JP2022091607A - 動力伝達軸、型及び動力伝達軸製造方法 - Google Patents

動力伝達軸、型及び動力伝達軸製造方法 Download PDF

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貴博 中山
Takahiro Nakayama
史也 ▲高▼橋
Fumiya Takahashi
龍弥 伊藤
Tatsuya Ito
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Abstract

【課題】 錘の繊維強化樹脂管体に対する軸方向の移動を規制することが可能な動力伝達軸を提供する。【解決手段】 動力伝達軸1Aは、繊維強化樹脂によって管状に形成された繊維強化樹脂管体20と、繊維強化樹脂管体20に取り付けられた錘としてのバランスウェイト50Aと、を備え、繊維強化樹脂管体20の外周面には、凹部20bが形成されており、バランスウェイト50Aの少なくとも一部は、繊維強化樹脂管体20の凹部20bに収容されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車両における動力伝達軸、当該動力伝達軸を製造するための型、及び、当該動力伝達軸の製造方法に関する。
車両に搭載される動力伝達軸(プロペラシャフト)は、車両の前後方向に延在する管体を備え、この管体により原動機で発生し変速機で減速された動力を終減速装置に伝達している。このような動力伝達軸に用いられる管体として、マンドレルを利用して製造された繊維強化プラスチック製のものがある(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の動力伝達軸では、錘が繊維強化樹脂管体の外周面に設置されてテープ部材によって固定されている。
特開平2-251728号公報
特許文献1に記載の動力伝達軸では、錘が繊維強化樹脂管体の軸方向に移動し、重量バランスが損なわれる懸念がある。
本発明は、このような問題を解決するために創作されたものであり、錘の繊維強化樹脂管体に対する軸方向の移動を規制することが可能な動力伝達軸、当該動力伝達軸を製造するための型、及び動力伝達軸製造方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明の動力伝達軸は、繊維強化樹脂によって管状に形成された繊維強化樹脂管体と、前記繊維強化樹脂管体に取り付けられた錘と、を備え、前記繊維強化樹脂管体の外周面には、凹部が形成されており、前記錘の少なくとも一部は、前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に収容されていることを特徴とする。
また、本発明の型は、繊維強化樹脂によって管状に形成された繊維強化樹脂管体を製造するための型であって、前記繊維強化樹脂管体の外周面に凹部を形成するための凸部を有することを特徴とする。
また、本発明の動力伝達軸製造方法は、前記型を用いることによって、前記繊維強化樹脂管体の外周面に前記凹部を有する前記繊維強化樹脂管体を形成する繊維強化樹脂管体形成工程と、前記繊維強化樹脂管体に錘を設置する錘設置工程と、を含み、前記錘設置工程において、前記錘の少なくとも一部が、前記凹部に収容されることを特徴とする。
本発明によると、錘の少なくとも一部が繊維強化樹脂管体の外周面に形成された凹部に収容されることによって、錘の繊維強化樹脂管体に対する軸方向の移動を規制することができる。
本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸を模式的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体の軸方向端部の一例を模式的に示す側面図及び断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体の軸方向端部の一例を模式的に示す側面図及び断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体の軸方向端部の一例を模式的に示す側面図及び断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体及びバランスウェイトの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体及びバランスウェイトの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体及びバランスウェイトの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体及びバランスウェイトの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体、バランスウェイト及び帯部材の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、型を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸を模式的に示す断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸を模式的に示す断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第四の実施形態に係る動力伝達軸を模式的に示す断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するためのフローチャートである。
本発明の実施形態について、炭素繊維強化プラスチックによって車両の動力伝達軸(プロペラシャフト)を製造する場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、参照する図面は、分かりやすさのためにデフォルメされたものであり、各部材の形状や寸法等を正確に表したものではない。
<第一の実施形態>
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸1Aは、車両において前後方向に延設されており、動力源で発生した動力を軸線周りの回転として伝達する軸である。動力伝達軸1Aは、繊維強化樹脂管体20と、繊維強化樹脂管体20の軸方向一端部(後端部)に取り付けられるフランジジョイント組立体4と、繊維強化樹脂管体20の軸方向他端部(前端部)に取り付けられるヨーク組立体5と、バランスウェイト50Aと、を備える。
<繊維強化樹脂管体>
図2に示すように、繊維強化樹脂管体20は、マンドレル10の外周面に沿うように管状に形成された樹脂含有繊維層である。
≪マンドレル≫
マンドレル10は、筒形状を呈する樹脂製部材である。本実施形態において、マンドレル10は、繊維強化樹脂管体20の内部から除去されるが、繊維強化樹脂管体20の内部に残留して繊維強化樹脂管体20の芯材として機能することも可能である。マンドレル10の材料は、繊維強化樹脂管体20における樹脂硬化の際の加熱に耐えられるものであればよい。マンドレル10の材料の例としては、PP(ポリプロピレン樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、SMP(形状記憶ポリマー)等が挙げられる。図11に示すように、マンドレル10は、軸方向中間部の大径部11と、軸方向一端部に形成されるテーパ部12及び中径部13と、軸方向他端部に形成される段部14及び小径部15と、を一体に備える。本実施形態において、中径部13の軸方向一端部には、中径部13よりも小径な突出部16が形成されている。突出部16は、第一の金属部材30が外嵌される部位である。
繊維強化樹脂管体20は、マンドレル10の大径部11、テーパ部12及び中径部13、第一の金属部材30の軸方向一端部、並びに、第二の金属部材40の軸方向他端部位の外周面上に沿うように形成される。繊維強化樹脂管体20は、炭素繊維層として、径方向内側(マンドレル10側)から順に、第一の炭素繊維層21(図12参照)と、第二の炭素繊維層22(図13参照)と、第三の炭素繊維層23(図14参照)と、を備える。なお、図12~図14において、各炭素繊維層21,22,23は、一部のみが図示されている。また、第一の金属部材30の軸方向一端部(マンドレル10とは反対側に位置する端部)の外周面、及び、第二の金属部材40の軸方向他端部(マンドレル10とは反対側に位置する端部)の外周面は、繊維強化樹脂管体20によって被覆されておらず、当該繊維強化樹脂管体20から露出している。
≪第一の炭素繊維層≫
図12に示すように、第一の炭素繊維層21は、マンドレル10等の外周面に対して、当該マンドレル10を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第一の炭素繊維層21における炭素繊維は、マンドレル10の軸線方向に対して平行に延設されている。すなわち、第一の炭素繊維層21に関して、マンドレル10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、0°である。
≪第二の炭素繊維層≫
図13に示すように、第二の炭素繊維層22は、第一の炭素繊維層21の径方向外側に設けられており、第一の炭素繊維層21を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第二の炭素繊維層22における炭素繊維は、マンドレル10の軸線方向に対して45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第二の炭素繊維層22に関して、マンドレル10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、45°である。
≪第三の炭素繊維層≫
図14に示すように、第三の炭素繊維層23は、第二の炭素繊維層22の径方向外側に設けられており、第二の炭素繊維層22を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。第三の炭素繊維層23における炭素繊維は、マンドレル10の軸線方向に対して-45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第三の炭素繊維層23に関して、マンドレル10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、-45°である。
<脆弱部>
図1に示すように、繊維強化樹脂管体20は、前記したマンドレル10(図2参照)に倣う形状を呈する。すなわち、繊維強化樹脂管体20の軸方向一端部側には、軸方向中央側の大径部から軸方向一端部の中径部に向かうにつれて縮径するテーパ部が形成されている。繊維強化樹脂管体20において、大径部及びテーパ部の境界部である角部は、脆弱部20aを構成する。脆弱部20aは、繊維強化樹脂管体20の軸方向一端部側であって、第一の金属部材30Aよりも軸方向中間側に設けられており、繊維強化樹脂管体20の他部位よりも脆弱な部位である。かかる脆弱部20aは、繊維強化樹脂管体20に対して所定値を超えた軸方向荷重が入力された場合に、繊維強化樹脂管体20において優先的に破壊される。
<フランジジョイント組立体>
図1に示すように、フランジジョイント組立体4は、繊維強化樹脂管体20の軸方向一端部側(脆弱部20a側)に取り付けられている。動力伝達軸1Aは、フランジジョイント組立体4の一部材として、第一の金属部材30を備える。フランジジョイント組立体4は、かかる第一の金属部材30に対して、ブーツ、プランジョイントを組み付けることによって形成される。
<第一の金属部材>
第一の金属部材30は、略円柱形状を呈する部材(スタブシャフト)である。製造途中段階において、第一の金属部材30の軸線方向一端部は、マンドレル10から露出しており、第一の金属部材30の軸方向他端部は、マンドレル10に嵌合(外嵌)されている(図11参照)。すなわち、図11に示すように、第一の金属部材30の軸方向他端部には、マンドレル10の突出部16が挿入可能な有底の孔部31が形成されている。
<ヨーク組立体>
図1に示すように、ヨーク組立体(ユニバーサルジョイント)5は、繊維強化樹脂管体20の他端部側に取り付けられている。動力伝達軸1Aは、ヨーク組立体5の一部材として、第二の金属部材40を備える。ヨーク組立体5は、かかる第二の金属部材40に対して、スパイダー、ニードルベアリング、ヨークを組み付けることによって形成される。
<第二の金属部材>
第二の金属部材40は、略円筒形状を呈する部材(カラー部材)である。製造途中段階において、第二の金属部材40の軸線方向他端部は、マンドレル10から露出しており、第二の金属部材40の軸方向一端部は、マンドレル10に嵌合(外嵌)されている(図11参照)。
<繊維強化樹脂管体の凹部、及び、バランスウェイト>
図1に示すように、繊維強化樹脂管体20の軸方向両端部には、それぞれ凹部20bが形成されている。凹部20bは、繊維強化樹脂管体20の外周面に形成されており、径方向外側に開口部を有する。かかる凹部20bは、繊維強化樹脂管体20を製造するための型100の内周面に設けられた凸部103の形状が繊維強化樹脂管体20の外周面に転写されることによって形成可能である(図15参照)。
図2に示す例では、複数の凹部20b1が、繊維強化樹脂管体20の外周面の全周にわたって等間隔に形成されている。
図3に示す例では、複数の凹部20b1が、繊維強化樹脂管体20の外周面の周方向一部に等間隔に形成されている。換言すると、繊維強化樹脂管体20の外周面の周方向他部には、凹部20b1は形成されていない。
図4に示す例では、環状の凹部20b2が、繊維強化樹脂管体20の外周面の全周にわたって形成されている。
図1に示すように、バランスウェイト50Aは、繊維強化樹脂管体20の外周面に取り付けられることによって、動力伝達軸1Aの重量バランスを調整する錘の一例である。バランスウェイト50Aは、繊維強化樹脂管体20よりも高密度の材料によって形成されている。バランスウェイト50Aは、当該バランスウェイト50Aの少なくとも一部が凹部20bに収容されている。バランスウェイト50Aは、凹部20bに収容されることによって、繊維強化樹脂管体20に対する軸方向への相対移動が規制されている。
図5~図8に示すように、本実施形態において、バランスウェイト50Aは、当該バランスウェイト50Aにおける一方の面(径方向内側面)に、凹部20bに収容される凸部51を有する。バランスウェイト50Aにおける凸部51以外の部位は、凹部20b外に設けられる。
図5に示す例において、バランスウェイト50A1は、当該バランスウェイト50A1における一方の面(径方向内側面)の軸方向中間部に、凹部20bに収容される凸部51を有する。凸部51は、接着層60によって、凹部20bに固定される。
図6に示す例において、バランスウェイト50A2は、当該バランスウェイト50A2における一方の面(径方向内側面)の軸方向一端部に、凹部に20bに収容される凸部51を有する。凸部51は、接着層60によって、凹部20bに固定される。
図7に示す例において、バランスウェイト50A3は、当該バランスウェイト50A3における一方の面(径方向内側面)の軸方向中間部に、凹部20bに収容される凸部51を有する。また、バランスウェイト50A3は、当該バランスウェイト50A3における他方の面(径方向外側面)の軸方向中間部に、帯部材70が設けられる溝部52を有する。溝部52は、周方向に延設されており、バランスウェイト50A3の周方向両端面において開放されている。バランスウェイト50A3が繊維強化樹脂管体20に設置された状態で、溝部52の底面は、繊維強化樹脂管体20の外周面と同一径に設定されていることが好ましい。
図8に示す例において、バランスウェイト50A4は、当該バランスウェイト50A4における一方の面(径方向内側面)の軸方向一端部に、凹部20bに収容される凸部51を有する。また、バランスウェイト50A4は、当該バランスウェイト50A4における他方の面(径方向外側面)の軸方向他端部に、帯部材70が設けられる溝部52を有する。溝部52は、周方向に延設されており、バランスウェイト50A3の周方向両端面において開放されている。
図9に示すように、帯部材70は、バランスウェイト50Aの溝部52内を通って繊維強化樹脂管体20の外周面に巻回されることによって、バランスウェイト50Aを繊維強化樹脂管体20に固定する部材である。帯部材70は、溝部52内に設けられることによって、繊維強化樹脂管体20及びバランスウェイト50Aに対する軸方向の移動が規制されている。帯部材70は、樹脂製、金属製等であってもよい。また、帯部材70は、繊維強化樹脂強化樹脂管体20に巻回された状態で両端部が接着等によって固定されるものであってもよく、予め環状に形成された弾性を有するものであってもよい。
<製造方法>
続いて、本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸1Aの製造方法について、図10のフローチャートを用いて説明する。図10に示すように、動力伝達軸1Aの製造方法は、FW(Filament Winding:フィラメントワインディング)工程S11~S13と、RTM(Resin Transfer Molding:レジントランスファモールディング)工程S21~S28Aと、を有している。
(FW工程)
FW工程は、動力伝達軸1A(図1参照)の中間体を作製する工程である。具体的には、FW工程は、図10に示すように、マンドレル準備工程S11と、金属部材連結工程S12と、繊維巻回工程S13と、を有している。
マンドレル準備工程S11においては、炭素繊維強化樹脂(CFRP)からなる繊維強化樹脂管体20(図1参照)を形成する際にその芯材となるマンドレル10が準備される。図11に示すように、マンドレル10は、一方向に長い略円筒体で形成されている。
このようなマンドレル10は、後記するマンドレル抜き取り工程S25(図10参照)において、成型した繊維強化樹脂管体20(図1参照)の内側から抜き取ることとなる。ただし、マンドレル10を繊維強化樹脂管体20の内側に残した状態で動力伝達軸(プロペラシャフト)1Aを構成することもできる。
繊維強化樹脂管体20の内側に残すことを前提としたマンドレル10(図示を省略)の材料としては、後記する繊維巻回工程S13(図10参照)において繊維が巻回可能な所定の剛性を有していれば特に制限はなく、例えば、樹脂、金属などの様々な材料を使用することができる。
また、成型した繊維強化樹脂管体20(図1参照)の内側から抜き取ることとなる本実施形態でのマンドレル10(図11参照)の材料としては、例えば、熱、電気、振動、荷重等のエネルギーによって、変形され、溶融され、分解され、若しくは破壊され、又は所定の溶出液などで溶出可能なものを想定している。具体的には、マンドレル10の材料としては、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂、シリコーン系形状記憶ポリマなどのSMP(Shape Memory Polymer)類、アルミニウム合金などの軽金属からなる薄板素材、衝撃強度の低いガラス素材、塩中子を形成可能な塩類などが挙げられるが、繊維強化樹脂管体20(図1参照)の内側から取り出し可能にマンドレル10(図11参照)が状態変化するものであればこれらに限定されるものではない。
次に、金属部材連結工程S12(図10参照)について説明する。図11は、マンドレル10に第一の金属部材30と第二の金属部材40とが連結された連結体の断面図である。
この金属部材連結工程S12においては、図11に示すように、マンドレル10に第一の金属部材30と第二の金属部材40とが連結される。具体的には、第一の金属部材30は、マンドレル10の突出部16に外嵌されてスプライン接合される。また、第二の金属部材40は、マンドレル10の段部14に対して外嵌されてスプライン接合される。
つまり、この連結体においては、突出部16の周方向への第一の金属部材30の回転が禁止されているが突出部16の軸方向への第一の金属部材30の変位は可能となっている。また、この連結体においては、段部14の周方向への第二の金属部材40の回転が禁止されているが段部14の軸方向への第二の金属部材40の変位は可能となっている。
次に、繊維巻回工程S13(図10参照)について説明する。この繊維巻回工程S13においては、炭素繊維が、図1に示す繊維強化樹脂管体20に対応するように、第一の金属部材30から第二の金属部材40にわたって、マンドレル10の外周面に巻回される。つまり、第一の金属部材30とマンドレル10との接続部では、炭素繊維は、第一の金属部材30の少なくとも一部と、マンドレル10とに跨るように巻回される。また、マンドレル10と第二の金属部材40との接続部では、炭素繊維は、マンドレル10と第二の金属部材40の少なくとも一部とに跨るように巻回される。具体的には、マンドレル10、第一の金属部材30及び第二の金属部材40の連結体の外周面には、次に示す第一の炭素繊維層21(図12参照)、第二の炭素繊維層22(図13参照)及び第三の炭素繊維層23(図14参照)がこの順番で形成されていくように炭素繊維が巻回される。本実施形態では、繊維に樹脂が含浸されていない、ドライ状態の炭素繊維が用いられる。
図12は、繊維巻回工程S13(図10参照)で連結体に第一の炭素繊維層21を形成する様子を示した模式図である。図13は、繊維巻回工程S13(図10参照)で連結体に第二の炭素繊維層22を形成する様子を示した模式図である。図14は、繊維巻回工程S13(図10参照)で連結体に第三の炭素繊維層23を形成する様子を示した模式図である。なお、図12から図14においては、作図の便宜上、マンドレル10等の外周面に配置される炭素繊維層21~23の一部のみを示している。
図12に示すように、第一の炭素繊維層31は、炭素繊維がマンドレル10等の軸方向に対して0度(deg)で配向するように、マンドレル10等の外周面に配置されて形成される。この第一の炭素繊維層21の形成工程では、軸方向に移動するマンドレル10等の連結体に対して図示しないブレーダのボビンから引き出された炭素繊維によって連結体の外周面に第一の炭素繊維層21が複数層配置される。
次に、この繊維巻回工程S13(図10参照)では、第一の炭素繊維層21(図12参照)上に第二の炭素繊維層22(図13参照)が形成される。この第二の炭素繊維層22は、図13に示すように、第二の炭素繊維層22がマンドレル10等の軸方向に対して45度(deg)で配向するように、マンドレル10等の外周面に配置されて形成される。この第二の炭素繊維層22の形成工程では、マンドレル10等の連結体の周囲に配置されて連結体の軸方向に移動する環状のブレーダ(図示を省略)の内周側で周方向に移動する複数のボビン(図示を省略)から繰り出される炭素繊維によって連結体の外周面に第二の炭素繊維層22が複数層配置される。
次に、この繊維巻回工程S13(図10参照)では、第二の炭素繊維層22(図13参照)上に第三の炭素繊維層23(図14参照)が形成される。この第三の炭素繊維層23は、図14に示すように、第三の炭素繊維層23がマンドレル10等の軸方向に対して-45度(deg)で配向するように、マンドレル10等の外周面に配置されて形成される。この第三の炭素繊維層23の形成工程では、第二の炭素繊維層22(図13参照)の形成工程とは逆回りに移動する複数のボビン(図示を省略)から繰り出される炭素繊維によって連結体の外周面に第三の炭素繊維層23が複数層配置される。
なお、以下の説明において、第一の炭素繊維層21、第二の炭素繊維層22及び第三の炭素繊維層23について特に区別する必要がない場合の各繊維層、並びに第一の炭素繊維層21、第二の炭素繊維層22及び第三の炭素繊維層23からなる炭素繊維の積層体については、単に繊維層と称することがある。そして、このようなFW工程が終了することによって、次のRTM工程に供給する動力伝達軸1A(図1参照)の中間体が完成する。
(RTM工程)
RTM工程は、前記の中間体を配置した本実施形態の型内に熱硬化性樹脂を充填し、これを硬化させる工程を含む動力伝達軸1A(図1参照)を作製する工程である。具体的には、RTM工程は、図10に示すように、型準備工程S21と、中間体設置工程S22と、膨張工程S23と、成型工程(繊維強化樹脂管体形成工程)S24と、マンドレル抜き取り工程S25と、動力伝達軸組立工程S26と、バランスウェイト設置工程(錘設置工程)S27と、帯部材巻回工程S28Aと、を有している。
型準備工程S21(図10参照)においては、前記の中間体が配置されるキャビティを有する型100が準備される。図15は、型準備工程(図10参照)において用意される型100の構成説明図である。
本実施形態の型100は、第一の分割型と、第二の分割型とを有している。なお、以下の説明において、第一の分割型と、第二の分割型とを区別する必要がない場合には、単に分割型と称する。ちなみに、このような型100は、少なくとも二つの分割型を有していればよく、三つ以上の分割型を有する構成とすることもできる。
本実施形態の型100は、分割型同士を合わせた際に、前記の中間体が配置される中空部(キャビティ)を内側に形成する。型100の中空部の内周面には、凸部103が形成されている。凸部103は、中空部に設けられた中間体の繊維層を押圧することによって、繊維強化樹脂管体20に凹部20bを形成する。
また、膨張工程S23が実行される場合には、型100の中空部の内周面は、軸方向中間部において大径となる樽形状を呈してもよい。本実施形態では、型100の中空部の内周面は、軸方向中間部において大径とならず、軸方向全長において略一定の径となるストレート形状である。
中間体設置工程S22(図10参照)においては、第一の分割型と第二の分割型とが合わせられることで、型100内に、中間体が設置される。そして、型100に形成された樹脂供給路101は、型100内に設置された中間体の繊維層の一端部に樹脂溜り(図示せず)を介して臨むようになっている。また、型100に形成された樹脂排出路102は、中間体の繊維層の他端部に樹脂溜り(図示せず)を介して臨むようになっている。
次に、型100による中間体の膨張工程S23(図10参照)について説明する。この膨張工程S23は、マンドレル10の内側に連通するように、分割型の適所に設けた連通路104に流体が供給されることにより行われる。つまり、この膨張工程S23(図10参照)においては、図16に示すように、マンドレル10の内部空間に流体が供給される。流体は、気体、液体又はゲルのいずれでも構わない。なお、本実施形態での膨張工程S23(図10参照)は、マンドレル10の加熱下に内部空間に流体が供給される工程を想定している。これにより本実施形態での熱可塑性樹脂からなるマンドレル10は、可塑化することによって効果的に膨張することとなる。ちなみに、マンドレル10の加熱は、型100を加熱することによって行うことを想定しているが、内部空間に供給する流体自体を加熱することによってマンドレル20を加熱するものであってもよい。この膨張工程S23(図10参照)においては、型100内に設置された中間体のマンドレル10内に加熱された流体を流通させることによってマンドレル10内を加圧し、マンドレル10の大径部11を膨張させる。マンドレル10の大径部11は、当該マンドレル10内を流通する流体によって加熱されて膨張する。これにより、中間体は、型100の内部形状に沿うストレート形状を呈するように変形(拡径)する。なお、膨張工程S23において、流体によるマンドレル10の加熱は、省略可能である。
次に、型100による動力伝達軸1Aの成型工程S24(図10参照)について説明する。この成型工程S24(図10参照)においては、図16に示すように、樹脂供給路101を通じて型100内への熱硬化性樹脂24の供給を行い、膨張工程S23において膨張させたマンドレル10の外側に設置された繊維層に熱硬化性樹脂24を含浸させる。熱硬化性樹脂24を供給する際には、当該熱硬化性樹脂24の供給とともに、樹脂排出路102を通じて型100内の真空引きを行う。これにより熱硬化性樹脂24は、型100内に設置した中間体の繊維層に対して気泡を排除しながら一方から他方へと効率的に含浸されていく。ちなみに、熱硬化性樹脂24としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられるがこれに限定されるものではない。また、成型工程S24では、樹脂排出路102を通じて型100内を真空にする作業を行った状態で、熱硬化性樹脂24の供給を行うようにしてもよい。
次に、この成型工程S24(図10参照)では、型100が所定の熱源(図示を省略)によって加熱される。また、必要に応じて型締め操作が行われる。これにより型100内に供給された熱硬化性樹脂24が硬化し、予備成型体が得られる。
次に、マンドレル抜き取り工程S25(図10参照)について説明する。マンドレル抜き取り工程S25(図10参照)においては、マンドレル10は、第二の金属部材40の端部開口側から繊維強化樹脂管体20の外側に取り出される。この際、マンドレル10(図11参照)は、使用される材料に応じた前記の方法にしたがって、例えば変形され、溶融され、分解され、破壊され、又は溶出されることによって繊維強化樹脂管体20の内側から取り出される。これにより得られる動力伝達軸1A(図1参照)の軽量化が達成されることとなる。
また、マンドレル10(図11参照)を変形させて第二の金属部材40の端部開口側から取り出す場合には、例えばマンドレル10の中空部を減圧することで前記の端部開口よりもマンドレル10を小さくなるように収縮させて繊維強化樹脂管体20(図1参照)から抜き取る方法を採用することができる。
図15及び図16に示すように、第一実施形態での型100においては、マンドレル10の内側に連通するように、連通路104が設けられている。そして、マンドレル抜き取り工程S25(図10参照)においては、真空ポンプ(図示を省略)に連結された連通路104を介してマンドレル10の中空部を減圧することができる。これによりマンドレル10は、繊維強化樹脂管体20の端部開口及び第二の金属部材40の端部開口よりも小さくなるように収縮することで、繊維強化樹脂管体20からの前記端部開口を介した抜き取りが可能となる。
このような抜き取り方法は、例えば熱可塑性樹脂からなるマンドレル10を加熱等により可塑化することでより好適に実施することができる。また、このような抜き取り方法は、例えばダイヤカットを施したアルミニウム薄板からなるマンドレル10についても好適に実施することができる。
次に、動力伝達軸組立工程S26(図10参照)について説明する。動力伝達軸組立工程S26(図10参照)においては、図1に示すように、第一の金属部材30にフランジジョイント組立体4が組み付けられるとともに、第二の金属部材40にヨーク組立体5が組み付けられる。
次に、バランスウェイト設置工程S27(図10参照)について説明する。バランスウェイト設置工程S27(図10参照)においては、図9に示すように、バランスウェイト50Aは、凸部51が凹部20bに収容されるように、繊維強化樹脂管体20の外周面に設置される。
次に、帯部材巻回工程S28A(図10参照)について説明する。帯部材巻回工程S28A(図10参照)においては、図9に示すように、環状の帯部材70は、溝部52内を通って繊維強化樹脂管体20の外周面に巻回されることによって、バランスウェイト50Aを繊維強化樹脂管体20に固定する。
本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸1Aは、繊維強化樹脂によって管状に形成された繊維強化樹脂管体20と、前記繊維強化樹脂管体20に取り付けられた錘(バランスウェイト50A)と、を備え、前記繊維強化樹脂管体20の外周面には、凹部20bが形成されており、前記錘の少なくとも一部は、前記繊維強化樹脂管体20の前記凹部20bに収容されている。
したがって、動力伝達軸1Aは、錘(バランスウェイト50A)の繊維強化樹脂管体20に対する軸方向への移動を規制し、重量バランスを好適に維持することができる。
動力伝達軸1Aにおいて、複数の前記凹部20bが、前記繊維強化樹脂管体の外周面の周方向に配置されており、前記繊維強化樹脂管体20における複数の前記凹部20bの少なくとも一つに、前記錘(バランスウェイト50A)が収容されている。
したがって、動力伝達軸1Aは、錘(バランスウェイト50A)の設置個数及び設置場所によって、重量バランスを好適に設定することができる。
動力伝達軸1Aにおいて、前記錘(バランスウェイト50A)は、当該錘の一方の面に形成された凸部51を有し、前記錘の前記凸部51は、前記繊維強化樹脂管体20の前記凹部20bに収容されている。
したがって、動力伝達軸1Aは、凹部20bを小型化することができる。
動力伝達軸1Aにおいて、前記錘(バランスウェイト50A)は、当該錘の他方の面に形成された溝部52を有し、動力伝達軸1Aは、前記錘の前記溝部52内を通って前記繊維強化樹脂管体20に巻回される帯部材70をさらに備える。
したがって、動力伝達軸1Aは、簡易な構成で、錘(バランスウェイト50A)の繊維強化樹脂管体20に対する径方向外側への移動を規制し、錘が繊維強化樹脂管体20から離脱することを防止することができる。
また、本発明の第一の実施形態に係る型100は、繊維強化樹脂によって管状に形成された繊維強化樹脂管体20を製造するための型100であって、前記繊維強化樹脂管体20の外周面に凹部20bを形成するための凸部103を有する。
したがって、型100は、簡易な構成で、繊維強化樹脂管体20に錘(バランスウェイト50A)を設置するための凹部20bを形成することができる。
また、本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸製造方法は、型100を用いることによって、外周面に前記凹部20bを有する前記繊維強化樹脂管体20を形成する繊維強化樹脂管体形成工程と、前記繊維強化樹脂管体20に錘(バランスウェイト50A)を設置する錘(バランスウェイト)設置工程と、を含み、前記錘設置工程において、前記錘の少なくとも一部が、前記凹部20bに収容される。
したがって、動力伝達軸製造方法によると、錘(バランスウェイト50A)の繊維強化樹脂管体20に対する軸方向への移動を規制し、重量バランスを好適に維持することが可能な動力伝達軸1Aを製造することができる。
前記錘(バランスウェイト50A)は、一方の面に形成された凸部51と、他方の面に形成された溝部52と、を有し、動力伝達軸製造方法は、前記錘設置工程の後に、前記錘が設置された前記繊維強化樹脂管体に帯部材70を巻回する帯部材巻回工程を含み、前記錘(バランスウェイト)設置工程において、前記錘の前記凸部51が前記繊維強化樹脂管体20の前記凹部20bに収容され、前記帯部材巻回工程において、前記帯部材70が、前記錘の前記溝部52内を通って前記繊維強化樹脂管体20に巻回される。
したがって、動力伝達軸製造方法によると、簡易な構成で、錘(バランスウェイト50A)の繊維強化樹脂管体20に対する径方向外側への移動を規制し、錘が繊維強化樹脂管体20から離脱することを防止することが可能な動力伝達軸1Aを製造することができる。
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸及びその製造方法について、第一の実施形態に係る動力伝達軸1A及びその製造方法との相違点を中心に説明する。
図17に示すように、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸1Bは、バランスウェイト50Aに代えて、バランスウェイト50Bを備える。バランスウェイト50Bは、当該バランスウェイト50Bの全体が凹部20bに収容される形状を呈する。バランスウェイト50Bは、接着層60によって、凹部20bに固定される。
<製造方法>
続いて、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸1Bの製造方法について、図18のフローチャートを用いて説明する。
RTM工程は、図18に示すように、帯部材巻回工程S28Aに代えて、動力伝達軸組立工程S26及びバランスウェイト設置工程S27の間に接着剤塗布工程(接着層配置工程)S28Bを有している。接着剤塗布工程S28B(図18参照)においては、図17に示すように、接着層(接着剤)60は、凹部20bの底面に設けられる(塗布される)。バランスウェイト設置工程S27(図18参照)においては、図17に示すように、バランスウェイト50Bは、接着層60によって凹部20bに固定される。
本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸1Bにおいて、前記錘(バランスウェイト50B)の全体が、前記繊維強化樹脂管体20の前記凹部20bに収容されている。
したがって、動力伝達軸1Bは、当該動力伝達軸1Bの径方向寸法を抑えることができる。
また、本発明の第二の実施形態に係る動力伝達軸製造方法では、前記錘(バランスウェイト)設置工程において、前記錘(バランスウェイト50B)の全体が、前記繊維強化樹脂管体20の前記凹部20bに収容される。
したがって、動力伝達軸製造方法によると、当該動力伝達軸1Bの径方向寸法を抑えることが可能な動力伝達軸1Bを製造することができる。
動力伝達軸製造方法は、前記繊維強化樹脂管体形成工程と前記錘(バランスウェイト)設置工程との間に、前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に接着層を設ける接着層配置工程を含み、前記錘設置工程において、前記錘(バランスウェイト50B)が、前記接着層を介して前記凹部に固定される。
したがって、動力伝達軸製造方法は、簡易な構成で、錘(バランスウェイト50B)の繊維強化樹脂管体20に対する径方向外側への移動を規制し、錘が繊維強化樹脂管体20から離脱することを防止することが可能な動力伝達軸1Bを製造することができる。
<第三の実施形態>
続いて、本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸及びその製造方法について、第二の実施形態に係る動力伝達軸1B及びその製造方法との相違点を中心に説明する。
図19に示すように、本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸1Cは、接着層60に代えて、被覆部材80を備える。被覆部材80は、バランスウェイト50Bが収容された凹部20bの開口部を被覆することによって、バランスウェイト50Bが凹部20bから離脱することを防止する部材である。被覆部材80は、樹脂製のフィルム、金属(アルミ)製の薄膜、接着テープ等によって形成される。被覆部材80は、バランスウェイト50Bを視認可能なメッシュ状のものであってもよい。被覆部材80は、バランスウェイト50Bが収容されていない凹部20bに設けられてもよく、複数の凹部20bを被覆可能な帯状(環状)のものであってもよい。
<製造方法>
続いて、本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸1Cの製造方法について、図20のフローチャートを用いて説明する。
RTM工程は、図20に示すように、接着剤塗布工程S28Bに代えて、バランスウェイト設置工程S27の後に被覆部材設置工程S28Cを有している。被覆部材設置工程S28C(図20参照)においては、図19に示すように、被覆部材80は、バランスウェイト50Bの全体が収容された凹部20bの開口部を被覆するように設けられる。なお、本フローにおいても、動力伝達軸組立工程S26及びバランスウェイト設置工程S27の間に接着剤塗布工程S28Bを実行する構成であってもよい。
本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸1Cは、前記錘(バランスウェイト50B)が収容された前記繊維強化樹脂管体20の前記凹部20bの開口部を被覆する被覆部材80を備える。
したがって、動力伝達軸1Cは、簡易な構成で、錘(バランスウェイト50B)の繊維強化樹脂管体20に対する径方向外側への移動を規制し、錘が繊維強化樹脂管体20から離脱することを防止することができる。
また、本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸製造方法は、前記錘(バランスウェイト)設置工程の後に、前記錘(バランスウェイト50B)が収容された前記凹部20bの開口部を被覆するように被覆部材80を配置する被覆部材配置工程を含む。
したがって、動力伝達軸製造方法によると、簡易な構成で、錘(バランスウェイト50B)の繊維強化樹脂管体20に対する径方向外側への移動を規制し、錘が繊維強化樹脂管体20から離脱することを防止することが可能な動力伝達軸1Cを製造することができる。
<第四の実施形態>
続いて、本発明の第四の実施形態に係る動力伝達軸及びその製造方法について、第二の実施形態に係る動力伝達軸1B及びその製造方法との相違点を中心に説明する。
図21に示すように、本発明の第四の実施形態に係る動力伝達軸1Dは、接着層60に代えて、樹脂層90を備える。樹脂層90は、バランスウェイト50Bが収容された凹部20bに充填されることによって、バランスウェイト50Bが凹部20bから離脱することを防止する層である。樹脂層90は、バランスウェイト50Bが収容されていない凹部20bに設けられてもよい。
<製造方法>
続いて、本発明の第四の実施形態に係る動力伝達軸1Dの製造方法について、図22のフローチャートを用いて説明する。
RTM工程は、図22に示すように、接着剤塗布工程S28Bに代えて、バランスウェイト設置工程S27の後に樹脂流入硬化工程S28Dを有している。樹脂流入硬化工程S28D(図22参照)においては、図21に示すように、樹脂層90は、バランスウェイト50Bの全体が収容された凹部20bに樹脂を流入して硬化させることによって形成されている。なお、本フローにおいても、動力伝達軸組立工程S26及びバランスウェイト設置工程S27の間に接着剤塗布工程S28Bを実行する構成であってもよい。
本発明の第四の実施形態に係る動力伝達軸製造方法は、前記錘(バランスウェイト)設置工程の後に、前記錘(バランスウェイト50B)が収容された前記繊維強化樹脂管体20の前記凹部20bに樹脂を流し込んで硬化させる樹脂流入硬化工程を含む。
したがって、動力伝達軸製造方法によると、簡易な構成で、錘(バランスウェイト50B)の繊維強化樹脂管体20に対する径方向外側への移動を規制し、錘が繊維強化樹脂管体20から離脱することを防止することが可能な動力伝達軸1Dを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形可能である。例えば、ステップS9,S10の間にマンドレル10を成形された繊維強化樹脂管体20から抜き出す構成であってもよい。また、マンドレル10は、成型工程S24における熱硬化性樹脂24や型100の熱によって溶融して除去される構成であってもよい。その他の熱、電気、振動等のエネルギーによってマンドレル10を溶融して除去することも可能である。
また、各炭素繊維層21~23は、互いに織り込まれた、いわゆるクリンプ構造を呈してもよい。また、繊維体は、炭素繊維に限定されず、樹脂層を強化可能な繊維部材(例えば、ガラス繊維、セルロース繊維等)であればよい。
1A,1B,1C,1D 動力伝達軸
4 フランジジョイント組立体(フランジジョイント、ジョイント)
5 ヨーク組立体(ヨーク、ジョイント)
10 マンドレル
20 繊維強化樹脂管体
20b,20b1,20b2 凹部
30 第一の金属部材
40 第二の金属部材
50A,50A1,50A2,50A3,50A4,50B バランスウェイト(錘)
51 凸部
52 溝部
60 接着層
70 帯部材
80 被覆部材
90 樹脂層
100 型
103 凸部

Claims (13)

  1. 繊維強化樹脂によって管状に形成された繊維強化樹脂管体と、
    前記繊維強化樹脂管体に取り付けられた錘と、
    を備え、
    前記繊維強化樹脂管体の外周面には、凹部が形成されており、
    前記錘の少なくとも一部は、前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に収容されている
    ことを特徴とする動力伝達軸。
  2. 複数の前記凹部が、前記繊維強化樹脂管体の外周面の周方向に配置されており、
    前記繊維強化樹脂管体における複数の前記凹部の少なくとも一つに、前記錘が収容されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達軸。
  3. 前記錘は、当該錘の一方の面に形成された凸部を有し、
    前記錘の前記凸部は、前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に収容されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動力伝達軸。
  4. 前記錘は、当該錘の他方の面に形成された溝部を有し、
    前記錘の前記溝部内を通って前記繊維強化樹脂管体に巻回される帯部材をさらに備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達軸。
  5. 前記錘の全体が、前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に収容されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動力伝達軸。
  6. 前記錘が収容された前記繊維強化樹脂管体の前記凹部の開口部を被覆する被覆部材を備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の動力伝達軸。
  7. 繊維強化樹脂によって管状に形成された繊維強化樹脂管体を製造するための型であって、
    前記繊維強化樹脂管体の外周面に凹部を形成するための凸部を有する
    ことを特徴とする型。
  8. 請求項7に記載の型を用いることによって、外周面に前記凹部を有する前記繊維強化樹脂管体を形成する繊維強化樹脂管体形成工程と、
    前記繊維強化樹脂管体に錘を設置する錘設置工程と、
    を含み、
    前記錘設置工程において、前記錘の少なくとも一部が、前記凹部に収容される
    ことを特徴とする動力伝達軸製造方法。
  9. 前記錘は、一方の面に形成された凸部と、他方の面に形成された溝部と、を有し、
    前記錘設置工程の後に、前記錘が設置された前記繊維強化樹脂管体に帯部材を巻回する帯部材巻回工程を含み、
    前記錘設置工程において、前記錘の前記凸部が前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に収容され、
    前記帯部材巻回工程において、前記帯部材が、前記錘の前記溝部内を通って前記繊維強化樹脂管体に巻回される
    ことを特徴とする請求項8に記載の動力伝達軸製造方法。
  10. 前記錘設置工程において、前記錘の全体が、前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に収容される
    ことを特徴とする請求項8に記載の動力伝達軸製造方法。
  11. 前記繊維強化樹脂管体形成工程と前記錘設置工程との間に、前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に接着層を設ける接着層配置工程を含み、
    前記錘設置工程において、前記錘が、前記接着層を介して前記凹部に固定される
    ことを特徴とする請求項10に記載の動力伝達軸製造方法。
  12. 前記錘設置工程の後に、前記錘が収容された前記凹部の開口部を被覆するように被覆部材を配置する被覆部材配置工程を含む
    ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の動力伝達軸製造方法。
  13. 前記錘設置工程の後に、前記錘が収容された前記繊維強化樹脂管体の前記凹部に樹脂を流し込んで硬化させる樹脂流入硬化工程を含む
    ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の動力伝達軸製造方法。
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