JP5327983B2 - パイプ組立体 - Google Patents

Description

発明の背景

発明の分野

本発明は、一般的に、パイプ締め具に係り、さらに詳細には、沸騰水型原子炉圧力容器内のジェットポンプ上昇管組立体の補修に特に好適なものである。

従来技術の説明

沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器は通常、ほぼ円筒状であり、両端部を下部蓋体と取り外し可能な上部蓋体とにより閉じられている。上部ガイドは通常、原子炉圧力容器内の炉心板の上方に離隔して設けられている。炉心シュラウドは通常、炉心を取り囲み、シュラウド支持構造により支持されている。詳説すると、シュラウドはほぼ円筒状であり、炉心板と上部ガイドの両方を取り囲んでいる。上部ガイドは燃料の束を挿入する幾つかの開口を備えており、炉心の束は炉心板により支持される。

水は原子炉圧力容器の側壁の入口ノズルから原子炉圧力容器内に流入する。ジェットポンプ上昇管組立体は入口ノズルに結合され、通常、一部として熱スリーブ、下部エルボ及び上昇管を有する。熱スリーブは入口ノズルを貫通し、エルボの一端に溶接されている。一部のプラントでは、パップ(pup)としても知られる延長部が熱スリーブとエルボの間に溶接される。エルボのもう一方の端部は上昇管に溶接されている。上昇管は原子炉圧力容器の側壁と、原子炉圧力容器とシュラウドとの間の比較的狭い空間内において該側壁とシュラウドの間に位置し、それらとほぼ平行に延びる。

ジェットポンプ装置は、運転時に原子炉圧力容器内の再循環流を方向付けるものである。従って、実質的な量の水がジェットポンプ装置を介して圧送され、エルボを含むジェットポンプ装置に有意な液圧力がかかり振動が生じる。さらに、運転時には、原子炉圧力容器内に大量の熱が発生するためジェットポンプ装置に熱応力がかかる。これらの液圧力、振動応力及び熱応力は上昇管エルボに応力腐食割れを発生させる恐れがあり、極端な場合は上昇管エルボが熱スリーブから分離するという望ましくないことが起こる。

応力腐食割れは高温の水にさらされる構造部材、パイプ類、締め具及び溶接部のような原子炉構成要素に生じる公知の現象である。原子炉構成要素は例えば、熱膨張の差、原子炉冷却水の閉じ込めに必要な動作圧力及び溶接、冷間加工及び他の非同質金属の処理のような他の発生源に関連する種々の応力を受けやすい。さらに、水化学、溶接、熱処理及び放射線により構成要素中の金属が応力腐食割れを起こし易くなる。

ジェットポンプ上昇管エルボ、さらに詳細には上昇管エルボと熱スリーブの接続部を支持する装置を提供することが好ましい。かかる装置は上昇管エルボと熱スリーブの間の溶接部が破損した場合の漏洩を最小限に抑えるためにそれらの間に軸方向圧力を維持するのが好ましい。さらに、利用可能な限られたアクセス空間内での補修のために遠隔操作による設置が容易な装置を提供することも望ましい。

例えば、米国特許第６，０５３，６５２号；６，０８６，１２０号；６，１０８，３９１号；６，２６４，２０３号；６，３７５，２３０号に記載されるような多数の締め具の設計が上記問題への対処を目的として試みられている。漏洩が生じた場合その量を制限し、非常に限られた領域での設置を容易にするさらなる改良が望ましい。加えて、延長部を用いるプラントにおいて熱スリーブと延長部の間の溶接部及びその延長部とエルボの間の溶接部の両方のための支持を提供するのが望ましい。さらに、熱スリーブと比較してエル
ボの厚さが小さいことを考慮した支持体を提供することが望ましい。

上記及び他の目的は、半径方向内側表面がエルボ及び熱スリーブの係合端部の対応する第１のセグメントの周囲部の曲率に実質的にマッチする第１の締め具セグメントを一部として有する本発明の締め具により達成される。第１の締め具セグメントは、好ましくは半円形であり、第１の軸方向端部に隣接する第１の隆起部を有する。第１の隆起部は、第１の締め具セグメントを第２の締め具セグメントに引き寄せる力のベクトルに平行な方向に内方に且つ円周方向に延びて熱スリーブに結合されるエルボの端部に隣接する該エルボの外壁上の対応する周溝と係合するのが好ましい。第１の締め具セグメントは、第２の軸方向端部に隣接する第１の指状部を有する。第１の指状部は第１の締め具セグメントを第２の締め具セグメントに引き寄せる力のベクトルに平行な方向に内方に延びて、エルボに接続する熱スリーブの端部近くの対応するポケットと係合する。第１の隆起部の円周方向寸法は第１の指状部の対応する円周方向寸法より実質的に大きい。本発明の締め具はさらに、半径方向内側表面が第１の締め具セグメントの曲率に実質的にマッチする第２の締め具セグメントを含む。第２の締め具セグメントは第１の軸方向端部に隣接する第２の隆起部を有する。第２の隆起部は、第１の締め具セグメントを第２の締め具セグメントに引き寄せる力のベクトルに平行な方向に内方に且つ円周方向に延びてエルボの端部の対応する周溝と係合する。第２の締め具セグメントはまた、第２の軸方向端部に隣接する第２の指状部を具備するが、この第２の指状部は第１の締め具セグメントを第２の締め具セグメントに引き寄せる力のベクトルに平行な方向に内方に延びて、エルボに結合される端部に隣接する熱スリーブの対応するポケットと係合する。第２の隆起部の円周方向寸法は第２の指状部の対応する円周方向寸法より実質的に大きい。隆起部がエルボの対応する溝に設置されるように、また指状部が熱スリーブの対応するポケットに設置されるように、第１及び第２の締め具セグメントを引き寄せる手段が設けられている。第１の締め具セグメント及び第２の締め具セグメントはエルボと熱スリーブの間の接続部を補強するように互いに堅く固定される。

１つの好ましい実施例において、隆起部と指状部の間の第１及び第２の締め具セグメントの半径方向内側表面はエルボ、溶接部及び熱スリーブの外側表面の上方に離隔され、隆起部だけがエルボの溝と接触し、指状部が熱スリーブのポケットと接触する。

好ましい実施例において、第１の締め具セグメントを第２の締め具セグメントと接続する手段は、第１の締め具セグメント及び第２の締め具セグメントの両方の円周方向端部に半径方向外方に延びるリップを含むが、第１の締め具セグメントの一方のリップは第２の締め具セグメントの一方のリップと接合され、第１の締め具セグメントのもう一方のリップは第２の締め具セグメントのもう一方リップと接合される。１つの実施例において、第１の締め具セグメント及び第２の締め具セグメントのリップはボルトにより接合される。

指状部は横断面が内方に延びるに従って小さくなるようにテイパーが有するのが好ましい。ポケットには、ボルトを締め付けるとエルボ及び熱スリーブの端部が互いに引き寄せられるようにする対応のテイパーがあるのが望ましい。

１つの好ましい実施例において、隆起部及び指状部の何れかまたはその両方は第１の締め具セグメント及び第２の締め具セグメントの半径方向内側表面の凹部内に非破壊的且つ取り外し可能に設置される。１つの実施例において、隆起部及び指状部は機械的接続により半径方向内側表面の凹部に設置される。機械的接続はボルトによる接続または締まり嵌めであるのが好ましい。

第１の締め具セグメントは第２の軸方向端部に隣接する複数の円周方向に離隔した指状
部を具備するが、第１の締め具セグメントは隆起部の２倍の指状部を有するのが望ましい。

本明細書で説明する本発明は、広義には、少なくとも、半径方向及び軸方向寸法を有する第１及び第２のパイプと、中間接続部を有する第１及び第２のパイプの対向端部間の接合部を結合する締め具組立体とより成るパイプ組立体に使用される。締め具組立体は上述したように、第１及び第２の締め具セグメントより成る。

沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器を一部を断面図且つ破断図で示す概略図である。 ジェットポンプ上昇管エルボと熱スリーブの接続部の側部斜視図であり、それらの間の延長部、熱スリーブに切削されたポケット及びエルボに切削された溝を示す。 本発明の締め具の１つのセグメントの下側を示す斜視図である。 ボルトとナットにより隣接するリップで結合された締め具の第１セグメント及び第２セグメントの一部を示す側面図である。 指状部と隆起部の位置関係を示す本発明の締め具の斜視図である。 各締め具の隆起部を前景に示す、図５の反対側から見た締め具の斜視図である。 図６と同様な斜視図であり、取り外し可能な隆起部が締結時設置されるソケットまたは凹部を示す。 締め具の１つのセグメントの斜視図であり、貫通ボルト孔の使用により定位置に固定される取り外し可能な隆起部を示す。 図８に示す締め具の１つのセグメントの下側の斜視図であり、隆起部を定位置で固定するための貫通ボルト孔の別図を提供する。 本発明の締め具の斜視図であり、取り外し可能な隆起部が締め具の熱スリーブ側の定位置に固定された状態を示す。

図１は沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器２０を一部断面図、一部破断図で示す概略図である。原子炉圧力容器２０はほぼ円筒状であり、一端を下部蓋体、もう一方の端部を取り外し可能な上部蓋体（図示せず）で閉じられる。上部蓋体（図示せず）は原子炉圧力容器２０内の炉心板２２の上方に離隔している。シュラウド２４は炉心板２２を取り囲み、シュラウド支持構造２６により支持されている。環状部２８が原子炉圧力容器２０のシュラウド２４と側壁３０の間に形成される。

入口ノズル３２は原子炉圧力容器２０の側壁３０を貫通し、ジェットポンプ装置３４に結合されている。ジェットポンプ装置３４はノズル３２を貫通する熱スリーブ３６、下部エルボ４２（図１で一部を示す）及び上昇管３８を有する。熱スリーブ３２は第１の端部（図示せず）が下部エルボの第１の端部に固定されている。詳説すると、熱スリーブ３６の第１の端部は下部エルボ４２の第１の端部に溶接される。下部エルボ４２の第２の端部も同様に上昇管３８の一方の端部に固定または溶接される。上昇管３８はシュラウド２４と原子炉圧力容器の側壁３０の間をそれらにほぼ平行に延びる。上昇管ブレイス４０は原子炉圧力容器２０内で上昇管パイプ３８を安定化する。３４のようなジェットポンプ装置は当該技術分野で周知であり、装置３４は例示にすぎない。本発明は他のジェットポンプ装置及び熱スリーブに使用可能であり、装置３４だけへの使用に限定されない。

さらに、本発明は図１に示す沸騰水型原子炉への使用に限定されない。本発明は別の配置構成及び延長部が上昇管エルボ４２と熱スリーブ３６の間に介在するような他の多くの配管構成を有する原子炉の多数の他の設計にも利用可能である。加えて、本発明の締め具
による支持は原子炉施設またはその他の施設内の他の非常に重要なパイプの接続部にも利用可能である。

図２は、エルボ４２の対向端部５２に結合される熱スリーブ３６の端部５０を示す斜視図である。この図では、中間の延長部４４はエルボ４２の対向端部５２と熱スリーブ３６の接続端部５０の間に介在する。熱スリーブ３６の端部５０及びエルボ４２の対向端部５２への延長部４４の接続は溶接により行う。図２はエルボ４２と熱スリーブ３６の接続を図１よりわかりやすく示したものである。以下に説明するように、本発明によると、熱スリーブ３６の端部５０にはポケット４８が切削され、エルボの端部５２には溝４６が切削される。対称的に離隔した４つのポケットは熱スリーブ３６の端部５０の周囲部に設けるのが好ましい。円周方向に離隔した２つの溝をエルボ４２の端部５２の周りに設けるのが望ましい。好ましい実施例では、溝４６とポケット４８は壁を貫通せず、電気放電加工法により切削して形成するのが好ましい。しかしながら、以下においてさらによく理解されるように、エルボ４２及び／または熱スリーブ３６の何れかの壁に切削工程の途中で孔があいた場合、締め具を結合部に係合する時、締め具に挿入物、即ち、ポケット４８と溝４６に指状部及び隆起部を設置すると漏洩が受け入れ可能なレベルに制限される。

図３は締め具５４の１つのセグメントの内側を示す斜視図である。図３に示すセグメントは半円形であり、エルボ４２と熱スリーブ３６の間の接続部を取り囲むには２つのセグメント５４を必要とするに過ぎない。しかしながら、エルボ４２と熱スリーブ３６の間の接続部を取り囲むには任意の数のセグメント５４より成る締め具、例えば、４つのセグメント、８つのセグメントを使用できることを理解されたい。締め具のセグメントは係合するセグメントの対応するボルト孔に整列させるための貫通ボルト孔６０を両端部に備えた半径方向に延びるリップ５８を有する。この実施例では、指状部６４が締め具の一方の軸方向端部から内側に延びており、熱スリーブ３６の対応するポケット４８と整列するために円周方向に離隔している。指状部６４を２個示すが、各用途において締め具のセグメント５４が遭遇する力に応じた数の指状部を使用することを理解されたい。ジェットポンプ上昇管エルボを熱スリーブに結合するこの例では、２つの指状部６４の使用が適当であることが判明している。指状部６４は、締め具のセグメント５４の内側表面から、締め具の対向セグメントを引き寄せる力のベクトルに平行な方向に延びる。従って、図３に示す実施例では、指状部６４はリップ５８の対向面を通る平面を横切る方向及び締め具のセグメント５４の第２の軸方向端部７０へ向かう方向に延びる。指状部６４が延びる長さはある程度、熱スリーブ３６の壁厚及びポケット４８の深さに依存する。ポケット４８の底部と熱スリーブの内側表面の間の熱スリーブ３６の残りの最小壁厚はほぼ０．２５インチ（０．６４ｃｍ）であるのが望ましい。指状部６４が延びる長さは締め具のセグメント５４の内側表面６６を溶接接続部の少なくともわずかに上方において、そして好ましくは熱スリーブ３６の外側表面の上方において支持するに十分な長さでなければならない。この好ましい実施例では、指状部６４の円周方向の幅は約１．８３インチ（４．６５ｃｍ）である。熱スリーブの端部５０上のポケット４８は相補的な寸法を有する。

同様に、隆起部６２は締め具の対向セグメントを引き寄せる力のベクトルに平行な方向に、セグメント５４の内側表面６６から締め具の第１の軸方向端部６８の方へ内方に隆起している。隆起部６２の隆起する長さはエルボ４２の壁厚及び溝４６の深さにある程度依存する。溝４６の底とエルボ４２の内側表面の間のエルボ４２の残りの最小壁厚はほぼ０．０６インチ（０．１６ｃｍ）である。隆起部６２が隆起する長さは、締め具のセグメント５４の内側表面６６を、溶接部の少なくともわずかに上方に、また、好ましくはエルボ４２の外側表面の上方に支持するに十分な長さでなければならない。この実施例では、隆起部６２はリップとリップ５８の間を中心とする約１２０°のアークにわたって円周方向に延びる。この実施例において、隆起部６２は０．８５インチ（２．１６ｃｍ）の軸方向幅を有し、上昇管エルボ４２の対応の寸法を有する相補的な溝４６に設置される。指状部
６４は、その横断面が指状部が内方に延びるに従って小さくなりポケット４８の相補的なテイパー付き開口に設置されるようにテイパーが付けられている。相補的なテイパーを付けると、締め具のセグメント５４をエルボ４２と熱スリーブ３６との間の接続部の周りで締め付けるにつれてエルボ４２と熱スリーブ３６が引き寄せられる。締め具のセグメント５４の中央内側表面６６は凹んでおり、指状部６４と隆起部６２の半径方向の長さはそれぞれポケット４８と溝４６の深さよりも大きいのが望ましく、そのため締め具の内側表面は、ポケット４８と接触する指状部６４及び溝４６と接触する隆起部６２を除いてエルボ４２、延長部４４及び熱スリーブ３６の上方に位置する。このようにして、延長部４４の両側の溶接部は締め具から半径方向の圧力を受けない。

図４は連結されたセグメント５４の一端を示す斜視図であり、整列したリップ５８がボルト７２により固定され、ボルトがナット７４により定位置に固定されロックカップ７６により締め付けられている。

図５は、第１の軸方向側６８から見た締め具５４の斜視図であり、指状部６４の側からの締め具の２つのセグメント５４全体を見たものである。

図６は、反対側７０から見た図５の締め具全体の斜視図であり、隆起部６２をよく示すものである。

図７は締め具全体の斜視図であり、２つのセグメント５４がボルト７２とナット７４により結合されている。図７はまた、図６の隆起部６２が嵌入して締まり嵌めにより定位置に保持されるスロット７８を示す。従って、隆起部６２は非破壊的に取り外すことが可能であり、切削または交換を容易にする。同様に、指状部６４も同じ目的で取り外すことができる。

図８は第２の軸方向側７０から見た締め具のセグメント５４の斜視図であり、取り外し可能な隆起部６２が貫通ボルト孔８０に固定するボルトにより定位置に保持されている。

図９は取り外し可能な隆起部６２を有する締め具の下側の斜視図であり、取り外し可能な隆起部６２を上側からだけでなく貫通ボルト孔８０を介して側部７０から締め具本体にボルトにより固定する態様を示す。図９は同様な態様で固定可能な取り外し自在の指状部６４のスロットを示す。

図１０は上昇管エルボ４２の周りに配置された締め具のセグメント５４の斜視図であり、取り外し可能な隆起部６２が６個のボルト８２により定位置にボルト留めされている。隆起部または指状部を定位置にボルト留めするに必要なボルトの数は用途及び締め具が使用されるシステムが運転時において経験する力により異なることを理解されたい。

沸騰水型原子炉のジェットポンプの上昇管エルボ４２及び熱スリーブ３６への適用において、溝４６は隆起部６２と協働し、締め具のセグメント５４が経験する負荷を拡散するように上昇管エルボ４２に切削されるが、その理由は上昇管エルボ４２の壁が熱スリーブ３６の壁よりも薄いからである。従って、溝４６及び隆起部６２はエルボ４２の壁を弱体化しないようにエルボ４２に対する負荷を拡散させる。一方、熱スリーブ３６はセグメント５４により与えられる負荷によく耐えることができる厚い壁を有する。従って、熱スリーブ３６には溝４６よりも小さいポケット４８を用いることにより、除去しなければならない材料の量及び切削に必要な時間を減少させる。締め具の軸方向長さは溶接部に隣接するポケット４８及び溝４６の名目的な位置に基づくものであり、短いかまたは長い延長部４４及び上昇管エルボ４２の端部５２へのアクセス性に応じて手当てされる。締め具は熱スリーブ３６、延長部４４及び上昇管エルボ４２に対して余裕のある遊隙を有するように設計される。締め具の指状部６４はぴったりはまって軸方向の圧縮が得られるようにポケット４８内に正確に嵌入するよう設計される。溶接規定許容範囲内及び現場経験内で溶接部における不整列、ひずみ度及び余剰な補強が予想される。ポケット４８は薄い壁のエルボ４２と最もよく嵌合する場所に置く。ポケット４８及び熱スリーブ３６はエルボ４２を嵌合する必要に応じて中心からずらす。同じことがエルボにも言える。締め具は熱スリーブ３６またはエルボ４２を貫通せずに嵌合するよう設計する。熱スリーブ３６またはエルボ４２の何れかに不用意に貫通が生じた場合、ポケット４８に指状部６４を嵌入させ、溝４６に隆起部６２を嵌入させることによって漏洩を受け入れ可能なレートに制限する。前述したように、締め具の半部同志をトルクによりねじりを与えられた２つのボルト７２により結合する。ボルトはボルト７２のヘッド及びナット７４にクリンプされたロックカップにより保持される。

上述したように、指状部６４及びポケット４８は割れた溶接部のギャップを減少させるように働く軸方向予負荷を発生させる整合テイパーを有する。加えて、または別例として、隆起部６２と溝４６は同じ目的の整合テイパーを有する。

再循環ループが低温の始動は５０°Ｆ（１０℃）の温度差を発生させるが、上昇管の配管類は下降管及び締め具よりも低温になる。締め具に対する熱スリーブ３６及び上昇管エルボ４２の直径の減少は０．００５インチ（０．１２７ｍｍである）。ポケット４８内の指状部６４の係合度は有意に大きいため締め具は離脱しない。この過渡的状態は短い時間であるため有意な漏洩を発生させない。締め具の重量は約１２５ポンド（４６．６６ｋｇ）であり、再循環ノズルに対する締め具の重量の影響は受け入れ可能であることが計算にわかっている。

本発明を特定の実施例につき詳細に説明したが、当業者にとっては、種々の変形例及び設計変更が本願の記載全体から見て想到可能であることがわかるであろう。従って、図示説明した特定の実施例は例示的なものに過ぎず本発明の範囲を限定するものでなく、この範囲は頭書の特許請求の範囲及びその均等物の全幅を与えられるべきである。

Claims (15)

1. 半径方向及び軸方向の寸法を有する第１及び第２のパイプと、第１と第２のパイプの対向端部間の接続部を結合する締め具とより成り、第１のパイプは第２のパイプより薄い壁を有するパイプ組立体であって、締め具は、
   第１の締め具セグメントと、
   第２の締め具セグメントと、
   接続部をまたいで、第１及び第２のパイプの周りで第１の締め具セグメントを第２の締め具セグメントに堅く接続する手段とより成り、
   第１の締め具セグメントは該第１の締め具セグメントが固着される第１及び第２のパイプの第１のセグメントの周囲部の曲率に実質的にマッチする半径方向内側表面を有し、第１の締め具セグメントは第１の軸方向端部に隣接する第１の隆起部を有し、第１の隆起部は対向端部に隣接する第１のパイプの対応する予め形成された相補的な周溝に係合するように内方且つ円周方向に延びており、第１の締め具セグメントは第２の軸方向端部に隣接する第１の指状部を有し、第１の指状部は対向端部に隣接する第２のパイプの対応する予め形成された相補的なポケットに係合するように内方に延びており、第１の隆起部の円周方向寸法は第１の指状部の円周方向寸法より実質的に大きいものであり、
   第２の締め具セグメントは該第２の締め具セグメントが固着される第１及び第２のパイプの第２のセグメントの周囲部の曲率に実質的にマッチする半径方向内側表面を有し、第２の締め具セグメントは第１の軸方向端部に隣接する第２の隆起部を有し、第２の隆起部は対向端部に隣接する第１のパイプの対応する予め形成された相補的な周溝に係合するように内方且つ円周方向に延びており、第２の締め具セグメントは第２の軸方向端部に隣接する第２の指状部を有し、第２の指状部は対向端部に隣接する第２のパイプの対応する予め形成された相補的なポケットに係合するように内方に延びており、第２の隆起部の円周方向寸法は第２の指状部の円周方向寸法より実質的に大きいものであり、
   第１の締め具セグメント及び第２の締め具セグメントの半径方向内側表面の少なくとも中央の軸方向部分は凹んでおり、
   半径方向内側表面の中央軸方向部分により形成される凹部は、該内側表面を第１と第２のパイプの対向端部間の接続部を接続する溶接部から離隔したところに維持するように十分な深さを有するパイプ組立体。
2. 第１の締め具セグメントと第２の締め具セグメントを堅く接続する前記手段は第１及び第２の締め具セグメントの円周方向の両端部にある半径方向外方に延びるリップであり、第１の締め具セグメントの一方のリップは第２の締め具セグメントの一方のリップに接合され、第１の締め具セグメントのもう一方のリップは第２の締め具セグメントのもう一方のリップに接合される請求項１のパイプ組立体。
3. 第１の締め具セグメントと第２の締め具セグメントの対応するリップはボルトにより結合される請求項２のパイプ組立体。
4. 隆起部または指状部の何れかまたはその両方は横断面が半径方向内方に狭くなるテイパーを付けられている請求項１のパイプ組立体。
5. 溝及びポケットは対応するテイパーを有する請求項４のパイプ組立体。
6. 第１及び第２のパイプの端部は接続手段を締め付けるに従って互いに引き寄せされる請求項４のパイプ組立体。
7. 第１及び第２の締め具セグメントの内側表面から延びる隆起部の隆起する長さは溝の深さよりも大きく、第１及び第２の締め具セグメントの内側表面から延びる指状部の延びる長さはポケットの深さよりも大きいため、締め具を定位置に締め付けると内側表面が第１及び第２のパイプの外壁から離隔する請求項１のパイプ組立体。
8. 隆起部及び指状部の何れかまたはその両方の少なくとも一部は第１及び第２の締め具セグメントの半径方向内側表面の凹部内に非破壊的に、取り外し可能に納まる請求項１のパイプ組立体。
9. 隆起部または指状部のいずれかは半径方向内側表面の凹部内に機械的接続により納まる請求項１のパイプ組立体。
10. 機械的接続は締まり嵌めである請求項９のパイプ組立体。
11. 機械的接続はボルトによる接続である請求項９のパイプ組立体。
12. 第１の締め具セグメント及び第２の締め具セグメントはそれぞれ第１及び第２のパイプの実質的に１８０°の周囲部にまたがる請求項１のパイプ組立体。
13. 第１の締め具セグメントは第２の軸方向端部に隣接する複数の円周方向に離隔した指状部を有する請求項１のパイプ組立体。
14. 第１の締め具セグメントは隆起部の２倍の指状部を有する請求項１３のパイプ組立体。
15. 第１の隆起部、第１の指状部、第２の隆起部及び第２の指状部はそれぞれ対向セグメントをそれぞれ第１の隆起部、第１の指状部、第２の隆起部及び第２の指状部に対応するセグメントに引き寄せる力のベクトルに実質的に平行な方向に内方に延び且つ第１及び第２のパイプの端部の方に延びる請求項１のパイプ組立体。

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