JP2022094977A - バルブ機構および圧力緩衝装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の複雑化を抑制しつつ流体制御部を簡素化することが可能な、圧力緩衝装置を提供する。【解決手段】液体を収容するシリンダ11と、シリンダ内を第1室及び第2室に区画するピストン部30とロッド20と、ピストン部で発生する減衰力を変更可能な減衰力変更部40とを備え、減衰力変更部はバイパス油路25における液体の流れを調整する調整バルブ41と、調整バルブを支持する支持部材と調整バルブと支持部材との間に設けられ、絞り部材42を介してバイパス油路に連通する背圧室と、背圧室の側面を画定する壁部と、変形または変位することにより背圧室の圧力を変化させる圧力変更部500と、を備え、圧力変更部は、弾性変形部52、弾性変形部を抑えるバネ53及び弾性変形部を支持するキャップ部51を備え、背圧室から液体が漏洩することを防ぐシール部が、背圧室を画定する部材または背圧室に収容される部材の何れかと一体に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、バルブ機構および圧力緩衝装置に関する。
乗り心地や操縦安定性を向上させるために、車両に搭載される油圧緩衝器の減衰力特性を最適化することが望まれている。このような油圧緩衝器に関する技術として、例えば、特許文献1には、ピストンの伸び行程において周波数によって減衰力を発生させる減衰発生機構を有するピストン構造備える減衰力可変型緩衝器が記載されている。
特許5378280号公報
特許文献1に開示されている油圧緩衝器は、減衰力の周波数特性を調整可能な流路が形成され、流体制御を行うが、シールやスプール等の構造が複雑である。それゆえ、特許文献1に開示されている技術には、装置の複雑化を抑制する観点で改善の余地があった 。
本発明は、装置の複雑化を抑制しつつ流体制御部を簡素化することが可能な、圧力緩衝装置を提供することを目的とする 。
かかる目的のもと、本発明は、液体を収容するシリンダと、前記シリンダ内を第1室及び第2室に区画するピストンと、前記シリンダ内を進退する第1端に前記ピストンが設けられ、前記第1室と前記第2室との間を移動する前記液体が流れるバイパス流路を有するロッドと、前記ピストンで発生する減衰力を変更可能な減衰力変更部と、を備え、前記減衰力変更部は、バイパス流路における前記液体の流れを調整する調整バルブと、前記調整バルブを支持する支持部材と、前記調整バルブと前記支持部材との間に設けられ、絞り部材を介して前記バイパス流路に連通する背圧室と、前記背圧室の側面を画定する壁部と、変形または変位することにより前記背圧室の圧力を変化させる圧力変更部と、を備え、前記圧力変更部は、弾性変形部、前記弾性変形部を抑えるバネ、及び、前記弾性変形部を支持するキャップ部を備え、前記背圧室から前記液体が漏洩することを防ぐシール部が、前記背圧室を画定する部材または前記背圧室に収容される部材の何れかと一体に設けられている、圧力緩衝装置を提供するものである。
本発明によれば、装置の複雑化を抑制しつつ流体制御部を簡素化することが可能な、圧力緩衝装置を提供することができる。
第1実施形態の油圧緩衝装置の全体図である。 第1実施形態のピストン部および減衰力変更部の断面図である。 第1実施形態の減衰力変更部を説明する図である。 第2実施形態の減衰力変更部を説明する図である。 第3実施形態の減衰力変更部を説明する図である。 第4実施形態の減衰力変更部を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、図1に示すシリンダ部10の長手方向は、「軸方向」と称する。また、軸方向におけるシリンダ部10の下側は、「一方側」と称し、シリンダ部10の上側は、「他方側」と称する。
また、図1に示すシリンダ部10の左右方向は、「半径方向」と称する。そして、半径方向において、中心軸側は、「半径方向内側」と称し、中心軸から離れる側は、「半径方向外側」と称する。
<第1実施形態>
[油圧緩衝装置1の構成・機能]
図1は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の全体図である。
図1に示すように、油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置の一例)は、内部にオイル(液体の一例)を収容するシリンダ部10と、シリンダ部10の他端側から摺動自由に挿入されるロッド20と、ロッド20の一端側の端部に接続されるピストン部30(ピストンの一例)と、ピストン部30にて発生する減衰力を調整する減衰力変更部40と、シリンダ部10の一端側の端部に設けられるボトムピストン部60と、を備えている。
減衰力変更部40は、変形または変位することにより圧力調整室500(圧力変更部の一例)の液体の圧力を変化させるフロートバルブ52(弾性変形部の一例)と、フロートバルブ52を支持するエンドキャップ51(キャップ部の一例)と、フロートバルブ52を押さえるバネ53とを有する。以下、油圧緩衝装置1について詳細に説明する。
本実施形態の油圧緩衝装置1は、スプリングとともに用いられ、サスペンション(懸架装置)の一部を構成する複筒型式油圧緩衝装置である。そして、本実施形態の油圧緩衝装置1は、例えば四輪車や二輪車などの車両に用いられ、車輪の上下運動を緩和したり吸収したりすることで、振動が車体に直接伝わることを抑制する。
図1に示すように、シリンダ部10は、円筒状のシリンダ11と、シリンダ11の半径方向外側に設けられる円筒状のダンパケース12と、シリンダ部10の他端側の端部に設けられるロッドガイド部13と、シリンダ部10の一端側の端部に設けられる底蓋14とを備えている。
シリンダ11は、ロッド20の一端側、ピストン部30および減衰力変更部40を、軸方向に移動可能に収容する。ダンパケース12は、半径方向内側にてシリンダ11との間にリザーバ室Rを形成する。ロッドガイド部13は、シリンダ11およびダンパケース12の他端側の開口部を閉じる。また、ロッドガイド部13は、ロッド20が貫通して設けられ、ロッド20を軸方向に移動可能に支持する。ロッドガイド部13は、シリンダ11およびダンパケース12の一端側の開口部を閉じる。
<ロッド20の構成>
ロッド20は、中実または中空の棒状の部材である。そして、ロッド20は、一端側に設けられる一端側取付部21と、他端側に設けられる他端側取付部とを有する。一端側取付部21および他端側取付部は、それぞれ、外面には雄ねじが形成され、ボルトとして機能する。さらに、図2に示すように、ロッド20は、一端側取付部21に、軸方向に延びる溝によって形成され、ピストン部30を迂回して、第2油室Y2と第1油室Y1との間でオイルを流通させるバイパス流路25を備えている。
<ピストン部30の構成>
図2に示すように、ピストン部30は、バルブシート31と、バルブシート31の一端側に設けられる伸側減衰バルブ部321と、バルブシート31の他端側に設けられる圧側減衰バルブ部322と、を備えている。また、ピストン部30は、第1バルブストッパ351および第2バルブシート353を備えている。
第2バルブシート353は、軸方向に伸びてロッド20の一端側取付部21が貫通可能な孔を有する。さらに、第2バルブシート353は、後述のサブバルブ41に向けて開放された凹部353cが設けられる。そして、第2バルブシート353は、一端側取付部21が嵌め込まれ、バルブシート31との間に伸側減衰バルブ部321を挟み込む。また、第2バルブシート353の凹部は、バイパス路25に連通する空間である吐出流路36を形成する。
<衰力変更部40の構成>
図3は、本実施形態の減衰力変更部40の説明図である。図2および図3を参照しつつ、減衰力変更部40について説明する。
図2に示すように、減衰力変更部40は、バイパス路25におけるオイルの流れを制御する調整バルブ41と、バイパス路25のオイルの流れを絞る絞り部材42と、ロッド20に接続するバルブハウジング43と、を有する。
調整バルブ41は、凹部353cの開口部を閉塞可能に設けられている。第2油室Y2からバイパス路25および吐出流路36を通ったオイルは、調整バルブ41を押し開くことにより、第1油室Y1側へと達する。
弾性を有する絞り部材42は、図3に示すように、円環状に形成され、半径方向内側にロッド20の一端側取付部21が貫通する開口部を有し、この開口部から外側に向けて切り込まれた油路を有する。そして、絞り部材42は、調整バルブ41と共に、第2バルブシート353とバルブハウジング43と間に設けられ、オリフィスを形成する。このオリフィスは、絞り部材42が臨む背圧室50に連通し、バイパス路25の下端部に連絡している。
図2に示すように、バルブハウジング43は、背圧室50と圧力調整室500とを連絡する連絡通路43Hを有する部位と、この部位よりも他端側に設けられ圧力調整室500を形成する部位とを有する。バルブハウジング43は、軸方向に伸びロッド20の一端側取付部21に締め込まれ固定される。なお、本実施形態では、連絡通路43Hは、バルブハウジング43の周方向において複数設けられている。
バルブハウジング43は、他端側の端部にエンドキャップ51を固定させることで圧力調整室500を形成する。本実施形態では、減衰力変更部40およびピストン部30を構成する各種部材が、バルブハウジング43とロッド20とによって挟持される。また、エンドキャップ51には、オイルを濾過するフィルタを配置してもよい。
また、連絡通路43Hは、背圧室50と圧力調整室500とを連通し、背圧室50と圧力調整室500との間におけるオイルの流路を形成する。
図3に示すように、シール44は、他端がサブバルブ41に一体成型されバルブハウジング43側に向けて突出し、一端側にはバルブハウジング43の壁部46が接触する。シール44は、バルブハウジング43及びサブバルブ41と共に、背圧室50を形成する。
エンドキャップ51は、バルブハウジング43の一端側内側に挿入された状態で、バルブハウジング内の空間である圧力調整室500を形成する。この圧力調整室500には、フロートバルブ52およびバネ53が収容される。
エンドキャップ51は、他端側でフロートバルブ52を保持する。
フロートバルブ52は、バネ53の付勢力に抗して移動することが可能であり、軸方向および軸方向に直交する方向において変位可能である。また、フロートバルブ52は、エンドキャップ51の環状突出部に接触し、圧力を受けることによって、変形規制部内で変形可能である。
フロートバルブ52は、伸張行程時や圧縮行程時において、変形または変位することで、圧力調整室500の容積を変化させる。また、エンドキャップ51の貫通孔51Hを塞ぐことによって圧力調整室500と第1油室Y1側とのオイルの流れを遮断したり、開放したりする。
続いて、本実施形態の油圧緩衝装置1の動作を説明する。圧縮行程時および伸張行程時におけるピストン部30の動作説明である。
伸張行程において、ロッド20が小振幅で移動する場合、第2油室Y2からバイパス路25に流入したオイルは、絞り部材42のオリフィス42S、バルブハウジング43の連絡通路43Hを通って、圧力調整室500に流れ込む。このとき、圧力調整室500では、フロートバルブ52が撓むことでオイルを収容する容積が増加し、圧力調整室500内のオイルの圧力上昇が遅くなっている。そのため、圧力調整室500の圧力が上がらず、調整バルブ41を吐出流路36に向けて押す力も小さくなる。吐出流路36の圧力が所定値以上になると、調整バルブ41は、吐出流路36を開く。さらに、バイパス路25を流れるオイルは、吐出流路36から第1油室Y1へと流出する。このように、ロッド20が小振幅で移動する場合、ピストン部30を迂回するオイルの流れが生じる。
従って、伸張行程において、ロッド20が小振幅で移動する場合には、図2に示すピストン部30の伸側油路341のオイルの流れに加えて、バイパス路25をオイルが流れることとなり、ピストン部30にて発生する減衰力が小さくなる。
一方、伸張行程において、ロッド20が大振幅で移動する場合、第2油室Y2からバイパス路25に流入したオイルは、絞り部材42のオリフィス、バルブハウジング43の連絡通路43Hを通って、圧力調整室500に流れ込む。そして、大振幅で移動する場合には、圧力調整室500にてフロートバルブ52が変形規制部まですぐに撓むことで、圧力調整室500内のオイルが高圧化する。そのため、圧力調整室500の圧力によって調整バルブ41を吐出流路36に向けて押す力が大きくなる。その結果、調整バルブ41は、吐出流路36を閉じる。
従って、伸張行程において、ロッド20が大振幅で移動する場合には、バイパス路25をオイルが流れず、ピストン部30の伸側油路341のオイルの流れだけになるため、ピストン部30にて発生する減衰力が大きくなる。
以上のとおり、本実施形態の油圧緩衝装置1は、ロッド20が小さく動くときには、減衰力が小さくなることで、車両の乗り心地が高められる。一方で、本実施形態の油圧緩衝装置1は、ロッド20が大きく動くときには、減衰力が高くなることで、車両の操安性が高められる。
第1実施形態の油圧緩衝装置1の減衰力変更部40は、背圧室50を画定する部材であるサブバルブ41にシール44を一体成型した構造である。これにより、バルブハウジング43に別途シール溝を加工する必要なく、また、シールの組付け性向上し、生産性が向上できる。
<第2実施形態>
次に、図4に示す第2実施例形態について、説明する。上記第1実施形態は、バルブハウジング43及び壁部46が単一の部材であったのに対し、第2実施形態は、バルブハウジング43に、これとは別部材の管体43aを圧入嵌合することにより、壁部46aを形成した構造であるところが異なり、バルブハウジングの形成をより簡単にしている。このような形態であっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次に、図5に示す第3実施形態について、説明する。上記第2実施形態では、シール44が調整バルブ41に一体に形成されていたのに対し、第3実施形態は、調整バルブ41ではなく、別のバネ体45にシール44を一体形成し、絞り部材42とバルブハウジング43の間に設けたところが異なる。これによれば、シール44が調整バルブ41と別体のため、上記第2実施形態で得られる効果に加えて、調整バルブ41の厚さを容易に変更できる。
<第4実施形態>
次に、図6に示す、第4実施形態について、説明する。第4実施形態は、従来構造のバルブハウジング43に可動式のスプール43bを設け、スプール43bの内壁46b(壁部)へ接触するシール44をバネ体45に設けた構造である。これによれば、上記第3実施形態で得られる効果に加えて、バルブハウジング43のシール溝加工が不要となり、組立て性を向上できる。
以上のように、本発明によれば、バルブハウジングの加工の簡素化、組立て性の簡素化が可能な構造にすることができる。
上記説明では、フロートバルブ52を変形または変位させることで圧力調整室500内のオイル圧を変化させる形態を例示したが、本発明はフロートバルブ52を用いる形態に限定されない。圧力調整室500内を他の部材を用いても良いし、圧力を変化させいな構造であってもよく、背圧室を持つ構造であればよい。
1…油圧緩衝装置、11…シリンダ、20…ロッド、30…ピストン部、25…バイパス油路、353…第2バルブシート、40…減衰力変更部、41…サブバルブ、42…絞り部材、44…シール、43…バルブハウジング、46…壁部、50…背圧室、500…圧力調整室、51…エンドキャップ、52…フロートバルブ、53…バネ

Claims (5)

  1. 液体を収容するシリンダと、前記シリンダ内を第1室及び第2室に区画するピストンと、前記シリンダ内を進退する第1端に前記ピストンが設けられ、前記第1室と前記第2室との間を移動する前記液体が流れるバイパス流路を有するロッドと、前記ピストンで発生する減衰力を変更可能な減衰力変更部と、を備え、前記減衰力変更部は、バイパス流路における前記液体の流れを調整する調整バルブと、前記調整バルブを支持するバルブハウジングと、前記調整バルブと前記バルブハウジングとの間に設けられ、絞り部材を介して前記バイパス流路に連通する背圧室と、前記背圧室の側面を画定する壁部と、変形または変位することにより前記背圧室の圧力を変化させる圧力変更部と、を備え、前記圧力変更部は、弾性変形部、前記弾性変形部を抑えるバネ、及び、前記弾性変形部を支持するキャップ部を備え、前記背圧室から前記液体が漏洩することを防ぐシール部が、前記背圧室を画定する部材または前記背圧室に収容される部材の何れかと一体に設けられている、圧力緩衝装置。
  2. 前記壁部及び前記支持部材は、一体成型された一の部材であり、前記シール部は、前記調整バルブ41に設けられている、請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  3. 前記壁部は、前記支持部材の外周面を囲むように、前記支持部材の外周面に固定された管であり、前記シール部は、前記調整バルブに設けられている、請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  4. 前記壁部は、前記支持部材の外周面を囲むように、前記支持部材の外周面に固定された管であり、前記調整バルブは、前記第1流路に連通する連通部の開口部を閉塞可能に設けられ、前記連通部の前記開口部を閉じる向きの力を前記調整バルブに付与するバネが、前記背圧室に収容され、前記シール部は、前記バネに設けられている、請求項1に記載の圧力緩衝装置。
  5. 前記壁部は、前記支持部材に対して軸方向に進退可能な可動部材の側面であり、前記調整バルブへ近づく向きの力を前記可動部材に付与するバネが、前記背圧室に収容され、 前記シール部は、前記バネに設けられている、請求項1に記載の圧力緩衝装置。




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