JP2022093841A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Megumi Sugihara
亮 古川
Akira Furukawa
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Abstract

【課題】油中水型乳化化粧料を、肌に塗布したときに肌なじみがよく、とろけるような使用感を有するものとする。【解決手段】油中水型乳化化粧料を、(A)融点が28~40℃の半固形油を化粧料全量に対し3~10質量%と、(B)極性油と、(C)不揮発性油(但し(B)極性油を除く)と、を含み、(B)極性油に対する(A)半固形油の質量比を0.4~0.9とし、(B)極性油と(C)不揮発性油の合計量に対する(A)半固形油の質量比を0.2~0.5とする。【選択図】なし

Description

本発明は油中水型乳化化粧料に関するものである。
化粧料には、様々な観点から、種々の固形油が配合されている。例えば、特許文献1には、特定のエステル油と、この特定のエステル油以外の液状のエステル油あるいは高級アルコールと、非イオン性親水基を有するシリコーン油を含む油性化粧料において、化粧料に適度な硬さを付与するとともに、油の染み出しを抑制し、塗布膜の持続性を良好なものとするために、25℃で固形であって、融点が50~140℃の固形ワックスを配合することが記載されている。
また、特許文献2には、油分をゲル化できるデシルトリシロキサンカルボン酸亜鉛を含む乳化組成物において、多価アルコール脂肪酸エステル、中でもグリセリンの付加モル数が4~10であり、イソステアリン酸残基の数が1~4個であるトリイソステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルまたはイソステアリルグリセリルエーテルと、シリコーン油と、水とを含む乳化組成物が、製剤として高い安定性を有し、みずみずしい使用感触、並びにツヤのある仕上がりをもたらしながら、シリコーン油の染み出しにより長時間の化粧もちも備えることが記載されている。
また、特許文献3には、組成物の総質量に対して1質量%超の、50℃未満の融点を有する特定のペースト状物質と、シリコーンエラストマー、中でも非乳化シリコーンエラストマーとを含む化粧用組成物が、皮膚の欠点を効果的に被覆あるいは隠蔽でき、良好なフィット感を与えることが記載されている。
特開2017-197439号公報 国際公開第2014/069403号 特開2016-88911号公報
油中水型乳化化粧料に体温に近い、換言すれば融点の低い半固形油を配合させると、肌に塗布したときにとろけるような使用感を実現することができると考えられるが、半固形油を多く配合すると塗布時に重くなるという問題がある。発明者が鋭意検討したところ、製品がとろけるような使用感を備えるように半固形油を配合するためには、極性油や不揮発性油に対する半固形油の割合が極めて重要であることがわかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、肌に塗布したときに肌なじみがよく、とろけるような使用感を有する油中水型乳化化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明の油中水型乳化化粧料は、
(A)融点が28~40℃の半固形油を化粧料全量に対し3~10質量%と、
(B)極性油と、
(C)不揮発性油(但し(B)極性油を除く)と、
を含む油中水型乳化化粧料であって、
(B)極性油に対する(A)半固形油の質量比が0.4~0.9であり、
(B)極性油と(C)不揮発性油の合計量に対する前記(A)半固形油の質量比が0.2~0.5である。
(B)極性油の含有量は化粧料全量に対し5~20質量%であることが好ましい。
(B)極性油は紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
(A)半固形油は1分子中にエステル結合を2つ以上有するものであることが好ましい。
(A)半固形油はペンタエリスリトール脂肪酸エステルであることが好ましい。
ペンタエリスリトール脂肪酸エステルはヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルまたはテトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチルであることが好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、25℃における粘度が10000~300000mPa・sであることが好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、
(A)融点が28~40℃の半固形油を化粧料全量に対し3~10質量%と、
(B)極性油と、
(C)不揮発性油(但し(B)極性油を除く)と、
を含む油中水型乳化化粧料であって、
(B)極性油に対する(A)半固形油の質量比が0.4~0.9であり、
(B)極性油と(C)不揮発性油の合計量に対する前記(A)半固形油の質量比が0.2~0.5であるので、肌に塗布したときに肌なじみがよく、とろけるような使用感を有するものとすることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、
(A)融点が28~40℃の半固形油を化粧料全量に対し3~10質量%と、
(B)極性油と、
(C)不揮発性油(但し(B)極性油を除く)と、
を含む油中水型乳化化粧料であって、
(B)極性油に対する(A)半固形油の質量比が0.4~0.9であり、
(B)極性油と(C)不揮発性油の合計量に対する前記(A)半固形油の質量比が0.2~0.5である。
以下、各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、PEGはポリエチレングリコール、PPGはポリプロピレングリコール、EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイド、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、VPはビニルピロリドン、BGはブチレングリコールの略である。
(A)融点が28~40℃の半固形油
本発明の油中水型乳化化粧料は、(A)融点が28~40℃の半固形油(以下、単に(A)半固形油ともいう)を化粧料全量に対し3~10質量%含む。
(A)半固形油としては、1分子中にエステル結合を2つ以上有するものであることが好ましい。1分子中にエステル結合を2つ以上有する半固形油としては、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、シア脂などの植物由来の抽出物などを挙げることができる。ペンタエリスリトール脂肪酸エステルとしては、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルまたはテトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチルであることが好ましい。
(A)半固形油は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)半固形油の配合量は、化粧料全量に対して3~10質量%であり、より好ましくは3.5~9質量%であり、さらには、4~8.5質量%であることが望ましい。(A)成分の配合量が、3質量%以上であることで、肌に塗布したときに肌なじみがよく、とろけるような使用感を有するものとすることができ、10質量%以下であることで、軽い付け心地とすることができる。
(B)極性油
(B)極性油は通常、化粧品、医薬品、食品で用いられるものであれば特に限定されるものでない。IOB値は、特に限定されるものではないが、0.05~0.80であることが好ましい。
なお、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、
IOB値=無機性値/有機性値
として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子または官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子および官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、藤田著、「化学の領域」第11巻、第10号、第719頁~第725頁、1957年参照)。
極性油の代表例としては、エステル油および紫外線吸収剤が挙げられる。
エステル油の具体例としては、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリエチルヘキサノイン(トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン)、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、一般に化粧料に用いられる高極性の油性紫外線吸収剤を広く挙げることができ、特に限定されるものでない。例えば、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体等が例示される。以下に具体例および商品名などを列挙するが、これらの限定されるものではない。
安息香酸誘導体としては、パラ-アミノ安息香酸(PABA)エチル、エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル-ジメチルPABA( 例えば「エスカロール507」;ISP社)、グリセリルPABA、PEG-25-PABA(例えば「ユビナールP25」;BASF社)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば「ユビナールAプラス」)などが例示される。
サリチル酸誘導体としては、ホモサレート(「ユーソレックス(Eusolex)HMS」; ロナ/EMインダストリーズ社) 、エチルヘキシルサリチレート(例えば「ネオ・ヘリオパン(NeoHeliopan)OS」; ハーマン・アンド・レイマー社)、ジプロピレングリコールサリチレート(例えば「ディピサル(Dipsal)」; スケル社)、TEAサリチラート(例えば「ネオ・ヘリオパンTS」;ハーマン・アンド・レイマー社) などが例示される。
ケイ皮酸誘導体としては、オクチルメトキシシンナメートまたはメトキシケイ皮酸エチルヘキシル( 例えば「パルソールMCX」;ホフマン-ラ・ロシュ社)、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミル(例えば「ネオ・ヘリオパンE1000」; ハーマン・アンド・レイマー社)、シンノキセート、DEAメトキシシンナメート、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、グリセリル-エチルヘキサノエート-ジメトキシシンナメート、ジ-(2-エチルヘキシル)-4'-メトキシベンザルマロネートなどが例示される。
ジベンゾイルメタン誘導体としては、4-tert-ブチル-4’ -メトキシジベンゾイルメタン(例えば「パルソール1789」)などが例示される。
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体としては、オクトクリレン( 例えば「ユビナールN539」; BASF社)などが例示される。
ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン-1(例えば「ユビナール400」;BASF社)、ベンゾフェノン-2(例えば「ユビナールD50」;BASF社)、ベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン(例えば「ユビナールM40」;BASF社)、ベンゾフェノン-4(例えば「ユビナールMS40」;BASF社)、ベンゾフェノン-5、ベンゾフェノン-6(例えば「ヘリソーブ(Helisorb)11」;ノルクアイ社)、ベンゾフェノン-8 (例えば「スペクトラ-ソーブ(Spectra-Sorb)UV-24」;アメリカン・シアナミド社)、ベンゾフェノン-9(例えば「ユビナールDS-49」;BASF社)、ベンゾフェノン-12などが例示される。
ベンジリデンショウノウ誘導体としては、3-ベンジリデンショウノウ( 例えば「メギゾリル(Mexoryl)SD」;シメックス社)、4-メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSL」;シメックス社)、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム(例えば「メギゾリルSO」;シメックス社)、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSX」;シメックス社)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ(例えば「メギゾリルSW」;シメックス社)などが例示される。
フェニルベンゾイミダゾール誘導体としては、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(例えば「ユーソレックス232」;メルク社)、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム( 例えば「ネオ・ヘリオパンAP」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
トリアジン誘導体としては、アニソトリアジン(例えば「チノソーブ(Tinosorb)S」; チバ・スペシャリティー・ケミカルズ 社)、エチルヘキシルトリアゾン(例えば「ユビナールT150」;BASF社)、ジエチヘキシルブタミドトリアゾン(例えば「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」;シグマ3 V社)、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジンなどが例示される。
フェニルベンゾトリアゾール誘導体としては、ドロメトリゾールトリシロキサン(例えば「シラトリゾール(Silatrizole)」; ローディア・シミー社)、メチレンビス( ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)(例えば「チノソーブM」( チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社))などが例示される。
アントラニル誘導体としては、アントラニル酸メンチル( 例えば「ネオ・ヘリオパンMA」;ハーマン・アンド・レイマー社) などが例示される。
イミダゾリン誘導体としては、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナートなどが例示される。
ベンザルマロナート誘導体としては、ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン(例えば、ポリシリコーン-15;「パルソールSLX」;DSMニュートリション ジャパン社)などが例示される。
4,4-ジアリールブタジエン誘導体としては、1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエンなどが例示される。
(B)極性油は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)極性油の配合量は、化粧料全量に対して、5~20質量%であることが好ましく、好ましくは6~18質量%、より好ましくは7~17質量%である。極性油に含まれる紫外線吸収剤の配合量は、極性油の20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上とするのが好ましく、極性油の全てが紫外線吸収剤であってもよい。極性油が5質量%以上であることで肌をよりふっくらとなめらかに見せることができ、肌の保護効果をより高めることができる。また、20質量%以下であることでべたつきをより抑えることができる。
(C)不揮発性油
(C)不揮発性油は、室温および大気圧で皮膚に残留する油であり、より具体的には、不揮発性油は、蒸発速度が0.01mg/cm/分未満である。
なお、本発明において、(B)極性油に含まれるものは、(C)不揮発性油からは除外する。(C)不揮発性油としては、不揮発性炭化水素油、シリコーン油を挙げることができる。
植物由来の炭化水素油としては、例えばアルガン油、アボカド油、バオバブ油、キャノーラ油、ナタネ油、ヤシ油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油並びにそれらの混合物が挙げられる。
鉱物または合成由来の直鎖状または分枝状の炭化水素としては、例えば流動パラフィンおよびそれらの誘導体、ポリデセン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、例えばParleamが挙げられる。
また、12~26個の炭素原子を有する分枝状および/または不飽和の炭素鎖を含む室温で液体である脂肪アルコールも好ましく挙げることができる。例えば、2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレインアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノールが挙げられる。
また、C12~C22高級脂肪酸であってもよく、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびそれらの混合物が挙げられる。
また、2つのアルキル鎖が同一であっても異なっていてもよい、炭酸ジアルキル、例えばCOGNIS社により名称CETIOL CC(登録商標)で市販されている炭酸ジカプリリルが挙げられる。
シリコーン油としては、例えば不揮発性で直鎖状または環状のポリジメチルシロキサン(PDMS);シリコーン鎖のペンダント基であるまたはシリコーン鎖の末端にある、2~24個の炭素原子を有する、アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を含むポリジメチルシロキサン;フェニル化シリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニル-トリシロキサンまたは(2-フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケート、並びにそれらの混合物が挙げられる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、(B)極性油に対する(A)半固形油[(A)半固形油/(B)極性油]の質量比は0.4~0.9であり、より好ましくは0.5~0.8である。なお、半固形油が不揮発性油あるいは極性油に該当する場合があるが、(A)融点が28~40℃の半固形油であるものは不揮発性油や極性油には含めない。(B)極性油に対する(A)半固形油の質量比が0.4~0.9の範囲であることで、肌に塗布したときに肌なじみがよく、とろけるような使用感を有するものとすることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、(B)極性油と(C)不揮発性油の合計量に対する(A)半固形油[(A)半固形油/((B)極性油+(C)不揮発性油]]の質量比は0.2~0.5であり、より好ましくは0.3~0.4であることが望ましい。ここで(C)不揮発性油は上記のとおり蒸発速度が0.01mg/cm/分未満の油であるが、この条件を満たしても、極性油に該当する場合には(C)不揮発性油には含めない。(B)極性油と(C)不揮発性油の合計量に対する(A)半固形油の質量比が0.2~0.5であることで、肌に塗布したときに肌なじみがよく、とろけるような使用感を有するものとすることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、25℃における粘度が10000~300000mPa・sであることが好ましい。ここで、粘度は25℃、BL型粘度計により、ローター4号、12rpm、1分間の測定条件で測定される値である。25℃における粘度は、より好ましくは12000~200000mPa・sであり、さらには13000~100000mPa・sであり、特には14000~50000mPa・sであることが望ましい。25℃における粘度が10000mPa・s以上であることで、安定性をよりよくすることができ、300000mPa・s以下であることで、塗布時に伸びが軽く、より良好な使用感触とすることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料の水相成分は、水を主成分とし、各種水溶性成分を含むものであり、本発明の油中水型乳化化粧料中に30~80質量%配合することが好ましく、より好ましくは35質量%以上70質量%未満である。30質量%以上とすることで、よりみずみずしい使用感とすることができ、80質量%以下とすることで、安定性をより向上させることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料には、上記成分の他、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分、例えば、保湿剤、粉末成分、界面活性剤、増粘剤、糖類、薬剤等を1種または2種以上配合することができる。以下に、配合可能な成分を例示する。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、チタン酸鉄等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、および青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
上記粉末は各種の表面処理剤で表面処理された粉末であってもよい。表面処理された粉末は、あらかじめ表面処理され乾燥した状態の表面処理済粉末(化粧料製造工程とは別工程で製造された表面処理済粉末、例えば、市販品等)を用いることができる。また、市販品等を用いずに、化粧料製造工程中に粉末の表面処理工程を組み込むことで、あらかじめ表面処理され乾燥した状態の表面処理済粉末を用いたのと同様の化粧料を製造することもできる。化粧料製造工程中で表面処理する場合には、加熱した貧溶媒に表面処理剤を溶解した後、粉末を加えて粉末の表面処理を行い、これを冷却後、貧溶媒を除去することなく、そのまま通常の化粧料製造工程に移行すればよい。このような化粧料製造工程中で粉末の表面処理工程を行える例としては、パルミチン酸デキストリンで処理した酸化亜鉛や、オクチルトリエトキシシランで処理した酸化亜鉛などが好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の油中水型乳化化粧料には、乳化剤として、各種の界面活性剤を配合してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック(登録商標)等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)などの植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチンなどの動物系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末などのセルロース系高分子等、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸系高分子等が挙げられる。
また、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマーなどのビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミドなどのアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などの無機系水溶性高分子、PEG-240/デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー等、デキストリン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
アルキレンオキシド誘導体としては、例えば、POE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アスコルビン酸またはその誘導体、トラネキサム酸、アルブチン等);血行促進剤(ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β-ブトキシエステル、ミノキシジルまたはその類縁体、γ-オリザノール、アルコキシカルボニルピリジンN-オキシド、塩化カルプロニウム、およびアセチルコリンまたはその誘導体等);各種抽出物(例えば、ショウガ、ウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等);抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)等が挙げられる。
本発明の油中水型乳化化粧料の形態としては、具体的には、乳液、スキンケアクリーム、ヘアクリーム、リキッドファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ等の乳液状ないしクリーム状の製品が挙げられ、これらは上記成分から常法によって製造される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
下記表1に挙げた組成を有する油中水型乳化化粧料を常法により調製し、以下の基準で評価を行った。
(粘度)
調製した油中水型乳化化粧料の粘度を、25℃、BL型粘度計(VS-A型 芝浦システム製)により、ローター4号、12rpm、1分間の測定条件で測定した。
(とろける感)
調製した油中水型乳化化粧料の塗布した時のとろける感について、専門パネラー3名の総合評価で評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
A: とろける感を非常に感じる
B: とろける感を少し感じる
C: とろける感をあまり感じない
D: とろける感を全く感じない
(肌なじみ)
調製した油中水型乳化化粧料の塗布した時の肌なじみについて、専門パネラー3名の総合評価で評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
A:肌なじみが非常によい
B:肌なじみがよい
C:肌なじみがよくない
なお、表中の原料の製品名等の詳細は下記のとおりである。
揮発性ジメチコン:シリコーンKF-96L-2CS
ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル:コスモール168M(融点30-45℃)
水添パーム油、パーム油核、パーム油の混合油:トリファットPS-45H(融点46.8℃)
ワセリン:ワセリンE(融点48-60℃)
テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル:サラコスP-B822(融点37℃付近)
Figure 2022093841000001
表に示すように、実施例1の油中水型乳化化粧料はとろけるような使用感が得られ、肌なじみもよかった。比較例1は(A)半固形油2質量%、比較例2は(A)半固形油を抜去した例であるが、いずれもとろけるような使用感は得られなかった。比較例3は極性油を含まない例、比較例4は(B)極性油に対する(A)半固形油が0.9よりも大きい例であるが、これらもとろけるような使用感は得られなかった。実施例2は(A)半固形油6質量%とした例であるが、この場合にはとろけるような使用感が得られ、肌なじみもよかったが、(A)半固形油8質量%とした比較例5は、(B)極性油に対する(A)半固形油の質量比、(B)極性油と(C)不揮発性油の合計量に対する(A)半固形油の質量比がともに本発明の範囲外となって、とろけるような使用感は得られなかった。
実施例3は実施例1で用いた半固形油のテトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチルをヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルに変更した例であるが、とろけるような使用感が得られ、肌なじみもよかった。一方、比較例6は半固形油を融点46.8℃の水添パーム油、パーム油核、パーム油の混合油に変更した例、比較例7は融点48-60℃のワセリンに変更した例であるが、とろけるような使用感は得られず、化粧料の肌どまりが悪くずるずるとした使用感となった。

Claims (7)

  1. (A)融点が28~40℃の半固形油を化粧料全量に対し3~10質量%と、
    (B)極性油と、
    (C)不揮発性油(但し前記(B)極性油を除く)と、
    を含む油中水型乳化化粧料であって、
    前記(B)極性油に対する前記(A)半固形油の質量比が0.4~0.9であり、
    前記(B)極性油と前記(C)不揮発性油の合計量に対する前記(A)半固形油の質量比が0.2~0.5である油中水型乳化化粧料。
  2. 前記(B)極性油の含有量が化粧料全量に対し5~20質量%である請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
  3. 前記(B)極性油が紫外線吸収剤を含む請求項1または2記載の油中水型乳化化粧料。
  4. 前記(A)半固形油が1分子中にエステル結合を2つ以上有するものである請求項1、2または3記載の油中水型乳化化粧料。
  5. 前記(A)半固形油がペンタエリスリトール脂肪酸エステルである請求項4記載の油中水型乳化化粧料。
  6. 前記ペンタエリスリトール脂肪酸エステルがヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルまたはテトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチルである請求項5記載の油中水型乳化化粧料。
  7. 25℃における粘度が10000~300000mPa・sである請求項1~6いずれか1項記載の油中水型乳化化粧料。
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