
(1)
上記円形度は、セル断面がどの程度真円に近いかを表すものであり、円形度が1に近いほど真円に近いことを表す。平均円形度の測定は、例えば、画像解析ソフトを用いて、1mm×1mmの範囲内にある全ての気泡について気泡周長と気泡面積を測定し、それぞれの円形率を算出し、平均化して算出できる。
なお、ポリウレタンフォームの気泡構造、平均セル径、セル径の分布、及びセルの形状等は、メカニカルフロス法における製造条件、混合原料の配合組成、及び混合原料の粘度等を調整して制御できる。
ポリウレタンフォームの厚さは、特に限定されない。ポリウレタンフォームの厚さは、耐衝撃吸収性の観点から、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2.0mm以上が更に好ましい。ポリウレタンフォームの厚さは、敷設面との段差低減の観点から、20.0mm以下が好ましく、10.0mm以下がより好ましく、5.0mm以下が更に好ましい。これらの観点から、ポリウレタンフォームの厚さは、0.5mm以上20.0mm以下が好ましく、1.0mm以上10.0mm以下がより好ましく、2.0mm以上5.0mm以下が更に好ましい。
ポリウレタンフォームの比重は、特に限定されない。ポリウレタンフォームの比重は、硬度の観点から、0.05g/cm以上が好ましく、0.08g/cm以上がより好ましく、0.15g/cm以上が更に好ましい。ポリウレタンフォームの比重は、衝撃吸収性の観点から、0.70g/cm以下が好ましく、0.60g/cm以下がより好ましく、0.50g/cm以下が更に好ましい。これらの観点から、ポリウレタンフォームの比重は、0.05g/cm以上0.70g/cm以下が好ましく、0.08g/cm以上0.60g/cm以下がより好ましく、0.15g/cm以上0.50g/cm以下が更に好ましい。
2.表皮層11
表皮層11は、ポリウレタンフィルムで構成されている。ポリウレタンフィルムは、ポリオール類及びポリイソシアネート類を含む混合原料を反応させて得ることができる。
ポリオール類として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール、及びこれらの混合物を用いることができる。これらの中でも、耐摩耗性の観点から、ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
上記ポリエステルポリオールは、例えば、ジカルボン酸とグリコールとを常法に従って反応させることにより得ることができる。上記ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、それらのエステル形成性誘導体等を挙げることができる。上記グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、p-キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができる。これらによるポリエステルポリオール類は線状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分枝状ポリエステルとすることもできる。
混合原料中におけるポリエステルポリオールの含有量は、ポリオール類全体を100質量部としたとき、好ましくは50質量部~100質量部であり、より好ましくは70質量部~98質量部であり、さらに好ましくは85質量部~95質量部である。ポリエステルポリオールの含有量が上記の下限値以上であれば、耐摩耗性が良好となる。ポリエステルポリオールの含有量が上記の上限値以下であれば、物理的強度の観点で好ましい。
ポリイソシアネート類は、イソシアネート基を複数有する化合物である。ポリイソシアネート類としては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等を挙げることができる。
ポリウレタンフィルムは、難燃剤、接着促進剤、着色剤、可塑剤、及びそれらの組み合わせなどの添加物をさらに含有することができる。添加物は、ポリウレタンフィルムの所望する特性に大きな悪影響を及ぼすことがないように選択される。
ポリウレタンフィルムの厚さは、特に限定されない。ポリウレタンフィルムの厚さは、耐摩耗性及び成型性の観点から、0.001mm以上が好ましく、0.002mm以上がより好ましく、0.003mm以上が更に好ましい。ポリウレタンフィルムの厚さは、伸縮性及びコストの面から、0.100mm以下が好ましく、0.050mm以下がより好ましく、0.010mm以下が更に好ましい。これらの観点から、ポリウレタンフィルムの厚さは、0.001mm以上0.100mm以下が好ましく、0.002mm以上0.050mm以下がより好ましく、0.003mm以上0.010mm以下が更に好ましい。
ポリウレタンフィルムの比重は、特に限定されない。ポリウレタンフィルムの比重は、通気性の観点から、0.8g/cm以上が好ましく、0.9g/cm以上がより好ましく、1.0g/cm以上が更に好ましい。ポリウレタンフィルムの比重は、柔軟性の観点から、1.5g/cm以下が好ましく、1.3g/cm以下がより好ましく、1.2g/cm以下が更に好ましい。これらの観点から、ポリウレタンフィルムの比重は、0.8g/cm以上1.5g/cm以下が好ましく、0.9g/cm以上1.3g/cm以下がより好ましく、1.0g/cm以上1.2g/cmが更に好ましい。
ポリウレタンフィルムの伸びは、特に限定されない。ポリウレタンフィルムの伸びは、150%以上であることが好ましく、より好ましくは150%~500%、更に好ましくは200%~500%である。この伸びが下限値以上である場合には、一般的なPETフィルム等を用いた場合に比して、追随性に優れる。
なお、この伸びは、JIS K 6251に準じて測定される値である。
ポリウレタンフィルムは、非発泡性のポリウレタンフィルムであることが好ましい。ポリウレタンフィルムは、実質的に無孔のフィルムを用いるのがより好ましい。ポリウレタンフィルムの製膜方法としては、湿式法、乾式法等が挙げられるが、実質的に無孔のポリウレタンフィルムを得るには乾式法を用いるのが好ましい。具体的には通常のコーティング法、例えばナイフコーター、コンマコーター、リバースコーター等を用いて離型紙、離型フィルム等の離型性のある基材13に塗布しフィルム化する。
ポリウレタンフィルムが実質的に無孔であることは、ポリウレタンフィルムの通気度を測定することによって、評価できる。例えば、ポリウレタンフィルムは、上記ガーレ通気度により表して1万秒/100mLを超えるフィルムであるとよい。
図4に、ポリウレタンフィルムに用いられる基材13付きのフィルム11Pを例示する。このフィルム11Pの一方の面は、凹凸形状11Aを有している。凹凸形状11Aは、例えば、シボ模様や幾何学模様を構成する。このようなフィルム11Pを用いた場合には、凹凸形状11Aが図1に示すシート10の表面10Aに現れることになるから、シート10の外観及び触感をよくすることができる。凹凸形状11Aは、例えば、基材13に付与された形状が転写されることによって形成できる。
3.シートの構成
シート10は、例えば、エステル系ポリウレタンの表皮層11と、エーテル系ポリウレタンの発泡層12と、が積層した積層体である。発泡層12と表皮層11は、直接接触して接着されていることが好ましい。表皮層11は、発泡層12とは反対側に露出して、シート10の表面10Aを構成する。本実施形態では、発泡層12は、表皮層11とは反対側に露出して、シート10の裏面10Bを構成する。本開示において、発泡層12が表皮層11とは反対側に露出している場合に、発泡層12を設置層とも称する。
シート10は、敷物(カーペット、床材)として好適である。敷物として用いられる場合には、シート10は、表面10Aを上にして、室内、通路、及び乗り物のフロア等の敷設面に設置される。なお、シートの構成はこれに限られない。例えば、本実施形態とは異なり、シートは、発泡層に対して表皮層と反対側に滑り止め層等の任意の層を更に備えていてもよい。
シート10は、表皮層11側の面10Aのテーバー摩耗量が250mg以下であることが好ましく、200mg以下であることがより好ましく、150mg以下であることがさらに好ましい。テーバー摩耗量が低いことは、耐摩耗性が高いことの一つの指標となる。なお、発泡層12側の面10Bのテーバー摩耗量は、表皮層11側の面のテーバー摩耗量よりも大きく、例えば、250mg以上300mg以下である。
このテーバー摩耗量は、JIS K7204に準じ、摩耗輪H-22、回転速度60rpm、荷重250g、及び回転数1000回の条件で測定する。
シート10は、発泡層12側の面10Bの静摩擦係数が、0.3以上10.0以下であることが好ましく、0.5以上7.0以下であることがより好ましく、1.0以上4.0以下であることがさらに好ましい。静摩擦係数が高いことは、グリップ性が高いことの一つの指標となる。
この静摩擦係数は、JIS K7125に準じて温度23℃、相対湿度50%雰囲気下で測定される。
発泡層12が設置層である場合には、発泡層12は敷設面に接触する。発泡層12は、静摩擦係数が高く、敷設面に対する滑り止め層として機能する。このため、敷設面との間に粘着層等を設けない構成であっても敷設面に対するシート10のグリップ性を確保できる。
4.シートの製造方法
シートの製造方法は、例えば、一方向に走行するポリウレタンフィルムの表面にポリウレタンフォーム原料を供給し、ポリウレタンフォーム原料を反応及び硬化させて前記ポリウレタンフォームを形成する。本実施形態のシートの製造方法は、メカニカルフロス法によってポリウレタンフォームを製造する。シートは、製造装置30を用いて製造できる。
製造装置30は、混合部31と、供給ロール33及び製品回収ロール34を含むロール機構32と、吐出ノズル35と、厚さ規定部36と、加熱部38とを備えている。混合部31は、原料を混合してポリウレタンフォーム原料Mを得る部分である。供給ロール33は、基材13付きのポリウレタンフィルムが巻かれ、図示しない駆動源によりポリウレタンフィルムを供給する部分である。製品回収ロール34は、シート10をロール状に巻いて、回収する部分である。吐出ノズル35は、ポリウレタンフィルム上にポリウレタンフォーム原料Mを供給する部分である。厚さ規定部36は、ポリウレタンフィルム上のポリウレタンフォーム原料Mの厚さを制御するドクターナイフ等によって構成されている。加熱部38は、ポリウレタンフィルム上のポリウレタンフォーム原料Mを加熱するヒーター等によって構成されている。さらに、製造装置30は、ポリウレタンフィルムから基材13を剥がして回収する基材回収ロール39を備えている。
シート10は次のようにして製造できる。まず、供給ロール33から、基材13付きのポリウレタンフィルムを連続的に供給する。ポリウレタンフィルムが連続的に供給される過程で、吐出ノズル35からポリウレタンフォーム原料Mをポリウレタンフィルムに供給する。供給されたポリウレタンフォーム原料Mの厚さを、厚さ規定部36によって所定厚さにする。続いて、加熱部38でポリウレタンフォーム原料Mを加熱して反応及び硬化させる。積層状態にあるポリウレタンフォームとポリウレタンフィルムとが固着した後に基材13を剥離して、シート10を製品回収ロール34に巻き取る。
このようにして得られたシート10は、所定の形状に裁断されて敷物(カーペット、床材)として用いることができる。シート10は、敷物以外にも、コースターや鍋敷き、シューズインソール、及び車載用シート等に適用できる。
次に本実施形態における作用効果について説明する。
従来から、パーソナルユースおよび家庭での取り外し可能な敷物(カーペット材、床材)において、繊維材や、ポリエチレンフォーム、EVAなどの樹脂フォームが使われている。敷物には、クリーニング性、簡易設置性、歩行性、耐久性などの基本機能が求められる。さらに近年、特に介護や子育てに対応した住宅(施設)においては、バリアフリー化、転倒時の安全性確保の問題から、段差が少なく(厚みが薄く)、かつ、衝撃吸収性能に優れた敷物が要求されている。このように、カーペットの基本機能を併せ持ち、衝撃吸収性の高いシートへの需要が高まっている。
本実施形態のシート10は、表皮層11と発泡層12を備えることにより、耐摩耗性及び衝撃吸収性が高い。
シート10は衝撃吸収性が高いから、要介護者や幼少児が必要とする車椅子や歩行器等に対応して厚さを低減して、段差を小さくできる。さらに、転倒時には衝撃を吸収して、安全性を確保できる。
シート10は耐摩耗性が高いから、耐久性を確保できる。例えば敷物として利用した場合に、車椅子や歩行、清掃に伴う擦れによる摩耗を抑制して、シート10の破損を抑制できる。このため、シート10の寿命を長くすることができる。
本実施形態のシート10は、発泡層12のグリップ性が高いから、簡易設置性に優れる。具体的には、シート10は、発泡層12を敷設面に接触させて置くだけでも敷設面に対して滑りにくい。このため、シート10を設置する際に、従来のように粘着剤又は接着剤を用いることなく、直接敷設面に設置できる。さらに、粘着剤又は接着剤を用いない場合には、敷物を取り外した際に敷設面に残った粘着剤又は接着剤を、溶剤を用いて剥がす手間が掛からない。
本実施形態のシート10は、表皮層11に溶剤や汚れが染み込みにくく、また、表皮層11に付いた付着物をふき取りやすい。このため、シート10は、クリーニング性が良好である。また、表皮層11は耐薬品性が高く、シート10の耐久性の向上に寄与できる。
発泡層12が高反発性である場合には、歩行時に足が沈み込み過ぎず、歩行性がよい。同様に、発泡層12が高反発性である場合には、走行時に車椅子や歩行器の車輪が沈み込み過ぎず、走行しやすい。
本実施形態のシート10の製造方法は、表皮層11と発泡層12を一体に成形するから、表皮層11と発泡層12を接着するための手間がかからない。また、表皮層11と発泡層12は共にポリウレタン樹脂で構成されるから、接着強度が確保され、剥離が生じ難い。
本実施形態のシート10の製造方法は、シート10を一方向に長い長尺状に形成しやすい。このようなシート10は、一枚で大きい面積の敷設面に設置可能であり、敷物として利用し易い。また、シート10は、所定の大きさに裁断してサイズを調整しやすい。
さらに、本実施形態のシート10の製造方法は、シート10をロール状に巻き取った場合であっても、先に巻かれた発泡層12と後に巻かれた発泡層12の間に表皮層11が介在する。仮に、先に巻かれた発泡層12と後に巻かれた発泡層12が接触する場合には、発泡層12同士がブロッキングしないように、例えば、発泡層12に離型紙等を積層したり、UV(ultraviolet)コートを施したりする対策が取られる。本実施形態のシート10は、先に巻かれた発泡層12と後に巻かれた発泡層12の間に表皮層11が介在するから、離型紙等を積層したり、発泡層12にUVコートを施したりすることなく、ブロッキングを抑制できる。このように、本実施形態の表皮層11はブロッキングを抑制する層としての機能も有する。本実施形態のシート10がロール状に巻き取られた構成である場合には、シート10を製造し易く、また、取り扱いやすい。
次に、実施例及び比較例を挙げて上記実施形態を更に具体的に説明する。
1.シートの作製
まず、実施例のポリウレタンフィルムとして、ポリエステル系ポリウレタン(セイコー化成製、ラックスキン U2245)のフィルムを準備した。ポリウレタンフィルムの厚さは0.004mmとした。ポリウレタンフィルムの比重は1.1g/cmであった。
次に、実施例及び比較例のポリウレタンフォームに用いた混合原料の成分を以下に示す。
ポリマーポリオール1:数平均分子量3,000、官能基数3、ポリマーコンテント22質量%のポリマーポリオール(旭硝子社製、EXCENOL914)
ポリマーポリオール2:数平均分子量3,000、官能基数2、ポリマーコンテント20質量%のポリマーポリオール(旭硝子社製、EXCENOL913)
ポリマーポリオール3:数平均分子量3,000、官能基数3、ポリマーコンテント40質量%のポリマーポリオール(三洋化成工業社製、シャープフローFS-7301)
ポリエーテルポリオール:数平均分子量600、官能基数3のポリオキシプロピレングリセリルエーテル(三洋化成工業社製、サンニックスGP-600)
ポリエステルポリオール:分子量540、官能基数3のポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル305)
架橋剤1:ジプロピレングリコール(旭硝子社製)
架橋剤2:MPO(2-メチル-1,3-プロパンジオール)(大連化学社製)
増粘剤:水酸化アルミニウム(住友化学社製、C-31)
整泡剤:ジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体(東レ・ダウコーニング株式会社製、SZ-1952 ADDITIVE)
触媒:アセチルアセトン第二鉄(日本化学産業株式会社製、ナーセム 第二鉄)
イソシアネート:ポリメリックMDI(BASF INOACポリウレタン社製、フォームライト500B)
Figure 2022100615000002

上記各成分を表1に示す配合割合で調製し、実施例及び比較例のポリウレタンフォームの混合原料を得た。なお、表1及び2中の(A)~(C)の標記は実施形態に記載の各成分に対応する化合物を示す。表1中の各成分の数値は質量部を表す。
実施例のシートは、次のようにして作製した。まず、混合原料をミキシングヘッド内に投入し、不活性ガス(窒素)を69体積%~77体積%の範囲で混入しながら均質となるように攪拌して混合した。その後、混合された混合原料を連続的に供給される上記のポリウレタンフィルム上に供給し、120℃~200℃にて加熱硬化させた。このようにして、ポリウレタンフィルムで構成された表皮層とポリウレタンフォームで構成された発泡層が積層されたシートを得た。
比較例のシートは、次のようにして作製した。発泡層は、ポリウレタンフィルムにかえて離型性のある基材を用いた他は、実施例の発泡層と同様にして得た。離型性のある基材を除いた後に、得られた発泡層の両面にUVコートを施した。UVコートは、アクリル系樹脂を塗布し、UVを照射して行った。このようにして、両面にコーティング層を有し、ポリウレタンフォームで構成された発泡層からなるシートを得た。
このようにして得られた比較例のシートは、コーティング層が表皮層とは反対側に露出しているが、実施例のシートは、発泡層が表皮層とは反対側に露出している。比較例のシートは、主にブロッキングを抑制することを目的としてUVコートを施している。換言すれば、比較例のシートは、製造及び取り扱いの都合上、コーティング層を廃止できないのが実情である。他方、実施例のシートは、ポリウレタンフィルムの表皮層によってブロッキングを抑制することができ、コーティング層を有していない。
2.平均セル径の測定
実施例のシートについて、実施形態に記載の方法で平均セル径を測定した。
実施例のポリウレタンフォームの平均セル径は、50μm以上300μm以下であった。このようなセルを有するポリウレタンフォームは衝撃吸収性に優れる。
3.シートの観察
実施例のシートの断面を、顕微鏡を用いて観察した。シートの断面の観察像を図2に示す。
ポリウレタンフィルムの断面を1200μmに渡って観察したところ、孔は観察されなかった。このようなポリウレタンフィルムはクリーニング性に優れる。
また、ポリウレタンフォームの断面を観察したところ、略球形状のセルが観察された。セルの大きさは、均一性が高かった。このようなセルを有するポリウレタンフォームは衝撃吸収性に優れる。
4.評価
次に、得られた実施例及び比較例のシートについて、以下の条件で、表面のテーバー摩耗量(mg)、裏面の静摩擦係数、ガーレ通気度(秒/100mL)の評価を行った。なお、実施例では、表面はポリウレタンフィルム(表皮層)側の面であり、裏面はポリウレタンフォーム(発泡層)側の面である。比較例では、ポリウレタンフォームの両面が表面及び裏面である。結果を表2に示す。
[表面の摩耗量]
JIS K7204に準じ、摩耗輪H-22、回転速度60rpm、荷重250g、及び回転数1000回の条件で測定した。なお、各条件は、シートの材料に応じて適宜規定した。
[裏面の静摩擦係数]
JIS K7125に準じて、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下で測定した。
[ガーレ通気度]
JIS L1096:2010 8.26.2に定められた通気性測定B法(ガーレ形法)に準じて求めた。圧縮量50%、レンジ100mLとした。なお、実施例は、300秒/100mLを超えたため、測定を中断し表2に「―」と記した。
Figure 2022100615000003
表2に示すように、実施例は、比較例よりもフィルム面の摩耗量が小さく、耐摩耗性に優れることが分かった。また、実施例は、比較例よりもフォーム面の静摩擦係数が大きく、グリップ性に優れることが分かった。さらに、実施例は、通気性がほとんどなく、クリーニング性に優れることが示唆された。
5.実施例の効果
以上の実施例によれば、耐摩耗性及び衝撃吸収性が高いシート、及び、耐摩耗性及び衝撃吸収性が高いシートの製造方法を提供することができる。
本開示は上記で詳述した実施形態に限定されず、本開示の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
10 …シート
10A…表面(表皮層側の面)
10B…裏面(発泡層側の面)
11 …表皮層
11A…凹凸形状
11P…フィルム
12 …発泡層
13 …基材
30 …製造装置
31 …混合部
32 …ロール機構
33 …供給ロール
34 …製品回収ロール
35 …吐出ノズル
36 …厚さ規定部
38 …加熱部
39 …基材回収ロール

Claims (5)

  1. ポリウレタンフィルムで構成された表皮層と、
    ポリウレタンフォームで構成された発泡層と、を備え、
    前記ポリウレタンフォームの平均セル径が50μm以上300μm以下である、シート。
  2. ポリウレタンフィルムで構成された表皮層と、
    ポリウレタンフォームで構成された設置層と、を備えたシート。
  3. JIS K7204に準じ、摩耗輪H-22、回転速度60rpm、荷重250g、及び回転数1000回の条件で測定した、前記表皮層側の面のテーバー摩耗量が250mg以下である、請求項1又は請求項2に記載のシート。
  4. JIS K7125に準じて測定した、前記発泡層または前記設置層側の面の静摩擦係数が、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下で0.3以上10.0以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシート。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシートの製造方法であって、
    一方向に走行する前記ポリウレタンフィルムの表面にポリウレタンフォーム原料を供給し、前記ポリウレタンフォーム原料を反応及び硬化させて前記ポリウレタンフォームを形成する、シートの製造方法。
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