JP2022089913A - フレキシブルプリント配線板の製造方法、検査方法および検査装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フレキシブルプリント配線板の製造方法、検査方法および検査装置に関する。
ハードディスクドライブにおいて、フレキシブルプリント配線板(以下、単にFPCと称することがある)は、ヘッドICなどの電子部品を実装することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。上記した電子部品は、高温に発熱する場合があり、そのため、FPCに耐熱性が要求される。
そこで、例えば、FPCの耐熱性を評価するために、FPCを高温の油浴に浸漬し、その後、FPCを評価する方法(例えば、非特許文献1参照。)が提案されている。また、FPCを加熱炉に投入し、その後、加熱炉の設定温度を段階的に昇温させ、その後、FPCを評価する方法(例えば、非特許文献2参照。)が提案されている。
しかるに、電子部品は、FPCの厚み方向一方側のみに実装される。一方、非特許文献1および2で試験される環境は、FPCの厚み方向一方側および他方側の両方から加熱される。そのため、ハードディスクドライブにおけるFPCの周囲の環境と異なる。その結果、FPCの耐熱性を正確に評価できないという不具合がある。
本発明は、FPCの耐熱性を電子部品を実装する環境に即して正確に評価することのできるFPCの製造方法、検査方法および検査装置を提供する。
本発明(1)は、厚み方向を貫通する貫通穴を有する絶縁層と、前記絶縁層の前記厚み方向一方側に配置される第1導体層と、前記絶縁層の前記厚み方向他方側に配置される第2導体層と、前記貫通穴内に配置され、前記第1導体層および前記第2導体層を電気的に導通させる導通部とを備えるフレキシブルプリント配線板を準備する第1工程と、加熱体を、前記フレキシブルプリント配線板の前記厚み方向一方側のみから前記第1導体層に接触させて、前記フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価する第2工程とを備える、フレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第2工程において、加熱体を、フレキシブルプリント配線板の厚み方向一方側のみから第1導体層に接触させて、フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価するので、フレキシブルプリント配線板が発熱を生じる電子部品を実装する環境と同じまたは近似する環境で、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を評価することができる。そのため、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を正確に評価できる。その結果、耐熱性が正確に評価されたフレキシブルプリント配線板を製造することができる。
本発明(2)は、前記第1工程では、前記厚み方向に直交する方向に沿う平坦状の第1接触面を有する前記第1導体層を備える前記フレキシブルプリント配線板を準備し、前記第2工程では、平坦状の第2接触面を有する前記加熱体の前記第2接触面を、前記第1接触面に面接触させる、(1)に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第2工程では、平坦状の第2接触面を有する加熱体の第2接触面を、第1接触面に面接触させるので、電子部品を面状に実装する環境と同じにすることができ、フレキシブルプリント配線板の耐熱性をより一層正確に評価することができる。
本発明(3)は、前記第1工程において、前記導通部を、前記厚み方向に投影したときに前記第1接触面に含まれるように、配置する、(2)に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第1工程において、導通部を、厚み方向に投影したときに第1接触面に含まれるように、配置するので、加熱体からの熱を第1導体層を介して導通部に迅速に伝導させることができる。そのため、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を正確に評価できる。その結果、耐熱性が正確に評価されたフレキシブルプリント配線板を製造することができる。
本発明(4)は、前記第1工程において、前記導通部を複数配置する、(1)~(3)のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第1工程において、導通部を複数配置するので、第2工程において、複数の導通部の電気特性を評価すれば、フレキシブルプリント配線板の電気特性をより正確に評価することができる。
本発明(5)は、前記第1工程では、前記フレキシブルプリント配線板を複数備えるフレキシブルプリント配線板集合体を準備し、前記複数のフレキシブルプリント配線板は、製品となる製品フレキシブルプリント配線板と、テストフレキシブルプリント配線板とを備え、前記第2工程では、前記加熱体を、前記テストフレキシブルプリント配線板の前記第1導体層に接触させる、(1)~(4)のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
この製造方法によれば、第2工程では、加熱体を、テストフレキシブルプリント配線板の第1導体層に接触させるので、製品フレキシブルプリント配線板の熱による損傷を抑制することができる。
本発明(6)は、前記フレキシブルプリント配線板の電気抵抗の変化を連続して測定する、(1)~(5)のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
非特許文献1および2の方法であれば、フレキシブルプリント配線板を油浴および加熱炉で加熱した後、取り出して、フレキシブルプリント配線板を評価している。
一方、この製造方法によれば、フレキシブルプリント配線板を加熱しているときに、その電気抵抗の変化を連続して測定するので、フレキシブルプリント配線板が実際に受ける熱履歴に対応して、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を正確に評価することができる。
本発明(7)は、前記第2工程は、前記加熱体を加熱する加熱工程と、前記加熱体の温度を維持する維持工程と、前記加熱体を冷却する冷却工程との少なくともいずれかの工程を備える、(1)~(6)のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
この製造方法では、第2工程が、加熱体を加熱する加熱工程と、加熱体の温度を維持する維持工程と、加熱体を冷却する冷却工程との少なくともいずれかの工程を備えるので、実際のフレキシブルプリント配線板の周囲の環境に応じて、第2工程を設定して実施することができる。
本発明(8)は、前記第2工程は、前記加熱工程を備え、前記加熱工程は、互いに異なる温度に設定する、(7)に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法を含む。
この製造方法の加熱工程では、加熱体の温度を互いに異なる温度に設定するので、より実際のフレキシブルプリント配線板の周囲の環境に応じて、加熱工程を実施することができる。
本発明(9)は、厚み方向を貫通する貫通穴を有する絶縁層と、前記絶縁層の前記厚み方向一方側に配置される第1導体層と、前記絶縁層の前記厚み方向他方側に配置される第2導体層と、前記貫通穴内に配置され、前記第1導体層および前記第2導体層を電気的に導通させる導通部とを備える前記フレキシブルプリント配線板を準備する第1工程と、加熱体を、前記フレキシブルプリント配線板の前記厚み方向一方側のみから前記第1導体層に接触させて、前記フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価する第2工程とを備える、フレキシブルプリント配線板の検査方法を含む。
このフレキシブルプリント配線板の検査方法では、第2工程において、加熱体を、フレキシブルプリント配線板の厚み方向一方側のみから第1導体層に接触させて、フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価するので、フレキシブルプリント配線板がフレキシブルプリント配線板を実装する環境と同じまたは近似する環境で、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を評価することができる。そのため、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を、電子部品を実装する環境に即して正確に評価できる。
本発明(10)は、(9)に記載のフレキシブルプリント配線板の検査方法に用いられるフレキシブルプリント配線板の検査装置であり、前記加熱体と、前記フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価する評価装置とを備える、フレキシブルプリント配線板の検査装置を含む。
このフレキシブルプリント配線板の検査装置では、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を、電子部品を実装する環境に即して正確に評価することができる。
本発明(11)は、前記加熱体は、平坦状の接触面を有する、(10)に記載のフレキシブルプリント配線板の検査装置を含む。
このフレキシブルプリント配線板の検査装置では、加熱体は、平坦状の接触面を有するので、加熱体を、第1導体層に面接触させることができる。そのため、フレキシブルプリント配線板が電子部品を面状に実装する環境と同じにすることができ、フレキシブルプリント配線板の耐熱性をより一層正確に評価することができる。
本発明(12)は、前記加熱体は、連続して加熱および冷却可能である、(10)または(11)に記載のフレキシブルプリント配線板の検査装置を含む。
加熱体は、連続して加熱および冷却可能であるので、フレキシブルプリント配線板を、電子部品を実装する環境に即した熱履歴を、フレキシブルプリント配線板に付与して、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を正確に評価することができる。
本発明(13)は、前記評価装置は、前記フレキシブルプリント配線板の電気抵抗の変化を連続して測定することができる抵抗測定器である、(10)~(12)のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の検査装置を含む。
この検査装置によれば、抵抗測定器が、フレキシブルプリント配線板の電気抵抗の変化を連続して測定するので、フレキシブルプリント配線板が実際に受ける熱履歴に対応して、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を正確に評価することができる。
本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法によれば、耐熱性が正確に評価されたフレキシブルプリント配線板を製造することができる。
本発明の検査方法および検査装置によれば、フレキシブルプリント配線板の耐熱性を、電子部品を実装する環境に即して正確に評価できる。
図3~図5において、紙面上下方向は、厚み方向の一例としての上下方向であり、紙面上側が上側(厚み方向一方側の一例)、紙面下側が下側(厚み方向他方側の一例)の一例である。図3~図5において、紙面左右方向は、厚み方向に対する直交方向の一例である面方向(長手方向)である。
具体的には、方向は、各図面に記載の方向矢印に準拠する。
これらの方向の定義により、テストFPC2およびFPC集合体1(後述)の製造時、検査時および使用時の向きを限定する意図はない。
図1に示すように、本発明のFPCの製造方法の一実施形態は、FPC集合体1の製造方法である。FPC集合体1の製造方法は、FPC集合体1を準備する第1工程と、FPC集合体1が備えるテストFPC2(後述)の電気特性を評価する第2工程とを備える。
FPC集合体1は、例えば、ロールトゥロール法によって搬送方向に沿って繰り出されて製造される長尺シート3をその幅方向に沿って切断したシートである。FPC集合体1は、長尺シート3の幅方向に長い平面視略矩形シート形状を有する。FPC集合体1は、製品FPC4と、テストFPC2とを備える。
製品FPC4は、FPC集合体1において、互いに間隔を隔てて複数配置されている。複数の製品FPC4のそれぞれは、テストFPC2に備えられる導通部14、第1導体層15および第2導体層16(後述)を適宜のパターンで有する。
テストFPC2は、複数の製品FPC4の外側に複数(2つ)配置されている。
次に、2つのテストFPC2のうち、一方のテストFPC2を説明する。なお、他方のテストFPC2は、一方のテストFPC2と同一の構成を有する。
図2A~図3に示すように、テストFPC2は、長手方向に延びる略シート形状を有する。なお、テストFPC2の長手方向は、長尺シート3(図1参照)の長手方向に相当する。テストFPC2は、絶縁層5と、導体パターン6とを備える。
絶縁層5は、長手方向に延びるシート形状を有する。絶縁層5は、互いに平行する絶縁上面9および絶縁下面10を有する。絶縁上面9および絶縁下面10のそれぞれは、平坦状である。また、図3の拡大図で示すように、絶縁層5は、厚み方向を貫通する貫通孔の一例としての絶縁貫通孔7を有する。絶縁貫通孔7は、面方向(長手方向および幅方向)に間隔を隔てて複数配置されている。複数の絶縁貫通孔7のそれぞれは、例えば、平面視略円形状を有する。複数の絶縁貫通孔7に臨む絶縁層5の絶縁内側面8は、下側に向かって面方向外側に傾斜するテーパ面である。つまり、絶縁内側面8は、下側に向かって開口断面積が次第に大きくなる円錐台の斜面(錘面)に相当する。
絶縁層5の材料としては、例えば、後述する第2工程において耐久でき、かつ可撓性を有する樹脂などが挙げられる。具体的には、絶縁層5の材料としては、例えば、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂が挙げられ、好ましくは、ポリイミド樹脂が挙げられる。絶縁層5の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上、例えば、25μm以下、好ましくは、15μm以下である。絶縁貫通孔7の内径(最小径、対向する絶縁内側面8間の距離の最小値)は、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1500μm以下である。複数の絶縁貫通孔7のピッチ(絶縁貫通孔7の内径と隣接する絶縁貫通孔7間の距離との総和)は、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。
図2Aに示すように、導体パターン6は、被検査パターン11と、端子部12と、連結部13とを一体的に備える。
被検査パターン11は、テストFPC2における長手方向略中央部に配置される。被検査パターン11は、平面視略蛇行状(葛折り状またはサーペンタイン状)を有する。これにより、図2Aの太線で示すように、被検査パターン11は、平面視において、蛇行する導電パスPを形成する。なお、図3に示すように、後述する被検査パターン11は、その断面視において、絶縁層5の絶縁上面9および絶縁下面10において交互に進行する蛇行パターンでもある。
図2Aおよび図2Bに示すように、端子部12は、被検査パターン11の長手方向両側に互いに間隔を隔てて複数(4つ)配置されている。
連結部13は、例えば、平面視略直線形状を有しており、被検査パターン11および端子部12を連結している。
また、図2A~図3に示すように、導体パターン6は、導通部14と、第1導体層15と、第2導体層16とを備える。
導通部14は、複数の絶縁貫通孔7に対応して複数設けられている。具体的には、導通部14は、被検査パターン11の蛇行パターンに沿って、互いに間隔を隔てて複数(30個)配置されている。複数の導通部14のそれぞれは、複数の絶縁貫通孔7内のそれぞれに充填されている。具体的には、導通部14は、面方向に投影したときに、絶縁層5に重複しており、より詳しくは、絶縁上面9および絶縁下面10間に位置している。導通部14は、絶縁内側面8と、絶縁貫通孔7の上側に位置する第1導体層15(後述)の下面と、絶縁貫通孔7の下側に位置する第2導体層16(後述)の上面とに接触している。これにより、導通部14は、第1導体層15(後述)と第2導体層16(後述)とを電気的に導通させている。
導通部14の材料としては、例えば、銅、ニッケル、金、または、これらの合金などの導体が挙げられ、好ましくは、銅が挙げられる。導通部14の厚みは、絶縁層5の厚みと同一である。
第1導体層15は、絶縁層5の絶縁上面9に配置されるとともに、絶縁貫通孔7の上端縁を閉塞するパターンを有する(パターン状のシートである)。第1導体層15は、絶縁上面9の上側に配置されている。第1導体層15は、互いに平行する第1導体上面26および第1導体下面27を有する。第1導体上面26および第1導体下面27は、平坦状である。第1導体上面26は、上側に露出している。第1導体下面27は、絶縁上面9、および、導通部14の上面に接触している。
また、第1導体層15は、被検査パターン11と、端子部12と、連結部13とを形成している。
被検査パターン11は、上記した導通部14、第1導体層15と、第2導体層16(後述)とから形成されている。
被検査パターン11を形成する第1導体層15は、被検査パターン11の導電パスPに沿って隣接する2つの導通部14を含む複数の第1連結パターン17と、導電パスPの両端部のそれぞれの導通部14を含む2つの孤立パターン18とを独立して有する。各第1連結パターン17は、導電パスPに沿って隣接する2つの導通部14を含むが、その2つの導通部14と導電パスPに沿って隣接する導通部14を含まないように配置されている。そのため、隣接する第1連結パターン17は、互いに独立している。また、第1導体層15は、複数の導通部14のすべての上面と面接触している。
被検査パターン11における第1導体上面26は、第1接触面の一例である。つまり、被検査パターン11における第1導体上面26は、複数の第1連結パターン17のそれぞれの上面と、2つの孤立パターン18のそれぞれの上面とを形成しており、これらの上面は、面方向に互いに独立するが、同一の平面を形成する。詳しくは、複数の第1連結パターン17の第1導体上面26と、2つの孤立パターン18の第1導体上面とは、それらに沿う1つの仮想平面を形成でき、この仮想平面は、テストFPC2の面方向に沿う。そのため、被検査パターン11における第1導体上面26は、第2工程における加熱体30の板下面35(後述)と面接触可能な面である。
第1導体層16の材料としては、比較的剛性を有する材料が挙げられ、具体的には、上記した導体が挙げられる。第1導体層16の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下である。
第2導体層16は、絶縁層5の絶縁下面10に配置されるとともに、絶縁貫通孔7の下端縁の周端を遮蔽する第2連結パターン25を有する。第2導体層16は、平面視において、第1導体層15と部分的に重複する。
第2連結パターン25は、上記した第1連結パターン17および孤立パターン18とともに、被検査パターン11を形成する。第2連結パターン25は、導電パスPに隣接する2つの導通部14を含むように、複数配置されている。各第2連結パターン25は、平面視において、隣接する2つの導通部14を含む一方、第1連結パターン25に対して、1つの導通部14分だけ、導電パスPに沿ってずれて、形成されている。また、各第2連結パターン25は、導電パスPに沿って隣接する2つの導通部14を含むが、その2つの導通部14と導電パスPに沿って隣接する導通部14を含まないように配置されている。そのため、隣接する第2連結パターン25は、互いに独立している。
また、第2導体層16は、例えば、第3導体層19および第4導体層20を下側に向かって順に備える。
第3導体層19は、絶縁層5の絶縁下面10に接触する。つまり、第3導体層19は、絶縁下面10の下側に配置されている。第3導体層19の上面および下面は、ともに平坦状である。また、第3導体層19は、絶縁層5の絶縁内側面8と面一な導体内側面21を有する。なお、第3導体層19は、第4導体層20をめっきで形成するとき(図4C参照)の下地(種膜)となる。
第4導体層20は、第3導体層19の下面および導体内側面21に配置されている。導体内側面21に配置される第4導体層20は、絶縁内側面8に接触する導通部14に連続している。具体的には、第4導体層20は、第3導体層19の下面の端縁から絶縁貫通孔7の内側に延びるに従って、上側に向かって、第3導体層19の導体内側面21に沿って屈曲し、導通部14の周端部の下部に連続する断面視略L形状を有する。また、第4導体層20は、複数の導通部14のすべての下面と面接触している。
第2導体層16(第3導体層19および第4導体層20)の材料としては、上記した導体が挙げられる。第2導体層16の厚みは、第3導体層19および第4導体層20の総厚みであり、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、40μm以下である。また、第3導体層19および第4導体層20のそれぞれの厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下である。
この導体パターン6では、一の端子部12からそれに対応する連結部13を介して、被検査パターン11における導電パスPに沿って通過し、他の端子部12にそれに対応する連結部13を介して電気が流れる。電気は、被検査パターン11において、平面視では、導電パスPに沿って流れる。また、電気は、被検査パターン11において、導電パスPに沿う断面視では、絶縁層5の上下両面に配置される第1導体層15と第2導体層16とを、導通部14を介して、交互に進行する。例えば、電気は、絶縁層5の上面において、第1導体層15の第1連結パターン17に沿って流れ、絶縁貫通孔7の上側において、導通部14を介して、下側に進み、次いで、絶縁層5の下面において、第2導体層16の第2連結パターン25に沿って進み、絶縁貫通孔7の下側において、導通部14を介して、上側に進み、再度、絶縁層5の上面において、第1導体層15の第1連結パターン17に沿って流れており、これらが繰り返される。
なお、4つの端子部12のうち、2つの端子部12では、導電パスPの両端部から電気が入出力され、残りの2つの端子部12では、導電パスPの途中から電気が入出力される。
第1工程では、上記したFPC集合体1を製造(準備)する。
図4Aに示すように、FPC集合体1を製造(準備)するには、まず、絶縁層5と、その絶縁上面9および絶縁下面10のそれぞれに配置された第1導体層15および第3導体層19とを備える3層基材22を準備する。つまり、3層基材22は、第3導体層19と、絶縁層5と、第1導体層15とを上側に向かって順に備える。3層基材22において、第3導体層19は、絶縁層5の絶縁下面10の全面に配置され、また、第1導体層15は、絶縁層5の絶縁上面9の全面に配置されている。
図4Bに示すように、次いで、絶縁貫通孔7を絶縁層5に形成する。具体的には、絶縁貫通孔7を絶縁層5に形成するとともに、導体貫通孔23を第3導体層19に形成する。
絶縁貫通孔7および導体貫通孔23とは、厚み方向に連通する。なお、絶縁貫通孔7および導体貫通孔23の形成と同時に、絶縁層5において、第2導体層16のパターン(次の工程で形成されるパターン)以外の部位(図5Bにおける左右両端部)を除去する。
絶縁貫通孔7および導体貫通孔23とは、厚み方向に連通する。なお、絶縁貫通孔7および導体貫通孔23の形成と同時に、絶縁層5において、第2導体層16のパターン(次の工程で形成されるパターン)以外の部位(図5Bにおける左右両端部)を除去する。
絶縁貫通孔7および導体貫通孔23を形成する方法として、例えば、レーザー加工、エッチングなどが挙げられ、好ましくは、レーザー加工が挙げられる。
図4Cに示すように、次いで、第4導体層20および導通部14を設ける。
例えば、まず、第4導体層20および導通部14を形成しない部位に、めっきレジスト(図示せず)を配置し、続いて、めっきにより、第3導体層19を種膜(給電層)として、第4導体層20および導通部14を形成し、その後、めっきレジストを除去する。
これにより、第4導体層20および導通部14が、互いに連続するめっき層としての連続層24が形成される。これにより、第3導体層19および第4導体層20を備える第2導体層16を形成するともに、第1導体層15および第2導体層16を導通させる導通部14を形成する。
これにより、導通部14、第1導体層15および第2導体層16を備える、製品FPC4(図1参照)およびテストFPC2を備える長尺シート3を得る。
その後、図1が参照されるように、長尺シート3を幅方向に沿って切断して、FPC集合体1を得る。これにより、FPC集合体1を準備する。
次に、図5に示すように、テストFPC2の電気特性を評価する第2工程を実施する。
第2工程を実施するには、まず、検査装置(FPCの検査装置の一例)28を準備する。検査装置28は、例えば、電源29と、加熱体30と、評価装置の一例としての抵抗測定器31とを備える。なお、検査装置28は、必要により、例えば、ペルチェ素子、エアブロアなどの冷却装置(図示せず)を備えることもできる。
電源29は、加熱体30に電圧を連続的に印加可能である。
加熱体30は、電源29と電源配線32を介して電気的に接続されている。加熱体30の材料は、例えば、電熱材料(電気エネルギーによって発熱する材料)である。加熱体30は、板部33と、板部33の両端に連続し、上側に折れ曲がる折曲部34とを有する。
板部33は、面方向に延びるシート形状を有しており、第2接触面(接触面)の一例である板下面35と板上面38とを有する。板下面35と板上面38とは、互いに平行しており、ともに平坦状である。また、板部33は、板部33をテストFPC2に接触させたときに、被検査パターン11と重複する一方、端子部12および連結部13と重複しない平面視形状および寸法を有する。
抵抗測定器31としては、例えば、4端子抵抗測定機などが挙げられる。
抵抗測定器31は、測定配線36に接続されている。なお、抵抗測定器31には、図示しないCPUなどを備える計算装置(図示せず)が接続されている。
抵抗測定器31は、測定配線36に接続されている。なお、抵抗測定器31には、図示しないCPUなどを備える計算装置(図示せず)が接続されている。
冷却装置(図示せず)は、加熱体30の近傍に設けられており、その使用の際には、加熱体30の板上面38に接触可能である。
これにより、検査装置28において、加熱体30は、連続して加熱および冷却可能である。
続いて、はんだ37をテストFPC2の端子部12の上面(第1導体上面26)に設けて、図2Aの仮想線が参照されるように、被検査パターン11を、連結部13、端子部12、はんだ37および測定配線36を介して、抵抗測定器31に電気的に接続する。
続いて、抵抗測定器31によって、図示しない計算装置の処理に基づいて、被検査パターン11の電気特性の変化(抵抗変化率や抵抗変化量など)が予備的に測定される。この際、被検査パターン11には、後述する加熱体30がまだ接触されていないので、通常、被検査パターン11の電気特性の変化に異常などが検知されない。
続いて、板下面35がテストFPC2の上面に向いた状態で、加熱体30を下降させて、板下面35を、被検査パターン11の第1導体上面26のみに接触させる。つまり、板部33を、テストFPC2の上側のみから第1導体層15に接触させる。具体的には、板下面35を、被検査パターン11における第1導体上面26のみに面接触させる。このとき、板下面35は、平面視において、複数の導通部14の全部を包含する。また、このとき、テストFPC2の下面を支持台(図示せず)で支持してもよい。支持台は、室温(具体的には、25℃)に設定されている。あるいは、テストFPC2の下面を支持しなくてもよい。この場合には、テストFPC2の下面は、室温(25℃)の空気に暴露されている。
続いて、所定の温度プログラムで、加熱体30を加熱(加熱工程)、加熱体30の温度を維持(維持工程)、および、加熱体30を冷却(冷却工程)する。
加熱工程において、加熱体30を加熱するには、電源29から所定の電圧を加熱体30に印加して、加熱体30を発熱させる。
すると、加熱体30の熱が、板下面35から第1導体上面26に伝導する。さらには、かかる熱は、第1導体層15の第1導体上面26から、下側に向かって伝導し、ひいては、導通部14および第2導体層16に、順に伝導する。
維持工程において、加熱体30の温度を維持するには、すでに加熱(あるいは冷却)された加熱体30の温度が上昇および下降しないように、電源29において印加する電圧を調整する。
冷却工程において、加熱体30を冷却するには、電源29における電圧の印加を解除し、加熱または温度が維持された加熱体30を放冷(徐冷)する。あるいは、必要により、冷却装置(図示せず)を板上面38に接触あるいは近接させて、加熱体30を急冷する。
温度プログラムは、例えば、加熱工程S1、維持工程S2および冷却工程S3のいずれかの工程を有すればよく、特に限定されず、具体的には、図6A~図6Cで示す第1~第3プログラムが挙げられる。以下、第1~第3プログラムを順に説明する。
図6Aに示すように、第1プログラムは、1つの加熱工程S1と、1つの維持工程S2と、1つの冷却工程S3とを順に備える。加熱工程S1における昇温速度は、例えば、0.1℃/秒以上、好ましくは、1℃/秒以上であり、また、例えば、100℃/秒以下、好ましくは、10℃/秒以下である。加熱工程S1における昇温時間t1は、上記した昇温速度および次に記載する維持工程の温度T1に対応して適宜設定される。維持工程における維持温度T1は、加熱工程S1における昇温最終温度であって、例えば、90℃以上、好ましくは、130℃以上であり、また、例えば、300℃以下、好ましくは、180℃以下である。維持工程における維持時間t2は、例えば、1秒以上、好ましくは、10秒以上であり、また、例えば、1000秒以下、好ましくは、100秒以下である。冷却工程における降温速度および時間は、特に限定されない。
図6Bに示すように、第2プログラムにおいて、特に記載しない工程および条件は、第1プログラムのそれらと同様であり、その記載を省略する。第2プログラムは、加熱工程S1において、互いに異なる温度に加熱体30を加熱するように設定される。具体的には、第2プログラムでは、ステップ状(階段状)で、加熱体30を加熱する。加熱工程S1は、第1加熱工程S4および第2加熱工程S5を順に備える。また、維持工程S2は、第1維持工程S6および第2維持工程S7を順に備える。詳しくは、第2プログラムは、第1加熱工程S4、第1維持工程S6、第2加熱工程S5、第2維持工程S7、および、冷却工程S3を、順に備える。
第1加熱工程S4および第2加熱工程S5における昇温速度および時間は、第1プログラムにおける加熱工程S1から適宜選択される。
第1維持工程S6の維持温度T2は、第2維持工程S7の維持温度T3に対して、例えば、10℃以上低く、好ましくは、20℃以上低く、より好ましくは、30℃以上低く、また、例えば、100℃以下低い。第1維持工程S6の維持温度T2は、例えば、70℃以上、好ましくは、110℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。
第2維持工程S7の維持温度T3は、第1プログラムにおける維持工程S2の温度と同一である。
第2維持工程S7の維持温度T3は、第1プログラムにおける維持工程S2の温度と同一である。
図6Cに示すように、第3プログラムにおいて、特に記載しない工程および条件は、第1および第2プログラムのそれらと同様であり、その記載を省略する。第3プログラムは、冷却工程において、互いに異なる温度に加熱体30を冷却するように設定される。具体的には、第3プログラムでは、ステップ状(階段状)で、加熱体30を冷却する。冷却工程S3は、第1冷却工程S8および第2冷却工程S9を備える。また、維持工程S2は、第2維持工程S7および第1維持工程S6を順に備える。詳しくは、第3プログラムは、加熱工程S1、第2維持工程S7、第1冷却工程S8、第1維持工程S6、および、第2冷却工程S9を、順に備える。第1冷却工程S8の降温速度は、例えば、第2プログラムにおける第2加熱工程S5の昇温速度と同一である。
一方で、加熱体30に対して上記した温度プログラムを実行している間中、被検査パターン11の電気特性の変化(抵抗変化率や抵抗変化量)を連続して測定する。
すると、加熱体30に対する上記した温度プログラムの実行中、例えば、導通部14と、第1導体層15の第1導体下面27との接触が解除(一部解除)されると、これに起因して、被検査パターン11の抵抗が上昇する。そうすると、被検査パターン11の電気特性の変化(抵抗変化率や抵抗変化量)が検知される。これにより、このテストFPC2を含むFPC集合体1は、次に説明する電子部品の実装に不適となることから、不良品と判別される。その後、不良品と判別されたFPC集合体1は、選別され、廃棄される。
一方、加熱体30に対する上記した温度プログラムの実行中、例えば、導通部14と、第1導体層15の第1導体下面27との接触が継続すれば、被検査パターン11の抵抗が上昇せず、被検査パターン11の電気特性の変化(抵抗変化率や抵抗変化量)も検知されない。そのため、このテストFPC2を含むFPC集合体1は、電子部品の実装に適するから、良品と判別される。
一方、良品と判別されたFPC集合体1における複数の製品FPC4を、個片化し、製品FPC4の上面にヘッドICなどの電子部品(具体的には、駆動に基づいて発熱する発熱部品)を実装する。これとともに、製品FPC4は、例えば、ハードディスクドライブなどに搭載される。
そして、この製造方法によれば、第2工程において、加熱体30を、テストFPC2の上側のみから第1導体層15に接触させて、テストFPC2の電気特性を評価するので、製品FPC4が発熱を生じる電子部品を実装する環境と同じまたは近似する環境で、テストFPC2の耐熱性を評価することができる。そのため、テストFPC2の耐熱性を正確に評価できる。その結果、耐熱性が正確に評価されたテストFPC2を備えるFPC集合体1を製造することができる。
この製造方法によれば、第2工程では、板部33における平坦状の板下面35を、被検査パターン11の第1導体上面26に面接触させるので、第2工程における環境を、電子部品を製品FPC4に面状に実装する環境と同じにすることができ、テストFPC2の耐熱性をより一層正確に評価することができる。
この製造方法によれば、第1工程において、導通部14を、厚み方向に投影したときに第1導体上面26に含まれるように、配置するので、加熱体30からの熱を第1導体層15を介して導通部14に迅速に伝導させることができる。そのため、テストFPC2の耐熱性を正確に評価できる。その結果、耐熱性が正確に評価されたテストFPC2を備えるFPC集合体1を製造することができる。
また、この製造方法によれば、第1工程において、複数(30個)の導通部14を被検査パターン11に備え、第2工程において、かかる被検査パターン11の電気特性を評価するので、テストFPC2の電気特性をより正確に評価することができる。
この製造方法によれば、第2工程では、加熱体30を、テストFPC2の第1導体層15に接触させるので、製品FPC4の熱による損傷を抑制することができる。
また、非特許文献1および2の方法であれば、FPCを油浴および加熱炉で加熱した後、取り出して、FPCを評価している。
一方、この製造方法によれば、テストFPC2を加熱しているときに、その電気抵抗の変化を連続して測定するので、製品FPC4が実際に受ける熱履歴に対応して、テストFPC2の耐熱性を正確に評価することができる。
また、この製造方法の第2工程では、上記した温度プログラムが、加熱体30を加熱する加熱工程S1と、加熱体30の温度を維持する維持工程S2と、加熱体30を冷却する冷却工程S3とを備えるので、実際の製品FPC4の周囲の環境に応じて、第2工程を設定して実施することができる。
とりわけ、第2プログラムおよび第3プログラムでは、加熱体30の温度を互いに異なる温度に設定するので、より実際のFPCの周囲の環境に応じて、加熱工程S2を実施することができる。
このFPCの検査方法では、第2工程において、加熱体30を、テストFPC2の上側のみから第1導体層15に接触させて、テストFPC2の電気特性を評価するので、製品FPC4が電子部品(図示せず)を実装する環境と同じまたは近似する環境で、テストFPC2の耐熱性を評価することができる。そのため、テストFPC2の耐熱性を、製品FPC4が電子部品を実装する環境に即して、正確に評価できる。
このFPCの検査装置28では、テストFPC2の耐熱性を、製品FPC4が電子部品を実装する環境に即して、正確に評価することができる。
この検査装置28では、加熱体30は、平坦状の板下面35を有するので、加熱体30を、第1導体層15に面接触させることができる。そのため、製品FPC4が電子部品を面状に実装する環境と同じにすることができ、テストFPC2の耐熱性をより一層正確に評価することができる。
加熱体30は、連続して加熱および冷却可能であるので、製品FPC4が電子部品を実装する環境に即した熱履歴を、テストFPC2に付与して、テストFPC2の耐熱性を正確に評価することができる。
抵抗測定器31が、テストFPC2の電気抵抗の変化を連続して測定することができるので、製品FPC4が実際に受ける熱履歴に対応して、テストFPC2の耐熱性を正確に評価することができる。
[変形例]
以下の変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例を適宜組み合わせることができる。さらに、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[変形例]
以下の変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例を適宜組み合わせることができる。さらに、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
端子部12の数は、特に限定されず、図7A~図9Cに示すように、例えば、2つであってもよい。
図7A~図7Cに示すように、2つの端子部12のそれぞれは、被検査パターン11に対して、長手方向両側のそれぞれに配置されている。一の端子部12は、孤立パターン18と連結部13を介して、電気的に接続されている。他の端子部12は、第1連結パターン17と連結部13を介して、電気的に接続されている。被検査パターン11は、平面視S字形状を有する。導通部14は、被検査パターン11のS字パターンに沿って、15個設けられている。
図8A~図8Cに示すように、2つの端子部12は、ともに、被検査パターン11に対して、長手方向一方側に配置されている。被検査パターン11は、長手方向一方側に向かって開く平面視U字形状を有する。導通部14は、被検査パターン11のU字パターンに沿って、20個設けられている。
第1連結パターン17および第2連結パターン25のそれぞれの形状は、特に限定されず、例えば、図9A~図9Cに示すように、対応する2つの導通部14の間において、平面視直線形状であってもよい。
また、図示しないが、絶縁層5の絶縁内側面8を、厚み方向に沿って延びるストレート面とすることもできる。
また、図示しないが、導通部14は、1つであってもよい。
また、一実施形態では、第2導体層16を、第3導体層19および第4導体層20の2層から形成したが、例えば、図示しないが、1層で形成することもできる。
また、図3に示すように、第2導体層16における第3導体層19および第4導体層20の境界を明確に描画しているが、それらの境界が不明瞭であり、渾然一体となっていてもよい。
また、図示しないが、導通部14の厚みは、第1導体層15と第2導体層16とを導電させていれば、絶縁層5の厚みより薄くてもよい。
また、一実施形態の第2工程では、テストFPC2の電気特性を評価した。しかし、製品FPC4そのものの電気特性を評価することもできる。この場合には、第1工程において、FPC集合体1において、製品FPC4のみを配置することができる。そのため、FPC集合体1にテストFPC2を設けるスペースを確保する必要がなく、その結果、FPC集合体1における製品FPC4の歩留まりを向上させることができる。
一方、一実施形態では、製品FPC4の耐熱性を実際に評価する代わりに、テストFPC2を評価するので、製品FPC4の熱による損傷を抑制することができる。
また、一実施形態の第2工程では、テストFPC2を、FPC集合体1に設けられた状態で、その電気特性を予め評価しているが、例えば、テストFPC2を、FPC集合体1から切り離してから、テストFPC2の電気特性を評価することができる。
一実施形態では、板下面35が第1導体上面26に接触する前から、被検査パターン11の電気特性の変化を測定したが、例えば、板下面35が第1導体上面26に接触すると同時(または直後)に、被検査パターン11の電気特性の変化を測定することもできる。
また、第2工程における温度プログラムは、上記に限定されない。例えば、第3プログラムでは、加熱体30を2段階で加熱しているが、3段階以上でもよい。図6Dに示すように、例えば、加熱体30を3段階で加熱する第4プログラムでは、加熱工程S1は、第1加熱工程S4、第2加熱工程S5、および、第3加熱工程S10を順に備える。また、維持工程S2は、第1維持工程S6、第2維持工程S7、および、第3維持工程S11を順に備える。詳しくは、第4プログラムは、第1加熱工程S4、第1維持工程S6、第2加熱工程S5、第2維持工程S7、第3加熱工程S10、第3維持工程S11、および、冷却工程S3を、順に備える。
また、各プログラムの回数は、特に限定されず、図6Eに示すように、第1プログラムを複数回(例えば、3回)実施する第5プログラムであってもよい。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
図1に示すように、製品FPC4と、テストFPC2とを備える長尺シート3を切断して、製品FPC4と、テストFPC2とを備えるFPC集合体1を製造して、第1工程を実施した。なお、図3に示すように、テストFPC2は、ポリイミド樹脂からなる絶縁層5と、銅からなる導通部14と、銅からなる第1導体層15と、銅からなる第2導体層16とを備える。導通部14の数は、30である。また、被検査パターン11は、平面視において、導通部14の全部を含む。
図1に示すように、製品FPC4と、テストFPC2とを備える長尺シート3を切断して、製品FPC4と、テストFPC2とを備えるFPC集合体1を製造して、第1工程を実施した。なお、図3に示すように、テストFPC2は、ポリイミド樹脂からなる絶縁層5と、銅からなる導通部14と、銅からなる第1導体層15と、銅からなる第2導体層16とを備える。導通部14の数は、30である。また、被検査パターン11は、平面視において、導通部14の全部を含む。
次いで、図5に示すように、検査装置28を準備した。検査装置28は、電源29と、加熱体30と、抵抗測定器31と、冷却装置とを備える。
次いで、はんだ37を、4つの端子部12のそれぞれに設けて、4つの端子部12を、測定配線36を介して、抵抗測定器31に電気的に接続した。
続いて、加熱体30の板下面35を、被検査パターン11の第1導体上面26に対して面接触させた。続いて、表1に記載の温度プログラムを実行するとともに、被検査パターン11の抵抗変化率や抵抗変化量を連続して測定した。これによって、テストFPC2の電気特性を評価して、第2工程を実施した(検査した)。
実施例2~実施例5
第2工程における温度プログラムを表1に従って変更した以外は、実施例1と同様に処理して、第2工程において、テストFPC2の電気特性を評価した。
第2工程における温度プログラムを表1に従って変更した以外は、実施例1と同様に処理して、第2工程において、テストFPC2の電気特性を評価した。
1 FPC集合体
2 テストFPC
4 製品FPC
5 絶縁層
7 絶縁貫通孔
15 第1導体層
19 第2導体層
26 第1導体上面
28 検査装置
30 加熱体
31 抵抗測定器
35 板下面
S1 加熱工程
S2 維持工程
S3 冷却工程
2 テストFPC
4 製品FPC
5 絶縁層
7 絶縁貫通孔
15 第1導体層
19 第2導体層
26 第1導体上面
28 検査装置
30 加熱体
31 抵抗測定器
35 板下面
S1 加熱工程
S2 維持工程
S3 冷却工程
Claims (12)
- 厚み方向を貫通する貫通穴を有する絶縁層と、
前記絶縁層の前記厚み方向一方側に配置される第1導体層と、
前記絶縁層の前記厚み方向他方側に配置される第2導体層と、
前記貫通穴内に配置され、前記第1導体層および前記第2導体層を電気的に導通させる複数の導通部とを備えるフレキシブルプリント配線板であって、前記第1導体層が、平面視において複数の前記導通部が並ぶ導電パスを形成する被検査パターンを有しており、前記被検査パターンは、前記導電パスに沿って隣接する2つの前記導通部をそれぞれ含む複数の第1連結パターンと、前記導電パスの両端部の前記導通部を含む孤立パターンとを、互いに独立して有する前記フレキシブルプリント配線板を準備する第1工程と、
加熱体を、前記フレキシブルプリント配線板の前記厚み方向一方側のみから前記第1導体層の前記被検査パターンに接触させて、前記フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価する第2工程と
を備えることを特徴とする、フレキシブルプリント配線板の製造方法。 - 前記第1工程では、前記厚み方向に直交する方向に沿う平坦状の第1接触面を有する前記第1導体層を備える前記フレキシブルプリント配線板を準備し、
前記第2工程では、平坦状の第2接触面を有する前記加熱体の前記第2接触面を、前記第1接触面に面接触させることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。 - 前記第1工程において、前記導通部を、前記厚み方向に投影したときに前記第1接触面に含まれるように、配置することを特徴とする、請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
- 前記第1工程では、前記フレキシブルプリント配線板を複数備えるフレキシブルプリント配線板集合体を準備し、
前記複数のフレキシブルプリント配線板は、製品となる製品フレキシブルプリント配線板と、テストフレキシブルプリント配線板とを備え、
前記第2工程では、前記加熱体を、前記テストフレキシブルプリント配線板の前記第1導体層に接触させることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。 - 前記フレキシブルプリント配線板の電気抵抗の変化を連続して測定することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
- 前記第2工程は、
前記加熱体を加熱する加熱工程と、
前記加熱体の温度を維持する維持工程と、
前記加熱体を冷却する冷却工程と
の少なくともいずれかの工程を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。 - 前記第2工程は、前記加熱工程を備え、
前記加熱工程は、互いに異なる温度に設定することを特徴とする、請求項6に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。 - 厚み方向を貫通する貫通穴を有する絶縁層と、
前記絶縁層の前記厚み方向一方側に配置される第1導体層と、
前記絶縁層の前記厚み方向他方側に配置される第2導体層と、
前記貫通穴内に配置され、前記第1導体層および前記第2導体層を電気的に導通させる
導通部とを備える複数の導通部とを備える前記フレキシブルプリント配線板であって、前記第1導体層が、平面視において複数の前記導通部が並ぶ導電パスを形成する被検査パターンを有しており、前記被検査パターンは、前記導電パスに沿って隣接する2つの前記導通部をそれぞれ含む複数の第1連結パターンと、前記導電パスの両端部の前記導通部を含む孤立パターンとを、互いに独立して有するフレキシブルプリント配線板を準備する第1工程と、
加熱体を、前記フレキシブルプリント配線板の前記厚み方向一方側のみから前記第1導体層に接触させて、前記フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価する第2工程と
を備えることを特徴とする、フレキシブルプリント配線板の検査方法。 - 請求項8に記載のフレキシブルプリント配線板の検査方法に用いられるフレキシブルプリント配線板の検査装置であり、
前記加熱体と、
前記フレキシブルプリント配線板の電気特性を評価する評価装置と
を備えることを特徴とする、フレキシブルプリント配線板の検査装置。 - 前記加熱体は、平坦状の接触面を有することを特徴とする、請求項9に記載のフレキシブルプリント配線板の検査装置。
- 前記加熱体は、連続して加熱および冷却可能であることを特徴とする、請求項9または10に記載のフレキシブルプリント配線板の検査装置。
- 前記評価装置は、前記フレキシブルプリント配線板の電気抵抗の変化を連続して測定することができる抵抗測定器であることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント配線板の検査装置。
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