JP2022015857A - 負極活物質の前駆体溶液、負極活物質の前駆体粉末および負極活物質の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的高温での処理を必要とすることなく、緻密度の高い負極活物質を形成することができ、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造に好適に用いることができる負極活物質の前駆体溶液、負極活物質の前駆体粉末、および、負極活物質の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の負極活物質の前駆体溶液は、少なくとも1種の有機溶媒と、前記有機溶媒に対して溶解性を示すリチウム化合物と、前記有機溶媒に対して溶解性を示すチタン化合物とを含む。前記リチウム化合物は、リチウム金属塩化合物であり、前記チタン化合物は、チタンアルコキシドであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の負極活物質の前駆体溶液は、少なくとも1種の有機溶媒と、前記有機溶媒に対して溶解性を示すリチウム化合物と、前記有機溶媒に対して溶解性を示すチタン化合物とを含む。前記リチウム化合物は、リチウム金属塩化合物であり、前記チタン化合物は、チタンアルコキシドであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、負極活物質の前駆体溶液、負極活物質の前駆体粉末および負極活物質の製造方法に関する。
全固体電池は、固体のイオン伝導体によりキャリアを伝導する構成であり、不燃性ないし難燃性の固体電解質の採用により、高温に対する優れた耐熱性を備えた電池とされる。そのため、電解液を用いる電池と比較して、液漏れや、それに伴う発火等のおそれがなく、安全性が高い電池として有望視されている。
現在、全固体電池のエネルギー密度や出力について、さらなる向上を図るべく、電極材料やその製造方法の改良が進められている。
例えば、Li3BO3粉末とTiO2粉末とを質量比で1:2以上1:3以下の割合で混合し、混合物を700℃以上800℃以下の温度で焼成した後、得られた負極材料焼成物を粉砕して負極材料粉末を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
全固体電池に用いられる負極活物質の焼結体の作成時には、活物質の粒子等とともに、焼結助剤としての充填材が用いられている。充填材が活物質等の粒子間に充填されることにより、焼結体が緻密化し、粒成長を抑制した低温焼成でも焼結粒子が脱落しない程度の取り扱い性を有する焼結体が得られている。充填材としては、融点が比較的低く、リチウムイオンの伝導性を有するLi3BO3等が広く用いられている。
しかしながら、負極活物質としてLi4Ti5O12で表されるチタン酸リチウムを利用する場合、焼成する間に、Li3BO3等の充填材とLi4Ti5O12とが反応し、Li2TiO3等の異相が生成する。このような異相は、反応活性に乏しく、高抵抗である。そのため、緻密性と充放電性能とを高いレベルで確保することが困難となる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することができる。
本発明の適用例に係る負極活物質の前駆体溶液は、少なくとも1種の有機溶媒と、
前記有機溶媒に対して溶解性を示すリチウム化合物と、
前記有機溶媒に対して溶解性を示すチタン化合物とを含む。
前記有機溶媒に対して溶解性を示すリチウム化合物と、
前記有機溶媒に対して溶解性を示すチタン化合物とを含む。
また、本発明の適用例に係る負極活物質の前駆体粉末は、
リチウムおよびチタンを含む無機物質で構成され、
平均粒径が400nm以下である。
リチウムおよびチタンを含む無機物質で構成され、
平均粒径が400nm以下である。
また、本発明の適用例に係る負極活物質の前駆体粉末は、本発明に係る負極活物質の前駆体溶液に加熱処理を施して得られる。
また、本発明の適用例に係る負極活物質の製造方法は、本発明に係る負極活物質の前駆体溶液を加熱して前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程と、
前記有機溶媒除去工程を経て得られた負極活物質の前駆体粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を焼成する焼成工程とを有する。
前記有機溶媒除去工程を経て得られた負極活物質の前駆体粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を焼成する焼成工程とを有する。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]負極活物質の前駆体溶液
まず、本発明の負極活物質の前駆体溶液について説明する。
[1]負極活物質の前駆体溶液
まず、本発明の負極活物質の前駆体溶液について説明する。
本発明の負極活物質の前駆体溶液は、後に詳述する負極活物質の形成に用いられる液状の組成物である。特に、本発明の負極活物質の前駆体溶液は、少なくとも1種の有機溶媒と、前記有機溶媒に対して溶解性を示すリチウム化合物と、前記有機溶媒に対して溶解性を示すチタン化合物とを含む。
このような構成により、比較的高温での処理を必要とすることなく、緻密度の高い負極活物質を形成することができ、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造に好適に用いることができる負極活物質の前駆体溶液を提供することができる。より具体的には、前駆体溶液において、リチウム化合物およびチタン化合物が溶解状態で含まれていることにより、当該前駆体溶液を用いて形成される前駆体粉末を、リチウムとチタンとが微視的に高い均一性で含み、かつ、粒径が小さいものとすることができ、最終的に得られる負極活物質を、各部位での不本意な組成のばらつきが好適に抑制されたものとしつつ、緻密度の高いものとすることができる。その結果、目的としない異相の形成を防止しつつ、リチウムとチタンとを含む複酸化物を所望の組成を有するものとして好適に形成することができ、前記負極活物質を含むリチウムイオン二次電池の充放電特性を優れたものとすることができる。
また、前駆体溶液を用いて形成される前駆体粉末の平均粒径を、後に詳述するように極めて小さいものとすることができ、これにより、表面エネルギーの増大に伴う融点降下現象である、いわゆる、Gibbs-Thomson効果によって、負極活物質を形成する際の前駆体粉末の焼成温度を好適に低下させることができる。すなわち、比較的低温の焼成処理で、負極活物質、リチウムイオン二次電池を形成することができる。
これに対し、上記のような条件を満たさない場合には、満足のいく結果が得られない。
これに対し、上記のような条件を満たさない場合には、満足のいく結果が得られない。
例えば、前駆体溶液中に含まれるリチウム化合物およびチタン化合物のうち少なくとも一方が、前駆体溶液中に含まれる有機溶媒に対して溶解性を示さないと、当該前駆体溶液を用いて形成される前駆体粉末を、リチウムとチタンとが微視的に十分に均一性の高い状態で含ませることが困難となる。その結果、最終的に得られる負極活物質の各部位での不本意な組成のばらつきを十分に抑制することができず、また、負極活物質の緻密度を十分に高いものとすることができない。また、目的としない異相の形成を十分に防止することができず、負極活物質を含むリチウムイオン二次電池の充放電特性を十分に優れたものとすることができない。
[1-1]有機溶媒
本発明の前駆体溶液は、少なくとも1種の有機溶媒を含んでいる。
有機溶媒は、リチウム化合物およびチタン化合物を溶解する機能を有している。
本発明の前駆体溶液は、少なくとも1種の有機溶媒を含んでいる。
有機溶媒は、リチウム化合物およびチタン化合物を溶解する機能を有している。
有機溶媒としては、例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、有機酸類、芳香族類、アミド類、脂肪族炭化水素等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上の組み合わせである混合溶媒を用いることができる。アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、アリルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エステル類としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。有機酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、2-エチル酪酸、プロピオン酸等が挙げられる。芳香族類としては、例えば、トルエン、オルトキシレン、パラキシレン等が挙げられる。アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。
中でも、有機溶媒は、非水系であって、n-ブチルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、トルエン、オルトキシレン、パラキシレン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。
これにより、リチウム化合物およびチタン化合物の有機溶媒に対する溶解性を優れたものとすることができるとともに、後述する有機溶媒除去工程での有機溶媒の突沸を防止しつつ、効率よく有機溶媒を除去することができ、前駆体粉末、負極活物質の生産性をより優れたものとすることができる。また、前駆体溶液を用いて製造される負極活物質中における有機物の含有率をより好適に十分に低いものとすることができる。
前駆体溶液を構成する有機溶媒中に占めるn-ブチルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、トルエン、オルトキシレン、パラキシレン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンの割合は、50質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、99質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
前駆体溶液中における有機溶媒の含有率は、78.0質量%以上97.0質量%以下であるのが好ましく、85.0質量%以上95.5質量%以下であるのがより好ましく、89.0質量%以上94.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前駆体溶液中におけるリチウム化合物およびチタン化合物の溶解状態をより好適なものとすることができ、前述した効果がより顕著に発揮される。また、前駆体溶液の取り扱いのしやすさや、前駆体粉末、負極活物質の生産性をより優れたものとすることができる。
[1-2]リチウム化合物
本発明の前駆体溶液は、少なくとも1種のリチウム化合物を含んでいる。
リチウム化合物は、負極活物質を構成する複酸化物のリチウム源として機能する。
本発明の前駆体溶液は、少なくとも1種のリチウム化合物を含んでいる。
リチウム化合物は、負極活物質を構成する複酸化物のリチウム源として機能する。
リチウム化合物は、その少なくとも一部が、前駆体溶液中において、有機溶媒に溶解した状態で含まれている。
ただし、前駆体溶液中に含まれるリチウム化合物全体のうち、有機溶媒に溶解した状態で含まれるものの割合は、90質量%以上であるのが好ましく、95質量%以上であるのがより好ましく、99質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより確実に発揮される。
これにより、前述した効果がより確実に発揮される。
前駆体溶液が有機溶媒に溶解していないリチウム化合物を含むものである場合、有機溶媒に溶解していないリチウム化合物の大きさは、粒径で、1.0μm以下であるのが好ましく、0.5μm以下であるのがより好ましく、0.3μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前駆体溶液中における有機溶媒に溶解していないリチウム化合物の分散性を優れたものとすることができ、前駆体溶液中におけるミクロ的なリチウム化合物の濃度むらの発生を十分に防止することができる。特に、このような効果は、前駆体溶液中に含まれるリチウム化合物全体のうち有機溶媒に溶解した状態で含まれるものの割合が前記のように十分に大きい場合により顕著に発揮される。
リチウム化合物は、前駆体溶液を構成する有機溶媒に溶解性を示すものであれば、特に限定されず、例えば、LiH、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiClO4、LiNO3、LiNO2、Li3N、LiN3、LiNH2、Li2SO4、Li2S、LiOH、Li2CO3等の無機塩、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、プロピオン酸リチウム、2-エチルヘキサン酸リチウム、ステアリン酸リチウム等のカルボン酸塩、乳酸リチウム、リンゴ酸リチウム、クエン酸リチウム等のヒドロキシ酸塩、シュウ酸リチウム、マロン酸リチウム、マレイン酸リチウム等のジカルボン酸塩、メトキシリチウム、エトキシリチウム、イソプロポキシリチウム等のアルコキシド、メチルリチウム、n-ブチルリチウム等のアルキル化リチウム、n-ブチル硫酸リチウム、n-ヘキシル硫酸リチウム、ドデシル硫酸リチウム等の硫酸エステル、2,4-ペンタンジオナトリチウム等のジケトン錯体等が挙げられるが、リチウム金属塩化合物であるのが好ましい。
これにより、前駆体溶液中におけるリチウム化合物の溶解状態をより好適なものとすることができ、前述した効果がより顕著に発揮される。
リチウム化合物は、リチウム金属塩化合物の中でも、オキソ酸塩であるのが好ましい。
これにより、前駆体溶液を用いて形成される仮焼成体、例えば、後述する本発明の前駆体粉末の融点を好適に低下させることができる。その結果、比較的低温、比較的短時間の熱処理である焼成処理で、結晶成長を促進しつつ、負極活物質に好適に変換することができる。また、負極活物質を含む材料で構成された負極の強度、当該負極を備える電池の信頼性、充放電特性をより優れたものとすることができる。
これにより、前駆体溶液を用いて形成される仮焼成体、例えば、後述する本発明の前駆体粉末の融点を好適に低下させることができる。その結果、比較的低温、比較的短時間の熱処理である焼成処理で、結晶成長を促進しつつ、負極活物質に好適に変換することができる。また、負極活物質を含む材料で構成された負極の強度、当該負極を備える電池の信頼性、充放電特性をより優れたものとすることができる。
オキソ酸塩を構成するオキソアニオンとしては、金属元素を含まないものが好ましく、例えば、ハロゲンオキソ酸;ホウ酸イオン;炭酸イオン;オルト炭酸イオン;カルボン酸イオン;ケイ酸イオン;亜硝酸イオン;硝酸イオン;亜リン酸イオン;リン酸イオン;ヒ酸イオン;亜硫酸イオン;硫酸イオン;スルホン酸イオン;スルフィン酸イオン等が挙げられる。ハロゲンオキソ酸としては、例えば、次亜塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、亜臭素酸イオン、臭素酸イオン、過臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン、亜ヨウ素酸イオン、ヨウ素酸イオン、過ヨウ素酸イオン等が挙げられる。
特に、リチウム化合物は、リチウム金属塩化合物であるオキソ酸塩での中でも、硝酸塩、すなわち、LiNO3であるのがより好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
前駆体溶液中におけるリチウム化合物の含有率は、0.6質量%以上4.7質量%以下であるのが好ましく、0.9質量%以上3.2質量%以下であるのがより好ましく、1.2質量%以上2.6質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前駆体溶液中におけるリチウム化合物の溶解状態をより好適なものとすることができ、前述した効果がより顕著に発揮される。また、前駆体溶液の取り扱いのしやすさや、前駆体粉末、負極活物質の生産性をより優れたものとすることができる。
下記組成式(1)の化学量論組成を満たすときの前駆体溶液中におけるチタンの含有率とリチウムの含有率との比率を基準としたとき、言い換えると、前駆体溶液中におけるリチウムとチタンとの含有量の比率がモル比で4:5であるときを基準としたとき、前記基準に対してリチウムの含有率が1.00倍以上1.20倍以下となるように、チタン化合物およびリチウム化合物を含むのが好ましい。すなわち、前駆体溶液中におけるリチウムの含有率とチタンとの含有率の比率は、モル比で、4.00:5.00~4.80:5.00であるのが好ましい。
Li4Ti5O12・・・(1)
これにより、前駆体溶液を用いて形成される負極活物質を、主としてLi4Ti5O12で構成され、好ましくない不純物の含有率がより低いものとすることができる。その結果、負極活物質を含む負極を備える電池の充放電特性をより優れたものとすることができる。
前駆体溶液中における、前記基準に対するリチウムの含有率は、1.00倍以上1.20倍以下であるのが好ましいが、1.00倍以上1.18倍以下であるのがより好ましく、1.00倍以上1.15倍以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
[1-3]チタン化合物
本発明の前駆体溶液は、少なくとも1種のチタン化合物を含んでいる。
本発明の前駆体溶液は、少なくとも1種のチタン化合物を含んでいる。
チタン化合物は、負極活物質を構成する複酸化物のチタン源として機能する。
チタン化合物は、その少なくとも一部が、前駆体溶液中において、有機溶媒に溶解した状態で含まれている。
チタン化合物は、その少なくとも一部が、前駆体溶液中において、有機溶媒に溶解した状態で含まれている。
ただし、前駆体溶液中に含まれるチタン化合物全体のうち、有機溶媒に溶解した状態で含まれるものの割合は、90質量%以上であるのが好ましく、95質量%以上であるのがより好ましく、99質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより確実に発揮される。
これにより、前述した効果がより確実に発揮される。
前駆体溶液が有機溶媒に溶解していないチタン化合物を含むものである場合、有機溶媒に溶解していないチタン化合物の大きさは、粒径で、1.0μm以下であるのが好ましく、0.5μm以下であるのがより好ましく、0.3μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前駆体溶液中における有機溶媒に溶解していないチタン化合物の分散性を優れたものとすることができ、前駆体溶液中におけるミクロ的なチタン化合物の濃度むらの発生を十分に防止することができる。特に、このような効果は、前駆体溶液中に含まれるチタン化合物全体のうち有機溶媒に溶解した状態で含まれるものの割合が前記のように十分に大きい場合により顕著に発揮される。
チタン化合物は、前駆体溶液を構成する有機溶媒に溶解性を示すものであれば、特に限定されず、例えば、塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、酢酸チタン等のチタン金属塩、チタンアルコキシド、水酸化チタン等が挙げられるが、チタンアルコキシドであるのが好ましい。
これにより、前駆体溶液中におけるチタン化合物の溶解状態をより好適なものとすることができ、前述した効果がより顕著に発揮される。
チタンアルコキシドとしては、例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンイソプロポキシド、チタンノルマルブトキシド、チタンイソブトキシド、チタンセカンダリーブトキシド、チタンターシャリーブトキシド、ポリ(ジブチルチタネート)等が挙げられるが、ポリ(ジブチルチタネート)、チタン(IV)イソプロポキシドであるのが好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
前駆体溶液中におけるチタン化合物の含有率は、2.4質量%以上17.3質量%以下であるのが好ましく、3.6質量%以上11.8質量%以下であるのがより好ましく、4.8質量%以上8.4質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前駆体溶液中におけるチタン化合物の溶解状態をより好適なものとすることができ、前述した効果がより顕著に発揮される。また、前駆体溶液の取り扱いのしやすさや、前駆体粉末、負極活物質の生産性をより優れたものとすることができる。
[1-4]その他の成分
本発明の前駆体溶液は、有機溶媒、リチウム化合物およびチタン化合物を含んでいればよいが、さらに、これら以外の成分を含んでいてもよい。
本発明の前駆体溶液は、有機溶媒、リチウム化合物およびチタン化合物を含んでいればよいが、さらに、これら以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
ただし、前駆体溶液中における有機溶媒、リチウム化合物およびチタン化合物以外の成分の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以下であるのがより好ましく、3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
また、前駆体溶液中の水分量は、300ppm以下であるのが好ましく、200ppm以下であるのがより好ましく、100ppm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前駆体溶液を用いて形成される負極活物質を含む負極を備える電池の充放電特性をより優れたものとすることができる。
[2]負極活物質の前駆体粉末
次に、本発明の負極活物質の前駆体粉末について説明する。
次に、本発明の負極活物質の前駆体粉末について説明する。
本発明の負極活物質の前駆体粉末は、前述した本発明の前駆体溶液に加熱処理を施して得られるものである。
これにより、比較的高温での処理を必要とすることなく、緻密度の高い負極活物質を形成することができ、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造に好適に用いることができる負極活物質の前駆体粉末を提供することができる。
また、本発明の負極活物質の前駆体粉末は、リチウムおよびチタンを含む無機物質で構成され、平均粒径が400nm以下である。
これにより、比較的高温での処理を必要とすることなく、緻密度の高い負極活物質を形成することができ、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造に好適に用いることができる負極活物質の前駆体粉末を提供することができる。より具体的には、表面エネルギーの増大に伴う融点降下現象である、いわゆる、Gibbs-Thomson効果によって、負極活物質を形成する際の前駆体粉末の焼成温度を好適に低下させることができる。すなわち、比較的低温の焼成処理で、負極活物質、リチウムイオン二次電池を形成することができる。従来の固相法で得られる負極活物質では、このように極めて小さい粒径の粉末を得ることはできない。
なお、本明細書において、平均粒径とは、メジアン径D50を言い、例えば、サンプルを水に分散させた状態で、粒子径分布測定装置、例えば、日機装社製のMicroTrack MT3300EXIIを用いた測定を行うことにより求めることができる。
前駆体粉末の平均粒径は、400nm以下であるのが好ましいが、100nm以上360nm以下であるのがより好ましく、200nm以上330nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
前駆体粉末は、オキソ酸化合物を含むものであるのが好ましい。
これにより、前駆体粉末の融点を好適に低下させることができる。その結果、比較的低温、比較的短時間の熱処理である焼成処理で、結晶成長を促進しつつ、負極活物質に好適に変換することができる。また、負極活物質を含む材料で構成された負極の強度、当該負極を備える電池の信頼性、充放電特性をより優れたものとすることができる。
これにより、前駆体粉末の融点を好適に低下させることができる。その結果、比較的低温、比較的短時間の熱処理である焼成処理で、結晶成長を促進しつつ、負極活物質に好適に変換することができる。また、負極活物質を含む材料で構成された負極の強度、当該負極を備える電池の信頼性、充放電特性をより優れたものとすることができる。
前述した前駆体溶液の構成成分であるリチウム化合物またはチタン化合物としてオキソ酸塩を用いること、特に、前駆体溶液の構成成分であるリチウム化合物としてオキソ酸塩を用いることにより、オキソ酸化合物を含む前駆体粉末を好適に製造することができる。
オキソ酸化合物を構成するオキソアニオンとしては、金属元素を含まないものが好ましく、例えば、ハロゲンオキソ酸;ホウ酸イオン;炭酸イオン;オルト炭酸イオン;カルボン酸イオン;ケイ酸イオン;亜硝酸イオン;硝酸イオン;亜リン酸イオン;リン酸イオン;ヒ酸イオン;亜硫酸イオン;硫酸イオン;スルホン酸イオン;スルフィン酸イオン等が挙げられる。ハロゲンオキソ酸としては、例えば、次亜塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、亜臭素酸イオン、臭素酸イオン、過臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン、亜ヨウ素酸イオン、ヨウ素酸イオン、過ヨウ素酸イオン等が挙げられる。
前述した前駆体溶液の構成成分であるリチウム化合物またはチタン化合物としてオキソ酸塩を用いる場合、前駆体粉末中に含まれるオキソ酸化合物を構成するオキソアニオンは、通常、前駆体溶液の構成成分であるオキソ酸塩を構成するオキソアニオンと同一種である。
下記組成式(1)の化学量論組成を満たすときの前駆体粉末中におけるチタンの含有率とリチウムの含有率との比率を基準としたとき、言い換えると、前駆体粉末中におけるリチウムとチタンとの含有量の比率がモル比で4:5であるときを基準としたとき、前記基準に対してリチウムの含有率が1.00倍以上1.20倍以下となるように、チタン化合物およびリチウム化合物を含むのが好ましい。すなわち、前駆体粉末中におけるリチウムの含有率とチタンとの含有率の比率は、モル比で、4.00:5.00~4.80:5.00であるのが好ましい。
Li4Ti5O12・・・(1)
これにより、前駆体粉末を用いて形成される負極活物質を、主としてLi4Ti5O12で構成され、好ましくない不純物の含有率がより低いものとすることができる。その結果、負極活物質を含む負極を備える電池の充放電特性をより優れたものとすることができる。
前駆体粉末中における、前記基準に対するリチウムの含有率は、1.00倍以上1.20倍以下であるのが好ましいが、1.00倍以上1.18倍以下であるのがより好ましく、1.00倍以上1.15倍以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
前駆体粉末は、リチウムおよびチタンを含む無機物質で構成されているが、少量の有機物を含んでいてもよい。このような有機物としては、例えば、前述した前駆体溶液中に含まれる有機溶媒等の有機化合物に由来するもの等が挙げられる。また、リチウム化合物、チタン化合物のうち少なくとも一方として有機金属化合物を用いる場合、当該有機金属化合物由来の有機物が含まれていてもよい。
ただし、前駆体粉末中に含まれる有機物の含有率は、200ppm以下であるのが好ましく、150ppm以下であるのがより好ましく、100ppm以下であるのがさらに好ましい。
本発明の前駆体粉末は、例えば、前述した本発明の前駆体溶液に、熱処理を施すことにより、好適に製造することができる。より具体的には、後に詳述する有機溶媒除去工程を行う方法により、本発明の前駆体粉末を好適に製造することができる。また、有機溶媒除去工程の後に、後に詳述する有機物除去工程を行うことにより、本発明の前駆体粉末をより好適に製造することができる。
[3]負極活物質の製造方法
次に、本発明の負極活物質の製造方法について説明する。
次に、本発明の負極活物質の製造方法について説明する。
本発明の負極活物質の製造方法は、前述した本発明の前駆体溶液を加熱して有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程と、有機溶媒除去工程を経て得られた前駆体粉末を成形して成形体を得る成形工程と、成形体を焼成する焼成工程とを有する。
これにより、比較的高温での処理を必要とすることなく、緻密度の高い負極活物質を形成することができ、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造に好適に用いることができる負極活物質の製造方法を提供することができる。
[3-1]有機溶媒除去工程
有機溶媒除去工程では、本発明の前駆体溶液を加熱して有機溶媒を除去する。
有機溶媒除去工程では、本発明の前駆体溶液を加熱して有機溶媒を除去する。
本工程での加熱温度は、有機溶媒の組成等により異なるが、有機溶媒の沸点をTbp[℃]としたとき、(Tbp-40)℃以上(Tbp+40)℃以下であるのが好ましく、(Tbp-30)℃以上(Tbp+30)℃以下であるのがより好ましく、(Tbp-20)℃以上(Tbp+20)℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、最終的に得られる負極活物質中における有機物等の好ましくない不純物の含有率を十分に低いものとしつつ、負極活物質の生産性をより優れたものとすることができる。
本工程では、例えば、空気中、水素ガス雰囲気中、窒素ガス雰囲気中、アルゴンガス雰囲気中等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよいし、減圧環境下で行ってもよい。
本工程を減圧環境下で行う場合、例えば、真空度が10Pa~100Paの環境で行うことができる。
また、本工程は、例えば、雰囲気の湿度を低下させた状態、言い換えると、乾燥度を高めた状態で行ってもよい。
本工程での処理時間は、特に限定されないが、20分間以上240分間以下であるのが好ましく、30分間以上180分間以下であるのがより好ましく、50分間以上120分間以下であるのがさらに好ましい。
これにより、最終的に得られる負極活物質中における有機物等の好ましくない不純物の含有率を十分に低いものとしつつ、負極活物質の生産性をより優れたものとすることができる。
本工程は、前駆体溶液を静置した状態で行ってもよいし、前駆体溶液を撹拌しつつ行ってもよい。
また、本工程では、異なる条件の2段階以上の処理を行ってもよい。例えば、本工程中に、処理温度、雰囲気の組成、圧力および撹拌条件のうちの少なくとも1つを変更してもよい。
本工程終了時点において、得られる組成物中における有機溶媒の含有率は、3.0質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以下であるのがさらに好ましい。
[3-2]有機物除去工程
本実施形態では、前述した有機溶媒除去工程と、後述する成形工程との間に、前駆体溶液から有機溶媒を除去して得られた組成物中に含まれる有機物を除去する有機物除去工程をさらに有している。
本実施形態では、前述した有機溶媒除去工程と、後述する成形工程との間に、前駆体溶液から有機溶媒を除去して得られた組成物中に含まれる有機物を除去する有機物除去工程をさらに有している。
これにより、最終的に得られる負極活物質中における不純物である有機物の含有率を十分に低いものとすることができ、負極活物質やそれを含む電池の信頼性をより優れたものとすることができる。また、負極活物質の前駆体である仮焼成体を得ることができ、後の焼成工程の処理条件を緩和することができ、負極活物質の生産性、信頼性をより優れたものとすることができる。
本工程での加熱温度は、280℃以上650℃以下であるのが好ましく、300℃以上600℃以下であるのがより好ましく、330℃以上580℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、最終的に得られる負極活物質中における不純物である有機物の含有率をより低いものとすることができ、負極活物質やそれを含む電池の信頼性をより優れたものとすることができる。また、前記組成物の焼成が過剰に進行することを防止しつつ、負極活物質の前駆体である仮焼成体をより効率よく得ることができ、負極活物質の生産性、信頼性をさらに優れたものとすることができる。
有機溶媒除去工程での加熱温度をT1[℃]、有機物除去工程での加熱温度をT2[℃]としたとき、200≦T2-T1≦500の関係を満たすのが好ましく、250≦T2-T1≦450の関係を満たすのがより好ましく、300≦T2-T1≦400の関係を満たすのがさらに好ましい。
これにより、最終的に得られる負極活物質中における不純物である有機物の含有率をより低いものとすることができ、負極活物質やそれを含む電池の信頼性をより優れたものとすることができる。また、前記組成物の焼成が過剰に進行することを防止しつつ、負極活物質の前駆体である仮焼成体をより効率よく得ることができ、負極活物質の生産性、信頼性をさらに優れたものとすることができる。
なお、有機溶媒除去工程での加熱温度、有機物除去工程での加熱温度のうち少なくとも一方が変動する場合、T1、T2としては、各工程での最高加熱温度を採用するものとする。
本工程では、例えば、空気中、水素ガス雰囲気中、窒素ガス雰囲気中、アルゴンガス雰囲気中等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよいし、減圧環境下で行ってもよい。
本工程を減圧環境下で行う場合、例えば、真空度が10Pa~100Paの環境で行うことができる。
また、本工程は、例えば、雰囲気の湿度を低下させた状態、言い換えると、乾燥度を高めた状態で行ってもよい。
本工程での処理時間は、特に限定されないが、20分間以上240分間以下であるのが好ましく、30分間以上180分間以下であるのがより好ましく、50分間以上120分間以下であるのがさらに好ましい。
これにより、最終的に得られる負極活物質中における不純物である有機物の含有率をより低いものとすることができ、負極活物質やそれを含む電池の信頼性をより優れたものとすることができる。また、前記組成物の焼成が過剰に進行することを防止しつつ、負極活物質の前駆体である仮焼成体をより効率よく得ることができ、負極活物質の生産性、信頼性をさらに優れたものとすることができる。
本工程は、有機溶媒除去工程で得られた組成物を静置した状態で行ってもよいし、有機溶媒除去工程で得られた組成物を撹拌しつつ行ってもよい。
また、本工程では、異なる条件の2段階以上の処理を行ってもよい。例えば、本工程中に、処理温度、雰囲気の組成、圧力および撹拌条件のうちの少なくとも1つを変更してもよい。
本工程終了時における有機物の含有率は、500ppm以下であるのが好ましく、300ppm以下であるのがより好ましく、100ppm以下であるのがさらに好ましい。
[3-3]粉砕工程
本実施形態では、前述した有機物除去工程と、後述する成形工程との間に、有機物除去工程で得られた仮焼成体を粉砕する粉砕工程をさらに有している。
本実施形態では、前述した有機物除去工程と、後述する成形工程との間に、有機物除去工程で得られた仮焼成体を粉砕する粉砕工程をさらに有している。
これにより、成形工程での成形をより好適に行うことができ、最終的に得られる負極活物質の寸法精度や緻密度をより優れたものとすることができ、負極活物質やそれを含む電池の信頼性をより優れたものとすることができる。また、負極活物質や電池の生産性をより優れたものとすることができる。以下の説明では、粉砕工程により、前述した本発明の前駆体粉末が得られる場合について代表的に説明する。
本工程は、例えば、乳鉢を用いた粉砕により好適に行うことができる。
本工程で得られる粉末の平均粒径は、400nm以下であるのが好ましく、100nm以上360nm以下であるのがより好ましく、200nm以上330nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
本工程で得られる粉末の平均粒径は、400nm以下であるのが好ましく、100nm以上360nm以下であるのがより好ましく、200nm以上330nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
[3-4]成形工程
成形工程では、前記工程を経て得られた前駆体粉末を成形して成形体を得る。
本工程は、例えば、プレス成型により行うことができる。
成形工程では、前記工程を経て得られた前駆体粉末を成形して成形体を得る。
本工程は、例えば、プレス成型により行うことができる。
プレス成形の際の荷重は、300MPa以上1000MPa以下であるのが好ましく、400MPa以上900MPa以下であるのがより好ましく、500MPa以上800MPa以下であるのがさらに好ましい。
本工程は、例えば、前駆体粉末を加熱しつつ行ってもよい。
この場合、本工程での加熱温度は、50℃以上400℃以下とすることができる。
この場合、本工程での加熱温度は、50℃以上400℃以下とすることができる。
また、本工程では、前駆体粉末以外の成分と組み合わせて成形を行ってもよい。
このような成分としては、例えば、Li4Ti5O12等の結晶粉体状の負極活物質、固体電解質やその前駆物質、負極活物質やその前駆物質等が挙げられる。このような成分は、例えば、成形工程よりも前の工程で用いてもよい。より具体的には、例えば、有機溶媒除去工程において、前駆体溶液とともに前述した成分を用いてもよいし、有機物除去工程において、有機溶媒を除去して得られた組成物とともに前述した成分を用いてもよい。
このような成分としては、例えば、Li4Ti5O12等の結晶粉体状の負極活物質、固体電解質やその前駆物質、負極活物質やその前駆物質等が挙げられる。このような成分は、例えば、成形工程よりも前の工程で用いてもよい。より具体的には、例えば、有機溶媒除去工程において、前駆体溶液とともに前述した成分を用いてもよいし、有機物除去工程において、有機溶媒を除去して得られた組成物とともに前述した成分を用いてもよい。
[3-5]焼成工程
焼成工程では、前記工程で得られた成形体を焼成する。
これにより、成形体に対応する形状の負極活物質が得られる。
焼成工程では、前記工程で得られた成形体を焼成する。
これにより、成形体に対応する形状の負極活物質が得られる。
本工程での加熱温度は、700℃以上1200℃以下であるのが好ましく、750℃以上1100℃以下であるのがより好ましく、800℃以上1000℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、焼成に要するエネルギー量を抑制しつつ、製造される負極活物質の緻密度をより高いものとすることができ、負極活物質を含む電池の充放電特性をより優れたものとすることができる。また、負極活物質の生産性を高める上でも有利である。
本工程では、例えば、空気中、水素ガス雰囲気中、窒素ガス雰囲気中、アルゴンガス雰囲気中等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよいし、減圧環境下で行ってもよい。
本工程を減圧環境下で行う場合、例えば、真空度が10Pa~100Paの環境で行うことができる。
本工程での処理時間は、特に限定されないが、1時間以上24時間以下であるのが好ましく、2時間以上18時間以下であるのがより好ましく、4時間以上12時間以下であるのがさらに好ましい。
これにより、焼成に要するエネルギー量を抑制しつつ、製造される負極活物質の緻密度をより高いものとすることができ、負極活物質を含む電池の充放電特性をより優れたものとすることができる。また、負極活物質の生産性を高める上でも有利である。
また、本工程では、異なる条件の2段階以上の処理を行ってもよい。例えば、本工程中に、処理温度、雰囲気の組成および圧力のうちの少なくとも1つを変更してもよい。
上記のようにして得られる負極活物質の緻密度は、60%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましく、90%以上100%以下であるのがさらに好ましい。
このように負極活物質の緻密度が十分に高いものであると、負極活物質中の空隙の割合が十分に少ないものとなり、当該負極活物質を含む電池の充放電特性をより優れたものとすることができる。
なお、本明細書において、緻密度とは、所定の大きさ、形状の負極活物質について、寸法測定を行い正確な体積を求めるとともに、正確な質量を求め、これらの測定値から、負極活物質の嵩密度を求めたときの、Li4Ti5O12の比重3.418に対する嵩密度の比率のことを指す。負極活物質が円盤状をなすものである場合、その直径の測定には、例えば、ミツトヨ社製のデジマチックキャリパCD-15APXを用いることができ、厚みの測定には、例えば、ソニー社製デジタルマイクロメーターであるミューメートを用いることができる。
[4]電池
次に、本発明を適用した電池について説明する。
次に、本発明を適用した電池について説明する。
以下の説明では、電池の一例として全固体電池であるリチウムイオン二次電池について代表的に説明する。
本発明に係る電池は、前述した本発明の前駆体溶液、前駆体粉末を用いて形成された負極活物質を含むものであり、例えば、前述した本発明の負極活物質の製造方法を適用して製造することができる。
このような電池は、緻密度の高い負極活物質を含むものであり、充放電特性に優れている。
[4-1]第1実施形態のリチウムイオン二次電池
以下、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
以下、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
図1は、第1実施形態のリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す概略斜視図である。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池100は、正極10と、正極10に対して順に積層された固体電解質層20と、負極30とを有している。また、正極10の固体電解質層20に対向する面とは反対の面側に正極10に接する集電体41を有し、負極30の固体電解質層20に対向する面とは反対の面側に負極30に接する集電体42を有している。正極10、固体電解質層20、負極30は、いずれも固相で構成されていることから、リチウムイオン二次電池100は、充放電可能な全固体電池である。
リチウムイオン二次電池100の形状は、特に限定されず、例えば、多角形の盤状等であってもよいが、図示の構成では、円盤状である。リチウムイオン二次電池100の大きさは、特に限定されないが、例えば、リチウムイオン二次電池100の直径は、例えば、10mm以上20mm以下であり、リチウムイオン二次電池100の厚さは、例えば、0.1mm以上1.0mm以下である。
リチウムイオン二次電池100が、このように、小型、薄型であると、充放電可能であって全固体であることと相まって、スマートフォン等の携帯情報端末の電源として好適に用いることができる。なお、後述するように、リチウムイオン二次電池100は、携帯情報端末の電源以外の用途のものであってもよい。
以下、リチウムイオン二次電池100の各構成について説明する。
以下、リチウムイオン二次電池100の各構成について説明する。
[4-1-1]正極
正極10は、電気化学的なリチウムイオンの吸蔵・放出を繰り返すことが可能な正極活物質で構成されたものであればいかなるものであってもよい。
正極10は、電気化学的なリチウムイオンの吸蔵・放出を繰り返すことが可能な正極活物質で構成されたものであればいかなるものであってもよい。
具体的には、正極10を構成する正極活物質としては、例えば、少なくともLiを含み、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuからなる群より選択されるいずれか1種以上の元素により構成されるリチウムの複酸化物等を用いることができる。このような複酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、Li2Mn2O3、LiCr0.5Mn0.5O2、LiFePO4、Li2FeP2O7、LiMnPO4、LiFeBO3、Li3V2(PO4)3、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4等が挙げられる。また、正極10を構成する正極活物質としては、例えば、LiFeF3等のフッ化物、LiBH4やLi4BN3H10等のホウ素化物錯体化合物、ポリビニルピリジン-ヨウ素錯体等のヨウ素錯体化合物、硫黄等の非金属化合物等を用いることもできる。
正極10は、導電性やイオン拡散距離を鑑みると、固体電解質層20の一方の表面に薄膜として形成されているのが好ましい。
当該薄膜による正極10の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上500μm以下であるのが好ましく、0.3μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
正極10の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、PLD法、ALD法、エアロゾルデポジション法等の気相堆積法、ゾルゲル法やMOD法といった溶液を用いた化学堆積法等が挙げられる。また、例えば、正極活物質の微粒子を適当なバインダーとともにスラリー化して、スキージーやスクリーン印刷を行って塗膜を形成し、塗膜を乾燥および焼成して固体電解質層20の表面に焼き付けてもよい。
[4-1-2]固体電解質層
固体電解質層20は、固体電解質で構成されたものであればいかなるものであってもよい。
固体電解質層20は、固体電解質で構成されたものであればいかなるものであってもよい。
具体的には、固体電解質層20を構成する固体電解質としては、例えば、少なくともLiを含み、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuからなる群より選択されるいずれか1種以上の元素により構成されるリチウムの複酸化物等を用いることができる。このような複酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、Li2Mn2O3、LiCr0.5Mn0.5O2、LiFePO4、Li2FeP2O7、LiMnPO4、LiFeBO3、Li3V2(PO4)3、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4等が挙げられる。また、固体電解質層20を構成する固体電解質としては、例えば、LiFeF3等のフッ化物、LiBH4やLi4BN3H10等のホウ素化物錯体化合物、ポリビニルピリジン-ヨウ素錯体等のヨウ素錯体化合物、硫黄等の非金属化合物等を用いることもできる。
また、固体電解質層20を構成する固体電解質としては、例えば、上記以外の酸化物固体電解質、硫化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質、水素化物固体電解質、ドライポリマー電解質等が挙げられ、また、擬固体電解質の結晶質または非晶質であってもよい。
結晶質の酸化物としては、例えば、Li0.35La0.55TiO3、Li0.2La0.27NbO3、および、これらの結晶を構成する元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素等で置換したペロブスカイト型結晶またはペロブスカイト類似型結晶、Li7La3Zr2O12、Li5La3Nb2O12、Li5BaLa2TaO12、および、これらの結晶を構成する元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素等で置換したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO4)3、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO4)3、Li1.4Al0.4Ti1.4Ge0.2(PO4)3、および、これらの結晶を構成する元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素等で置換したNASICON型結晶、Li14ZnGe4O16等のLISICON型結晶、Li3.4V0.6Si0.4O4、Li3.6V0.4Ge0.6O4、Li2+xC1-xBxO3等のその他の結晶質等を挙げることができる。
結晶質の硫化物としては、例えば、Li10GeP2S12、Li9.6P3S12、Li9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3、Li3PS4等を挙げることができる。
また、その他の非晶質としては、例えば、Li2O-TiO2、La2O3-Li2O-TiO2、LiNbO3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4-Li4SiO4、Li4GeO4-Li3VO4、Li4SiO4-Li3VO4、Li4GeO4-Zn2GeO2、Li4SiO4-LiMoO4、Li4SiO4-Li4ZrO4、SiO2-P2O5-Li2O、SiO2-P2O5-LiCl、Li2O-LiCl-B2O3、LiAlCl4、LiAlF4、LiF-Al2O3、LiBr-Al2O3、Li2.88PO3.73N0.14、Li3N-LiCl、Li6NBr3、Li2S-SiS2、Li2S-SiS2-P2S5等を挙げることができる。
固体電解質層20が結晶質で構成されている場合、当該結晶質は、リチウムイオン伝導の方向の結晶面異方性が小さい立方晶等の結晶構造を有するものであるのが好ましい。また、固体電解質層20が非晶質で構成されている場合、リチウムイオン伝導の異方性が小さくなる。このため、上記のような結晶質、非晶質は、いずれも、固体電解質層20を構成する固体電解質として好ましい。
固体電解質層20の厚さは、特に限定されないが、充放電レートの観点から、1.1μm以上1000μm以下であるのが好ましく、2.5μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
また、負極30側に析出するリチウムの樹枝状結晶体による正極10と負極30との短絡を防ぐ観点から、固体電解質層20の測定重量を、固体電解質層20の見かけ体積に固体電解質材料の理論密度を乗じた値で除した値、すなわち焼結密度を50%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましい。
固体電解質層20の形成方法としては、例えば、グリーンシート法、プレス焼成法、鋳込み焼成法等が挙げられる。なお、固体電解質層20と正極10および負極30との密着性の向上や、比表面積の増大によるリチウムイオン二次電池100の出力や電池容量の向上等を目的として、例えば、正極10や負極30と接触する固体電解質層20の表面に、ディンプル、トレンチ、ピラー等の三次元的なパターン構造を形成してもよい。
[4-1-3]負極
負極30は、正極10として選択された材料よりも低い電位において電気化学的なリチウムイオンの吸蔵・放出を繰り返すいわゆる負極活物質で構成されたものであればいかなるものであってもよいが、少なくとも、前述した本発明の前駆体溶液、前駆体粉末を用いて形成された負極活物質を含むものである。
負極30は、正極10として選択された材料よりも低い電位において電気化学的なリチウムイオンの吸蔵・放出を繰り返すいわゆる負極活物質で構成されたものであればいかなるものであってもよいが、少なくとも、前述した本発明の前駆体溶液、前駆体粉末を用いて形成された負極活物質を含むものである。
具体的には、負極30を構成する負極活物質は、少なくとも、Li4Ti5O12を含むものであるが、例えば、さらに、Nb2O5、V2O5、TiO2、In2O3、ZnO、SnO2、NiO、ITO、AZO、GZO、ATO、FTO、Li2Ti3O7等のリチウムの複酸化物のうち少なくとも1種を含んでいてもよい。また、負極30を構成する負極活物質はLi4Ti5O12に加えて、例えば、Li、Al、Si、Si-Mn、Si-Co、Si―Ni、Sn、Zn、Sb、Bi、In、Au等の金属および合金、炭素材料、LiC24、LiC6等のような炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質等を含んでいてもよい。
負極30は、導電性やイオン拡散距離を鑑みると、固体電解質層20の一方の表面に薄膜として形成されているのが好ましい。
当該薄膜による負極30の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上500μm以下であるのが好ましく、0.3μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
負極30は、例えば、前述した本発明の前駆体溶液を各種塗布法により塗布した後、前述した本発明の負極活物質の製造方法を適用することにより、好適に形成することができる。このとき、本発明の前駆体溶液を、Li4Ti5O12等の結晶粉体状の負極活物質と混合した状態で用いてもよい。
[4-1-4]集電体
集電体41,42は、正極10または負極30に対する電子の授受を担うよう設けられた導電体である。集電体としては、通常、十分に電気抵抗が小さく、また充放電によって電気伝導特性やその機械構造が実質的に変化しない材料で構成されたものが用いられる。具体的には、正極10の集電体41の構成材料としては、例えば、Al、Ti、Pt、Au等が用いられる。また、負極30の集電体42の構成材料としては、例えば、Cu等が好適に用いられる。
集電体41,42は、正極10または負極30に対する電子の授受を担うよう設けられた導電体である。集電体としては、通常、十分に電気抵抗が小さく、また充放電によって電気伝導特性やその機械構造が実質的に変化しない材料で構成されたものが用いられる。具体的には、正極10の集電体41の構成材料としては、例えば、Al、Ti、Pt、Au等が用いられる。また、負極30の集電体42の構成材料としては、例えば、Cu等が好適に用いられる。
集電体41,42は、通常、それぞれ、正極10、負極30との接触抵抗が小さくなるように設けられている。集電体41,42の形状としては、例えば、板状、メッシュ状等が挙げられる。
集電体41,42の厚さは、特に限定されないが、7μm以上85μm以下であるのが好ましく、10μm以上60μm以下であるのがより好ましい。
図示の構成では、リチウムイオン二次電池100は、一対の集電体41,42を有しているが、例えば、複数のリチウムイオン二次電池100を積層し、電気的に直列に接続して用いる場合、リチウムイオン二次電池100は、集電体41,42のうち集電体41だけを備える構成とすることもできる。
リチウムイオン二次電池100は、いかなる用途のものであってもよい。リチウムイオン二次電池100が電源として適用される電子機器としては、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、音楽プレイヤー、タブレット端末、時計、スマートウォッチ、インクジェットプリンター等の各種プリンター、テレビ、プロジェクター、ヘッドアップディスプレイ、ワイヤレスヘッドホン、ワイヤレスイヤホン、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ドライブレコーダー、ページャー、電子手帳、電子辞書、電子翻訳機、電卓、電子ゲーム機器、玩具、ワードプロセッサー、ワークステーション、ロボット、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器、魚群探知機、各種測定機器、移動体端末基地局用機器、車両、鉄道車輌、航空機、ヘリコプター、船舶等の各種計器類、フライトシミュレーター、ネットワークサーバー等が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、例えば、自動車や船舶等の移動体に適用してもよい。より具体的には、例えば、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等の蓄電池として、好適に適用することができる。また、例えば、家庭用電源、工業用電源、太陽光発電の蓄電池等にも適用することができる。
[4-2]第2実施形態のリチウムイオン二次電池
次に、第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
次に、第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
図2は、第2実施形態のリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す概略斜視図、図3は、第2実施形態のリチウムイオン二次電池の構造を模式的に示す概略断面図である。
以下、これらの図を参照して第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池100は、正極として機能する正極合材210と、正極合材210に対して順に積層された、電解質層220と、負極30とを有している。また、正極合材210の電解質層220に対向する面とは反対の面側に正極合材210に接する集電体41を有し、負極30の電解質層220に対向する面とは反対の面側に負極30に接する集電体42を有している。
以下、前述した実施形態に係るリチウムイオン二次電池100が有する構成と異なる正極合材210および電解質層220について説明する。
[4-2-1]正極合材
図3に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池100における正極合材210は、粒子状の正極活物質211と、固体電解質212とを含んでいる。このような正極合材210では、粒子状の正極活物質211と固体電解質212とが接する界面面積を大きくして、リチウムイオン二次電池100における電池反応速度をより高めることが可能となっている。
図3に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池100における正極合材210は、粒子状の正極活物質211と、固体電解質212とを含んでいる。このような正極合材210では、粒子状の正極活物質211と固体電解質212とが接する界面面積を大きくして、リチウムイオン二次電池100における電池反応速度をより高めることが可能となっている。
正極活物質211の平均粒径は、特に限定されないが、0.1μm以上150μm以下であるのが好ましく、0.3μm以上60μm以下であるのがより好ましい。
これにより、正極活物質211の理論容量に近い実容量密度と高い充放電レートとを両立しやすくなる。
正極活物質211の粒度分布は、特に限定されず、例えば、1つのピークを有する粒度分布において、当該ピークの半値幅が0.15μm以上19μm以下とすることができる。また、正極活物質211の粒度分布におけるピークは、2つ以上あってもよい。
なお、図3では、粒子状の正極活物質211の形状を球状として示したが、正極活物質211の形状は、球状に限定されず、例えば、柱状、板状、鱗片状、中空状、不定形等の様々な形態をとることができ、また、これらのうちの2種以上が混合されていてもよい。
正極活物質211としては、前記第1実施形態で正極10の構成材料として挙げたものと同様のものを挙げることができる。
また、正極活物質211は、例えば、固体電解質212との界面抵抗の低減や電子伝導性の向上等を目的として、表面に被覆層が形成されていてもよい。例えば、LiCoO2からなる正極活物質211の粒子の表面に、LiNbO3、Al2O3、ZrO2、Ta2O5等の薄膜を形成することで、リチウムイオン伝導の界面抵抗をさらに低減することができる。前記被覆層の厚さは、特に限定されないが、3nm以上1μm以下であるのが好ましい。
本実施形態において、正極合材210は、前述した正極活物質211に加えて、固体電解質212を含んでいる。固体電解質212は、正極活物質211の粒子間を埋めるように、または、正極活物質211の表面に接触、特に密着するように存在する。
固体電解質212としては、前記第1実施形態で固体電解質層20の構成材料として挙げたものと同様のものを挙げることができる。
正極合材210中における正極活物質211の含有率をXA[質量%]、正極合材210中における固体電解質212の含有率をXS[質量%]としたとき、0.1≦XS/XA≦8.3の関係を満足するのが好ましく、0.3≦XS/XA≦2.8の関係を満足するのがより好ましく、0.6≦XS/XA≦1.4の関係を満足するのがさらに好ましい。
また、正極合材210は、正極活物質211、固体電解質212のほかに、導電助剤、結着剤等を含んでいてもよい。
導電助剤としては、正極反応電位において電気化学的な相互作用が無視できる導電体であれば、いかなるものを用いてもよく、より具体的には、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素材料、パラジウム、プラチナ等の貴金属、SnO2、ZnO、RuO2やReO3、Ir2O3等の導電性酸化物等を用いることができる。
正極合材210の厚さは、特に限定されないが、1.1μm以上500μm以下であるのが好ましく、2.3μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
[4-2-2]電解質層
電解質層220は、正極合材210との界面インピーダンスの観点から、固体電解質212と同一または同種の材料で構成されることが好ましいが、固体電解質212とは異なる材料で構成されたものであってもよい。例えば、電解質層220は、固体電解質212とは異なる組成を有する材料で構成されたものであってもよい。
電解質層220は、正極合材210との界面インピーダンスの観点から、固体電解質212と同一または同種の材料で構成されることが好ましいが、固体電解質212とは異なる材料で構成されたものであってもよい。例えば、電解質層220は、固体電解質212とは異なる組成を有する材料で構成されたものであってもよい。
電解質層220の厚さは、1.1μm以上100μm以下であるのが好ましく、2.5μm以上10μm以下であるのがより好ましい。電解質層220の厚さが前記範囲内の値であると、電解質層220の内部抵抗をさらに低くするとともに、正極合材210と負極30との間での短絡の発生をより効果的に防止することができる。
電解質層220と負極30との密着性の向上や、比表面積の増大によるリチウムイオン二次電池100の出力や電池容量の向上等を目的として、例えば、電解質層220の負極30と接する表面には、例えば、ディンプル、トレンチ、ピラー等の三次元的なパターン構造を形成してもよい。
[4-3]第3実施形態のリチウムイオン二次電池
次に、第3実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
次に、第3実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
図4は、第3実施形態のリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す概略斜視図、図5は、第3実施形態のリチウムイオン二次電池の構造を模式的に示す概略断面図である。
以下、これらの図を参照して第3実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池100は、正極10と、正極10に対して順に積層された、電解質層220と、負極として機能する負極合材330とを有している。また、正極10の電解質層220に対向する面とは反対の面側に正極10に接する集電体41を有し、負極合材330の電解質層220に対向する面とは反対の面側に負極合材330に接する集電体42を有している。
以下、前述した実施形態に係るリチウムイオン二次電池100が有する構成と異なる負極合材330について説明する。
[4-3-1]負極合材
図5に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池100における負極合材330は、負極活物質331と、固体電解質212とを含んでいる。このような負極合材330では、負極活物質331と固体電解質212とが接する界面面積を大きくして、リチウムイオン二次電池100における電池反応速度をより高めることが可能となっている。
図5に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池100における負極合材330は、負極活物質331と、固体電解質212とを含んでいる。このような負極合材330では、負極活物質331と固体電解質212とが接する界面面積を大きくして、リチウムイオン二次電池100における電池反応速度をより高めることが可能となっている。
負極活物質331としては、前記第1実施形態で負極30の構成材料として挙げたものと同様のものを挙げることができる。
本実施形態において、負極合材330は、前述した負極活物質331に加えて、固体電解質212を含んでいる。負極活物質331は、少なくとも、前述した本発明の前駆体溶液、前駆体粉末を用いて形成されたものであるため、負極合材330中において、負極合材330全体として緻密度が密な状態になっている。
固体電解質212としては、前記第1実施形態で固体電解質層20の構成材料として挙げたものと同様のものを挙げることができる。
負極合材330中における負極活物質331の含有率をXB[質量%]、負極合材330中における固体電解質212の含有率をXS[質量%]としたとき、0.14≦XS/XB≦26の関係を満足するのが好ましく、0.44≦XS/XB≦4.1の関係を満足するのがより好ましく、0.89≦XS/XB≦2.1の関係を満足するのがさらに好ましい。
また、負極合材330は、負極活物質331、固体電解質212のほかに、導電助剤、結着剤等を含んでいてもよい。
導電助剤としては、正極反応電位において電気化学的な相互作用が無視できる導電体であれば、いかなるものを用いてもよく、より具体的には、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素材料、パラジウム、プラチナ等の貴金属、SnO2、ZnO、RuO2やReO3、Ir2O3等の導電性酸化物等を用いることができる。
負極合材330の厚さは、特に限定されないが、1.1μm以上500μm以下であるのが好ましく、2.3μm以上100μm以下であるのがより好ましい。
[4-4]第4実施形態のリチウムイオン二次電池
次に、第4実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
次に、第4実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
図6は、第4実施形態のリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す概略斜視図、図7は、第4実施形態のリチウムイオン二次電池の構造を模式的に示す概略断面図である。
以下、これらの図を参照して第4実施形態に係るリチウムイオン二次電池について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池100は、正極合材210と、正極合材210に対して順に積層された、固体電解質層20と、負極合材330とを有している。また、正極合材210の固体電解質層20に対向する面とは反対の面側に正極合材210に接する集電体41を有し、負極合材330の固体電解質層20に対向する面とは反対の面側に負極合材330に接する集電体42を有している。
これらの各部は、前述した実施形態での対応する各部位について説明したのと同様の条件を満足しているのが好ましい。
なお、前記第1~第4実施形態において、リチウムイオン二次電池100を構成する各層の層間または層の表面には、他の層が設けられていてもよい。このような層としては、例えば、接着層、絶縁層、保護層等が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の負極活物質の前駆体粉末は、リチウムおよびチタンを含む無機物質で構成され、平均粒径が400nm以下であるもの、または、本発明の負極活物質の前駆体溶液に加熱処理を施して得られるものであればよい。例えば、本発明の負極活物質の前駆体粉末が、リチウムおよびチタンを含む無機物質で構成され、平均粒径が400nm以下であるものであれば、本発明の負極活物質の前駆体溶液に加熱処理を施して得られたものでなくてもよい。また、本発明の負極活物質の前駆体粉末は、本発明の負極活物質の前駆体溶液に加熱処理を施して得られるものであれば、その平均粒径が400nm以下でなくてもよい。
また、本発明をリチウムイオン二次電池に適用する場合、当該リチウムイオン二次電池の構成は、前述した実施形態のものに限定されない。
例えば、本発明をリチウムイオン二次電池に適用する場合、当該リチウムイオン二次電池は、全固体電池に限定されず、例えば、正極合材と負極との間に多孔質なセパレーターを設け、セパレーターに電解液を含浸させたリチウムイオン二次電池であってもよい。
また、本発明の負極活物質の製造方法は、前述した工程以外の工程を有していてもよい。また、本発明の負極活物質の製造方法は、前述した有機物除去工程を有していなくてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[5]負極活物質の前駆体溶液の製造
まず、以下のようにして、前駆体溶液を製造した。
[5]負極活物質の前駆体溶液の製造
まず、以下のようにして、前駆体溶液を製造した。
(実施例1)
まず、パイレックス製(「パイレックス」は登録商標)の試薬瓶へ、1mol/kg濃度のリチウム化合物としての硝酸リチウムのエチレングリコールモノブチルエーテル溶液4.000g、有機溶媒としてのエチレングリコールモノブチルエーテル2mlを秤量し、磁石式撹拌子を投入して、マグネチックスターラー機能付きホットプレート上に載置した。
まず、パイレックス製(「パイレックス」は登録商標)の試薬瓶へ、1mol/kg濃度のリチウム化合物としての硝酸リチウムのエチレングリコールモノブチルエーテル溶液4.000g、有機溶媒としてのエチレングリコールモノブチルエーテル2mlを秤量し、磁石式撹拌子を投入して、マグネチックスターラー機能付きホットプレート上に載置した。
次に、ホットプレートの設定温度を160℃とし、回転速度を500rpmとして加熱・撹拌を30分間行った。
次に、エチレングリコールモノブチルエーテル2mlを追加して、再び加熱・撹拌を30分間行った。
その後、エチレングリコールモノブチルエーテル2mlを追加して、再び加熱・撹拌を30分間行った。
30分間の加熱・撹拌を1回の脱水処理とすると、併せて3回の脱水処理が行われたことになる。
上記のような脱水処理後に、試薬瓶に蓋をして密封し、ホットプレートの設定温度を室温である25℃とし、回転速度を500rpmとして撹拌し、室温まで徐冷した。
次に、試薬瓶を乾燥雰囲気下に移し、この試薬瓶に、1mol/kg濃度のチタン化合物としてのポリ(ジブチルチタネート)のエチレングリコールモノブチルエーテル溶液5.000gを秤量し、磁石式撹拌子を投入した。
次いで、マグネチックスターラーの回転速度を500rpmとして室温にて30分間撹拌し、前駆体溶液を得た。
(実施例2~14)
有機溶媒、リチウム化合物、チタン化合物の種類、使用量を調整することにより、表1に示すような条件のものとなるようにした以外は、前記実施例1と同様にして前駆体溶液を製造した。
有機溶媒、リチウム化合物、チタン化合物の種類、使用量を調整することにより、表1に示すような条件のものとなるようにした以外は、前記実施例1と同様にして前駆体溶液を製造した。
前記各実施例の前駆体溶液の構成を表1にまとめて示した。表1中、上記組成式(1)の化学量論組成を満たすときのチタンの含有率とリチウムの含有率との比率を基準としたときの当該基準に対するリチウムの含有率の倍率を「基準含有率に対する倍率」として示した。なお、前記各実施例の前駆体溶液は、いずれも、水分量が100ppm以下であった。また、前記各実施例の前駆体溶液では、リチウム化合物およびチタン化合物が完全に溶解しており、不溶分は認められなかった。
[6]負極活物質の前駆体粉末・負極活物質の製造
前記各実施例の前駆体溶液を用いて、以下のようにして、それぞれ、前駆体粉末・負極活物質を製造した。
前記各実施例の前駆体溶液を用いて、以下のようにして、それぞれ、前駆体粉末・負極活物質を製造した。
まず、内径50mm×高さ20mmのチタン製シャーレに、前駆体溶液を入れ、これをホットプレートに載せ、ホットプレートの設定温度を160℃として1時間加熱し、続いて、180℃として30分間加熱し、溶媒を除去する有機溶媒除去工程を行った。
続いて、ホットプレートの設定温度を360℃として30分間加熱し、含まれる有機成分の大部分を燃焼により分解させ、さらに、ホットプレートの設定温度を540℃として1時間加熱し、残存する有機成分を燃焼、分解させる有機物除去工程を行った。その後、ホットプレート上で室温まで徐冷して仮焼成体を得た。
次に、仮焼成体をメノウ乳鉢に移して充分に粉砕する粉砕工程を行い、負極活物質の前駆体粉末を得た。
前駆体粉末の一部を取り出し、水に分散させ、日機装社製の粒子径分布測定装置MicroTrack MT3300EXIIで測定を行い、メジアン径D50を求めた。
残りの前駆体粉末から0.150gを秤量し、成形型として内径10mmの排気ポート付きペレットダイスに投入して、624MPaの圧力にて5分間加圧し、円盤状の成形物である仮焼成体ペレットを作製する成形工程を行った。
さらに、仮焼成体ペレットを酸化マグネシウム製の坩堝に入れ、酸化マグネシウム製の蓋をして、ヤマト科学社の電気マッフル炉FP311にて本焼成を施す焼成工程を行った。本焼成条件は、700℃で8時間とした。次いで、電気マッフル炉を室温まで徐冷して、坩堝から、直径約9.8mm、厚さ約850μmの負極活物質のペレットを取り出した。
また、比較例1に係る負極活物質を以下のようにして製造した。
まず、Li2CO3粉末とH3BO3粉末とを、LiとBとのモル比が3:1となるように混合し、800℃で1時間加熱することにより、Li3BO3を合成した。得られたLi3BO3を、メノウ鉢を用いて粉砕し、D50が6μmのLi3BO3粉末を得た。得られたLi3BO3粉末と、D50が6μmであるアナターゼ型のTiO2粉末とを、質量比で、1:2.5の割合で乳鉢に入れて混合し、負極活物質粉末とした。
まず、Li2CO3粉末とH3BO3粉末とを、LiとBとのモル比が3:1となるように混合し、800℃で1時間加熱することにより、Li3BO3を合成した。得られたLi3BO3を、メノウ鉢を用いて粉砕し、D50が6μmのLi3BO3粉末を得た。得られたLi3BO3粉末と、D50が6μmであるアナターゼ型のTiO2粉末とを、質量比で、1:2.5の割合で乳鉢に入れて混合し、負極活物質粉末とした。
次に、負極活物質粉末0.150gを秤量し、成形型として内径10mmの排気ポート付きペレットダイスに投入して、624MPaの圧力にて5分間加圧し、円盤状の成形物であるペレットを得、このペレットを酸化マグネシウム製の坩堝に入れ、酸化マグネシウム製の蓋をして、ヤマト科学社の電気マッフル炉FP311にて焼成処理を施した。焼成処理条件は、700℃で8時間とした。次いで、電気マッフル炉を室温まで徐冷して、坩堝から、直径約9.8mm、厚さ約850μmの負極活物質のペレットを取り出した。
また、比較例2に係る負極活物質を以下のようにして製造した。
まず、Li2CO3粉末とH3BO3粉末とを、LiとBとのモル比が3:1となるように混合し、800℃で1時間加熱することにより、Li3BO3を合成した。得られたLi3BO3を、メノウ鉢を用いて粉砕し、D50が6μmのLi3BO3粉末を得た。得られたLi3BO3粉末と、D50が6μmであるアナターゼ型のTiO2粉末とを、質量比で、1:1の割合で乳鉢に入れて混合し、負極活物質粉末とした。
まず、Li2CO3粉末とH3BO3粉末とを、LiとBとのモル比が3:1となるように混合し、800℃で1時間加熱することにより、Li3BO3を合成した。得られたLi3BO3を、メノウ鉢を用いて粉砕し、D50が6μmのLi3BO3粉末を得た。得られたLi3BO3粉末と、D50が6μmであるアナターゼ型のTiO2粉末とを、質量比で、1:1の割合で乳鉢に入れて混合し、負極活物質粉末とした。
次に、負極活物質粉末0.150gを秤量し、成形型として内径10mmの排気ポート付きペレットダイスに投入して、624MPaの圧力にて5分間加圧し、円盤状の成形物であるペレットを得、このペレットを酸化マグネシウム製の坩堝に入れ、酸化マグネシウム製の蓋をして、ヤマト科学社の電気マッフル炉FP311にて焼成処理を施した。焼成処理条件は、700℃で8時間とした。次いで、電気マッフル炉を室温まで徐冷して、坩堝から、直径約9.8mm、厚さ約850μmの負極活物質のペレットを取り出した。
Li3BO3とTiO2とを混合して焼結させた比較例2において、ホウ素化合物としては、LiBO2およびその水和物LiBO2・2H2Oのみが確認できた。LiBO2は、10-9S/cm程度のリチウムイオン伝導率を示す固体電解質として知られている物質である。また、チタン化合物としては、Li4Ti5O12、アナターゼ型のTiO2、ルチル型のTiO2、Li2TiO3が確認でき、それ以外の化合物は確認できなかった。これらの4つのチタン化合物の生成量を比較するために、X線回折パターンから、Li4Ti5O12のメインピークである4.83Å(2θ:18°)のピーク強度を100としたときのアナターゼ型のTiO2、ルチル型のTiO2、および、Li2TiO3の各々のメインピークである3.51Å(2θ:25°)、3.25Å(2θ:27°)、および、2.07Å(2θ:43°)の強度比を算出した。その結果、Li2TiO3のメインピークのみが強く検出された。
[7]評価
上記のようにして得られた前記各実施例および各比較例に係る負極活物質のペレットについて、以下の評価を行った。
上記のようにして得られた前記各実施例および各比較例に係る負極活物質のペレットについて、以下の評価を行った。
[7-1]緻密度の評価
前記各実施例および各比較例に係る負極活物質のペレットについて、ミツトヨ社製のデジマチックキャリパCD-15APXを用いて直径の測定を行うとともに、ソニー社製デジタルマイクロメーターであるミューメートを用いて厚みの測定を行った。これらの測定値から求められた負極活物質のペレットの体積と、負極活物質のペレットの質量とから、嵩密度を求め、Li4Ti5O12の比重3.418に対する嵩密度の比率として、負極活物質のペレットの緻密度を求めた。嵩密度が大きいほど、空隙が少なく、緻密度に優れているとも言える。
前記各実施例および各比較例に係る負極活物質のペレットについて、ミツトヨ社製のデジマチックキャリパCD-15APXを用いて直径の測定を行うとともに、ソニー社製デジタルマイクロメーターであるミューメートを用いて厚みの測定を行った。これらの測定値から求められた負極活物質のペレットの体積と、負極活物質のペレットの質量とから、嵩密度を求め、Li4Ti5O12の比重3.418に対する嵩密度の比率として、負極活物質のペレットの緻密度を求めた。嵩密度が大きいほど、空隙が少なく、緻密度に優れているとも言える。
[7-2]総リチウムイオン伝導率の評価
前記各実施例および各比較例に係る負極活物質のペレットについて、それぞれ、両面に直径5mmのリチウム金属箔(本荘ケミカル社製)を貼り付けて活性化電極とし、交流インピーダンスアナライザーSolatron1260(Solatron Analytical社製)を用いて交流インピーダンスを測定してリチウムイオン伝導率を求めた。当該測定は、交流振幅10mVにて、107Hzから10-1Hzの周波数領域にて行った。当該測定によって得られたリチウムイオン伝導率は、各負極活物質のペレットにおけるバルクのリチウムイオン伝導率と粒界のリチウムイオン伝導率とを含む総リチウムイオン伝導率を示すものである。この値が大きいほど、イオン伝導度に優れていると言える。
前記各実施例および各比較例に係る負極活物質のペレットについて、それぞれ、両面に直径5mmのリチウム金属箔(本荘ケミカル社製)を貼り付けて活性化電極とし、交流インピーダンスアナライザーSolatron1260(Solatron Analytical社製)を用いて交流インピーダンスを測定してリチウムイオン伝導率を求めた。当該測定は、交流振幅10mVにて、107Hzから10-1Hzの周波数領域にて行った。当該測定によって得られたリチウムイオン伝導率は、各負極活物質のペレットにおけるバルクのリチウムイオン伝導率と粒界のリチウムイオン伝導率とを含む総リチウムイオン伝導率を示すものである。この値が大きいほど、イオン伝導度に優れていると言える。
これらの結果を、前駆体粉末のメジアン径D50、XRD測定による負極活物質の結晶構造および負極活物質中における夾雑物の有無とともに、表2にまとめて示す。負極活物質の結晶構造は、前記各実施例および各比較例の負極活物質のペレットを試料として、フィリップス社製のX線回折装置X’Pert-PROを用いた測定で得られたX線回折パターンから求めた。なお、前記各実施例に係る前駆体粉末中に含まれる有機物の含有率は、いずれも、100ppm以下であった。
表2から明らかなように、前記各実施例では優れた結果が得られた。これに対し、前記各比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
また、前記各実施例の前駆体溶液を用いて、有機溶媒除去工程での加熱温度を131℃以上211℃以下の範囲で条件を種々変更した以外は、前記と同様にして負極活物質のペレットの製造を試みたところ、いずれも、好適に負極活物質のペレットを製造することができた。また、有機溶媒除去工程での処理時間を20分間以上240分間以下の範囲で条件を種々変更した以外は、前記と同様にして負極活物質のペレットの製造を試みたところ、いずれも、好適に負極活物質のペレットを製造することができた。また、有機物除去工程での加熱温度を280℃以上650℃以下の範囲で条件を種々変更した以外は、前記と同様にして負極活物質のペレットの製造を試みたところ、いずれも、好適に負極活物質のペレットを製造することができた。また、有機物除去工程での処理時間を20分間以上240分間以下の範囲で条件を種々変更した以外は、前記と同様にして負極活物質のペレットの製造を試みたところ、いずれも、好適に負極活物質のペレットを製造することができた。また、プレス成形の際の荷重を300MPa以上1000MPa以下の範囲で条件を種々変更した以外は、前記と同様にして負極活物質のペレットの製造を試みたところ、いずれも、好適に負極活物質のペレットを製造することができた。また、焼成工程での加熱温度を700℃以上1200℃以下の範囲で条件を種々変更した以外は、前記と同様にして負極活物質のペレットの製造を試みたところ、いずれも、好適に負極活物質のペレットを製造することができた。また、焼成工程での処理時間を1時間以上24時間以下の範囲で条件を種々変更した以外は、前記と同様にして負極活物質のペレットの製造を試みたところ、いずれも、好適に負極活物質のペレットを製造することができた。また、これらの負極活物質のペレットについて前記と同様の評価を行ったところ、いずれも、前記と同様に優れた結果が得られた。
100…リチウムイオン二次電池、10…正極、20…固体電解質層、30…負極、41,42…集電体、210…正極合材、211…正極活物質、212…固体電解質、220…電解質層、330…負極合材、331…負極活物質
Claims (13)
- 少なくとも1種の有機溶媒と、
前記有機溶媒に対して溶解性を示すリチウム化合物と、
前記有機溶媒に対して溶解性を示すチタン化合物とを含む、負極活物質の前駆体溶液。 - 下記組成式(1)の化学量論組成を満たすときのチタンの含有率とリチウムの含有率との比率を基準としたとき、当該基準に対して前記リチウムの含有率が1.00倍以上1.20倍以下となるように、前記チタン化合物および前記リチウム化合物を含む、請求項1に記載の負極活物質の前駆体溶液。
Li4Ti5O12・・・(1) - 前記リチウム化合物は、リチウム金属塩化合物であり、
前記チタン化合物は、チタンアルコキシドである、請求項1または2に記載の負極活物質の前駆体溶液。 - 前記リチウム金属塩化合物がオキソ酸塩である、請求項3に記載の負極活物質の前駆体溶液。
- 前記リチウム金属塩化合物が硝酸塩である、請求項4に記載の負極活物質の前駆体溶液。
- 前記負極活物質の前駆体溶液中の水分量が300ppm以下である、請求項3ないし5のいずれか1項に記載の負極活物質の前駆体溶液。
- 前記有機溶媒は、非水系であって、n-ブチルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、トルエン、オルトキシレン、パラキシレン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンよりなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の負極活物質の前駆体溶液。
- リチウムおよびチタンを含む無機物質で構成され、
平均粒径が400nm以下である、負極活物質の前駆体粉末。 - 前記負極活物質の前駆体粉末は、オキソ酸化合物を含む、請求項8に記載の負極活物質の前駆体粉末。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の負極活物質の前駆体溶液に加熱処理を施して得られる、負極活物質の前駆体粉末。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の負極活物質の前駆体溶液を加熱して前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程と、
前記有機溶媒除去工程を経て得られた負極活物質の前駆体粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
前記成形体を焼成する焼成工程とを有する、負極活物質の製造方法。 - 前記有機溶媒除去工程と前記成形工程との間に、前記負極活物質の前駆体溶液から前記有機溶媒を除去して得られた組成物中に含まれる有機物を除去する有機物除去工程をさらに有する、請求項11に記載の負極活物質の製造方法。
- 前記負極活物質の緻密度が60%以上である、請求項11または12に記載の負極活物質の製造方法。
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