JP2022092430A - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022092430000001
【課題】災害時に貯湯タンク内に湯を確実に貯える上で有利になる貯湯式給湯装置を提供する。
【解決手段】貯湯式給湯装置は、貯湯タンクと、単位時間当たりに水に与える熱量である加熱能力を変更可能なヒートポンプユニットと、ヒートポンプユニットにより加熱された湯を貯湯タンクに流入させる沸き上げ運転を制御する制御手段と、災害の発生を予測した情報である災害予測情報を受信する受信手段とを備える。この貯湯式給湯装置は、災害予測情報を受信していないときに行う沸き上げ運転である通常沸き上げ運転と、災害予測情報を受信したときに通常沸き上げ運転よりも高い加熱能力で行う沸き上げ運転であるエマージェンシー沸き上げ運転とを実行可能である。
【選択図】図3

Description

本開示は、貯湯式給湯装置に関する。
下記特許文献1には、複数の建物にそれぞれ設けられた複数の貯湯式給湯器を有する給湯器システムにおいて、地震等の災害発生時などの緊急時に、複数の貯湯式給湯器のうち、作動しない貯湯式給湯器がある場合に、作動する貯湯式給湯器に貯湯される湯水の熱量が増加するように、貯湯式給湯器を制御することが開示されている。
特開2013-134000号公報
上述した従来の技術において、災害の発生後すぐに停電が発生し、沸き上げ運転が停止する可能性がある。災害の発生後すぐに停電が発生すると、十分な量の湯を貯湯タンク内に貯えることができない。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、災害時に貯湯タンク内に湯を確実に貯える上で有利になる貯湯式給湯装置を提供することを目的とする。
本開示に係る貯湯式給湯装置は、貯湯タンクと、単位時間当たりに水に与える熱量である加熱能力を変更可能なヒートポンプユニットと、ヒートポンプユニットにより加熱された湯を貯湯タンクに流入させる沸き上げ運転を制御する制御手段と、災害の発生を予測した情報である災害予測情報を受信する受信手段と、を備え、災害予測情報を受信していないときに行う沸き上げ運転である通常沸き上げ運転と、災害予測情報を受信したときに通常沸き上げ運転よりも高い加熱能力で行う沸き上げ運転であるエマージェンシー沸き上げ運転とを実行可能であるものである。
本開示によれば、災害時に貯湯タンク内に湯を確実に貯える上で有利になる貯湯式給湯装置を提供することが可能となる。
実施の形態1による貯湯式給湯装置を示す図である。 実施の形態1による貯湯式給湯装置における沸き上げ運転のときの水及び冷媒の流れを示す図である。 実施の形態1による貯湯式給湯装置の制御動作の例を示すフローチャートである。 エマージェンシー沸き上げ運転が開始された場合の、貯湯量及びヒートポンプユニットの加熱能力の変化パターンの一例を示すタイムチャートである。 通常沸き上げ運転からエマージェンシー沸き上げ運転に変更された場合の、貯湯量及びヒートポンプユニットの加熱能力の変化パターンの一例を示すタイムチャートである。 エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることをリモコンの表示部に表示した例を示す図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による貯湯式給湯装置を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の貯湯式給湯装置は、電力により駆動されるヒートポンプユニット100と、貯湯タンク11を有する貯湯ユニット200とを備える。ヒートポンプユニット100及び貯湯ユニット200との間は、水が通る配管16a及び配管16kと、電気配線(図示省略)とを介して接続されている。本実施の形態の貯湯式給湯装置は、例えば家庭用のものでもよいし、施設あるいは店舗等で用いられる業務用のものでもよい。
貯湯タンク11の内部では、温度に応じた水の密度の差によって、上側が高温で下側が低温になる温度成層が形成される。本実施の形態における貯湯タンク11は、単一の容器により構成されている。変形例として、貯湯タンク11は、複数の容器が管を介して直列に接続された構造を有するものでもよい。その複数の容器においては、温度成層の上層側すなわち高温側の容器の下部が、当該容器に対して温度成層の下層側すなわち低温側の容器の上部に対して、管により連通する。
なお、本実施の形態では、湯の熱量は、例えば、水源から供給される水に等しい温度の水が持つ熱量に対する差として計算されてもよい。また、本実施の形態では、湯の熱量を扱う場合、所定の基準給湯温度の湯が持っている熱量に換算したときの湯量[L]を単位として湯の熱量を表してもよい。基準給湯温度の値は、例えば42℃でもよい。
ヒートポンプユニット100は、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、膨張弁3及び空気熱交換器4等の機器を有する。これらの機器は、配管等により環状に接続され、圧縮機1により冷媒を循環させる冷媒回路101を構成している。冷媒回路101は、水を加熱するヒートポンプサイクルに相当する。水冷媒熱交換器2は、水と冷媒との間で熱を交換するもので、水の流入口及び流出口を有している。以下の説明では、ヒートポンプユニット100により加熱された湯を「加熱水」と呼ぶ場合がある。水冷媒熱交換器2は、流入口から流入した水を冷媒により加熱し、流出口から加熱水を流出させる。また、空気熱交換器4は、空気と冷媒との間で熱を交換する。ヒートポンプユニット100は、外気を空気熱交換器4へ送風するファン5をさらに備えている。なお、本開示において、「水」、「湯」、または「湯水」と記載した場合には、低温の水から、高温の湯まで、あらゆる温度の液体の水が含まれうる。
貯湯ユニット200内には、貯湯タンク11のほか、循環ポンプ6a、追焚用ポンプ6b、切替弁7、切替弁8、切替弁9、及び混合弁10などが備えられている。循環ポンプ6aは、後述の貯湯回路201及び追焚回路202に水(加熱水を含む)を循環させ、水冷媒熱交換器2の流入口に向けて水を送る。循環ポンプ6aは、貯湯回路201及び追焚回路202の一部を構成している。追焚用ポンプ6bは、追焚熱交換器12に向けて、浴槽(図示省略)の水を送る。切替弁7は、例えば、Aポート、Bポート、Cポート、及びDポートの4つのポートを有する電磁駆動式の四方弁等により構成されている。切替弁7は、水冷媒熱交換器2の流出口から流出する加熱水の流路を、切替弁8と、貯湯タンク11の下部にある低温水戻し口11eとに切り替える切替機構を構成している。また、切替弁7は、貯湯タンク11の上部にある高温水取出口11aから流出した湯を低温水戻し口11eに戻す切替機構を構成している。
切替弁8は、例えば、Eポート、Fポート、Gポート、及びHポートの4つのポートを有する電磁駆動式の四方弁等により構成されている。切替弁8は、Eポートから流入する水の流路を、貯湯タンク11の中間高さ部分にある追焚戻し口11cと、貯湯タンク11の上部にある高温水流出入口11bと、追焚熱交換器12とに切り替える切替機構を構成している。切替弁9は、例えば、Iポート、Jポート、及びKポートの3つのポートを有する電磁駆動式の三方弁等により構成されている。切替弁9は、貯湯タンク11の下部にある取水口11fから流出した水が循環ポンプ6aを通過して水冷媒熱交換器2へ流入する流路状態と、追焚熱交換器12から流出した水が循環ポンプ6aを通過して水冷媒熱交換器2へ流入する流路状態とを切り替える切替機構を構成している。
混合弁10は、Lポート、Mポート、及びNポートの3つのポートを有している。混合弁10は、貯湯タンク11の中間高さ部分にある中温水取出口11dから取り出される中温水と、水源に接続された給水端からの低温水とを混合または択一し、給湯混合部15へ流出させる。貯湯タンク11は、加熱水を貯留する。貯湯タンク11は、前述した高温水取出口11a、高温水流出入口11b、追焚戻し口11c、中温水取出口11d、低温水戻し口11e、及び取水口11fのほか、貯湯タンク11の下部に位置する給水口11gを備えている。給水口11gは、配管16pを介して給水端に接続されている。給水端から供給される低温水が配管16pを通って、貯湯タンク11内に流入する。
水冷媒熱交換器2の流出口は、配管16aを介して切替弁7のAポートに接続されている。切替弁7のBポートは、配管16bを介して切替弁8のEポートに接続されている。切替弁8のFポートは、配管16c及び配管16dを介して高温水取出口11aに接続されている。また、Fポートは、配管16c及び配管16eを介して追焚熱交換器12の一次側の流入口に接続されている。追焚熱交換器12の一次側の流出口は、配管16fを介して切替弁9のJポートに接続されている。また、追焚熱交換器12の一次側の流出口は、配管16gを介して、中温水取出口11dと混合弁10のLポートとの間をつなぐ流路に接続されている。切替弁9のIポートは、配管16hを介して取水口11fに接続されている。切替弁9のKポートは、配管16jを介して循環ポンプ6aの吸込口に接続されている。循環ポンプ6aの吐出口は、配管16kを介して水冷媒熱交換器2の流入口に接続されている。また、循環ポンプ6aの吐出口は、配管16lを介して切替弁7のCポートに接続されている。切替弁7のDポートは、配管16mを介して低温水戻し口11eに接続されている。切替弁8のHポートは、配管16n及び配管16qを介して高温水流出入口11bに接続されている。切替弁8のGポートは、配管16oを介して追焚戻し口11cに接続されている。
循環ポンプ6a、貯湯タンク11、配管16a,16b,16h,16j,16k,16n,16q、及び切替弁7,8,9は、水冷媒熱交換器2から流出する加熱水を貯湯タンク11内に貯湯する貯湯回路201を構成している。
循環ポンプ6a、追焚熱交換器12、配管16b,16d,16e,16f,16j,16l,16o、及び切替弁7,8,9は、追焚熱交換器12により負荷側の加熱対象水を加熱する追焚回路202を構成している。
追焚熱交換器12により加熱される加熱対象水は、前述した浴槽水に限定されるものではなく、例えば、床暖房用の循環水であってもよい。循環ポンプ6aは、必ずしも貯湯ユニット200に設置する必要はなく、ヒートポンプユニット100側に搭載してもよい。また、高温水流出入口11b、中温水取出口11d、配管16q、混合弁10、及び給湯混合部15は、貯湯タンク11から温水を取出して、浴槽あるいは給湯端に給湯する給湯回路203を構成している。
本実施の形態では、ヒートポンプユニット100の冷媒回路101による加熱能力の値を変更可能である。以下の説明では、ヒートポンプユニット100の冷媒回路101による加熱能力を単に「加熱能力」と呼ぶ場合がある。加熱能力は、ヒートポンプユニット100が単位時間当たりに水に与える熱量に相当する。加熱能力の単位は、例えばkW(キロワット)である。圧縮機1は、例えばインバータ制御式のDCブラシレスモータ等を備えた駆動装置(図示せず)により駆動される。この場合には、当該駆動装置により圧縮機1の回転数を調整することで、圧縮機1から吐出する冷媒の圧力及び温度を変化させたり、加熱能力の値を変更したりすることができる。ただし、本開示の貯湯式給湯装置においては、そのような駆動装置を用いなくてもよく、例えば、ヒートポンプユニット100に複数台の圧縮機を搭載し、そのうちで稼動する圧縮機の台数を切り替えることで、吐出する冷媒の圧力及び温度、あるいは加熱能力の値を変更する構成としてもよい。
また、圧縮機1には、他の構造物を付加してもよい。そのような他の構造物としては、例えば、その吸込側に配置されて冷媒音を低減させるサクションマフラーのような容器と、圧縮機1の吐出側に流出した潤滑油を分離回収する油分離装置とが挙げられる。ヒートポンプユニット100の冷媒としては、例えば二酸化炭素、R410A、プロパン、プロピレンなどのように、高温出湯が可能な冷媒を用いるのが好ましいが、本開示の貯湯式給湯装置においては、これらの冷媒に限定されるものではない。
次に、貯湯式給湯装置の制御系統について説明する。以下の説明では、ヒートポンプユニット100の水冷媒熱交換器2から流出する加熱水の温度を「沸き上げ温度」と呼ぶ。ヒートポンプユニット100は、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度を検出する入水温度センサ13aと、沸き上げ温度を検出する沸き上げ温度センサ13bと、ヒートポンプユニット100の周囲の外気温度を検出する外気温度センサ13cとを備えている。沸き上げ温度センサ13bは、水冷媒熱交換器2の流出口の近傍に配置されている。また、冷媒回路101は、圧縮機1から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ13dと、圧縮機1に吸込まれる冷媒の温度を検出する吸込温度センサ13eと、空気熱交換器4の入口もしくは中間部となる位置で冷媒の温度を検出する蒸発温度センサ13fとを備えている。貯湯ユニット200には、複数の貯湯温度センサ13g,13h,13i,13jが設けられている。貯湯温度センサ13g,13h,13i,13jは、互いに異なる高さの位置において貯湯タンク11に設置され、それぞれの設置場所で貯湯タンク11内の水温を検出する。
本実施の形態の貯湯式給湯装置は、ヒートポンプユニット100に搭載された制御装置14と、貯湯ユニット200に搭載された制御装置50を備えている。制御装置14及び制御装置50のそれぞれは、例えば、少なくとも一つのメモリと、少なくとも一つのプロセッサを有する。制御装置14と制御装置50とは、双方向に通信可能に接続されている。本実施の形態では、制御装置14と制御装置50とが連携して貯湯式給湯装置の動作を制御する。制御装置14及び制御装置50は、ヒートポンプユニット100により加熱された湯すなわち加熱水を貯湯タンク11に流入させる沸き上げ運転を制御する制御手段に相当している。
以下では、説明の便宜上、制御装置14及び制御装置50を総称して単に「制御装置50」と呼ぶ。すなわち、以下の説明では、制御装置50が処理を実行するものとして記載するが、いずれの処理についても、制御装置14が単独で実行してもよいし、制御装置50が単独で実行してもよいし、制御装置14と制御装置50とが連携して実行してもよい。なお、本開示における貯湯式給湯装置の制御手段は、本実施の形態のように複数の制御装置が連携する構成に限らず、単一の制御装置によって構成されるものでもよい。
宅内にリモコン51が設置されている。リモコン51は、例えば、台所、リビング、浴室などの壁に設置されていてもよい。制御装置50と、リモコン51との間は、有線通信または無線通信により、双方向に通信可能である。リモコン51は、ユーザーインターフェースの例である。リモコン51は、情報を表示する表示部51aと、使用者が操作する操作部51bとを有する。リモコン51は、表示部51a及び操作部51bの両方の機能を有するタッチスクリーンを備えてもよい。使用者等の人間は、リモコン51を操作することで、貯湯式給湯装置を遠隔操作したり、各種の設定などを行ったりすることが可能である。表示部51aは、使用者等の人間に情報を報知する報知手段としての機能を有する。リモコン51は、表示部51aのほかに、例えば音声案内装置のような他の報知手段を備えてもよい。異なる場所に設置された複数のリモコン51が制御装置50に対して通信可能でもよい。スマートスピーカをリモコン51として利用してもよい。制御装置50とリモコン51とがホームネットワークを介して通信してもよい。
制御装置50には、貯湯式給湯装置が備える各種のセンサの出力と、リモコン51に対する使用者の操作内容の情報などが入力される。制御装置50は、これらの入力情報に基づいてヒートポンプユニット100及び貯湯ユニット200の動作をそれぞれ制御する。例えば、制御装置50は、圧縮機1、循環ポンプ6a、及び追焚用ポンプ6bの運転状態と、膨張弁3の開度と、切替弁7、切替弁8、切替弁9、及び混合弁10の流路方向あるいは切替位置等を制御する。また、制御装置50は、沸き上げ運転、追焚運転等を実行する。制御装置50は、沸き上げ運転中に、沸き上げ温度の制御と、冷媒回路101の加熱能力の制御とを実行する。
制御装置50は、給湯に使用された熱量(以下、「給湯使用熱量」と称する)を算出してもよい。制御装置50は、給水温度センサ13kが検出する給水温度と、給湯温度センサ13lが検出する給湯温度と、風呂給湯温度センサ13mが検出する給湯温度と、給湯流量センサ17aが検出する給湯流量と、風呂給湯流量センサ17bが検出する給湯流量とに基づいて、給湯使用熱量を算出できる。給水温度センサ13kが検出する給水温度とは、水源から給水端へ供給された低温水の温度である。給湯温度センサ13lが検出する給湯温度とは、給湯混合部15から浴槽以外の給湯端へ供給された湯の温度である。風呂給湯温度センサ13mが検出する給湯温度とは、給湯混合部15から浴槽へ供給された湯の温度である。給湯流量センサ17aが検出する給湯流量とは、給湯混合部15から上記給湯端へ供給された湯の流量である。風呂給湯流量センサ17bが検出する給湯流量とは、給湯混合部15から浴槽へ供給された湯の流量である。
制御装置50は、過去所定期間(例えば過去2週間)における毎日の給湯使用熱量に関するデータを記憶することにより、給湯使用熱量を学習する機能を有している。例えば、制御装置50は、過去所定期間の給湯使用熱量を統計的に処理することにより、給湯使用熱量を学習する。また、制御装置50は、一日のうちの時間ごとに給湯使用熱量を学習してもよい。過去所定期間の給湯使用熱量は、過去の給湯負荷に相当する。
次に、図2を参照しつつ、貯湯式給湯装置の沸き上げ運転の動作について説明する。図2は、実施の形態1による貯湯式給湯装置における沸き上げ運転のときの水及び冷媒の流れを示す図である。図2に示すように、沸き上げ運転では、冷媒回路101及び貯湯回路201を作動させることにより、貯湯タンク11の取水口11fから流出させた低温水を冷媒回路101により加熱し、水冷媒熱交換器2の流出口から流出する高温の加熱水を高温水流出入口11bから貯湯タンク11内に流入させる。
沸き上げ運転について、さらに以下に説明する。冷媒回路101では、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が水冷媒熱交換器2を流通する水に放熱しながら温度低下する。このとき、高圧側冷媒圧力が臨界圧以下であれば、冷媒は液化しながら放熱する。また、水冷媒熱交換器2から流出した高圧低温の冷媒は、膨張弁3を通過することにより低圧気液二相の状態に減圧される。そして、この冷媒は、空気熱交換器4内を流通しつつ外気から吸熱することにより、蒸発してガス化される。空気熱交換器4から流出した低圧冷媒は、圧縮機1に吸込まれて循環するので、この循環により冷凍サイクルすなわちヒートポンプサイクルが形成される。
また、切替弁7により配管16aと配管16bとが相互に接続され、切替弁8により配管16bと配管16nとが相互に接続され、切替弁9により配管16hと配管16jとが相互に接続される。これにより、貯湯回路201が形成される。そして、循環ポンプ6aが作動すると、貯湯タンク11内の水は、取水口11fから配管16h,16j,16kを通って水冷媒熱交換器2に導入される。そして、この水は、水冷媒熱交換器2内でガス冷媒により加熱され、加熱水となって水冷媒熱交換器2から流出する。この加熱水は、配管16a,16b,16n,16qを通過して高温水流出入口11bから貯湯タンク11内に流入する。このように、沸き上げ運転が実行されると、貯湯タンク11内で、上部が高温水となり下部が低温水となる温度分布状態を維持しつつ、高温水が蓄積されていく。
次に、沸き上げ運転時に制御装置50が実行する沸き上げ温度の制御及び冷媒回路101の加熱能力の制御について説明する。制御装置50は、沸き上げ温度センサ13bにより検出される沸き上げ温度が所定の目標沸き上げ温度に等しくなるように、循環ポンプ6aの回転数をフィードバック制御する。このフィードバック制御は、例えば、一定の時間間隔で周期的に実行される。沸き上げ運転では、目標沸き上げ温度を所定の貯湯目標温度に設定した状態で貯湯を実行する。すなわち、目標沸き上げ温度は、貯湯目標温度に等しい。例えば、制御装置50は、貯湯タンク11の容量との関係において、目標蓄熱量を貯湯タンク11に貯えることができるように貯湯目標温度すなわち目標沸き上げ温度を設定する。目標蓄熱量は、例えば、リモコン51の操作内容等に基づいて設定されるか、または過去の給湯使用熱量などに基づいて算出される。また、制御装置50は、貯湯目標温度すなわち目標沸き上げ温度が、予め定められた範囲内(例えば、65~90℃)に収まるように設定する。
上記の沸き上げ温度制御では、水冷媒熱交換器2に出入りする加熱水の流量を制御するだけなので、沸き上げ温度制御により実現される沸き上げ温度の最高値は、冷媒回路101の加熱能力に依存している。従って、冷媒回路101には、目標沸き上げ温度が設定範囲内の最大値(上記例では、90℃)に設定された場合でも、これを実現できるだけの加熱能力が要求される。このため、加熱能力制御では、例えば、貯湯タンク11内の貯湯量、外気温度、給水温度等に基づいて上記要求を満たす加熱能力の目標値(目標加熱能力)を設定し、冷媒回路101の実際の加熱能力が目標加熱能力に等しくなるように、圧縮機1の回転数等を制御する。このように加熱能力を制御すれば、目標沸き上げ温度の設定及び外部条件がどのように変化した場合でも、要求される沸き上げ温度を安定的に確保することができる。加熱能力制御は、例えば、一定の時間間隔で周期的に実行される。また、圧縮機1の回転数には、耐久性の観点から上限回転数及び下限回転数が設けられている。
また、本開示では、ヒートポンプユニット100として、例えば冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプユニットだけでなく、臨界圧力以下で作動するヒートポンプユニットを用いてもよい。この場合、冷媒としてはフロンガス、アンモニア等を用いてもよい。
以下の説明では、貯湯式給湯装置の所在地が含まれる地域を「所在地域」と称する。所在地域は、例えば、都道府県の単位でもよいし、市区町村の単位でもよい。本開示では、所在地域の災害の発生を予測した情報を「災害予測情報」と称する。災害予測情報は、所在地域に災害が発生することを事前に予測した情報である。本開示において、災害とは、例えば、地震、台風、大雨、洪水、暴風、暴風雪、大雪、高潮、雷、竜巻のうちの少なくとも一つが原因となって発生する災害でもよい。災害予測情報は、例えば、気象注意報、気象警報、特別警報、緊急地震速報、またはこれらに準じた情報でもよい。災害予測情報は、気象庁または気象台から出される情報でもよい。
制御装置50は、災害予測情報を発信する外部サーバー61に対して、通信回線60を介して通信可能である。通信回線60は、インターネット回線でもよい。宅内のブロードバンドルータ(図示省略)を経由して制御装置50が通信回線60と通信してもよい。外部サーバー61は、複数のサーバーからなるクラウドサーバーでもよい。
本実施の形態の貯湯式給湯装置は、災害予測情報を受信する災害予測情報受信手段52を備える。災害予測情報受信手段52は、外部サーバー61から発信された災害予測情報を、通信回線60を介して受信する。
制御装置50は、通常沸き上げ運転と、エマージェンシー沸き上げ運転とを実行可能である。通常沸き上げ運転は、災害予測情報を受信していないときに行う沸き上げ運転である。すなわち、通常沸き上げ運転は、平常時に行う沸き上げ運転である。エマージェンシー沸き上げ運転は、災害予測情報を受信したときに行う沸き上げ運転である。すなわち、エマージェンシー沸き上げ運転は、所在地域に災害が発生することが予測されている場合に行う沸き上げ運転である。
制御装置50は、通信回線60を介して、外出先にいる使用者が所持する携帯端末62と通信してもよい。携帯端末62は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末でもよい。携帯端末62を貯湯式給湯装置のユーザーインターフェースとして利用できるように構成してもよい。携帯端末62を所持する使用者が在宅しているときには、通信回線60を介さずに、制御装置50が携帯端末62と通信してもよい。
制御装置50は、通常沸き上げ運転のときのヒートポンプユニット100の加熱能力よりも、エマージェンシー沸き上げ運転のときのヒートポンプユニット100の加熱能力が高くなるように制御する。例えば、制御装置50は、通常沸き上げ運転のときの圧縮機1の回転数よりも、エマージェンシー沸き上げ運転のときの圧縮機1の回転数が高くなるようにしてもよい。または、ヒートポンプユニット100が複数台の圧縮機を搭載している場合において、制御装置50は、通常沸き上げ運転のときに稼働する圧縮機の台数よりも、エマージェンシー沸き上げ運転のときに稼働する圧縮機の台数を多くしてもよい。
本実施の形態あれば、災害予測情報を受信したときにエマージェンシー沸き上げ運転を実行することで、停電などのライフラインの分断が災害によって実際に発生する前に、貯湯タンク11内に湯を確実に貯えておくことができる。このため、停電などのライフラインの分断が実際に発生したときでも、湯を使用することが可能となる。本実施の形態であれば、所在地域に災害が発生する前に発令される災害予測情報に応じてエマージェンシー沸き上げ運転を実行できるので、停電などのライフラインの分断が実際に発生する前に、貯湯タンク11内に湯を確実に貯えることが可能となる。さらに、本実施の形態であれば、エマージェンシー沸き上げ運転のときの加熱能力が通常沸き上げ運転のときの加熱能力よりも高いので、通常沸き上げ運転よりも短い時間で、貯湯タンク11内に湯を貯えることができる。それゆえ、停電などのライフラインの分断が実際に発生する前に、貯湯タンク11内に湯を確実に貯えることが可能となる。
エマージェンシー沸き上げ運転のときの加熱能力の値は、ヒートポンプユニット100の定格加熱能力よりも高い値でもよい。定格加熱能力は、例えば日本産業規格(JIS)による性能評価条件で運転する加熱能力に相当する。エマージェンシー沸き上げ運転のときに定格加熱能力よりも高い加熱能力で運転することで、より短い時間で、貯湯タンク11内に湯を確実に貯えることができる。通常沸き上げ運転のときの加熱能力の値は、定格加熱能力以下の値でもよい。平常時の通常沸き上げ運転のときには、定格加熱能力以下の加熱能力で運転することで、ヒートポンプユニット100の成績係数が高くなり、省エネルギー性がさらに向上する。定格加熱能力よりも高い加熱能力でヒートポンプユニット100を運転すると、定格加熱能力以下の加熱能力で運転した場合よりも、ヒートポンプユニット100の成績係数が低くなる。しかしながら、エマージェンシー沸き上げ運転が実行されるような緊急の機会は少ないので、エマージェンシー沸き上げ運転のときに定格加熱能力よりも高い加熱能力で運転しても、省エネルギー性に影響を与えることはない。
以下の説明では、沸き上げ運転のときに単位時間当たりにヒートポンプユニット100により加熱される水の量を「沸き上げ流量」と称する。沸き上げ流量は、沸き上げ運転のときに水冷媒熱交換器2を流れる水の体積流量に相当する。
制御装置50は、エマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ温度を通常沸き上げ運転のときの沸き上げ温度よりも高くする第一方式と、エマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ温度を通常沸き上げ運転のときの沸き上げ温度に等しくするとともにエマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ流量を通常沸き上げ運転のときの沸き上げ流量よりも高くする第二方式と、エマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ温度を通常沸き上げ運転のときの沸き上げ温度よりも低くするとともにエマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ流量を通常沸き上げ運転のときの沸き上げ流量よりも高くする第三方式とのうちの少なくとも一つの方式により、エマージェンシー沸き上げ運転のときの加熱能力を通常沸き上げ運転のときの加熱能力よりも高くすることができる。
上述した第一方式、第二方式、第三方式のいずれかを、使用者が、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースにより選択可能であるように構成してもよい。これにより、利便性がさらに向上する。
エマージェンシー沸き上げ運転の後に停電が発生した場合には、給湯混合部15での混合比を変えることができないので、給湯混合部15から流出する湯の温度が、適温よりも高くなる可能性がある。これに対し、第三方式であれば、貯湯温度が平常時よりも低くなるので、エマージェンシー沸き上げ運転の後に停電が発生した場合でも、給湯混合部15から流出する湯の温度が適温に近くなり、湯を利用しやすいという利点がある。その一方で、第一方式であれば、貯湯温度が平常時よりも高くなるので、容量に限りがある貯湯タンク11内に、より多くの熱量を蓄えられるという利点がある。この場合には、使用者は、給湯混合部15から取り出した湯を、水で薄めたり、冷ましたりすることで、適温の湯を使用することができる。第二方式であれば、第一方式と第三方式の中間的な利点が得られる。使用者は、上記のような事項に鑑みて、第一方式、第二方式、第三方式のうち、最も適切な方式を選択できる。
エマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ温度を、使用者が、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースにより変更可能であるように構成してもよい。これにより、エマージェンシー沸き上げ運転によって貯湯タンク11内に貯える湯の温度を、使用者が、状況に応じて変えることができるので、利便性がさらに向上する。この場合、エマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ温度として任意の値を使用者が指定できるようにしてもよいし、複数の選択肢のうちから沸き上げ温度の値を使用者が選択できるようにしてもよい。この複数の選択肢としては、例えば、人体に触れても問題ない低温(例えば40℃程度)の選択肢と、それよりも高温(例えば60℃以上)の選択肢とが含まれていてもよい。
災害予測情報受信手段52が災害予測情報を受信した場合に、当該災害予測情報の重要度に応じて、エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを制御装置50が判定してもよい。例えば、災害予測情報の重要度が基準に比べて高い場合にはエマージェンシー沸き上げ運転を実行すると制御装置50が判定し、災害予測情報の重要度が当該基準に比べて低い場合にはエマージェンシー沸き上げ運転を実行しないと制御装置50が判定してもよい。これにより、エマージェンシー沸き上げ運転を実行する必要性が低い場合には、その実行を回避できるので、電力消費を抑制できる。災害予測情報の重要度の指標として、例えば、注意報、警報、特別警報などの警戒レベルに基づいて、制御装置50が判定してもよい。
また、災害予測情報の警戒レベルが、どのレベル以上の場合にエマージェンシー沸き上げ運転を実行するかを、使用者が、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースを用いて、事前に設定してもよい。例えば、災害予測情報が発令された場合でも、避難行動が必要とされないような警戒レベルであればエマージェンシー沸き上げ運転を実行しないなど、災害予測情報の警戒レベルを加味した選択を使用者自身が行えるようにすることで、必要性の低いエマージェンシー沸き上げ運転の実行を回避することができる。
同居する全員の使用者が例えば旅行によって不在になるなど、何らかの理由で給湯が不要になる場合がある。貯湯式給湯装置は、給湯が不要になる期間の沸き上げ運転を休止することを、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースを用いて、使用者が設定できるように構成されている。沸き上げ運転を休止することが使用者により設定されている場合において、災害予測情報受信手段52が災害予測情報を受信したときに、制御装置50は、沸き上げ運転の休止を継続するか、沸き上げ運転の休止を解除して沸き上げ運転を行うかを、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースにより、使用者に選択させるようにしてもよい。そのようにすることで、沸き上げ運転が休止されている期間中に災害予測情報を受信したときでも、使用者が必要と判断すれば、エマージェンシー沸き上げ運転を実行できる。このため、停電などのライフラインの分断が実際に発生する前に、貯湯タンク11内に湯を確実に貯えることが可能となる。なお、使用者が例えば旅行によって外出しているときでも、災害予測情報受信手段52が災害予測情報を受信したときに、沸き上げ運転の休止を継続するか、沸き上げ運転の休止を解除して沸き上げ運転を行うかを使用者に問い合わせる通知を、制御装置50から、使用者が所持する携帯端末62へ送信することで、当該通知を使用者に確実に知らせることができる。
エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを、使用者が、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースを用いて、事前に設定可能であるように構成してもよい。これにより、エマージェンシー沸き上げ運転が不要であると考える使用者は、エマージェンシー沸き上げ運転を実行しないようにすることを事前に設定しておくことで、災害予測情報受信手段52が災害予測情報を受信したときでも、エマージェンシー沸き上げ運転が実行されないようにすることが可能となる。
エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを使用者が事前に設定していない場合において、災害予測情報受信手段52が災害予測情報を受信したときに、制御装置50は、エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを使用者に問い合わせる通知を、使用者が所持する携帯端末62へ送信してもよい。当該通知に対して、エマージェンシー沸き上げ運転を実行する指令を使用者が携帯端末62から制御装置50へ送信した場合には、制御装置50は、エマージェンシー沸き上げ運転を実行する。これにより、エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを使用者が事前に設定していない場合であっても、災害予測情報が発令されたときに使用者が必要と判断すれば、エマージェンシー沸き上げ運転を実行できる。
図3は、実施の形態1による貯湯式給湯装置の制御動作の例を示すフローチャートである。以下、図3を参照して、実施の形態1による貯湯式給湯装置の制御動作の例についてさらに説明する。
ステップS1で災害予測情報受信手段52が災害予測情報を受信すると、制御装置50は、図3のフローチャートの処理を開始する。まず、制御装置50は、エマージェンシー沸き上げ運転の動作条件が、使用者により事前に設定されているかどうかを確認する(ステップS2)。このステップS2では、制御装置50は、例えば、災害予測情報の警戒レベルがどのレベル以上の場合にエマージェンシー沸き上げ運転を実行するかという条件と、第一方式、第二方式、第三方式のいずれの方式でエマージェンシー沸き上げ運転を実行するかという条件と、エマージェンシー沸き上げ運転のときの沸き上げ温度の条件とのうちの、少なくとも一つの条件が、使用者により事前に設定されているかどうかを確認する。
エマージェンシー沸き上げ運転の動作条件が事前に設定されている場合には、ステップS2でYESが選択され、ステップS4へ移行する。これに対し、事前に設定されていないエマージェンシー沸き上げ運転の動作条件がある場合には、ステップS2でNOが選択され、ステップS3に移行する。ステップS3で、制御装置50は、事前に設定されていないエマージェンシー沸き上げ運転の動作条件を設定するか否かを、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースを用いて、使用者に問い合わせる。この際、携帯端末62にプッシュ通知をしてもよい。携帯端末62にプッシュ通知をすることで、使用者が外出中のときでも、災害に備えることができる。
エマージェンシー沸き上げ運転の動作条件を設定しないことを使用者が選択した場合には、ステップS3でNOが選択され、STARTに戻り、次回の災害予測情報の発令まで通常通り動作する。これに対し、エマージェンシー沸き上げ運転の動作条件を設定することを使用者が選択した場合には、当該設定が済むのを待って、ステップS4へ移行する。
ステップS4で、制御装置50は、エマージェンシー沸き上げ運転の動作条件を満足しているかを確認する。例えば、ステップS1で受信した災害予測情報の警戒レベルが、設定されたレベル未満である場合には、ステップS4でNOが選択され、STARTに戻る。これに対し、エマージェンシー沸き上げ運転の動作条件が満足されている場合には、ステップS5に移行する。
ステップS5で、制御装置50は、沸き上げ運転の休止が設定されていないかどうかを判定する。沸き上げ運転の休止が設定されていない場合にはステップS7に移行し、沸き上げ運転の休止が設定されている場合にはステップS6に移行する。
ステップS6で、制御装置50は、沸き上げ運転の休止を設定している使用者に対して、沸き上げ運転の休止を継続するか、沸き上げ運転の休止を解除してエマージェンシー沸き上げ運転を行うかを、リモコン51あるいは携帯端末62などのユーザーインターフェースにより、使用者に問い合わせる。この際、携帯端末62にプッシュ通知をしてもよい。携帯端末62にプッシュ通知をすることで、使用者が外出中で自宅にいない状況でも、災害発生が予想される緊急時には、貯湯タンク11に湯を貯えるかどうかを使用者が選択できる。また、自宅がある地域に災害の発生が予想されることを、外出中の使用者に、確実に知らせることができる。
沸き上げ運転の休止を継続することを使用者が選択した場合には、ステップS6でNOとなり、STARTに戻る。これに対し、沸き上げ運転の休止を解除してエマージェンシー沸き上げ運転を行うことを使用者が選択した場合には、ステップS6でYESとなり、ステップS7に移行する。
ステップS7で、制御装置50は、通常沸き上げ運転が実行中か否かを判定する。通常沸き上げ運転が実行中でない場合には、ステップS9に移行し、制御装置50は、エマージェンシー沸き上げ運転を開始する。図4は、ステップS9によってエマージェンシー沸き上げ運転が開始された場合の、貯湯量及びヒートポンプユニット100の加熱能力の変化パターンの一例を示すタイムチャートである。
これに対し、ステップS7で、通常沸き上げ運転が実行中であった場合には、ステップS8に移行し、制御装置50は、通常沸き上げ運転からエマージェンシー沸き上げ運転に変更して、沸き上げ運転を続行する。図5は、ステップS8によって通常沸き上げ運転からエマージェンシー沸き上げ運転に変更された場合の、貯湯量及びヒートポンプユニット100の加熱能力の変化パターンの一例を示すタイムチャートである。
図5に示すように、本実施の形態では、通常沸き上げ運転の実行中に災害予測情報受信手段52が災害予測情報を受信した場合に、制御装置50は、ヒートポンプユニット100の加熱能力を上昇させ、エマージェンシー沸き上げ運転として沸き上げ運転を継続する。これにより、通常沸き上げ運転の実行中に災害予測情報が発令された場合でも、停電などのライフラインの分断が実際に発生する前に、貯湯タンク11内に湯を確実に貯えることが可能となる。
ステップS8またはステップS9からステップS10に進み、制御装置50は、貯湯タンク11内に湯が満量になったかどうかを貯湯温度センサ13g,13h,13i,13jの検出温度により判定する。貯湯タンク11内に湯が満量になると、制御装置50は、エマージェンシー沸き上げ運転を停止し、本フローチャートの処理を終了する。
エマージェンシー沸き上げ運転を実行しているときに、エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを、リモコン51の表示部51aと、使用者が所持する携帯端末62との少なくとも一方を用いて、使用者に報知することが望ましい。この際、携帯端末62にプッシュ通知をしてもよい。図6は、エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることをリモコン51の表示部51aに表示した例を示す図である。エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを使用者に報知することで、使用者は、貯湯タンク11に湯が確保されることを知り、安心感が得られる。また、使用者が外出先から携帯端末62で指示してエマージェンシー沸き上げ運転を開始させた場合に、誤動作ではないことを、在宅している同居者に、確実に知らせることができる。
エマージェンシー沸き上げ運転を実行しているときに、エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを、リモコン51から音声により使用者に報知してもよい。これにより、リモコン51の表示部51aを見ていない使用者にも、エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを確実に知らせることができる。その一方で、エマージェンシー沸き上げ運転を実行しているときにエマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを報知する音声をリモコン51から出力しないようにすることを使用者が事前に設定可能であるようにしてもよい。これにより、音声での報知を煩わしいと感じる使用者は、音声による報知のみ、事前に停止させておくことができる。
1 圧縮機、 2 水冷媒熱交換器、 3 膨張弁、 4 空気熱交換器、 5 ファン、 6a 循環ポンプ、 6b 追焚用ポンプ、 7,8,9 切替弁、 10 混合弁、 11 貯湯タンク、 11a 高温水取出口、 11b 高温水流出入口、 11c 追焚戻し口、 11d 中温水取出口、 11e 低温水戻し口、 11f 取水口、 11g 給水口、 12 追焚熱交換器、 13a 入水温度センサ、 13b 沸き上げ温度センサ、 13c 外気温度センサ、 13d 吐出温度センサ、 13e 吸込温度センサ、 13f 蒸発温度センサ、 13g,13h,13i,13j 貯湯温度センサ、 13k 給水温度センサ、 13l 給湯温度センサ、 13m 風呂給湯温度センサ、 14 制御装置、 15 給湯混合部、 17a 給湯流量センサ、 17b 風呂給湯流量センサ、 50 制御装置、 51 リモコン、 51a 表示部、 51b 操作部、 52 災害予測情報受信手段、 60 通信回線、 61 外部サーバー、 62 携帯端末、 100 ヒートポンプユニット、 101 冷媒回路、 200 貯湯ユニット、 201 貯湯回路、 202 追焚回路、 203 給湯回路

Claims (12)

  1. 貯湯タンクと、
    単位時間当たりに水に与える熱量である加熱能力を変更可能なヒートポンプユニットと、
    前記ヒートポンプユニットにより加熱された湯を前記貯湯タンクに流入させる沸き上げ運転を制御する制御手段と、
    災害の発生を予測した情報である災害予測情報を受信する受信手段と、
    を備え、
    前記災害予測情報を受信していないときに行う前記沸き上げ運転である通常沸き上げ運転と、前記災害予測情報を受信したときに前記通常沸き上げ運転よりも高い前記加熱能力で行う前記沸き上げ運転であるエマージェンシー沸き上げ運転とを実行可能である貯湯式給湯装置。
  2. 前記通常沸き上げ運転の実行中に前記災害予測情報を受信した場合に、前記加熱能力を上昇させ、前記エマージェンシー沸き上げ運転として前記沸き上げ運転を継続する請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  3. 前記ヒートポンプユニットから流出する湯の温度は、沸き上げ温度であり、
    単位時間当たりに前記ヒートポンプユニットにより加熱される水の量は、沸き上げ流量であり、
    前記制御手段は、
    前記エマージェンシー沸き上げ運転のときの前記沸き上げ温度を前記通常沸き上げ運転のときの前記沸き上げ温度よりも高くする第一方式と、
    前記エマージェンシー沸き上げ運転のときの前記沸き上げ温度を前記通常沸き上げ運転のときの前記沸き上げ温度に等しくするとともに前記エマージェンシー沸き上げ運転のときの前記沸き上げ流量を前記通常沸き上げ運転のときの前記沸き上げ流量よりも高くする第二方式と、
    前記エマージェンシー沸き上げ運転のときの前記沸き上げ温度を前記通常沸き上げ運転のときの前記沸き上げ温度よりも低くするとともに前記エマージェンシー沸き上げ運転のときの前記沸き上げ流量を前記通常沸き上げ運転のときの前記沸き上げ流量よりも高くする第三方式と、
    のうちの少なくとも一つの方式により、前記エマージェンシー沸き上げ運転のときの前記加熱能力を前記通常沸き上げ運転のときの前記加熱能力よりも高くする請求項1または請求項2に記載の貯湯式給湯装置。
  4. 前記第一方式、前記第二方式、前記第三方式のいずれかを使用者がユーザーインターフェースにより選択可能である請求項3に記載の貯湯式給湯装置。
  5. 前記ヒートポンプユニットから流出する湯の温度は、沸き上げ温度であり、
    前記エマージェンシー沸き上げ運転のときの前記沸き上げ温度を使用者がユーザーインターフェースにより変更可能である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  6. 前記災害予測情報を受信した場合に、当該災害予測情報の重要度に応じて、前記エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを前記制御手段が判定する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  7. 前記沸き上げ運転を休止することが使用者により設定されている場合において、前記災害予測情報を受信したときに、前記沸き上げ運転の休止を継続するか、前記沸き上げ運転の休止を解除して前記沸き上げ運転を行うかをユーザーインターフェースにより使用者に選択させる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  8. 前記沸き上げ運転を休止することが使用者により設定されている場合において、前記災害予測情報を受信したときに、前記沸き上げ運転の休止を継続するか、前記沸き上げ運転の休止を解除して前記沸き上げ運転を行うかを使用者に問い合わせる通知を、使用者が所持する携帯端末へ送信する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  9. 前記エマージェンシー沸き上げ運転を実行しているときに、前記エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを、リモコンの表示部と、使用者が所持する携帯端末との少なくとも一方を用いて使用者に報知する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  10. 前記エマージェンシー沸き上げ運転を実行しているときに、前記エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを、リモコンから音声により使用者に報知する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の貯湯式給湯装置。
  11. 前記エマージェンシー沸き上げ運転を実行しているときに前記エマージェンシー沸き上げ運転が実行中であることを報知する音声を前記リモコンから出力しないようにすることを使用者が事前に設定可能である請求項10に記載の貯湯式給湯装置。
  12. 前記エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを使用者が事前に設定可能であり、
    前記エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを使用者が事前に設定していない場合において、前記災害予測情報を受信したときに、前記エマージェンシー沸き上げ運転を実行するか否かを使用者に問い合わせる通知を、使用者が所持する携帯端末へ送信する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の貯湯式給湯装置。
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