JP2022099502A - スイッチング装置、絶縁型dc/dcコンバータ及びac/dcコンバータ - Google Patents
スイッチング装置、絶縁型dc/dcコンバータ及びac/dcコンバータ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】アバランシェ降伏を利用して安全にサージを吸収する。【解決手段】フライバック方式のAC/DCコンバータにおけるトランスの一次側巻線に対しトランジスタ(M1)が直列接続される。スイッチング制御信号(SET、RST)に基づき、トランジスタのゲートに対する駆動信号(DRV)が生成される。駆動信号のレベルがハイレベル、ローレベルであるとき、夫々、トランジスタはオン状態、オフ状態となる。駆動信号のハイレベルからローレベルへの切り替わりタイミングに相当する基準タイミング(RSTのアップエッジタイミング)より所定の判定時間が経過したタイミングにおいてトランジスタのドレイン電流(ID)が所定の判定電流よりも高いとき、その後、所定の強制オフ時間分、スイッチング制御信号に依らず、トランジスタをオフ状態に維持する保護動作を実行する。【選択図】図7
Description
本開示は、スイッチング装置、絶縁型DC/DCコンバータ及びAC/DCコンバータに関する。
フライバック方式のAC/DCコンバータ等においては、コイルに対しスイッチングトランジスタが直列接続され、スイッチングトランジスタが交互にオン、オフされる。このような構成において、スイッチングトランジスタがターンオフされる際、コイルの蓄積エネルギに基づく非常に高いサージ電圧がスイッチングトランジスタの端子(コイルに接続される側の端子であって、例えばドレイン)に加わることがある。
上記サージ電圧に対しスイッチングトランジスタの耐圧を高める対応も可能であるが、耐圧の増大はコストアップに繋がる。そこで、アバランシェ降伏を利用してサージを吸収することが検討される。但し、アバランシェ降伏を不適切に発生させるとスイッチングトランジスタの破損等を招く。
本開示は、トランジスタの耐圧増大を必要せずにサージを適切に吸収可能なスイッチング装置、絶縁型DC/DCコンバータ及びAC/DCコンバータを提供することを目的とする。
本開示に係るスイッチング装置は、コイルに直列接続され、ゲートの信号レベルが第1レベルであるときにオン状態となり且つゲートの信号レベルが第2レベルであるときにオフ状態となるトランジスタと、スイッチング制御信号を生成するスイッチング制御部と、前記スイッチング制御信号に基づき、前記トランジスタのゲートに前記第1レベル、前記第2レベルの駆動信号を交互に供給することで前記トランジスタをスイッチング駆動するスイッチング駆動部と、前記トランジスタに流れる電流が所定の判定電流より大きい特定状態を検出する特定状態検出部と、前記駆動信号のレベルの前記第1レベルから前記第2レベルへの切り替わりタイミングに相当する基準タイミングより所定の判定時間が経過したタイミングにおいて前記特定状態が検出されたとき、保護動作を実行する保護制御部と、を備え、前記保護制御部は、前記保護動作において、前記スイッチング駆動部を制御することで、前記スイッチング制御信号に依らず、所定の強制オフ時間分、前記トランジスタをオフ状態に維持させる構成(第1の構成)である。
上記第1の構成に係るスイッチング装置において、前記スイッチング制御信号は、前記駆動信号のレベルを前記第2レベルから前記第1レベルに切り替えることを指示するセット信号と、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルから前記第2レベルに切り替えることを指示するリセット信号と、を含み、前記スイッチング制御部は、前記セット信号と前記リセット信号を交互に前記スイッチング駆動部に出力し、前記スイッチング駆動部は、前記保護動作が実行されていないとき、前記セット信号に応答して前記駆動信号のレベルを前記第2レベルから前記第1レベルに切り替え且つ前記リセット信号に応答して前記駆動信号のレベルを前記第1レベルから前記第2レベルに切り替え、前記保護動作が実行されているとき、前記保護制御部の制御の下、前記セット信号を受けても、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルに切り替えずに前記第2レベルに維持する構成(第2の構成)であっても良い。
上記第2の構成に係るスイッチング装置において、前記保護制御部は、前記基準タイミングより前記判定時間の経過後に第1トリガを発生させる第1トリガ発生部と、前記第1トリガの発生タイミングにおいて前記特定状態が検出されているときに限り第2トリガを発生させる第2トリガ発生部と、前記第2トリガの発生タイミングから前記強制オフ時間が経過するまで所定の強制オフ信号を前記スイッチング駆動部に出力する強制オフ信号出力部と、を備え、前記スイッチング駆動部は、前記強制オフ信号を受けている期間、前記セット信号を受けても、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルに切り替えずに前記第2レベルに維持する構成(第3の構成)であっても良い。
上記第2又は第3の構成に係るスイッチング装置において、前記基準タイミングは、前記スイッチング制御部からの前記リセット信号の出力タイミングと一致する構成(第4の構成)であっても良い。
上記第1~第3の構成の何れかに係るスイッチング装置において、前記基準タイミングは、前記駆動信号のレベルの前記第1レベルから前記第2レベルへの切り替わりタイミングと一致する構成(第5の構成)であっても良い。
上記第1~第5の構成の何れかに係るスイッチング装置において、前記トランジスタはMOSFETであり、前記基準タイミングより前記判定時間が経過したタイミングにおいて前記特定状態が検出されたとき、前記保護制御部は、前記トランジスタにアバランシェ降伏による電流が流れたと推定して前記保護動作を実行する構成(第6の構成)であっても良い。
本開示に係る絶縁型DC/DCコンバータは、互いに絶縁された一次側巻線及び二次側巻線を有する電力用トランスを用いて、一次側における一次側電圧から二次側における二次側電圧を生成する絶縁型DC/DCコンバータであって、上記第1~第6の構成の何れかに係るスイッチング装置を備え、前記コイルは前記一次側巻線であり、前記トランジスタは前記一次側巻線に対して直列に接続される構成(第7の構成)である。
本開示に係るAC/DCコンバータは、交流電圧を全波整流する整流回路と、全波整流された電圧を平滑化することで直流電圧を生成する平滑コンデンサと、前記直流電圧としての一次側電圧から直流の二次側電圧を出力電圧として生成する、上記第7の構成に係る絶縁型DC/DCコンバータと、を備えた構成(第8の構成)である。
本開示によれば、トランジスタの耐圧増大を必要せずにサージを適切に吸収可能なスイッチング装置、絶縁型DC/DCコンバータ及びAC/DCコンバータを提供することが可能となる。
以下、本開示の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、素子又は部位等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、素子又は部位等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“M1”によって参照されるスイッチングトランジスタは(図2参照)、スイッチングトランジスタM1と表記されることもあるし、トランジスタM1と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
まず、本開示の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。レベルとは電位のレベルを指し、任意の注目した信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。任意の注目した信号又は電圧について、信号又は電圧がハイレベルにあるとは信号又は電圧のレベルがハイレベルにあることを意味し、信号又は電圧がローレベルにあるとは信号又は電圧のレベルがローレベルにあることを意味する。信号についてのレベルは信号レベルと表現されることがあり、電圧についてのレベルは電圧レベルと表現されることがある。任意の注目した信号について、当該信号がハイレベルであるとき、当該信号の反転信号はローレベルをとり、当該信号がローレベルであるとき、当該信号の反転信号はハイレベルをとる。任意の注目した信号又は電圧において、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをアップエッジ(或いはライジングエッジ)と称し、ローレベルからハイレベルへの切り替わりのタイミングをアップエッジタイミング(或いはライジングエッジタイミング)と称する。同様に、任意の注目した信号又は電圧において、ハイレベルからローレベルへの切り替わりをダウンエッジ(或いはフォーリングエッジ)と称し、ハイレベルからローレベルへの切り替わりのタイミングをダウンエッジタイミング(或いはフォーリングエッジタイミング)と称する。
MOSFETを含むFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通している状態を指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通となっている状態(遮断状態)を指す。FETに分類されないトランジスタについても同様である。MOSFETは、特に記述無き限り、エンハンスメント型のMOSFETであると解される。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。
以下、任意のトランジスタについて、オン状態、オフ状態を、単に、オン、オフと表現することもある。任意のトランジスタについて、オフ状態からオン状態への切り替わりをターンオンと表現し、オン状態からオフ状態への切り替わりをターンオフと表現する。また、任意のトランジスタについて、トランジスタがオン状態となっている期間をオン期間と称することがあり、トランジスタがオフ状態となっている期間をオフ期間と称することがある。ハイレベル又はローレベルの信号レベルをとる任意の信号について、当該信号のレベルがハイレベルとなる期間をハイレベル期間と称し、当該信号のレベルがローレベルとなる期間をローレベル期間と称する。ハイレベル又はローレベルの電圧レベルをとる任意の電圧についても同様である。
<<第1実施形態>>
本開示の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係るAC/DCコンバータ1の全体構成図である。AC/DCコンバータ1は、フィルタ2と、整流回路3と、絶縁型DC/DCコンバータ4であるDC/DCコンバータ4と、平滑コンデンサC1と、出力コンデンサC2と、を備える。出力コンデンサC2はDC/DCコンバータ4の構成要素に含まれると解しても構わない。詳細は後述の説明から明らかとなるが、AC/DCコンバータ1では、一次側電圧VPからトランスを用いスイッチング方式にて二次側電圧VSを生成する。
本開示の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係るAC/DCコンバータ1の全体構成図である。AC/DCコンバータ1は、フィルタ2と、整流回路3と、絶縁型DC/DCコンバータ4であるDC/DCコンバータ4と、平滑コンデンサC1と、出力コンデンサC2と、を備える。出力コンデンサC2はDC/DCコンバータ4の構成要素に含まれると解しても構わない。詳細は後述の説明から明らかとなるが、AC/DCコンバータ1では、一次側電圧VPからトランスを用いスイッチング方式にて二次側電圧VSを生成する。
AC/DCコンバータ1は、AC/DCコンバータ1の一次側に配置された一次側回路とAC/DCコンバータ1の二次側に配置された二次側回路とから成り、一次側回路と二次側回路とは互いに電気的に絶縁される。本明細書において、絶縁とは直流の信号及び電力の伝達が遮断されていることを意味する。フィルタ2、整流回路3及び平滑コンデンサC1は一次側回路に配置され、出力コンデンサC2は二次側回路に配置される。DC/DCコンバータ4は一次側回路と二次側回路に亘って配置される。尚、DC/DCコンバータ4に注目した場合、上記一次側回路は、DC/DCコンバータ4を構成する回路の内の一次側に配置された回路であって、且つ、上記二次側回路は、DC/DCコンバータ4を構成する回路の内の二次側に配置された回路である、と解しても良い。
一次側回路におけるグランドは“GND1”にて参照され、二次側回路におけるグランドは“GND2”にて参照される。一次側電圧VPを含む、一次側回路における任意の電圧又は信号は、グランドGND1を基準とする電圧又は信号であって、グランドGND1から見た電位を有する。二次側電圧VSを含む、二次側回路における任意の電圧又は信号は、グランドGND2を基準とする電圧又は信号であって、グランドGND2から見た電位を有する。一次側回路及び二次側回路の夫々において、グランドは0V(ゼロボルト)の基準電位を有する基準導電部(所定電位点)を指す又は基準電位そのものを指す。但し、グランドGND1とグランドGND2は互いに絶縁されているため、互いに異なる電位を有し得る。基準導電部は金属等の導体にて形成される。一次側回路に設けられ且つ電源電圧を要する任意の回路(論理素子、コンパレータ、タイマ等)は一次側電圧VPに基づく電圧を電源電圧として用いて駆動し、二次側回路に設けられ且つ電源電圧を要する任意の回路は二次側電圧VSに基づく電圧を電源電圧として用いて駆動する。
フィルタ2は、AC/DCコンバータ1に入力された交流電圧VACのノイズを除去する。交流電圧VACは商用交流電圧であって良い。整流回路3は、フィルタ2を通じて供給された交流電圧VACを全波整流するダイオードブリッジ回路である。平滑コンデンサC1は全波整流された電圧を平滑化することで直流電圧を生成する。平滑コンデンサC1にて生成された直流電圧は一次側電圧VPとして機能する。一次側電圧VPは一対の入力端子TM1H及びTM1L間に加わる。詳細には、平滑コンデンサC1の低電位側の端子はグランドGND1に接続されると共に入力端子TM1Lに接続され、平滑コンデンサC1の高電位側の端子は入力端子TM1Hに接続される。そして、入力端子TM1Lにおける電位を基準に入力端子TM1Hに一次側電圧VPが加わる。
DC/DCコンバータ4は、一次側電圧VPをスイッチング方式にて電力変換(直流-直流変換)することで、所定の目標電圧VTGにて安定化された二次側電圧VSを生成する。二次側電圧VSはAC/DCコンバータ1の出力電圧に相当し、一対の出力端子TM2H及びTM2L間に加わる。詳細には、出力コンデンサC2の低電位側の端子はグランドGND2に接続されると共に出力端子TM2Lに接続され、出力コンデンサC2の高電位側の端子は出力端子TM2Hに接続される。そして、出力端子TM2Lにおける電位を基準に出力端子TM2Hに二次側電圧VSが加わる。一対の入力端子TM1H及びTM1LはDC/DCコンバータ4における入力端子対に相当すると考えて良く、一対の出力端子TM2H及びTM2LはAC/DCコンバータ1又はDC/DCコンバータ4における出力端子対に相当すると考えて良い。
図1には負荷LDも示されている。負荷LDは、AC/DCコンバータ1の負荷であると考えることもできるし、DC/DCコンバータ4に注目すればDC/DCコンバータ4の負荷であると考えることもできる。負荷LDは、一対の出力端子TM2H及びTM2Lに接続され、二次側電圧VSに基づき駆動する任意の負荷である。例えば、負荷LDは、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)、電源回路、照明機器、アナログ回路又はデジタル回路である。
図2に、AC/DCコンバータ1に設けられるDC/DCコンバータ4の内部構成例を示す。DC/DCコンバータ4は、一次側巻線W1及び二次側巻線W2を有する電力用トランスであるトランスTRを備える。図2のDC/DCコンバータ4が採用されたAC/DCコンバータ1はフライバック方式のAC/DCコンバータであり、トランスTRにおいて、一次側巻線W1と二次側巻線W2とは電気的に絶縁されつつ互いに逆極性にて磁気結合されている。
DC/DCコンバータ4の一次側回路(換言すればAC/DCコンバータ1の一次側回路)には、一次側巻線W1に加えて、一次側制御回路10と、一次側電源回路11と、スナバ回路12と、平滑コンデンサC1と、スイッチング素子の例としてのスイッチングトランジスタM1と、センス抵抗RCSと、が設けられる。DC/DCコンバータ4に注目した場合、平滑コンデンサC1は入力コンデンサC1とも称される。上述したように、入力端子TM1L及びTM1H間に入力コンデンサC1が設けられ、入力コンデンサC1の両端子間に一次側電圧VPが加わる。
スイッチングトランジスタM1はNチャネル型のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)として構成されている。一次側巻線W1の一端は入力端子TM1Hに接続されて直流の一次側電圧VPを受ける。一次側巻線W1の他端はスイッチングトランジスタM1のドレインに接続され、スイッチングトランジスタM1のソースはセンス抵抗RCSを介してグランドGND1に接続される。一次側電源回路11は、一次側電圧VPを直流―直流変換することで所望の電圧値を有する電源電圧VCCを生成して一次側制御回路10に供給する。一次側制御回路10は、グランドGND1に接続され、グランドGND1の電位を基準に電源電圧(駆動電圧)VCCに基づいて駆動する。
一次側制御回路10はスイッチングトランジスタM1のゲートに接続され、スイッチングトランジスタM1のゲートに駆動信号DRVを供給することでスイッチングトランジスタM1をスイッチング駆動する。駆動信号DRVは、信号レベルがローレベル及びハイレベル間で切り替わる矩形波状の信号である。トランジスタM1のゲートにローレベル、ハイレベルの信号が供給されているとき、トランジスタM1は、夫々、オフ状態、オン状態となる。スナバ回路12は一次側巻線W1に並列接続され、トランジスタM1のターンオフ時にトランジスタM1のドレインに生じうる過渡的な高電圧を吸収する。
一次側回路において、トランジスタM1のドレイン電流(トランジスタM1のドレイン及びソース間に流れる電流)を、記号IDにて参照する。また、センス抵抗RCSの両端間に生じる電圧(即ちセンス抵抗RCSでの電圧降下)を電流センス電圧VCSと称する。電流センス電圧VCSは、グランドGND1の電位を基準とする電圧であって、ドレイン電流IDに比例する(より詳細にはドレイン電流IDの瞬時値に比例する)電圧値を有する。電流センス電圧VCSは一次側制御回路10に伝達される。
DC/DCコンバータ4の二次側回路(換言すればAC/DCコンバータ1の二次側回路)には、二次側巻線W2に加えて、二次側制御回路20と、整流ダイオードD2と、分圧回路DIVと、出力コンデンサC2と、が設けられる。
二次側巻線W2の一端は整流ダイオードD2のアノードに接続され、整流ダイオードD2のカソードは出力端子TM2Hに接続される。二次側巻線W2の他端は出力端子TM2Lに接続される。上述したように、出力端子TM2L及びTM2H間に出力コンデンサC2が設けられ、出力コンデンサC2の両端子間に二次側電圧VSが加わる。分圧回路DIVは複数の分圧抵抗から成り、二次側電圧VSを分圧することで二次側電圧VSに応じたフィードバック電圧VFBを生成する。ここでは、分圧回路DIVは分圧抵抗Ra及びRbの直列回路から成り、分圧抵抗Raの一端が出力端子TM2Hに接続され、分圧抵抗Raの他端が分圧抵抗Rbを介してグランドGND2に接続されているものとする。そうすると、分圧抵抗Ra及びRb間の接続ノードには二次側電圧VSの分圧であるフィードバック電圧VFBが加わる。フィードバック電圧VFBは二次側制御回路20に伝達される。二次側制御回路20は、グランドGND2に接続され、グランドGND2を基準に二次側電圧VSを電源電圧(駆動電圧)として用いて駆動する。
DC/DCコンバータ4において、一次側回路と二次側回路とに亘って絶縁伝送回路30が設けられている。絶縁伝送回路30は、一次側制御回路10及び二次側制御回路20間の通信を実現するための回路である。絶縁伝送回路30を介した通信は絶縁形式の通信である(即ち一次側回路と二次側回路とを絶縁した状態での通信である)。本実施形態において、絶縁伝送回路30を介した通信は二次側制御回路20から一次側制御回路10への一方向通信である。但し、制御回路10及び20間で双方向通信が可能となるようDC/DCコンバータ4を構成しても良い。
このように構成されたDC/DCコンバータ4では、スイッチングトランジスタM1をスイッチングすることにより一次側電圧VPから二次側電圧VSを得ることができる。このスイッチングにより、スイッチングトランジスタM1は交互にオン、オフとされる。スイッチングトランジスタM1のオン期間において一次側巻線W1にエネルギが蓄積される。そして、蓄積されたエネルギがスイッチングトランジスタM1のオフ期間にて二次側巻線W2から放出されることにより(詳細には、上記蓄積されたエネルギに基づく電流がスイッチングトランジスタM1のオフ期間にて整流ダイオードD2を通じて流れることにより)出力コンデンサC2が充電されて二次側電圧VSが得られる。
尚、一次側電源回路11を設ける代わりに、トランスTRに補助巻線を設けておき、補助巻線を含んで構成される自己電源回路にて一次側制御回路10の電源電圧VCCが生成されるようにしても良い。
また、ここでは、ダイオード整流方式が採用されたDC/DCコンバータ4の構成を例に挙げたが、DC/DCコンバータ4は、一次側巻線W1に加わる一次側電圧VPからスイッチング方式によりトランスTRの二次側において二次側電圧VSを生成する絶縁型DC/DCコンバータであれば任意である。例えば、二次側回路において整流ダイオードD2の代わりに同期整流トランジスタ(不図示)を設けることで、同期整流方式のDC/DCコンバータ4を構成するようにしても良い。この場合、二次側巻線W2の一端と出力端子TM2H又はTM2Lとの間に同期整流トランジスタが挿入され、スイッチトランジスタM1のオフ期間の全部又は一部において二次側制御回路20により同期整流トランジスタがオンとされる。また例えば、DC/DCコンバータ4を、フォワード方式の絶縁型DC/DCコンバータとして構成しても良く、この場合にも同期整流方式及びダイオード整流方式の何れかが採用されて良い。
図3はAC/DCコンバータ1及びDC/DCコンバータ4の動作フローチャートである。AC/DCコンバータ1に対する交流電圧VACの入力が開始されると(ステップSTP1)、一次側電圧VPが上昇することで一次側制御回路10が起動可能な電源電圧VCCが生成されて一次側制御回路10が起動する(ステップSTP2)。一次側制御回路10が起動すると、一次側制御回路10は、まず所定のバースト動作を行う(ステップSTP3)。バースト動作は、二次側制御回路20に依らず、一次側制御回路10単体で実行される。バースト動作において、一次側制御回路10は、スイッチングトランジスタM1をターンオンした後、電流センス電圧VCSの電圧値が所定値に達した時点でスイッチングトランジスタM1をターンオフするという動作を周期的に繰り返し実行する。これにより、出力コンデンサC2が充電されてゆき、二次側電圧VSが所定の二次側起動電圧に達すると二次側制御回路20が起動する(ステップSTP4)。二次側制御回路20の起動後、制御回路10及び20の協働によりトランジスタM1がスイッチング駆動されるフィードバック制御が開始される(ステップSTP5)。フィードバック制御では、二次側制御回路20から絶縁伝送回路30を介してフィードバック電圧VFBに応じた信号が一次側制御回路10に伝送される。一次側制御回路10にて、フィードバック電圧VFBに応じた信号に基づきトランジスタM1がスイッチング駆動されることで、二次側電圧VSが目標電圧VTGにて安定化される。
図4に、一次側制御回路10に設けられる機能ブロックの内、本実施形態において特徴的な部分の機能ブロックを示す。図4の一次側制御回路10は、スイッチング制御部110と、スイッチング駆動部120と、特定状態検出部130と、保護制御部140と、を備える。これらの機能ブロック(110、120、130及び140)は、バースト動作の実行時において、及び、フィードバック制御の実行時において有意に動作する。
スイッチング制御部110は、スイッチング制御信号を生成及び出力する。スイッチング制御信号はスイッチング駆動部120に供給される。スイッチング制御信号は、駆動信号DRVのレベルをローレベルからハイレベルに切り替えることを指示するセット信号と、駆動信号DRVのレベルをハイレベルからローレベルに切り替えることを指示するリセット信号と、を含む。セット信号は信号SETにて伝送され、リセット信号は信号RSTにて伝送される。駆動信号DRVがローレベルからハイレベルに切り替わることでトランジスタM1がターンオンするので、セット信号は、トランジスタM1をオフ状態からオン状態に切り替えることを指示する信号であるとも言える。同様に、リセット信号は、トランジスタM1をオン状態からオフ状態に切り替えることを指示する信号であるとも言える。
図5に、スイッチング制御部110から出力される信号SET及びRSTの波形を示す。信号SET及びRSTの夫々はローレベル又はハイレベルの信号レベルをとる矩形波信号である。信号SETのレベルは原則としてローレベルであり、スイッチング制御部110は、必要なタイミングにおいて、信号SETを微小時間だけハイレベルとする。ハイレベルの信号SETがセット信号(セットパルス)として機能し、ローレベルの信号SETはセット信号として機能しない。信号RSTのレベルは原則としてローレベルであり、スイッチング制御部110は、必要なタイミングにおいて、信号RSTを微小時間だけハイレベルとする。ハイレベルの信号RSTがリセット信号(リセットパルス)として機能し、ローレベルの信号RSTはリセット信号として機能しない。尚、本実施形態において、微小時間は、トランジスタM1のスイッチング周期に対して十分に短い時間であり、微小時間の長さを適宜無視する(即ち適宜ゼロとみなす)。
スイッチング制御部110はセット信号及びリセット信号を交互に出力する。スイッチング駆動部120は、スイッチング制御信号に基づき、トランジスタM1のゲートにハイレベル、ローレベルの駆動信号DRVを交互に供給することでトランジスタM1をスイッチング駆動する。即ち、スイッチング駆動部120は、スイッチング制御信号に基づき、以下の基本スイッチング動作を実行する。
図6に示す如く、基本スイッチング動作において、スイッチング駆動部120は、セット信号に応答して(セット信号の受信に応答して)駆動信号DRVのレベルをローレベルからハイレベルに切り替えることでトランジスタM1をターンオンさせ、リセット信号に応答して(リセット信号の受信に応答して)駆動信号DRVのレベルをハイレベルからローレベルに切り替えることでトランジスタM1をターンオフさせる。基本スイッチング動作は、後述の保護動作が実行されていないときに実行される。保護動作が実行されるときのスイッチング駆動部120の動作については後述される。
スイッチング制御部110は、セット信号を出力した後、電流センス電圧VCSがリミット電圧に達するとリセット信号を出力するという単位処理を繰り返し実行する。単位処理の繰り返しの周波数は、セット信号の出力周期の逆数であると共に信号SETの周波数であり、トランジスタM1のスイッチング周波数に相当する。尚、スイッチング制御部110は、セット信号を出力した後、電流センス電圧VCSがリミット電圧に達さなかったとしても、所定の上限オン時間が経過するとリセット信号を出力するようにしても良い。
フィードバック制御の開始後においては、上述したように、二次側制御回路20から絶縁伝送回路30を介しフィードバック電圧VFBに応じた信号が一次側制御回路10に伝送される。ここで、フィードバック電圧VFBに応じた信号を、便宜上、フィードバック制御信号と称する。フィードバック制御信号は、絶縁伝送回路30に設けられた素子であって且つ一次側及び二次側に亘って設けられた絶縁素子を用いて、二次側制御回路20から一次側制御回路10に伝送される。
絶縁素子としてフォトカプラを用いることができる。絶縁素子としてフォトカプラが用いられる場合、フィードバック制御信号はアナログ信号として一次側制御回路10に伝送され、スイッチング制御部110は、受信したアナログのフィードバック制御信号に応じて、信号SETの周波数(従ってトランジスタM1のスイッチング周波数)を調整することができる。また、一次側制御回路10において、受信したアナログのフィードバック制御信号に応じて上記リミット電圧も調整され得る。
絶縁素子としてパルストランス又はコンデンサを用いても良い。この場合、フィードバック制御信号はデジタル信号として一次側制御回路10に伝送され、スイッチング制御部110は、受信したデジタルのフィードバック制御信号に応じて、信号SETの周波数(従ってトランジスタM1のスイッチング周波数)を調整することができる。例えば、信号SETの周波数(従ってトランジスタM1のスイッチング周波数)を、受信したデジタルのフィードバック制御信号の周波数に比例させることができる。また、一次側制御回路10において、受信したデジタルのフィードバック制御信号に応じて上記リミット電圧も調整され得る。
尚、バースト動作(図3のステップSTP3参照)の実行期間においては、信号SETの周波数(従ってトランジスタM1のスイッチング周波数)は予め定められたバースト周波数に設定され、上記リミット電圧も予め定められた電圧に設定される。
特定状態検出部130は、電流センス電圧VCSに基づきトランジスタM1が特定状態にあるか否かを検出する。特定状態とは、トランジスタM1のドレイン電流IDが所定の判定電流ITHより大きい状態を指す。
保護制御部140は、駆動信号DRVのハイレベルからローレベルへの切り替わりタイミング(即ちトランジスタM1のターンオフのタイミング)に相当する基準タイミングより所定の判定時間が経過したタイミングにおいて特定状態が検出されたとき(詳細にはトランジスタM1が特定状態にあると検出されたとき)、所定の保護動作を行う。ここにおける判定時間は、後述の判定時間tJに相当する(図8参照)。保護動作において、保護制御部140は、スイッチング駆動部120を制御することで、スイッチング制御信号に依らず、所定の強制オフ時間分、トランジスタM1をオフ状態に維持させる。従って、スイッチング駆動部120は、保護動作が実行されているとき、保護制御部140の制御の下、セット信号を受信しても(即ち信号SETのアップエッジがあっても)、駆動信号DRVのレベルをハイレベルに切り替えずにローレベルに維持する。
保護制御部140による保護動作は、トランジスタM1にてアバランシェ降伏が生じたと推定及び判断されるときに、一定時間、トランジスタM1のターンオンを禁止することで、トランジスタM1を保護するものである。保護制御部140は、上記基準タイミングより所定の判定時間が経過したタイミングにおいて特定状態が検出されたとき(詳細にはトランジスタM1が特定状態にあると検出されたとき)、トランジスタM1にてアバランシェ降伏が生じたと推定及び判断する(アバランシェ降伏が生じたとみなす)。
尚、保護制御部140における保護動作は一般的な過電流保護動作とは異なる。従って、保護制御部140は、駆動信号DRVのハイレベル期間において特定状態(即ち“ID>ITH”の状態)が検出されても保護動作を実行しない。過電流保護動作を実現するための過電流保護部(不図示)が別途に一次側制御回路10に設けられていて良い。
図7に、スイッチング駆動部120、特定状態検出部130及び保護制御部140の構成例を示す。スイッチング駆動部120、特定状態検出部130及び保護制御部140を構成する各素子は、内部電源電圧VREGを駆動電圧として用いて動作する。スイッチング制御部110も内部電源電圧VREGを駆動電圧として用いて動作する。内部電源電圧VREGは一次側制御回路10内において電源電圧VCCを元に生成される直流電圧であり、所定の正の電圧値を有する。電源電圧VCCそのものが内部電源電圧VREGであっても良い。
図7の例において、特定状態検出部130はコンパレータ131にて構成される。コンパレータ131の非反転入力端子に電流センス電圧VCSが入力され、コンパレータ131の反転入力端子に所定の判定電圧VTHが入力される。判定電圧VTHにより上記判定電流ITHが定められる。即ち、判定電圧VTHにおける電圧値は、センス抵抗RCSにおける抵抗値と、判定電流ITHにおける電流値との積に相当する。コンパレータ131の出力信号を記号SCMPにて参照する。コンパレータ131は、電流センス電圧VCSが判定電圧VTHより高いとき(即ちドレイン電流IDが所定の判定電流ITHより大きいとき)、ハイレベルの信号SCMPを出力し、電流センス電圧VCSが判定電圧VTHより低いとき(即ちドレイン電流IDが所定の判定電流ITHより小さいとき)、ローレベルの信号SCMPを出力する。“VCS=VTH”であるとき、信号SCMPはローレベル又はハイレベルとなるが、ここでは、ローレベルになると考える。そうすると、コンパレータ131からのハイレベルの出力信号SCMPは、トランジスタM1のドレイン電流IDが所定の判定電流ITHより大きい状態(特定状態)を表す。
図7の例において、保護制御部140は、FF141及び144と、タイマ142及び145と、AND回路143と、を備える。FF141及び144の夫々はポジティブエッジトリガ型のDフリップフロップである。
FF141は、データ入力端子(D)、クロック入力端子(CK)、リセット入力端子(R)、及び、データ出力端子(Q)を有する。FF141の出力信号はFF141のデータ出力端子(Q)から出力される。FF141のデータ入力端子(D)には内部電源電圧VREGが入力される。内部電源電圧VREGのレベルはFF141にとってハイレベルに相当する。FF141において、クロック入力端子(CK)、リセット入力端子(R)には、夫々、スイッチング制御部110からの信号RST、信号SETが入力される。FF141の出力信号がローレベルである状態を起点に考えると、図8に示す如く、信号RSTのアップエッジに同期してFF141の出力信号がローレベルからハイレベルに切り替わる。以後、信号SETにアップエッジが生じるまでFF141の出力信号はハイレベルに維持され、信号SETにアップエッジが生じるとFF141の出力信号はローレベルに戻る。
タイマ142はイネーブル入力端子(EN)と出力端子を有する。タイマ142のイネーブル入力端子(EN)に対し、FF141の出力信号が入力される。タイマ142の出力信号を記号Sig1によって参照する。タイマ142の出力端子から信号Sig1が出力される。タイマ142の出力信号Sig1は原則としてローレベルとされる。図8に示す如く、タイマ142は、自身のイネーブル入力端子(EN)への入力信号にアップエッジが生じると(即ち、FF141の出力信号にアップエッジが生じると)、そのアップエッジのタイミングからの経過時間を計測し、当該経過時間が所定の判定時間tJに達した時点で信号Sig1にアップエッジを発生させる。信号Sig1は所定の微小時間だけハイレベルに維持された後、ローレベルに戻る。信号Sig1において、所定の微小時間だけハイレベルとなるパルスをトリガパルスTrg1と称する。つまり、タイマ142は、イネーブル入力端子(EN)への入力信号のアップエッジタイミングから判定時間tJが経過した時点でトリガパルスTrg1を発生させ且つ出力する。
AND回路143は、第1、第2入力端子並びに出力端子を有する2入力の論理積回路である。AND回路143の出力信号を記号Sig2によって参照する。AND回路143の第1入力端子に対して信号Sig1が入力され、AND回路143の第2入力端子に対してコンパレータ131の出力信号SCMPが入力される。このため、AND回路143は、信号Sig1及びSCMPの双方がハイレベルである期間においてのみ、出力信号Sig2をハイレベルとし、それ以外の期間では出力信号Sig2をローレベルとする。
FF144は、データ入力端子(D)、クロック入力端子(CK)、リセット入力端子(R)、及び、データ出力端子(Q)を有する。FF144の出力信号はFF144のデータ出力端子(Q)から出力される。FF144のデータ入力端子(D)には内部電源電圧VREGが入力される。内部電源電圧VREGのレベルはFF144にとってハイレベルに相当する。FF144において、クロック入力端子(CK)には信号Sig2が入力され、リセット入力端子(R)にはスイッチング制御部110からの信号SETが入力される。FF144の出力信号がローレベルである状態を起点に考えると、図9に示す如く、信号Sig2のアップエッジに同期してFF144の出力信号がローレベルからハイレベルに切り替わる。以後、信号SETにアップエッジが生じるまでFF144の出力信号はハイレベルに維持され、信号SETにアップエッジが生じるとFF144の出力信号はローレベルに戻る。
タイマ145はイネーブル入力端子(EN)と出力端子を有する。タイマ145のイネーブル入力端子(EN)に対し、FF144の出力信号が入力される。タイマ145の出力信号を記号Sig3によって参照する。タイマ145の出力端子から信号Sig3が出力される。タイマ145の出力信号Sig3は原則としてハイレベルとされる。図9に示す如く、タイマ145は、自身のイネーブル入力端子(EN)への入力信号にアップエッジが生じると(即ち、FF144の出力信号にアップエッジが生じると)、そのアップエッジのタイミングにて出力信号Sig3にダウンエッジを生じさせる一方で、そのアップエッジのタイミングからの経過時間を計測し、当該経過時間が所定の強制オフ時間tF_OFFに達した時点で信号Sig3にアップエッジを発生させる。つまり、タイマ145は、イネーブル入力端子(EN)への入力信号のアップエッジタイミングから強制オフ時間tF_OFF分の期間だけ信号Sig3をローレベルとし、それ以外の期間では信号Sig3をハイレベルとする。
図7の例において、スイッチ駆動部120は、AND回路121と、FF122と、バッファ回路123と、を備える。AND回路121は、信号SET及びSig3を2つの入力信号として受ける2入力の論理積回路であり、信号SET及びSig3の双方がハイレベルである期間においてのみ、ハイレベルの信号を出力し、それ以外の期間においてローレベルの信号を出力する。
FF122は、RS型のフリップフロップであり、セット入力端子(S)と、リセット入力端子(R)と、出力端子(Q)と、備える。FF122において、セット入力端子(S)に対しAND回路121の出力信号が入力され、リセット入力端子(R)に対し信号RSTが入力される。
FF122は、セット入力端子(S)への入力信号がハイレベルであって且つリセット入力端子(R)への入力信号がローレベルであるとき、“1”の論理値をラッチして保持し、セット入力端子(S)への入力信号がローレベルであって且つリセット入力端子(R)への入力信号がハイレベルであるとき、“0”の論理値をラッチして保持する。FF122は、セット入力端子(S)への入力信号及びリセット入力端子(R)への入力信号が共にローレベルであるとき、自身が保持している論理値をそのまま保持する。FF122において、セット入力端子(S)及びリセット入力端子(R)への入力信号が共にハイレベルとなることは無い。FF122は、自身が保持している論理値が“1”であるとき、ハイレベルの信号を出力端子(Q)から出力し、自身が保持している論理値が“0”であるとき、ローレベルの信号を出力端子(Q)から出力する。バッファ回路123は、トランジスタM1のゲートに接続され、FF122の出力信号をインピーダンス変換して得られる信号を駆動信号DRVとしてトランジスタM1のゲートに供給する。FF122の出力信号がハイレベルであるとき、駆動信号DRVもハイレベルとなってトランジスタM1がオン状態となり、FF122の出力信号がローレベルであるとき、駆動信号DRVもローレベルとなってトランジスタM1がオフ状態となる。
信号Sig3のローレベル期間が上述の保護動作の実行期間に相当する。信号Sig3のローレベル期間では、スイッチング駆動部120にてセット信号を受信しても(即ち信号SETのアップエッジがあっても)、駆動信号DRVのレベルのハイレベルへの切り替えは発生しない。このため、ローレベルの信号Sig3は、セット信号に依らず、トランジスタM1を強制的にオフ状態に維持することを指示する強制オフ信号として機能する。
図10に、保護動作が実行される特定のケースにおける一次側回路の各部の信号、電流、電圧のタイミングチャートを示す。図10では、上から下に向かって、信号SET、信号RST、信号DRV、ドレイン電流ID、電流センス電圧VCS、信号SCMP、信号Sig1、信号Sig2、信号Sig3の波形が、この順番で示されている。任意の整数iに関して、タイミングTi+1はタイミングTiより後のタイミングであるとする。タイミングT1の直前において、信号SET、RST及びDRVはローレベルであり、ドレイン電流IDはゼロであり、信号SCMP、Sig1及びSig2はローレベルであり、且つ、信号Sig3はハイレベルであるとする。尚、本実施形態では、説明の簡略化上、各論理素子における入出力信号間の信号遅延を十分に小さいとして無視する。即ち例えば、或るタイミングにおいてFF141に入力される信号RSTにアップエッジが生じたとき、同タイミングにてFF141の出力信号にアップエッジが生じてタイマ142による時間計測が開始されると考える。
タイミングT1において、信号SETにアップエッジが生じる、即ちセット信号611が生じる。タイミングT1では信号Sig3がハイレベルであって且つ信号RSTがローレベルであるので、AND回路121からのハイレベルの出力信号を受けてFF122にて“1”の論理値がラッチ及び保持され、駆動信号DRVにアップエッジが生じてトランジスタM1がターンオンする。トランジスタM1のターンオンの後、ドレイン電流IDが徐々に増大してゆき、タイミングT2にて信号RSTにアップエッジが生じる。即ち、タイミングT2にてリセット信号621が生じることで駆動信号DRVがローレベルに切り替えられる。タイミングT2の直前における及びタイミングT2におけるドレイン電流IDは判定電流ITHよりも大きい。
トランジスタM1が理想的なスイッチであると仮定すれば、タイミングT2にて駆動信号DRVがローレベルに切り替わることで、タイミングT2を境にドレイン電流IDの値が或る電流値からゼロへと瞬時に低下する。しかしながら、実際には、タイミングT2の後、暫くの間、一次側巻線W1の蓄積エネルギに応じた電流がトランジスタM1にドレイン電流IDとして流れることがある。タイミングT2の後の、駆動信号DRVのローレベル期間において、比較的小さなドレイン電流IDが流れる分には、或いは、比較的短い時間だけドレイン電流IDが流れる分には、問題がない。但し、タイミングT2及びその直後に相当に高いドレイン電圧がトランジスタM1に加わることで、トランジスタM1にアバランシェ降伏が生じた場合には注意が必要であり、トランジスタM1を劣化又は破損から保護するべきである。図10のケースでは、タイミングT2の後、トランジスタM1にアバランシェ降伏が生じている。一次側制御回路10では、以下のようにして、アバランシェ降伏に対する保護動作を行う。
タイミングT3は、タイミングT2から上述の判定時間tJだけ後のタイミングである。故に、タイミングT3において、信号Sig1が微小時間だけハイレベルとなる、即ち信号Sig1にトリガパルスTrg1が発生する。図10に示す如く、トリガパルスTrg1の発生タイミングT3において、信号SCMPがハイレベルであればトランジスタM1にアバランシェ降伏が生じたと一次側制御回路10(例えば保護制御部140)にて推定され、信号Sig2にアップエッジに生じる。このときの信号Sig2のハイレベル期間の最大時間長さは、トリガパルスTrg1のパルス幅(トリガパルスTrg1に関する信号Sig1のハイレベル期間の長さ)と一致する。信号Sig2のアップエッジによる、信号Sig2中のパルスをトリガパルスTrg2と称する。尚、図10に示すケースと異なるが、トリガパルスTrg1の発生タイミングT3において、仮に信号SCMPがローレベルであればトランジスタM1にアバランシェ降伏が生じていないと一次側制御回路10(例えば保護制御部140)にて推定され、信号Sig2はローレベルに維持される(即ちトリガパルスTrg2は発生しない)。
図10のケースにおいて、ドレイン電流IDはタイミングT2からタイミングT3及びT4を経由してタイミングT5にかけて単調減少し、タイミングT5にてゼロとなる。この際、ドレイン電流IDは、タイミングT2及びT3にて判定電流ITHよりも大きく、タイミングT4にてちょうど判定電流ITHと一致する。故に、タイミングT4にて信号SCMPにダウンエッジが生じる。
図10のケースでは、タイミングT3にて信号Sig2にアップエッジが生じるため、タイミングT3からタイミングT7までの期間において信号Sig3がローレベルとなる。タイミングT7は、タイミングT3から上述の強制オフ時間tF_OFFだけ後のタイミングである。タイミングT3からタイミングT7までの期間では、セット信号が発生したとしても駆動信号DRVはローレベルに維持される。図10のケースでは、タイミングT3の後であって且つタイミングT7より前のタイミングT6において新たなセット信号612が発生しているが(信号SETにアップエッジが生じているが)、セット信号612に応答することなく、駆動信号DRVはローレベルに維持される。タイミングT3及びT7間の期間においてセット信号が複数回発生する場合もあるが、その場合においても、タイミングT3及びT7間の期間において駆動信号DRVはローレベルに維持される。
タイミングT7を境に信号Sig3はローレベルからハイレベルに戻される。信号Sig3がハイレベルに戻った後は、セット信号に同期して駆動信号DRVにアップエッジが生じる状態へ戻る。尚、スイッチング制御部110において、所定の最小オフ時間が規定されており、リセット信号の出力タイミングからセット信号の次の出力タイミングまでの時間が最小オフ時間以上となるように、信号SET及びRSTが生成されるものとする。最小オフ時間は判定時間tJよりも長い。故に、図10のケースにおいて、タイミングT2の後、判定時間tJが経過する前に次のセット信号(セット信号611の次のセット信号612)が出力されることは無く、信号Sig3を用いた保護動作が有効に機能する。
AC/DCコンバータ1において、スナバ回路12が設けられていたとしても、トランジスタM1のターンオフ時に、非常に高いサージ電圧がトランジスタM1のドレインに加わることがある。このようなサージ電圧は、AC/DCコンバータ1の起動時や出力ショート時(端子TM2H及びTM2Lの短絡時)、或いは、負荷LDが非常に重い場合などにおいて、顕著に発生し得る。上記サージ電圧に対しトランジスタM1のドレイン耐圧を高める対応も可能であるが、耐圧の増大はコストアップに繋がる。そこで、アバランシェ降伏を利用してサージを吸収することが検討される。但し、MOSFETにおいてアバランシェ耐量が規定されることも多いが、アバランシェ耐量は単発パルスで許容可能なエネルギ値を示しており、アバランシェ降伏を短時間で連続的にMOSFETにて生じさせるとMOSFETの破損等を招く。
これらを考慮し、本実施形態に係る保護制御部140は、駆動信号DRVのダウンエッジタイミングに相当する基準タイミング(図10の例においてタイミングT2)より判定時間tJが経過したタイミングにおいて特定状態(“ID>ITH”の状態)が検出されたとき、トランジスタM1にアバランシェ降伏による電流(ID)が流れたと推定して、保護動作を実行する。
これにより、トランジスタM1のドレイン耐圧を高めることなく且つトランジスタM1の破損等を招くことなく、サージを適切に吸収することができる。尚、トランジスタM1におけるアバランシェ降伏の発生有無をトランジスタM1のドレイン電圧に基づいて推定し、その推定結果を用いて保護動作を実行するという方法も採用可能ではある。しかしながら、トランジスタM1の仕様における耐圧から見て、実際の耐圧には大きな製造ばらつきがあり、結果、アバランシェ降伏が発生有無を判定するための適切な閾電圧を設定しにくい。また、瞬間的に発生するサージ電圧を相応の精度で計測する回路も設ける必要がある。これらを考慮すれば、本実施形態の如く、ドレイン電流IDに基づいてアバランシェ降伏の発生推定及び保護動作を行う方式の方が好ましいと考えられる。
FF141及びタイマ142は、駆動信号DRVのダウンエッジタイミング(ハイレベルからローレベルへの切り替わりタイミング)に相当する基準タイミングより所定の判定時間tJが経過したタイミングにおいて、トリガパルスTrg1を発生させる機能ブロックを構成する。基準タイミングは駆動信号DRVのダウンエッジタイミングと実質的に一致している。図7の構成例では、信号RSTをFF141のクロック入力端子(CK)に入力することで、駆動信号DRVにダウンエッジをもたらすリセット信号の発生タイミング(即ち信号RSTのアップエッジタイミング)を基準タイミングとして用いている。これに代えて、図11に示す如く、駆動信号DRVの反転信号DRV_BをFF141のクロック入力端子(CK)に入力する変形構成を採用しても良い。当該変形構成では、駆動信号DRVを受けて、それの反転信号DRV_Bを生成するインバータ回路150が一次側制御回路10に設けられ、駆動信号DRVのダウンエッジタイミングそのものが基準タイミングとなる。この他、駆動信号DRVのダウンエッジタイミングと実質的に一致するタイミングを基準タイミングとして用いて良い。
<<第2実施形態>>
本開示の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態に適用可能な応用技術、変形技術などを説明する。
本開示の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態に適用可能な応用技術、変形技術などを説明する。
DC/DCコンバータ4をAC/DCコンバータ1の構成要素として用いることを上述した。しかしながら、DC/DCコンバータ4は、直流電圧を生成する任意の電圧源(例えばバッテリ)の出力電圧を一次側電圧VPとして受けて、二次側電圧VSを生成するものであっても構わない。
一次側制御回路10、二次側制御回路20及び絶縁伝送回路30を1チップの半導体基板上に集積化した半導体装置SMC1(不図示)を構成するようにしても良い。一次側制御回路10、二次側制御回路20及び絶縁伝送回路30が集積化された1チップの半導体基板が樹脂にて構成されたパッケージ(筐体)に収容されて封止されることで半導体装置SMC1が構成される。
或いは、一次側制御回路10を第1半導体基板上に集積化した第1チップと、二次側制御回路20を第2半導体基板上に集積化した第2チップと、絶縁伝送回路30を第3半導体基板上に集積化した第3チップとを作成し、第1~第3チップを共通のパッケージ(筐体)に収容して封止することで半導体装置SMC2(不図示)を構成しても良い。
一次側制御回路10及び二次側制御回路20を別々の半導体装置として構成するようにしても良い。即ち、一次側制御回路10を第1半導体基板上に集積化した第1チップを第1パッケージに収容して封止することで半導体装置SMC3A(不図示)を構成し、これとは別に、二次側制御回路20を第2半導体基板上に集積化した第2チップを第2パッケージに収容して封止することで半導体装置SMC3B(不図示)を構成しても良い。この場合、絶縁伝送回路30を、半導体装置SMC3A及びSMC3Bとは別に設けられたディスクリート部品にて構成しても良いし、絶縁伝送回路30を第3半導体基板上に集積化した第3チップを第3パッケージに収容して封止することで半導体装置SMC3Cを構成しても良い。
一次側制御回路10が集積化された半導体装置(SM1、SMC2又はSMC3A)に、スイッチングトランジスタM1が更に集積化されて含まれていても良いし、センス抵抗RCSが更に集積化されて含まれていても良い。
上述の主旨を損なわない形で、任意の信号又は電圧に関して、それらのハイレベルとローレベルの関係を逆にしても良い。また、上述の主旨を損なわない形で、FETのチャネル型を任意に変更可能である。即ち例えば、スイッチングトランジスタM1がPチャネル型のMOSFETとして構成されるよう、DC/DCコンバータ4の構成が変形されても良い。
上述の任意のトランジスタは、任意の種類のトランジスタであって良い。例えば、MOSFETとして上述された任意のトランジスタを、接合型FET、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はバイポーラトランジスタに置き換えることも可能である。但し、トランジスタM1はアバランシェ降伏が生じる構成のトランジスタである。任意のトランジスタは第1電極、第2電極及び制御電極を有する。FETにおいては、第1及び第2電極の内の一方がドレインで他方がソースであり且つ制御電極がゲートである。IGBTにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がゲートである。IGBTに属さないバイポーラトランジスタにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がベースである。
本開示に係る技術について考察する。本開示の一側面に係るスイッチング装置は、コイル(W1)に直列接続され、ゲートの信号レベルが第1レベル(例えばハイレベル)であるときにオン状態となり且つゲートの信号レベルが第2レベル(例えばローレベル)であるときにオフ状態となるトランジスタ(M1)と、スイッチング制御信号(SET、RST)を生成するスイッチング制御部(110)と、前記スイッチング制御信号に基づき、前記トランジスタのゲートに前記第1レベル、前記第2レベルの駆動信号(例えばハイレベル、ローレベルの駆動信号DRV)を交互に供給することで前記トランジスタをスイッチング駆動するスイッチング駆動部(120)と、前記トランジスタに流れる電流(ID)が所定の判定電流(ITH)より大きい特定状態を検出する特定状態検出部(130)と、前記駆動信号のレベルの前記第1レベルから前記第2レベルへの切り替わりタイミングに相当する基準タイミング(例えば図10のT2)より所定の判定時間(tJ)が経過したタイミングにおいて前記特定状態が検出されたとき、保護動作を実行する保護制御部(140)と、を備え、前記保護制御部は、前記保護動作において、前記スイッチング駆動部を制御することで、前記スイッチング制御信号に依らず、所定の強制オフ時間(tF_OFF)分、前記トランジスタをオフ状態に維持させる。
上記スイッチング装置は、第1実施形態においては一次側回路に内包される。但し、スイッチング装置は任意の回路又は機器に搭載されるものであって良い。トランジスタとコイルとが直列接続され、トランジスタのターンオフ時にコイルの蓄積エネルギに基づくサージ電圧がトランジスタの端子(例えばドレイン)に加わる任意の構成に対して、本開示に係るスイッチング装置を適用可能である。また、第1レベル及び第2レベルは、第1実施形態における構成では、夫々、ハイレベル、ローレベルであるが、それらの高低関係が逆となるような構成であっても良い。
具体的には例えば、上記スイッチング装置において、前記スイッチング制御信号は、前記駆動信号のレベルを前記第2レベルから前記第1レベルに切り替えることを指示するセット信号(例えばハイレベルの信号SET)と、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルから前記第2レベルに切り替えることを指示するリセット信号(例えばハイレベルの信号RST)と、を含み、前記スイッチング制御部は、前記セット信号と前記リセット信号を交互に前記スイッチング駆動部に出力し、前記スイッチング駆動部は、前記保護動作が実行されていないとき(図6参照)、前記セット信号に応答して前記駆動信号のレベルを前記第2レベルから前記第1レベルに切り替え且つ前記リセット信号に応答して前記駆動信号のレベルを前記第1レベルから前記第2レベルに切り替え、前記保護動作が実行されているとき、前記保護制御部の制御の下、前記セット信号を受けても、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルに切り替えずに前記第2レベルに維持するものであって良い。
より具体的には例えば、前記保護制御部は、前記基準タイミングより前記判定時間の経過後に第1トリガ(例えば信号Sig1のアップエッジ;Trg1)を発生させる第1トリガ発生部(141、142)と、前記第1トリガの発生タイミングにおいて前記特定状態が検出されているときに限り第2トリガ(例えば信号Sig2のアップエッジ;Trg2)を発生させる第2トリガ発生部(143)と、前記第2トリガの発生タイミングから前記強制オフ時間が経過するまで所定の強制オフ信号(例えばローレベルの信号Sig3)を前記スイッチング駆動部に出力する強制オフ信号出力部(144、145)と、を備え、前記スイッチング駆動部は、前記強制オフ信号を受けている期間、前記セット信号を受けても、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルに切り替えずに前記第2レベルに維持する構成であっても良い。
第1実施形態に係る図7の構成においては、FF141及びタイマ142により第1トリガ発生部が形成され、AND回路143により第2トリガ発生部が形成され、FF144及びタイマ145により強制オフ信号出力部が形成される。第1実施形態に係る図7の構成において(図10も参照)、第1トリガは信号Sig1中のトリガパルスTrg1に対応し、第2トリガは信号Sig2中のトリガパルスTrg2に対応し、強制オフ信号はローレベルの信号Sig3に対応するが、第1トリガ、第2トリガ及び強制オフ信号の各信号形態は任意である。
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
1 AC/DCコンバータ
2 フィルタ
3 整流回路
4 DC/DCコンバータ
10 一次側制御回路
20 二次側制御回路
30 絶縁伝送回路
M1 スイッチングトランジスタ
TR トランス
W1 一次側巻線
W2 二次側巻線
110 スイッチング制御部
120 スイッチング駆動部
130 特定状態検出部
140 保護制御部
2 フィルタ
3 整流回路
4 DC/DCコンバータ
10 一次側制御回路
20 二次側制御回路
30 絶縁伝送回路
M1 スイッチングトランジスタ
TR トランス
W1 一次側巻線
W2 二次側巻線
110 スイッチング制御部
120 スイッチング駆動部
130 特定状態検出部
140 保護制御部
Claims (8)
- コイルに直列接続され、ゲートの信号レベルが第1レベルであるときにオン状態となり且つゲートの信号レベルが第2レベルであるときにオフ状態となるトランジスタと、
スイッチング制御信号を生成するスイッチング制御部と、
前記スイッチング制御信号に基づき、前記トランジスタのゲートに前記第1レベル、前記第2レベルの駆動信号を交互に供給することで前記トランジスタをスイッチング駆動するスイッチング駆動部と、
前記トランジスタに流れる電流が所定の判定電流より大きい特定状態を検出する特定状態検出部と、
前記駆動信号のレベルの前記第1レベルから前記第2レベルへの切り替わりタイミングに相当する基準タイミングより所定の判定時間が経過したタイミングにおいて前記特定状態が検出されたとき、保護動作を実行する保護制御部と、を備え、
前記保護制御部は、前記保護動作において、前記スイッチング駆動部を制御することで、前記スイッチング制御信号に依らず、所定の強制オフ時間分、前記トランジスタをオフ状態に維持させる
、スイッチング装置。 - 前記スイッチング制御信号は、前記駆動信号のレベルを前記第2レベルから前記第1レベルに切り替えることを指示するセット信号と、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルから前記第2レベルに切り替えることを指示するリセット信号と、を含み、
前記スイッチング制御部は、前記セット信号と前記リセット信号を交互に前記スイッチング駆動部に出力し、
前記スイッチング駆動部は、
前記保護動作が実行されていないとき、前記セット信号に応答して前記駆動信号のレベルを前記第2レベルから前記第1レベルに切り替え且つ前記リセット信号に応答して前記駆動信号のレベルを前記第1レベルから前記第2レベルに切り替え、
前記保護動作が実行されているとき、前記保護制御部の制御の下、前記セット信号を受けても、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルに切り替えずに前記第2レベルに維持する
、請求項1に記載のスイッチング装置。 - 前記保護制御部は、
前記基準タイミングより前記判定時間の経過後に第1トリガを発生させる第1トリガ発生部と、
前記第1トリガの発生タイミングにおいて前記特定状態が検出されているときに限り第2トリガを発生させる第2トリガ発生部と、
前記第2トリガの発生タイミングから前記強制オフ時間が経過するまで所定の強制オフ信号を前記スイッチング駆動部に出力する強制オフ信号出力部と、を備え、
前記スイッチング駆動部は、前記強制オフ信号を受けている期間、前記セット信号を受けても、前記駆動信号のレベルを前記第1レベルに切り替えずに前記第2レベルに維持する
、請求項2に記載のスイッチング装置。 - 前記基準タイミングは、前記スイッチング制御部からの前記リセット信号の出力タイミングと一致する
、請求項2又は3に記載のスイッチング装置。 - 前記基準タイミングは、前記駆動信号のレベルの前記第1レベルから前記第2レベルへの切り替わりタイミングと一致する
、請求項1~3の何れかに記載のスイッチング装置。 - 前記トランジスタはMOSFETであり、
前記基準タイミングより前記判定時間が経過したタイミングにおいて前記特定状態が検出されたとき、前記保護制御部は、前記トランジスタにアバランシェ降伏による電流が流れたと推定して前記保護動作を実行する
、請求項1~5の何れかに記載のスイッチング装置。 - 互いに絶縁された一次側巻線及び二次側巻線を有する電力用トランスを用いて、一次側における一次側電圧から二次側における二次側電圧を生成する絶縁型DC/DCコンバータであって、
請求項1~6の何れかに記載のスイッチング装置を備え、
前記コイルは前記一次側巻線であり、
前記トランジスタは前記一次側巻線に対して直列に接続される
、絶縁型DC/DCコンバータ - 交流電圧を全波整流する整流回路と、
全波整流された電圧を平滑化することで直流電圧を生成する平滑コンデンサと、
前記直流電圧としての一次側電圧から直流の二次側電圧を出力電圧として生成する、請求項7に記載の絶縁型DC/DCコンバータと、を備えた
、AC/DCコンバータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020213295A JP2022099502A (ja) | 2020-12-23 | 2020-12-23 | スイッチング装置、絶縁型dc/dcコンバータ及びac/dcコンバータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020213295A JP2022099502A (ja) | 2020-12-23 | 2020-12-23 | スイッチング装置、絶縁型dc/dcコンバータ及びac/dcコンバータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022099502A true JP2022099502A (ja) | 2022-07-05 |
Family
ID=82269705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020213295A Withdrawn JP2022099502A (ja) | 2020-12-23 | 2020-12-23 | スイッチング装置、絶縁型dc/dcコンバータ及びac/dcコンバータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022099502A (ja) |
-
2020
- 2020-12-23 JP JP2020213295A patent/JP2022099502A/ja not_active Withdrawn
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A621 | Written request for application examination |
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