JP2022092641A - スターター - Google Patents

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高梨伴弘
Tomohiro Takanashi
福久和寛
Kazuhiro Fukuhisa
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Abstract

【課題】1つの部材で上留めにも下留めにも対応することができるスターターを提供する。【解決手段】サンドイッチパネルを載置することができる載置面と、該載置面の屋内側端部を略垂直に屈曲させ、突起部、固定面、凸部、傾斜部および端部から構成され、ビス等の固定具によって該固定面を介して、胴縁等の下地材に固定することができる略L字型の形状を特徴としたスターター。【選択図】図1

Description

本発明はサンドイッチパネルを施工する際に使用するスターターに関するものである。
RC造やS造の建築物の外装材には、2枚の金属鋼板で芯材となる断熱材を挟持してなるサンドイッチパネルが使用されることが多く、これまで数多く発明、考案され上市されている。さらにその施工方法についても、施工性や高い美観性を実現したものが多く存在する。
特開2006-083652号公報 特開2007-303150号公報
一般的に土台部の施工は墨出し、水切り材の設置、縦目地部や出隅部、入隅部などへの捨板の取付け、およびスターターの取付け、本体の施工を行う。スターターの施工は、その後の本体の施工によってビス頭が完全に隠れるよう、載置面の上側に固定面を設ける上留めが一般的である。しかし、引用文献1ではスターターの固定面と留付金具分の長さ以上の幅を持つ横胴縁が必要であり、引用文献2では固定具を施工できる位置が限られており、どちらもスターターの施工位置の自由度が限られている。そのため、場合によっては載置面の下側に固定面が設けられる、下留めでの施工が行われることがある。
この下留めは胴縁となる形鋼が小さいとき(例えば100ミリ×50ミリのC形鋼など)やサンドイッチパネル本体の下端から水切りまでの間に間隙を必要としないときなどに有効である。しかし、上留めのようにサンドイッチパネル本体によってスターターを隠すことができないため、美観性を損ねてしまう。また、建築物や施工場所によって上留め、下留めを使い分けなければならない場合には、現場加工によってスターターを製作しなければならなかったり、それぞれ専用の部材を在庫しなければならなかったりと、施工性や経済的にも改善の余地があった。
そこで本発明では、サンドイッチパネルを載置することができる載置面と、該載置面の屋内側端部を略垂直に屈曲させ、突起部、固定面、凸部、傾斜部および端部から構成され、ビス等の固定具によって該固定面を介して、胴縁等の下地材に固定することができる略L字型の形状を特徴としたスターターを提供する。
また、図7のように本発明品を固定面4が載置面2の上側に配置される上留めにて使用する場合、サンドイッチパネルを施工する際に、万が一、パネルの端部がスターター1の端部に引っ掛かってしまったとしても、傾斜部6により該サンドイッチパネルの裏面を変形させることなく、載置面2にスムーズに誘導させることができる。
さらに本発明では、図6のように固定面4が載置面2の下側に配置される下留めにて使用する場合、端部7を水切り41の斜面42の屋内側端部に当接させて施工することにより、スターター1を施工する際の墨出しの工程を減らすだけでなく、固定部4aがサンドイッチパネル20を縦張りに施工した際の被覆部38と、地面から同程度の高さになるため、下留めであっても屋外側からスターター1が見えず、好ましい外観となる。
上記のように、本発明では、上留め、下留めを1つの部材で兼用することができ、墨出しの一部工程を省略した施工性の向上を可能とし、さらに美観性を損なうことがない好ましい外観を実現することができる。
本発明に係るスターターの側面図および斜視図である。 本発明に係るスターターの従来例の側面図および斜視図である。 本発明に係る一実施例の斜視図である。 本発明に係るサンドイッチパネルを縦張りに施工した際の水平方向拡大断面図である。 本発明に係るサンドイッチパネルを縦張りに施工した際の鉛直方向拡大側面図である。 本発明に係るスターターを下留めに使用したときの施工図である。 本発明に係るスターターを上留めに使用したときの施工図である。 本発明に係るスターターの開口上部において上留めに使用したときの施工図である。
以下、図面を用いて本発明に係るスターター及びその取付構造の実施例について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略している。図1(a)は本発明に係るスターターの側面図、図1(b)は本発明に係るスターターの斜視図である。図2(a)は従来使用されてきたスターターの側面図、図2(b)は従来使用されてきたスターターの斜視図である。図3は本発明に使用されるサンドイッチパネルを縦張りに施工した際の一実施例の斜視図である。図4は本発明に使用されるサンドイッチパネルを縦張りに施工した際の水平方向の断面図である。図5は本発明に使用されるサンドイッチパネルを縦張りに施工した際の鉛直方向の側面図である。図6は本発明に係るスターターを下留めに取り付けた際の一実施例を示す施工図である、図7は本発明に係るスターターを上留めに取り付けた際の一実施例を示す施工図である。図8は本発明に係るスターターを開口上部に取り付けた際の一実施例を示す施工図である。
図2には従来使用されてきたスターター11を示しており、略水平に設けられた載置面12の屋内側端部から垂下させた固定面13とから構成され、略L字型の断面形状をしている。さらに固定面13にはビスを打つ際のガイドとなる、固定部13aが設けられている。
図3にはサンドイッチパネル20を縦張りに施工した際の一実施例を示している。図中に示されている軸は、各図面の方向を示している。X軸は屋外側(Xi)-屋内側(Xii)、Y軸はYi(屋根側)-Yii(土台側)、Z軸は水平方向をそれぞれ示しており、他の図面に記載されている軸も同様の方向を示している。
図2に示されている、従来使用されてきたスターター11は下留めにのみ使用可能なスターターである。もし仮に、スターター11を上留めで施工すると、固定部13aに固定具等を打ち、胴縁45と固定することになり、固定面13から固定具の頭がはみ出してしまう。その結果、サンドイッチパネル20を載置面12に載せた際、サンドイッチパネル20と載置面12との当接面が狭くなってしまい、サンドイッチパネル20を落下させてしまう危険性があり、スターター本来の機能を果たせなくなる危険性があった。また固定面13に隣接して設けられている端部14はフラットな形状をしている。そのため、サンドイッチパネル20を施工する際、この端部14に万が一サンドイッチパネル20が引っ掛かってしまった場合、サンドイッチパネル20を変形させてしまう恐れがあった。
本発明に係るスターター1は図1に示すように、断面形状が略L字型である。詳細に説明すると、スターター1の載置面2は略水平に設けられており、屋内側端部を略垂直に屈曲させ、突起部3、固定面4を設けている。さらに該突起部3の反対側の固定面の端部には凸部5を設け、その先に傾斜部6、端部7を設けたスターターである。固定面4にはビス等の固定具によって固定するときのガイドとなる固定部4aが形成されている。
スターター1はアルミ成型によって成形されるのが好ましいが、その他、金属(例えば、鉄、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板など)や合成樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂など)からなるものを押出成形、ロール成型等によって成形したものでも良い。
突起部3は、スターター1の強度を増加させ、サンドイッチパネル20を載置面2に載せた際の変形を防ぐために設けられている。
傾斜部6は屋内側から屋外側へ、載置面2に向かって傾斜している。これにより、サンドイッチパネル20を載置面2に設置する際、サンドイッチパネル20の端部が傾斜部6に接触したとしても、裏面22を剥離することなく、載置面2へスムーズに誘導させることができる。さらに、傾斜部6の屋外側端部に隣接する凸部5は、突起部3と同程度の高さになるように突出している。これにより、スターター1を胴縁45に取り付けるための固定具44と、サンドイッチパネル20との干渉を防ぐことができるため、サンドイッチパネル20の不陸を最小限に抑えることができる。
図4および図5には本発明に係るスターターを使用して施工するサンドイッチパネル20の一実施例を示している。サンドイッチパネル20の化粧面21および裏面22は鋼板(例えば、鉄、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバ鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、合成樹脂鋼板材、例えば塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(もちろん、これらを各種色調に調色し、塗装した鋼板も含む))からなり、ロール成形、プレス成形、等によって各種形状に成形したものである。その間に充填されている芯材23は、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ユリアフォーム等の合成樹脂発泡体からなるものである。例えば、レゾール型フェノールの溶液と硬化剤、発泡剤を混合し、化粧面21または裏面22の裏側に吐出させ、加熱して反応、発泡、硬化させて形成したものである。また芯材23の中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、防火性、耐火性を向上させることも可能である。
図4は施工時のサンドイッチパネル20を水平方向(Z軸)に切断した際の断面図である。雌部24は図4に示す通り、カバー部26、嵌受凹部27、当接縁28、嵌受凹部29、連結凸部30、パッキン31が設けられている。
嵌受凹部27にあるパッキン31は防火性、防水性、気密性等の向上のために形成したものである。パッキン31は例えば、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含有ポリウレタン系、EPMやEPDM等の一般的に市販されているものである。
雄部25は図4に示す通り、段差32、固定用ネジ窪み33、嵌入れ凸部34、当接縁35、嵌入れ凸部36が設けられている。
図5はサンドイッチパネル20を縦張りに施工した際の鉛直方向(Y軸)の側面図である。サンドイッチパネル20のY軸方向端部には、被覆部37および被覆部38があり、芯材23が露出しない形状となっている。
図6、図7、図8にはスターター1を使用した施工例を示す。図6は固定面4が載置面2の下側に位置する「下留め」の施工例であり、図7および図8は固定面4が載置面2の上側に位置する「上留め」の施工例を示している。
スターターの一般的な施工の順序は、墨出しを行った後、水切り41を取り付け、スターター用に再度墨出しを行った後、スターター1、サンドイッチパネル20の順に取り付ける。図6のように下留めで施工する場合には、胴縁45(例えば、C形鋼、H鋼、I鋼、鋼管等の鉄骨下地構造に用いられる形鋼等)がY軸方向において細いときや、水切り41の斜面42から被覆部38までの間隙を必要としないとき等に用いることができる施工方法である。
スターター1を下留めに使用する際、水切り41の固定面43と斜面42からなる部分にスターター1の端部7を当接させて、施工することができる。この時、固定部4aと被覆部38はY軸方向において同程度の高さに位置するため、固定具44は外から見えず、外観を損ねない。したがって、これまで水切り41を施工した後に必要とされていた、スターター用の墨出しの必要がなくなり、施工性が向上する。
一方、図7および図8のように上留めで施工するのは、胴縁45の大きさが十分に確保できるときや、下留めでの施工が困難なとき、あるいは斜面42と被覆部38の間にシーリングを必要とするとき等に用いる施工方法である。上留めであれば、固定具44をサンドイッチパネル20で隠すことができ、水切り41の斜面42から被覆部38までの間隙の設計の自由度が向上する。
以上に開示したものは、一実施例に過ぎず、サンドイッチパネル20を十分に支えられるのであれば、突起部3が無くても良い。また固定部4aのような溝や傾斜部6が無くても良い。
1 スターター
2 載置面
3 突起部
4 固定面
4a 固定部
5 凸部
6 傾斜部
7 端部
11 スターター
12 載置面
13 固定面
13a 固定部
14 端部
20 サンドイッチパネル
21 化粧面
22 裏面
23 芯材
24 雌部
25 雄部
26 カバー部
27 嵌受凹部
28 当接部
29 嵌受凹部
30 連結凸部
31 パッキン
32 段差
33 固定用ネジ窪み
34 嵌入れ凸部
35 当接縁
36 嵌入れ凸部
37 被覆部
38 被覆部
41 水切り
42 斜面
43 固定面
44 固定具
45 胴縁
45a 鋼管
45b C形鋼
46 モルタル
47 基礎
48 内装材
49 振れ止め
50 スペーサー
51 ランナー
61 額縁
62 サッシ
63 溶接用アンカー
64 嵌合部パッキン
65 シーリング
66 水抜きパイプ
67 バックアップ材

Claims (1)

  1. サンドイッチパネルを施工する際に用いるスターターであって、サンドイッチパネルを載置する載置面と、該載置面の屋内側端部を略垂直に屈曲させた固定面と、該載置面と該固定面の間には突起部が設けられ、該固定面の先には凸部と傾斜部が設けられ、略L字型の断面形状を有するスターター。
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