JP2022088135A - 食器用洗浄剤 - Google Patents

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三美 河野
Mitsuyoshi Kono
結 富田
Yui Tomita
大輔 須田
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Abstract

【課題】複合汚れに対する洗浄力及びガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力に優れる食器用洗浄剤の提供。【解決手段】本発明の食器用洗浄剤は、(a)成分:界面活性剤と、(b)成分:キレート剤と、(c)成分:下記一般式(c1)で表されるアミン化合物と、を含有し、前記(b)成分/前記(c)成分で表される質量比が1~22であり、食器用洗浄剤の1質量%水溶液の25℃におけるpHが7.5以上である。[化1]TIFF2022088135000014.tif30170(式(c1)中、R31~R34はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基である。但し、R31及びR32が水素原子の場合、R33及びR34の少なくとも一方は炭素数1~4のアルキル基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、食器用洗浄剤に関する。
近年、ホテル、レストラン、給食センター等の厨房だけではなく、一般家庭においても、食器、調理器具等(洗浄対象物)を洗浄するための食器洗い機が普及してきている。食器洗い機による洗浄には、一般に、専用の洗浄剤(食器洗い機用洗浄剤)が用いられる。
食器洗い機用に用いられる液体洗浄剤組成物には、油汚れとでんぷん汚れとタンパク質汚れ等との有機物が混ざり合った複合汚れに対する高い洗浄力が求められる。また、食器洗い機の運転中に泡が溢れ出るオーバーフロー現象や、循環する水の中に泡が絡むことにより充分な噴射力が得られないエア噛み現象等が生じるおそれがあるため、低泡性(泡立ちが少ない性質)に優れることが求められる。
例えば、特許文献1には、アルカリ剤及び界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物が開示されている。特許文献1の液体洗浄剤組成物によれば、洗浄力、低泡性、貯蔵安定性、仕上がり性が高められる。
また、特許文献2には、アルカリ剤を含む洗浄剤組成物が開示されている。特許文献2の洗浄剤組成物によれば、洗浄力が高められる。
特開2001-316700号公報 特開2019-089902号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の洗浄剤組成物は強アルカリ性であるため、アルカリ剤等の無機物に由来するガラス食器の曇りが発生しやすい。
本発明は、複合汚れに対する洗浄力及びガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力に優れる食器用洗浄剤を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] (a)成分:界面活性剤と、
(b)成分:キレート剤と、
(c)成分:下記一般式(c1)で表されるアミン化合物と、を含有し、
前記(b)成分/前記(c)成分で表される質量比が1~22であり、
食器用洗浄剤の1質量%水溶液の25℃におけるpHが7.5以上である、食器用洗浄剤。
Figure 2022088135000001
式(c1)中、R31~R34はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基である。但し、R31及びR32が水素原子の場合、R33及びR34の少なくとも一方は炭素数1~4のアルキル基である。
[2] 前記(a)成分がアニオン界面活性剤を含む、前記[1]の食器用洗浄剤。
[3] 前記アニオン界面活性剤がスルホン酸塩型のアニオン界面活性剤及び硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤から選ばれる1種以上を含む、前記[2]の食器用洗浄剤。
[4] 前記(a)成分/(前記(b)成分+前記(c)成分)で表される質量比が0.01~0.1である、前記[1]~[3]のいずれかの食器用洗浄剤。
[5] 前記(b)成分の含有量が前記食器用洗浄剤の総質量に対し、酸換算で8質量%以上である、前記[1]~[4]のいずれかの食器用洗浄剤。
[6] 前記(b)成分がクエン酸及びクエン酸塩から選ばれる1種以上を含む、前記[1]~[5]のいずれかの食器用洗浄剤。
[7] 水をさらに含み、液体状である、前記[1]~[6]のいずれかの食器用洗浄剤。
[8] 食器洗い機用である、前記[1]~[7]のいずれかの食器用洗浄剤。
本発明によれば、複合汚れに対する洗浄力及びガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力に優れる食器用洗浄剤を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の食器用洗浄剤は、以下に示す(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する組成物である。食器用洗浄剤は、水を含有していてもよい。また、食器用洗浄剤は、必要に応じて(a)成分、(b)成分、(c)成分及び水以外の任意成分をさらに含有してもよい。
<(a)成分>
(a)成分は、界面活性剤である。
食器用洗浄剤が(a)成分を含有することで、洗浄力が向上する。
(a)成分としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤、アミドアミン型界面活性剤などが挙げられる。
なお、(a)成分は高級脂肪酸塩を含まない非石鹸系の界面活性剤であることが好ましい。
(アニオン界面活性剤)
アニオン界面活性剤としては、スルホン酸塩型のアニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤、カルボン酸塩型のアニオン界面活性剤、リン酸エステル塩型のアニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
スルホン酸塩型のアニオン界面活性剤は、分子内に-SO (ここでXは金属イオンを表す)を有するアニオン界面活性剤である。スルホン酸塩型のアニオン界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸などが挙げられる。
硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤は、分子内に-O-SO (ここでXは金属イオンを表す)を有するアニオン界面活性剤である。硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩などが挙げられる。
カルボン酸塩型のアニオン界面活性剤は、分子内に-CO (ここでXは金属イオンを表す)を有するアニオン界面活性剤である。カルボン酸塩型のアニオン界面活性剤としては、例えばアルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤などが挙げられる。なお、カルボン酸塩型のアニオン界面活性剤は、石鹸(高級脂肪酸塩)を含まないことが好ましい。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
アニオン界面活性剤は、炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有することが好ましく、炭素数8~18のアルキル基を有することがより好ましい。前記アルキル基及び前記アルケニル基は、それぞれ直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
また、アニオン界面活性剤において、ポリオキシアルキレン基の平均繰り返し数は、2~20が好ましく、3~10がより好ましい。オキシアルキレン基としては、炭素数2~3が好ましく、具体的には、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が挙げられる。
これらの中でも、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点から、アニオン界面活性剤としてはスルホン酸塩型のアニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤が好ましく、スルホン酸塩型のアニオン界面活性剤がより好ましく、その中でも特に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩がさらに好ましく、炭素数8~18のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が特に好ましい。
(a)成分がアニオン界面活性剤を含む場合、アニオン界面活性剤の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.1~5.0質量%が好ましく、0.2~3.0質量%がより好ましく、0.3~1.0質量%がさらに好ましい。アニオン界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まりやすい。アニオン界面活性剤の含有量が上記上限値以下であれば、低泡性がより向上しやすい。
また、(a)成分がアニオン界面活性剤を含む場合、アニオン界面活性剤の含有量は、(a)成分の総質量に対し、20質量%以上が好ましく、30~100質量%がより好ましく、30~80質量%さらに好ましく、35~70質量が特に好ましい。アニオン界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まりやすい。アニオン界面活性剤の含有量が上記上限値以下であれば、低泡性がより向上しやすい。
(ノニオン界面活性剤)
ノニオン界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン型のノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、高級アミン等のアルキレンオキシド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン型のノニオン界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、ソルビタン脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシド型のノニオン界面活性剤などが挙げられる。
これらの中でも、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点から、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン型のノニオン界面活性剤、アルキルポリグリコシド型のノニオン界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミン型のノニオン界面活性剤が好ましい。
ノニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、後述のアミドアミン型界面活性剤は、ノニオン界面活性剤に含まれないものとする。
ポリオキシアルキレン型のノニオン界面活性剤としては、例えば下記一般式(a1)で表される化合物(以下、「化合物(a1)」ともいう。)が好ましい。
21-X-[(EO)/(PO)]-R22 ・・・(a1)
式(a1)中、R21は炭素数6~22の炭化水素基であり、Xは2価の連結基であり、R22は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、sはEOの平均繰り返し数を表し、1~20の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、0~10の数である。
式(a1)中、R21における炭化水素基の炭素数は6~22であり、8~22が好ましく、10~18がより好ましい。R21における炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、R21における炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよく、有していなくてもよい。
-X-としては、-O-、-COO-、-CONH-などが挙げられる。
22におけるアルキル基の炭素数は、1~6であり、1~3が好ましい。
22におけるアルケニル基の炭素数は、2~6であり、2~3が好ましい。
-X-が-O-、-COO-又は-CONH-である化合物は、第1級もしくは第2級の高級アルコール(R21-OH)、高級脂肪酸(R21-COOH)又は高級脂肪酸アミド(R21-CONH)を原料として得られる。これら原料におけるR21は、式(a1)中のR21と同じである。
sは、1~20の数であり、3~10が好ましい。
tは、0~10の数であり、0~8が好ましい。
tが1以上の場合、すなわち、化合物(a1)がEO及びPOを有する場合、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加方法は特に限定されず、例えば、ランダム付加方法でもよく、ブロック付加方法でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法などが挙げられる。
化合物(a1)としては、特に、-X-が-O-である化合物(アルコール型のノニオン界面活性剤)、又は、-X-が-COO-であり、R22が炭素数1~6のアルキル基もしくは炭素数2~6のアルケニル基である化合物(脂肪酸アルキル(アルケニル)エステル)が好ましい。
-X-が-O-である場合、R21の炭素数は10~22が好ましく、10~20がより好ましく、10~18がさらに好ましい。
-X-が-O-である場合、R22は水素原子が好ましい。
-X-が-COO-である場合、R21の炭素数は9~21が好ましく、11~21がより好ましい。
-X-が-COO-である場合、R22は炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
ポリオキシアルキレン型のノニオン界面活性剤としては市販品を用いることができ、具体的にはライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製のNNAEP、三洋化成社製のサンノニックシリーズ、ナローアクティシリーズ、第一工業製薬社製のノイゲンシリーズ、BASF社製のPlurafac、Lutensolシリーズ、ADEKA社製のプルロニック(登録商標)シリーズ、花王社製のエマルゲンシリーズ等が挙げられる。
アルキルポリグリコシド型のノニオン界面活性剤としては、下記一般式(a2)で表される化合物(以下、「化合物(a2)」ともいう。)が好ましい。
25(OR26 ・・・(a2)
式(a2)中、R25は炭素数8~12のアルキル基、炭素数8~12のアルケニル基又は炭素数8~12のアルキルフェニル基であり、R26は炭素数2~4のアルキレン基であり、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基であり、xはOR26の平均繰り返し数を表し、0~5の数であり、yはその平均値が1~5となる数である。
式(a2)中、R25におけるアルキル基、アルケニル基及びアルキルフェニル基の炭素数は、それぞれ8~18であり、10~14が好ましく、12~14がより好ましい。R25におけるアルキル基、アルケニル基及びアルキルフェニル基は、それぞれ直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
25としては、保存安定性が高まる観点から、炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数10~14の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
Gとしては、例えばグルコース及びフルクトースから選ばれる1種以上の単糖類に由来する残基、マルトース及びスクロースから選ばれる1種以上の多糖類に由来する残基などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性及びコストの観点から、Gとしてはグルコースの単糖類に由来する残基が好ましい。
xは、0~5の数であり、保存安定性が高まる観点から、0~2が好ましく、0がさらに好ましい。
yは、その平均値が1~5となる数であり、保存安定性が高まる観点から、1.1~2が好ましく、1.1~1.5がより好ましい。
なお、yはプロトンNMR法による測定値である。
脂肪族アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドから選ばれる1種以上であり、かつ、HLBが9.5以上12未満のノニオン界面活性剤が好ましい。
本明細書において「脂肪酸アルカノールアミド」とは、例えば、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸クロリド又は油脂等と、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)と、の反応によって生成するもの、すなわち、脂肪酸モノアルカノールアミド、及び/又は、脂肪酸ジアルカノールアミドを包含する。
また、本明細書において「ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド」とは、前記脂肪酸アルカノールアミドにオキシエチレン基が導入されたものをいう。
「HLB」は、有機概念図におけるIOB×10で示される。
有機概念図におけるIOBとは、前記有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
前記有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,1954,vol.2,2,pp.163-173;「化学の領域」,1957,vol.11,10,pp.719-725;「フレグランスジャーナル」,1981,vol.50,pp.79-82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。そして、これらの値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸とした図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図-基礎と応用-」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
脂肪族アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤の具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、イソステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド等の脂肪酸モノアルカノールアミド;ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンイソステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノイソプロパノールアミド等のポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドなどが挙げられる。
(a)成分がノニオン界面活性剤を含む場合、ノニオン界面活性剤の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.1~5.0質量%が好ましく、0.2~3.0質量%がより好ましく、0.3~1.0質量%さらに好ましい。ノニオン界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、脂質の食器への再汚染を抑制できる。ノニオン界面活性剤の含有量が上記上限値以下であれば、低泡性がより向上しやすい。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤としては、例えばカルボン酸塩型の両性界面活性剤、硫酸エステル塩型の両性界面活性剤、スルホン酸塩型の両性界面活性剤、リン酸エステル塩型の両性界面活性剤などが挙げられる。
これらの中でも、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点から、両性界面活性剤としては、カルボン酸塩型の両性界面活性剤が好ましい。
両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸塩型の両性界面活性剤として具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシアルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン型の両性界面活性剤などが挙げられる。
(a)成分が両性界面活性剤を含む場合、両性界面活性剤の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.1~5.0質量%が好ましい。両性界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、脂質の食器への再汚染を抑制できる。両性界面活性剤の含有量が上記上限値以下であれば、低泡性がより向上しやすい。
(半極性界面活性剤)
半極性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、n-ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド;ラウリルジエチルアミンオキシド等のアルキルジエチルアミンオキシド;ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等のアルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシドなどが挙げられる。
これらの中でも、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点から、アルキルジメチルアミンオキシドが好ましい。
半極性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(a)成分が半極性界面活性剤を含む場合、半極性界面活性剤の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.1~5.0質量%が好ましい。半極性界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、脂質の食器への再汚染を抑制できる。半極性界面活性剤の含有量が上記上限値以下であれば、低泡性がより向上しやすい。
(アミドアミン型界面活性剤)
アミドアミン型界面活性剤はアミドアミン化合物ともいう。
アミドアミン化合物としては、例えば下記一般式(a3)で表される化合物(アルキルアミドアミン)及び下記一般式(a4)で表される化合物(前記アルキルアミドアミンの4級化物)から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
Figure 2022088135000002
式(a3)中、Rは炭素数13~21のアルキル基又は炭素数13~21のアルケニル基であり、Rは水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基であり、Rは炭素数1~4のアルキレン基であり、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~4のアルキル基である。
式(a3)中、Rにおけるアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、それぞれ13~21であり、低泡性がより高まることから、15~21が好ましく、15~19がより好ましく、15~17がさらに好ましい。Rの炭素数が上記下限値以上であれば、泡立ちを抑える効果がより高まる。Rの炭素数が上記上限値以下であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まる。また、食器用洗浄剤が液体状である場合に分離が生じにくくなり、液の均一性を維持しやすい。
におけるアルキル基及びアルケニル基は、それぞれ直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
としては、炭素数13~21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
におけるアルキル基及びヒドロキシアルキル基の炭素数は、それぞれ1~4であり、1~3が好ましい。
におけるヒドロキシアルキル基中のヒドロキシ基の数は、1つでも2つ以上でもよい。
としては、水素原子、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
におけるアルキレン基の炭素数は1~4であり、1~3が好ましく、2又は3がより好ましく、3がさらに好ましい。
及びRにおけるアルキル基の炭素数は、それぞれ1~4であり、1~3が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
及びRは、互いに同一でも異なっていてもよい。
及びRとしては、それぞれ炭素数1~4のアルキル基が好ましく、互いに同一であることが好ましい。
Figure 2022088135000003
式(a4)中、R11は炭素数13~21のアルキル基又は炭素数13~21のアルケニル基であり、R12は水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基であり、R13は炭素数1~4のアルキレン基であり、R14~R16はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~4のアルキル基である。
式(a4)中、R11としては、前記Rと同様のものが挙げられる。R12としては、前記Rと同様のものが挙げられる。R13としては、前記Rと同様のものが挙げられる。R14~R16としては、前記R及びRと同様のものが挙げられる。R14~R16は、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(a4)で表される化合物としては、式(a3)で表される化合物と、4級化剤(例えば硫酸ジメチル、塩化メチル等のアルキル化剤)との反応により得られるものを用いることができる。
なお、アミドアミン化合物としては、式(a3)で表される化合物が好ましい。
アミドアミン化合物の具体例としては、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミドなどが挙げられる。また、アミドアミン化合物の具体例として、ミリスチン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パルミチン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩及びステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩なども挙げられる。
これらの中でも、抑泡効果がより得られやすいことから、アミドアミン化合物としてはミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミドが好ましく、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミドがより好ましく、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドがさらに好ましい。
アミドアミン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(a)成分がアミドアミン型界面活性剤を含む場合、アミドアミン型界面活性剤の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.01~3質量%が好ましく、0.1~1質量%がより好ましく、0.3~0.8質量%さらに好ましい。アミドアミン型界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、低泡性がより向上しやすい。アミドアミン型界面活性剤の含有量が上記上限値以下であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まりやすい。
(a)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(a)成分は、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点からアニオン界面活性剤を含むことが好ましく、アニオン界面活性剤とアミドアミン型界面活性剤とを含むことがより好ましく、スルホン酸塩型のアニオン界面活性剤とアミドアミン型界面活性剤とを含むことがさらに好ましい。
(a)成分がスルホン酸塩型のアニオン界面活性剤とアミドアミン型界面活性剤とを含む場合、スルホン酸塩型のアニオン界面活性剤/アミドアミン型界面活性剤で表される質量比(以下、「スルホン酸塩型/アミドアミン型比」ともいう。)は0.2~2が好ましく、0.6~1.5がより好ましい。スルホン酸塩型/アミドアミン型比が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まりやすい。スルホン酸塩型/アミドアミン型比が上記上限値以下であれば、低泡性がより向上しやすい。
(a)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.1~5質量%が好ましく、0.3~5質量%がより好ましく、0.5~2質量%がさらに好ましく、0.6~1.2質量%が特に好ましい。(a)成分の含有量が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まりやすい。(a)成分の含有量が上記上限値以下であれば、低泡性がより向上しやすい。
<(b)成分>
(b)成分は、キレート剤である。
食器用洗浄剤が(b)成分を含有することで、複合汚れに対する洗浄力が高まりやすくなるとともに、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力も高まりやすくなる。加えて、食器用洗浄剤が(b)成分を含有することにより、pH緩衝能を向上しやすくなるため、汚れによる洗浄液のpHの変化を抑制しやすくなる。
(b)成分としては特に限定されず、従来の食器を洗浄するための洗浄剤に用いられる一般的なキレート剤のいずれも用いることができる。
(b)成分としては、分子量が1000未満である低分子キレート剤、重量平均分子量が1000以上である高分子キレート剤が挙げられる。
低分子キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、β-アラニン二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L-アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、L-グルタミン酸二酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸、セリン二酢酸、アスパラギン二酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、トリポリリン酸、又はこれらの塩などが挙げられる。
高分子キレート剤では、例えばポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、メタクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、エチレン-マレイン酸共重合体又はその塩などが挙げられる。これの中でも、高分子キレート剤としては、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩が好ましい。アクリル酸とマレイン酸との共重合比(モル比)は、好ましくはアクリル酸/マレイン酸=75/25~50/50であり、好ましい重量平均分子量は1万以上10万以下である。
なお、高分子キレート剤についての重量平均分子量は、標準物質をポリアクリル酸ナトリウムとしたゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される値を示す。
キレート剤の塩の形態としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
(b)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点から、(b)成分としては、クエン酸又はクエン酸塩が特に好ましい。
(b)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、酸換算で8質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。また、(b)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、酸換算で20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。具体的には、(b)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、酸換算で8~20質量%が好ましく、10~15質量%がより好ましい。(b)成分の含有量が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まるとともに、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力もより高まりやすくなる。(b)成分の含有量が上記上限値以下であれば、食器用洗浄剤を液体状の組成物として製剤化しやすい。
なお、本発明において「酸換算」とは、(b)成分が塩を形成している場合に、カチオンをプロトンに置き換えた場合の分子量に基づいて、(b)成分の含有量を計算していることを意味する。
<(c)成分>
(c)成分は、下記一般式(c1)で表されるアミン化合物である。
食器用洗浄剤が(b)成分に加えて(c)成分を特定比で含有することで、複合汚れに対する洗浄力が高まるとともに、ガラス食器に対する曇り抑制効果が高まり、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力も高まる。また、食器用洗浄剤が酵素を含む場合、食器用洗浄剤が(c)成分を含有することで、食器用洗浄剤をアルカリ性にしても保存による酵素の安定性を阻害しにくい。さらに、(c)成分は食器用洗浄剤のpH緩衝能をするため、酸性の汚れが共存しても洗浄力の低下を抑制できる。
Figure 2022088135000004
式(c1)中、R31~R34はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基である。但し、R31及びR32が水素原子の場合、R33及びR34の少なくとも一方は炭素数1~4のアルキル基である。
式(c1)中、R31~Rにおけるアルキル基及びヒドロキシアルキル基の炭素数は、それぞれ1~4であり、1~3が好ましい。
31~R34におけるヒドロキシアルキル基中のヒドロキシ基の数は、それぞれ1つでも2つ以上でもよい。
31~R34は、互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R31及びR32が水素原子の場合、R33及びR34の少なくとも一方は炭素数1~4のアルキル基である。
(c)成分としては、下記式(c1-1)で表される2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、下記式(c1-2)で表される2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、下記式(c1-3)で表される2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、下記式(c1-4)で表されるビス(2-ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンなどが挙げられる。これらの中でも、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点から、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールが好ましい。
(c)成分はアニオン界面活性剤の塩、(b)成分であるキレート剤の塩、(b)成分以外の乳酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸の塩、塩酸、硫酸、炭酸等の無機酸の塩、として食器用洗浄剤に含有されてもよい。
(c)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
Figure 2022088135000005
(c)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、アミン化合物(未中和物)換算で0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上が特に好ましい。また、(c)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、未中和物換算で20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。具体的には、(c)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、未中和物換算で0.5~20質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましく、3~15質量%がより好ましく、5~10質量%がさらに好ましい。(c)成分の含有量が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まる。(c)成分の含有量が上記上限値以下であれば、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力がより高まる。
(b)成分/(c)成分で表される質量比(以下、「b/c比」ともいう。)は、1~22であり、1~15が好ましく、1.5~7がより好ましく、1.5~5がさらに好ましい。b/c比が上記下限値以上であれば、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力がより高まる。b/c比が上記上限値以下であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まる。
なお、ここでいう(b)成分の質量は酸換算した量であり、(c)成分の質量は未中和物換算した量である。
(a)成分/((b)成分+(c)成分)で表される質量比(以下、「a/(b+c)比」ともいう。)は0.01~0.1が好ましく、0.03~0.1がより好ましく、0.05~0.1がさらに好ましい。a/(b+c)比が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まる。a/(b+c)比が上記上限値以下であれば、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力がより高まる。
なお、ここでいう(b)成分の質量は酸換算した量であり、(c)成分の質量は未中和物換算した量である。
<水>
食器用洗浄剤は、水(以下、「(d)成分」ともいう。)を含有してもよい。なお、水を含有する液体状の食器用洗浄剤を特に「食器用液体洗浄剤」ともいう。
(d)成分としては、イオン交換水、蒸留水、水道水などを使用することができる。
(d)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(d)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、30~99質量%が好ましく、55~95質量%がより好ましく、60~80質量%がさらに好ましい。(d)成分の含有量が上記範囲内であれば、食器用液体洗浄剤を調製しやすい。加えて、食器用液体洗浄剤を使用する際に、水への溶解性がより良好となる。
<任意成分>
食器用洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分以外の任意成分をさらに含有してもよい。
任意成分としては、従来の食器を洗浄するための洗浄剤に用いられる成分であれば特に制限されないが、例えば酵素(以下、「(e)成分」ともいう。)、シリコーン系消泡剤(以下、「(f)成分」ともいう)、安定化剤、増粘剤、(d)成分以外の溶剤(以下、「他の溶剤」ともいう。)、植物抽出エキス、吸油剤、(f)成分以外の消泡剤(以下、「他の消泡剤」ともいう。)、食器保護剤、増粘剤、着色剤、ハイドロトロープ剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色剤、香料、漂白剤などが挙げられる。
((e)成分)
(e)成分は、酵素である。
(e)成分としては特に限定されず、従来の食器を洗浄するための洗浄剤に用いられる一般的な酵素のいずれも用いることができる。
(e)成分としては、例えばアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼなどが挙げられる。これらの中でも、複合汚れに対する洗浄力がより高まる観点から、(e)成分としてはアミラーゼ、プロテアーゼが好ましい。
(e)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
酵素は、一般に、酵素を含有する製剤(酵素製剤)として市販されている。食器用洗浄剤を調製する際、通常、(e)成分は酵素製剤の形態で配合される。
(e)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、酵素製剤として0.001~2質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。(e)成分の含有量が上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まる。(e)成分の含有量が上記上限値を超えても、洗浄力向上の効果は頭打ちとなり、コスト高となる。
((f)成分)
(f)成分は、シリコーン系消泡剤である。
(f)成分としては特に限定されず、従来の食器を洗浄するための洗浄剤に用いられる一般的なシリコーン系消泡剤のいずれも用いることができる。
(f)成分としては、例えばオイル型、コンパウンド型、自己乳化型コンパウンド型、粉体型など特に制限されるものではないが、例えばポリジメチルシロキサン等のポリオルガノシロキサン油又は樹脂の分散液、又はエマルジョン、及びポリオルガノシロキサンがシリカ上に化学吸着又は溶融されたポリオルガノシロキサンとシリカ粒子の組み合わせなどを挙げることができる。
(f)成分としては市販品を用いることができ、例えばダウ・ケミカル日本株式会社社製の商品名「FS Antifoam 1266」、「FS Antifoam 93」などが挙げられる。
(f)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(f)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。また、(f)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。具体的には、(f)成分の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.01~2質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましい。(f)成分の含有量が上記下限値以上であれば、低泡性を向上しやすくなる。(f)成分の含有量が上記上限値以下であれば、保存安定性を向上しやすくなる。
(増粘剤)
増粘剤としては、例えばペクチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、トラガントガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル、アクリル酸系ポリマー、メタクリル酸系ポリマー、キサンタンガム、グアーガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、デンプン等の水溶性高分子;スメクタイト等の水膨潤性粘土鉱物などが挙げられる。スメクタイトとしては天然品又は合成品のいずれも使用し得る。
増粘剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(他の溶剤)
他の溶剤としては、ポリオール、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸などが挙げられ、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコールや、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸アンモニウム、安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
他の溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(pH調整剤)
pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルプロパノール、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン等の有機塩基;塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸等の有機酸などが挙げられる。
食器用洗浄剤の保存安定性とコスト面から、無機塩基のなかでは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましく、特に保存安定性、液流動性等の観点から水酸化カリウムが好ましい。有機塩基のなかではモノエタノールアミンが好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、(c)成分は、pH調整剤に含まれないものとする。
(他の消泡剤)
他の消泡剤としては、高級脂肪酸又はその塩が挙げられる。
高級脂肪酸又はその塩としては、炭素数10~20の高級脂肪酸又はその塩が好ましく、具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸又はその塩、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸又はその塩などが挙げられる。
高級脂肪酸の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
他の消泡剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
<製造方法>
食器用洗浄剤の製造方法としては特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
固体状の食器用洗浄剤は、例えば(a)成分、(b)成分及び(c)成分と、必要に応じてpH調整剤以外の任意成分とを混合し、必要に応じてpH調整剤にて所望のpHに調整することで得られる。
液体状の食器用洗浄剤(食器用液体洗浄剤)は、例えば(d)成分の一部に、(a)成分、(b)成分及び(c)成分と、必要に応じてpH調整剤以外の任意成分とを加えて溶解させ、必要に応じてpH調整剤にて所望のpHに調整した後、(d)成分の残部を加えることによって製造できる。
<pH>
食器用洗浄剤の1質量%水溶液の25℃におけるpHは、7.5以上であり、8.5~10がより好ましく、8.5~9.5がさらに好ましい。1質量%水溶液のpHが上記範囲内であれば、複合汚れに対する洗浄力、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力、及び低泡性により優れる食器用洗浄剤が得られやすい。特に、1質量%水溶液のpHが上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まる。1質量%水溶液のpHが上記上限値以下であれば、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力がより高まる。
食器用洗浄剤の1質量%水溶液は、食器用洗浄剤の濃度が1質量%になるようにイオン交換水に溶解又はイオン交換水で希釈することで調製できる。
食器用洗浄剤が食器用液体洗浄剤である場合、食器用液体洗浄剤の25℃におけるpHは8超が好ましく、8超10.5以下がより好ましく、8.5~9.5が特に好ましい。食器用液体洗浄剤のpHが上記範囲内であれば、複合汚れに対する洗浄力、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力、及び低泡性により優れる食器用洗浄剤が得られやすい。
食器用洗浄剤の酢酸入り希釈液の25℃におけるpHは、5.0以上が好ましく、5.3以上がより好ましく、5.5以上がさらに好ましい。また、食器用洗浄剤の酢酸入り希釈液の25℃におけるpHは、8.0以下が好ましく、7.5以下がより好ましく、7.3以下がさらに好ましい。具体的には、食器用洗浄剤の酢酸入り希釈液の25℃におけるpHは、5.0~8.0が好ましく、5.3~7.5がより好ましく、5.5~7.3がさらに好ましい。食器用洗浄剤の酢酸入り希釈液のpHが上記下限値以上であれば、複合汚れに対する洗浄力がより高まりやすくなる。食器用洗浄剤の酢酸入り希釈液のpHが上記上限値以下であれば、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力がより高まりやすくなる。
食器用洗浄剤の酢酸入り希釈液は、以下の方法で調製される。
まず、食器用洗浄剤の濃度が0.2質量%となるようにイオン交換水を加えて希釈液を調製する。次いで、前記希釈液と、濃度1質量%の酢酸水溶液とを、[希釈液の質量]:[酢酸水溶液]で表される質量比が200:1となるように混合して酢酸入り希釈液を調製する。
[食器用洗浄剤の1質量%水溶液の25℃におけるpH]-[食器用洗浄剤の酢酸入り希釈液の25℃におけるpH]で表されるpHの差は、0.5~3.5が好ましく、1.0~3.0がより好ましい。前記pHの差が上記範囲内であれば、食器用洗浄剤のpH緩衝能が高いといえる。食器用洗浄剤が高いpH緩衝能を有することにより、汚れに起因する洗浄液のpHの変化が起こりにくくなり、複合汚れに対する洗浄力、及びガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力をともに高めやすくなる。
食器用洗浄剤の1質量%水溶液及び酢酸入り希釈液のpHと、食器用液体洗浄剤のpHは、それぞれ(b)成分及び(c)成分の種類、及び含有量等を調節することで容易に調整することができる。
食器用洗浄剤の1質量%水溶液及び酢酸入り希釈液のpHと、食器用液体洗浄剤のpHは、それぞれJIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。
<使用方法>
本発明の食器用洗浄剤は、いわゆる手洗い用の食器用洗浄剤として用いてもよいし、食器洗い機用の食器用洗浄剤として用いてもよい。特に、本発明の食器用洗浄剤は、食器洗い機用の食器用洗浄剤として好適であり、食器洗い機の機種や、食器等の汚れの程度に応じて使用すればよい。
なお、本明細書において、食器洗い機用の食器用洗浄剤を特に「食器洗い機用洗浄剤」ともいい、食器用洗浄剤が水を含む液体状である場合は「食器洗い機用液体洗浄剤」ともいう。
本発明の食器用洗浄剤を用いて食器洗い機により洗浄対象物を洗浄する方法としては、洗浄とすすぎの各工程をいずれも有する方法が挙げられる。
洗浄方法としては、たとえば、常温(好ましくは5~30℃程度)の水道水を食器洗い機庫内に導入して調製される洗浄液を、所定の洗浄温度(洗浄時に循環する洗浄液の温度)まで昇温しながら洗浄対象物を洗浄する工程(以下「洗浄工程」という。)と、洗浄後の洗浄対象物を、常温の水道水ですすぐ工程(以下「すすぎ(1)工程」という。)と、常温の水道水を、好ましくは70~75℃まで2~3℃/分で昇温しながら、前記すすぎ(1)工程後の洗浄対象物をさらにすすぐ工程(以下「すすぎ(2)工程」という。)を有する方法が挙げられる。洗浄工程での洗浄時間は、10~40分間が好ましい。
一般的な標準コースの場合、洗浄工程における洗浄温度が55~65℃程度、昇温速度が2~3℃/分程度である。低温コースは、例えば、洗浄温度が35~45℃程度、昇温速度が1℃/分程度である。本発明の食器用洗浄剤は、低温洗浄においても油汚れに対する洗浄力に優れ、例えば、洗浄温度が35℃であっても、優れた洗浄力を発揮する。
いずれのコースにおいても、食器用洗浄剤の1回の使用量は、水道水約3リットルに対して2~9gとすることが好ましい。
洗浄対象物としては、皿、箸、スプーン等の食器が挙げられる。また、洗浄対象物は、鍋、包丁、まな板等の調理器具などの台所用品でもよい。本発明においては、食器及び調理器具を総じて、「食器」と称する。
<作用効果>
以上説明した本発明の食器用洗浄剤においては、(a)成分に加えて、特定の比率の(b)成分及び(c)成分を含有し、1質量%水溶液のpHが7.5以上であることから、複合汚れに対する洗浄力及びガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力に優れる。また、本発明の食器用洗浄剤は、低泡性にも優れる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。なお、各例で用いた成分の配合量は、特に断りのない限り純分換算値である。
「使用原料」
(a)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・a-1:LAS、直鎖アルキル(炭素数12~14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「ライポン LS-250」)。
・a-2:SAS、第2級アルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン株式会社製、商品名「HOSTAPUR SAS 30A」)。
・a-3:AS、直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「サンノール LM-1130」)。
・a-4:AES(2)、ポリオキシエチレン(平均繰返し数2)直鎖アルキル(C12/14=75/25)エーテル硫酸ナトリウム(新日本理化株式会社製、商品名「シノリン SPE-1250」)。
・a-5:AE(15)、BRE(15) ポリオキシエチレン(平均繰返し数15)アルキル(直鎖C12/14=75/25)エーテル、上記一般式(a1)中、R21=炭素数12、14の直鎖状のアルキル基、-X-=-O-、R22=水素原子、s=15、t=0(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「LMAO-90」)。
・a-6:APG、アルキル(C8~10)ポリグルコシド、上記一般式(a2)中、R25=炭素数8~10の直鎖状のアルキル基、G=グルコースの単糖類に由来する残基、x=0、y=1.5(コグニスジャパン株式会社製、商品名「GLUCOPON 215UP」)。
・a-7:AX、n-ドデシルジメチルアミンオキシド(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「カデナックスDM12D-W」)。
・a-8:2級アルコールエトキシレート、上記一般式(a1)中、R21=炭素数12~14の分岐鎖状のアルキル基、-X-=-O-、R22=水素原子、s=3、t=0(株式会社日本触媒製、商品名「ソフタノール33」)。
・a-9:ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、上記一般式(a3)中、R=炭素数17の直鎖状のアルキル基、R=水素原子、R=プロピレン基、R=メチル基、R=メチル基(東邦化学株式会社製、商品名「カチナールMPAS」)。
(b)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・b-1:CA、クエン酸(扶桑化学工業株式会社製、商品名「精製クエン酸(無水)」)。
・b-2:MGDA、メチルグリシン二酢酸3ナトリウム(MGDA)(BASF社製、商品名「Trilon M Compactate」)。
・b-3:GLDA、L-グルタミン酸二酢酸4ナトリウム(GLDA-Na)(ヌーリオンジャパン社製)。
・b-4:EDTA、エチレンジアミン四酢酸(東京化成工業株式会社製、試薬)。
・b-5:MA、アクリル酸-マレイン酸共重合体のナトリウム塩(株式会社日本触媒製、商品名「アクアリックTL400」、アクリル酸/マレイン酸のモル比=60/40、重量平均分子量50000、有効成分40質量%)。
(c)成分又はその代替品((c’)成分)として、以下に示す化合物を用いた。
・c-1:2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(上記式(c1-1)で表される化合物)(富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬)。
・c-2:2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(上記式(c1-2)で表される化合物)(関東化学株式会社製、試薬)。
・c-3:2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(上記式(c1-3)で表される化合物)(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
・c-4:ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(上記式(c1-4)で表される化合物)(関東化学株式会社、試薬)。
・c’-1:ジノエタノールアミン(関東化学株式会社、試薬)。
(d)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・水:イオン交換水。
任意成分として、以下に示す化合物を用いた。
[共通成分]計8.35質量%。
・増粘剤・・・・・・・0.2質量%。
・安定化剤・・・・・・0.1質量%。
・溶剤(1)・・・・・5.0質量%。
・溶剤(2)・・・・・2.0質量%。
・溶剤(3)・・・・・1.0質量%。
・香料・・・・・・・・0.050質量%。
なお、共通成分の構成成分は以下の通りである。
・増粘剤:キサンタンガム(ケルコ社製、商品名「KELZAN T」)。
・安定化剤:塩化カルシウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
・溶剤(1):プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
・溶剤(2):クメンスルホン酸ナトリウム(テイカ株式会社製、商品名「テイカトックスN5040」)。
・溶剤(3):安息香酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
・香料:表1に記載の配合組成の香料成分を含む香料組成物。
Figure 2022088135000006
[その他の任意成分]
・(e)成分:酵素:アミラーゼとプロテアーゼの混合酵素(ノボザイムズジャパン株式会社製、商品名「Medley Core210L」)。
・(f)成分:シリコーン系消泡剤:FS 93(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名「DOWSIL FS Antifoam 93」)。
・炭酸水素ナトリウム:(東ソー株式会社製、商品名「重炭酸ナトリウム」)。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム(AGC株式会社製、商品名「48%水酸化ナトリウム」)。
「実施例1~37、比較例1~4」
<食器用洗浄剤の調製>
表2~7に示す組成に従い、(d)成分に、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(e)成分、(f)成分及び任意成分を溶解することにより、各例の食器用洗浄剤0.8kgをそれぞれ調製した。
具体的には、1Lビーカー(直径12cm)内に、(d)成分を合計量として食器用洗浄剤全体の60質量%となるように投入した。HEIDON FBL1200スリーワンモーター(新東科学株式会社製)の撹拌機に直径7.5cm、幅1.5cm、角度45度の4枚羽パドルを装備し、その後、内容物が飛び散らないように回転数400~900rpmで撹拌しながら(a)成分及び(b)成分を混合し、pH調整剤(水酸化ナトリウム)を添加した。食器用洗浄剤の25℃におけるpHが表2~7に示す値となるように、pH調整剤の添加量を調整した。
次いで、常温(25℃)まで冷却した後、(c)成分、(e)成分、(f)成分、及びpH調整剤以外の任意成分を前記撹拌機の回転数650rpmで撹拌しながら加えた。添加終了後、5分間撹拌し、食器用洗浄剤の全体が100質量%となるように残りの(d)成分を加え、前記撹拌機の回転数650rpmで1分間撹拌することにより、液体状の食器用洗浄剤を得た。
得られた食器用洗浄剤の1質量%水溶液及び酢酸入り希釈液の25℃におけるpHを測定した。結果を表2~7に示す。
なお、食器用洗浄剤のpHと、食器用洗浄剤の1質量%水溶液及び酢酸入り希釈液のpHは、これらを25℃に調整した後、ガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、商品名「HM-30G」)を用いて測定した。測定方法は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
得られた各例の食器用洗浄剤について、以下のようにして、洗浄力及び低泡性を評価した。結果を表2~7に示す。
<評価>
(食器洗い機)
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(パナソニック株式会社製、機種「NP-45MD8」)を用いた。各評価において、洗浄処理は、前記自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コースで運転することにより行った。前記標準コースの内容を以下に示す。
<<標準コース>>
前記自動食器洗い乾燥機に食器用洗浄剤8g(水道水3Lに対し)を投入した後、約5℃の水道水を庫内に導入して調製される洗浄液を40℃まで2~3℃/minで昇温しながら20分間洗浄を行い、前記洗浄液を排水する。次いで、新たな水道水を導入し、すすぎ(2分間/回)と排水との繰返し3回を行う。排水後、新たな水道水を導入し、70℃まで2~3℃/minで昇温しながらすすぎ1回(最終すすぎ)20分間を行い、排水後、温風を循環させながら食器等を乾燥する。
(評価に使用する汚こう)
汚れとして、ドレッシング(キューピー株式会社製、商品名「オリーブオイル&オニオンドレッシング」)、トマトジュース(日本デルモンテ株式会社製、商品名「トマトジュース」)、卵(Lサイズ)、レトルトカレー(大塚食品株式会社製、商品名「ボンカレーゴールド辛口」)、ご飯(自主流通米一類こしひかり相当、米と水の量の比は炊飯器の標準とし、炊飯後12時間以内のものを使用する)を用いた。汚れは陶器皿(大皿:半径115mm、高さ25mm、中鉢:半径80mm、高さ45mm)とステンレス製のスプーン及びフォーク(長さ:180mm)にそれぞれを付着させ、スプーン、フォークの汚れ残りを目視評価した。
・目玉焼き:
弱火で熱したフライパンにより加熱し、半熟状態の目玉焼きを用意した。目玉焼きの黄身の部分だけを使用した。
・トマトジュース汚れ:
トマトジュースをコップに注ぎ、斜めにするなどしてコップ全体を汚染したものを計6個用意した。
・卵汚れ:
前記「目玉焼き」をスプーン、フォークに塗布し、1時間放置したものを各6個ずつ用意した。
・ドレッシング汚れ:
ドレッシングを陶器の中鉢全面に塗布したものを計6枚用意した。
・複合汚れ:
前記レトルトカレー200g、卵1個、ご飯150gを混合した。混合物を陶器の大皿に30gのせ、皿表面を均一に汚染したのち、米粒を10粒程度残して混合物を捨て、米粒をスプーンで潰して大皿に付着させた。このようにして汚染された大皿を計6枚用意した。
(複合汚れに対する洗浄力の評価)
前記用意した汚こう(コップ6個、スプーン、フォーク各6個、中鉢6個、大皿6枚)を前記自動食器洗い乾燥機の説明書に基づいた指定箇所に装填し、食器用洗浄剤8gを投入し、標準コースで洗浄処理を施した。洗浄処理の後、スプーン、フォークを観察し、下記の評価基準に基づいて、複合汚れ洗浄力の評価をした。実施例及び比較例の評点は洗浄処理3回の平均値を記載しており、○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とした。
≪評価基準≫
◎◎◎:全てのスプーン、フォークに汚れ残りを確認できない。
◎◎:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが1本以下である。
◎:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが1本超2本以下である。
○:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが2本超3本以下である。
×:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが4本以上である。
(ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力の評価)
ガラスコップ(上径63mm、下径53mm、高さ100mm)を前記自動食器洗い乾燥機に装填し、炭酸ナトリウム1.2gを機内に入れ、洗浄~すすぎの全工程を、30度硬水を用いて行い、曇り汚れ(白化物)が付着したガラスコップを得た。この曇り汚れが付着したガラスコップを、前記自動食器洗い乾燥機に装填し、食器用洗浄剤8gを投入して標準コースで洗浄処理を施した。洗浄処理の後、ガラスコップの仕上がり具合を観察し、下記の評価基準に基づいて、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力を評価した。実施例及び比較例の評点は洗浄処理3回の平均値を記載しており、○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とした。
≪評価基準≫
◎◎◎:白化物が完全に除去されている。
◎◎:かすかに白化物が認められるが、実使用上問題の無いレベルである。
◎:白化物の残留が目視で認められるが、実使用上問題の無いレベルである。
○:白化物の残留が目視で認められ、全体的に透明感が薄れるが、実使用上問題の無いレベルである。
×:白化物がほとんど除去されず、全体的に透明感が失われている。
(低泡性の評価)
前記自動食器洗い乾燥機に食器用洗浄剤16gとよく溶いた全卵6gを投入し、前記標準コースにて運転を行った。洗浄開始から水温が50℃に達した時点で運転を止めると同時に扉を開け、その10秒後に庫内の泡立ちを観察し、下記の評価基準に基づいて、低泡性を評価した。実施例及び比較例の評点は3回の平均値を記載しており、○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とした。
≪評価基準≫
◎◎◎:泡がほとんど確認されない。
◎◎:泡の発生が認められるが、前記自動食器洗い乾燥機の底部を目視できるレベルである。
◎:泡の発生が認められるが、液表面をわずかに覆う程度である。
○:泡の発生が認められるが、泡高は水噴出ノズルよりも低い。
×:泡の発生が認められ、泡高は水噴出ノズルを上回り、エアがみが確認された。
ここで、「エアがみ」とは、洗浄時に泡が大量に発生して、循環ポンプ内に空気が入り込み、噴水力が弱まると共に、異音が発生する状態を意味する。本試験では異音の有無を確認することでエアがみの有無を評価した。
Figure 2022088135000007
Figure 2022088135000008
Figure 2022088135000009
Figure 2022088135000010
Figure 2022088135000011
Figure 2022088135000012
表2~7中、「バランス」とは、食器用洗浄剤全体で100質量%とするのに必要な水の配合量(質量%)である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
また、「b/c比」は、(b)成分/(c)成分で表される質量比である。「b/c’比」は、(b)成分/(c’)成分で表される質量比である。「a/(b+c)比」は、(a)成分/((b)成分+(c)成分)で表される質量比である。「a/(b+c’)比」は、(a)成分/((b)成分+(c’)成分)で表される質量比である。「スルホン酸塩方/アミドアミン型比」は、スルホン酸塩型のアニオン界面活性剤/アミドアミン型界面活性剤で表される質量比である。
表2~6から明らかなように、各実施例の食器用洗浄剤は、複合汚れに対する洗浄力、ガラス食器の曇り汚れに対する洗浄力、及び低泡性の全てにおいて優れていた。
一方、表7から明らかなように、b/c比が39.0である比較例1の食器用洗浄剤は、複合汚れに対する洗浄力に劣っていた。
b/c比が0.3である比較例2の食器用洗浄剤は、複合汚れに対する洗浄力に劣っていた。
(c)成分の代わりにジノエタノールアミンを用いた比較例3の食器用洗浄剤は、複合汚れに対する洗浄力に劣っていた。
1質量%水溶液の25℃におけるpHが6.3である比較例4の食器用洗浄剤は、複合汚れに対する洗浄力に劣っていた。

Claims (8)

  1. (a)成分:界面活性剤と、
    (b)成分:キレート剤と、
    (c)成分:下記一般式(c1)で表されるアミン化合物と、を含有し、
    前記(b)成分/前記(c)成分で表される質量比が1~22であり、
    食器用洗浄剤の1質量%水溶液の25℃におけるpHが7.5以上である、食器用洗浄剤。
    Figure 2022088135000013
    (式(c1)中、R31~R34はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基である。但し、R31及びR32が水素原子の場合、R33及びR34の少なくとも一方は炭素数1~4のアルキル基である。)
  2. 前記(a)成分がアニオン界面活性剤を含む、請求項1に記載の食器用洗浄剤。
  3. 前記アニオン界面活性剤がスルホン酸塩型のアニオン界面活性剤及び硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤から選ばれる1種以上を含む、請求項2に記載の食器用洗浄剤。
  4. 前記(a)成分/(前記(b)成分+前記(c)成分)で表される質量比が0.01~0.1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の食器用洗浄剤。
  5. 前記(b)成分の含有量が前記食器用洗浄剤の総質量に対し、酸換算で8質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の食器用洗浄剤。
  6. 前記(b)成分がクエン酸及びクエン酸塩から選ばれる1種以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の食器用洗浄剤。
  7. 水をさらに含み、液体状である、請求項1~6のいずれか一項に記載の食器用洗浄剤。
  8. 食器洗い機用である、請求項1~7のいずれか一項に記載の食器用洗浄剤。
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