JP2022093850A - フランジ接続構造、およびフランジの接続方法 - Google Patents

フランジ接続構造、およびフランジの接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば原子炉圧力容器や隔離弁、主蒸気配管などの原子炉冷却材を内包する冷却材圧力バウンダリを形成する部材に設けられたフランジ接続構造において、部材の経時変化や施工状態によってリークが発生するポテンシャルを従来に比べて簡易に低減することが可能なフランジ接続構造、およびフランジの接続方法を提供する。【解決手段】第1部材1に設けられた第1フランジ10と第2部材2に設けられた第2フランジ20とを接続する方法であって、第1フランジ10と第2フランジ20とをボルト締めする位置より内側に封止材70、およびOリング50,ガスケットをボルト30により締める位置より内側に挿入する挿入工程と、ボルト30を締める締結工程と、締結工程の後に、封止材70を局所的に加熱して封止する加熱封止工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、2つのフランジ間を密閉状態で接続することが可能なフランジ接続構造、およびフランジの接続方法に関する。
特許文献1には、第1の部材としてのフランジ継手と第2の部材としてのフランジ継手間に形成された膨張黒鉛製シール部材としての膨張黒鉛製ガスケットの装着溝の内周側または外周側の少なくとも何れか一方に、遮断材用の装着溝を形成し、この装着溝内に使用時の高温状態に応じて軟化または溶融する遮断材を配設して、第1の部材としてのフランジ継手と第2の部材としてのフランジ継手とを相互に締結した、ことが記載されている。
特開2005-240956号公報
従来から、内部に連続した流体等の輸送用領域やワイヤ等の配設用領域を形成する構造物として、中空形状を有する管体を管軸方向に複数本連結することによって構成された管路構造物が知られており、例えば工場等における輸送管路や、揚排水施設等における導水管路、各種パイプラインなどにおいて広く用いられている。
このような管路構造物においては、強度や耐久性等を考慮して、一般に金属製の管体が採用されており、所定長さの管本体の開口端部に連結用のフランジ部を設けたフランジ付管体の複数本を用いて、各管体におけるフランジ部同士を相互に突き合わせてボルト等で連結することによって形成されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構造を有する構造物の一例に、高い安全性が求められる原子力発電プラントがある。
原子力発電プラントのうち、重要機器である原子炉圧力容器には原子炉冷却材が内包されており、燃料棒から得られる熱エネルギーを外部に運搬する役割とともに、燃料棒を冷却し、燃料棒が溶融するのを防ぐ役割をもつ。
原子炉圧力容器内で蒸気となった原子炉冷却材は、主蒸気配管などの配管やその他の機器を循環する過程で、外部にエネルギーを伝え、液体に変化した後、原子炉圧力容器内に戻る。
主蒸気配管など原子炉冷却材が通過する機器に関連する過酷事象として、例えば主蒸気配管が破断することで原子炉冷却材が外部に漏れ出し、結果として圧力容器内部の原子炉冷却材が喪失する、冷却材喪失事故が挙げられる。
喪失まで至らない場合でも、原子炉冷却材が循環経路の外部に漏れ出すことは、放射性物質管理の観点から避けるべき事象であり、原子炉冷却材が原子炉圧力容器や主蒸気配管を含む循環経路から漏れ出さないようにすることが求められている。
現在、特に先進国において開発が進められている小型原子炉では、万一の主蒸気配管破断といった過酷事故時でも、冷却材喪失事故に至らないよう、隔離弁を原子炉圧力容器に直接接続させた構造とし、より高い安全性を実現した炉型の開発が行われている。
本構造により、主蒸気配管などの配管破断による冷却材喪失事故の可能性はなくなるが、隔離弁を原子炉圧力容器に直付けさせた接合部からの冷却材の漏れ出す可能性は依然として残る。例えば、直付けを実現する方法として、フランジ締結により隔離弁を原子炉に接続した場合、フランジ締結部より蒸気となった原子炉冷却材が漏れ出す可能性が依然として残る。
原子炉冷却材を内包する領域は、冷却材圧力バウンダリと呼ばれ、バウンダリの外部に冷却材を漏れ出させないような構造設計が必要である。冷却材圧力バウンダリには、冷却材が通過する隔離弁のフランジ締結部も含まれ、フランジ締結部からのリークポテンシャルを低減することが重要となる。
現在、特に先進国において開発が進められている出力数十万kW級の小型原子炉においては、高い安全性を実現するために、原子炉圧力容器に隔離弁を直接接続した型の原子炉の開発も行われている。この型では、冷却材圧力バウンダリを構成する主蒸気配管などの配管が万一破断した場合でも、隔離弁を閉じることで原子炉圧力容器内の原子炉冷却材の喪失を回避できることから、高い安全性をもつ構造とすることができる。
但し、原子炉圧力容器と隔離弁の接合部は存在するため、例えばフランジ締結にて接合させた場合、フランジ面から原子炉冷却材がリークするポテンシャルは残ることとなる。リークは破断とは異なり、原子炉冷却材の流出量が小さいことから原子炉冷却材喪失事故とはならないが、放射性物資管理の観点や、リークを継続させたことによる周辺機器への影響を考えると、リークポテンシャルを更に低減することは重要な課題である。
フランジ面からのリークが発生する形態として、複数の形態が考えられる。以下に代表的なものをいくつか記載する。
1つ目は、フランジ面に大きな曲げ荷重が加わり、シール面のすき間が大きくなることで、リークが発生する形態である。
2つ目は、1つ目に近い形態ではあるが、フランジ面で締結された2つの部材が、それぞれ逆位相で振動する形態が挙げられる。振動が逆位相となっていることから、ちょうど2つの部材がお互い離れようとする瞬間があり、そのタイミングでフランジ面のすき間が大きくなりリークが発生する形態である。
3つ目は、フランジを締結しているボルトがなじむことで、シール面の面圧が維持できなくなり、リークが発生する形態である。
4つ目は、シール面に設置されているOリングやガスケットが経年劣化してシール面の面圧が維持できなくなり、リークが発生する形態である。
5つ目は、フランジ面において周方向に温度分布が発生し、そのために周方向でフランジの熱変形量に差が生じることでいずれかの位相でシール面にすき間が発生し、リークが発生する形態である。
その他に、フランジ据付時でのボルト締付時における施工不良で、フランジ面圧に大きなばらつきが発生してリークが発生する形態(6つ目)や、同じく施工時にOリングやガスケットといったシール部材やそれを設置するシール面を傷つけてしまい、その傷がリークパスとなってリークが発生する形態(7つ目)である。
上記のように、フランジ面からリークが発生する形態は複数あり、リークの原因に応じて対策を講じる必要がある。例えば、リーク形態が1つ目や2つ目のような、外部からの荷重によるシール面すき間の増加によるものである場合、まずはそのような荷重を低減されることでリークを防ぐことが考えられる。
また、5つ目のリーク形態のように、温度分布の不均一に由来するものである場合、温度分布を均一化することや予め熱変形量の差異を考慮したフランジ接続構造とすることが考えられる。
リーク形態が3つ目や4つ目のような部材の経時変化によるものである場合、ボルトの増し締めや、シール部材の交換が考えられるが、原子力発電所のような大型プラントの場合、簡単にプラントを停止することはできず、このような対策を実施しにくい状況が考えられる。
更に、リーク形態が6つ目や7つ目のような施工方法に関連するものである場合は、施工しやすい治具を用意したり、施工記録をしっかりと残すといった対策が考えられるが、施工者の行動すべてを管理できない可能性もあり、リークポテンシャルを完全に排除するには相当な努力が必要であると考えらえる。
荷重や温度分布については、設計段階で検討し、フランジ周辺の機器構造にて対応することができると考えられる。一方で、ボルトやシール部材の経時変化や施工管理については、設計段階で考慮し、フランジ周辺の機器構造にて対応することは、機器スペックが過剰となりすぎる可能性もあるため、前者に比べ実施は困難と考えられる。
本発明は、例えば原子炉圧力容器や隔離弁、主蒸気配管などの原子炉冷却材を内包する冷却材圧力バウンダリを形成する部材に設けられたフランジ接続構造において、部材の経時変化や施工状態によってリークが発生するポテンシャルを従来に比べて簡易に低減することが可能なフランジ接続構造、およびフランジの接続方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、原子炉圧力容器に隔離弁をフランジにより接続するためのフランジ接続構造であって、前記原子炉圧力容器に接続された第1フランジと、前記隔離弁に接続された第2フランジと、前記第1フランジと前記第2フランジとを締結する締結具と、前記締結具の内側に設けられ、前記第1フランジと前記第2フランジとを密閉するシール部材と、前記締結具の内側に設けられ、前記第1フランジと前記第2フランジとの間に設けられている封止材と、を有し、前記封止材は、前記封止材を加熱するための加熱線を有することを特徴とする。
本発明によれば、部材の経時変化や施工状態によってリークが発生するポテンシャルを従来に比べて簡易に低減することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1のフランジ接続構造の概要を示す図。 実施例1のフランジ接続構造のうち、ボルト締め付け前における封止材の外形を示す図。 実施例1のフランジ接続構造のうち、フランジ解放時の様子を示す図。 実施例1のフランジ接続構造のうち、ボルト締め付け時の様子を示す図。 実施例1のフランジ接続構造のうち、封止材加熱時の様子を示す図。 実施例1のフランジ接続構造のうち、点検時の様子を示す図。 本発明の実施例2のフランジ接続構造の概要を示す図。
以下に本発明のフランジ接続構造、およびフランジの接続方法の実施例を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
<実施例1>
本発明のフランジ接続構造、およびフランジの接続方法の実施例1について図1乃至図6を用いて説明する。
最初に、フランジ接続構造の全体構成について図1および図2を用いて説明する。図1は本実施例1のフランジ締結部の概要を示す図である。図2に封止材70の外形図を示す。
図1に示すフランジ接続構造は、第1部材1と第2部材2とを、それらの端部に設けたフランジを用いて接続する構造であり、第1部材1に設けられた第1フランジ10と第2部材2に設けられた第2フランジ20は、ボルト30およびナット40を介して締結されている。
これら2つの第1部材1および第2部材2は、第1部材1が上述した原子炉圧力容器であり、第1フランジ10は原子炉圧力容器の一部である。また、第2部材2が隔離弁であり、第2フランジ20は隔離弁の一部である。
ただし、第1部材1は原子炉圧力容器に限られず、同様に第2部材2は隔離弁に限られず、様々な配管の接続構造に本発明を適用することができる。
両者の第1フランジ10と第2フランジ20との内面側には、シール部材としてOリング50を組み込むためのシール溝60が設けられており、シール溝60の内部に第1フランジ10と第2フランジ20とを密閉するOリング50が設置されている。このOリング50は、ボルト30,ナット40の内側に設けられている。
図1に示すフランジ接続構造では、ボルト30とナット40を用いて第1フランジ10と第2フランジ20とのフランジ面を締め付けることで、シール溝60内に設置されたOリング50はシール溝60の内面に強く接触し、フランジにおけるシールを実現している。
ここで、上述のように、機器運転中にボルト30がなじんだ場合、フランジ面の締付が弱まるため、Oリング50がシール溝60の内面に強く接触しないこととなり、リークが発生することが考えられる。また、Oリング50がクリープなどの影響でへたった場合も同様に、Oリング50がシール溝60の内面に強く接触せず、リークが発生することが考えられる。その他、フランジ締結時でボルト30を締め付ける際に、周方向に複数配置されている各々のボルト30の締め付け力が不均一となった場合、第1フランジ10や第2フランジ20のシール溝60の内面において、面圧が各位相で不均一となり、面圧が弱い位相よりリークが発生することが考えらえる。フランジ締結時に、Oリング50の表面やシール溝60の表面を傷つけてしまった場合においても、その傷がリークパスとなり、リークが発生することが考えられる。
これに対し、本実施例では、第1フランジ10と第2フランジ20とを締め付けるボルト30,ナット40が設置された位置より内側で、かつOリング50やシール溝60が設置された位置より外側に、封止材70が挿入されている。
この封止材70は、その融点がフランジ接続構造の最高使用温度(最適温度は335℃程度)よりも高い温度、特には100度未満の範囲で高い温度であり、運転中は常に固体を維持するものであるが、ボルト30,ナット40の締結後に溶融,固化したものである。
好適には、封止材70は、ろう材またははんだ材で構成され、材質としては、例えば、アルミニウムろう、マグネシウムろう(いずれも融点600℃程度)や、カドミウム・銀はんだ、亜鉛・アルミニウムはんだ(いずれも融点400℃程度)などが挙げられる。
更に、封止材70は、第1フランジ10の面、第2フランジ20の面に濡れ広がっており、第1フランジ10、あるいは第2フランジ20の径方向の厚さが第1フランジ10、第2フランジ20の軸方向で均一でないものとなっている。そして、ボルト30,ナット40による締結後に溶融,固化したことによって、封止材70と第1フランジ10の面、あるいは封止材70と第2フランジ20の面との間のいずれも空隙が存在していないものとなっている。
図2に示すように、封止材70の断面形状は、円形リング状であるが、この形状に限られず、楕円形リング状、矩形リング状など、いずれの断面形状でもよく、第1フランジ10や第2フランジ20の周方向で不連続な箇所が生じなければよい。
また、好適にはろう材またははんだ材で構成された封止材70は、溶融させるために用いられた抵抗加熱線80をその内部に有しており、抵抗加熱線80の端部がリング状の封止材70の外部まで引き出された構造となっている。抵抗加熱線80には、例えばニクロム線やタングステン線などが利用できる。
このとき抵抗加熱線80は封止材70の内部を貫通したままとなっている可能性が高いが、図1に示すように、そのまま放置しておくものとする。抵抗加熱線80は封止材70の内部に留まることとなるが、封止材70の内部や封止材70より外側の空間には、フランジ内部を通過している流体が存在せず、空気や窒素といった気体が存在している。
よって、残留している抵抗加熱線80の影響により、封止材70や第1フランジ10や第2フランジ20の母材が腐食する心配がないことから、抵抗加熱線80を放置することができる。また抵抗加熱線80は軽量であるため、第1フランジ10や第2フランジ20に引っかかったままの状態でも荷重として無視することができる。加えて、抵抗加熱線80は第1フランジ10や第2フランジ20の内側に引っかかっているため、フランジ締結部から床面に落下し、ルースパーツとしてプラントの運転に悪影響を与える可能性もない。
ただし、見栄えなどを重視して、第1フランジ10や第2フランジからはみ出している部分を除去するなど、除去することができることは言うまでもない。
ここで、本実施例では、封止材70は溶融、固化により封止を実現しており、ボルト30の締め付けによって第1フランジ10や第2フランジ20の内面に発生する面圧を利用して封止しているわけではない。
よって、運転時のボルト30のなじみや、フランジ据付作業でのボルト締付時において面圧が不均一となることで、Oリング50からのリークが発生した場合でも、封止材70によりリークを防ぐことができる。また、同様にOリング50自体がクリープなどでへたることでシール溝60の内面の面圧が低下しリークが発生する場合に対しても、封止材70によりリークを防ぐことができる。
加えて、フランジ据付時にOリング50やシール溝60の表面を傷つけてしまうことでリークが発生する可能性については、封止材70はフランジ面を完全に閉じた後で、加熱により封止を実現するため、表面が傷つく機会がない。
よって、このようなリーク形態に対しても、封止材70の設置はリークを従来に比べて簡易な手法で強力に低減することができる。
しかし、一方で、封止材70は溶融して再凝固させたろう材またははんだ材の塊であるため、Oリング50に比べてスプリングバック量が小さい。このためシール部材として封止材70を単独で用いた場合、大きな曲げ荷重や振動が第1フランジ10や第2フランジ20に加わった際に封止材70が破断し、原子炉冷却材が多量に流出する可能性が考えられる。
Oリング50では、瞬間的な口開きが生じても、その後再び第1フランジ10や第2フランジ20が閉じる状況となれば、リークをある程度抑えられる可能性があるが、封止材70では、一度破断してしまうと、その後に第1フランジ10や第2フランジ20が閉じる状況となっても破断面が残るため、リークは継続すると考えられる。よって、封止材70はリークポテンシャルを低減する方法としては有用であるが、シール部材として単独で用いることは望ましくないと考えられる。
なお図1では、封止材70をOリング50やシール溝60よりも外側に配置した例を示したが、ボルト30の設置位置より内側であれば、その位置を規定するものではなく、Oリング50の内側に配置することができる。
また、Oリング50を二重化、三重化することでも、リークポテンシャルの低減を図ることは可能であるが、同じOリングを利用した場合、同一部材で同じリーク形態が発生する可能性が考えられる。よって、リークポテンシャル低減の方法としては、シール実現方法がOリング50とは異なる、封止材70を用いた方が効率的であると考えられる。
次に、本実施例に係る第1部材1に設けられた第1フランジ10と第2部材2に設けられた第2フランジ20とを接続する方法について図3乃至図5を参照して説明する。
好適には、第1部材1は原子炉圧力容器、第2部材2は原子炉圧力容器に接続される隔離弁、あるいは配管とする。
まず、図3に示すように、第1フランジ10の内面に、第1フランジ10と第2フランジ20とをボルト締めする位置より内側に設けられたシール溝60にOリング50を設置し、またその外側に封止材70を設置する(挿入工程)。この際に、封止材70を加熱する抵抗加熱線80を封止材70の位置に挿入することができる。
ここで、封止材70としては、上述のように、その融点が第1部材1、あるいは第2部材2の最高使用温度よりも高い温度の材料を用いることができる。また、封止材70をOリング50より外側に挿入することができる。
また、後述する加熱封止工程において封止材70を加熱した際に、封止材70が確実に第1フランジ10や第2フランジ20の内部を封止するように、第1フランジ10と第2フランジ20とのうち少なくともいずれか一方の表面の封止材70を設置する位置のフランジ内面100に、予め封止材70と同一種類の金属を塗布しておくことが望ましい。
その後、図4に示すように、もう片方の第2フランジ20を先の第1フランジ10に接触させ、ボルト30およびナット40を用いてフランジ内面を締め付ける(締結工程)。フランジの締め付けにより、Oリング50がシール溝60の内面に強く接触し、シールが形成される。
また同時に、封止材70もフランジ面に強く接触する状態とはなるが、封止材70はフランジ内面への強い接触により発生する面圧により、シール部材として機能することを期待したものではない。
そこで、ボルト30,ナット40の締め付け後に封止材70を局所的に加熱して封止する(加熱封止工程)。ここでは、図5に示すように、封止材70に接続された抵抗加熱線80に電源90を接続し、電圧を加えて抵抗加熱線80に電流を流すことで、封止材70を加熱する。これにより加熱された封止材70の温度が封止材70を構成するろう材またははんだ材の融点に到達し、フランジ内面で溶融した時点で、電源90を切り、加熱を終了する。
ここで、封止材70を溶融したことを確認するための方法としては、例えば、締結部の隙間からサーモグラフィなどで観察するか、実験結果から決め打ちする方法があるが、第1部材1、第2部材2が原子力発電所を構成する部材の場合は、極力直接確認することが望まれるため、サーモグラフィを用いて直接観察することが望ましい。
加熱により溶融した封止材70はフランジ内面で冷却され再び凝固する。その結果、凝固した封止材70はOリング50の外側位置で第1フランジ10や第2フランジ20の内部を封止する。
封止材70による封止完了後は、電源90を撤去する。
ここで、本実施例のフランジ接続構造では、定期検査時にフランジ締結部を取外し、Oリング50の交換や、シール溝60を含むフランジ内面の点検を行う場合、封止材70は強度が小さいことから、封止材70を引きちぎることで第1フランジ10や第2フランジ20の母材を傷つけることなく分解できる。
その後に第1フランジ10と第2フランジ20とを再度フランジ締結する場合は、図6に示すように、例えばサンドペーパ等で封止材70を設置していたフランジ内面100を磨き、封止材70を引きちぎった際に発生した凹凸を除去することが望ましい。そのうえで、新しい封止材70のリングをフランジ内面100に設置し、ボルト30,ナット40による締付後に加熱・冷却することで、封止材70による封止を再度達成することが望ましい。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の実施例1の原子炉圧力容器に隔離弁をフランジにより接続するためのフランジ接続構造は、原子炉圧力容器に接続された第1フランジ10と、隔離弁に接続された第2フランジ20と、第1フランジ10と第2フランジ20とを締結するボルト30,ナット40と、ボルト30,ナット40の内側に設けられ、第1フランジ10と第2フランジ20とを密閉するOリング50と、ボルト30,ナット40の内側に設けられ、第1フランジ10と第2フランジ20との間に設けられている封止材70と、を有し、封止材70は、封止材70を加熱するための抵抗加熱線80を有する。
また、上述した本発明の実施例1の第1部材1に設けられた第1フランジ10と第2部材2に設けられた第2フランジ20とを接続する方法は、第1フランジ10と第2フランジ20とをボルト締めする位置より内側に封止材70、およびOリング50をボルト30により締める位置より内側に挿入する挿入工程と、ボルト30を締める締結工程と、締結工程の後に、封止材70を局所的に加熱して封止する加熱封止工程と、を有する。
本発明によれば、フランジ接続構造において、ボルト30,ナット40やOリング50の経時変化、フランジの施工状態に起因して発生するリーク事象に対して、それが発生するポテンシャルを低減することができる。このため、原子炉圧力容器と隔離弁のフランジ締結部からの原子炉冷却材の漏れ出しを低減させることで、原子炉冷却材圧力バウンダリの高信頼化が実現できる。
上述の接続方法は、特には第1部材1、および第2部材2を、原子炉圧力容器、原子炉圧力容器に接続される隔離弁、あるいは配管とする場合に非常に好適な接続方法となる。
また、封止材70は、その融点がフランジ接続構造の最高使用温度よりも高い温度、特には100度未満で高い温度であることによって、運転中は常に固体を維持することができ、封止の効果をより確実に高く保つことができる。
更に、封止材70は、第1フランジ10の面、第2フランジ20の面に濡れ広がっており、第1フランジ10、あるいは第2フランジ20の径方向の厚さが第1フランジ10、第2フランジ20の軸方向で均一でないこと、また封止材70と第1フランジ10の面、あるいは封止材70と第2フランジ20の面との間に空隙が存在していないことにより、封止材70が溶融,固化してOリング50の外側が封止材70により密封された状態であることが確実となる。
また、封止材70はOリング50より外側に設けられていることで、フランジ接続構造の内側の流れる流体に対してOリング50が対向するため、封止を確実に保つことができる。また、封止材70が溶融,固化したかを目視で確認することができ、密封をより確実に保つことができる。
更に、挿入工程では、第1フランジ10と第2フランジ20とのうち少なくともいずれか一方の表面の封止材70の設置位置に、封止材70と同一材を封止材70の挿入前に塗布することにより、加熱溶融時における封止材70の濡れ広がり性を確保し、封止をより確実とすることができる。
また、加熱封止工程の後に第1フランジ10と第2フランジ20とを取り外す際は、封止材70を引きちぎることで、容易に分解し、定期点検などを実行することができる。
更に、第1フランジ10と第2フランジ20とを再度締結する際は、引きちぎられた封止材70を除去した後に、再度、封止材70を挿入し、ボルト締め工程、および加熱封止工程を実施することにより、定期点検後内に再度容易に密封することができる。
<実施例2>
本発明の実施例2のフランジ接続構造、およびフランジの接続方法について図7を用いて説明する。図7は本実施例2のフランジ接続構造の概要を示す図である。
実施例1のフランジ接続構造では、シール溝60に設置するシール部材としてOリング50を用いたが、本実施例のフランジ接続構造では、図7に示すように、実施例2ではシール部材をガスケット110とした。
その他の構成・動作は前述した実施例1のフランジ接続構造、およびフランジの接続方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例2のフランジ接続構造、およびフランジの接続方法においても、前述した実施例1のフランジ接続構造、およびフランジの接続方法とほぼ同様な効果が得られる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1…第1部材
2…第2部材
10…第1フランジ
20…第2フランジ
30…ボルト(締結具)
40…ナット(締結具)
50…Oリング(シール部材)
60…シール溝
70…封止材
80…抵抗加熱線
90…電源
100…フランジ内面
110…ガスケット(シール部材)

Claims (14)

  1. 原子炉圧力容器に隔離弁をフランジにより接続するためのフランジ接続構造であって、
    前記原子炉圧力容器に接続された第1フランジと、
    前記隔離弁に接続された第2フランジと、
    前記第1フランジと前記第2フランジとを締結する締結具と、
    前記締結具の内側に設けられ、前記第1フランジと前記第2フランジとを密閉するシール部材と、
    前記締結具の内側に設けられ、前記第1フランジと前記第2フランジとの間に設けられている封止材と、を有し、
    前記封止材は、前記封止材を加熱するための加熱線を有する
    ことを特徴とするフランジ接続構造。
  2. 請求項1に記載のフランジ接続構造において、
    前記封止材は、その融点が前記フランジ接続構造の最高使用温度よりも高い温度であり、運転中は常に固体を維持するものである
    ことを特徴とするフランジ接続構造。
  3. 請求項2に記載のフランジ接続構造において、
    前記封止材は、その融点が前記フランジ接続構造の最高使用温度よりも100度未満で高い温度である
    ことを特徴とするフランジ接続構造。
  4. 請求項1に記載のフランジ接続構造において、
    前記封止材は、前記第1フランジの面、前記第2フランジの面に濡れ広がっており、前記第1フランジ、あるいは前記第2フランジの径方向の厚さが前記第1フランジ、前記第2フランジの軸方向で均一でない
    ことを特徴とするフランジ接続構造。
  5. 請求項1に記載のフランジ接続構造において、
    前記封止材と前記第1フランジの面、あるいは前記封止材と前記第2フランジの面との間に空隙が存在していない
    ことを特徴とするフランジ接続構造。
  6. 請求項1に記載のフランジ接続構造において、
    前記封止材は前記シール部材より外側に設けられている
    ことを特徴とするフランジ接続構造。
  7. 第1部材に設けられた第1フランジと第2部材に設けられた第2フランジとを接続する方法であって、
    前記第1フランジと前記第2フランジとをボルト締めする位置より内側に封止材、およびシール部材を前記ボルトにより締める位置より内側に挿入する挿入工程と、
    前記ボルトを締める締結工程と、
    前記締結工程の後に、前記封止材を局所的に加熱して封止する加熱封止工程と、を有する
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
  8. 請求項7に記載のフランジ接続方法において、
    前記挿入工程では、前記封止材を加熱する加熱線を更に挿入し、
    前記加熱封止工程では、前記加熱線に電流を流す
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
  9. 請求項7に記載のフランジ接続方法において、
    前記封止材として、その融点が前記第1部材、あるいは前記第2部材の最高使用温度よりも高い温度の材料を用いる
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
  10. 請求項7に記載のフランジ接続方法において、
    前記挿入工程では、前記第1フランジと前記第2フランジとのうち少なくともいずれか一方の表面の前記封止材の設置位置に、前記封止材と同一材を前記封止材の挿入前に塗布する
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
  11. 請求項7に記載のフランジ接続方法において、
    前記挿入工程では、前記封止材を前記シール部材より外側に挿入する
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
  12. 請求項7に記載のフランジ接続方法において、
    前記加熱封止工程の後に前記第1フランジと前記第2フランジとを取り外す際は、前記封止材を引きちぎる
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
  13. 請求項12に記載のフランジ接続方法において、
    前記第1フランジと前記第2フランジとを再度締結する際は、引きちぎられた封止材を除去した後に、再度、前記封止材を挿入し、前記ボルト締め工程、および前記加熱封止工程を実施する
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
  14. 請求項7に記載のフランジ接続方法において、
    前記第1部材、および前記第2部材を、原子炉圧力容器、前記原子炉圧力容器に接続される隔離弁、あるいは配管とする
    ことを特徴とするフランジ接続方法。
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