JP2023074868A - マンドレル - Google Patents
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Abstract
【課題】 内部の圧力を高めるための流体の漏れを防止することが可能なマンドレルを提供する。【解決手段】 マンドレル1Aは、筒形状を呈するマンドレル本体10と、マンドレル本体10の軸線方向端部に内嵌される内嵌部材20Aと、マンドレル本体10の軸線方向端部に埋設される埋設部材30Aと、を備え、内嵌部材20Aは、マンドレル本体10に流体を流入可能な流路20aを備え、マンドレル本体10の外周面側に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱したときの温度において、埋設部材30Aの硬度は、マンドレル本体10の硬度よりも高い。【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば車両における動力伝達軸等の管体を製造する際に用いられるマンドレルに関する。
車両に搭載される動力伝達軸(プロペラシャフト)は、車両の前後方向に延在する管体を備え、この管体により原動機で発生し変速機で減速された動力を終減速装置に伝達している。このような動力伝達軸に用いられる管体として、マンドレルを利用して製造された繊維強化プラスチック製のものがある(下記特許文献1参照)。
ところで、マンドレルに材料を巻き付ける方法として、樹脂を含浸した連続繊維を巻き付けるフィラメントワインディング法と、プリプレグ(繊維に樹脂を含浸させてなるシート)を巻き付けるシートワインディング法が挙げられる。ここで、フィラメントワインディング法で巻き付けられた繊維に含浸された樹脂を硬化させるために、材料が巻き付けられたマンドレルを金型内に配置してマンドレル内に流体を充填することによってマンドレル内の圧力を高めるとともに、樹脂を加熱することが行われている。ここで、マンドレルの端部には、流体の流路が形成された部材が配置されるが、加熱によってマンドレルが変形すると、前記部材とマンドレルとの間に隙間が生じて流体が漏れてしまい、マンドレル内の圧力が高まらずに製品の成形精度が低下するおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するために創作されたものであり、内部の圧力を高めるための流体の漏れを防止することが可能なマンドレルを提供することを課題とする。
本開示によれば、筒形状を呈するマンドレル本体と、前記マンドレル本体の軸線方向端部に内嵌される内嵌部材と、前記マンドレル本体の前記軸線方向端部に埋設される埋設部材と、を備え、前記内嵌部材は、前記マンドレル本体に流体を流入可能な流路を備え、前記マンドレル本体の外周面側に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱したときの温度において、前記埋設部材の硬度は、前記マンドレル本体の硬度よりも高い、マンドレルが提供される。
本発明によると、内部の圧力を高めるための流体の漏れを防止することが可能なマンドレルを提供することができる。
本発明の実施形態について、炭素繊維強化プラスチックによって車両の動力伝達軸(プロペラシャフト)を製造する場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、参照する図面は、分かりやすさのためにデフォルメされている。
<第一の実施形態>
図1に示すように、第一の実施形態に係るマンドレル1Aは、繊維強化樹脂管体40(図3参照)を製造するために用いられるものであって、マンドレル本体10と、内嵌部材20Aと、埋設部材30Aと、を備える。
図1に示すように、第一の実施形態に係るマンドレル1Aは、繊維強化樹脂管体40(図3参照)を製造するために用いられるものであって、マンドレル本体10と、内嵌部材20Aと、埋設部材30Aと、を備える。
≪マンドレル本体≫
マンドレル本体10は、筒形状を呈する樹脂製部材である。本実施形態において、マンドレル本体10は、繊維強化樹脂管体40の内部から除去されるが、繊維強化樹脂管体40の内部に残留して繊維強化樹脂管体40の芯材として機能することも可能である。マンドレル本体40には、繊維強化樹脂管体40における樹脂硬化の際の加熱に耐えられる材料を用いることができる。そのような材料の例としては、PP(ポリプロピレン樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、SMP(形状記憶ポリマー)等が挙げられる。マンドレル本体10は、軸方向中間部の大径部11と、軸方向一端部に形成されるテーパ部12及び中径部13と、軸方向他端部に形成される段部14及び小径部15と、を一体に備える。本実施形態において、中径部13の軸方向一端部には、中径部13よりも小径な突出部16が形成されている。突出部16は、第一の金属部材30が外嵌される部位である。
マンドレル本体10は、筒形状を呈する樹脂製部材である。本実施形態において、マンドレル本体10は、繊維強化樹脂管体40の内部から除去されるが、繊維強化樹脂管体40の内部に残留して繊維強化樹脂管体40の芯材として機能することも可能である。マンドレル本体40には、繊維強化樹脂管体40における樹脂硬化の際の加熱に耐えられる材料を用いることができる。そのような材料の例としては、PP(ポリプロピレン樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、SMP(形状記憶ポリマー)等が挙げられる。マンドレル本体10は、軸方向中間部の大径部11と、軸方向一端部に形成されるテーパ部12及び中径部13と、軸方向他端部に形成される段部14及び小径部15と、を一体に備える。本実施形態において、中径部13の軸方向一端部には、中径部13よりも小径な突出部16が形成されている。突出部16は、第一の金属部材30が外嵌される部位である。
≪内嵌部材≫
図2に示すように、内嵌部材20Aは、マンドレル本体10の軸方向他端部である小径部15に内嵌される筒状の金属製部材である。内嵌部材20Aは、小径部15の径方向内側への変形を防止するものであって、マンドレル本体10内に加圧用流体F(図9参照)(例えば、加圧された空気)を充填させるための流路20aが形成されている。本実施形態において、加圧用流体Fは、成形装置100内においてマンドレル本体10内を加圧して膨張させるためのものである。また、加圧用流体Fは、後記する成形装置100内においてマンドレル本体10の外周面に配置された熱硬化性樹脂(後記する樹脂44)を硬化させるために加熱するための加熱用流体でもある。
図2に示すように、内嵌部材20Aは、マンドレル本体10の軸方向他端部である小径部15に内嵌される筒状の金属製部材である。内嵌部材20Aは、小径部15の径方向内側への変形を防止するものであって、マンドレル本体10内に加圧用流体F(図9参照)(例えば、加圧された空気)を充填させるための流路20aが形成されている。本実施形態において、加圧用流体Fは、成形装置100内においてマンドレル本体10内を加圧して膨張させるためのものである。また、加圧用流体Fは、後記する成形装置100内においてマンドレル本体10の外周面に配置された熱硬化性樹脂(後記する樹脂44)を硬化させるために加熱するための加熱用流体でもある。
≪埋設部材≫
埋設部材30Aは、マンドレル本体10の軸方向他端部である小径部15に埋設される環状(筒状)の金属製部材である。埋設部材30Aは、マンドレル本体10内において周方向全体にわたって存在する環状を呈しており、埋設部位の変形を抑制することによって、内嵌部材20Aの外周面とマンドレル本体10の内周面との間に隙間が発生することを抑制する部材である。埋設部材30Aは、マンドレル本体の外周面側に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱したときの温度(好ましくは、室温から前記した加熱したときの温度まで)において、かかる隙間発生抑制の機能を発揮する。埋設部材30Aの軸方向一端部は、内嵌部材20Aの軸方向一端部よりも軸方向中間側に設けられている。埋設部材30Aの軸方向他端部は、軸方向においてマンドレル本体10の軸方向他端部と同位置に設けられている。
埋設部材30Aは、マンドレル本体10の軸方向他端部である小径部15に埋設される環状(筒状)の金属製部材である。埋設部材30Aは、マンドレル本体10内において周方向全体にわたって存在する環状を呈しており、埋設部位の変形を抑制することによって、内嵌部材20Aの外周面とマンドレル本体10の内周面との間に隙間が発生することを抑制する部材である。埋設部材30Aは、マンドレル本体の外周面側に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱したときの温度(好ましくは、室温から前記した加熱したときの温度まで)において、かかる隙間発生抑制の機能を発揮する。埋設部材30Aの軸方向一端部は、内嵌部材20Aの軸方向一端部よりも軸方向中間側に設けられている。埋設部材30Aの軸方向他端部は、軸方向においてマンドレル本体10の軸方向他端部と同位置に設けられている。
内嵌部材20A及び埋設部材30Aは、後記するステップS9の成型工程において、前記した加熱用流体によってマンドレル1Aが加熱された所定温度(例えば、140℃)の状態で、マンドレル本体10よりも硬い。また、埋設部材30Aは、線膨張の観点から、内嵌部材20Aと同一の金属材料によって形成されていることが好ましい。
<動力伝達軸>
図3及び図4に示すように、マンドレル1A(図1参照)を用いて製造される動力伝達軸2は、車両において前後方向に延設され、動力源で発生した動力を軸線周りの回転として伝達する軸である。動力伝達軸2は、繊維強化樹脂管体40と、第一の金属部材50と、第二の金属部材60と、を備える。
図3及び図4に示すように、マンドレル1A(図1参照)を用いて製造される動力伝達軸2は、車両において前後方向に延設され、動力源で発生した動力を軸線周りの回転として伝達する軸である。動力伝達軸2は、繊維強化樹脂管体40と、第一の金属部材50と、第二の金属部材60と、を備える。
<繊維強化樹脂管体>
繊維強化樹脂管体40は、マンドレル本体10の外周面に沿うように管状に形成された樹脂含有繊維層である。繊維強化樹脂管体40は、マンドレル本体10の大径部11、テーパ部12及び中径部13、第一の金属部材50の軸方向一端部、並びに、第二の金属部材60の軸方向他端部位の外周面上に沿うように形成される。図5~図7に示すように、繊維強化樹脂管体40は、炭素繊維層として、径方向内側(マンドレル本体10側)から順に、第一の炭素繊維層41と、第二の炭素繊維層42と、第三の炭素繊維層43と、を備える。なお、図5~図7において、炭素繊維層41,42,43は、一部のみが図示されている。また、第一の金属部材50の軸方向一端部(マンドレル本体10とは反対側に位置する端部)の外周面、及び、第二の金属部材60の軸方向他端部(マンドレル本体10とは反対側に位置する端部)の外周面は、繊維強化樹脂管体40によって被覆されておらず、当該繊維強化樹脂管体40から突出している。
繊維強化樹脂管体40は、マンドレル本体10の外周面に沿うように管状に形成された樹脂含有繊維層である。繊維強化樹脂管体40は、マンドレル本体10の大径部11、テーパ部12及び中径部13、第一の金属部材50の軸方向一端部、並びに、第二の金属部材60の軸方向他端部位の外周面上に沿うように形成される。図5~図7に示すように、繊維強化樹脂管体40は、炭素繊維層として、径方向内側(マンドレル本体10側)から順に、第一の炭素繊維層41と、第二の炭素繊維層42と、第三の炭素繊維層43と、を備える。なお、図5~図7において、炭素繊維層41,42,43は、一部のみが図示されている。また、第一の金属部材50の軸方向一端部(マンドレル本体10とは反対側に位置する端部)の外周面、及び、第二の金属部材60の軸方向他端部(マンドレル本体10とは反対側に位置する端部)の外周面は、繊維強化樹脂管体40によって被覆されておらず、当該繊維強化樹脂管体40から突出している。
≪第一の炭素繊維層≫
図5に示すように、第一の炭素繊維層41は、マンドレル本体10等の外周面に対して、当該マンドレル本体10を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第一の炭素繊維層41における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して平行に延設されている。すなわち、第一の炭素繊維層41に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、0°である。
図5に示すように、第一の炭素繊維層41は、マンドレル本体10等の外周面に対して、当該マンドレル本体10を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第一の炭素繊維層41における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して平行に延設されている。すなわち、第一の炭素繊維層41に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、0°である。
≪第二の炭素繊維層≫
図6に示すように、第二の炭素繊維層42は、第一の炭素繊維層41の径方向外側に設けられており、第一の炭素繊維層41を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第二の炭素繊維層42における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル本体10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第二の炭素繊維層42に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、45°である。
図6に示すように、第二の炭素繊維層42は、第一の炭素繊維層41の径方向外側に設けられており、第一の炭素繊維層41を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第二の炭素繊維層42における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル本体10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第二の炭素繊維層42に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、45°である。
≪第三の炭素繊維層≫
図7に示すように、第三の炭素繊維層43は、第二の炭素繊維層42の径方向外側に設けられており、第二の炭素繊維層42を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第三の炭素繊維層43における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して-45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル本体10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第三の炭素繊維層43に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、-45°である。
図7に示すように、第三の炭素繊維層43は、第二の炭素繊維層42の径方向外側に設けられており、第二の炭素繊維層42を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第三の炭素繊維層43における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して-45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル本体10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第三の炭素繊維層43に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、-45°である。
図3及び図4に示すように、繊維強化樹脂管体40は、軸方向一端部側に、軸方向中央側の大径部40aから軸方向一端部の小径部40cに向かうにつれて縮径するテーパ部40bが形成されている。大径部40aは、マンドレル本体10の大径部11の外周面に倣う形状を呈する本体部である。テーパ部40bは、マンドレル本体10のテーパ部12の外周面に倣う形状を呈する。小径部40cは、マンドレル本体10の中径部13及び第一の金属部材50の一部の外周面に倣う形状を呈する端部である。
<第一の金属部材>
第一の金属部材50は、略円柱形状を呈する部材(シャフト)である。図7等に示すように、製造途中段階において、マンドレル本体10から離れた側に位置する第一の金属部材50の軸線方向一端部は、マンドレル本体10から突出しており、マンドレル本体10側に位置する第一の金属部材50の軸方向他端部は、マンドレル本体10に嵌合(内嵌)されている。
第一の金属部材50は、略円柱形状を呈する部材(シャフト)である。図7等に示すように、製造途中段階において、マンドレル本体10から離れた側に位置する第一の金属部材50の軸線方向一端部は、マンドレル本体10から突出しており、マンドレル本体10側に位置する第一の金属部材50の軸方向他端部は、マンドレル本体10に嵌合(内嵌)されている。
図1及び図3に示すように、第一の金属部材50の軸方向他端部には、マンドレル本体10の突出部16が挿入可能な有底の孔部50aが形成されている。
第一の金属部材50は、動力伝達軸2におけるプランジジョイント組立体の一部材である。プランジジョイント組立体は、かかる第一の金属部材50に対して、いずれも不図示のブーツ、プランジジョイントを組み付けることによって形成される。
<第二の金属部材>
第二の金属部材60は、略円筒形状を呈する部材である。図7等に示すように、製造途中段階において、マンドレル本体10から離れた側に位置する第二の金属部材60の軸線方向他端部は、マンドレル本体10から突出しており、マンドレル本体10側に位置する第二の金属部材60の軸方向一端部は、マンドレル本体10に嵌合(外嵌)されている。
第二の金属部材60は、略円筒形状を呈する部材である。図7等に示すように、製造途中段階において、マンドレル本体10から離れた側に位置する第二の金属部材60の軸線方向他端部は、マンドレル本体10から突出しており、マンドレル本体10側に位置する第二の金属部材60の軸方向一端部は、マンドレル本体10に嵌合(外嵌)されている。
第二の金属部材60は、動力伝達軸2におけるヨーク組立体の一部材である。ヨーク組立体は、かかる第二の金属部材60に対して、いずれも不図示のスパイダー、ニードルベアリング、ヨークを組み付けることによって形成される。
<製造方法>
続いて、本発明の第一の実施形態に係るマンドレル1Aを用いた動力伝達軸2の製造方法について、図8のフローチャートを用いて説明する。動力伝達軸1の製造方法は、マンドレル本体形成工程(ステップS1)と、マンドレル本体形成工程の後に実行される内嵌部材設置工程(ステップS2)と、内嵌部材設置工程の後に実行される第一連結工程(ステップS3)と、第一連結工程の後に実行される第二連結工程(ステップS4)と、を含む。また、動力伝達軸2の製造方法は、第二連結工程の後に実行される繊維設置工程(ステップS5~S7)と、繊維設置工程の後に実行される金型内設置工程(ステップS8)と、を含む。また、動力伝達軸2の製造方法は、金型内設置工程の後に実行される成型工程(ステップS9)と、成型工程の後に実行される取出工程(ステップS10)と、取出工程の後に実行されるジョイント組付工程(ステップS11)と、を含む。
続いて、本発明の第一の実施形態に係るマンドレル1Aを用いた動力伝達軸2の製造方法について、図8のフローチャートを用いて説明する。動力伝達軸1の製造方法は、マンドレル本体形成工程(ステップS1)と、マンドレル本体形成工程の後に実行される内嵌部材設置工程(ステップS2)と、内嵌部材設置工程の後に実行される第一連結工程(ステップS3)と、第一連結工程の後に実行される第二連結工程(ステップS4)と、を含む。また、動力伝達軸2の製造方法は、第二連結工程の後に実行される繊維設置工程(ステップS5~S7)と、繊維設置工程の後に実行される金型内設置工程(ステップS8)と、を含む。また、動力伝達軸2の製造方法は、金型内設置工程の後に実行される成型工程(ステップS9)と、成型工程の後に実行される取出工程(ステップS10)と、取出工程の後に実行されるジョイント組付工程(ステップS11)と、を含む。
ステップS1は、図1及び図2に示される樹脂製のマンドレル本体10を図示しない成形装置を用いて形成する工程である。ステップS1では、インサート成形によって、埋設部材30がマンドレル本体10内に埋設された状態で一体成形される。
ステップS1に続いて、ステップS2で、内嵌部材20Aをマンドレル本体10の小径部15に圧入して内嵌させる。圧入の際には、内嵌部材20Aの外周面と小径部15の外周面との間にグリス等の潤滑油を設けてもよい。なお、ステップS2は、ステップS8の前までに実行されればよい。
ステップS2に続いて、ステップS3で、マンドレル本体10の軸線方向一端部に第一の金属部材50を設ける。ステップS3では、まず、第一の金属部材50の軸方向他端部を、マンドレル本体10の突出部16に嵌合(外嵌)させる。続いて、第一の金属部材50の軸方向他端部の外周面上に接着層(図示せず)を設ける。ステップS3において、第一の金属部材50は、マンドレル本体10の突出部16に外嵌される。
ステップS3に続いて、ステップS4で、マンドレル本体10の軸線方向他端部に第二の金属部材(カラー)60を設ける。ステップS4において、第二の金属部材60は、マンドレル本体10の段部14に外嵌される。ここで、ステップS3,S4の順番は、適宜変更可能であり、ステップS4が先でもよく、同時であってもよい。
ステップS4に続いて、ステップS5で、図5に示すように、第一の炭素繊維層41がマンドレル本体10、第一の金属部材50及び第二の金属部材60の外周面上に形成される。ステップS5に続いて、ステップS6で、図6に示すように、第二の炭素繊維層42がマンドレル本体10、第一の金属部材50及び第二の金属部材60における第一の炭素繊維層41の外周面上に形成される。ステップS6に続いて、ステップS7で、図7に示すように、第三の炭素繊維層43がマンドレル本体10、第一の金属部材50及び第二の金属部材60における第二の炭素繊維層42の外周面上に形成される。ステップS5~S7において、第一の金属部材50及び第二の金属部材60のそれぞれの軸方向におけるマンドレル10とは反対側に位置する端部には、それぞれの繊維が配置されないように炭素繊維層41~43が形成される。
ステップS5~S7において、炭素繊維層41~43は、樹脂が含浸された繊維ではなく、いわゆる生糸である。また、炭素繊維層41~43は、それぞれ多給糸フィラメントワインド法によってマンドレル本体10、第一の金属部材50及び第二の金属部材60の軸線方向他端部の外周面上に配置される。多給糸フィラメントワインド法によって給糸された炭素繊維層41~43は、互いに織り込まれることなく層として独立した、いわゆるノンクリンプ構造を呈する。
ステップS7に続いて、ステップS8で、図9に示すように、マンドレル1A、第一の金属部材50、第二の金属部材60及び各炭素繊維層41~43の組立体を、成形装置(金型)100内に設置する。
ステップS8に続いて、当該成形装置100内に樹脂44が供給される。これにより、マンドレル本体10の外周面に配置された炭素繊維層41~43に樹脂44が含浸される。さらに、成形装置100に熱を加えることによって樹脂44を硬化させ、繊維強化樹脂管体40が形成されるとともに、繊維強化樹脂管体40、第一の金属部材50及び第二の金属部材60が一体成型される(ステップS9、成型工程)。樹脂44は、例えば熱硬化性樹脂である。本実施形態において、成形装置100の金型は、複数に分割されている。ステップS9では、前記組立体に熱が加えられるとともに、成形装置100の金型を閉じる型閉じ操作を行い、続いて、閉じた金型に圧力を印加する型締め操作を行うことにより、金型内の圧力を上昇させることで、樹脂44の硬化が促進される。なお、本実施形態では金型が複数に分割されている構成で説明しているため、型閉じ操作及び型締め操作が行われているが、型締め操作は、必須ではない。また、金型が複数に分割されていない場合には、かかる型閉じ操作及び型締め操作は、必須ではない。成形装置100内において、溶融状態の樹脂44が導入されるゲート101の出口側には空間(樹脂だまり102)が形成されている。成形装置100内に導入された樹脂44は、炭素繊維層41~43の軸方向一端部の側方に位置する当該樹脂だまり102に貯留される。樹脂だまり102に貯留された樹脂44は、炭素繊維層41~43の配列方向においてゲート101とは反対側(炭素繊維層41~43の軸方向他端部の外周面側)に形成された吸引口103からの真空吸引によって、マンドレル本体10の軸線方向に移動し、炭素繊維層41~43に含浸する。樹脂44が炭素繊維層21~23に含浸した状態で、成形装置100に熱が加えられ、さらに、成形装置100内に圧力が加えられることによって、繊維強化樹脂管体40が形成される。
図9に示すように、第一実施形態での成形装置100においては、流路20aを介してマンドレル本体10の内側に連通するように、連通路104が設けられている。成型工程を行う際には、不図示の供給装置に連結された連通路104を介して、マンドレル本体10の中空部に加圧用流体F(例えば、加圧された140℃以上の空気)を充填させる。高温の加圧用流体Fによって加熱されたマンドレル本体10は、樹脂44が硬化する温度よりも低い温度(変態温度である80℃)になると軟化し、加圧用流体Fによって内部から加圧され、成形装置100の内周面に倣うように膨張変形する。かかる加圧により、充填された樹脂44によってマンドレル本体10が縮径方向に変形することを防止することができる。また、かかる加圧により、樹脂44の充填量を抑制し、完成品である繊維強化樹脂管体40の重量増加を防止することができる。
ここで、マンドレル本体10が高温の加圧用流体Fによる加熱で柔らかくなって変形しやすくなると、加圧用流体Fが内嵌部材20Aの外周面とマンドレル本体10の小径部15の内周面との間からマンドレル本体10外に漏れるおそれがある。第一の実施形態に係るマンドレル1Aは、加熱環境下で、マンドレル本体10の小径部15内に埋設された埋設部材30Aの硬度がマンドレル本体10の硬度よりも高いため、小径部15の変形を抑制して加熱用流体Fの漏れを防止することができる。埋設部材30Aの硬度の方がマンドレル本体10の硬度よりも高いという関係は、常温(室温)から樹脂44を硬化させる温度までの間で成立する。
また、第一の実施形態に係るマンドレル1Aにおいて、マンドレル本体10の内嵌部材20Aと埋設部材30Aとの間となる部位15aの厚さは、内嵌部材20Aと金型100との間となるマンドレル本体10(小径部15の全体)の厚さよりも小さくなっている。したがって、マンドレル1Aは、内嵌部材20Aとの間の隙間を発生するおそれがあるマンドレル本体10の変形を好適に抑制して、加圧用流体Fの漏れを防止することができる。
また、第一の実施形態に係るマンドレル1Aにおいて、埋設部材30Aの軸線方向一端部は、内嵌部材20Aの軸線方向一端部よりも軸線方向中央側に位置する。したがって、マンドレル1Aは、マンドレル1Aは、マンドレル本体10の中空部側においてマンドレル本体10の変形を好適に抑制し、加圧用流体Fの漏れを防止することができる。
ステップS9に続いて、ステップS10で、成形された組立体すなわち中間体が成形装置100から取り出される。ステップS10に続いて、ステップS11で、中間体の第一の金属部材50にプランジジョイント組立体を取り付けるとともに、第二の金属部材60にヨーク組立体を取り付ける。
なお、ステップS10とステップS11との間に、マンドレル抜き取り工程を実行することが考えられる。このマンドレル抜き取り工程は、第二の金属部材60の端部開口側から繊維強化樹脂管体20の外側にマンドレル1Aを取り出す工程である。この際、マンドレル1Aは、使用される材料に応じた方法にしたがって、例えば変形され、溶融され、分解され、破壊され、又は溶出されることによって繊維強化樹脂管体40の内側から取り出される。これにより、動力伝達軸2の軽量化が達成されることとなる。
また、マンドレル1Aを変形させて第二の金属部材60の端部開口側から取り出す場合には、例えばマンドレル本体10の中空部を減圧することで前記の端部開口よりもマンドレル1Aを小さくなるように収縮させて繊維強化樹脂管体40から抜き取る方法を採用することができる。
マンドレル抜き取り工程を行う際には、不図示の真空ポンプに連結された連通路104を介して、マンドレル本体10の中空部を減圧することができる。
このようなマンドレル抜き取り工程は、例えば熱可塑性樹脂からなるマンドレル本体10を加熱等により可塑化することでより好適に実施することができる。また、例えばダイヤカットを施したアルミニウム薄板からなるマンドレル本体10についても好適に実施することができる。また、マンドレル抜き取り工程を実行した場合には、取り出された内嵌部材20A及び埋設部材30Aは、再利用可能である。
本発明の第一の実施形態に係るマンドレル1Aは、筒形状を呈するマンドレル本体10と、前記マンドレル本体10の軸線方向端部に内嵌される内嵌部材20Aと、前記マンドレル本体10の前記軸線方向端部に埋設される埋設部材30Aと、を備え、前記内嵌部材20Aは、前記マンドレル本体10に流体を流入可能な流路20aを備え、前記マンドレル本体10の外周面側に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱したときの温度において、前記埋設部材30Aの硬度は、前記マンドレル本体10の硬度よりも高い。
したがって、マンドレル1Aは、マンドレル本体10の端部の変形を抑制することによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体(加圧用流体F)の漏れを防止することができる。
したがって、マンドレル1Aは、マンドレル本体10の端部の変形を抑制することによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体(加圧用流体F)の漏れを防止することができる。
また、マンドレル1Aにおいて、前記埋設部材30Aは、環状を呈する。
したがって、マンドレル1Aは、マンドレル本体10の端部の変形を周方向全体にわたって抑制することによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを防止することができる。
したがって、マンドレル1Aは、マンドレル本体10の端部の変形を周方向全体にわたって抑制することによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを防止することができる。
また、マンドレル1Aにおいて、前記内嵌部材20A及び前記埋設部材30Aは、同一の金属材料によって形成されている。
したがって、マンドレル1Aは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aの線膨張を同一にすることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを防止することができる。
したがって、マンドレル1Aは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aの線膨張を同一にすることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを防止することができる。
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図10に示すように、第二の実施形態に係るマンドレル1Bは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20B及び埋設部材30Bを備える。
続いて、本発明の第二の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図10に示すように、第二の実施形態に係るマンドレル1Bは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20B及び埋設部材30Bを備える。
内嵌部材20B及び埋設部材30Bの軸線方向他端部は、マンドレル本体10の小径部15から軸線方向に突出している。内嵌部材20Bの突出部位の外周面には、雄ネジ部20bが形成されている。雄ネジ部20bのネジ山の高さは、小径部15の内周面よりも径方向外側に設定されている。埋設部材30Bの突出部位は、径方向内側に延設されており、その内周面には、雌ネジ部30bが形成されている。内嵌部材20B及び埋設部材30Bは、雄ネジ部20b及び雌ネジ部30bが互いに螺合することによって、互いに固定されている。雄ネジ部20b及び雌ネジ部30bの間には、シール部材が設けられてもよい。
本発明の第二の実施形態に係るマンドレル1Bにおいて、前記内嵌部材20Bの端部及び前記埋設部材30Bの端部は、前記マンドレル本体10から突出しており、互いにネジ締結されている。
したがって、マンドレル1Bは、内嵌部材20B及び埋設部材30Bが互いに固定されることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
したがって、マンドレル1Bは、内嵌部材20B及び埋設部材30Bが互いに固定されることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
<第三の実施形態>
続いて、本発明の第三の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図11に示すように、第三の実施形態に係るマンドレル1Cは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20C及び埋設部材30Cを備える。
続いて、本発明の第三の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図11に示すように、第三の実施形態に係るマンドレル1Cは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20C及び埋設部材30Cを備える。
内嵌部材20C及び埋設部材30Cの軸線方向他端部は、マンドレル本体10の小径部15から軸線方向に突出している。内嵌部材20Cの外周面には、雄ネジ部20cが形成されている。雄ネジ部20cのネジ山の高さは、小径部15の内周面と径方向において同じ位置に設定されている。埋設部材30Cの突出部位は、径方向内側に延設されており、その内周面には、雌ネジ部30cが形成されている。内嵌部材20C及び埋設部材30Cは、雄ネジ部20c及び雌ネジ部30cが互いに螺合することによって、互いに固定されている。雄ネジ部20c及び雌ネジ部30cの間には、シール部材が設けられてもよい。
本発明の第三の実施形態に係るマンドレル1Cにおいて、前記内嵌部材20Cの端部及び前記埋設部材30Cの端部は、前記マンドレル本体10から突出しており、互いにネジ締結されている。
したがって、マンドレル1Cは、内嵌部材20C及び埋設部材30Cが互いに固定されることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
したがって、マンドレル1Cは、内嵌部材20C及び埋設部材30Cが互いに固定されることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
<第四の実施形態>
続いて、本発明の第四の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図12に示すように、第四の実施形態に係るマンドレルDは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20D及び埋設部材30Dを備える。
続いて、本発明の第四の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図12に示すように、第四の実施形態に係るマンドレルDは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20D及び埋設部材30Dを備える。
内嵌部材20Dは、小径部15内に収容される筒状の第一部材21と、小径部15から突出する筒状の第二部材22と、を備える。第二部材22の内周面は、第一部材21の内周面と同一径に設定されている。第二部材22の外周面は、小径部15の外周面と同一径に設定されている。第二部材22は、マンドレル本体10から突出して径方向外側に延設されるフランジ部を構成する。第二部材22の軸線方向一端部側面には、環状の凹部20dが形成されている。第一部材21及び第二部材22は、ボルトBを用いた締結によって互いに固定されている。埋設部材30Dの軸線方向他端部は、マンドレル本体10から突出するとともに凹部20dに嵌合されている。
内嵌部材20Dをマンドレル本体10の小径部15に組み付ける際には、まず、作業者は、第一部材21を小径部15に圧入させる。続いて、作業者は、第二部材22をマンドレル本体10及び第一部材21に当接させ、埋設部材30Dの突出部位を凹部20dに収容させる。続いて、作業者は、ボルトBを用いて第二部材22を第一部材21に固定させる。かかる組付手法によると、第一部材21のマンドレル本体10への圧入と埋設部材30Dの突出部位の凹部20dへの嵌合が時間をずらして行われるので、作業性を向上することができる。
本発明の第四の実施形態に係るマンドレル1Dにおいて、前記内嵌部材20Dは、前記マンドレル本体10から突出して径方向外側に延設されるフランジ部を備え、前記埋設部材30Dの端部は、前記フランジ部に形成された凹部20dに嵌合されている。
したがって、マンドレル1Dは、マンドレル本体10外で埋設部材30Dが内嵌部材20Dの凹部20dに嵌合されることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
したがって、マンドレル1Dは、マンドレル本体10外で埋設部材30Dが内嵌部材20Dの凹部20dに嵌合されることによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
<第五の実施形態>
続いて、本発明の第五の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図13に示すように、第五の実施形態に係るマンドレル1Eは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20E及び埋設部材30Eを備える。また、第五の実施形態において、金型100の内周面は、小径部15の外周面と当接する第一の周面部111と、第一の周面部111の端部から径方向内側へ延設される第一の段面部112と、を備える。また、金型100の内周面は、第一の段面部112の径方向内端部から軸線方向へ延設される第二の周面部113と、金型100の内周面は、第二の周面部113の端部から径方向内側へ延設される第二の段面部114と、を備える。また、金型100の内周面は、第二の段面部114の径方向内端部から軸線方向へ延設される第三の周面部115と、第三の周面部115の端部から径方向内側へ延設される第三の段面部116と、を備える。
続いて、本発明の第五の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図13に示すように、第五の実施形態に係るマンドレル1Eは、内嵌部材20A及び埋設部材30Aに代えて、内嵌部材20E及び埋設部材30Eを備える。また、第五の実施形態において、金型100の内周面は、小径部15の外周面と当接する第一の周面部111と、第一の周面部111の端部から径方向内側へ延設される第一の段面部112と、を備える。また、金型100の内周面は、第一の段面部112の径方向内端部から軸線方向へ延設される第二の周面部113と、金型100の内周面は、第二の周面部113の端部から径方向内側へ延設される第二の段面部114と、を備える。また、金型100の内周面は、第二の段面部114の径方向内端部から軸線方向へ延設される第三の周面部115と、第三の周面部115の端部から径方向内側へ延設される第三の段面部116と、を備える。
内嵌部材20Eの径方向他端部及び埋設部材30Eの径方向他端部は、マンドレル本体10から突出している。内嵌部材20Eの突出長は、埋設部材30Eの突出長よりも大きい。内嵌部材20Eの突出部位(詳細には、埋設部材30Eよりもさらに突出する部位)における外周面及び軸線方向側面は、それぞれ、金型100の第二の周面部113及び第二の段面部114に当接し、これらの間を気密に密閉する。埋設部材30Eの突出部位における外周面及び軸線方向側面は、それぞれ、金型100の第三の周面部115及び第三の段面部116に当接し、これらの間を気密に密閉する。マンドレル1Eは、かかる構造によって、加圧用流体Fが万が一内嵌部材20Eの外周面とマンドレル本体10の内周面との間から漏れたとしても、マンドレル本体10の外周面と金型100の内周面との間等に移動することを防止することができる。
本発明の第五の実施形態に係るマンドレル1Eにおいて、前記埋設部材30Eの端部は、前記マンドレル本体10から突出しており、前記マンドレル本体10の外周面側に熱硬化性樹脂を配置するための金型100内において当該金型100と当接する。
したがって、マンドレル1Eは、マンドレル本体10外で埋設部材30Eが金型100の内周面に当接することによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
したがって、マンドレル1Eは、マンドレル本体10外で埋設部材30Eが金型100の内周面に当接することによって、マンドレル本体10内の圧力を高めるための流体の漏れを好適に防止することができる。
<第六の実施形態>
続いて、本発明の第六の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図14に示すように、第六の実施形態に係るマンドレル1Fは、内嵌部材20Aに代えて、内嵌部材20F及びOリング70を備える。
続いて、本発明の第六の実施形態に係るマンドレルについて、第一の実施形態に係るマンドレル1Aとの相違点を中心に説明する。図14に示すように、第六の実施形態に係るマンドレル1Fは、内嵌部材20Aに代えて、内嵌部材20F及びOリング70を備える。
内嵌部材20Fの外周面には、環状の凹部20fが形成されている。内嵌部材20Fの外径は、マンドレル本体10の小径部15の内径よりも小さい。Oリング70は、一部が径方向外側に突出した状態で凹部20fに収容され、かつ、内嵌部材20Fの外周面(凹部20fの底面)と小径部15の内周面との間に介設されており、圧縮変形した状態でこれらの間を気密に密閉する。
本発明の第六の実施形態に係るマンドレル1Fは、Oリング70を有するので、マンドレル本体10の小径部15及び内嵌部材20Fの寸法精度を要求することなく、これらの間を好適に密閉することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形可能である。例えば、マンドレル本体10内に流入されて充填される流体は、マンドレル本体10内を加圧するのに加えて、マンドレル本体10の外周面に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱するためのものであってもよい。なお、かかる流体が加熱を行わない加圧用流体である場合には、熱硬化性樹脂は、別の熱源によって加熱される。また、例えば、第四の実施形態において、内嵌部材20Dは、第一部材21及び第二部材22が一体成型されたものであってもよい。また、第六の実施形態におけるOリング70は、第二~第五の実施形態に係るマンドレル1B~1Eにも適用可能である。また、マンドレル1A~1Fは、内嵌部材20A~20E及び埋設部材30A~30Fの径方向外側において、マンドレル本体10に外嵌された筒状の金属製バンドをさらに備える構成であってもよい。
また、ステップS9,S10の間にマンドレル1A~1Fを成形された繊維強化樹脂管体40から抜き出す構成であってもよい。また、マンドレル本体10は、ステップS8における樹脂44や成形装置(金型)100の熱によって溶融して除去される構成であってもよい。その他の熱、電気、振動等のエネルギーによってマンドレル本体10を溶融して除去することも可能である。また、各炭素繊維層41~43は、互いに織り込まれた、いわゆるクリンプ構造を呈してもよい。また、繊維体は、炭素繊維に限定されず、樹脂層を強化可能な繊維部材(例えば、ガラス繊維、セルロース繊維等)であればよい。
1A,1B,1C,1D,1E,1F マンドレル
10 マンドレル本体
20A,20B,20C,20D,20E 内嵌部材
30A,30B,30C,30D,30E,30F 埋設部材
10 マンドレル本体
20A,20B,20C,20D,20E 内嵌部材
30A,30B,30C,30D,30E,30F 埋設部材
Claims (6)
- 筒形状を呈するマンドレル本体と、
前記マンドレル本体の軸線方向端部に内嵌される内嵌部材と、
前記マンドレル本体の前記軸線方向一端部に埋設される埋設部材と、
を備え、
前記内嵌部材は、前記マンドレル本体に流体を流入可能な流路を備え、
前記マンドレル本体の外周面側に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱したときの温度において、前記埋設部材の硬度は、前記マンドレル本体の硬度よりも高い、
マンドレル。 - 前記埋設部材は、環状を呈する、
請求項1に記載のマンドレル。 - 前記内嵌部材の端部及び前記埋設部材の端部は、前記マンドレル本体から突出しており、互いにネジ締結されている、
請求項2に記載のマンドレル。 - 前記内嵌部材は、前記マンドレル本体から突出して径方向外側に延設されるフランジ部を備え、
前記埋設部材の端部は、前記フランジ部に形成された凹部に挿通されている、
請求項1又は請求項2に記載のマンドレル。 - 前記埋設部材の端部は、前記マンドレル本体から突出しており、前記マンドレル本体の外周面側に熱硬化性樹脂を配置するための金型内において当該金型と当接する、
請求項1又は請求項2に記載のマンドレル。 - 前記内嵌部材及び前記埋設部材は、同一の金属材料によって形成されている、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のマンドレル。
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