JP2022095518A - 発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

発泡成形体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022095518A
JP2022095518A JP2021074976A JP2021074976A JP2022095518A JP 2022095518 A JP2022095518 A JP 2022095518A JP 2021074976 A JP2021074976 A JP 2021074976A JP 2021074976 A JP2021074976 A JP 2021074976A JP 2022095518 A JP2022095518 A JP 2022095518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foamed
molded product
polyester elastomer
foam
thermoplastic polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021074976A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7088362B1 (ja
Inventor
顕三 大谷
Kenzo Otani
卓也 赤石
Takuya Akaishi
恵梨 森尾
Eri Morio
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2022515586A priority Critical patent/JPWO2022085593A1/ja
Priority to PCT/JP2021/038276 priority patent/WO2022085592A1/ja
Priority to EP21882733.5A priority patent/EP4234201A4/en
Priority to EP21882734.3A priority patent/EP4234202A4/en
Priority to CN202180071642.9A priority patent/CN116507471A/zh
Priority to PCT/JP2021/038277 priority patent/WO2022085593A1/ja
Priority to US18/032,416 priority patent/US20230383118A1/en
Priority to US18/032,279 priority patent/US20230390975A1/en
Priority to TW110138462A priority patent/TW202222938A/zh
Priority to TW110138460A priority patent/TW202222937A/zh
Priority to JP2021188856A priority patent/JP7088398B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7088362B1 publication Critical patent/JP7088362B1/ja
Publication of JP2022095518A publication Critical patent/JP2022095518A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【課題】 軽量性、反発弾性及び表面平滑性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂発泡成形体を提供する。【解決手段】 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールとを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとが結合された熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分が連続相をなす発泡成形体であり、該発泡成形体の表面から1000μmの深さまでの表面層として、気泡密度が10%以下である非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる表面層で構成される発泡成形体であるか、もしくは、前記非発泡部分が存在する発泡領域と前記非発泡部分が存在しない発泡領域が混在する表面層を有する発泡成形体であり、密度が0.01~0.70g/cm3である発泡成形体である。【選択図】 なし

Description

本発明は、カウンタープレッシャーを用いて製造した熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分が連続相をなす発泡成形体に関するものである。さらに詳しくは、本発明の発泡成形体は、反発弾性及び表面平滑性に優れた発泡成形体であり、2倍発泡以上の高倍発泡した発泡成形体の提供が可能である。
熱可塑性ポリエステルエラストマーは、射出成形性、押出成形性に優れ、機械的強度が高く、弾性回復性、耐衝撃性、柔軟性などのゴム的性質、耐寒性に優れる材料として、自動車部品、電気・電子部品、繊維、フィルム、スポーツ部品などの用途に使用されている。
熱可塑性ポリエステルエラストマーは、耐熱老化性、耐光性、耐摩耗性に優れていることから、自動車部品、特に高温環境下で使用される部品や自動車内装部品に採用されている。さらに近年樹脂部品の軽量化が進められており、目的を達成する手段の一つとして発泡成形体の適用を挙げることができる。
軽量化のための高倍発泡化の工法のひとつとして、金型を発泡時に型開き方向に移動させるコアバック射出発泡成形法があり、この工法だと2倍以上の高倍発泡が可能となるうえ、さらには発泡層の気泡が微細となるため反発弾性が高くなる(特許文献1)。
しかしながら、コアバック射出発泡成形法で製造した発泡成形体は、表層に非発泡スキン層、内層に前記の発泡層を有し、厚み方向に非発泡スキン層と発泡層のサンドイッチ構造を持ち、非発泡層のスキン層が存在することで、発泡層の反発性が緩和され、反発弾性が低下してしまううえ、成形体表面にスワルマークやアバタなどの不良により、凹凸が発生することで表面平滑性に劣る。
また、ショートショット射出発泡成形法であれば、スキン層が薄い発泡成形体の作製が可能であるが、発泡倍率が低く、軽量性には劣るといった課題があった(特許文献2)。
ところで、自動車シートに好適に使用される発泡体としては、反発弾性率が60%以上の高反発のウレタン発泡体が好適に採用されており、特許文献3では、その製造方法に関して提案されているものの、ウレタン発泡体には、燃焼時にシアン化ガス等が発生するため、環境汚染の課題がある。
特許第6358369号公報 特開2011-68819号公報 特開2003-342343号公報
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みなされたものであり、その目的は、軽量性、反発弾性及び表面平滑性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂発泡成形体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため、熱可塑性ポリエステルエラストマーの発泡成形体における表面層の構成について鋭意検討した。その結果、表面層の発泡領域の制御、かつ発泡セルを特定のサイズに制御することにより、極めて高い反発弾性を有し、表面平滑性にも優れる樹脂発泡成形体が得られることを見出した。さらに、金型のキャビティ内にガスを注入し、加圧状態下に溶融した熱可塑性樹脂を射出するカウンタープレッシャー法による発泡射出成形方法を適用することで、前述した良質なポリエステルエラストマー発泡成形体を容易に製造し提供できることを見出した。つまり、熱可塑性ポリエステルエラストマーの特性(溶融張力、結晶化温度、ガス保持性など)が、カウンタープレッシャー法による発泡成形方法に適しており、カウンタープレッシャー圧力の加圧・放圧の工程に耐えることができ、目的とする高倍発泡、及び表面平滑性を有する発泡成形体が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明によれば、(1)~(5)を構成するものである。
(1) 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールとを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとが結合された熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分が連続相をなす発泡成形体であり、
該発泡成形体の表面から1000μmの深さまでの表面層として、気泡密度が10%以下である非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる表面層で構成される発泡成形体であるか、もしくは、前記非発泡部分が存在する発泡領域と前記非発泡部分が存在しない発泡領域が混在する表面層を有する発泡成形体であり、
密度が0.01~0.70g/cmである発泡成形体。
(2) 前記表面層の非発泡部分が存在しない発泡領域に、気泡の平均アスペクト比が4.0~15.0である扁平気泡層を有することを特徴とする(1)に記載の発泡成形体。
(3) さらに、表面から1000μmより深い内層に気泡の平均アスペクト比が1.0~2.0である円形気泡層を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の発泡成形体。
(4) カウンタープレッシャー法による発泡射出成形方法を用い、金型を完全に閉じてから金型のキャビティ内に加圧用のガスを注入し、該キャビティ内のガス圧が、所定の圧力に達した時点で、溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分を、化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガスとともに射出を開始し、キャビティ体積の10~55%を前記樹脂成分で充填した直後、ないし所定の時間をおいてから、急速にガス抜きを行なうことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
(5) 超臨界状態の不活性ガスが、窒素であることを特徴とする(4)に記載の発泡成形体の製造方法。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂発泡成形体は、軽量性に優れるのみならず、極めて高い反発弾性を発現し、なおかつ表面平滑性に優れる。さらに、高い発泡倍率にもかかわらず均一な発泡状態と、高い耐熱性、耐水性、成形安定性を持つため、高い信頼性の必要な部品にも適用の可能な発泡成形体を提供することができる。そして、カウンタープレッシャー法による発泡射出成形方法を用いることにより、切削などの後加工を施さなくても、対応した金型を準備することで任意の所望する形状を有する、上記の優れた特性を持つ発泡成形体を得ることができる。
本発明の発泡成形体の製造方法の一例を説明するための概略構成図である。 本発明の発泡成形体(B)の概略図であり、(X)は表面から見た図であり、(Y)はw-w’の面で切った断面図であり、(Z)はv-v’の面で切った断面図である。 本発明の発泡成形体(A)の概略図であり、(X)は表面から見た図であり、(Y)はw-w’の面で切った断面図であり、(Z)はv-v’の面で切った断面図である。 実施例1の発泡成形体の表面付近の断面写真である(写真の最上部が表面)。 比較例3の発泡成形体の表面付近の断面写真である(写真の最上部が表面)。
以下、本発明の発泡成形体について詳述する。
[熱可塑性ポリエステルエラストマー]
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントが結合してなる。ハードセグメントは、ポリエステルからなる。ハードセグメントのポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸としては、通常の芳香族ジカルボン酸が広く用いられ、特に限定されないが、主たる芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸(異性体の中では2,6-ナフタレンジカルボン酸が好ましい)であることが望ましい。これらの芳香族ジカルボン酸の含有量は、ハードセグメントのポリエステルを構成する全ジカルボン酸中、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。その他のジカルボン酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは、樹脂の融点を大きく低下させない範囲で用いられることができ、その量は全酸成分の30モル%以下が好ましく、より好ましくは20モル%以下である。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーにおいて、ハードセグメントのポリエステルを構成する脂肪族又は脂環族ジオールとしては、一般の脂肪族又は脂環族ジオールが広く用いられ、特に限定されないが、主として炭素数2~8のアルキレングリコール類であることが望ましい。具体的には、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらの中でも、エチレングリコール、1,4-ブタンジオールのいずれかであることが好ましい。
上記のハードセグメントのポリエステルを構成する成分としては、ブチレンテレフタレート単位(テレフタル酸と1,4-ブタンジオールからなる単位)あるいはブチレンナフタレート単位(2,6-ナフタレンジカルボン酸と1,4-ブタンジオールからなる単位)よりなるものが、物性、成形性、コストパフォーマンスの点から好ましい。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーにおけるハードセグメントを構成するポリエステルとして好適な芳香族ポリエステルを事前に製造し、その後ソフトセグメント成分と共重合させる場合、該芳香族ポリエステルは、通常のポリエステルの製造法に従って容易に得ることができる。また、かかるポリエステルは、数平均分子量10000~40000を有しているものが望ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントは、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種である。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。これらの中でも、弾性特性の点から、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートなどが挙げられる。これらの中でも、弾性特性の点から、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリブチレンアジペートが好ましい。
脂肪族ポリカーボネートは、主として炭素数2~12の脂肪族ジオール残基からなるものであることが好ましい。これらの脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオールなどが挙げられる。特に、得られる熱可塑性ポリエステルエラストマーの柔軟性や低温特性の点から、炭素数5~12の脂肪族ジオールが好ましい。これらの成分は、以下に説明する事例に基づき、単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントを構成する、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールとしては、融点が低く(例えば、70℃以下)かつ、ガラス転移温度が低いものが好ましい。一般に、熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントを形成するのに用いられる1,6-ヘキサンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは、ガラス転移温度が-60℃前後と低く、融点も50℃前後となるため、低温特性が良好なものとなる。その他にも、上記脂肪族ポリカーボネートジオールに、例えば、3-メチル-1,5-ペンタンジオールを適当量共重合して得られる脂肪族ポリカーボネートジオールは、元の脂肪族ポリカーボネートジオールに対してガラス転移点が若干高くなるものの、融点が低下もしくは非晶性となるため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。また、また、例えば、1,9-ノナンジオールと2-メチル-1,8-オクタンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは、融点が30℃程度、ガラス転移温度が-70℃前後と十分に低いため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントとしては、本発明の課題を解決する観点から、脂肪族ポリエーテルが好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーは、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、及びポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを主たる成分とする共重合体であることが好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマーを構成するジカルボン酸成分中、テレフタル酸が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマーを構成するグリコール成分中、1,4-ブタンジオールとポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの合計が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
前記ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの数平均分子量は、500~4000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、エラストマー特性を発現しにくい場合がある。一方、数平均分子量が4000を超えると、ハードセグメント成分との相溶性が低下し、ブロック状に共重合することが難しくなる場合がある。ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの数平均分子量は、800以上3000以下であることがより好ましく、1000以上2500以下であることがさらに好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーにおいて、ソフトセグメントの含有量は、25~90質量%が好ましく、より好ましくは40~90質量%、さらに好ましくは55~90質量%、特に好ましくは65~90質量%である。ソフトセグメントの含有量が25質量%よりも低いと、結晶性が高いため反発弾性に劣り、90質量%を超えると、結晶性が低下しすぎるため、発泡成形性に劣る傾向にある。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマーは、公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、およびソフトセグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応させ、得られる反応生成物を重縮合する方法、ジカルボン酸と過剰量のグリコールおよびソフトセグメント成分を触媒の存在下でエステル化反応させ、得られる反応生成物を重縮合する方法、あらかじめハードセグメントのポリエステルを作っておき、これにソフトセグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化させる方法、ハードセグメントとソフトセグメントを鎖連結剤でつなぐ方法、さらにポリ(ε-カプロラクトン)をソフトセグメントに用いる場合は、ハードセグメントにε-カプロラクトンモノマーを付加反応させる方法などのいずれの方法をとってもよい。
[熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分]
本発明において、熱可塑性ポリエステルエラストマーに下記で説明する架橋剤や添加剤を配合しても良い。熱可塑性ポリエステルエラストマーに、これら任意成分である架橋剤や添加剤を含んだ組成物を、本発明においては、「熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分」と称するが、簡略して「熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂」と称する場合もある。この樹脂成分中、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことがさらに好ましく、100質量%であっても良い。
熱可塑性ポリエステルエラストマーに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて架橋剤を配合してもよい。このような架橋剤としては、熱可塑性ポリエステルエラストマーの持つ水酸基やカルボキシル基と反応する架橋剤である限り特に限定されず、例えばエポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、酸無水物系架橋剤、シラノール系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミノ樹脂系架橋剤などが挙げられる。なお、架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の使用量(含有量)は、押出条件、所望する発泡倍率等によって適宜調整されるが、例えば、熱可塑性ポリエステルエラストマー100質量部に対して、0.1~4.5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~4質量部であり、さらに好ましくは0.1~3質量部である。
さらに、本発明に用いる熱可塑性ポリエステルエラストマーには、上記架橋剤以外にも、目的に応じて種々の添加剤やフィラー、他種ポリマーを配合することができる。添加剤の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。具体的には、添加剤として、公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、アミン系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系のほかベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、トリアゾール系、ニッケル系、サリチル系等の光安定剤、紫外光吸収剤、滑剤、結晶核剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、帯電防止剤、過酸化物等の分子調整剤、金属不活性剤、有機および無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、有機および無機系の顔料や染料のほか、難燃性付与や熱安定性付与の目的で使用される有機および無機系の燐化合物などが挙げられる。添加剤やフィラー、他種ポリマーの配合量(含有量)は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択することができ、通常の熱可塑性樹脂の成形に用いられる配合量(含有量)を採用することができる。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルエラストマーの組成、及び組成比を決定する方法としては、試料を重クロロホルム等の溶剤に溶解して測定するH-NMRのプロトン積分比から算出することも可能である。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂のMFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238に記載されている測定法に準じて、荷重2,160g、測定温度230℃にて測定した場合、本発明の発泡成形体を好適に得るためには、5~40g/10minであることが好ましい。MFRは、10~30g/10minであることがより好ましい。
[発泡成形体]
本発明の発泡成形体は、前述したポリエステルエラストマー樹脂を用いて得られたものであり、切削などの後加工は一切していないものになる。すわなち、切削面を有さない成形体である。この場合の切削面とは、発泡成形体から非発泡スキン層等を切削した面を意味するものであり、ゲート部等の金型由来の不要個所を除いた際に発生する面を指すものではない。
本発明の発泡成形体は、発泡成形体の表面から1000μmの深さまでの表面層として、気泡密度が10%以下である非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる表面層(以下、表面層(A)と略記する場合がある)で構成される発泡成形体(A)であるか、もしくは、前記非発泡部分が存在する発泡領域と前記非発泡部分が存在しない発泡領域が混在する表面層(以下、表面層(B)と略記する場合がある)を有する発泡成形体(B)である。なお、ここで表面層とは、単一の表面からなる表面層を指し、例えば、直方体形状の発泡成形体の場合、6個の表面層を有することになり、その内の1つを指す。直方体形状の発泡成形体の場合、前記発泡成形体(A)は、6面全てが表面層(A)からなり、前記発泡成形体(B)は、少なくとも1面が表面層(B)からなる。したがって、直方体形状の発泡成形体であって、上面と下面は非発泡部分が存在する発泡領域のみからなり、側面は非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる発泡体(いわゆるコアバック射出発泡成形法で製造した、非発泡スキン層を持つ発泡成形体)は、上記の発泡成形体(B)には該当しない。発泡成形体(B)において、単一の表面の面積の内、非発泡部分が存在する発泡領域の面積は、60%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。非発泡部分が存在する発泡領域の面積が0%であれば、上記発泡成形体(A)となる。また、発泡成形体(B)において、発泡成形体の全表面積に対する、非発泡部分が存在する発泡領域の面積は、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、25%以下がさらに好ましい。上記の発泡成形体(A)は、気泡が存在しない非発泡部分が発泡成形体の表面層に存在しないことで、反発弾性が向上する。上記の発泡成形体(B)は、非発泡部分が存在する発泡領域は気泡が少ないため反発弾性が低く、非発泡部分が存在しない発泡領域は反発弾性が高くなり、一つの発泡成形体において、場所によって異なる反発弾性を有することが可能となる。なお、本発明の成形体の表面は、必ずしも平面である必要はなく、曲面であっても、突起等がある面であっても構わない。対応した金型を準備することで任意の所望する形状を有する発泡成形体を得られることが、本発明の一つのポイントである。
上述した非発泡部分とは、気泡がほとんどなく熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂で形成された相のことを指し、気泡密度が10%以下の部分である。ここで、気泡密度は走査電子顕微鏡により撮影した発泡成形体の表面層における断面観察用サンプルの断面写真を画像処理して算出する。具体的には、実施例の項で記載の通りである。本発明の発泡体においては、非発泡部分に該当しない部分を、発泡部分または発泡層と称する。発泡部分の表面は、発泡前の溶融樹脂または発泡した溶融樹脂が金型表面に触れることで形成される極めて薄い樹脂層(いわゆる薄皮)からできており、その厚みは50μm以下である。本願発明では、気泡密度が10%以下である非発泡部分は、200μm×200μmの領域で測定することから、発泡部分表面の薄い樹脂層は、「気泡密度が10%以下である非発泡部分」に該当しない。
本発明の発泡成形体は、発泡層の両面全体に非発泡層が設けられたサンドイッチ構造(換言すれば、発泡層が両面から非発泡層に挟まれた構造)を有さないものとなる。本発明の発泡成形体は、上記で説明した、発泡成形体(A)であるか、または、発泡成形体(B)である。発泡成形体(A)は表現を変えると、非発泡層がなく発泡層単体で構成されている発泡成形体であり、発泡成形体(B)は表現を変えると、発泡成形体の表面の一部のみに非発泡部分(非発泡スキン層)が存在している発泡成形体となる。本発明の発泡成形体のサイズに関しては、特に制限は無く、金型が製造可能であれば、所望するサイズの発泡成形体が得られる。
本発明では、アスペクト比が2.0以下の気泡を円形気泡、アスペクト比が2.0超の気泡を扁平気泡として考える。
本発明の発泡成形体は、表面層の非発泡部分が存在しない発泡領域に、気泡の平均アスペクト比が大きい扁平気泡層が存在していることが好ましい。表面層の扁平気泡は、アスペクト比が大きくなることで発泡成形体表面が平滑となり外観に優れるため、扁平気泡層の平均アスペクト比は4.0~15.0であることが好ましい。4.0を下回ると、成形体表面に凹凸が発生し、表面平滑性が損なわれ、15.0を上回ると、気泡が引き延ばされることで破泡を起こすことで成形体表面に凹凸が発生し、表面平滑性が損なわれる傾向にある。優れた表面平滑性を有するためには、扁平気泡層の平均アスペクト比は、4.0~10.0であることがより好ましい。さらに、表面から1000μmより深い内層に気泡の平均アスペクト比が小さい円形気泡層が存在していることが好ましい。内層の円形気泡は、アスペクト比が小さくなることで反発弾性が向上するため、円形気泡層の平均アスペクト比は1.0~2.0であることが好ましく、2.0を上回ると反発弾性が低下する傾向にある。表面層の気泡が、扁平気泡となるのは、発泡成形時に樹脂成分が金型の面に沿って流動するからである。本発明の発泡成形体としては、表面層の非発泡部分が存在しない発泡領域に、気泡の平均アスペクト比が4.0~15.0である扁平気泡層を有することが好ましく、さらに、表面から1000μmより深い内層に気泡の平均アスペクト比が1.0~2.0である円形気泡層を有することが好ましい態様である。
発泡層は、樹脂連続相と独立した発泡セルとから構成される。ここで、樹脂連続相とは、硬化した熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分で形成される空洞をもたない部分を意味する。発泡セルの径(セル径)は、均一でばらつきがない限り、サイズによって特性が異なる。高反発弾性を発現させるには、セル径が小さい方が有利であり、具体的には、平均セル径が10~400μmが好ましい。平均セル径が10μm未満である場合、成形体の内圧が低く、ヒケ等の外観が悪くなる傾向にある。一方、平均セル径が400μmを超える場合、耐荷重性が低く、反発弾性率が低くなる傾向にあり、平均セル径はより好ましくは100~400μm、さらに好ましくは、200~400μmである。
本発明の発泡成形体の密度は、0.01~0.70g/cmであることが好ましい。一般的なポリエステルエラストマーの密度は凡そ1.0~1.4g/cm前後であるから、本発明の発泡成形体は十分に軽量化されていると言える。より好ましくは、0.1~0.60g/cmであり、さらに好ましくは、0.1~0.45g/cmであり、特に好ましくは、0.1~0.35g/cmである。密度が0.01g/cm未満であると十分な強度が得られず、機械的特性に劣る傾向にあり、0.70g/cmを超えると、反発弾性に劣る傾向にある。
本発明の発泡成形体は、軽量性に優れるのみならず、極めて高い反発弾性率を発現し、表面平滑性にも優れる。さらに、高い発泡倍率にもかかわらず均一な発泡状態と、高い耐熱性、耐水性、成形安定性を持つため、高い信頼性の必要な部品にも適用可能なポリエステル系発泡成形体を提供することができる。したがって、例えば、以下のような用途に利用可能である。但し、本発明の発泡成形体の用途は、下記用途には限定されない。
用途としては、自動車用材料、土木用品、建築用品、家電、OA機器、スポーツ用品、文具、玩具、医療用品、食品容器、農業用資材などが挙げられる。具体例としては、自動車用機構部材、エンジン構成材、自動車外装材、自動車内装部材、クッション材、シール材カーシート、デッドニング、ドアトリム、サンバイザー、自動車用制振材・吸音材・断熱材(保温材)、防振材、緩衝材、土木目地、つらら防止パネル、保護材、軽量土、盛土、人工土壌、畳芯材、建築用断熱材、建築目地材、面戸材、建築養生材、反射材、工業用トレー、チューブ、パイプカバー、エアコン断熱配管、ガスケット芯材、コンクリート型枠、テレビ、冷凍冷蔵庫、調理機器、洗濯機、空調機器、照明器具、コンピュータ、光磁気ディスク、コピー機、ファクシミリ、プリンター、シューズ、プロテクター、グローブ、運動用具類などが挙げられる。
[発泡成形体の製造方法]
本発明の発泡成形体の発泡方法については、特に限定されないが、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂に高圧のガスを含浸させた後、減圧する(圧力を解放する)発泡方法が好ましい。なかでも、成形サイクル性やコスト、均質発泡を得られる成形方法として、発泡剤と熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂を溶融混合して射出成形する際に、金型のキャビティ内にガスを注入し、加圧状態下に溶融した熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂を射出するカウンタープレッシャー法による発泡射出成形方法が好ましい。具体的には、図1に示すように、型締めされた複数の金型1、2で形成されるキャビティ3内に、カウンタープレッシャー装置8を用いて加圧用の窒素ガスを注入し、所定の圧力を掛けて加圧状態にし、そこへ溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂を化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガス(以下、まとめて「発泡剤」と称することもある)とともに射出を開始し、ついで樹脂の充填が完了した直後、ないし所定の時間をおいてから、急速にカウンタープレッシャーでキャビティに掛けたガスを電磁バルブ10から抜くことで、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂が発泡するものである。前記の所定の圧力としては、0.01MPa~29.0MPaが好ましい。ここで言う圧力は、ゲージ圧である。前記の所定の時間としては、1~60秒が好ましい。ここで、前述した急速にカウンタープレッシャーでキャビティに掛けたガスを抜く直前、もしくはガスを抜くと同時、もしくはガスを抜いた直後、もしくはガスを抜いて所定の時間をおいてから、一つの金型2を型開き方向へ移動してキャビティ3の容積を拡大させることにより、発泡成形体を得るコアバック射出発泡成形法と組み合わせることも可能である。
なお、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂と発泡剤は、キャビティ3内に充填する前に射出成形機4の可塑化領域4aで混合しておくことができる。上記のように発泡成形をする際、カウンタープレッシャーのガス圧力、樹脂の充填量を材料に応じて適宜調整することで、目的の発泡倍率や反発弾性を有する発泡成形体を得ることが出来る。カウンタープレッシャーのガス圧力は、気泡の微細さや発泡倍率に影響し、低い圧力でもキャビティに掛けることで、減圧速度が向上し、高倍発泡化が可能となる。また、高い圧力を掛けると、樹脂から発泡剤のガス抜けが抑制されることで、気泡が微細になる傾向にあるが、ガス圧力が高くなりすぎると、発泡成形性に劣る傾向にある。そのため、カウンタープレッシャーの圧力は0.01MPa~29.0MPaが好ましく、より好ましくは0.05MPa~15.0MPaであり、さらに好ましくは0.5MPa~10.0MPaである。ここで言う圧力は、ゲージ圧である。樹脂の充填量は、多いと発泡倍率が低くなり、少ないと発泡倍率が高くなるうえ、反発弾性が高くなる。そのため、樹脂の充填量は、キャビティ体積の10%~55%が好ましく、より好ましくは10%~50%であり、さらに好ましくは10%~40%であり、特に好ましくは10%~30%である。上記のような条件にて発泡成形することで、軽量かつ高反発弾性率を有する発泡成形体を得ることが出来る。
本発明の発泡成形体が、上記で説明した、発泡成形体(A)か、または、発泡成形体(B)となる理由について説明する。発泡成形体(B)の概略的な構造を図2に示す。発泡成形体(A)は、発泡成形体(B)における非発泡部分21が存在する発泡領域25が無く、非発泡部分21が存在しない発泡領域24のみからなる構造である。上記で説明したように、カウンタープレッシャーで加圧された金型のキャビティ内に、溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂が発泡剤と共に、キャビティ体積の10%~55%の範囲内で充填されるが、その際、溶融樹脂の一部が金型に触れて冷却されることで非発泡部分が形成される。その後、キャビティ内の圧力を抜くことで、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂の発泡が起こり、発泡成形体が得られるが、非発泡部分が発泡成形体の表面層の一部に残ってしまい、発泡成形体(B)が得られる。一方、充填時に溶融樹脂が金型に触れなかったり、触れても非常に小さい面積であったり、触れていても十分に冷却される前にキャビティ内の圧力を抜いたりすることで、非発泡部分が表面層に形成されない発泡成形体(A)が得られる。なお、表面層の非発泡部分が存在しない発泡領域の表面近くでは、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂が発泡する際に、金型の面に沿って流動するため、気泡が扁平気泡となる。
本発明の発泡成形体を得る際に用いることのできる化学発泡剤は、発泡核となるガス成分もしくはその発生源として成形機の樹脂溶融ゾーンで溶融している樹脂に添加するものである。
具体的には、化学発泡剤としては、炭酸アンモニウム及び重炭素酸ソーダ、アジド化合物等の無機化合物、並びにアゾ化合物、スルホヒドラジド化合物、ニトロソ化合物等の有機化合物等が使用できる。上記アジド化合物としては、テレフタルアジド及びP-第三ブチルベンズアジド等が例示できる。さらに上記アゾ化合物としては、ジアゾカルボンアミド(ADCA)、2,2-アゾイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、及びジアゾアミノベンゼン等が例示でき、中でもADCAが好まれて活用されている。上記スルホヒドラジド化合物としては、ベンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン1,3-ジスルホヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホンヒドラジド及びジフェニルオキシド-4,4-ジスルホンヒドラジド-等が例示でき、上記ニトロソ化合物としては、N,N-ジニトロソペンタエチレンテトラミン(DNPT)等が例示できる。
発泡剤として化学発泡剤を用いる場合、化学発泡剤は、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂に均一に分散させるために、当該化学発泡剤の分解温度よりも融点が低い熱可塑性樹脂をベース材とした発泡剤マスターバッチとして使用することもできる。ベースとなる熱可塑性樹脂は、化学発泡剤の分解温度より低い融点であれば特に制限なく、例えばポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、等が挙げられる。この場合、化学発泡剤と熱可塑性樹脂の配合比率は、熱可塑性樹脂100質量部に対して化学発泡剤が10~100質量部であるのが好ましい。化学発泡剤が10質量部未満の場合は、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂に対するするマスターバッチの量が多くなりすぎて物性低下を起す可能性がある。100質量部を超えると、化学発泡剤の分散性の問題よりマスターバッチ化が困難になる。
発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを用いる場合、不活性ガスとしては二酸化炭素および/または窒素が使用可能である。発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素および/または窒素を用いる場合、それらの量は、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂100質量部に対して0.05~30質量部が好ましく、0.1~20質量部であることがより好ましい。超臨界状態の二酸化炭素および/または窒素が0.05質量部未満であると均一かつ微細な発泡セルが得られにくくなり、30質量部を超えると成形体表面の外観が損なわれる傾向にある。
なお、発泡剤として用いられる超臨界状態の二酸化炭素または窒素は単独で使用できるが、二酸化炭素と窒素を混合して使用してもよい。熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂に対して窒素はより微細なセルを形成するのに適している傾向があり、二酸化炭素はよりガスの注入量を比較的多くでき、より高い発泡倍率を得るのに適しているため、調整した発泡構造体の状態に対して任意で混合してもよく、混合する場合の混合比率はモル比で1:9~9:1の範囲であることが好ましい。
本発明で使用する発泡剤としては、均一な微細発泡という観点から、超臨界状態の窒素がより好ましい。
溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂を発泡剤とともにキャビティ3内に射出するには、射出成形機4の可塑化領域4a内で溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂と発泡剤とを混合すればよい。特に、発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素および/または窒素を用いる場合には、例えば図1に示すようにガスボンベ5から気体状態の二酸化炭素および/または窒素を直接あるいは昇圧ポンプ6で加圧して射出成形機4内に注入する方法等が採用できる。これらの二酸化炭素および/または窒素は、溶融状態のポリエステルエラストマー樹脂組成物中への溶解性、浸透性、拡散性への観点から、成形機内部で超臨界状態となっている必要がある。
ここで、超臨界状態とは、気相と液相とを生じている物質の温度および圧力を上昇させていくに際し、ある温度域および圧力域で前記気相と液相との区別をなくし得る状態のことをいい、この時の温度、圧力を臨界温度、臨界圧力という。すなわち超臨界状態において物質は気体と液体の両方の特性を併せ持つので、この状態で生じる流体を臨界流体という。このような臨界流体は気体に比べて密度が高く、液体に比べて粘性が小さいため、物質中をきわめて拡散しやすいという特性を有する。
本発明の効果を実証するために以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例においては下記の原料を用いた。
熱可塑性ポリエステルエラストマー;
(ポリエステルエラストマーA)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が76質量%の熱可塑性ポリエステルエラストマーを製造して、これをポリエステルエラストマーAとした。
(ポリエステルエラストマーB)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が83質量%の熱可塑性ポリエステルエラストマーを製造して、これをポリエステルエラストマーBとした。
(ポリエステルエラストマーC)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が67質量%の熱可塑性ポリエステルエラストマーを製造して、これをポリエステルエラストマーCとした。
(ポリエステルエラストマーD)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が55質量%の熱可塑性ポリエステルエラストマーを製造して、これをポリエステルエラストマーDとした。
(ポリエステルエラストマーE)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が28質量%の熱可塑性ポリエステルエラストマーを製造して、これをポリエステルエラストマーEとした。
架橋剤;
(スチレン系共重合体):エポキシ系架橋剤
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。一方、スチレン(St)89質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)11質量部、キシレン(Xy)15質量部及び重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(DTBP)0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。これを一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、約210℃に保った。反応器内部の温度が安定してから36分経過後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機に導き、連続的に揮発成分を除去して、スチレン系共重合体を得た。このスチレン系共重合体は、GPC分析(ポリスチレン換算値)によると質量平均分子量8500、数平均分子量3300であった。また、エポキシ価は670当量/1×10g、エポキシ価数(1分子当りの平均エポキシ基の数)は2.2であり、グリシジル基を1分子中に2個以上有するものである。
[熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分(熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂)]
上記で得たポリエステルエラストマーA、B、C、D、Eをそのまま用いた。
表1に記載の配合組成に従って、ポリエステルエラストマーA100質量部に対してスチレン系共重合体を、二軸スクリュー式押出機を用いて溶融混練した後、ペレット化して、A’のペレットを得た。各熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂の物性について、後述する方法で測定したところ表1に示す通りであった。
[MFR]
熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂のMFR(メルトフローレート)はASTM D1238に記載されている測定法に準じて、荷重2,160g、測定温度230℃にて測定を実施した。
Figure 2022095518000001
実施例1~10、比較例1~2
次に、上記で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂を用いて上述したカウンタープレッシャー法にて発泡成形体を作製した。金型としては、型締め力が10000kNであり、型締めすると幅360mm、長さ190mm、厚み15.0mmのキャビティを形成するものを用いた。この金型のキャビティ内に、カウンタープレッシャーを用いて表2に記載の圧力(カウンタープレッシャー圧力)の窒素ガスを注入した。スクリュー径60mm、スクリューストローク300mmのスクリューを持つ電動射出成形機の可塑化領域で、溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂に超臨界状態とした窒素を注入し、表面温度50℃に温調した前記の金型のキャビティに、ゲート(幅360mm、長さ190mmの面の中央部)から、表2に記載の樹脂量(キャビティ体積に対する樹脂充填量)をショートショットで射出充填した。充填した直後、急速にカウンタープレッシャーで加圧した窒素ガスを抜くことで、熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂を発泡させて発泡成形体を得た。
比較例1は、カウンタープレッシャー圧力が0であり、ショートショット射出発泡成形法となる。
比較例3
金型拡張法(コアバック射出発泡成形法)にて、発泡成形体を作製した。金型としては、型締めすると幅360mm、長さ190mm、厚み3.0mmのキャビティを形成することができ、型開き方向へコアバックさせると同幅、同長さで厚みが3.0mm+コアバック量(mm)であるキャビティを形成することができる固定用金型および稼働用金型からなる平板作製用の金型を用いた。具体的には、金型の型締め力が10000kN、スクリュー径60mm、スクリューストローク300mmのスクリューを持つ電動射出成形機の可塑化領域で、超臨界状態とした窒素を注入し、表面温度50℃に温調された金型にフルパックで射出充填後、射出外圧と内部からの発泡圧力によって700μm程度の非発泡スキン層が形成された段階で、稼働用金型を型開き方向へ、12.0mm移動させて、キャビティの容積を拡大させて、発泡成形体を得た。
実施例1~10、比較例1~3で得られた発泡成形体について、下記の評価を行った。結果を表2に示す。
[発泡体の構成]
発泡成形体の表面を目視で観察し、成形収縮による凸凹部(ヒケ)の有無やアバタの発生から非発泡部分の存在があるかどうかを推定した。凸凹部及び/又はアバタがあり非発泡部分が存在すると推定した発泡成形体の場合、非発泡部分が中心にくる面(図2のw-w’面)で発泡成形体を切って、断面観察用サンプルとした。さらにその切断面と垂直な面(図2のv-v’面)で発泡成形体を切って、断面観察用サンプルとした。凸凹部及びアバタがなく非発泡部分が存在しないと推定した発泡成形体の場合、発泡成形体の中心面(図3のw-w’面)で発泡成形体を切って、断面観察用サンプルとした。さらにその切断面と垂直な面(図3のv-v’面)で発泡成形体を切って、断面観察用サンプルとした。
日立ハイテクノロジーズ製の走査電子顕微鏡SU1510により、発泡成形体の表面層における断面観察用サンプルの断面写真を撮影した。断面写真を画像処理し、発泡成形体の表面から1000μmの深さまでの表面層において、200μm×200μmの領域にて、次式により気泡密度を算出し、気泡密度が10%以下となる部分を非発泡部分とした。
気泡密度(%)=[気泡の合計面積(μm)/40,000(μm)]×100
200μm×200μmの観察領域は、非発泡部分が存在すると推定した発泡成形体の場合、表面から1000μmの深さまでの表面層において、表面付近、深さ500μm付近、深さ1000μm付近(図2の表面層22にある白い四角の深さ)でそれぞれ5ヶ所、非発泡部分が存在しないと推定した発泡成形体の場合、表面から1000μmの深さまでの表面層において、表面付近、深さ500μm付近、深さ1000μm付近(図2の表面層22にある白い四角の深さ)でそれぞれ5ヶ所を測定した。この測定で表面から深さ方向の3ヶ所全てが、非発泡部分が存在しないと判断できた場合、その領域は非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる領域であるとした。
これにより、非発泡部分の有無を判断し、非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる表面層で構成される発泡成形体(A)、非発泡部分が存在する発泡領域と非発泡部分が存在しない発泡領域が混在する表面層を有する発泡成形体(B)、及び非発泡部分(非発泡スキン層)が存在する発泡領域のみからなる表面層を有する発泡成形体(C)の3つに分類した。
[非発泡部分が存在する発泡領域の面積の割合]
発泡成形体(B)の表面層(B)において、発泡成形体の表面の面積の内、目視による観察や上記の断面写真から、非発泡部分が存在する発泡領域を特定し、その面積の割合を、次式により算出した。発泡成形体(B)に表面層(B)に相当する面が複数存在する場合は、この割合が大きい方を採用する。
非発泡部分が存在する発泡領域の面積の割合(%)=[非発泡部分が存在する発泡領域の面積(mm)/発泡成形体の表面の面積(mm)]×100
[全表面積に対する非発泡部分が存在する発泡領域の面積の割合]
上記「非発泡部分が存在する発泡領域の面積の割合」の方法と同様に、「非発泡部分が存在する発泡領域の面積」を特定した。発泡成形体(B)に表面層(B)に相当する面が複数存在する場合は、全ての面の「非発泡部分が存在する発泡領域の面積」を合計した。次式により、発泡成形体(B)の全表面積に対する非発泡部分が存在する発泡領域の面積の割合を算出した。
全表面積に対する非発泡部分が存在する発泡領域の面積の割合(%)=[非発泡部分が存在する発泡領域の面積(mm)/発泡成形体の表面積(mm)]×100
[扁平気泡層と円形気泡層の気泡の平均アスペクト比]
日立ハイテクノロジーズ製の走査電子顕微鏡SU1510により、発泡成形体の断面観察用サンプルの断面写真を撮影した。表面から1000μmの深さまでの表面層に扁平気泡からなる層があること、表面から1000μmより深い内層に円形気泡からなる層があることを確認した。断面写真を画像処理し、少なくとも100個の隣接する扁平気泡及び円形気泡の長軸と短軸をノギスで測定した。それら100個の平均アスペクト比(長軸の長さ/短軸の長さ)を求め、これをそれぞれの層の任意の三箇所において行い、三箇所で得られた3つの平均値を平均した値を、それぞれ扁平気泡層及び円形気泡層の平均アスペクト比とした。
[密度(見かけ密度)]
発泡成形体の寸法をノギスで測定し、その質量を電子天秤にて測定し、次式により算出した。
密度(g/cm)=発泡成形体の質量/発泡成形体の体積
[平均セル径]
上記円形気泡層の気泡の平均アスペクト比の測定の際に、円形気泡の面積円相当径をセル径とし、それら100個の平均値を求めた。これを円形気泡層の任意の三箇所において行い、三箇所で得られた3つの平均値を平均した値を平均セル径とした。
[反発弾性率]
JIS K 6400に記載されている方法にて測定を実施した。手動計測試験機を用い、規定の落下高さ(H)から発泡成形体に鋼球を落下させ、跳ね返った最大の高さ(h)を読み取り、以下の計算式にて反発弾性率を算出した。
反発弾性率(%)=(跳ね返った最大高さ(h)/落下高さ(H))×100
一分間以内に3回の測定を行い、その中央値を求め、反発弾性率を算出した。非発泡部分が存在しない発泡領域の反発弾性率を反発弾性率(A)、非発泡部分が存在する発泡領域の反発弾性率を反発弾性率(B)とした。
[表面平滑性]
発泡成形体の表面平滑性を目視にて、以下のように3段階の評価を行った。
〇:成形体表面に凹凸が認められない
△:成形体表面の一部に凹凸が認められる
×:成形体表面の全体に凹凸が認められる
Figure 2022095518000002
表2から明らかなように、本発明の範囲内である実施例1~10はいずれも、非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる表面層で構成される発泡成形体(A)、もしくは、非発泡部分が存在する発泡領域と非発泡部分が存在しない発泡領域が混在する表面層を有する発泡成形体(B)となっており、軽量かつ高い反発弾性を示す。実施例2、3、5、6、8~10、比較例1、2の発泡成形体(B)は、いずれもゲートのある面の反対側の面に、最大面積の非発泡部分を有し、ゲートのある面にもほぼ同面積の非発泡部分を有していた。また、実施例2、3、5、6、8~10から、非発泡部分が存在しない発泡領域は、非発泡部分が存在する発泡領域よりも、反発弾性率が高くなることがわかる。さらに、実施例1、4、7は発泡成形体全体が、非発泡部分が存在しない発泡領域のみで構成され、発泡成形体全体の表面付近が扁平気泡で構成されることで表面平滑性に優れる。これらに対して、比較例1はカウンタープレッシャーを用いずにショートショット法にて発泡成形を行ったものであり、発泡成形体の密度は0.90g/cmと十分な軽量化が行えていないうえ、発泡成形体の表面層付近の扁平気泡が所定の平均アスペクト比を下回ることで、表面平滑性に劣る結果となる。比較例2はカウンタープレッシャーを用いて発泡させた発泡成形体であるが、カウンタープレッシャーの圧力が高すぎることで、発泡成形性に劣り、発泡成形体の密度が0.76g/cmと十分な軽量化が行えていない。比較例3はコアバック射出発泡成形法にて発泡成形を行ったものであり、軽量化は十分に行えているが、発泡成形体全体は非発泡層と発泡層のサンドイッチ構造で構成されているうえ、これにより成形体表面全体に凹凸が発生し、表面平滑性に劣る。
実施例1の発泡成形体の断面写真を図4に示す。表面層付近が扁平気泡で構成されることが分かる。比較例3の発泡成形体の断面写真を図5に示す。表面層が、非発泡のスキン層となっていることが分かる。
本発明の発泡成形体は、軽量性に優れるのみならず、極めて高い反発弾性率を発現するし、表面平滑性にも優れる。さらに、高い発泡倍率にもかかわらず均一な発泡状態と、高い耐熱性、耐水性、成形安定性を持つため、高い信頼性の必要な部品にも適用の可能なポリエステル発泡成形体を提供することができる。
1 金型(固定用)
2 金型(稼働用)
3 キャビティ
4 射出成形機
4a 可塑化領域
5 ガスボンベ
6 昇圧ポンプ
7 圧力制御バルブ
8 カウンタープレッシャー装置
9 吸気用電磁バルブ
10 排気用電磁バルブ
21 非発泡部分
22 表面層
23 内層
24 非発泡部分が存在しない発泡領域
25 非発泡部分が存在する発泡領域

Claims (5)

  1. 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールとを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとが結合された熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分が連続相をなす発泡成形体であり、
    該発泡成形体の表面から1000μmの深さまでの表面層として、気泡密度が10%以下である非発泡部分が存在しない発泡領域のみからなる表面層で構成される発泡成形体であるか、もしくは、前記非発泡部分が存在する発泡領域と前記非発泡部分が存在しない発泡領域が混在する表面層を有する発泡成形体であり、
    密度が0.01~0.70g/cmである発泡成形体。
  2. 前記表面層の非発泡部分が存在しない発泡領域に、気泡の平均アスペクト比が4.0~15.0である扁平気泡層を有することを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
  3. さらに、表面から1000μmより深い内層に気泡の平均アスペクト比が1.0~2.0である円形気泡層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の発泡成形体。
  4. カウンタープレッシャー法による発泡射出成形方法を用い、金型を完全に閉じてから金型のキャビティ内に加圧用のガスを注入し、該キャビティ内のガス圧が、所定の圧力に達した時点で、溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマーを含む樹脂成分を、化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガスとともに射出を開始し、キャビティ体積の10~55%を前記樹脂成分で充填した直後、ないし所定の時間をおいてから、急速にガス抜きを行なうことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  5. 超臨界状態の不活性ガスが、窒素であることを特徴とする請求項4に記載の発泡成形体の製造方法。
JP2021074976A 2020-10-20 2021-04-27 発泡成形体およびその製造方法 Active JP7088362B1 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US18/032,416 US20230383118A1 (en) 2020-10-20 2021-10-15 Polyester elastomer resin composition and foam molded product
EP21882733.5A EP4234201A4 (en) 2020-10-20 2021-10-15 FOAM MOLDED BODY AND METHOD FOR MANUFACTURING SAME
EP21882734.3A EP4234202A4 (en) 2020-10-20 2021-10-15 POLYESTER ELASTOMER RESIN COMPOSITION, AND FOAM MOLDED BODY
US18/032,279 US20230390975A1 (en) 2020-10-20 2021-10-15 Foam molded product and method for producing the same
PCT/JP2021/038277 WO2022085593A1 (ja) 2020-10-20 2021-10-15 ポリエステルエラストマー樹脂組成物及び発泡成形体
PCT/JP2021/038276 WO2022085592A1 (ja) 2020-10-20 2021-10-15 発泡成形体およびその製造方法
JP2022515586A JPWO2022085593A1 (ja) 2020-10-20 2021-10-15
CN202180071642.9A CN116507471A (zh) 2020-10-20 2021-10-15 发泡成形体及其制造方法
TW110138462A TW202222938A (zh) 2020-10-20 2021-10-18 聚酯彈性體樹脂組成物以及發泡成形體
TW110138460A TW202222937A (zh) 2020-10-20 2021-10-18 發泡成形體及其製造方法
JP2021188856A JP7088398B2 (ja) 2020-10-20 2021-11-19 発泡成形体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020176133 2020-10-20
JP2020176133 2020-10-20

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021188856A Division JP7088398B2 (ja) 2020-10-20 2021-11-19 発泡成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7088362B1 JP7088362B1 (ja) 2022-06-21
JP2022095518A true JP2022095518A (ja) 2022-06-28

Family

ID=81390487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021074976A Active JP7088362B1 (ja) 2020-10-20 2021-04-27 発泡成形体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7088362B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06506724A (ja) * 1991-04-05 1994-07-28 マサチユーセツツ・インステイテユート・オブ・テクノロジー 超微孔質発泡材料
JP2007182025A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Mazda Motor Corp 樹脂成形品の成形方法
JP2009214345A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 表面改質射出成形方法及び該表面改質射出成形方法で成形された射出成形体
JP2020075993A (ja) * 2018-11-07 2020-05-21 東洋紡株式会社 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂の発泡体からなる吸音材
JP2021188856A (ja) * 2020-06-02 2021-12-13 ユニチカ株式会社 加湿エレメント及びスケール抑制方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06506724A (ja) * 1991-04-05 1994-07-28 マサチユーセツツ・インステイテユート・オブ・テクノロジー 超微孔質発泡材料
JP2007182025A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Mazda Motor Corp 樹脂成形品の成形方法
JP2009214345A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 表面改質射出成形方法及び該表面改質射出成形方法で成形された射出成形体
JP2020075993A (ja) * 2018-11-07 2020-05-21 東洋紡株式会社 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂の発泡体からなる吸音材
JP2021188856A (ja) * 2020-06-02 2021-12-13 ユニチカ株式会社 加湿エレメント及びスケール抑制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7088362B1 (ja) 2022-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6358369B1 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂発泡成形体およびその製造方法
JP7103003B2 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物およびその発泡成形体
JP7256981B2 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂の発泡体からなる吸音材
JP7054448B2 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法
WO2020017450A1 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂発泡成形体およびその製造方法
WO2019004120A1 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物からなる発泡成形体
JP7100823B2 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物、熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法
JP7088398B2 (ja) 発泡成形体
JP7147285B2 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物、熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法
WO2022085593A1 (ja) ポリエステルエラストマー樹脂組成物及び発泡成形体
JP7088362B1 (ja) 発泡成形体およびその製造方法
JP2019059858A (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物およびその発泡成形体
JPWO2020050213A1 (ja) 発泡成形用熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物およびその発泡成形体
JP7567589B2 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物、及びそれからなる発泡成形体
JP7059822B2 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法
WO2023037957A1 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物及び発泡成形体
WO2021054398A1 (ja) 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物からなる発泡成形体、及び吸音材
JP2021063176A (ja) 発泡成形用熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物、発泡成形体、および発泡成形体の製造方法
JP2021063177A (ja) 発泡成形用熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物、発泡成形体、及び発泡成形体の製造方法
JP2023114927A (ja) ポリエステルエラストマー樹脂組成物及び発泡成形体
CN116507471A (zh) 发泡成形体及其制造方法
CN116583395A (zh) 聚酯弹性体树脂组合物以及发泡成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210707

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220523

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7088362

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350