JP2022094317A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、拘束圧の変動が抑制された全固体電池を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示においては、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層および負極集電体をこの順に積層した全固体電池であって、上記負極活物質層が、Si系活物質および黒鉛を含有し、上記黒鉛の(002)面の面方向と、上記負極集電体の積層方向の面とのなす角が45°以上、90°以下である黒鉛を交差黒鉛とした場合に、上記黒鉛における上記交差黒鉛の割合が、20質量%よりも大きい、全固体電池を提供することにより上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本開示は、全固体電池に関する。
全固体電池は、正極層および負極層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
例えば特許文献1には、Si系活物質を含有した負極を備えた全固体電池が開示されている。
特開2018-142431号公報
特許文献1に示されるように、全固体電池の負極においてSi系活物質を用いることが知られている。Si系活物質は、理論容量が大きく電池の高エネルギー密度化に有効である。一方、Si系活物質は、充放電時の体積変化が大きく、全固体電池の拘束圧の変動が大きくなる恐れがある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、拘束圧の変動が抑制された全固体電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層および負極集電体をこの順に積層した全固体電池であって、上記負極活物質層が、Si系活物質および黒鉛を含有し、上記黒鉛の(002)面の面方向と、上記負極集電体の積層方向の面とのなす角が45°以上、90°以下である黒鉛を交差黒鉛とした場合に、上記黒鉛における上記交差黒鉛の割合が、20質量%よりも大きい、全固体電池を提供する。
本開示によれば、交差黒鉛の割合が所定の値よりも大きいため、拘束圧の変動が抑制された全固体電池となる。
上記開示においては、上記交差黒鉛の割合が、50質量%以上であってもよい。
上記開示においては、上記Si系活物質に対する上記黒鉛の質量比が、0.05以上、0.3以下であってもよい。
上記開示においては、上記負極活物質層の厚さをx(μm)、上記黒鉛の平均粒子径(D50)をy(μm)とした場合に、y/xが、0.16以上、0.56以下であってもよい。
本開示においては、拘束圧の変動が抑制された全固体電池を提供できるという効果を奏する。
本開示における全固体電池の一例を示す概略図である。 本開示における交差黒鉛を説明するための図である。 本開示において黒鉛を負極集電体に交差させる方法の一例を説明するための図である。 実施例および比較例における拘束圧変動の測定方法を説明するための図である。
以下、本開示における全固体電池について、詳細に説明する。図1は、本開示における全固体電池の一例を示す概略図である。図1に示す全固体電池10では、正極集電体1、正極活物質層2、固体電解質層3、負極活物質層4および負極集電体5がこの順に積層されている。また、負極活物質層4は、Si系活物質および黒鉛を含有する。そして、負極活物質層4においては、上記黒鉛の内、交差黒鉛の割合が所定の値より大きい。なお、本願明細書において単に「黒鉛」と記載した場合には、負極活物質層が含む黒鉛全体を意味する。つまり、本願明細書における「黒鉛」の用語は「交差黒鉛」も包含する。
ここで、図を用いて上記交差黒鉛について説明する。図2は、本開示における交差黒鉛を説明するための図である。図2(a)に示されるように、交差黒鉛6は、負極活物質層4に含まれ、負極集電体5の積層方向の面と交差している。より詳細に説明すると、図2(b)に示すように、交差黒鉛6は、負極活物質層4に含まれる黒鉛の内、その(002)面の面方向Aと、負極集電体5の積層方向D2の面とのなす角θが45°以上、90°以下である黒鉛をいう。また、本願明細書において「(002)面」とは、層状構造の黒鉛の層面(黒鉛層と水平な面)であって黒鉛を構成するグラフェンシートの炭素ネットワークと水平な面をいう。また、「(002)面の面方向」とは、図2(b)に示すように黒鉛の各層の積層方向D1と直交する方向Aをいう。一方、「負極集電体の積層方向の面」とは、負極集電体の主面をいい、図2(b)に示すように電池を構成する各層の積層方向D2を法線方向とする面をいう。すなわち、本開示における交差黒鉛は、負極集電体の主面に対する、黒鉛の(002)面の面方向の角度が、45°以上、90°以下である黒鉛に該当する。
本開示によれば、交差黒鉛の割合が所定の値よりも大きいため、拘束圧の変動が抑制された全固体電池となる。これは、交差黒鉛は、負極活物質層においてピラーとして機能するためと考えられる。
1.負極活物質層
本開示における負極活物質層は、Si系活物質および黒鉛を含有する。また、黒鉛の内、交差黒鉛の割合が所定の値よりも大きい。
本開示における負極活物質層は黒鉛を含有する。黒鉛の含有量は、例えば5質量%以上であり、10質量%以上であってもよく、20質量%以上であってもよい。一方、黒鉛の含有量は、例えば40質量%以下であり、30質量%以下であってもよい。
また、負極活物質層では、黒鉛の(002)面の面方向と、上記負極集電体の積層方向の面とのなす角が45°以上、90°以下である黒鉛を交差黒鉛とした場合に、上記黒鉛における上記交差黒鉛の割合が所定の値よりも大きい。交差黒鉛の割合(交差比率)は、20質量%よりも大きく、30質量%以上であってもよく、40質量%以上であってもよく、50質量%以上であってもよい。一方で、交差比率は、例えば100質量%以下であり、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく、70質量%以下であってもよい。交差黒鉛の割合が少なすぎると、拘束圧の変動抑制効果が十分に得られない場合がある。交差比率の算出方法は、後述する実施例で説明する。また、黒鉛を負極集電体に対して交差させる方法および比率の調整方法についても後述する。
また、負極集電体の積層方向の面と直交している交差黒鉛を直交黒鉛とした場合に、交差黒鉛においては直交黒鉛が主であることが好ましい。「負極集電体の積層方向の面と直交している交差黒鉛」とは、図2に(b)に示したような面方向Aと負極集電体の積層方向の面とのなす角θが、80°以上、90°以下である交差黒鉛をいう。また、「交差黒鉛においては直交黒鉛が主である」とは、交差黒鉛の全量に対する直交黒鉛の割合が50質量%以上であることをいう。直交黒鉛の割合は、70質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
黒鉛の平均粒子径(D50)は、例えば5μm以上であり、7μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。一方、D50は、例えば50μm以下であり、45μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。平均粒子径(D50)は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定の結果から求めることができる。
本開示における負極活物質層はSi系活物質を含有する。Si系活物質は、Si単体であってもよく、Si化合物であってもよい。Si化合物としては、例えば、Si合金、Si酸化物が挙げられる。Si合金は、Si元素を主成分として含有することが好ましい。
Si合金中のSi元素の割合は、例えば50at%以上であり、70at%以上であってもよく、90at%以上であってもよい。Si酸化物としては、例えばSiOが挙げられる。
Si系活物質の含有量は、例えば20質量%以上であり、30質量%以上であってもよく、40質量%以上であってもよい。一方、Si系活物質の含有量は、例えば80質量%以下であり、70質量%以下であってもよく、60質量%以下であってもよい。
また、負極活物質層においては、上記Si系活物質に対する上記黒鉛の質量比が所定の範囲であることが好ましい。上記質量比は、例えば0.05以上であり、0.1以上であってもよく、0.15以上であってもよい。一方、上記質量比は、例えば0.3以下であり、0.25以下であってもよく、0.2以下であってもよい。上記質量比が低すぎると電池の内部抵抗が増加する恐れがあり、上記質量比が大きすぎると負極活物質層の圧密性が低下する恐れがある。
また、負極活物質層においては、後述する負極活物質層の厚さをx(μm)とし、上記黒鉛のD50をy(μm)とした場合に、y/xが所定の範囲であることが好ましい。y/xは、例えば0.16以上であり、0.20以上であってもよい。一方、y/xは、例えば0.56以下であり、0.40以下であってもよく、0.30以下であってもよい。
y/xの値が小さすぎると電池の内部抵抗が増加する恐れがあり、y/xの値が大きすぎると負極活物質層の圧密性が低下する恐れがある。
また、本開示における負極活物質層は、必要に応じて、黒鉛以外の導電材、バインダーおよび固体電解質の少なくとも一つを更に含有していてもよい。なお、負極活物質層は、黒鉛以外の導電材、特に炭素材料を、含有していなくてもよい。黒鉛以外の導電材としては、従来公知の導電材を挙げることができる。また、バインダーとしては、例えば、ブチレンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ化物系バインダーが挙げられる。固体電解質については、「3.固体電解質層」で説明する。また、負極活物質層の厚さは、例えば0.1μm以上1000μm以下である。
ここで、本開示における黒鉛を負極集電体に対して交差させる方法の一例について説明する。まず、本開示においては、Si系活物質および黒鉛を少なくとも含有する負極組成物を準備し、この組成物を負極集電体に塗工して塗工層を形成する。そして、この塗工層に磁場を印加する。磁場の印加による配向制御により、黒鉛を負極集電体に対して交差させることができる。なお、本開示における負極活物質層は、上記磁場印加後の塗工層を乾燥させることで形成することができる。
磁場の印加方法を、図を用いてより詳細に説明する。図3は、本開示において黒鉛を負極集電体に交差させる方法の一例を説明するための図である。まず、図3(a)に示すように、負極集電体5および塗工層7をはさむように対向して配置された一対の磁場発生体20を用いて、負極集電体5の面方向と並行な磁力線が発生する磁場を印加する。これにより、図2(b)に示したような黒鉛の(002)面の面方向Aを、負極集電体5の積層方向の面と平行にする(つまり、θ=0°)。そして、図3(b)および(c)に示すように、磁場発生体20の角度を段階的に調整することで磁力線の角度を調整し、黒鉛6を負極集電体5に対して交差させる。
磁場発生体としては、磁石およびコイル等の従来公知の部材を用いることができる。また、磁場の強さおよび印加時間等の条件は特に限定されず、所望の交差比率および負極組成物の粘度に応じて適宜調整することができる。例えば、磁場の強さは0.3T以上1T以下であり、印加時間は5秒以上2分以下である。交差比率はこれらの条件を変更することで調整することができる。
2.正極活物質層
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有し、必要に応じて導電材および固体電解質の少なくとも一方を含有していてもよい。正極活物質としては例えば、酸化物活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、LiTi12、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO等のオリビン型活物質が挙げられる。正極活物質の表面には、イオン伝導性酸化物が被覆されていてもよい。イオン伝導性酸化物としては、例えばLiNbOが挙げられる。導電材および固体電解質は、上記と同様である。
正極活物質層における正極活物質の割合は、例えば20質量%以上であり、30質量%以上であってもよく、40質量%以上であってもよい。一方、正極活物質の割合は、例えば80質量%以下であり、70質量%以下であってもよく、60質量%以下であってもよい。また、正極活物質層の厚さは、例えば0.1μm以上1000μm以下である。
3.固体電解質層
固体電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層であり、少なくとも固体電解質を含有する層である。また、固体電解質層は、固体電解質のみを含有していてもよく、さらにバインダーを含有していてもよい。
固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等の無機固体電解質;ポリマー電解質等の有機高分子電解質が挙げられる。これらの中でも、特に、硫化物固体電解質が好ましい。固体電解質層の厚さは、例えば0.1μm以上1000μm以下である。
4.正極集電体および負極集電体
本開示における全固体電池は、上記正極活物質層の電子を集電する正極集電体および上記負極活物質層の電子を集電する負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボンが挙げられる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボンが挙げられる。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、全固体電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。
5.全固体電池
また、本開示における全固体電池は、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層および負極集電体に対して、厚さ方向に沿って拘束圧を付与する拘束治具をさらに有していてもよい。拘束治具としては、公知の治具を用いることができる。拘束圧は、例えば0.1MPa以上であり、1MPa以上であってもよい。一方、拘束圧は、例えば50MPa以下であり、20MPa以下であってもよい。
本開示における全固体電池の種類は特に限定されないが、典型的にはリチウムイオン電池である。また、本開示における全固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。
本開示における全固体電池は、単電池であってもよく、積層電池であってもよい。積層電池は、モノポーラ型積層電池(並列接続型の積層電池)であってもよく、バイポーラ型積層電池(直列接続型の積層電池)であってもよい。電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、角型が挙げられる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[比較例1]
(負極活物質層の形成)
Si系負極活物質(Si単体)と、分散媒(酪酸ブチル)と、バインダー(PVdF系バインダーの5wt%酪酸ブチル溶液)と、硫化物固体電解質(LiBr、LiIを含有するLiS-P系ガラスセラミック)と、導電材(VGCF)とを混合することでペースト状の負極組成物を調製した。なお、Si単体:VGCFは質量比で100:15となるよう秤量した。この組成物をニッケル箔(負極集電体)上に塗工して乾燥させることで、負極活物質層を形成した。なお、VGCFは黒鉛の(002)面に相当する結晶面を有しないため、磁場の印加による配向制御を行うことはできない。
(評価用セルの作製)
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)と、分散媒(酪酸ブチル)と、バインダー(PVdF系バインダーの5wt%酪酸ブチル溶液)と、硫化物固体電解質(LiBr、LiIを含有するLiS-P系ガラスセラミック)と、導電材(VGCF)とを混合することで、ペースト状の正極成物を調製した。この組成物をアルミ箔(正極集電体)上に塗工して乾燥させることで、正極活物質層を形成した。
分散媒(ヘプタン)、バインダー(ブタジエンゴムの5wt%ヘプタン溶液)と、硫化物固体電解質(LiBr、LiIを含有するLiS-P系ガラスセラミック)とを混合することで、固体電解質組成物を調製した。この組成物をアルミ箔(基板)に塗工して乾燥することで固体電解質層を形成した。
固体電解質層が正極活物質層と接するように、固体電解質層を正極活物質層に積層してプレスを行った。そして、固体電解質層の基板(アルミ箔)を剥がして、固体電解質層が負極活物質層と接するように負極活物質層を積層してプレスを行った。このようにして図4(a)(b)に示すような評価用セルを作製した。なお、電極面積は1cmとし、正極に対する負極の容量比が3となるように評価セルを作製した。
[比較例2]
導電材としてVGCFの代わりに黒鉛(D50=7μm)を用いた。このこと以外は比較例1と同様に評価セルを作製した。
[実施例1-1]
負極活物質層を以下のように形成したこと以外は、比較例2と同様に評価用セルを作製した。まず、Si系負極活物質(Si単体)と、分散媒(酪酸ブチル)と、バインダー(PVdF系バインダーの5wt%酪酸ブチル溶液)と、硫化物固体電解質(LiBr、LiIを含有するLiS-P系ガラスセラミック)と、導電材(黒鉛、D50=7μm)とを混合することでペースト状の負極組成物を調製した。この組成物をニッケル箔(負極集電体)上に塗工して塗工層を形成した。そして、この塗工層に対して磁場を印加することで、黒鉛を負極集電体に対して交差させた。磁場の印加方法は、磁場の強さを0.495Tとし、図3(a)から図3(c)に示すように磁力線の方向を段階的に変化させることで行った。その後、塗工層を乾燥させることで、負極活物質層を形成した。
[実施例1-2および1-3]
全黒鉛の量に対する交差黒鉛の量(交差比率)が表2の値になるように、磁場の強さを変更した。このこと以外は、実施例1-1と同様に評価セルを作製した。
[実施例2-1~2-5]
負極活物質層の膜厚(μm)に対する黒鉛の平均粒子径(D50、μm)が表3に示す値となるよう、黒鉛のD50を変更した。このこと以外は、実施例1-1と同様に評価セルを作製した。なお、負極活物質層の膜厚とはプレス後の負極活物質層の膜厚をいう。
[実施例3-1~3-6]
負極活物質層における黒鉛とSi系活物質の質量比が表4に示す値となるよう、黒鉛の量を変更した。このこと以外は、実施例1-1と同様に評価セルを作製した。
[評価]
(交差比率)
各実施例および各比較例で作製した評価セルにおける負極活物質層に対して、イオンミリング加工により断面出しを行った。そして断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察することで交差比率(全黒鉛に対する交差黒鉛の質量比率)を算出した。結果を表1から表4に示す。交差比率は具体的には以下のようにして求めた。まず、取得した負極活物質層の断面SEM画像を画像分析して、黒鉛全粒子の、面積、長辺と短編の長さ比(アスペクト比)および負極集電体に対する粒子長辺方向((002)面の面方向)の角度をデータ化した。そして、上記角度が45°以上、90°以下である黒鉛粒子の総面積を、黒鉛全粒子の面積で除した値を交差比率(質量比率)とした。
(拘束圧変動)
図4(c)に示すような冶具に上記評価セルを4つセットし、ロードセルにより拘束圧の変動を測定し、拘束圧変動の抑制効果について評価した。具体的には、以下の式から拘束圧変動を規格化して評価した。結果を表1から表4に示す。
(充電終了時の拘束圧(MPa)-充電開始時の拘束圧(MPa))/(セル数×充電終了時の容量(mAh))
(負極活物質層の圧密性)
評価セルにおける負極活物質層の厚さ(つまり、プレス後の負極活物質層の厚さ)を測定することで、負極活物質層の厚さが45μm(密度が1.8g/cc)まで圧密化できているか否かを相対評価した。結果を表1から表4に示す。
(電池抵抗)
実施例1-1、2-1、3-1および3-2で作製した評価セルに対して、DCIR測定を行い、電池抵抗を求めた。測定は、25℃において、SOC(state of charge)20%から0.1秒間1.7C放電することで行った。その結果を表3および4に示す。
Figure 2022094317000002
Figure 2022094317000003
Figure 2022094317000004
Figure 2022094317000005
表1に示されるように、磁場を印加せずに負極活物質層を形成した比較例2は、VGCFを用いた比較例1と同様の拘束圧変動値を示し、拘束圧の変動を抑制できていないことが確認された。なお、SEM画像から、磁場を印加せずとも20質量%の黒鉛は負極集電体に交差していることが確認された。一方、表2~4に示すように、磁場を印加することで交差比率を20質量%より大きくすることができ、拘束圧の変動が顕著に抑制されていた。
また、表2に示すように、交差比率が大きいほど拘束圧の変動抑制の効果が大きいことが確認された。また、表3および表4に示した実施例1-1、2-1、3-1、3-2の結果から、負極活物質層の厚さに対する黒鉛のD50の比(D50/膜厚)および、Si系活物質に対する黒鉛の質量比(黒鉛/活物質)が大きくなることで、電池抵抗が小さくなることが確認された。一方、実施例2-5および3-6の結果から、D50/膜厚および黒鉛の質量比(黒鉛/活物質)が大きすぎる場合には、プレス圧密性が劣ることが示唆された。
1 …正極集電体
2 …正極活物質層
3 …固体電解質層
4 …負極活物質層
5 …負極集電体
6 …交差黒鉛
10 …全固体電池

Claims (4)

  1. 正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層および負極集電体をこの順に積層した全固体電池であって、
    前記負極活物質層が、Si系活物質および黒鉛を含有し、
    前記黒鉛の(002)面の面方向と、前記負極集電体の積層方向の面とのなす角が45°以上、90°以下である黒鉛を交差黒鉛とした場合に、
    前記黒鉛における前記交差黒鉛の割合が、20質量%よりも大きい、全固体電池。
  2. 前記交差黒鉛の割合が、50質量%以上である、請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記Si系活物質に対する前記黒鉛の質量比が、0.05以上、0.3以下である、請求項1または請求項2に記載の全固体電池。
  4. 前記負極活物質層の厚さをx(μm)、前記黒鉛の平均粒子径(D50)をy(μm)とした場合に、y/xが、0.16以上、0.56以下である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の全固体電池。
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