JP2022081804A - 固体電解質の製造方法および二次電池の製造方法 - Google Patents

固体電解質の製造方法および二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】性能の低下を低減できる固体電解質の製造方法および二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】固体電解質の製造方法は、イオン伝導性を有する酸化物および錯体水素化物を溶媒に分散し、溶媒を除去して錯体水素化物を酸化物に析出させる。二次電池の製造方法は、固体電解質層が、前記方法で得られた固体電解質を含む。二次電池は、順に、正極層、固体電解質層、負極層を含む。【選択図】図1

Description

本発明は固体電解質の製造方法および二次電池の製造方法に関するものである。
イオン伝導性を有する酸化物および錯体水素化物を含む固体電解質の製造方法において、特許文献1では、酸化物と錯体水素化物とを混合した後、錯体水素化物が溶融する温度以上(例えば300-500℃)に加熱し、酸化物と錯体水素化物とを複合化する。
特開2018-170072号公報
しかし特許文献1の技術では、加熱によって錯体水素化物が分解し、固体電解質の性能が低下するおそれがある。
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、性能の低下を低減できる固体電解質の製造方法および二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明の固体電解質の製造方法は、イオン伝導性を有する酸化物および錯体水素化物を溶媒に分散し、溶媒を除去して錯体水素化物を酸化物に析出させる。
本発明の二次電池の製造方法は、固体電解質層が、前記方法で得られた固体電解質を含む。二次電池は、順に、正極層、固体電解質層、負極層を含む。
第1の態様によれば、イオン伝導性を有する酸化物および錯体水素化物を溶媒に分散し、溶媒を除去して錯体水素化物を酸化物に析出させる。溶媒は錯体水素化物が溶融する温度よりも低い温度で除去できるので、錯体水素化物の分解を低減し、固体電解質の性能の低下を低減できる。
第2の態様によれば、溶媒は、水、アルコール系、エーテル系、エステル系およびニトリル系から選択される1種または2種以上である。よって第1の態様の効果に加え、溶媒の取り扱いを容易にできる。
第3の態様によれば、錯体水素化物は、金属イオンであるカチオンと、一般式(Cn-m(2-m)-(但し0≦m<2、5≦n≦12)で表されるアニオンと、からなる。第1又は第2の態様の効果に加え、錯体水素化物のイオン伝導率を高くできると共に、錯体水素化物の大気安定性を向上できる。
第4の態様によれば、固体電解質層が、第1から第3の態様のいずれかで得られた固体電解質を含む。二次電池は、順に、正極層、固体電解質層、負極層を含む。よって固体電解質層の性能低下に伴う二次電池の性能低下を低減できる。
一実施の形態における二次電池の断面図である。 固体電解質の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は一実施の形態における二次電池10の模式的な断面図である。二次電池10は、発電要素が固体で構成された固体リチウムイオン電池である。発電要素が固体で構成されているとは、発電要素の骨格が固体で構成されていることを意味し、例えば該骨格中に液体が含浸した形態等を排除するものではない。
図1に示すように二次電池10は、順に、正極層11、固体電解質層14及び負極層15を含む。正極層11は集電層12と複合層13とが重ね合わされている。負極層15は集電層16と複合層17とが重ね合わされている。集電層12,16は導電性を有する部材である。集電層12,16の材料はNi,Ti,Fe,Cu及びAlから選ばれる金属、これらの元素の2種以上を含む合金やステンレス鋼、炭素材料が例示される。
複合層13は活物質18及び固体電解質19を含む。複合層13はさらにバインダー及び導電助剤を含んでも良い。活物質18は、遷移金属を有する金属酸化物、硫黄系活物質、有機系活物質が例示される。遷移金属を有する金属酸化物は、Mn,Co,Ni,Fe,Cr及びVの中から選択される1種以上の元素とLiとを含む金属酸化物が例示される。遷移金属を有する金属酸化物は、LiCoO,LiMn,LiNiVO,LiMn1.5Ni0.5及びLiFePOが例示される。
活物質18と固体電解質19との反応の抑制を目的として、活物質18の表面に被覆層を設けることができる。被覆層は、Al,ZrO,LiNbO,LiTi12,LiTaO,LiNbO,LiAlO,LiZrO,LiWO,LiTiO,Li,LiPO及びLiMoOが例示される。
硫黄系活物質は、S,TiS,NiS,FeS,LiS,MoS及び硫黄-カーボンコンポジットが例示される。有機系活物質は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジノキシル-4-イルメタクリレートやポリテトラメチルピペリジノキシルビニルエーテルに代表されるラジカル化合物、キノン化合物、ラジアレン化合物、テトラシアキノジメタン、及び、フェナジンオキシドが例示される。
複合層13に含まれるバインダーは、ポリイミド系、アクリル系、ポリシロキサン、ポリアルキレングリコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、及び、エチレン-ビニルアルコール共重合体が例示される。複合層13に含まれる導電助剤は、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維,Ni,Pt及びAgが例示される。
図2は固体電解質19の模式的な断面図である。図2に示す固体電解質19は、リチウムイオン伝導性を有する酸化物20の表面に、リチウムイオン伝導性を有する錯体水素化物21が付着した複合体である。錯体水素化物21は、LiBH,LiBHとX(但しXはLiCl,LiBr,LiI,LiNH及びPの中から選択される一種以上の化合物)との複合体が例示される。固体電解質19は、錯体水素化物の1種または複数種を含む。
錯体水素化物21は、クロソ系水素化物を含むことができる。クロソ系水素化物は、クロソ構造を有するかご状のクラスター型錯イオンを有する水素化物である。クロソ系水素化物は、金属イオンであるカチオンと、一般式(Cn-m(2-m)-(但し0≦m<2、5≦n≦12)で表されるアニオンと、からなる化合物である。m,nは整数である。
クロソ系水素化物は、Li1212,Li1010,Na1212,Na1010,MgB1212,MgB1010,LiCB1112,LiCB10,NaCB1112及びNaCB10が例示される。クロソ系水素化物は、他の錯体水素化物(例えばLiBH)と異なり、大気中で水和物の形成が律速となるので大気安定性に優れている。またクロソ系水素化物は、他の水素化物(例えばLiBH)に比べ、イオン伝導率を高くできる。
クロソ系水素化物は、0.7LiCB10-0.3LiCB1112等の、LiCB10とLiCB1112の固溶体が特に好ましい。LiCB10とLiCB1112の固溶体はイオン伝導率をさらに高くできるからである。
固体電解質19に含まれる酸化物20は、Li,La及びZrを少なくとも含むガーネット型構造もしくはガーネット型類似構造を有する酸化物、NASICON型構造を有する酸化物、ペロブスカイト構造を有する酸化物が例示される。固体電解質19は、これらの酸化物の1種または複数種を含んでも良い。
ガーネット型の酸化物は基本組成がLiLa12(M=Nb,Ta)である。Li,La及びZrを少なくとも含むガーネット型構造もしくはガーネット型類似構造を有する酸化物は、5価のMカチオンを4価のカチオンに置換したLiLaZr12や、LiLaZr12に対してMg及びSrの元素置換を行ったものが例示される。ガーネット型の酸化物は、他の酸化物に比べて粒内抵抗が小さいので、特に好ましい。
NASICON型構造を有する酸化物は、Li,M(MはTi,Zr及びGeから選ばれる1種以上の元素)及びPを少なくとも含む酸化物、例えばLi(Al,Ti)(PO及びLi(Al,Ge)(POが挙げられる。ペロブスカイト構造を有する酸化物は、Li,Ti及びLaを少なくとも含む酸化物、例えばLa2/3-XLi3XTiOが挙げられる。
固体電解質19は、酸化物20と錯体水素化物21との複合体に加え、さらに錯体水素化物の粒子、酸化物系のリチウムイオン伝導体の粒子、及び、硫化物系のリチウムイオン伝導体の粒子の少なくとも1種以上を含むことができる。硫化物系のリチウムイオン伝導体は、結晶性のチオリシコン型、Li10GeP12型、アルジロダイト型、Li11型、LiS-Pに代表されるガラスやガラスセラミック系が例示される。固体電解質層14は、酸化物20と錯体水素化物21との複合体からなる固体電解質19を含む。固体電解質19に占める複合体の割合は任意に設定できる。
固体電解質層14はさらにバインダーを含んでも良い。固体電解質層14に含まれるバインダーは、例えばポリイミド系、アクリル系、ポリシロキサン、ポリアルキレングリコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、及び、エチレン-ビニルアルコール共重合体が例示される。
負極層15の複合層17は、活物質22及び固体電解質19を含む。複合層17はさらにバインダー及び導電助剤を含んでも良い。活物質22は、Li、Li-Al合金、LiTi12、黒鉛、In、Si、Si-Li合金、及び、SiOが例示される。
複合層17に含まれるバインダーは、ポリイミド系、アクリル系、ポリシロキサン、ポリアルキレングリコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、及び、スチレン-ブタジエンゴムが例示される。複合層17に含まれる導電助剤は、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維,Ni,Pt及びAgが例示される。
固体電解質19(図2参照)のうち複合体は、イオン伝導性を有する酸化物20及び錯体水素化物21を溶媒に分散して分散液を得た後、分散液の溶媒を除去して、析出した錯体水素化物21が酸化物20に付着したものである。分散液は、酸化物20及び錯体水素化物21が溶媒の中に散在している。溶媒は、酸化物20及び錯体水素化物21を分散できれば特に制限がないが、溶媒は極性溶媒が好適である。但し溶媒は酸化物20や錯体水素化物21と反応しないものが好ましい。
分散液には、溶媒の中で錯体水素化物21がイオン又は分子の状態で散在し、酸化物20が粒子の状態で溶媒に分散した懸濁液が含まれる。分散液は、錯体水素化物21の全てがイオン又は分子の状態で存在している溶液(均一系)だけでなく、錯体水素化物21の一部が粒子の状態で存在している懸濁液(不均一系)や、錯体水素化物21の一部がコロイド粒子の状態で存在しているコロイド溶液(不均一系)も含まれる。特に錯体水素化物21の全てがイオン又は分子の状態で存在している均一系の溶液であると、得られる固体電解質19において錯体水素化物21の分散性が良いので好ましい。
分散液の撹拌によって酸化物20と錯体水素化物21との湿式混合ができる。湿式混合は、遊星型ボールミル等を使って酸化物20と錯体水素化物21との乾式混合を行う場合に比べ、錯体水素化物21の分散性を向上できるほか、酸化物20や錯体水素化物21の凝集や酸化物20の微細化を低減できる。酸化物20や錯体水素化物21の凝集を低減できるので、イオン伝導に寄与しない固体電解質層14の空隙を低減することができ、固体電解質層14のイオン伝導率の低下を低減できる。酸化物20の微細化を低減できるので、固体電解質層14の中に存在する固体電解質19の粒界の数を減らし、固体電解質層14のイオン伝導率の低下を低減できる。
錯体水素化物21の分解温度以下の温度に分散液を加熱して、溶媒を揮発させると、錯体水素化物21の金属イオンに配位結合していた溶媒分子が分離し錯体水素化物21が析出する。酸化物20の表面に析出した錯体水素化物21は、酸化物20に付着する。錯体水素化物21は、酸化物20に比べて軟らかく、可塑性を有する。錯体水素化物21が酸化物20の表面に付着しているので、固体電解質層14を加圧したときの固体電解質19の粒界抵抗を低減できる。酸化物20は粒内抵抗が低いので、固体電解質層14のイオン伝導率を高くすることができる。酸化物20に付着することなく析出した錯体水素化物21は、錯体水素化物21の粒子となり、固体電解質層14のイオン伝導に寄与しない空隙を埋める。
酸化物20に錯体水素化物21が複合化された固体電解質19(複合体)のうち錯体水素化物21の割合は10-50vol%の範囲で適宜設定される。その割合は、好ましくは25-35vol%である。粒内抵抗の低い酸化物20の表面に付着した錯体水素化物21によって固体電解質19の粒界抵抗を低下させ、酸化物20の低い粒内抵抗によって固体電解質19の抵抗を低くするためである。
溶解度や蒸発速度などの点から、錯体水素化物21がLiBH系のときの溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系、プロパンニトリル、アセトニトリル等のニトリル系が例示される。錯体水素化物21がLiBH系のときは、水と反応した錯体水素化物21の分解を低減するため、溶媒に含まれる水は50ppm以下が好ましく、より好ましくは15ppm以下である。
Li1212等の高次化したクロソ系水素化物(錯体水素化物21)は、常温において水中でも安定である。クロソ系水素化物のときの溶媒は、水(HO)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系、エステル系、エーテル系、ニトリル系が例示される。エステル系の溶媒は、ポリプレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチルが例示される。溶媒は、これらのうちの複数種の混合液または単独の液体である。安全性や副反応の少なさの点から、溶媒は水、アルコール系、ジメチルカーボネート、及び、テトラヒドロフランが好ましい。
二次電池10の複合層13,17、固体電解質層14は、それぞれ材料を含む分散液(スラリー)を用いたテープ成形、材料のプレス成形等の方法によって作ることができる。成形された各層を重ね合わせた後、厚さ方向に加圧して二次電池10が得られる。テープ成形の場合には、酸化物20に付着した錯体水素化物21の溶解度が低い溶媒に固体電解質19を分散し、分散液を得るのが好ましい。テープ成形のときに、酸化物20に錯体水素化物21が付着した状態を保つためである。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(錯体水素化物の調製)
LiCB10・1/2HO及びLiCB1112・HOを200℃で12時間、それぞれ真空乾燥を行うことにより結晶水を脱水し、錯体水素化物LiCB10及びLiCB1112の粉末を得た。
LiCB10:LiCB1112=7:3(mol%)となるようにLiCB10及びLiCB1112の粉末を秤量した。遊星型ボールミル(FRITSCH P-6)を用い、Ar雰囲気において400rpm、20時間混合して錯体水素化物0.7LiCB10・0.3LiCB1112の粉末(以下「LCBH」と称す)を得た。
(酸化物の調製)
Li6.95Mg0.15La2.75Sr0.25Zr2.012となるように、LiCO,MgO,La(OH),SrCO,ZrOを秤量した。LiCOは、焼成時のLiの揮発を考慮し、元素換算で15mol%程度過剰にした。秤量した原料および有機溶剤をジルコニア製ボールと共にナイロン製ポットに投入し、ボールミルで15時間粉砕混合した。ポットから取り出したスラリーを乾燥後、MgO製の板の上で仮焼成(1100℃で10時間)した。仮焼成後の粉末、バインダー及び有機溶剤をポットに投入し、ボールミルで15時間粉砕混合した。
ポットから取り出したスラリーを乾燥後、直径12mmの金型に投入し、プレス成形により厚さが1.5mm程度の成形体を得た。冷間静水等方圧プレス機(CIP)を用いて1.5t/cmの静水圧をさらに成形体に加えた。成形体と同じ組成の仮焼粉末で成形体を覆い、還元雰囲気において焼成(1100℃で4時間)し、焼結体を得た。焼結体のイオン伝導率は1.4×10-3S/cmであった。イオン伝導率の測定条件は、温度25℃、電圧10mV、周波数7MHz-100mHzとした。焼結体をAr雰囲気のグローブボックス内で粉砕して、酸化物の粉末(以下「LLZ」と称す)を得た。
(実施例1)
LLZ:LCBH=90:10(vol%)となるようにLLZ及びLCBHを秤量した。ジメチルカーボネート(溶媒)にLCBHを投入し、LCBHの溶液(均一系)を得た。この溶液にLLZを投入し、スターラー(100rpm)で1時間撹拌した後、140℃で14時間、真空乾燥を行い、溶媒を揮発させ、LLZにLCBHが付着した実施例1における固体電解質を得た。
(実施例2)
LLZ:LCBH=80:20(vol%)となるようにLLZ及びLCBHを配合した以外は実施例1と同様にして、実施例2における固体電解質を得た。
(実施例3)
LLZ:LCBH=70:30(vol%)となるようにLLZ及びLCBHを配合した以外は実施例1と同様にして、実施例3における固体電解質を得た。
(比較例1)
LLZ:LCBH=90:10(vol%)となるようにLLZ及びLCBHを秤量した。遊星型ボールミル(FRITSCH P-6)を用い、Ar雰囲気において300rpmで3時間乾式混合し、LLZ及びLCBHが複合した比較例1における固体電解質を得た。
(比較例2)
LLZ:LCBH=80:20(vol%)となるようにLLZ及びLCBHを配合した以外は比較例1と同様にして、比較例2における固体電解質を得た。
(比較例3)
LLZ:LCBH=70:30(vol%)となるようにLLZ及びLCBHを配合した以外は比較例1と同様にして、比較例3における固体電解質を得た。
(イオン伝導率の測定)
実施例1-3及び比較例1-3における固体電解質をそれぞれ、Ar雰囲気において直径10mmの金型に50mg投入し、室温において90MPaの圧力で加圧成形しペレットを得た。ペレットの両面にステンレス製の円板をそれぞれ押し付け、円板を介してペレットに50MPaの圧力を加えた状態でイオン伝導率を測定した。イオン伝導率の測定条件は、温度25℃、電圧10mV、周波数7MHz-100mHzとした。表1に実施例1-3及び比較例1-3における固体電解質のイオン伝導率(S/cm)を示す。
Figure 2022081804000002
表1に示すように実施例1-3における固体電解質は、比較例1-3における固体電解質に比べ、イオン伝導率が1桁大きいことが明らかになった。これによりLLZ及びLCBHを溶媒に分散し、溶媒を除去してLCBHをLLZに析出させたもの(実施例1-3)は、乾式混合によってLLZ及びLCBHを複合化したもの(比較例1-3)に比べ、イオン伝導率を高くできることが確認された。実施例1-3は、LCBHによって固体電解質の粒界抵抗が低減したほか、イオン伝導に寄与しないペレットの空隙が低減したのでイオン伝導率を高くできたと推察される。
実施例1-3における固体電解質は、LCBHの割合が増えるにつれてイオン伝導率が大きくなることが確認された。LCBHの割合が増えるにつれて固体電解質の粒界抵抗が低下したからであると推察される。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施形態では、正極層11の集電層12の片面に複合層13が設けられ、負極層15の集電層16の片面に複合層17が設けられ、正極層11の複合層13と負極層15の複合層17との間に固体電解質層14を配置した二次電池10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば集電層の両面に複合層13と複合層17とを形成した電極(いわゆるバイポーラ電極)と固体電解質層14とを交互に積層し、それを単一の容器に収容した、いわゆるバイポーラ構造の二次電池とすることは当然可能である。
実施形態では、正極層11、固体電解質層14及び負極層15の全てに、酸化物20に錯体水素化物21が付着した固体電解質19が含まれる二次電池10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。酸化物20に錯体水素化物21が付着した固体電解質19が、少なくとも固体電解質層14に含まれていれば実施形態と同様の作用効果が得られる。
実施形態では、イオン伝導のキャリアがLiである固体電解質19を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他のイオンをキャリアとする二次電池に固体電解質19を利用することは当然可能である。他のキャリアはAg,Cu,Naが例示される。
10 二次電池
11 正極層
14 固体電解質層
15 負極層
19 固体電解質
20 酸化物
21 錯体水素化物

Claims (4)

  1. イオン伝導性を有する酸化物および錯体水素化物を含む固体電解質の製造方法であって、
    前記酸化物および前記錯体水素化物を溶媒に分散する分散工程と、
    前記溶媒を除去して前記錯体水素化物を前記酸化物に析出させる析出工程と、を備える固体電解質の製造方法。
  2. 前記溶媒は、水、アルコール系、エーテル系、エステル系およびニトリル系から選択される1種または2種以上の溶媒である請求項1記載の固体電解質の製造方法。
  3. 前記錯体水素化物は、金属イオンであるカチオンと、一般式(Cn-m(2-m)-(但し0≦m<2、5≦n≦12)で表されるアニオンと、からなる請求項1又は2に記載の固体電解質の製造方法。
  4. 順に、正極層、固体電解質層および負極層を含み、
    前記固体電解質層は、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法で得られた固体電解質を含む二次電池の製造方法。
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