JP2021162287A - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents

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謙作 畑中
Kensaku Hatanaka
▲泰▼成 松村
Yasunari Matsumura
直紀 柴崎
Naoki Shibazaki
雄斗 黒森
Yuto Kuromori
洋真 黒柳
Hiromasa Kuroyanagi
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Abstract

【課題】電力料金を抑制する上で有利になるヒートポンプ給湯機を提供する。【解決手段】ヒートポンプ給湯機は、深夜時間帯に行う深夜沸き上げ運転と、深夜時間帯以外の時間帯に行う非深夜沸き上げ運転とを実施する制御手段と、給湯に使用された熱量である給湯使用熱量を算出する給湯熱量算出手段とを備える。制御手段は、深夜沸き上げ運転の開始前に、過去所定期間の給湯使用熱量に基づいて、深夜沸き上げ運転で生成する目標熱量である深夜沸き上げ熱量を算出し、深夜時間帯のうちに深夜沸き上げ熱量を生成できる加熱能力である第一加熱能力を決定し、第一加熱能力が、同じ日に実施された非深夜沸き上げ運転のときの加熱能力である第二加熱能力以上である場合には第一加熱能力で深夜沸き上げ運転を実施し、第一加熱能力が第二加熱能力よりも小さい場合には第二加熱能力と同等かそれ以上の加熱能力で深夜沸き上げ運転を実施する。【選択図】図4

Description

本開示は、ヒートポンプ給湯機に関する。
下記特許文献1には、ヒートポンプ給湯機に関して、夜間時間帯の沸き上げ運転時に貯湯タンク内の残湯量に応じて加熱能力を変更し、昼間時間帯の沸き上げ運転時には湯量とは関係なく最大加熱能力で運転する技術が開示されている。
特開2009−63262号公報
主として夜間時間帯に通電して蓄熱する機器に対して電力料金の割引が受けられる電力料金体系が存在している。特許文献1のヒートポンプ給湯機のように、昼間時間帯の沸き上げ運転の消費電力が夜間時間帯の沸き上げ運転の消費電力よりも大きくなる機器は、そのような電力料金割引の対象外となるので、電力料金が高くなりやすい。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電力料金を抑制する上で有利になるヒートポンプ給湯機を提供することを目的とする。
本開示に係るヒートポンプ給湯機は、電力により駆動され、水を加熱するヒートポンプサイクルを有し、加熱能力を変更可能な加熱手段と、貯湯タンクと、加熱手段により加熱された湯を貯湯タンクに蓄積する沸き上げ運転として、深夜時間帯に行う深夜沸き上げ運転と、深夜時間帯以外の時間帯に行う非深夜沸き上げ運転とを実施する制御手段と、給湯に使用された熱量である給湯使用熱量を算出する給湯熱量算出手段と、を備え、制御手段は、深夜沸き上げ運転の開始前に、過去所定期間の給湯使用熱量に基づいて、深夜沸き上げ運転で生成する目標熱量である深夜沸き上げ熱量を算出し、深夜時間帯のうちに深夜沸き上げ熱量を生成できる加熱能力である第一加熱能力を決定し、第一加熱能力が、同じ日に実施された非深夜沸き上げ運転のときの加熱能力である第二加熱能力以上である場合には第一加熱能力で深夜沸き上げ運転を実施し、第一加熱能力が第二加熱能力よりも小さい場合には第二加熱能力と同等かそれ以上の加熱能力で深夜沸き上げ運転を実施するものである。
本開示によれば、電力料金を抑制する上で有利になるヒートポンプ給湯機を提供することが可能となる。
実施の形態1によるヒートポンプ給湯機を示す全体構成図である。 実施の形態1によるヒートポンプ給湯機における沸き上げ運転のときの水及び冷媒の流れを示す図である。 ヒートポンプユニットの加熱能力とCOPとの関係を示す図である。 実施の形態1によるヒートポンプ給湯機における深夜沸き上げ運転の制御フローチャートである。 目標沸き上げ温度と残湯熱量と第一加熱能力との関係を示すテーブルである。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本実施の形態では、湯の熱量は、例えば、水源から供給される水に等しい水温の水が持つ熱量に対する差として計算される。また、本実施の形態では、湯の熱量を記述する場合、原則として、所定の基準給湯温度の湯が持っている熱量に換算したときの湯量[L]を単位として湯の熱量を記述する。基準給湯温度の値は、例えば42℃でもよい。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるヒートポンプ給湯機を示す全体構成図である。図1に示すように、本実施の形態のヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプユニット100と、貯湯タンク11を有する貯湯ユニット200とを備えた貯湯式のヒートポンプ給湯機である。ヒートポンプユニット100は、電力により駆動されて水を加熱する加熱手段に相当する。ヒートポンプユニット100及び貯湯ユニット200との間は、水が通る配管16a及び配管16kと、電気配線(図示省略)とを介して接続されている。本実施の形態のヒートポンプ給湯機は、例えば家庭用のものでもよいし、施設等で用いられるものでもよい。
ヒートポンプユニット100は、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、膨張弁3及び空気熱交換器4等の機器を有する。これらの機器は、配管等により環状に接続され、圧縮機1により冷媒を循環させる冷媒回路101を構成している。冷媒回路101は、水を加熱するヒートポンプサイクルに相当する。水冷媒熱交換器2は、水と冷媒との間で熱を交換するもので、水の流入口及び流出口を有している。以下の説明では、ヒートポンプユニット100により加熱された湯を「加熱水」と呼ぶ場合がある。水冷媒熱交換器2は、流入口から流入した水を冷媒により加熱し、流出口から加熱水を流出させる。また、空気熱交換器4は、空気と冷媒との間で熱を交換する。ヒートポンプユニット100は、外気を空気熱交換器4へ送風するファン5をさらに備えている。なお、本開示において、単に「水」または「湯」と記載した場合には、低温の水から、高温の湯まで、あらゆる温度の液体の水が含まれうる。
貯湯ユニット200内には、貯湯タンク11のほか、循環ポンプ6a、追焚用ポンプ6b、切替弁7、切替弁8、切替弁9、及び混合弁10などが備えられている。循環ポンプ6aは、後述の貯湯回路201及び追焚回路202に水(加熱水を含む)を循環させ、水冷媒熱交換器2の流入口に向けて水を送る。循環ポンプ6aは、貯湯回路201及び追焚回路202の一部を構成している。追焚用ポンプ6bは、追焚熱交換器12に向けて、浴槽(図示省略)の水を送る。切替弁7は、例えば、Aポート、Bポート、Cポート、及びDポートの4つのポートを有する電磁駆動式の四方弁等により構成されている。切替弁7は、水冷媒熱交換器2の流出口から流出する加熱水の流路を、切替弁8と、貯湯タンク11の下部にある低温水戻し口11eとに切り替える切替機構を構成している。また、切替弁7は、貯湯タンク11の上部にある高温水取出口11aから流出した湯を低温水戻し口11eに戻す切替機構を構成している。
切替弁8は、例えば、Eポート、Fポート、Gポート、及びHポートの4つのポートを有する電磁駆動式の四方弁等により構成されている。切替弁8は、Eポートから流入する水の流路を、貯湯タンク11の中間高さ部分にある追焚戻し口11cと、貯湯タンク11の上部にある高温水流出入口11bと、追焚熱交換器12とに切り替える切替機構を構成している。切替弁9は、例えば、Iポート、Jポート、及びKポートの3つのポートを有する電磁駆動式の三方弁等により構成されている。切替弁9は、貯湯タンク11の下部にある取水口11fから流出した水が循環ポンプ6aを通過して水冷媒熱交換器2へ流入する流路状態と、追焚熱交換器12から流出した水が循環ポンプ6aを通過して水冷媒熱交換器2へ流入する流路状態とを切り替える切替機構を構成している。
混合弁10は、Lポート、Mポート、及びNポートの3つのポートを有している。混合弁10は、貯湯タンク11の中間高さ部分にある中温水取出口11dから取り出される中温水と、水源に接続された給水端からの低温水とを混合または択一し、給湯混合部15へ流出させる。貯湯タンク11は、加熱水を貯留する。貯湯タンク11は、前述した高温水取出口11a、高温水流出入口11b、追焚戻し口11c、中温水取出口11d、低温水戻し口11e、及び取水口11fのほか、貯湯タンク11の下部に位置する給水口11gを備えている。給水口11gは、配管16pを介して給水端に接続されている。給水端から供給される低温水が配管16pを通って、貯湯タンク11内に流入する。
水冷媒熱交換器2の流出口は、配管16aを介して切替弁7のAポートに接続されている。切替弁7のBポートは、配管16bを介して切替弁8のEポートに接続されている。切替弁8のFポートは、配管16c及び配管16dを介して高温水取出口11aに接続されている。また、Fポートは、配管16c及び配管16eを介して追焚熱交換器12の一次側流入口に接続されている。追焚熱交換器12の1次側の流出口は、配管16fを介して切替弁9のJポートに接続されている。また、追焚熱交換器12の1次側の流出口は、配管16gを介して、中温水取出口11dと混合弁10のLポートとの間をつなぐ流路に接続されている。切替弁9のIポートは、配管16hを介して取水口11fに接続されている。切替弁9のKポートは、配管16jを介して循環ポンプ6aの吸込口に接続されている。循環ポンプ6aの吐出口は、配管16kを介して水冷媒熱交換器2の流入口に接続されている。また、循環ポンプ6aの吐出口は、配管16lを介して切替弁7のCポートに接続されている。切替弁7のDポートは、配管16mを介して低温水戻し口11eに接続されている。切替弁8のHポートは、配管16n及び配管16qを介して高温水流出入口11bに接続されている。切替弁8のGポートは、配管16oを介して追焚戻し口11cに接続されている。
循環ポンプ6a、貯湯タンク11、配管16a,16b,16h,16j,16k,16n,16q、及び切替弁7,8,9は、水冷媒熱交換器2から流出する加熱水を貯湯タンク11内に貯湯する貯湯回路201を構成している。
循環ポンプ6a、追焚熱交換器12、配管16b,16d,16e,16f,16j,16l,16o、及び切替弁7,8,9は、追焚熱交換器12により負荷側の加熱対象水を加熱する追焚回路202を構成している。
追焚熱交換器12により加熱される加熱対象水は、前述した浴槽水に限定されるものではなく、例えば、床暖房用の循環水であってもよい。循環ポンプ6aは、必ずしも貯湯ユニット200に設置する必要はなく、ヒートポンプユニット100側に搭載してもよい。また、高温水流出入口11b、中温水取出口11d、配管16q、混合弁10、及び給湯混合部15は、貯湯タンク11から温水を取出して、浴槽あるいは給湯端に給湯する給湯回路203を構成している。
本実施の形態では、ヒートポンプユニット100の冷媒回路101による加熱能力の値を変更可能である。以下の説明では、ヒートポンプユニット100の冷媒回路101による加熱能力を単に「加熱能力」と呼ぶ場合がある。加熱能力は、ヒートポンプユニット100が時間当たりに水に与える熱量に相当する。加熱能力の単位は、例えばkW(キロワット)である。圧縮機1は、例えばインバータ制御式のDCブラシレスモータ等を備えた駆動装置(図示せず)により駆動される。この場合には、当該駆動装置により圧縮機1の回転数を調整することで、圧縮機1から吐出する冷媒の圧力及び温度を変化させたり、加熱能力の値を変更したりすることができる。ただし、本開示のヒートポンプ給湯機においては、そのような駆動装置を用いなくてもよく、例えば、ヒートポンプユニット100に複数台の圧縮機を搭載し、そのうちで稼動する圧縮機の台数を切り替えることで、吐出する冷媒の圧力及び温度、あるいは加熱能力の値を変更する構成としてもよい。
また、圧縮機1には、他の構造物を付加してもよい。そのような他の構造物としては、例えば、その吸込側に配置されて冷媒音を低減させるサクションマフラーのような容器と、圧縮機1の吐出側に流出した潤滑油を分離回収する油分離装置とが挙げられる。ヒートポンプユニット100の冷媒としては、例えば二酸化炭素、R410A、プロパン、プロピレンなどのように、高温出湯が可能な冷媒を用いるのが好ましいが、本開示のヒートポンプ給湯機においては、これらの冷媒に限定されるものではない。
次に、ヒートポンプ給湯機の制御系統について説明する。以下の説明では、水冷媒熱交換器2から流出する加熱水の温度を「沸き上げ温度」と呼ぶ。ヒートポンプユニット100は、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度を検出する入水温度センサ13aと、沸き上げ温度を検出する沸き上げ温度センサ13bと、ヒートポンプユニット100の周囲の外気温度を検出する外気温度センサ13cとを備えている。沸き上げ温度センサ13bは、水冷媒熱交換器2の流出口の近傍に配置されている。また、冷媒回路101は、圧縮機1から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ13dと、圧縮機1に吸込まれる冷媒の温度を検出する吸込温度センサ13eと、空気熱交換器4の入口もしくは中間部となる位置で冷媒の温度を検出する蒸発温度センサ13fとを備えている。貯湯ユニット200には、複数の貯湯温度センサ13g,13h,13i,13jが設けられている。貯湯温度センサ13g,13h,13i,13jは、互いに異なる高さの位置において貯湯タンク11に設置され、それぞれの設置場所で貯湯タンク11内の水温を検出する。
本実施の形態のヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプユニット100に搭載された制御装置14と、貯湯ユニット200に搭載された制御装置50を備えている。制御装置14及び制御装置50のそれぞれは、メモリ及びプロセッサを有するマイクロコンピュータ等を備えている。制御装置14と制御装置50とは、双方向に通信可能に接続されている。本実施の形態では、制御装置14と制御装置50とが連携してヒートポンプ給湯機の動作を制御する。制御装置14及び制御装置50は、ヒートポンプユニット100により加熱された湯すなわち加熱水を貯湯タンク11に流入させる沸き上げ運転を制御する制御手段に相当している。
以下では、説明の便宜上、制御装置14及び制御装置50を総称して単に「制御装置50」と呼ぶ。すなわち、以下の説明では、制御装置50が処理を実行するものとして記載するが、いずれの処理についても、制御装置14が単独で実行してもよいし、制御装置50が単独で実行してもよいし、制御装置14と制御装置50とが連携して実行してもよい。また、制御装置14及び制御装置50に代えて例えばリモコン51が処理を実行してもよい。その場合にはリモコン51が制御手段に相当する。また、本開示におけるヒートポンプ給湯機の制御手段は、本実施の形態のように複数の制御装置が連携する構成に限らず、単一の制御装置によって構成されるものでもよい。
制御装置50と、リモコン51との間は、有線通信または無線通信により、双方向に通信可能である。制御装置50とリモコン51とがネットワークを介して通信可能でもよい。リモコン51は、ユーザーインターフェースの例である。リモコン51は、情報を表示する表示部51aと、使用者が操作する操作部51bとを有する。リモコン51は、表示部51a及び操作部51bの両方の機能を有するタッチスクリーンを備えてもよい。使用者等の人間は、リモコン51を操作することで、ヒートポンプ給湯機を遠隔操作したり、各種の設定などを行ったりすることが可能である。表示部51aは、使用者等の人間に情報を報知する報知手段としての機能を有する。本実施の形態におけるリモコン51は、表示部51aを報知手段として備えるが、変形例として、例えば音声案内装置のような他の報知手段を備えてもよい。リモコン51は、例えば台所、リビング、浴室などの壁に設置されたものでもよい。または、例えばスマートフォンのような携帯情報端末がリモコン51のようなユーザーインターフェースとしての機能を有するように構成してもよい。複数のリモコン51が制御装置50に対して通信可能でもよい。
制御装置50には、ヒートポンプ給湯機が備える各種のセンサの出力と、リモコン51に対する使用者の操作内容の情報などが入力される。制御装置50は、これらの入力情報に基づいてヒートポンプユニット100及び貯湯ユニット200の動作をそれぞれ制御する。例えば、制御装置50は、圧縮機1、循環ポンプ6a、及び追焚用ポンプ6bの運転状態と、膨張弁3の開度と、切替弁7、切替弁8、切替弁9、及び混合弁10の流路方向あるいは切替位置等を制御する。また、制御装置50は、後述のように、沸き上げ運転、追焚運転等を実行する。制御装置50は、沸き上げ運転中に、沸き上げ温度の制御と、冷媒回路101の加熱能力の制御とを実行する。
制御装置50は、外部機器(図示省略)とさらに通信可能に接続されていてもよい。当該外部機器は、例えばHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)コントローラでもよい。
本実施の形態において、「深夜時間帯」は、一日のうちの他の時間帯に比べて電気料金単価が割安になる時間帯である。以下の説明では、一日のうちの深夜時間帯以外の時間帯を「非深夜時間帯」と称する。非深夜時間帯は、深夜時間帯に比べて、電気料金単価が割高になる。例えば、23時から翌朝7時までの時間帯が深夜時間帯に相当する場合、7時から23時までの時間帯が非深夜時間帯に相当する。深夜時間帯及び非深夜時間帯の開始時刻及び終了時刻は、この例に限定されるものではなく、電力供給事業者との契約などに応じて変化し得るものである。なお、本開示において「一日」は、深夜時間帯と、その前の非深夜時間帯とからなるものとする。制御装置50は、深夜時間帯及び非深夜時間帯の開始時刻及び終了時刻の情報を記憶している。制御装置50は、タイマー機能を有しており、現在の時刻が深夜時間帯にあるか非深夜時間帯にあるかを判別できる。また、制御装置50は、リモコン51または外部機器から、深夜時間帯及び非深夜時間帯の開始時刻及び終了時刻の情報を取得してもよい。
本実施の形態における制御装置50は、給湯に使用された熱量(以下、「給湯使用熱量」と称する)を算出する給湯熱量算出手段52を備える。給湯熱量算出手段52は、給水温度センサ13kが検出する給水温度と、給湯温度センサ13lが検出する給湯温度と、風呂給湯温度センサ13mが検出する給湯温度と、給湯流量センサ17aが検出する給湯流量と、風呂給湯流量センサ17bが検出する給湯流量とに基づいて、給湯使用熱量を算出する。給水温度センサ13kが検出する給水温度とは、水源から給水端へ供給された低温水の温度である。給湯温度センサ13lが検出する給湯温度とは、給湯混合部15から浴槽以外の給湯端へ供給された湯の温度である。風呂給湯温度センサ13mが検出する給湯温度とは、給湯混合部15から浴槽へ供給された湯の温度である。給湯流量センサ17aが検出する給湯流量とは、給湯混合部15から上記給湯端へ供給された湯の流量である。風呂給湯流量センサ17bが検出する給湯流量とは、給湯混合部15から浴槽へ供給された湯の流量である。
制御装置50は、過去所定期間(例えば過去2週間)に給湯熱量算出手段52により算出された給湯使用熱量に関するデータを記憶することにより、給湯使用熱量を学習する機能を有している。例えば、制御装置50は、過去所定期間の給湯使用熱量を統計的に処理することにより、給湯使用熱量を学習する。また、制御装置50は、一日のうちの時間ごとに給湯使用熱量を学習してもよい。過去所定期間の給湯使用熱量は、過去の給湯負荷に相当する。
次に、図2を参照しつつ、ヒートポンプ給湯機の沸き上げ運転の動作について説明する。図2は、実施の形態1によるヒートポンプ給湯機における沸き上げ運転のときの水及び冷媒の流れを示す図である。図2に示すように、沸き上げ運転では、冷媒回路101及び貯湯回路201を作動させることにより、貯湯タンク11の取水口11fから流出させた低温水を冷媒回路101により加熱し、水冷媒熱交換器2の流出口から流出する高温の加熱水を高温水流出入口11bから貯湯タンク11内に流入させる。
沸き上げ運転について、さらに以下に説明する。冷媒回路101では、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒が水冷媒熱交換器2を流通する水に放熱しながら温度低下する。このとき、高圧側冷媒圧力が臨界圧以下であれば、冷媒は液化しながら放熱する。また、水冷媒熱交換器2から流出した高圧低温の冷媒は、膨張弁3を通過することにより低圧気液二相の状態に減圧される。そして、この冷媒は、空気熱交換器4内を流通しつつ外気から吸熱することにより、蒸発してガス化される。空気熱交換器4から流出した低圧冷媒は、圧縮機1に吸込まれて循環するので、この循環により冷凍サイクルすなわちヒートポンプサイクルが形成される。
また、切替弁7により配管16aと配管16bとが相互に接続され、切替弁8により配管16bと配管16nとが相互に接続され、切替弁9により配管16hと配管16jとが相互に接続される。これにより、貯湯回路201が形成される。そして、循環ポンプ6aが作動すると、貯湯タンク11内の水は、取水口11fから配管16h,16j,16kを通って水冷媒熱交換器2に導入される。そして、この水は、水冷媒熱交換器2内でガス冷媒により加熱され、加熱水となって水冷媒熱交換器2から流出する。この加熱水は、配管16a,16b,16n,16qを通過して高温水流出入口11bから貯湯タンク11内に流入する。このように、沸き上げ運転が実行されると、貯湯タンク11の上部が高温水となり下部が低温水となる温度分布状態を維持しつつ、高温水が蓄積されていく。
貯湯タンク11は、断熱材(図示省略)により覆われている。本実施の形態におけるヒートポンプ給湯機は、貯湯タンク11の上側の部分を覆う上部断熱材と、上部断熱材よりも下側の位置で貯湯タンク11を覆う下部断熱材とを備えてもよい。その場合、上部断熱材の熱通過率が下部断熱材の熱通過率よりも小さくなるように構成することが望ましい。上述したように、貯湯タンク11は上部が高温で下部が低温となる積層式に貯湯される方式であり、貯湯タンク11の上側の部分の貯湯温度は、貯湯タンク11の下側の部分の貯湯温度よりも高い。上部断熱材の熱通過率が下部断熱材の熱通過率よりも小さくすることで、貯湯タンク11の上側の部分の断熱性能を特に高くすることができる。その結果、貯湯タンク11からの放熱量を低く抑える上でより有利になる。また、下部断熱材の構成を比較的簡単にできるので、コスト低減に有利になる。なお、上部断熱材を下部断熱材よりも厚くすることで上部断熱材の熱通過率が下部断熱材の熱通過率よりも小さくなるようにしてもよいし、下部断熱材の材料(例えば発泡プラスチック)よりも熱伝導率の低い材料(例えば真空断熱材)を上部断熱材に用いることによって上部断熱材の熱通過率が下部断熱材の熱通過率よりも小さくなるようにしてもよい。
次に、沸き上げ運転時に制御装置50が実行する加熱水の温度制御及び冷媒回路101の加熱能力制御について説明する。まず、温度制御とは、沸き上げ温度センサ13bにより検出される沸き上げ温度が所定の目標沸き上げ温度に等しくなるように、循環ポンプ6aの回転数をフィードバック制御するものである。このフィードバック制御は、例えば、一定の時間間隔で周期的に実行される。沸き上げ運転では、目標沸き上げ温度を所定の貯湯目標温度に設定した状態で貯湯を実行する。すなわち、目標沸き上げ温度は、貯湯目標温度に等しい。例えば、制御装置50は、貯湯タンク11の容量との関係において、目標蓄熱量を貯湯タンク11に貯えることができるように貯湯目標温度すなわち目標沸き上げ温度を設定する。目標蓄熱量は、例えば、リモコン51の操作内容等に基づいて設定されるか、または過去の給湯使用熱量などに基づいて算出される。また、制御装置50は、貯湯目標温度すなわち目標沸き上げ温度が、予め定められた範囲内(例えば、65〜90℃)に収まるように設定する。
上記温度制御では、水冷媒熱交換器2に出入りする加熱水の流量を制御するだけなので、温度制御により実現される沸き上げ温度の最高値は、冷媒回路101の加熱能力に依存している。従って、冷媒回路101には、目標沸き上げ温度が設定範囲内の最大値(上記例では、90℃)に設定された場合でも、これを実現できるだけの加熱能力が要求される。このため、加熱能力制御では、例えば、貯湯タンク11内の残湯量あるいは残熱量、外気温度、給水温度等に基づいて上記要求を満たす加熱能力の目標値(目標加熱能力)を設定し、冷媒回路101の実際の加熱能力が目標加熱能力に等しくなるように、圧縮機1の回転数等を制御する。このように加熱能力を制御すれば、目標沸き上げ温度の設定及び外部条件がどのように変化した場合でも、要求される沸き上げ温度を安定的に確保することができる。加熱能力制御は、例えば、一定の時間間隔で周期的に実行される。また、圧縮機1の回転数には、耐久性の観点から上限回転数及び下限回転数が設けられている。
また、本開示では、ヒートポンプユニット100として、例えば冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプユニットだけでなく、臨界圧力以下で作動するヒートポンプユニットを用いてもよい。この場合、冷媒としてはフロンガス、アンモニア等を用いてもよい。
制御装置50は、沸き上げ運転の制御モードとして、加熱能力の値が異なる複数の運転モードを有している。加熱能力が小さいほど、ヒートポンプユニット100の消費電力は低くなる。本実施の形態であれば、必要に応じて、加熱能力の小さい運転モードを選択することにより、ヒートポンプ給湯機の消費電力を低減することができる。これにより、ヒートポンプ給湯機が設置された世帯における他の電気機器を含めた消費電力(以下、「世帯消費電力」と称する)が上限値を超えないように抑制する上で有利になる。
ヒートポンプユニット100のエネルギー消費効率は、ヒートポンプユニット100の消費電力に対する加熱能力の比として表される。本実施の形態では、エネルギー消費効率として、COP(Coefficient Of Performance)を用いる。図3は、ヒートポンプユニット100の加熱能力とCOPとの関係を示す図である。ヒートポンプユニット100が同一の仕様であることを前提とすると、図3に示すように、COPは加熱能力に応じて変化する。
本実施の形態における制御装置50は、沸き上げ運転の制御モードとして、加熱能力をq1とする運転モードと、加熱能力をq3とする運転モードとを備えている。ただし、q1<q3である。本実施の形態において、加熱能力q1は、加熱能力の最小値に相当するので、以下「最小加熱能力q1」と呼ぶ。加熱能力を最小加熱能力q1とする運転モードを「最小加熱能力モード」と称する。本実施の形態において、加熱能力q3は、加熱能力の最大値に相当するので、以下「最大加熱能力q3」と呼ぶ。
最大加熱能力q3は、定格加熱能力に相当する値でもよい。定格加熱能力は、例えば日本産業規格(JIS)による性能評価条件で運転する加熱能力に相当する。以下、加熱能力を定格加熱能力とする運転モードを「定格加熱能力モード」と称する。
以下では、等しい熱量をヒートポンプユニット100で生成する場合の総消費電力量を単に「総消費電力量」と称する。エネルギー消費効率が高いほど、総消費電力量は少なくなる。本実施の形態において、最小加熱能力モードのときのエネルギー消費効率をCOP1とし、定格加熱能力モードのときのエネルギー消費効率をCOP3とすると、COP1はCOP3以上である。したがって、最小加熱能力モードによる総消費電力量は、定格加熱能力モードによる総消費電力量以下となる。このように、本実施の形態であれば、加熱能力を定格加熱能力よりも低くして、最小加熱能力モードが選択された場合に、総消費電力量が、定格加熱能力モードに比べて増加することを確実に防止できる。したがって、最小加熱能力モードが選択された場合の電力料金が、定格加熱能力モードのときの電力料金よりも高くなることを確実に抑制できる。それゆえ、電力料金を確実に抑制することができる。
また、本実施の形態では、最小加熱能力モードのときのエネルギー消費効率COP1は、定格加熱能力モードのときのエネルギー消費効率COP3よりも高い。したがって、最小加熱能力モードによる総消費電力量は、定格加熱能力モードによる総消費電力量よりも少ない。このため、最小加熱能力モードが選択されたときの総消費電力量をより確実に抑制できるので、電力料金を抑制する上でより有利になる。
本実施の形態における制御装置50は、沸き上げ運転の制御モードとして、加熱能力をq2とする運転モードをさらに備えている。ただし、q1<q2<q3である。加熱能力をq2とする運転モードは、加熱能力が最小加熱能力モードよりも大きく定格加熱能力モードよりも小さい中間能力モードに相当する。中間能力モードのときのエネルギー消費効率COP2は、最小加熱能力モードのときのエネルギー消費効率COP1よりも高い。本実施の形態であれば、このような中間能力モードを備えたことで、最小加熱能力モード及び定格加熱能力モードに比べて、総消費電力量をさらに抑制することが可能となるので、電力料金を抑制する上でさらに有利になる。エネルギー消費効率が最高となる加熱能力を中間能力モードの加熱能力q2として設定してもよい。
なお、上述した複数の運転モードのそれぞれにおいて、制御装置50は、沸き上げ運転が定常状態になったときの加熱能力が上記の値になるように制御すればよい。制御装置50は、例えば、沸き上げ温度が目標値に等しくなった状態を「定常状態」とみなしてもよい。上述した複数の運転モードのそれぞれにおいて、沸き上げ運転が定常状態になる前の加熱能力は、上記の値とは異なる値でもよい。また、制御装置50は、沸き上げ運転の制御モードとして、加熱能力を定格加熱能力よりも大きくする運転モードをさらに備えていてもよい。
以下の説明では、深夜時間帯に行う沸き上げ運転を「深夜沸き上げ運転」と称し、非深夜時間帯に行う沸き上げ運転を「非深夜沸き上げ運転」と称する。また、深夜沸き上げ運転で生成すべき目標熱量を「深夜沸き上げ熱量」と称する。
制御装置50は、深夜沸き上げ運転を開始する前に、過去所定期間の給湯使用熱量に基づいて、深夜沸き上げ熱量を算出する。次いで、制御装置50は、深夜沸き上げ熱量に応じて、第一加熱能力の値を決定する。第一加熱能力の値は、深夜時間帯のうちに深夜沸き上げ熱量を生成できる加熱能力となるように、決定される。以下の説明では、深夜沸き上げ運転と同じ日に実施された非深夜沸き上げ運転のときの加熱能力の値を「第二加熱能力」と称する。第一加熱能力が第二加熱能力以上である場合には、制御装置50は、第一加熱能力で深夜沸き上げ運転を実施する。これに対し、第一加熱能力が第二加熱能力よりも小さい場合には、制御装置50は、第二加熱能力と同等かそれ以上の加熱能力で深夜沸き上げ運転を実施する。以上のようにすることで、深夜沸き上げ運転のときのヒートポンプ給湯機の消費電力は、同じ日に実施された非深夜沸き上げ運転のときのヒートポンプ給湯機の消費電力と比べて、同等かそれ以上の値になることが確実となる。それゆえ、本実施の形態のヒートポンプ給湯機は、現行の電力料金体系において、主として夜間時間帯に通電して蓄熱する機器に該当するので、電力料金の割引を確実に受けることができる。それゆえ、電力料金を確実に抑制することが可能となる。
図4は、実施の形態1によるヒートポンプ給湯機における深夜沸き上げ運転の制御フローチャートである。以下の説明では、貯湯タンク11内に残っている湯の熱量を「残湯熱量」と称する。制御装置50は、貯湯温度センサ13g〜13jで検出する温度の少なくとも1つ以上を用いて残湯熱量を算出する。貯湯温度センサ13g〜13jは、残湯熱量検出手段に相当する。本実施の形態において、深夜沸き上げ熱量及び残湯熱量は、基準給湯温度の湯の熱量に換算したときの湯量[L]を単位として計算される。
制御装置50は、例えば、深夜時間帯の開始時刻またはその直前に、図4のフローチャートの処理の実行を開始する。図4のステップS1で、制御装置50は、深夜沸き上げ熱量を次のようにして算出する。まず、制御装置50は、過去所定期間内に学習した湯の使用実績と、使用者が設定した条件とに応じて、深夜時間帯の終了時までに貯湯タンク11に貯めるべき目標蓄熱量を算出する。この際、制御装置50は、過去の給湯負荷が大きいほど、目標蓄熱量が大きくなるように算出する。次いで、制御装置50は、上記目標蓄熱量から現在の残湯熱量を差し引くことにより深夜沸き上げ熱量を算出する。
続いて、ステップS2として、制御装置50は、深夜沸き上げ熱量[L]と、貯湯タンク容量[L]と、残湯体積[L]とを用いて、次の式(1)にしたがい、目標沸き上げ温度Toを算出する。
To=深夜沸き上げ熱量[L]×(基準給湯温度[℃]−給水温度[℃])/(貯湯タンク容量[L]−残湯体積[L])+給水温度[℃] ・・・式(1)
ここで、貯湯タンク容量[L]は、貯湯タンク11の容量である。残湯体積[L]は、貯湯タンク11内に残っている湯の体積である。貯湯タンク容量[L]から残湯体積[L]を差し引いた値は、深夜沸き上げ運転の開始から終了までに加熱される水の総体積に相当する。本実施の形態では、過去の給湯負荷が大きいほど、深夜沸き上げ熱量が大きくなるので、目標沸き上げ温度Toが高くなる。
次いで、ステップS3として、制御装置50は、目標沸き上げ温度Toと残湯熱量Lrとに基づいて、第一加熱能力Q1の値を決定する。図5は、目標沸き上げ温度Toと残湯熱量Lrと第一加熱能力Q1との関係を示すテーブルである。本実施の形態では、制御装置50は、図5のテーブルにしたがって、第一加熱能力Q1の値を、q1,q2,q3のいずれかに決定する。なお、図5中のA,B,C,Dは、残湯熱量Lrが多いか少ないかを判定するための基準値であり、A<B<C<Dを満足する値である。また、目標沸き上げ温度Toの数値が図5中の数値以外の数値である場合には、次のようにする。例えば、目標沸き上げ温度Toが、70℃<To≦75℃を満足する場合には、図5中の「75」の欄の加熱能力を選択する。
本実施の形態では、図5のテーブルにしたがうことで、例えば以下のようになる。残湯熱量LrがA<Lr≦Bを満足し、かつ目標沸き上げ温度Toが80℃である場合には、制御装置50は、第一加熱能力Q1=q2と決定する。本実施の形態であれば、図5のテーブルを用いることで、深夜時間帯のうちに深夜沸き上げ熱量を生成できるような第一加熱能力Q1を決定することができる。
また、残湯熱量LrがA<Lr≦Cを満足する場合において、目標沸き上げ温度Toが70℃以下である場合には最小加熱能力モードが選択されて第一加熱能力Q1=q1と決定され、目標沸き上げ温度Toが70℃を超えて80℃以下である場合には中間能力モードが選択されて第一加熱能力Q1=q2と決定され、目標沸き上げ温度Toが80℃を超える場合には定格能力モードが選択されて第一加熱能力Q1=q3と決定される。このように、制御装置50は、残湯熱量Lrが等しい場合において、目標沸き上げ温度Toが高いときすなわち深夜沸き上げ熱量が多いときには、目標沸き上げ温度Toが低いときすなわち深夜沸き上げ熱量が少ないときに比べて、第一加熱能力Q1の値が大きくなるようにする。これにより、深夜沸き上げ熱量が多いときでも、深夜時間帯の終了時刻までに深夜沸き上げ熱量をより確実に生成することが可能となるので、非深夜沸き上げ運転を回避または最小限とする上でより有利になる。
前述したように、過去所定期間の給湯使用熱量に基づいて算出される目標蓄熱量と、深夜沸き上げ運転の開始前の残湯熱量Lrとの差が、深夜沸き上げ熱量に相当する。このため、目標蓄熱量が多いほど、深夜沸き上げ熱量が多くなり、目標沸き上げ温度Toが高くなる。したがって、残湯熱量LrがA<Lr≦Cを満足する場合において、制御装置50は、目標蓄熱量が多いときには目標蓄熱量が少ないときに比べて第一加熱能力Q1の値が大きくなるようにすると言える。これにより、目標蓄熱量が多いときでも、深夜時間帯の終了時刻までに沸き上げ運転をより確実に完了させることが可能となるので、非深夜沸き上げ運転を回避または最小限とする上でより有利になる。
また、深夜沸き上げ運転の開始前の残湯熱量Lrが基準値A以下である場合には、制御装置50は、目標沸き上げ温度Toにかかわらず、最大加熱能力q3を第一加熱能力Q1の値として決定する。すなわち、制御装置50は、残湯熱量Lrが基準値Aに対して少ないときには、深夜沸き上げ熱量にかかわらず、最大加熱能力モードで沸き上げ運転を実行する。これにより、残湯熱量Lrが少ないときに、熱量を短時間で貯湯タンク11に追加することができるので、貯湯タンク11の湯切れが発生することをより確実に防止できる。また、深夜時間帯の終了時刻までに深夜沸き上げ熱量をより確実に生成することが可能となるので、非深夜沸き上げ運転を回避または最小限とする上でより有利になる。
以上のように、本実施の形態における制御装置50は、残湯熱量Lrが少なく、過去の給湯負荷が大きいほど、加熱能力の大きい運転モードを選択する。これにより、深夜時間帯の中で目標蓄熱量をより確実に貯湯タンク11内に蓄えることができる。
ステップS4に進み、制御装置50は、ステップS3で決定された第一加熱能力Q1の値と、同じ日に実施された非深夜沸き上げ運転のときの第二加熱能力Q2の値との大小関係を比較する。第一加熱能力Q1が第二加熱能力Q2以上の場合には、ステップS5に進み、制御装置50は、第一加熱能力Q1を、深夜沸き上げ運転の加熱能力Qとして決定する。これに対し、第一加熱能力Q1が第二加熱能力Q2よりも小さい場合には、ステップS6に進み、制御装置50は、第二加熱能力Q2を、深夜沸き上げ運転の加熱能力Qとして決定する。
次いで、ステップS7に進み、制御装置50は、沸き上げ開始時刻になると、ステップS5またはステップS6で決定された加熱能力Qにて、深夜沸き上げ運転を開始する。その後、ステップS8に進み、制御装置50は、深夜沸き上げ熱量の生成が完了した場合、あるいは深夜時間帯の終了時刻になった場合には、深夜沸き上げ運転を終了する。以上説明したように、図4のフローチャートによれば、制御装置50は、深夜沸き上げ運転のときの加熱能力Qが、同じ日の非深夜沸き上げ運転のときの第二加熱能力Q2と同等以上の加熱能力となるように制御できる。
制御装置50は、非深夜沸き上げ運転のときの加熱能力が、最大加熱能力q3よりも常に小さくなるように制限してもよい。例えば、制御装置50は、非深夜時間帯においては最大加熱能力q3の使用を禁止し、q2またはq1の加熱能力で非深夜沸き上げ運転を常に実施するように制御してもよい。これにより、非深夜沸き上げ運転において、COP3よりも高いCOP2またはCOP1のエネルギー消費効率を確実に達成できるので、世帯消費電力を抑制する上でより有利になる。
最小加熱能力q1の値は、貯湯タンク11内の全量が第一所定温度の低温水の状態から、深夜時間帯のうちに、貯湯タンク11内の全量が第二所定温度の高温水の状態になるまで貯湯タンク11の水を加熱できる加熱能力に相当する値でもよい。これにより、深夜沸き上げ運転において最小加熱能力q1を用いて貯湯タンク11内の全量を沸き上げる場合でも深夜時間帯内で確実に深夜沸き上げ運転を完了できるため、電力料金を抑制する上でより有利になる。なお、第一所定温度を例えば10℃、第二所定温度を例えば65℃としてもよい。
本実施の形態のヒートポンプ給湯機は、加熱能力の変更を有効にするか無効にするかを、使用者その他の人間が事前に選択可能とする選択手段を備えていてもよい。そのような選択手段として、例えば、リモコン51に対するボタン操作などによって加熱能力の変更を有効にするか無効にするかを選択できるように構成し、制御装置50は、加熱能力の変更が有効にされたときにのみ、加熱能力を可変とする構成としてもよい。機器の動作及び性能を確認するための機器検定時などにおいて、加熱能力が変動しないようにすることが求められる場合がある。そのような場合には、加熱能力の変更を無効にすることで、加熱能力の変動を防止する操作を容易に行うことができる。
本実施の形態のヒートポンプ給湯機は、沸き上げ運転の実行中に、複数の運転モードのうちのいずれが実行されているかの情報と、現在の加熱能力に関する情報との少なくとも一方の情報を報知する報知手段を備えていてもよい。そのような報知手段として、例えば、リモコン51の表示部51aに上記の情報を表示してもよい。これにより、優れた利便性が得られる。
1 圧縮機、 2 水冷媒熱交換器、 3 膨張弁、 4 空気熱交換器、 5 ファン、 6a 循環ポンプ、 6b 追焚用ポンプ、 7,8,9 切替弁、 10 混合弁、 11 貯湯タンク、 11a 高温水取出口、 11b 高温水流出入口、 11c 追焚戻し口、 11d 中温水取出口、 11e 低温水戻し口、 11f 取水口、 11g 給水口、 12 追焚熱交換器、 13a 入水温度センサ、 13b 沸き上げ温度センサ、 13c 外気温度センサ、 13d 吐出温度センサ、 13e 吸込温度センサ、 13f 蒸発温度センサ、 13g,13h,13i,13j 貯湯温度センサ、 13k 給水温度センサ、 13l 給湯温度センサ、 13m 風呂給湯温度センサ、 14 制御装置、 15 給湯混合部、 17a 給湯流量センサ、 17b 風呂給湯流量センサ、 50 制御装置、 51 リモコン、 51a 表示部、 51b 操作部、 52 給湯熱量算出手段、 100 ヒートポンプユニット、 101 冷媒回路、 200 貯湯ユニット、 201 貯湯回路、 202 追焚回路、 203 給湯回路

Claims (7)

  1. 電力により駆動され、水を加熱するヒートポンプサイクルを有し、加熱能力を変更可能な加熱手段と、
    貯湯タンクと、
    前記加熱手段により加熱された湯を前記貯湯タンクに蓄積する沸き上げ運転として、深夜時間帯に行う深夜沸き上げ運転と、前記深夜時間帯以外の時間帯に行う非深夜沸き上げ運転とを実施する制御手段と、
    給湯に使用された熱量である給湯使用熱量を算出する給湯熱量算出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記深夜沸き上げ運転の開始前に、過去所定期間の前記給湯使用熱量に基づいて、前記深夜沸き上げ運転で生成する目標熱量である深夜沸き上げ熱量を算出し、前記深夜時間帯のうちに前記深夜沸き上げ熱量を生成できる前記加熱能力である第一加熱能力を決定し、前記第一加熱能力が、同じ日に実施された前記非深夜沸き上げ運転のときの前記加熱能力である第二加熱能力以上である場合には前記第一加熱能力で前記深夜沸き上げ運転を実施し、前記第一加熱能力が前記第二加熱能力よりも小さい場合には前記第二加熱能力と同等かそれ以上の加熱能力で前記深夜沸き上げ運転を実施するヒートポンプ給湯機。
  2. 前記制御手段は、前記深夜沸き上げ熱量が大きいほど前記第一加熱能力を大きくする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
  3. 前記制御手段は、前記非深夜沸き上げ運転のときの前記加熱能力が、前記加熱能力の最大値よりも小さくなるように制限する請求項1または請求項2に記載のヒートポンプ給湯機。
  4. 前記貯湯タンクに残っている熱量である残湯熱量を検出する残湯熱量検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記深夜沸き上げ運転の開始前の前記残湯熱量が基準以下である場合には、前記加熱能力の最大値を前記第一加熱能力として決定する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒートポンプ給湯機。
  5. 前記加熱能力の最小値は、前記貯湯タンク内の全量が第一所定温度の低温水の状態から、前記深夜時間帯のうちに、前記貯湯タンク内の全量が第二所定温度の高温水の状態になるまで前記貯湯タンクの水を加熱できる前記加熱能力である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヒートポンプ給湯機。
  6. 前記加熱能力の変更を有効にするか無効にするかを事前に選択可能とする選択手段を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のヒートポンプ給湯機。
  7. 前記沸き上げ運転の実行中に、現在の前記加熱能力に関する情報を報知する報知手段を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のヒートポンプ給湯機。
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