以下、図1~図17を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機10(本発明の「遊技機」に相当する。)について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機10は、前面を前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zのガラス窓10Wを通して図2に示す遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、パチンコ遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。また、図面に、横方向を符号「H1」で示し、その矢印の右側を「R」、左側を「L」として示すと共に、前後方向を符号「H2」で示し、その矢印の前側を「F」、後側を「B」として示す。
<パチンコ遊技機10の前面側の構造について>
前面枠10Zの前面のうちガラス窓10Wより上方には、1対のスピーカ10Sが備えられている。また、前面枠10Zの前面のうちガラス窓10Wより下方には、上側球貯留部26及び下側球貯留部27が上下2段にして設けられている。上側球貯留部26の上面には、後部左側に遊技球を貯留するための図示しない貯留凹部が形成されると共に、前側中央に演出用操作ボタン29Aが設けられ、さらには、演出用操作ボタン29Aの左横には、十字ボタン29B、右横には、球貸ボタン29Cと返却ボタン29Dとが設けられている。なお、上側球貯留部26の上面には、図示しない球排出ボタンも備えられ、その操作により、上側球貯留部26の貯留凹部内の遊技球が下側球貯留部27の図示しない貯留凹部に排出される。
上側球貯留部26の貯留凹部に収容された遊技球は、下側球貯留部27の右隣に備えた操作ノブ28の回動操作に起因して遊技領域R1に打ち込まれる。また、操作ノブ28の回動操作量の変更により、遊技球を遊技領域R1の後述する左側流下領域R2に流下させる左打ちを行うか、右側流下領域R3に流下させる右打ちを行うかを打ち分けることができる。
<遊技領域R1について>
図2に示すように、遊技領域R1は全体をガイドレール12により囲まれ、内側に遊技板11を貫通する表示開口11Hを備える。そして、表示開口11Hを通して表示装置13の表示画面13Gが視認可能になっている。また、表示開口11Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられて、表示開口11H内に遊技球が進入しないように規制している。そして、この表示装飾枠23により、遊技領域R1が表示開口11Hより左側の左側流下領域R2と、右側の右側流下領域R3とに分けられている。また、表示開口11Hの開口縁における右下部分には、複数のLED13Lを有するLED表示部13Pが設けられている。
遊技領域R1のうち表示開口11Hの周囲には、複数の入賞口と図示しない複数の障害釘とが分散配置されている。また、遊技領域R1の下端部にはアウト口22が設けられている。そして、遊技領域R1を流下する遊技球は、何れかの入賞口かアウト口22を通って遊技板11の後側に取り込まれる。また、入賞口に遊技球が入球することは「入賞」と呼ばれ、各入賞口に遊技球が入賞すると、払出装置61(図17参照)により複数の遊技球(賞球)が上側球貯留部26の貯留凹部に払い出される。
上記した複数の入賞口には、ポケット型の入賞口である複数の普通入賞口21、第1及び第3の始動入賞口14,16と、スライド開閉型の入賞口である第2始動入賞口15と、横回動開閉型の入賞口である大入賞口20とが含まれる。
ポケット型の複数の普通入賞口21、第1及び第3の始動入賞口14,16は、遊技板11の前面から突出する入賞突部の上面に開口し、遊技球が1つずつ入賞可能な大きさをなしている。そして、遊技領域R1のうち表示装飾枠23より下方の領域の横方向H1の中央に第1始動入賞口14が配置されると共に、その右下に第3始動入賞口16が配置されている。また、第1始動入賞口14の左側に1対の普通入賞口21が配置されると共に、右側流下領域R3の上部に1つの普通入賞口21が配置されている。
図3に示すように、大入賞口20は、右側流下領域R3の上下方向における途中部分に配置されている。具体的には、大入賞口20は、遊技板11の前面から突出して、表示装飾枠23の右側面に隣接する前面ダクト20Dの側面に開口し、回動扉20Tによって開閉される。その回動扉20Tは、大入賞口20の下端開口縁に沿って前後方向H2に延びる回転軸を中心に回動し、通常は、起立姿勢になって大入賞口20を閉塞していて、後述する当否判定で大当り又は小当りになったことに起因して、回動扉20Tが横に倒れて大入賞口20が開放すると共に、遊技球を大入賞口20に案内する。
右側流下領域R3のうち表示開口11Hの下端部の右横部分には、遊技球が1つずつ通過可能な幅をなして緩やかに傾斜する傾斜ダクト部95が設けられている。また、傾斜ダクト部95の末端部は、下方に曲がって真下を向き、共通幹流路94に接続されている。さらに、共通幹流路94は、例えば、吊り鐘形をなして下方に向かって幅広になっている。そして、共通幹流路94の上端部における横方向H1の中央に、傾斜ダクト部95の末端開口である絞り開口94Aが配置されている。
図2に示すように、共通幹流路94の下方に位置する遊技領域R1の右下部分には、入賞ユニット30が備えられている。その入賞ユニット30は、図5に示したユニット本体31の前面にユニットカバー32を取り付けてなる。そして、ユニット本体31が、遊技領域R1の右下コーナー部で遊技板11を貫通する図示しない貫通窓に嵌め込まれて固定されている。また、ユニットカバー32は、ガラス窓10Wのガラス板の内面に重ねられ、その後面からは仕切壁33が突出している。さらには、ユニット本体31の前面からも仕切壁34が突出している。そして、ユニットカバー32とユニット本体31との間に仕切壁33,34が挟まれた状態に固定され、ユニット本体31とユニットカバー32との間に遊技球が通過する流下経路が形成されている。
図4に示すように、遊技領域R1の右下角部は、入賞ユニット30の仕切壁33,34等によって第1~第3の流下経路91,92,93に分割されている。それら第1~第3の流下経路91,92,93は、遊技球が1つずつ流下する幅をなし、それらの入球口91A,92A,93Aは、共通幹流路94の下端部で横並びに配置されて上方を向いている。そして、右側流下領域R3に打ち込まれた遊技球で大入賞口20(図2参照)に入賞しなかった遊技球の全てが共通幹流路94を通り、第1~第3の流下経路91,92,93の何れか1つに流れ込むようになっている。
図4に示すように、第1流下経路91は、入賞ユニット30の上面を構成する仕切壁33の一部と、表示装飾枠23の一部とに挟まれてなり、共通幹流路94の下端部の左端に入球口91Aを備える。そして、第1流下経路91は、入球口91Aから鉛直方向に僅かに延びてから斜め左下に下るように延びている。
第3流下経路93は、入賞ユニット30の右側面を構成する仕切壁34と、仕切壁34の下端部と交差するガイドレール12の一部と、それらと対向する仕切壁33とに挟まれてなり、共通幹流路94の下端部の右端に入球口93Aを備える。また、第3流下経路93全体は、ガイドレール12の一部を横辺とするL字形をなし、第3流下経路93を通過した遊技球は、ガイドレール12上を転動して第3始動入賞口16の下方を通過し、アウト口22に向かう。
第2流下経路92は、入球口92Aが共通幹流路94の下端部の横方向H1における中央で、絞り開口94Aの真下に位置し、排出口92Bが第3始動入賞口16の真上に位置している。また、第2流下経路92の上端部は、遊技球の通過を検出する検出スイッチ18Sを備えた始動ゲート18になっている。さらに、第2流下経路92の途中位置から排出口92Bに亘る範囲が転動路96をなしていて、転動路96における上流寄り位置に前述の第2始動入賞口15が開口し、通常はスライド扉15Tによって閉塞されて、そのスライド扉15Tによって転動路96の一部が構成されている。
スライド扉15Tが後方にスライドして第2始動入賞口15が開放されると転動路96上の遊技球が第2始動入賞口15に入賞する。また、第2流下経路92には、図5の太線矢印で示されているように、転動路96の上端位置から後方に分岐してから再び転動路96に合流する分岐転動路96Bが備えられている。これにより、スライド扉15Tが開くと、分岐転動路96B上の遊技球と転動路96上の遊技球とが共に第2始動入賞口15に入賞するようになっている。一方、スライド扉15Tが閉じた状態では、遊技球がスライド扉15T及び分岐転動路96Bを通過して排出口92Bから第3始動入賞口16に向かって流下する。
<当否判定権について>
本実施形態のパチンコ遊技機10では、始動ゲート18、第1~第3の始動入賞口14~16に遊技球が入賞すると当否判定権が発生し、その当否判定権を使用した当否判定が行われる。当否判定権には、普図判定権と、特図判定権とが設けられ、特図判定権には、第1の当否判定権と、第2の当否判定権とが設けられている。
普図判定権は、遊技球が始動ゲート18を通過したことを「普図当否判定条件の成立」として発生し、その成立に起因して普図当否判定が行われる。普図当否判定は、表示画面13Gにて表示され、例えば、図2に示すように、表示画面13Gの右下に1桁の数字である普通図柄13Dを、奇数と偶数とに交互に切り替わるように変動表示した後、停止表示させ、その停止表示された普通図柄13Dが、例えば、奇数であれば「当り」、偶数であれば「外れ」として報知される。そして、普図当否判定で当りになると、第2始動入賞口15のスライド扉15Tが一定時間に亘って開き、第2始動入賞口15に遊技球が入賞し易くなる。
第1の当否判定権は、第1又は第2の始動入賞口14,15への遊技球の入賞を「第1の当否判定条件の成立」として発生し、その成立に起因して第1の当否判定が行われる。第1の当否判定は、表示画面13Gにて表示され、例えば、表示画面13Gに後述する3つの特別図柄41,42,43を変動表示した後、順次、停止表示させ、その停止表示された特別図柄41,42,43の図柄組み合わせにて報知される。以下、このように第1の当否判定権の判定結果を報知する演出を「第1の判定報知演出」という。当否判定が大当りの場合には、停止表示された3つの特別図柄41,42,43の組み合わせが、大当りを意味する大当り図柄組み合わせ(例えば、ぞろ目)となり、小当りの場合には、小当り図柄組合せとなり、外れの場合には、外れを意味する外れ図柄組み合わせになる。また、第1の判定報知演出を行っている間、及び、後述する大当り遊技及び小当り遊技を行っている間に、第1又は第2の始動入賞口14,15に遊技球が入賞した場合には、その分の第1の当否判定権が、予め定められた上限数(例えば、最大4つ)まで保留され、それ以上は第1の当否判定権は発生しない。そして、保留された第1の当否判定権は、発生順(古い順)に使用される。
第2の当否判定権は、第3始動入賞口16への入賞を「第2の当否判定条件の成立」として発生し、その成立に起因して第2の当否判定が行われる。第2の当否判定は、LED表示部13Pにて表示され、例えば、複数のLED13Lを点滅させて変動表示させた後、それらの点滅を停止して停止表示させ、そのときの複数のLED13Lの点灯パターンによって報知される。以下、このように第2の当否判定権の判定結果を報知する演出を「第2の判定報知演出」という。なお、LED13Lの点灯パターンは、遊技者による解読は極めて困難であるので、第3始動入賞口16への入賞に起因する第2の当否判定権の判定結果の報知は、実質的には行われないに等しい。
第2の判定報知演出を行っている間、及び、後述する大当り遊技及び小当り遊技を行っている間に、第3始動入賞口16に遊技球が入賞した場合には、その分の第2の当否判定権が、予め定められた上限数(例えば、最大4つ)まで保留され、それ以上は第2の当否判定権は発生しない。そして、保留された第2の当否判定権は、発生順(古い順)に使用される。
また、上述したように、第1の当否判定権同士の間及び第2の当否判定権同士の間では、発生順に当否判定権を使用して判定報知演出が開始され、第1又は第2の一方の当否判定権の判定報知演出が実行中か否かとは無関係に他方の当否判定権の判定報知演出が開始される。
第1及び第2の当否判定の判定結果には、「大当り」と、「小当り」と、「外れ」とがあり、「大当り」及び「小当り」になると、大入賞口20が規定開放時間に亘って開状態となるラウンドが規定回数行われる大当り遊技及び小当り遊技が実行される。そして、大当り遊技の終了後には、次述するように、遊技状態が変わることがあるが、小当り遊技の終了後に、遊技状態が変わることはない。このことから、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技者の間で、単に「当り」と呼ばれるときには、小当りを含まず、大当りのみを意味することがある。また、1ラウンドの大入賞口20の規定開放時間は、大当りに比べて小当たりは短く、1回の大当り遊技又は小当り遊技で行われるラウンドの規定回数は、大当り遊技では、2,4,10回の何れかであるのに対し(図7参照)、小当り遊技では、2回になっている。また、大当りになる確率は、第1の当否判定権及び第2の当否判定権の何れによる当否判定でも同じである。これに対し、小当りになる確率は、第2の当否判定権による当否判定では極めて高いのに対し(例えば、1/1.2)、第1の当否判定権による当否判定では、0か又は、極めて低いため実質的に0になっている。
<遊技状態について>
遊技状態には、普図判定を行うときの状態が異なる「非時短状態」と「時短状態」とが設けられていて、大当り遊技の終了を境にして、非時短状態と時短状態とに切り替わる。その時短状態は、非時短状態に比べて、普図当否判定における普通図柄13Dの変動表示時間が短く、当りになったときの第2始動入賞口15の開放時間が長くなっている。つまり、時短状態になると、非時短状態に比べて、第1の当否判定条件が成立し易くなっている。
また、遊技状態には、特図判定を行うときの状態が異なる「低確率状態」と「高確率状態」とが設けられていて、時短状態と同様に大当り遊技の終了を境にして、低確率状態と高確率状態とに切り替わる。その高確率状態では、低確率状態より大当りとなる確率が高くなっている。
上記した非時短状態と時短状態、低確率状態と高確率状態とが組み合わされて、パチンコ遊技機10は、以下の遊技状態になり得る。即ち、パチンコ遊技機10は、低確率状態で且つ非時短状態の低確非時短状態と、低確率状態で且つ時短状態の低確時短状態と、高確率状態で且つ非時短状態の高確非時短状態と、高確率状態で且つ時短状態の高確時短状態との4つの遊技状態が設定されている。以下、低確非時短状態を「通常状態」ともいい、低確非時短状態以外の遊技状態を、「非通常状態」ともいうこととする。
遊技状態は、上述したように大当り遊技を境にして切り替わるが、本実施形態のパチンコ遊技機10には、大当り遊技を境にせずに、低確非時短状態において第1及び第2の当否判定において外れが予め定められた第1規定回数(例えば、900回)連続した場合に、遊技状態が低確時短状態に切り替わる、所謂、遊タイムが設定されている。遊タイムは、その切り替わりから第1及び第2の当否判定の判定回数が予め設定された第2規定回数(例えば、1200回)に到達するまでの間、遊技状態が低確非時短状態に戻らないようになっていて、遊タイム中に大当りを引き当てたときには、遊技状態が低確時短状態から高確時短状態に発展するか、低確時短状態が維持される。
パチンコ遊技機10では、遊技状態によって第1及び第2の判定報知演出の実行時間は異なっていて、図6に示すようになっている。本実施形態では、第1の当否判定権に基づく判定報知演出の実行時間は、高確非時短状態以外は比較的短く、高確非時短状態で比較的長く設定されているのに対し、第2の当否判定権に基づく判定報知演出の実行時間は、高確非時短状態以外は比較的長く、高確非時短状態で比較的短く設定されている。
この構成により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、高確非時短状態において小当りが頻発する小当りラッシュ状態となることがある。具体的には、高確非時短状態で右打ち遊技を行うと、多くの遊技球が入賞ユニット30のうち第2流下経路92へと流下する。このとき、第1の当否判定条件が成立し難いため、ほどんどの遊技球が第2始動入賞口15上を通過して排出口92Bから第3始動入賞口16へと向かう。また、第3始動入賞口16への入賞に基づく第2の当否判定権では、小当りが高い確率(例えば、1/1.2)で発生しかつ判定報知時間が短くなっているので、小当りが頻繁に発生し、小当りラッシュ状態となる。
さらに、遊技状態によって、大当りの種類は異なっていて、例えば、図7に示すようになっている。なお、図7における例えば、「10R」は、大当り遊技が10ラウンド行われることを示している。
<遊技状態に応じた左打ち遊技と右打ち遊技について>
上述した構成により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態の場合には、第2始動入賞口15において第1の当否判定条件が成立し難く、第3始動入賞口16への入賞に起因する第2の判定報知演出の実行時間が非常に長いため、左側流下領域R2から第1始動入賞口14を狙う左打ち遊技を行う方が遊技者に有利な設定になっている。一方、遊技状態が非通常状態の場合には、第2始動入賞口15において第1の当否判定条件が成立し易いこと及び第3始動入賞口16への入賞に起因する第2の判定報知演出の実行時間が短いことの何れか一方又は両方の条件が揃うため、右打ち遊技を行う方が遊技者に有利な設定となっている。また、当否判定が大当り又は小当りになった場合には、右側流下領域R3に配置された大入賞口20へ遊技球を入賞させるために右打ち遊技を行うことが遊技者によって有利となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態の所定のタイミングで、表示画面13Gに左向きの矢印と「左に打て」というメッセージとを含んだ左打ち推奨映像が表示され、非通常状態のタイミングで、表示画面13Gに右向きの矢印と「右に打て」というメッセージとを含んだ右打ち推奨映像が表示されるようになっている。その所定のタイミングとしては、遊技を開始したとき、小当り遊技及び大当り遊技を開始したとき、及び、大当り遊技後に遊技状態が非通常状態と通常状態との間で切り替わったときが挙げられる。
<遊技の演出について>
パチンコ遊技機10の遊技は、表示画面13Gによる表示演出や、スピーカ10S(図1参照)からの効果音やBGMによる音演出によって演出されている。表示演出は、遊技の状況によって種々の映像が設定され、例えば、遊技が行われていな客待ち状態、各入賞口14,15,16に入賞して当否判定を行っている当否判定状態、大当り遊技状態等によって異なっている。
<表示演出について>
遊技が行われていな客待ち状態では、図8に示すように、表示画面13Gに、例えば、パチンコ遊技機10の遊技の遊び方を説明する説明映像40が表示される。説明映像40は、静止画像であって複数種類、設けられ、所定時間が経過する毎に説明映像40の内容が切り替わるようになっている。なお、説明映像40には、後述する楽曲及び音量の設定方法や、十字ボタン29Bを含む複数のボタンの操作方法が含まれている。
遊技者が遊技を開始し、第1及び第2の始動入賞口14,15に入賞して当否判定が行われる当否判定状態では、前述したように、表示画面13Gに第1の当否判定権の判定結果を報知するための第1の判定報知演出が開始される。第1の判定報知演出では、背景映像44と共に、前述した特別図柄41,42,43の図柄変動が表示される。以下の説明において、特別図柄41,42,43を区別する場合には、特別図柄41を「第1特別図柄41」といい、特別図柄42を「第2特別図柄42」といい、特別図柄43を「第3特別図柄43」ということとする。
特別図柄41,42,43は、図9に示すように、それぞれ1~9の数字を表示する数字図柄41A,42A,43Aを1つずつ含んだ9種類からなる。それら数字図柄41A,42A,43Aは、何れも例えば四角形の無地の背景に数字を重ねた態様になっている。また、第3特別図柄43は、全種類が数字図柄43Aのみで構成されている。これに対し、第1及び第2の特別図柄41,42は、全種類が数字図柄41A,42Aに、数字図柄以外の図柄構成要素を重ねた態様になっていて、それら図柄構成要素は、パチンコ遊技機10の演出テーマに関連するものになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10の演出のテーマは、例えば「鳥類国」になっている。具体的には、鳥類国に属する「ペンギン」、「アヒル」,「フクロウ」等の鳥たちがオリンピック選手となり、人類国や哺乳類国のオリンピック選手たちとオリンピック競技で競うというものになっている。
第1特別図柄41の全種類は、数字図柄41Aに、「ペンギン」、「アヒル」,「フクロウ」等の互いに異なる種類の鳥をモチーフとしたキャラクター図柄41Bを各数字図柄41Aの後に重ねてなるキャラクター付特図になっている。
第2特別図柄42の全種類は、鳥の卵をモチーフとしたキャラクター図柄42Bを各数字図柄42Aの後に重ねてなるキャラクター付特図になっている。また、それらキャラクター図柄42Bには、それぞれ何れの鳥の卵であるかが記載されていて、第1と第2の特別図柄41,42の間で、同じ数字の数字図柄41A,42Aに重ねられたキャラクター図柄41B,42Bの鳥の種類は同一になっている。
特別図柄41,42,43は、通常は、表示画面13Gに表示されず、第1又は第2の始動入賞口14,15への遊技球の入賞に基づく第1の当否判定が行われときに表示画面13Gに表示される。具体的には、図10(A)に示すように、特別図柄41,42,43は、表示画面13Gにおける下側両角部近傍の2箇所と、それらより上方でかつそれらの中央となる位置となる残り1箇所とに分けて表示される。同図に示された判定報知演出の一態様では、第3特別図柄43が表示画面13Gの左下角部の近傍に表示され、第2特別図柄42が表示画面13Gの右下角部の近傍に表示され、それらの上部でかつ中央に第1特別図柄41が表示された例が示されているが、それらの表示場所は、変更されることもある。
第1の判定報知演出が開始されると、第1特別図柄41が表示画面13Gの右端から登場して、奥側から前方に向かってくるように徐々に大きくなって上部中央に停止表示された後、第2特別図柄42と第3特別図柄43が順次、登場する。ここで、第1特別図柄41は、数字図柄41Aが第2及び第3の特別図柄42,43の数字図柄42A,43Aと同じ大きさに表示される一方、キャラクター図柄41Bは第2特別図柄42のキャラクター図柄42Bに比べて2倍以上の大きさに表示されている。また、キャラクター図柄41Bは、例えば、数字図柄41Aより先に表示画面13Gに登場して数字図柄41Aが所定位置に配置されるまでの間、遠くから進行方向を変化させながら滑空し、数字図柄41Aの停止表示の前に表示画面13Gの上部中央で羽ばたいた状態を維持するようになっていて、キャラクター図柄41Bが変動する構成となっている。第2及び第3の特別図柄42,43は、例えば、3種類ずつの特別図柄42,43が上方に向かうに従って側方にずれるように斜め上下方向に並んで一方から他方へと移動するようにスクロール表示され、3種類並んだ図柄のうち中央に位置する図柄が、両横の図柄より大きくなるように表示される。
特別図柄41が停止表示された状態で、特別図柄42,43が順次、変動表示を終了し、僅かに揺れている状態で停止表示される(図10(B)参照)。また、特別図柄41,42,43が停止表示される順番は、特別図柄41,42,43が第1特別図柄41であるか、第2特別図柄42であるか、第3特別図柄43であるかによらず、また、表示画面13Gのうちそれらが表示されている場所にもよらず、適宜、変更される。
特別図柄41,42,43は全て揺れた状態で停止表示されてから、揺れが止まって停止表示が確定し(つまり、確定停止し)、そのときの特別図柄41,42,43の図柄組み合わせによって、第1の当否判定が大当りか小当りか外れかが報知される。また、特別図柄41,42,43が全て揺れた状態で停止表示してから確定停止とならずに、再度、スクロール表示される場合もある。そのような確定停止されない特別図柄41,42,43の全停止は、単なる演出上の停止表示であり、確定停止された場合のみの特別図柄41,42,43の図柄組み合わせで、第1当否判定の判定結果が報知される。
特別図柄41,42,43の変動表示には、上記した態様以外に、例えば、特別図柄41,42,43がそれぞれ1つずつ揺れた状態で表示画面13Gに表示されて、それらの図柄が変化していく態様や、小さな表示から徐々に大きくなって消え、次の図柄に切り替わる態様等も設けられている。
第1の判定報知演出では、これら特別図柄41,42,43の後方に背景映像が表示されている。背景映像は、通常状態(低確非時短状態)であるか、非通常状態(低確時短状態又は高確非時短状態又は高確時短状態)であるかによって異なっている。本実施形態では、例えば、通常状態の背景映像44Aは、図10(A)に示すように、草原や山奥の映像になっていて、非通常状態の背景映像44Bは、図10(B)に示すように、オリンピックが行われる競技場の映像になっている。
また、本実施形態では、大当り遊技が終了して高確時短状態に切り替わってから第1及び第2の当否判定の判定回数が予め定められた第3規定回数(例えば、100回)に到達するまでの背景映像は、上述した通常状態及び非通常状態の背景映像44A,44Bとは異なる特別背景映像45となっている。特別背景映像45は、高確時短状態に切り替わってから第1及び第2の当否判定の判定回数が1回目から50回目までの序盤ゾーンに使用される特別背景映像45Aと、51回目から90回目までの中盤ゾーンに使用される特別背景映像45Bと、91回目から100回目までの終盤ゾーンに使用される特別背景映像45Cとから構成されている。なお、本実施形態では、例えば、特別背景映像45Aは、陸上短距離、陸上長距離、及び、水泳短距離等の複数の競技から何れか1つの競技の競技場のスタートラインに、鳥類国の代表選手と1名と、人類国の代表選手が1名と、哺乳類国の代表選手が2名とが並んだ状態から競争競技が開始される背景となっていて、特別背景映像45Bは、画面に4選手の様子が表示される背景となっていて、特別背景映像45Cでは、鳥類国の代表選手がゴール直前の様子が表示される背景となっている。
第1の判定報知演出には、上述した特別図柄41,42,43の図柄組合わせと共に、遊技に登場するキャラクターが競争する映像を用いて判定結果を報知するリーチ映像が複数種類、設定されている。リーチ映像の一例としては、鳥類国に属する例えばペンギンが、トレーニングを行って、目標タイムをクリアするかどうかという内容となっている。具体的には、特別図柄41,42,43の先に停止表示された2つが同じ図柄であるリーチ状態にならないと、ペンギンがトレーニングを行ったものの、目標タイムをクリアできず、特別図柄41,42,43が確定停止して外れの図柄組み合わせが確定したときには、ペンギンがオリンピックに出場できないという結果になる。一方、リーチ状態になると、ペンギンがトレーニングの結果、目標タイムをクリアし、特別図柄41,42,43が確定停止して大当りの図柄組み合わせが確定したときには、オリンピックに出場できるという結果になっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、オリンピックの競技として陸上短距離、陸上長距離、及び、水泳短距離等の複数の競技が設定されていて、その何れの競技に出場するかをシナリオの選択によって遊技者が選択可能となっている。図12のシナリオデータテーブルに示すように、シナリオは、複数種類、設定され、各シナリオ毎に出場する競技と出場選手がそれぞれ設定されている。また、本実施形態では、遊技状態が例えば時短状態に移行する大当り遊技時(詳細には、大当り遊技時のエンディングのとき)に表示画面13Gにシナリオが選択可能となり、表示画面13Gにシナリオ選択映像46が表示されて、遊技者は何れかのシナリオを十字ボタン29B(図1参照)によって選択することができる。なお、本実施形態では、選択したシナリオによって、時短状態に移行後の当否判定で使用されるリーチ映像の種類が異なっている。
当否判定で大当りになり、大当り遊技が実行されている状態では、大当り演出映像が表示画面13Gに表示される。この大当り演出映像は、大当り遊技の実行中以外の場合に表示画面13Gに表示される映像とは明らかに異なり、例えば、鳥類口の複数の選手たちが登場してパレードを行っている映像になっている。また、小当り遊技の実行中は、小当り演出映像が表示画面13Gに表示される。小当り演出映像は、小当り遊技が大当り遊技に比べて極めて短いので、それに適した内容になっている。具体的には、小当り演出映像は、大当り遊技の実行中以外の場合に表示画面13Gに表示される映像の右下に、小当り遊技中に獲得される賞球の数を意味するポイント画像を重ねた映像になる。
<音演出について>
上述したい表示演出中は、各映像に対応した音楽がBGMとしてスピーカ10Sから流される。本実施形態では、BGMとして、図13(A)に示すように複数の楽曲が設定されている。これら楽曲には、どんな遊技状態でも選択可能な非連動楽曲と、背景映像の切り替わりに連動して切り替わる連動楽曲と、映像で主体又は主役となるキャラクター毎に設定され、キャラクターの切り替わりに連動して切り替わるキャラクター楽曲とに分けられている。
非連動楽曲は、遊技のテーマに沿った楽曲が複数曲、設定されている。連動楽曲は、背景映像毎に設定された楽曲となっていて、図13(B)に示すように、例えば、通常状態の背景映像44AにはNo.01の「通常BGM」、特別背景映像45AにはNo.2の「序盤ゾーンのテーマ曲」、特別背景映像45BにはNo.3の「中盤ゾーンのテーマ曲」、特別背景映像45CにはNo.4の「序盤ゾーンのテーマ曲」が対応している。また、連動楽曲は、これら複数の楽曲から表示画面13Gに表示されている背景映像に対応するものが適宜設定されるようになっていて、例えば、遊技状態が通常状態の場合には、「ゾーンのテーマ曲」として「通常BGM」が設定される。また、遊技状態が高確時短状態に移行したときには、「序盤ゾーンのテーマ曲」に切り替わり、序盤ゾーンから中盤ゾーンに切り替わると、自動で「中盤ゾーンのテーマ曲」に切り替わるようになっている。
キャラクター楽曲は、第1の判定報知演出及びシナリオの主体又は主役となるキャラクター毎に設定された楽曲となっていて、図13(C)に示すように、例えば、主体又は主役となるキャラクターがペンギンの場合には、No.01の「ペンギンのテーマ曲」が対応し、主体又は主役がアヒルの場合にはNo.02の「アヒルのテーマ曲」が対応している。また、キャラクター楽曲は、第1の判定報知演出及びシナリオの主体又は主役となるキャラクターが変更された場合(具体的には、シナリオ選択によって、選択前と選択後の主体又は主役となるキャラクターが変更になった場合)に、変更後のキャラクターに対応する楽曲が自動で設定されるようになっている。
なお、本実施形態のキャラクター楽曲は、背景映像毎に切り替わらない構成となっていて、高確時短状態の序盤ゾーン中にキャラクター楽曲(No.7 キャラクターテーマ曲)がBGMとして選択された場合には、遊技が進行し、中盤ゾーン及び終盤ゾーンに切り替わっても同一の楽曲が流れるようになっているが、例えば、各キャラクターに背景映像毎の楽曲が設定され、背景映像の切り替わりに連動して楽曲が切り替わる構成であってもよい。
また、本実施形態では、図14に示すように、上述したように非連動楽曲は、遊技状態に関係なく常時選択可能である一方、連動楽曲(図14における「No.06 ゾーンのテーマ曲」)は、低確非時短状態及び高確時短状態でのみ選択可能となり、キャラクター楽曲(図14における「No.07 キャラクターのテーマ曲」)は高確時短状態でのみ選択可能な楽曲となっている。
図10(A)に示すように、表示画面13Gの上部には、出力される音の音量を示す音量表示部47と、流している楽曲の名称を示す楽曲表示部48とが表示されている。遊技者は、十字ボタン29Bを上下に押圧操作することで、音量表示部47又は楽曲表示部48を選択することができ、音量表示部47又は楽曲表示部48を選択した状態で十字ボタン29Bを右左に押圧操作することで、音量又は楽曲を変更することが可能となっている。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、客待ち状態や楽曲が選択されていない状態では、デフォルト曲として非連動楽曲の「No.01 〇〇〇」が設定されている。
ところで、選択可能な楽曲は遊技状態によって異なるが、その遊技状態は大当り遊技を境にして切り替わるようになっている。また、映像の主体又や主役となるキャラクターは時短状態に移行する大当り遊技の終了時に変更される構成となっていて、キャラクターについても大当り遊技を境にして切り替わるようになっている。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図14に示すように、大当り遊技中は、遊技状態やキャラクターに連動する連動楽曲及びキャラクター楽曲を選択できないようにして、非連動楽曲のみを選択可能としている。そして、大当り遊技前に非連動楽曲以外の楽曲が選択されている場合には、大当り遊技時に非連動楽曲の楽曲に切り替えるように制御している。
具体的には、図15(A)に示すように、大当り遊技前に非連動楽曲(例えば、「No.02 △△」)が選択されている場合には、大当り遊技開始後も大当り遊技前に選択されていた非連動楽曲が継続して流される。一方、図15(B)に示すように、大当り遊技前に非連動楽曲以外の楽曲(例えば、「No.6 ゾーンのテーマ曲」)が選択されている場合には、大当り遊技の開始時に楽曲を非連動楽曲のデフォルト曲である「No.01 ○○○」に切り替えるようになっている。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10では、背景映像44A,44B及び特別背景映像45に対応する連動楽曲とキャラクターに対応するキャラクター楽曲が大当り遊技中に流れ続けることがないので、表示演出と音演出との不一致をなくすことができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技前に選択されていた楽曲が、大当り遊技終了後に再び再生されるように遊技者が選択した楽曲を記憶する機能が備えられている。具体的には、図15(B)に示すように、大当り遊技前に遊技者が選択した楽曲(例えば、「No.6 ゾーンのテーマ曲」)を内部情報として記憶し、大当り遊技終了後にこの内部情報を展開して大当り遊技前に選択されていた楽曲が再生されるようになっている。これにより、遊技者が大当り遊技後に、再度、楽曲を選択する操作を行う必要がない。
図16(A)に示すように、例えば、通常状態において非連動楽曲の「No.03 □□」が選択され、その後、遊技状態が非通常状態(高確時短状態)に昇格した後、通常状態に降格した場合、非連動楽曲が故に遊技状態が切り替わっても同じ楽曲が流れ続けてしまう。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が非通常状態(高確時短状態又は高確非時短状態又は低確時短状態)から通常状態(低確非時短状態)に降格した場合には、強制的に楽曲を「No.06 ゾーンのテーマ曲」に切り替えて、背景映像44Aに対する「通常BGM」が流れるように設定されている。これにより、BGMによって遊技状態が通常状態に戻ったことを遊技者に報知することが可能となっている。
なお、本実施形態では、楽曲が切り替わる場合には、楽曲を頭からかけ直す構成となっているが、例えば、以前、再生していたときの続きから再生する構成であってもよい。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、自ら楽曲を選択する遊技者には、上述したように、その遊技者の好みに合わせて選択した楽曲を流す「選択モード」が採用されていたが、楽曲選択を行わない遊技者には、機械側で自動で楽曲を切り替えて流す自動モードが採用されている。
本実施形態では、遊技を開始してから予め定められた条件が成立した場合に、自動モードに設定が変更され、遊技の進行状況に応じて楽曲が切り替わるようになっている。具体的には、本実施形態では、遊技を開始してから所定時間が経過し且つ十字ボタン29B(図1参照)の操作信号を検出しない場合、又は、第1及び第2の当否判定の回数が規定回数に到達した場合、又は、各入賞口14,15,16,20,21等の入賞により払い出された賞球が規定数に到達した場合の何れかが成立したときに、選択モードから自動モードに切り替えられる。そして、その条件を満たしたタイミングから賞球が規定数に到達する度に楽曲を切り替える構成となっている。
また、自動モードでは、遊技状態に適した楽曲が流れるように設定されており、特定の遊技状態(詳細には、高確時短状態)でのみ選択が可能となる連動楽曲及びキャラクター楽曲についてはその特定の遊技状態のときに再生され、それ以外の遊技状態では非連動楽曲が再生されるように設定されている。具体的には、高確時短状態以外の遊技状態では、図14に示すNo.1~No.5の楽曲が再生され、No.1がデフォルト曲となっていて、その後、No.2、No.3の順で切り替わり、No.5まで再生されると、No.1に戻って再生される。一方、高確時短状態では、No.6及びNo.7の楽曲が再生され、No.6がデフォルト曲として設定され、No.7と交互に再生されるようになっている。
上記構成により、自動モードでは、例えば、図16(B)に示すように、遊技を開始してから所定時間が経過し且つ十字ボタン29B(図1参照)の操作信号を検出しない場合、又は、第1及び第2の当否判定の回数が規定回数に到達した場合、又は、賞球が規定数に到達した場合の何れかが成立した場合には、楽曲をデフォルト曲(No.1)からNo.2に自動で切り替えられる。また、図16(C)に示すように、低確非時短状態において大当りを引き当て、大当り遊技後の遊技状態が高確時短状態に移行する場合には、低確非時短状態で非連動楽曲(No.02)が流れていたのが、高確時短状態に移行すると、高確時短状態のデフォルト曲である連動楽曲(No.6)が流れるようになっている。このように遊技の進行状況に応じて楽曲を自動的に切り替えることでBGMによって遊技を盛り上げることが可能となる。
なお、本実施形態では、自動モードに切り替わる条件として上記3つの場合を例示したが、上記3つの場合の何れか1つのみであってもよいし、上記条件に限るものではない。また、自動モード中に楽曲を切り替える条件として、自動モードに切り替わってから賞球数が規定数に到達する度に切り替わる構成を例示したが、規定数としては、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機10の大当り遊技の最大賞球数となる1500球が挙げられる。また、切り替えのタイミングは、大当り遊技を境にして切り替える構成であってもよいし、大当り遊技で獲得する賞球数又はポイントが予め設定された基準賞球数又は基準ポイント数に到達した場合に変更する構成であってもよい。さらに、例えば、高確非時短状態では、小当りとなった回数が規定回数に到達する度に変更する構成であってもよいし、それら複数回の小当り遊技により獲得とした総獲得賞球数又は総獲得ポイントが基準賞球数又は基準ポイント数より多くなったときに変更する構成であってもよい。なお、賞球数又はポイント数は、理論値であってもよいし、実際に遊技者が獲得した値であってもよい。
なお、本実施形態では、自動モード中に、楽曲を変更する操作信号を検出した場合には、選択モードに切り替えて遊技者が能動的に選択した楽曲を流すようになっている。また、選択モードになってから所定時間、楽曲を変更する操作信号を検出しない場合にも、自動モードに切り替える設定としてもよい。
図17には、本実施形態のパチンコ遊技機10の主制御部50が示されている。この主制御部50は、各入賞口14,15,16の入賞に基づく検出信号を受け取り、その検出信号に基づいて乱数生成部50Aにて生成された乱数値を取得する。そして、その乱数値から当否判定、大当り種別、判定報知演出の種類等の情報を取得して、表示演出及び音演出に関する情報を演出制御部51に出力する。また、主制御部50は、各入賞口14,15,16,20,21からの検出信号に基づいて払出制御回路60に信号を出力し、払出装置61を作動させて所定数の賞球を上側球貯留部26に払い出す。さらに、主制御部50は、図示しない各種カウンタやタイマを備えている。
演出制御部51は、取得した情報に基づいて演出処理プログラムを実行する。そして、、当否判定、大当り種別、判定報知演出の種類等の情報に基づいて表示演出データテーブル52及び楽曲データテーブル53からデータを取得して、表示装置13及びスピーカ10Sに出力する。また、演出制御部51は、賞球数又はポイント数、遊技を開始してからの時間、第1及び第2の当否判定の判定回数、遊技状態等の情報を定期的に主制御部50から取得すると共に、演出用操作ボタン29A及び十字ボタン29Bからの検出信号を受信して、これらの情報を取得する度に演算処理プログラムを実行し、表示演出及び音演出を制御する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10における表示装置13、スピーカ10S、十字ボタン29Bが特許請求の範囲の「映像提供手段」、「音楽提供手段」、「楽曲選択手段」に相当する。また、実施形態における第1及び第2の当否判定権が成立することが特許請求の範囲の「第1当否判定条件」に相当し、大入賞口20が特許請求の範囲の「第1可変入賞口」に相当する。さらに、実施形態における背景映像44A,44B,45が特許請求の範囲の「シーン」に相当し、シナリオ選択映像46が特許請求の範囲の「映像選択手段」に相当する。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の作用効果について説明する。遊技が開始されて表示画面13Gにて第1の判定報知演出が実行されると、映像に合わせてスピーカ10SからBGMが流れる。本実施形態では、このBGMとして複数の楽曲が設定され、遊技者は十字ボタン29Bによって楽曲を選択することができる。そして、その選択可能な楽曲には、シーンの切り替わりに連動する連動楽曲と、シーンの切り替わりに連動しない非連動楽曲と、映像の主体又は主役となっているキャラクター専用のキャラクター楽曲とが含まれているので、従来より趣向性の高い遊技機を提供することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、自ら楽曲を選択する遊技者には、その遊技者の好みに合わせて選択した楽曲を流す「選択モード」が採用され、楽曲選択を行わない遊技者には、機械側で自動で楽曲を切り替えて流す自動モードが採用されている。
遊技者が自ら楽曲を選択する選択モードのときには、遊技者が能動的に選択した楽曲が流される。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後に、映像の主体又は主役となるキャラクターを選択できるシナリオ選択映像46が表示され、大当り遊技を境にして映像の主体又は主役となるキャラクターが変更されることがあり、そのような場合に、表示演出(映像)と音演出(BGM)と不一致が起こり得る。そこで、本実施形態では、大当り遊技前に連動楽曲又はキャラクター楽曲が選択されている場合には、大当り遊技時に予め定められた非連動楽曲に切り替えられるので、映像と楽曲との間のズレをなくすことが可能となっている。また、大当り遊技前に連動楽曲又はキャラクター楽曲が選択され、大当り遊技時に非連動楽曲に切り替えられた場合には、大当り遊技後に、大当り遊技前に選択されていた楽曲が流れるようになっているので、大当り遊技を挟んで楽曲を選択し直す必要がない。
さらに、遊技者が非連動楽曲を選択している場合には、遊技状態が非通常状態から通常状態に切り替わっても同じ楽曲が流れ続けてしまうが、本実施形態では、非通常状態から通常状態に切り替わったときには、強制的に通常状態用に設定された楽曲に切り替えるので、遊技状態が通常状態に切り替わったことをBGMによって知らせることができる。
また、機械側で自動で楽曲を切り替える自動モードのときには、楽曲の切り替えを遊技の進行状況に応じて切り替えるので、BGMによって遊技を盛り上げることができ、BGMによる趣向性の向上が可能となっている。具体的には、本実施形態では、獲得した賞球又はポイントが予め定められた基準に到達したとき及び獲得した賞球又はポイントが予め定められた一定球数又は一定ポイントに到達する毎に楽曲を切り替えるので、BGMによって遊技者に達成感を味合わせることが可能となる。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、大当り遊技中は、非連動楽曲のみ選択可能となっていたが、例えば、大当り遊技中のみ選択可能な楽曲が設定されていてもよい。
(2)上記実施形態では、大当り遊技の種類に関係なく、大当り遊技中は連動楽曲及びキャラクター楽曲が選択できない構成となっていたが、特定の大当り遊技の場合にのみ連動楽曲及びキャラクター楽曲が選択可能となる構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、非通常状態から通常状態に戻ったときに、強制的に楽曲を「通常BGM」に切り替えていたが、切り替えない構成としてもよい。
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
<付記>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
[発明1]
遊技を演出するための映像を映す映像提供手段と、
遊技を演出するための又はBGMとしての音楽を流す音楽提供手段と、
前記音楽提供手段に流させる音楽を複数の楽曲から遊技者が選択するための楽曲選択手段と、を備え、
前記映像には、互いに異なるキャラクターが主体又は主役となる複数種類が設けられて、それらの何れかが前記映像提供手段によって映されると共に、各種類の映像は、複数のシーンに切り替わって進行するように構成され、
前記楽曲選択手段により選択可能な楽曲には、前記シーンの切り替わりに連動して切り替わる複数の曲を含んだ連動楽曲と、前記シーンの切り替わりに連動して切り替わらない非連動楽曲と、前記映像の主体又は主役となっている前記キャラクター専用のキャラクター楽曲と、が含まれている遊技機。
発明1によれば、遊技を演出するための又はBGMとして複数の楽曲が設定され、それら複数の楽曲から遊技者が楽曲選択手段により選択可能となっている。また、複数の楽曲は、シーンの切り替わりに連動する連動楽曲と、シーンの切り替わりに連動しない非連動楽曲と、映像の主体又は主役となっているキャラクター専用のキャラクター楽曲とが含まれているので、従来より趣向性の高い遊技機を提供することが可能となる。
[発明2]
前記遊技は、遊技領域に遊技球を打ち込み、第1当否判定条件が成立すると、それに起因して第1当否判定が行われ、その判定結果を報知する判定報知演出で大当りが確定すると、通常は遊技球の入賞困難な第1可変入賞口が通常より入賞容易になる大当り遊技が行われる遊技であり、
前記大当り遊技の終了後に、映像の主体又は主役となるキャラクターが変更され、
前記大当り遊技前に前記連動楽曲又は前記キャラクター楽曲が選択されている場合には、前記大当り遊技が行われるときに予め定められた前記非連動楽曲に切り替える発明1に記載の遊技機。
発明2によれば、映像と楽曲との間のズレをなくすことが可能となる。
[発明3]
前記大当り遊技の終盤に、その大当り遊技後に映される映像の種類を遊技者が選択するための映像選択手段が備えられ、その選択対象である複数種類の映像の主体又は主役となるキャラクターが異なる発明2に記載の遊技機。
発明3によれば、映像の種類によってその映像の主体又は主役が異なるので、遊技者を飽きさせ難くすることが可能となる。
[発明4]
前記音楽提供手段は、前記大当り遊技の実行前に前記楽曲選択手段により前記非連動楽曲以外が選択されていた場合には、前記大当り遊技の終了後にその選択されていた楽曲を流す発明3に記載の遊技機。
発明4によれば、大当り遊技を挟んで楽曲を選択し直す必要がない。
[発明5]
前記遊技は、遊技領域に遊技球を打ち込み、第1当否判定条件の成立すると、それに起因して第1当否判定が行われ、その判定結果を報知する判定報知演出で大当りが確定すると、通常は遊技球の入賞困難な第1可変入賞口が通常より入賞容易になる大当りの遊技が行われる遊技であり、
遊技状態には、前記大当りになる確率が低くかつ前記第1当否判定条件が成立し難い低確低アシスト状態と、前記低確低アシスト状態に比べて遊技者に有利な遊技状態とが含まれて、前記大当りに起因して前記遊技状態が切り替わるように構成され、
前記音楽提供手段は、前記遊技状態が、前記低確低アシスト状態に比べて遊技者に有利な遊技状態から前記低確低アシスト状態になったときには、前記低確低アシスト状態用に予め設定された楽曲を流す発明1から発明4の何れか1に記載の遊技機。
発明5によれば、楽曲の切り替わりによって遊技者に遊技状態が低確低アシスト状態に切り替わったことを知らせることが可能となる。
[発明6]
遊技を演出するための映像を映す映像提供手段と、
遊技を演出するための又はBGMとしての音楽を流す音楽提供手段と、
前記音楽提供手段に流させる音楽を複数の楽曲から遊技者が選択するための楽曲選択手段と、を備え、
前記映像には、互いに異なるキャラクターが主体又は主役となる複数種類が設けられて、それらの何れかが前記映像提供手段によって映されると共に、各種類の映像は、複数のシーンに切り替わって進行するように構成され、
前記楽曲選択手段により選択可能な楽曲には、前記シーンの切り替わりに連動して切り替わる複数の曲を含んだ連動楽曲と、前記映像の主体又は主役となっている前記キャラクター専用のキャラクター楽曲と、が含まれている遊技機。
発明6によれば、遊技を演出するための又はBGMとして複数の楽曲が設定され、それら複数の楽曲から遊技者が楽曲選択手段により選択可能となっている。また、複数の楽曲は、シーンの切り替わりに連動する連動楽曲と、映像の主体又は主役となっているキャラクター専用のキャラクター楽曲とが含まれているので、従来より趣向性の高い遊技機を提供することが可能となる。
[発明7]
遊技を行うときに流す楽曲を遊技者が選択するための楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段にて楽曲が選択されている場合に、選択された楽曲を流し続け、前記楽曲選択手段にて楽曲が選択されていない場合に、自動的に曲を流しかつ遊技の進行状況に応じて流す曲を変更する音制御手段と、を備える遊技機。
発明7によれば、楽曲を遊技者が選択可能とし、自ら楽曲を選択する遊技者には、その遊技者の好みに合わせて選択した楽曲を流し、楽曲選択を行わない遊技者には、機械側で自動で楽曲を切り替えて流す。また、その楽曲の切り替えを遊技の進行状況に応じて切り替えるので、BGMによって遊技を盛り上げることができ、BGMによる趣向性の向上が可能となる。
[発明8]
前記遊技は、遊技領域に遊技球を打ち込んで流下させ、前記遊技領域に設けられた入賞口に前記遊技領域が入賞すると賞球又はポイントを獲得することができる遊技であり、
前記音制御手段は、獲得した賞球又はポイントが予め定められた基準に到達することに起因して流す曲を変更する発明7に記載の遊技機。
[発明9]
前記音制御手段は、獲得した賞球又はポイントが予め定められた一定球数又は一定ポイントに到達する毎に起因して流す曲を変更する発明8に記載の遊技機。
[発明10]
前記遊技は、遊技領域に遊技球を打ち込み、第1当否判定条件が成立すると、それに起因して第1当否判定が行われ、その判定結果を報知する判定報知演出で大当りが確定すると、通常は遊技球の入賞困難な第1可変入賞口が通常より入賞容易になる大当り遊技が行われる遊技であり、
遊技状態には、前記大当りになる確率が低くかつ前記第1当否判定条件が成立し難い低確低アシスト状態と、前記大当りになる確率が低くかつ前記第1当否判定条件が成立し易い低確高アシスト状態と、前記大当りになる確率が高くかつ前記第1当否判定条件が成立し難い高確低アシスト状態と、前記大当りになる確率が高くかつ前記第1当否判定条件が成立し易い高確高アシスト状態と、のうちの少なくとも2つが含まれて、前記大当りに起因して前記遊技状態が切り替わるように構成され、
前記音制御手段は、前記楽曲選択手段にて楽曲が選択されている場合に、前記遊技状態が切り替わっても選択された楽曲を流し続け、前記楽曲選択手段にて楽曲が選択されていない場合に、前記遊技状態が切り替わったことに起因して流す曲を変更する発明7から発明9の何れか1に記載の遊技機。
楽曲を変更するタイミングは、入賞口の入賞に基づく当否判定の回数が基準に到達したタイミングであってもよいし、遊技状態の切り替わるタイミングであってもよいし(発明10の構成)、獲得した賞球又はポイントが基準に到達したタイミングであってもよいし(発明8の構成)。また、獲得した賞球又はポイントに起因して楽曲を変更する場合には、獲得した賞球又はポイントが一定数に到達する度に楽曲を変更することで(発明9の構成)、BGMによって遊技者に達成感を味合わせることが可能となる。
[発明11]
遊技を行うときに流す楽曲を遊技者が選択するための楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段にて楽曲が選択されていない場合に、自動的に曲を流しかつ遊技の進行状況に応じて流す曲を変更する音制御手段と、を備える遊技機。
発明11によれば、楽曲選択を行わない遊技者には、機械側で自動で楽曲を切り替えて流す。そして、その楽曲の切り替えを遊技の進行状況に応じて切り替えるので、BGMによって遊技を盛り上げることができ、BGMによる趣向性の向上が可能となる。