JP2022095483A - 動力伝達軸 - Google Patents

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Naoya Katsuyama
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Abstract

【課題】 ダイナミックダンパの繊維強化樹脂製管体への組付性を向上するとともに好適な振動減衰効果を実現することが可能な動力伝達軸を提供する。【解決手段】 動力伝達軸1Aは、繊維強化樹脂によって形成された繊維強化樹脂製管体20と、繊維強化樹脂製管体20の径方向外側に設けられたダイナミックダンパ50と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車両における動力伝達軸に関する。
車両に搭載される動力伝達軸(プロペラシャフト)は、車両の前後方向に延在する管体を備え、この管体により原動機で発生し変速機で減速された動力を終減速装置に伝達している。このようなプロペラシャフトにおいて、当該プロペラシャフトの振動を減衰させるダイナミックダンパが当該プロペラシャフトの管体内部に設けられる構造が知られている(特許文献1参照)。
特開平3-181638号公報
ダイナミックダンパを繊維強化樹脂製の管体の内部に設置する手法としては、ダイナミックダンパを管体に圧入することが考えられる。ここで、圧入荷重が大きい場合には、管体に負荷がかかりすぎることによって当該管体が破損するおそれがある。一方、圧入荷重が小さい場合には、ダイナミックダンパが管体内で保持されず、振動減衰効果が得られないおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するために創作されたものであり、ダイナミックダンパの繊維強化樹脂製管体への組付性を向上するとともに好適な振動減衰効果を実現することが可能な動力伝達軸を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明の動力伝達軸は、繊維強化樹脂によって形成された繊維強化樹脂製管体と、前記繊維強化樹脂製管体の径方向外側に設けられたダイナミックダンパと、を備えることを特徴とする。
本発明によると、動力伝達軸において、ダイナミックダンパの繊維強化樹脂製管体への組付性を向上するとともに好適な振動減衰効果を実現することができる。
本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸を模式的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸におけるダイナミックダンパの取付部位を模式的に示す部分断面図である。 図2のIII-III線断面図である。 図2のIV-IV線断面図である。 図2のV-V線断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸におけるダイナミックダンパの取付部位の変形例を模式的に示す部分断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、型を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸を模式的に示す断面図である。 (a)~(f)は、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸における嵌合部(凹部)の例を模式的に示す図である。 (a)(b)は、本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸における嵌合部(凹部)の例を模式的に示す図である。
本発明の実施形態について、炭素繊維強化プラスチックによって車両の動力伝達軸(プロペラシャフト)を製造する場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、参照する図面は、分かりやすさのためにデフォルメされたものであり、各部材の形状や寸法等を正確に表したものではない。
<第一の実施形態>
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸1Aは、車両において前後方向に延設されており、動力源で発生した動力を軸線周りの回転として伝達する軸(プロペラシャフト)である。動力伝達軸1Aは、繊維強化樹脂製管体20と、第一の金属部材30と、第二の金属部材40と、ダイナミックダンパ50と、を備える。
<繊維強化樹脂製管体>
繊維強化樹脂製管体20は、マンドレル10(図8参照)の外周面に沿うように形成された樹脂含有繊維層である。
≪マンドレル≫
図8に示すように、マンドレル10は、筒形状を呈する樹脂製部材である。本実施形態において、マンドレル10は、繊維強化樹脂製管体20の内部から除去されるが、繊維強化樹脂製管体20の内部に残留して繊維強化樹脂製管体20の芯材として機能することも可能である。マンドレル10の材料は、繊維強化樹脂製管体20における樹脂硬化の際の加熱に耐えられるものであればよい。マンドレル10の材料の例としては、PP(ポリプロピレン樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、SMP(形状記憶ポリマー)等が挙げられる。マンドレル10は、軸方向中間部の大径部11と、軸方向一端部に形成されるテーパ部12及び中径部13と、軸方向他端部に形成される段部14及び小径部15と、を一体に備える。
繊維強化樹脂製管体20は、マンドレル10の大径部11、テーパ部12及び中径部13、第一の金属部材30の軸方向一端部、並びに、第二の金属部材40の軸方向他端部位の外周面上に沿うように形成される。繊維強化樹脂製管体20は、炭素繊維層として、径方向内側(マンドレル10側)から順に、第一の炭素繊維層21(図9参照)と、第二の炭素繊維層22(図10参照)と、第三の炭素繊維層23(図11参照)と、を備える。なお、図9~図11において、各炭素繊維層21,22,23は、一部のみが図示されている。また、第一の金属部材30の軸方向一端部(マンドレル10とは反対側に位置する端部)の外周面、及び、第二の金属部材40の軸方向他端部(マンドレル10とは反対側に位置する端部)の外周面は、繊維強化樹脂製管体20によって被覆されておらず、当該繊維強化樹脂製管体20から露出している。
≪第一の炭素繊維層≫
図9に示すように、第一の炭素繊維層21は、マンドレル10等の外周面に対して、当該マンドレル10を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第一の炭素繊維層21における炭素繊維は、マンドレル10の軸線方向に対して平行に延設されている。すなわち、第一の炭素繊維層21に関して、マンドレル10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、0°である。
≪第二の炭素繊維層≫
図10に示すように、第二の炭素繊維層22は、第一の炭素繊維層21の径方向外側に設けられており、第一の炭素繊維層21を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第二の炭素繊維層22における炭素繊維は、マンドレル10の軸線方向に対して45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第二の炭素繊維層22に関して、マンドレル10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、45°である。
≪第三の炭素繊維層≫
図11に示すように、第三の炭素繊維層23は、第二の炭素繊維層22の径方向外側に設けられており、第二の炭素繊維層22を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第三の炭素繊維層23における炭素繊維は、マンドレル10の軸線方向に対して-45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第三の炭素繊維層23に関して、マンドレル10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、-45°である。
<脆弱部>
図1に示すように、繊維強化樹脂製管体20は、前記したマンドレル10(図8参照)に倣う形状を呈する。すなわち、繊維強化樹脂製管体20の軸方向一端部側には、軸方向中央側の大径部20aから軸方向一端部の小径部20cに向かうにつれて縮径するテーパ部20bが形成されている。繊維強化樹脂製管体20において、大径部20a及びテーパ部20bの境界部である角部は、脆弱部20dを構成する。脆弱部20dは、繊維強化樹脂管体20の軸方向一端部側であって、第一の金属部材30よりも軸方向中間側に設けられており、繊維強化樹脂製管体20の他部位よりも脆弱な部位である。かかる脆弱部20dは、繊維強化樹脂製管体20に対して所定値を超えた軸方向荷重が入力された場合に、繊維強化樹脂製管体20において優先的に破壊される。本実施形態では、脆弱部20dは、大径部20a及びテーパ部20bの角部に形成されているが、当該テーパ部20bの中であればどこに設けられてもよい。脆弱部20dは、テーパ部20bの中で最も肉厚が薄く形成されている。
<第一の金属部材>
第一の金属部材30は、略円柱形状を呈する部材である。製造途中段階において、第一の金属部材30の軸線方向一端部は、マンドレル10から露出しており、第一の金属部材30の軸方向他端部は、マンドレル10に嵌合(内嵌)されている(図8参照)。
第一の金属部材30は、動力伝達軸1Aにおけるフランジジョイント組立体の一部材である。フランジジョイント組立体は、かかる第一の金属部材30に対して、ブーツ、プランジョイントを組み付けることによって形成される。
<第二の金属部材>
第二の金属部材40は、略円筒形状を呈する部材である。製造途中段階において、第二の金属部材40の軸線方向他端部は、マンドレル10から露出しており、第二の金属部材40の軸方向一端部は、マンドレル10に嵌合(外嵌)されている(図8参照)。
第二の金属部材40は、動力伝達軸1Aにおけるヨーク組立体の一部材である。ヨーク組立体は、かかる第二の金属部材40に対して、スパイダー、ニードルベアリング、ヨークを組み付けることによって形成される。
<繊維強化樹脂製管体の凹部、及び、ダイナミックダンパ>
図2に示すように、繊維強化樹脂製管体20の軸方向一端部には、凹部61が形成されている。凹部61は、繊維強化樹脂製管体20の外周面に形成されており、繊維強化樹脂製管体20における径方向外側に開口部を有し、繊維強化樹脂製管体20における径方向内側に窪んでいる。かかる凹部61は、繊維強化樹脂製管体20を製造するための型100の内周面に設けられた凸部103の形状が繊維強化樹脂製管体20の外周面に転写されることによって形成可能である(図12参照)。
図1に示すように、ダイナミックダンパ50は、繊維強化樹脂製管体20の径方向外側に設けられることによって、動力伝達軸1Aに発生する振動を減衰する部材である。図2~図5に示すように、ダイナミックダンパ50は、筒状の弾性部材51と、当該弾性部材51の内部に設けられる環状の錘52と、バンド53と、を備える。
≪弾性部材≫
弾性部材51は、繊維強化樹脂製管体20と錘52とを連結するバネ部である。弾性部材51は、繊維強化樹脂製管体20の小径部20cに外嵌される筒状部材であり、内周面側に、第一小径部51aと、大径部51bと、第二小径部51cと、を順に備える。第一小径部51aは、弾性部材51の軸方向一端部に形成されており、繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と当接する。大径部51bは、弾性部材51の軸方向中間部に形成されており、繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と離間する。第二小径部51cは、弾性部材51の軸方向他端部に形成されており、繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と当接する。第二小径部51cには、凸部62が形成されている。凸部62は、第二小径部51cの内周面において凹部61に対応する位置、すなわち、凹部61の繊維強化樹脂製管体20(かつダイナミックダンパ50)における径方向外側に形成されており、繊維強化樹脂製管体20(かつダイナミックダンパ50)における径方向内側に突出している。
また、弾性部材51は、外周面側に、第一小径部51dと、大径部51eと、第二小径部51fと、を順に備える。第一小径部51dは、弾性部材51の軸方向一端部に形成されている。第一小径部51dには、環状の溝部51gが形成されている。大径部51eは、弾性部材51の軸方向中間部に形成されている。第二小径部51fは、弾性部材51の軸方向他端部に形成されている。
≪錘≫
錘52は、環状を呈する金属製部材である。錘52は、弾性部材51における大径部51b,51d間に内設されている。錘52は、弾性部材51を成形する際にインサート成形されることによって、弾性部材51内に設置可能である。
≪バンド≫
バンド53は、帯状を呈する金属製部材である。バンド53は、溝部51g内において環状に巻回されて両端部が締結されることによって、ダイナミックダンパ50(弾性部材51)の軸方向一端部を繊維強化樹脂製管体20の小径部20cに固定する。
<嵌合部>
繊維強化樹脂製管体20に形成された凹部61、及び、弾性部材51の第一小径部51aに形成された凸部62は、互いに嵌合することによってダイナミックダンパ50(弾性部材51)の軸方向一端部を繊維強化樹脂製管体20の小径部20cに固定する嵌合部60Aを構成する。
本実施形態において、凹部61は、繊維強化樹脂製管体20の外周面に形成された一の凹部61aである。また、凸部62は、弾性部材51の内周面(第二小径部51c)に形成された一の凸部62aである。凹部61及び凸部62は、それぞれ繊維強化樹脂製管体20及びダイナミックダンパ50(弾性部材51)の周方向全周にわたって形成された環状のものであってもよい。
なお、嵌合部60Aは、前記したものに限定されず、図6に示すように、繊維強化樹脂製管体20に形成された凸部63、及び、弾性部材51の第二小径部51cに形成された凹部64が、互いに嵌合する構成であってもよい。この場合には、凸部63は、繊維強化樹脂製管体20の外周面に形成されており、繊維強化樹脂製管体20における径方向外側に突出している。また、凹部64は、第二小径部51cの内周面において、凸部63に対応する位置、すなわち、凸部63の繊維強化樹脂製管体20(かつダイナミックダンパ50)における径方向外側に形成されており、弾性部材51における径方向内側に開口部を有し、繊維強化樹脂製管体20(かつダイナミックダンパ50)における径方向外側に窪んでいる。凸部63及び凹部64は、それぞれ繊維強化樹脂製管体20及びダイナミックダンパ50(弾性部材51)の周方向全周にわたって形成された環状のものであってもよい。
また、図示は省略するが、繊維強化樹脂製管体20に形成された凹部(又は凸部)、及び、弾性部材51の第一小径部51aに形成された凸部(又は凹部)が、互いに嵌合する構成であってもよい(後記する第二及び第三の実施形態についても同様)。また、バンド53に追加して、ダイナミックダンパ50(弾性部材51)の軸方向他端部を繊維強化樹脂製管体20の小径部20cをバンドで固定する構成であってもよい。この場合には、嵌合部60Aを省略することができる(後記する第二及び第三の実施形態についても同様)。
<製造方法>
続いて、本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸1Aの製造方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。図7に示すように、動力伝達軸1Aの製造方法は、FW(Filament Winding:フィラメントワインディング)工程S11~S13と、RTM(Resin Transfer Molding:レジントランスファモールディング)工程S21~S27と、を有している。
(FW工程)
FW工程は、動力伝達軸1A(図1参照)の中間体を作製する工程である。具体的には、FW工程は、図7に示すように、マンドレル準備工程S11と、金属部材連結工程S12と、繊維巻回工程S13と、を有している。
マンドレル準備工程S11においては、炭素繊維強化樹脂(CFRP)からなる繊維強化樹脂製管体20(図1参照)を形成する際にその芯材となるマンドレル10が準備される。図8に示すように、マンドレル10は、一方向に長い略円筒体で形成されている。
このようなマンドレル10は、後記するマンドレル抜き取り工程S25(図7参照)において、成型した繊維強化樹脂製管体20(図1参照)の内側から抜き取ることとなる。ただし、マンドレル10を繊維強化樹脂製管体20の内側に残した状態で動力伝達軸(プロペラシャフト)1Aを構成することもできる。
繊維強化樹脂製管体20の内側に残すことを前提としたマンドレル10(図示を省略)の材料としては、後記する繊維巻回工程S13(図7参照)において繊維が巻回可能な所定の剛性を有していれば特に制限はなく、例えば、樹脂、金属などの様々な材料を使用することができる。
また、成型した繊維強化樹脂製管体20(図1参照)の内側から抜き取ることとなる本実施形態でのマンドレル10(図8参照)の材料としては、例えば、熱、電気、振動、荷重等のエネルギーによって、変形され、溶融され、分解され、若しくは破壊され、又は所定の溶出液などで溶出可能なものを想定している。具体的には、マンドレル10の材料としては、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂、シリコーン系形状記憶ポリマなどのSMP(Shape Memory Polymer)類、アルミニウム合金などの軽金属からなる薄板素材、衝撃強度の低いガラス素材、塩中子を形成可能な塩類などが挙げられるが、繊維強化樹脂製管体20(図1参照)の内側から取り出し可能にマンドレル10(図8参照)が状態変化するものであればこれらに限定されるものではない。
次に、金属部材連結工程S12(図7参照)について説明する。図8は、マンドレル10に第一の金属部材30と第二の金属部材40とが連結された連結体の断面図である。
この金属部材連結工程S12においては、図8に示すように、マンドレル10に第一の金属部材30と第二の金属部材40とが連結される。具体的には、第一の金属部材30は、マンドレル10の中径部13に内嵌されてスプライン接合される。また、第二の金属部材40は、マンドレル10の段部14に対して外嵌されてスプライン接合される。
次に、繊維巻回工程S13(図7参照)について説明する。この繊維巻回工程S13においては、炭素繊維が、図1に示す繊維強化樹脂製管体20に対応するように、第一の金属部材30から第二の金属部材40にわたって、マンドレル10の外周面に巻回される。つまり、第一の金属部材30とマンドレル10との接続部では、炭素繊維は、第一の金属部材30の少なくとも一部と、マンドレル10とに跨るように巻回される。また、マンドレル10と第二の金属部材40との接続部では、炭素繊維は、マンドレル10と第二の金属部材40の少なくとも一部とに跨るように巻回される。具体的には、マンドレル10、第一の金属部材30及び第二の金属部材40の連結体の外周面には、次に示す第一の炭素繊維層21(図9参照)、第二の炭素繊維層22(図10参照)及び第三の炭素繊維層23(図11参照)がこの順番で形成されていくように炭素繊維が巻回される。
図9は、繊維巻回工程S13(図7参照)で連結体に第一の炭素繊維層21を形成する様子を示した模式図である。図10は、繊維巻回工程S13(図7参照)で連結体に第二の炭素繊維層22を形成する様子を示した模式図である。図11は、繊維巻回工程S13(図7参照)で連結体に第三の炭素繊維層23を形成する様子を示した模式図である。なお、図9から図11においては、作図の便宜上、マンドレル10等の外周面に配置される炭素繊維層21~23の一部のみを示している。
図9に示すように、第一の炭素繊維層21は、炭素繊維がマンドレル10等の軸方向に対して0度(deg)で配向するように、マンドレル10等の外周面に配置されて形成される。この第一の炭素繊維層21の形成工程では、軸方向に移動するマンドレル10等の連結体に対して図示しないブレーダのボビンから引き出された炭素繊維によって連結体の外周面に第一の炭素繊維層21が複数層配置される。
次に、この繊維巻回工程S13(図7参照)では、第一の炭素繊維層21(図9参照)上に第二の炭素繊維層22(図10参照)が形成される。この第二の炭素繊維層22は、図10に示すように、第二の炭素繊維層22がマンドレル10等の軸方向に対して45度(deg)で配向するように、マンドレル10等の外周面に配置されて形成される。この第二の炭素繊維層22の形成工程では、マンドレル10等の連結体の周囲に配置されて連結体の軸方向に移動する環状のブレーダ(図示を省略)の内周側で周方向に移動する複数のボビン(図示を省略)から繰り出される炭素繊維によって連結体の外周面に第二の炭素繊維層22が複数層配置される。
次に、この繊維巻回工程S13(図7参照)では、第二の炭素繊維層22(図10参照)上に第三の炭素繊維層23(図11参照)が形成される。この第三の炭素繊維層23は、図11に示すように、第三の炭素繊維層23がマンドレル10等の軸方向に対して-45度(deg)で配向するように、マンドレル10等の外周面に配置されて形成される。この第三の炭素繊維層23の形成工程では、第二の炭素繊維層22(図10参照)の形成工程とは逆回りに移動する複数のボビン(図示を省略)から繰り出される炭素繊維によって連結体の外周面に第三の炭素繊維層23が複数層配置される。
なお、以下の説明において、第一の炭素繊維層21、第二の炭素繊維層22及び第三の炭素繊維層23について特に区別する必要がない場合の各繊維層、並びに第一の炭素繊維層21、第二の炭素繊維層22及び第三の炭素繊維層23からなる炭素繊維の積層体については、単に繊維層と称することがある。そして、このようなFW工程が終了することによって、次のRTM工程に供給する動力伝達軸1A(図1参照)の中間体が完成する。
(RTM工程)
RTM工程は、前記の中間体を配置した本実施形態の型内に熱硬化性樹脂を充填し、これを硬化させる工程を含む動力伝達軸1A(図1参照)を作製する工程である。具体的には、RTM工程は、図7に示すように、型準備工程S21と、中間体設置工程S22と、膨張工程S23と、成型工程(繊維強化樹脂製管体形成工程)S24と、マンドレル抜き取り工程S25と、動力伝達軸組立工程S26と、バランスウェイト設置工程S27と、帯部材巻回工程S28Aと、を有している。
型準備工程S21(図7参照)においては、前記の中間体が配置されるキャビティを有する型100が準備される。図12は、型準備工程(図7参照)において用意される型100の構成説明図である。
本実施形態の型100は、第一の分割型と、第二の分割型とを有している。なお、以下の説明において、第一の分割型と、第二の分割型とを区別する必要がない場合には、単に分割型と称する。ちなみに、このような型100は、少なくとも二つの分割型を有していればよく、三つ以上の分割型を有する構成とすることもできる。
本実施形態の型100は、分割型同士を合わせた際に、前記の中間体が配置される中空部(キャビティ)を内側に形成する。型100の中空部の内周面には、凸部103が形成されている。凸部103は、中空部に設けられた中間体の繊維層を押圧することによって、繊維強化樹脂製管体20に凹部61を形成する。なお、繊維強化樹脂製管体20の凸部62(図6参照)を形成する場合には、型100は、凸部103に代えて、繊維強化樹脂製管体20の凸部62に対応する凹部を有する。
また、膨張工程S23が実行される場合には、型100の中空部の内周面は、軸方向中間部において大径となる樽形状を呈する。
中間体設置工程S22(図7参照)においては、第一の分割型と第二の分割型とが合わせられることで、型100内に、中間体が設置される。そして、型100に形成された樹脂供給路101は、型100内に設置された中間体の繊維層の一端部に樹脂溜りを介して臨むようになっている。また、型100に形成された樹脂排出路102は、中間体の繊維層の他端部に樹脂溜りを介して臨むようになっている。
次に、型100による中間体の膨張工程S23(図7参照)について説明する。この膨張工程S23(図7参照)においては、型100内に設置された中間体のマンドレル10内に加熱された流体を流通させることによってマンドレル10内を加圧し、マンドレル10の大径部11を膨張させる。マンドレル10の大径部11は、当該マンドレル10内を流通する流体によって加熱されて膨張する。また、第三の炭素繊維層23は、成形装置(金型)2の内周面に密着する。これにより、中間体は、型100の内部形状に沿う樽型形状を呈するように変形する。なお、膨張工程S23において、流体によるマンドレル10の加熱は、省略可能である。マンドレル10内への流体の供給及び排出は、マンドレル10の小径部15側に形成された流体用ゲート、及び、小径部15に形成された孔部等を介して行われる。
次に、型100による動力伝達軸1Aの成型工程S24(図7参照)について説明する。この成型工程S24(図7参照)においては、図13に示すように、樹脂供給路101を通じて型100内への熱硬化性樹脂24の供給を行うとともに、樹脂排出路102を通じて型100内の真空引きを行う。これにより熱硬化性樹脂24は、型100内に設置した中間体の繊維層に対して気泡を排除しながら一方から他方へと効率的に含浸されていく。ちなみに、熱硬化性樹脂24としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
次に、この成型工程S24(図7参照)では、型100が所定の熱源(図示を省略)によって加熱される。また、必要に応じて型締め操作が行われる。これにより型100内に供給された熱硬化性樹脂24が硬化し、予備成型体が得られる。
次に、マンドレル抜き取り工程S25(図7参照)について説明する。マンドレル抜き取り工程S25(図7参照)においては、マンドレル10は、第二の金属部材40の端部開口側から繊維強化樹脂製管体20の外側に取り出される。この際、マンドレル10(図8参照)は、使用される材料に応じた前記の方法にしたがって、例えば変形され、溶融され、分解され、破壊され、又は溶出されることによって繊維強化樹脂製管体20の内側から取り出される。これにより得られる動力伝達軸1A(図1参照)の軽量化が達成されることとなる。
また、マンドレル10(図8参照)を変形させて第二の金属部材40の端部開口側から取り出す場合には、例えばマンドレル10の中空部を減圧することで前記の端部開口よりもマンドレル10を小さくなるように収縮させて繊維強化樹脂製管体20(図1参照)から抜き取る方法を採用することができる。このような抜き取り方法は、例えば熱可塑性樹脂からなるマンドレル10を加熱等により可塑化することでより好適に実施することができる。また、このような抜き取り方法は、例えばダイヤカットを施したアルミニウム薄板からなるマンドレル10についても好適に実施することができる。
次に、ダイナミックダンパ設置工程S26(図7参照)について説明する。ダイナミックダンパ設置工程S26(図7参照)においては、図1及び図2に示すように、ダイナミックダンパ50の弾性部材51は、凸部62が凹部61に嵌合されるように、繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面に設置(外嵌)される。続いて、ベルト53は、溝部51g内を通って繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面に巻回されることによって、弾性部材51の軸方向一端部を繊維強化樹脂製管体20の小径部20cに固定する。
次に、動力伝達軸組立工程S27(図7参照)について説明する。動力伝達軸組立工程S27(図7参照)においては、第一の金属部材30にフランジジョイント組立体が組み付けられるとともに、第二の金属部材40にヨーク組立体が組み付けられる(図1参照)。
本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸1Aは、繊維強化樹脂によって形成された繊維強化樹脂製管体20と、前記繊維強化樹脂製管体20の径方向外側に設けられたダイナミックダンパ50と、を備えることを特徴とする。
したがって、動力伝達軸1Aは、ダイナミックダンパ50の繊維強化樹脂製管体20への組付性を向上するとともに好適な振動減衰効果を実現することができる。
前記繊維強化樹脂製管体20及び前記ダイナミックダンパ50のそれぞれには、互いに嵌合する嵌合部60Aが形成されている.
したがって、動力伝達軸1Aは、簡易な構成によって繊維強化樹脂製管体20及びダイナミックダンパ50を互いに固定することができる。
前記嵌合部60Aは、前記繊維強化樹脂製管体20に形成された凹部61と、前記ダイナミックダンパ50に形成された凸部62と、を備え、前記凹部61及び前記凸部62が、互いに嵌合されている.
又は、前記嵌合部60Aは、前記繊維強化樹脂製管体20に形成された凸部63と、前記ダイナミックダンパ50に形成された凹部64と、を備え、前記凸部63及び前記凹部64が、互いに嵌合されている。
したがって、動力伝達軸1Aは、簡易な構成によって繊維強化樹脂製管体20及びダイナミックダンパ50を互いに固定するための嵌合部60Aを実現することができる。
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸について、第一の実施形態に係る動力伝達軸1Aとの相違点を中心に説明する。
図14に示すように、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸1Bは、嵌合部60Bとして、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部61(又は凸部)及びそれに対応するダイナミックダンパ50側の複数の凸部62(又は凹部)を備える。複数の凹部61(又は凸部)は、繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面において周方向に断続的に配列されている。すなわち、凹部61は、周方向に不連続に配置されている。複数の凸部62(又は凹部)は、ダイナミックダンパ50(弾性部材51)の内周面において周方向に断続的に配列されている。すなわち、凸部62は、周方向に不連続に配置されている。繊維強化樹脂製管体20側の凹部61(又は凸部)及びダイナミックダンパ50側の凸部62(又は凹部)は、一対一で対応して互いに嵌合する。
図15に示す例では、主に、繊維強化樹脂製管体20側の凹部61(図2参照)について説明する。ダイナミックダンパ50側の複数の凸部62(図2参照)は、複数の凹部61bと一対一で対応して嵌合する形状に形成されて配列されている。また、繊維強化樹脂製管体20側に凸部63(図6参照)が形成されており、ダイナミックダンパ50側に凹部64(図6参照)が形成されている場合も、図15に示す例と同様の配列が可能である。
図15(a)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部61bは、周方向に延びる矩形状を呈しており、周方向に等間隔に配列されている。なお、ダイナミックダンパ50側の複数の凸部62(図2参照)は、複数の凹部61bと一対一で対応して嵌合する形状に形成されて配列されている。
図15(b)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部61bは、周方向に延びる矩形状を呈しており、複数の凹部61cは、軸方向に延びる矩形状を呈している。かかる凹部61b,61cは、周方向に交互に配列されている。
図15(c)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部61bは、周方向に延びる矩形状を呈しており、複数の凹部61dは、円形状を呈している。かかる凹部61b,61dは、周方向に交互に配列されている。
図15(d)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部61b1(第一グループ)は、周方向に延びる矩形状を呈しており、周方向に等間隔に配列されている。繊維強化樹脂製管体の複数の凹部61b2(第二グループ)は、周方向に延びる矩形状を呈しており、第一グループとは軸方向にオフセットした位置で、周方向に等間隔に配列されている。第一グループにおける凹部61b1及び第二グループにおける凹部61b2は、周方向において同じ位置に設けられている。
図15(e)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部61eは、繊維強化樹脂製管体20の径方向視で、当該繊維強化樹脂製管体20の軸線Xと交差する方向に延びる矩形状を呈しており、周方向に等間隔に配列されている。
図15(f)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部61eは、繊維強化樹脂製管体20の径方向視で、当該繊維強化樹脂製管体20の軸線Xと交差する方向に延びる矩形状を呈しており、周方向に等間隔に配列されている。また、凹部61eは、繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で(軸線X方向から見て)、換言すると、繊維強化樹脂製管体20の周方向において、当該凹部61eの少なくとも一部が他の(隣の)凹部61eと重なるように形成されている。
図15(a)~(c)に示す例では、複数の嵌合部60Bが周方向に配列されているので、異物が繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と弾性部材51の大径部51bとの間の隙間に進入することを防止することができる。
また、図15(d)に示す例では、複数の嵌合部60Bが周方向に2列に配列されているので、異物が繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と弾性部材51の大径部51bとの間の隙間に進入することをより好適に防止することができる。
また、図15(e)に示す例では、複数の嵌合部60Bが繊維強化樹脂製管体20の軸線Xと交差する方向に延びるように形成されているので、異物が繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と弾性部材51の大径部51bとの間の隙間に進入することをより好適に防止することができる。
また、図15(f)に示す例では、複数の嵌合部60Bが繊維強化樹脂製管体20の軸線Xと交差する方向に延びるように形成されているとともに繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で(軸線X方向から見て)、換言すると、繊維強化樹脂製管体20の周方向において、重なるように形成されているので、異物が繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と弾性部材51の大径部51bとの間の隙間に進入することをより好適に防止することができる。
本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸1Bは、複数の前記凹部61及び複数の前記凸部62を備え、複数の前記凹部61は、前記繊維強化樹脂製管体20の外周面の周方向に配置されており、複数の前記凸部62は、前記ダイナミックダンパ50において複数の前記凹部61のそれぞれに対応する位置に形成されている。
又は、動力伝達軸1Bは、複数の前記凸部63及び複数の前記凹部64を備え、複数の前記凸部63は、前記繊維強化樹脂製管体20の外周面の周方向に配置されており、複数の前記凹部64は、前記ダイナミックダンパ50において複数の前記凸部63のそれぞれに対応する位置に形成されている。
したがって、動力伝達軸1Bは、繊維強化樹脂製管体20及びダイナミックダンパ50の間への異物の進入を嵌合部60Bによって好適に防止することができる。
複数の前記凹部61は、前記繊維強化樹脂製管体20の径方向視で、当該繊維強化樹脂製管体20の軸線Xと交差する方向に延設されており、前記凹部61は、前記繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で、当該凹部61の少なくとも一部が他の前記凹部61と重なるように形成されている。この場合において、ダイナミックダンパ50に形成された複数の前記凸部62は、前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂製管体20)の径方向視で、当該ダイナミックダンパ50(当該繊維強化樹脂製管体20)の軸線Xと交差する方向に延設されており、前記凸部62は、前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂製管体20)の軸方向視で、当該凸部62の少なくとも一部が他の前記凸部62と重なるように形成されている。
又は、複数の前記凸部63は、前記繊維強化樹脂製管体20の径方向視で、当該繊維強化樹脂製管体20の軸線Xと交差する方向に延設されており、前記凸部63は、前記繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で、当該凸部63の少なくとも一部が他の前記凸部63と重なるように形成されている。この場合において、ダイナミックダンパ50に形成された複数の前記凹部64は、前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂製管体20)の径方向視で、当該ダイナミックダンパ50(当該繊維強化樹脂製管体20)の軸線Xと交差する方向に延設されており、前記凹部64は、前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂製管体20)の軸方向視で、当該凹部64の少なくとも一部が他の前記凹部64と重なるように形成されている。
したがって、動力伝達軸1Bは、繊維強化樹脂製管体20及びダイナミックダンパ50の間への異物の進入を嵌合部60Bによってさらに好適に防止することができる。
<第三の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸について、第二の実施形態に係る動力伝達軸1Bとの相違点を中心に説明する。
図16に示すように、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸1Cは、嵌合部60Cとして、繊維強化樹脂管体20側の複数の凹部61(又は凸部)及びそれに対応するダイナミックダンパ50側の複数の凸部62(又は凹部)を備える。
図16(a)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部(第一凹部)61b1(第一グループ)は、周方向に延びる矩形状を呈しており、周方向に等間隔に配列されている。繊維強化樹脂製管体20の複数の凹部(第二凹部)61b2(第二グループ)は、周方向に延びる矩形状を呈しており、第一グループとは軸方向にオフセットした位置で、周方向に等間隔に配列されている。第一グループにおける凹部61b1及び第二グループにおける凹部61b2は、周方向において互いに異なる位相で(オフセットして)設けられている。第二グループにおける凹部61b2は、繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で(軸線X方向から見て)、換言すると、繊維強化樹脂製管体20の周方向において、当該凹部61b2の少なくとも一部が第一グループにおける凹部61b1と重なるように形成されている。
図16(b)に示す例において、繊維強化樹脂製管体20側の複数の凹部(第一凹部)61b1(第一グループ)は、周方向に延びる矩形状を呈しており、周方向に等間隔に配列されている。繊維強化樹脂製管体20の複数の凹部(第二凹部)61b2(第二グループ)は、周方向に延びる矩形状を呈しており、第一グループとは軸方向にオフセットした位置で、周方向に等間隔に配列されている。第一グループにおける凹部61b1及び第二グループにおける凹部61b2は、周方向において互いに異なる位相で(オフセットして)設けられている。第二グループにおける凹部61b2は、繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で(軸線X方向から見て)、換言すると、繊維強化樹脂製管体20の周方向において、当該凹部61b2が第一グループにおける凹部61b1と重ならないように、第一グループにおける凹部61b1,61b1の間に形成されている。
図16(a)(b)に示す例において、複数の凹部61b1,61b2は、繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で(軸線X方向から見て)、換言すると、繊維強化樹脂製管体20の周方向において、連続した環状を構成する(欠けた部分が無い)ように配置されている。
図16(a)(b)に示す例では、複数の嵌合部60Cが周方向に2列に配列されているとともに、繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で(軸線X方向から見て)連続した環状を構成する(欠けた部分が無い)ように、換言すると、繊維強化樹脂製管体20の周方向において全体にわたって(欠けた部分が無いように)配置されているので、異物が繊維強化樹脂製管体20の小径部20cの外周面と弾性部材51の大径部51bとの間の隙間に進入することをより好適に防止することができる。
また、第一凹部61b1及びそれに対応する第二凸部、並びに、第一凹部61b2及びそれに対応する第二凸部は、それぞれ繊維強化樹脂管体20及びダイナミックダンパ50の周方向全周にわたって形成された環状のものであってもよい。かかる事項は、繊維強化樹脂管体20側に凸部が形成されており、ダイナミックダンパ50側に凹部が係止絵されている場合においても同様である。
本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸1Cにおいて、複数の前記凹部61は、前記繊維強化樹脂製管体20の外周面の周方向に配置される複数の第一凹部と、複数の前記第一凹部とは前記繊維強化樹脂製管体20の軸方向にオフセットして設けられており、前記繊維強化樹脂製管体20の外周面の周方向に配置される複数の第二凹部と、を備え、複数の前記第二凹部は、複数の前記第一凹部と異なる位相で配置されており、前記第二凹部は、前記繊維強化樹脂製管体の軸方向視で、当該第二凹部の少なくとも一部が前記第一凹部と重なるように形成されている。この場合において、ダイナミックダンパ50に形成された複数の前記凸部62は、前記ダイナミックダンパ50の内周面の周方向に配置される複数の第一凸部と、複数の前記第一凸部とは前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂管体20)の軸方向にオフセットして設けられており、前記ダイナミックダンパ50の内周面の周方向に配置される複数の第二凸部と、を備え、複数の前記第二凸部は、複数の前記第一凸部と異なる位相で配置されており、前記第二凸部は、前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂製管体20)の軸方向視で、当該第二凸部の少なくとも一部が前記第一凸部と重なるように形成されている。ここで、第一凹部及びそれに対応する第一凸部が互いに嵌合し、第二凹部及びそれに対応する第二凸部が互いに嵌合する。
又は、動力伝達軸1Cにおいて、複数の前記凸部63は、前記繊維強化樹脂製管体20の外周面の周方向に配置される複数の第一凸部と、複数の前記第一凸部とは前記繊維強化樹脂製管体20の軸方向にオフセットして設けられており、前記繊維強化樹脂製管体20の外周面の周方向に配置される複数の第二凸部と、を備え、複数の前記第二凸部は、複数の前記第一凸部と異なる位相で配置されており、前記第二凸部は、前記繊維強化樹脂製管体20の軸方向視で、当該第二凸部の少なくとも一部が前記第一凸部と重なるように形成されている。この場合において、ダイナミックダンパ50に形成された複数の前記凹部64は、前記ダイナミックダンパ50の内周面の周方向に配置される複数の第一凹部と、複数の前記第一凹部とは前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂管体20)の軸方向にオフセットして設けられており、前記ダイナミックダンパ50の内周面の周方向に配置される複数の第二凹部と、を備え、複数の前記第二凹部は、複数の前記第一凹部と異なる位相で配置されており、前記第二凹部は、前記ダイナミックダンパ50(前記繊維強化樹脂製管体20)の軸方向視で、当該第二凹部の少なくとも一部が前記第一凹部と重なるように形成されている。ここで、第一凸部及びそれに対応する第一凹部が互いに嵌合し、第二凸部及びそれに対応する第二凹部が互いに嵌合する。
したがって、本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸1Cは、繊維強化樹脂製管体20及びダイナミックダンパ50の間への異物の進入を嵌合部60Cによってさらに好適に防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形可能である。例えば、ステップS9,S10の間にマンドレル10を成形された繊維強化樹脂製管体20から抜き出す構成であってもよい。また、マンドレル10は、成型工程S24における熱硬化性樹脂24や型100の熱によって溶融して除去される構成であってもよい。その他の熱、電気、振動等のエネルギーによってマンドレル10を溶融して除去することも可能である。
また、各炭素繊維層21~23は、互いに織り込まれた、いわゆるクリンプ構造を呈してもよい。また、繊維体は、炭素繊維に限定されず、樹脂層を強化可能な繊維部材(例えば、ガラス繊維、セルロース繊維等)であればよい。
また、嵌合部60A~60Cにおける繊維強化樹脂製管体20側の凹部61又は凸部63の形成手法は、前記したものに限定されない。例えば、繊維強化樹脂製管体20の外表面を切削等で加工することによって、凹部61又は凸部を形成する構成であってもよい。
1A,1B,1C 動力伝達軸
10 マンドレル
20 繊維強化樹脂製管体
30 第一の金属部材
40 第二の金属部材
50 ダイナミックダンパ
51 弾性部材
52 錘
53 ベルト
60A,60B,60C 嵌合部
61 凹部
62 凸部
63 凸部
64 凹部

Claims (10)

  1. 繊維強化樹脂によって形成された繊維強化樹脂製管体と、
    前記繊維強化樹脂製管体の径方向外側に設けられたダイナミックダンパと、
    を備えることを特徴とする動力伝達軸。
  2. 前記繊維強化樹脂製管体及び前記ダイナミックダンパのそれぞれには、互いに嵌合する嵌合部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達軸。
  3. 前記嵌合部は、
    前記繊維強化樹脂製管体に形成された凹部と、
    前記ダイナミックダンパに形成された凸部と、
    を備え、
    前記凹部及び前記凸部が、互いに嵌合されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達軸。
  4. 複数の前記凹部及び複数の前記凸部を備え、
    複数の前記凹部は、前記繊維強化樹脂製管体の外周面の周方向に配置されており、
    複数の前記凸部は、前記ダイナミックダンパにおいて複数の前記凹部のそれぞれに対応する位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達軸。
  5. 複数の前記凹部は、前記繊維強化樹脂製管体の径方向視で、当該繊維強化樹脂製管体の軸線と交差する方向に延設されており、
    前記凹部は、前記繊維強化樹脂製管体の軸方向視で、当該凹部の少なくとも一部が他の前記凹部と重なるように形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の動力伝達軸。
  6. 複数の前記凹部は、
    前記繊維強化樹脂製管体の外周面の周方向に配置される複数の第一凹部と、
    複数の前記第一凹部とは前記繊維強化樹脂製管体の軸方向にオフセットして設けられており、前記繊維強化樹脂製管体の外周面の周方向に配置される複数の第二凹部と、
    を備え、
    複数の前記第二凹部は、複数の前記第一凹部と異なる位相で配置されており、
    前記第二凹部は、前記繊維強化樹脂製管体の軸方向視で、当該第二凹部の少なくとも一部が前記第一凹部と重なるように形成されている
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の動力伝達軸。
  7. 前記嵌合部は、
    前記繊維強化樹脂製管体に形成された凸部と、
    前記ダイナミックダンパに形成された凹部と、
    を備え、
    前記凸部及び前記凹部が、互いに嵌合されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達軸。
  8. 複数の前記凸部及び複数の前記凹部を備え、
    複数の前記凸部は、前記繊維強化樹脂製管体の外周面の周方向に配置されており、
    複数の前記凹部は、前記ダイナミックダンパにおいて複数の前記凸部のそれぞれに対応する位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の動力伝達軸。
  9. 複数の前記凸部は、前記繊維強化樹脂製管体の径方向視で、当該繊維強化樹脂製管体の軸線と交差する方向に延設されており、
    前記凸部は、前記繊維強化樹脂製管体の軸方向視で、当該凸部の少なくとも一部が他の前記凸部と重なるように形成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の動力伝達軸。
  10. 複数の前記凸部は、
    前記繊維強化樹脂製管体の外周面の周方向に配置される複数の第一凸部と、
    複数の前記第一凸部とは前記繊維強化樹脂製管体の軸方向にオフセットして設けられており、前記繊維強化樹脂製管体の外周面の周方向に配置される複数の第二凸部と、
    を備え、
    複数の前記第二凸部は、複数の前記第一凸部と異なる位相で配置されており、
    前記第二凸部は、前記繊維強化樹脂製管体の軸方向視で、当該第二凸部の少なくとも一部が前記第一凸部と重なるように形成されている
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の動力伝達軸。
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