JP2022091292A - 加工廃液処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工廃液処理装置に配設された濾過フィルターの寿命を向上させると共に、イオン交換樹脂の消耗を回避できる加工廃液処理装置を提供する。【解決手段】研削装置と排水タンク81との間に配設され加工屑を電気泳動法で除去する加工屑除去ユニット60と、加工屑除去ユニット60にCO2の供給手段50と、加工屑の量を検出する入口41aと出口41bとを有するパイプ41を備えた加工屑検出手段40と、加工屑検出手段40によって検出される加工屑が多いときは、第2のバルブ44を閉じて第1のバルブ43を開き、第1の分岐経路101Aと加工屑除去ユニット60とを経由して排水が排水タンク81に供給され、加工屑が少ないときは、第2のバルブ44を開き、第1のバルブ43を閉じ第2の分岐経路101Bを経由して排水を排水タンク81に供給する。【選択図】図2
Description
本発明は、加工装置から排出される排水から純水を生成する加工廃液処理装置に関する。
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削され、所望の厚みに形成された後、ダイシング装置によって個々のデバイスチップに分割されて、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
また、研削装置、ダイシング装置から排出される排水から加工屑を除去して純水を生成する加工廃液処理装置が本出願人によって提案されている(例えば特許文献1を参照)。該加工廃液処理装置を、研削装置の排水を処理するために配設する場合、研削装置から排出される排水には、多くの加工屑(研削屑)が含まれていることから、加工廃液処理装置を構成する濾過フィルターの寿命が著しく低下し、頻繁に濾過フィルターを交換しなければならず、不経済であるという問題がある。
上記問題に対し、ウエーハを研削して排出される排水に含まれる加工屑(例えばシリコン微粒子)を、電気泳動法によって回収して、排水を精製する装置(例えば特許文献2を参照)が本出願人によって提案されており、当該装置を上記した加工廃液処理装置に適用することで、加工廃液処理装置に配設された濾過フィルターの負担を減らし寿命を延ばすことが考えられる。
ところで、電気泳動法によって効果的に加工屑を回収するために、加工装置から排出される排水を高導電率(低電気抵抗率)に調整すべく、排水中にCO2を混入することが行われている。しかし、加工廃液処理装置において、清水から純水を生成するために配設されるイオン交換樹脂は、イオン交換処理を行う液中にCO2が含まれていることでイオン交換樹脂の消耗が促進されてしまい、今度は、該イオン交換樹脂の寿命が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、加工廃液処理装置に配設された濾過フィルターの寿命を向上させると共に、イオン交換樹脂の消耗の促進を抑制することができる加工廃液処理装置を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、加工装置から排出される排水から純水を生成する加工廃液処理装置であって、排水を貯水する排水タンクと、該排水タンクから送り出された排水を濾過する濾過部と、該濾過部によって生成された清水を貯水する清水タンクと、該清水タンクから送り出された清水に紫外線を照射して有機物を破壊する紫外線照射ユニットと、該紫外線照射ユニットから送り出された清水から純水を生成するイオン交換樹脂部と、を少なくとも含み、該加工装置と該排水タンクとの間に配設され排水に含まれる加工屑を電気泳動法によって回収部に付着させて除去する加工屑除去ユニットと、該加工屑除去ユニットに導入される排水にCO2を供給するCO2供給手段と、該加工装置と該加工屑除去ユニットとの経路に配設され排水中の加工屑の量を検出する入口と出口とを有するパイプを備えた加工屑検出手段と、該加工屑検出手段の該出口側に配設され第1の分岐経路と第2の分岐経路とに分岐する分岐部と、該第1の分岐経路に配設される第1のバルブと、該第2の分岐経路に配設される第2のバルブと、を備え、該加工屑検出手段によって検出される排水中の加工屑が多いときは、該第1のバルブを開いて該第2のバルブを閉じ、該CO2供給手段及び該加工屑除去ユニットを経由して排水が該排水タンクに供給され、該加工屑検出手段によって検出される排水中の加工屑が少ないときは、該第1のバルブを閉じて該第2のバルブを開き、該CO2供給手段及び該加工屑除去ユニットを経由せず、該第2の分岐経路を経由して排水が該排水タンクに供給される加工廃液処理装置が提供される。
該加工屑検出手段のパイプは透明な細管で構成され、該パイプの該入口と、該出口とを連結する該細管よりも太いバイパス管が配設されることが好ましい。
本発明の加工廃液処理装置は、排水を貯水する排水タンクと、該排水タンクから送り出された排水を濾過する濾過部と、該濾過部によって生成された清水を貯水する清水タンクと、該清水タンクから送り出された清水に紫外線を照射して有機物を破壊する紫外線照射ユニットと、該紫外線照射ユニットから送り出された清水から純水を生成するイオン交換樹脂部と、を少なくとも含み、該加工装置と該排水タンクとの間に配設され排水に含まれる加工屑を電気泳動法によって回収部に付着させて除去する加工屑除去ユニットと、該加工屑除去ユニットに導入される排水にCO2を供給するCO2供給手段と、該加工装置と該加工屑除去ユニットとの経路に配設され排水中の加工屑の量を検出する入口と出口とを有するパイプを備えた加工屑検出手段と、該加工屑検出手段の該出口側に配設され第1の分岐経路と第2の分岐経路とに分岐する分岐部と、該第1の分岐経路に配設される第1のバルブと、該第2の分岐経路に配設される第2のバルブと、を備え、該加工屑検出手段によって検出される排水中の加工屑が多いときは、該第1のバルブを開いて該第2のバルブを閉じ、該CO2供給手段及び該加工屑除去ユニットを経由して排水が該排水タンクに供給され、該加工屑検出手段によって検出される排水中の加工屑が少ないときは、該第1のバルブを閉じて該第2のバルブを開き、該CO2供給手段及び該加工屑除去ユニットを経由せずに該第2の分岐経路を経由して排水が該排水タンクに供給されるので、加工屑除去ユニットにおける加工屑の回収効率を向上させることができ、排水タンクから送り出された排水を濾過する濾過部の濾過フィルターの寿命が延びて、頻繁に濾過フィルターを交換しなければならず不経済であるという問題が解消すると共に、イオン交換樹脂部に導かれる清水に含まれるCO2の濃度が過剰に上昇することが回避されて、イオン交換樹脂部の消耗を抑制することができる。
以下、本発明に基づいて構成される加工廃液処理装置に係る実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1には、本実施形態の加工廃液処理装置5、及び加工廃液処理装置5が適用される加工装置である研削装置1の概略を示す斜視図が示されている。
研削装置1は、装置ハウジング10に配設された保持手段2と、保持手段2に保持されるウエーハWの裏面Wbを研削する研削手段3と、研削手段3を矢印Z軸方向(上下方向)に昇降させる昇降手段4とを少なくとも備えている。研削装置1によって加工されるウエーハWは、例えば、シリコンウエーハであり、図中左方側に示すように、ウエーハWの下面側(本実施形態では、図示を省略する複数のデバイスが形成された表面側)に保護テープTが貼着されて、裏面Wb側が上方に露出した状態で保持手段2に保持される。
保持手段2は、X軸方向及び該X軸方向と直交するY軸方向とにより規定され、実質的に水平面を構成する保持面21aを備えたチャックテーブル21を備えている。チャックテーブル21は、図示を省略する回転駆動手段によって回転可能に構成されており、保持面21aは通気性を有する部材によって構成されている。チャックテーブル21は、図示を省略する吸引手段に接続されており、該吸引手段を作動することで、保持面21aに吸引負圧が供給される。チャックテーブル21は、装置ハウジング10の内部に収容された図示を省略するX軸移動手段により、X軸方向の任意の位置に移動させることができる。
研削手段3は、回転軸31と、回転軸31の下端に配設された研削ホイール32と、研削ホイール32の下面に環状に複数配設された研削砥石33と、該回転軸31を回転させる電動モータ34と、該研削手段3を支持すると共に図中矢印Zで示すZ軸方向に移動可能に支持されたZ軸移動基台35とを少なくとも備えている。Z軸移動基台35は、昇降手段4によって、Z軸方向における任意の位置に移動させることが可能である。研削装置1は、図示を省略する制御手段を備えており、該制御手段から指示される制御信号により、その作動がコントロールされる。
研削装置1において、チャックテーブル21にウエーハWを吸引保持し、研削手段3によってウエーハWの裏面Wbを研削すると、研削加工時に研削ホイール32の下面側に供給された研削水にシリコン微粒子等を含む加工屑が混入して排水L1が生成される。排水L1は、研削装置1の装置ハウジング10に配設されたドレインホース12から排出され、該排水L1は、ポンプP1が作動することにより加工廃液処理装置5に送られて精製され、純水L9が生成される。純水L9は、研削手段3の回転軸31の上端31aに供給されて、回転軸31の内部に形成される供給路(図示は省略する)を介して研削ホイール32の下面に導かれて、再び研削水として利用される。なお、研削水は常時供給されており、研削手段3がウエーハWを研削しているときは、シリコン微粒子等の加工屑を含む研削水が排水され、研削手段3がウエーハWを研削していないとき(ウエーハWを搬出入しているとき等)は、比較的きれいな研削水が排水される。
加工廃液処理装置5は、上記した研削装置1に配設されたドレインホース12を含む経路101上に配設された排水L1中に含まれる加工屑の量を検出する加工屑検出手段40と、排水L1にCO2を供給するCO2供給部50と、CO2供給部50から排出されCO2濃度が高められた排水L2に含まれる加工屑を電気泳動法によって除去する加工屑除去ユニット60と、該加工屑除去ユニット60から排出されて加工屑がある程度除去された排水L3、又はCO2供給部50及び加工屑除去ユニット60を経由せずに導かれた排水L1を精製して純水を生成する純水生成装置80と、を備えている。図1に加え、図2を参照しながら、本実施形態の加工廃液処理装置5の詳細について説明する。
研削装置1のドレインホース12から排出される排水L1は、経路101を介して加工屑検出手段40に導入される。加工屑検出手段40は、図2に示すように、経路101に導入された排水L1中の加工屑の量を検出する入口41aと出口41bとを有するパイプ41を備えている。加工屑検出手段40の出口41bには、第1の分岐経路101Aと、第2の分岐経路101Bとに経路を分岐する分岐部として機能する第1の分岐部42が配設されている。第1の分岐経路101Aは、第1の分岐経路101Aを開閉する第1のバルブ43を備えている。第2の分岐経路101Bは、第2の分岐経路101Bを開閉する第2のバルブ44を備えている。本実施形態のパイプ41は、透明な細管で形成されており、該パイプ41には、加工屑検出センサ45が配設されている。
加工屑検出センサ45は、発光素子45aと、受光素子45bとを備え、発光素子45aから放射される光を、パイプ41を介して受光素子45bによって受光する。第1のバルブ43、第2のバルブ44、及び加工屑検出センサ45は、加工廃液処理装置5に付帯して配設されるコンピュータ100に接続されている。加工屑検出センサ45の受光素子45bが透明なパイプ41越しに検出した光強度を示す信号は、コンピュータ100に送られる。パイプ41を流れる排水L1中に含まれる加工屑が多いほど、受光素子45bが受光する光強度が低下するため、該光強度に基づいて、パイプ41を通過する排水L1中の加工屑の量を検出することができる。第1のバルブ43は、例えば、常閉弁であり、コンピュータ100からの指示信号に基づいて開とされる。また、第2のバルブ44は、例えば、常開弁であり、コンピュータ100の指示信号に基づいて閉とされる。第1のバルブ43が閉とされる場合には、第2のバルブ44が開とされ、第1のバルブ43が開とされる場合には、第2のバルブ44が閉とされる。
本実施形態の加工屑検出手段40は、さらに、上記したパイプ41の入口41a側に、第2の分岐部46が配設され、入口41a側の第2の分岐部46と出口41b側の第1の分岐部42とを連結してパイプ41をバイパスするバイパス管47を備えている。バイパス管47は、細管で形成されたパイプ41よりも太い管で形成され、経路101を流れる加工屑検出手段40に導入される排水L1は、第2の分岐部46でパイプ41とバイパス管47とに分岐される。細管であるパイプ41側に流れる排水L1は、太管であるバイパス管47に流れる排水L1よりも少なくなるように設定されている。
第1の分岐経路101Aを経由して排出される排水L1は、CO2供給部50に導入される。CO2供給部50は、CO2貯蔵タンク51と、混合器52とを備えている。CO2供給部50に導入された排水L1は、混合器52を通過することにより、CO2貯蔵タンク51から供給されるCO2が混合される。排水L1のCO2濃度が高められることで、低電気抵抗率となり導電性が高められた排水L2は、経路102を介して加工屑除去ユニット60に送られる。図2に加え、図3を参照しながら、加工屑除去ユニット60の概略について説明する。
図3には、加工屑除去ユニット60の断面模式図が示されている。図に示すように、加工屑除去ユニット60は、経路102を介して導入口60aから導入された排水L2を収容するタンク61と、タンク61に配設されたポンプ61aの作用により、配管61bを介して排水L2が導入される加工屑回収手段63と、を備えている。加工屑回収手段63は、排水L2を貯水する貯水槽63aと、貯水槽63aにその一部が組み込まれる加工屑分離機構64と、加工屑回収機構65と、を備えている。
加工屑分離機構64は、貯水槽63aに貯水された排水L2から、ウエーハWを研削する際に発生するシリコンの微粒子等を含む加工屑Dを分離する。加工屑分離機構64は、貯水槽63a内に配設された複数の陰極板64aと、各陰極板64a間に配設された複数の下部ローラ64bと、各陰極板64aの上方に配設された複数の上部ローラ64cと、該上部ローラ64cの上方であって図中左方側に配設された電動モータ64dと、電動モータ64dに駆動される駆動ローラ64eと、該駆動ローラ64eと同一の高さであって、図中右方側に配設された従動ローラ64fと、前記した各ローラに、図に示すように掛け回され加工屑Dを吸着して回収する回収部として機能する無端ベルト64gと、陰極板64aにマイナス(-)を、無端ベルト64gにプラス(+)の電圧を印加する直流電源64hと、を備えている。無端ベルト64gは、導電性を有する金属製(例えばステンレス鋼板)で形成されている。前記した陰極板64a、及び無端ベルト64gが掛け回された下部ローラ64bの周辺は、貯水槽63aに貯水された排水L2内に浸水しており、貯水槽63aの下部には、加工屑Dが除去された後の排水L3を排出する排出口60bが配設されている。
加工屑回収機構65は、剥離部65aと、回収箱65bとを備えている、上記した直流電源64hにより陰極板64a、無端ベルト64gに通電し、駆動モータ64dを作動して無端ベルト64gを矢印Aで示す方向に回転させることで、電気泳動によってマイナス(-)に帯電した加工屑Dが、マイナス(-)に帯電された陰極板64aから反発され、プラス(+)に帯電された無端ベルト64gに吸着される。無端ベルト64gに吸着された加工屑Dは、無端ベルト64gによって運ばれて、回収箱65b上の剥離部65aにて剥離され、回収箱65bに落下させられて回収される。このようにして、貯水槽63aに貯水された排水L2から、加工屑Dが除去される。なお、本実施形態では、回収箱65bに隣接した位置にヒータ65cも配設されており、ヒータ65cの作用により、回収箱65bに回収された加工屑Dが乾燥させられる。また、上記した実施形態では、加工屑Dを吸着して回収する回収部として金属製の無端ベルト64gを配設したが、本発明はこれに限定されず、直流電源64hの陽極に接続されてプラス(+)に帯電させられる電極板であってもよい。該電極板を使用する場合は、上記した貯水槽63a内の陰極板64a間に該電極板を進入させて、排水L2内の加工屑Dを吸着させた後、貯水槽63aから該電極板を取り出すことにより、排水L2中から加工屑Dを回収することができる。図2を参照することにより理解されるように、加工屑除去ユニット60の作用により加工屑Dが除去された排水L3は、加工屑除去ユニット60の排出口60bから経路103上のポンプP2の作用により排出されて、純水生成装置80に送られる。
第2の分岐経路101Bを経由して排出される排水L1は、ポンプP2の作用により、CO2供給部50及び加工屑除去ユニット60を経由せずに、加工屑除去ユニット60の下流側に配設される経路103に導入され、純水生成装置80に送られる。
純水生成装置80は、CO2が混合された排水L3、及び排水L1を貯水する排水タンク81と、排水タンク81から排出された排水L4を濾過して精製する濾過部83と、濾過部83によって精製された清水L5を貯水する清水タンク84と、清水タンク84から送り出された清水L5に紫外線を照射して清水L5に含まれる有機物を破壊する紫外線照射ユニット85と、紫外線照射ユニット85によって生成された清水L6から純水L7を生成するイオン交換樹脂部87と、を少なくとも備えている。さらに、本実施形態では、上記構成に加え、イオン交換樹脂部87から送りされた純水L7内に残存する有機物が破壊されて残存する物質等を除去する精密フィルター88と、精密フィルター88によって濾過され排出された純水L8を、研削水として適切な温度に調整された純水L9として研削装置1に供給する温度コントローラー89とを備えている。
図示の実施形態では、濾過部83は、第1濾過フィルター831、第2濾過フィルター832を備え、純水生成装置80の作動を止めることなく濾過部83の作動を継続することができるように、流路切換弁82を備えている。一方の濾過フィルターの目詰まりが検出された場合には、流路切換弁82を作動して、経路104から導かれる排水L4の流れを目詰まりしていない他方の濾過フィルターに導き、目詰まりが検出された濾過フィルターを新たな濾過フィルターに交換する。なお、濾過部83の濾過フィルターの目詰まりは、経路104上に配設された圧力センサM1により、経路104内の圧力を検出することにより判定することが可能である。イオン交換樹脂部87は、第1イオン交換樹脂部871、第2イオン交換樹脂部872を備え、純水生成装置80の作動を止めることなくイオン交換樹脂部87の作動を継続することができるように、流路切換弁86を備えている。例えば、第2イオン交換樹脂部872の消耗が検出される場合には、流路切換弁86を作動することにより、経路107から導かれる清水L6を、消耗していない第1イオン交換樹脂部871に導き、第2イオン交換樹脂部872を新しいイオン交換樹脂に交換する。なお、イオン交換樹脂の消耗の度合いは、経路108上に比抵抗値センサM2を配設し、比抵抗値を検出することにより検出される検出値に基づいて判定することが可能である。
イオン交換樹脂部87によって生成された純水L7は、経路108を介して精密フィルター88に送られる。精密フィルター88において捕集が進み、純水L7内に残存する有機物が破壊されて残存する物質等が除去されて、より不純物が低減された純水L8が生成される。なお、精密フィルター88の目詰まりは、経路108上に配設された圧力センサM3により圧力を検出することで、判定することが可能である。
本実施形態の加工廃液処理装置5は、概ね上記したとおりの構成を備えており、その機能、作用効果について、より具体的に説明する。
図1に示す研削装置1において、保持手段2のチャックテーブル21に吸引保持されたウエーハWの裏面Wbが、研削手段3によって研削加工され、研削に使用された研削水の排水L1が、ポンプP1の作用によりドレインホース12を含む経路101を介して、加工廃液処理装置5に送られる。加工廃液処理装置5に送られた排水L1は、まず、図2、図4に示す加工屑検出手段40に導かれる。ここで、上記した加工屑検出センサ45によって、排水L1に含まれる加工屑Dの量が検出されて、コンピュータ100に送られ、加工屑Dの量が所定値よりも多いか否か判定される。図4(a)に示すように、加工屑検出手段40に導かれた排水L1内に含まれる加工屑Dが少ない場合は、コンピュータ100から送られる指示信号に基づいて、第1のバルブ43が閉じられ、第2のバルブ44が開かれる。これにより、排水L1は、第1の分岐部42を経由して第2の分岐経路101Bに排出される。図2から理解されるように、第2の分岐経路101Bに導かれた排水L1は、CO2供給部50及び加工屑除去ユニット60を経由せずに、経路103に導かれて、純水生成装置80に導かれる。
また、図4(b)に示すように、加工屑検出センサ45によって、排水L1に含まれる加工屑Dの量が検出されて、加工屑Dの量が所定値よりも多いと判定された場合は、コンピュータ100から送られる指示信号に基づいて、第1のバルブ43が開かれ、第2のバルブ44が閉じられる。これにより、排水L1は、第1の分岐部42を経由して第1の分岐経路101Aに排出される。図2から理解されるように、第1の分岐経路101Aに導かれた排水L1は、CO2供給部50に導入される。
CO2供給部50に導入された排水L1は、CO2供給部50の作用によりCO2が混合されて、CO2濃度が高められ、例えば、電気抵抗率が0.3MΩ・cmから、0.2MΩ・cmに低下させられる。CO2濃度が高められた排水L2は、経路102を介して加工屑除去ユニット60に導かれ、排水L2に含まれるシリコンの微粒子を主とする加工屑Dが除去される。上記したように、排水L2は、CO2濃度が高められて電気抵抗率が調整されることにより、上記した加工屑分離機構64における回収率が向上し、加工屑Dが効率よく回収される。なお、加工屑分離機構64では、直流電源64hによって印加される電圧値に応じた粒子径の加工屑Dが一定の割合で除去されるが、排水L2に含まれる加工屑Dの全てが除去されるわけではない。
次いで、加工屑除去ユニット60によって加工屑Dがある程度除去された排水L3は、ポンプP2を介して純水生成装置80に配設された排水タンク81に導かれる。なお、排水L3が排水タンク81に導かれて、攪拌されることにより、排水L3内のCO2の一部が放出されるため、排水タンク81には、排水L3から放出されたCO2を排出する開口(図示は省略する)が配設される。排水タンク81には、上記したように、排水L1に含まれる加工屑Dが少ない場合に、CO2供給部50及び加工屑除去ユニット60を経由せずに導かれた排水L1と、排水L1に含まれる加工屑Dが多い場合に、CO2供給部50及び加工屑除去ユニット60を経由して導かれた排水L3とが混合された排水L4が貯水される。
排水タンク81に付帯して配設されたポンプP3の作用により、排水タンク81に貯水された排水L4が、経路104及び流路切換弁82を介して濾過部83の一方の濾過フィルター、例えば第1濾過フィルター831に導かれる。第1濾過フィルター831では、排水L4内に残留している不純物等が濾過され、濾過部83から清水L5が排出される。濾過部83から排出される清水L5は、経路105を介して清水タンク84に導かれて貯水される。
清水タンク84に貯水された清水L5は、ポンプP4の作用により経路106を介して、紫外線照射ユニット85に導入される。紫外線照射ユニット85では、清水L5に対して紫外線を照射し、清水L5内に残留する有機物等を破壊して殺菌した清水L6を生成する。紫外線照射ユニット85から排出された殺菌後の清水L6は、経路107、流路切換弁86を介して、イオン交換樹脂部87の、例えば、第1イオン交換樹脂部871に導かれる。第1イオン交換樹脂部871に導かれた清水L6は、清水L6に含まれる帯電した物質(イオン)がイオン交換作用により除去されて、清水L6から純水L7が生成される。
イオン交換樹脂部87から経路108に排出された純水L7は、精密フィルター88に導かれて、純水L7に残存する濾過部83以降に混入した不純物や、紫外線照射ユニット85において発生した有機物の分解物等が取り除かれる。精密フィルター88から排出された純水L8は、経路109を介して温度コントローラー89に導かれて、研削装置1において使用される研削水として好適な温度に調整され、純水供給手段として機能する温度コントローラー89に内蔵されたポンプ(図示は省略する)、又は温度コントローラー89に接続された経路110上のポンプP5(図1を参照)の作用により、再び研削装置1の研削手段3に導入され、研削水として使用される。なお、上記した精密フィルター88、及び温度コントローラー89の設置は任意であり、必要に応じて配設されるものである。
上記した実施形態によれば、研削装置1と加工廃液処理装置5の排水タンク81との間に、加工屑Dを除去する加工屑除去ユニット60と、加工屑除去ユニット60に供給される排水L1にCO2を供給するCO2供給部50を配設していることにより、加工屑除去ユニット60における加工屑Dの回収効率を向上させることができ、排水タンク81から送り出された排水を濾過する濾過部83の濾過フィルター(第1濾過フィルター831、第2濾過フィルター832)の寿命が延びて、頻繁に濾過フィルターを交換しなければならず不経済であるという問題が解消する。また、研削装置1と加工屑除去ユニット60との経路に加工屑Dの量を検出する入口と出口とを有するパイプを備えた加工屑検出手段40を備え、排水L1に含まれる加工屑Dの量によってCO2供給部50及び加工屑除去ユニット60を選択的に使用することにより、イオン交換樹脂部87に導かれる清水L6に含まれるCO2の濃度が過剰に上昇することが回避されて、イオン交換樹脂部87の消耗を抑制することができる。さらに、本実施形態では、加工屑検出手段40のパイプ41を透明な細管で構成し、パイプ41の入口41aと出口41bとを連結するパイプ41よりも太いバイパス管47を配設していることにより、加工屑検出手段40を通過する排水L1の流れが円滑になり、排水L1に含まれる加工屑Dの検出が容易になる。
また、上記した実施形態では、加工廃液処理装置5を、研削装置1に適用する例を示したが、本発明はこれに限定されず、純水を加工水として使用するその他の加工装置(例えば、ダイシング装置)にも適用することも可能である。
1:研削装置
2:保持手段
21:チャックテーブル
21a:保持面
3:研削手段
31:回転軸
32:研削ホイール
33:研削砥石
34:電動モータ
35:Z軸移動基台
4:Z軸移動手段
5:加工廃液処理装置
10:装置ハウジング
12:ドレインホース
40:加工屑検出手段
41:パイプ
41a:入口
41b:出口
42:第1の分岐部
43:第1のバルブ
44:第2のバルブ
45:加工屑検出センサ
46:第2の分岐部
47:バイパス管
50:CO2供給部
51:CO2貯蔵タンク
52:混合器
60:加工屑除去ユニット
60a:導入口
60b:排出口
61:タンク
61a:ポンプ
63:加工屑回収手段
63a:貯水槽
64:加工屑分離機構
64a:陰極板
64b:下部ローラ
64c:上部ローラ
64d:電動モータ
64e:駆動ローラ
64f:従動ローラ
64g:無端ベルト
64h:直流電源
65:加工屑回収機構
80:純水生成装置
81:排水タンク
82:流路切換弁
83:濾過部
831:第1濾過フィルター
832:第2濾過フィルター
84:清水タンク
85:紫外線照射ユニット
86:流路切換弁
87:イオン交換樹脂部
871:第1イオン交換樹脂部
872:第2イオン交換樹脂部
88:精密フィルター
89:温度コントローラー
101:経路
101A:第1の分岐経路
101B:第2の分岐経路
102~110:経路
D:加工屑
W:ウエーハ
T:保護テープ
P1~P5:ポンプ
2:保持手段
21:チャックテーブル
21a:保持面
3:研削手段
31:回転軸
32:研削ホイール
33:研削砥石
34:電動モータ
35:Z軸移動基台
4:Z軸移動手段
5:加工廃液処理装置
10:装置ハウジング
12:ドレインホース
40:加工屑検出手段
41:パイプ
41a:入口
41b:出口
42:第1の分岐部
43:第1のバルブ
44:第2のバルブ
45:加工屑検出センサ
46:第2の分岐部
47:バイパス管
50:CO2供給部
51:CO2貯蔵タンク
52:混合器
60:加工屑除去ユニット
60a:導入口
60b:排出口
61:タンク
61a:ポンプ
63:加工屑回収手段
63a:貯水槽
64:加工屑分離機構
64a:陰極板
64b:下部ローラ
64c:上部ローラ
64d:電動モータ
64e:駆動ローラ
64f:従動ローラ
64g:無端ベルト
64h:直流電源
65:加工屑回収機構
80:純水生成装置
81:排水タンク
82:流路切換弁
83:濾過部
831:第1濾過フィルター
832:第2濾過フィルター
84:清水タンク
85:紫外線照射ユニット
86:流路切換弁
87:イオン交換樹脂部
871:第1イオン交換樹脂部
872:第2イオン交換樹脂部
88:精密フィルター
89:温度コントローラー
101:経路
101A:第1の分岐経路
101B:第2の分岐経路
102~110:経路
D:加工屑
W:ウエーハ
T:保護テープ
P1~P5:ポンプ
Claims (2)
- 加工装置から排出される排水から純水を生成する加工廃液処理装置であって、
排水を貯水する排水タンクと、該排水タンクから送り出された排水を濾過する濾過部と、該濾過部によって生成された清水を貯水する清水タンクと、該清水タンクから送り出された清水に紫外線を照射して有機物を破壊する紫外線照射ユニットと、該紫外線照射ユニットから送り出された清水から純水を生成するイオン交換樹脂部と、を少なくとも含み、
該加工装置と該排水タンクとの間に配設され排水に含まれる加工屑を電気泳動法によって回収部に付着させて除去する加工屑除去ユニットと、該加工屑除去ユニットに導入される排水にCO2を供給するCO2供給手段と、該加工装置と該加工屑除去ユニットとの経路に配設され排水中の加工屑の量を検出する入口と出口とを有するパイプを備えた加工屑検出手段と、該加工屑検出手段の該出口側に配設され第1の分岐経路と第2の分岐経路とに分岐する分岐部と、該第1の分岐経路に配設される第1のバルブと、該第2の分岐経路に配設される第2のバルブと、を備え、
該加工屑検出手段によって検出される排水中の加工屑が多いときは、該第1のバルブを開いて該第2のバルブを閉じ、該CO2供給手段及び該加工屑除去ユニットを経由して排水が該排水タンクに供給され、
該加工屑検出手段によって検出される排水中の加工屑が少ないときは、該第1のバルブを閉じて該第2のバルブを開き、該CO2供給手段及び該加工屑除去ユニットを経由せず、該第2の分岐経路を経由して排水が該排水タンクに供給される加工廃液処理装置。 - 該加工屑検出手段のパイプは透明な細管で構成され、該パイプの該入口と、該出口とを連結する該細管よりも太いバイパス管が配設される請求項1に記載の加工廃液処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020204044A JP2022091292A (ja) | 2020-12-09 | 2020-12-09 | 加工廃液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020204044A JP2022091292A (ja) | 2020-12-09 | 2020-12-09 | 加工廃液処理装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022091292A true JP2022091292A (ja) | 2022-06-21 |
Family
ID=82067059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020204044A Pending JP2022091292A (ja) | 2020-12-09 | 2020-12-09 | 加工廃液処理装置 |
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JP (1) | JP2022091292A (ja) |
-
2020
- 2020-12-09 JP JP2020204044A patent/JP2022091292A/ja active Pending
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