JP2022080847A - 細胞ファイバの融解方法、および非凍結状態の細胞ファイバの作製方法 - Google Patents

細胞ファイバの融解方法、および非凍結状態の細胞ファイバの作製方法 Download PDF

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Makiko Hiraoka
利哉 青野
Toshiya Aono
和孝 川上
Kazutaka Kawakami
和弘 池田
Kazuhiro Ikeda
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Abstract

【課題】 過度な脆化(つまり過度に脆くなること)を生じることなく、-130℃以下で保存された状態の細胞ファイバを融解することが可能な方法を提供することである。【解決手段】 -130℃以下で保存され凍結した状態の細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管する第一工程と、前記第一工程で保管され凍結した状態の前記細胞ファイバを融解する第二工程とを含む、方法(具体的には、細胞ファイバの融解方法、および非凍結状態の細胞ファイバの作製方法)。【選択図】 図1

Description

本発明は、細胞ファイバの融解方法、および非凍結状態の細胞ファイバの作製方法に関する。
細胞の凍結保存に関して、細胞を液体窒素下で保存することが知られている。液体窒素下では、細胞を-196℃~-130℃程度で保存することができるため、ディープフリーザー(一般的には―80℃程度)での保存にくらべて、細胞を長期間保存することができる。
液体窒素で凍結保存された細胞を解凍する方法として、細胞入りの容器(たとえば、細胞入りのチューブ)を液体窒素保存容器から取り出し、それを37℃のウォーターバスに漬けて、細胞を解凍する手順が推奨されている。つまり、-196℃~-130℃程度から37℃まで細胞を一気に加熱して解凍することが推奨されている。これによれば、迅速に細胞を解凍することができるため、細胞の生存率を向上することができる。
ところで、細胞を三次元組織の形態で培養することが知られており、たとえば、細胞ファイバという形態で細胞を培養することが知られている(たとえば、特許文献1~3参照)。細胞ファイバは、中空ファイバ状のハイドロゲルと、ハイドロゲルの内腔に内包された複数の細胞とを備えており、細胞ファイバそれ自体が三次元細胞組織の形態をなす。細胞ファイバを織る、巻く、束ねる、といった操作をおこなうことによって、より大きな三次元細胞組織(たとえば、シート状の細胞組織)を構築することができる。したがって、たとえば神経、筋肉、血管、肝臓などを模倣した三次元細胞組織を構築することも可能である。
特許6601931号公報 WO2015/178427 特許5633077号公報
本発明者は、細胞ファイバを液体窒素下で保存したうえで、この細胞ファイバ(すなわち、液体窒素下で保存された細胞ファイバ)を、一般的に推奨される細胞の解凍手順、具体的には、細胞ファイバを液体窒素保存容器から取り出し、それを37℃のウォーターバスに漬ける、という手順で、細胞ファイバの融解を試みたところ、細胞ファイバが極めて脆くなる(具体的には、ピンセットでつまみ上げようとすると破断する程に脆くなる)、という問題に本発明者は直面した。
本発明は、過度な脆化(つまり過度に脆くなること)を生じることなく、-130℃以下で保存された状態の細胞ファイバを融解することが可能な方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明は、下記項1の構成を備える。
項1
-130℃以下で保存され凍結した状態の細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管する第一工程と、
前記第一工程で保管され凍結した状態の前記細胞ファイバを融解する第二工程とを含む、
細胞ファイバの融解方法。
ここで、「細胞ファイバ」は、中空ファイバ状のハイドロゲルと、ハイドロゲルの内腔に内包された複数の細胞とを備えるものである。
項1によれば、-130℃越えでいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、過度な脆化(つまり過度に脆くなること)を生じることなく細胞ファイバを融解することができる。これは、細胞ファイバの急激な温度上昇を回避することができ、急激な温度上昇によるハイドロゲルの脆化を抑えることができるためだと考えられる。
しかも、-60℃未満でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、実用可能な程度に細胞を生かしたまま、細胞ファイバを融解することができる。これについて説明する。-60℃~-15℃では、細胞内部や、細胞間に氷晶が、生成および/または成長するリスクがある。氷晶は細胞を破壊するため、細胞の生存率を低下させる。項1に係る発明では、-60℃未満でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、氷晶の生成および成長を、回避または低減することができるため、氷晶による細胞損傷を低減することができ、その結果、実用可能な程度に(たとえば、細胞培養を経たうえで実験に使用可能な程度に)細胞を生かしたまま、細胞ファイバを融解することができる。
項1に係る発明は、下記項2の構成をさらに備えることが好ましい。
項2
前記第一工程では、前記細胞ファイバを-90℃以上-70℃以下でいったん保管する、項1に記載の細胞ファイバの融解方法。
項2によれば、細胞ファイバを-90℃以上でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、過度な脆化をいっそう生じることなく細胞ファイバを融解することができる。これは、細胞ファイバの急激な温度上昇を回避することができ、急激な温度上昇によるハイドロゲルの脆化を効果的に抑えることができるためだと考えられる。しかも、-70℃以下でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、細胞をいっそう生かしたまま、細胞ファイバを融解することができる。
本発明は、上述の課題(すなわち、過度な脆化を生じることなく、-130℃以下で保存された状態の細胞ファイバを融解すること)を解決するために、下記項3の構成を備えることもできる。
項3
-130℃以下で保存され凍結した状態の細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管する第一工程と、
前記第一工程で保管され凍結した状態の前記細胞ファイバを融解する第二工程とを含む、
非凍結状態の細胞ファイバの作製方法。
ここでも、「細胞ファイバ」は、中空ファイバ状のハイドロゲルと、ハイドロゲルの内腔に内包された複数の細胞とを備えるものである。
項3によれば、-130℃越えでいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、過度な脆化(つまり過度に脆くなること)を生じることなく細胞ファイバを融解することができる。これは、細胞ファイバの急激な温度上昇を回避することができ、急激な温度上昇によるハイドロゲルの脆化を抑えることができるためだと考えられる。
しかも、-60℃未満でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、実用可能な程度に細胞を生かしたまま、細胞ファイバを融解することができる。これについて説明する。-60℃~-15℃では、細胞内部や、細胞間に氷晶が、生成および/または成長するリスクがある。氷晶は細胞を破壊するため、細胞の生存率を低下させる。項1に係る発明では、-60℃未満でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、氷晶の生成および成長を、回避または低減することができるため、氷晶による細胞損傷を低減することができ、その結果、実用可能な程度に(たとえば、細胞培養を経たうえで実験に使用可能な程度に)細胞を生かしたまま、細胞ファイバを融解することができる。
項3に係る発明は、下記項4の構成をさらに備えることが好ましい。
項4
前記第一工程では、前記細胞ファイバを-90℃以上-70℃以下でいったん保管する、項3に記載の、非凍結状態の細胞ファイバの作製方法。
項4によれば、細胞ファイバを-90℃以上でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、過度な脆化をいっそう生じることなく細胞ファイバを融解することができる。これは、細胞ファイバの急激な温度上昇を回避することができ、急激な温度上昇によるハイドロゲルの脆化を効果的に抑えることができるためだと考えられる。しかも、-70℃以下でいったん保管したうえで細胞ファイバを融解する、という構成によって、細胞をいっそう生かしたまま、細胞ファイバを融解することができる。
本発明によれば、過度な脆化(つまり過度に脆くなること)を生じることなく、-130℃以下で保存された状態の細胞ファイバを融解することができる。
本実施形態に係る細胞ファイバの一部の顕微鏡写真である。なお、これは、非凍結状態の細胞ファイバを顕微鏡で撮影した写真である。 ピンセットでつまみ上げる前における、比較例1の融解後細胞ファイバの写真である。 ピンセット操作後における、比較例1の融解後細胞ファイバの写真である。 ピンセット操作後における、比較例1の融解後細胞ファイバの顕微鏡写真である。 ピンセット操作後における、実施例1の融解後細胞ファイバの写真である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<1.細胞ファイバ>
図1に示すように、細胞ファイバはファイバ状をなす。なお、図1は、非凍結状態の細胞ファイバを顕微鏡で撮影した写真であることに留意されたい。
細胞ファイバの長さは、たとえば1cm以上であってもよく、10cm以上であってもよく、1m以上であってもよく、10m以上であってもよい。細胞ファイバの長さは、たとえば1000m以下であってもよく、500m以下であってもよく、200m以下であってもよく、100m以下であってもよい。
細胞ファイバの断面形状として、円形(たとえば楕円、真円など)、多角形などを例示することができる。なかでも円形が好ましい。断面形状が円形である場合、ハイドロゲルは筒状をなすことができる。
細胞ファイバの断面形状が円形である場合、細胞ファイバの直径(外径)は、たとえば10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、150μm以上であってもよい。細胞ファイバの直径(外径)は、たとえば2000μm以下であってもよく、1500μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、500μm以下であってもよい。
細胞ファイバは、中空ファイバ状のハイドロゲルと、ハイドロゲルの内腔に内包された複数の細胞とを備える。
ハイドロゲルの内腔は、細胞ファイバの長さ方向に延びている。細胞ファイバの両端(具体的には長さ方向の両端)では、ハイドロゲルの内腔はハイドロゲルで閉じられていることが好ましい。すなわち、ハイドロゲルは、両端に開口部を有さないことが好ましい。
ハイドロゲルが構成する層(以下、「ハイドロゲル層」という。)は、単層構成であってもよく、複層構成であってもよい。なお、ハイドロゲル層が複層構成である場合、それらは同種の材料で構成されていてもよく(たとえば、アルギン酸ゲルである限りにおいて同種の材料で構成されていてもよく)、それらのうちの少なくとも一層が異種の材料で構成されていてもよい。
ハイドロゲルの断面形状が円形である場合、ハイドロゲルが内径および外径を有するところ、ハイドロゲルの内径は、たとえば5μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、75μm以上であってもよい。ハイドロゲルの内径は、たとえば1000μm以下であってもよく、750μm以下であってもよく、500μm以下であってもよく、250μm以下であってもよい。ハイドロゲルの外径の説明は、細胞ファイバの直径の説明と重複し得るため省略する。
ハイドロゲルとしては、アルギン酸ゲル、アガロースゲルなどを例示することができる。これらのうち一種または二種以上でハイドロゲルが構成されていることができる。なかでも、細胞ファイバをマイクロ流体デバイスで作製できるといった理由でアルギン酸ゲルが好ましい。
アルギン酸ゲルとして、アルギン酸カルシウムゲル、アルギン酸マグネシウムゲル、アルギン酸ストロンチウムゲル、アルギン酸バリウムゲルなどを例示することができる。アルギン酸の一価金属塩の水溶液(たとえばアルギン酸ナトリウム水溶液、アルギン酸カリウム水溶液)やアルギン酸アンモニウム水溶液は、二価金属イオンによってゲル化することが知られているところ、このようなゲル化を利用して、アルギン酸ゲルを形成することができる。二価金属イオンとして、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンを例示することができる。
なお、ハイドロゲルは、ハイドロゲル以外の成分を含んでいてもよい。
ハイドロゲルの内腔に内包された細胞として、分化万能性を有するES細胞やiPS細胞、分化多能性を有する各種の幹細胞(たとえば造血幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞など)、分化単一性を有する幹細胞(たとえば肝幹細胞、生殖幹細胞など)などを例示することができる。分化した各種の細胞、たとえば骨格筋細胞や心筋細胞などの筋細胞、大脳皮質細胞などの神経細胞、線維芽細胞、上皮細胞、肝細胞、膵β細胞、皮膚細胞、免疫細胞(たとえば抗体産生細胞のようなリンパ球)なども例示することができる。ハイドロゲルに内包された細胞は細胞株であってもよいことはもちろんである。細胞株としては、哺乳類(たとえばヒト、ハムスター、マウス、ラット、イヌ、アフリカミドリザルなど)由来の細胞株を例示することができる。哺乳類由来の細胞株としては、CHO細胞(チャイニーズハムスターの卵巣由来細胞)を例示することができる。細胞は、細菌のような微生物の状態で、ハイドロゲルの内腔に内包されていてもよい。
ハイドロゲルの内腔に内包された細胞は複数であるところ、たとえば、2個以上であってもよく、1×10個以上であってもよく、1×10個以上であってもよく、1×10個以上であってもよい。
細胞ファイバは、ハイドロゲルの内腔に内包された細胞外基質をさらに備えていてもよい。すなわち、細胞ファイバでは、細胞とともに細胞外基質がハイドロゲルに内包されていてもよい。細胞外基質として、たとえば、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどを例示することができる。
なお、細胞ファイバは、他の部材をさらに備えていてもよい。このような他の部材として、カーボンナノファイバ、ビーズ(たとえば抗体で被覆されたビーズ)、マイクロチップを例示することができる。
細胞ファイバは、セラムチューブ、クライオチューブ、ガラスアンプル、バイアルといった容器内に保存されていることができる。容器には、複数の細胞ファイバが保存されていてもよく、単数の細胞ファイバが保存されていてもよい。
凍結した状態の細胞ファイバは、凍結保存液とともに容器内に保存されていることができる。凍結保存液は凍結保護剤を含有することができる。凍結保護剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロールを例示することができる。凍結保存液は、たとえば、凍結保護剤を培養液に添加することによって調製することができる。
凍結状態の細胞ファイバ、厳密には、凍結状態の細胞ファイバ入りの容器は、-130℃以下で保存されており、たとえば、-196℃~-130℃で保存されていることができる。細胞ファイバは、液体窒素下で保存されていることができる。細胞ファイバが、液体窒素下で保存されている場合、細胞ファイバは、気相式保存容器(すなわち、気相式の液体窒素保存容器)で保存されていてもよく、液相式保存容器(すなわち、液相式の液体窒素保存容器)で保存されていてもよい。
<2.細胞ファイバの融解方法、および非凍結状態の細胞ファイバの作製方法>
本実施形態の方法(具体的には、細胞ファイバの融解方法、および非凍結状態の細胞ファイバの作製方法)は、-130℃以下で保存され凍結した状態の細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管する第一工程と、第一工程で保管され凍結した状態の細胞ファイバを融解する第二工程とを含む。
<2.1.第一工程>
第一工程では、-130℃以下で保存され凍結した状態の細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管する。たとえば、-130℃以下で保存された細胞ファイバ入りの容器を、-130℃越え-60℃未満の環境に移して、その環境で保管することができる。そのような環境として、たとえばディープフリーザーの庫内や、ドライアイス入りの容器内を例示することができる。
第一工程では、細胞ファイバを-90℃以上でいったん保管することが好ましく、-85℃以上でいったん保管することがより好ましい。第一工程では、細胞ファイバを-70℃以下でいったん保管することが好ましく、-72℃以下でいったん保管することがより好ましく、-75℃以下でいったん保管することがさらに好ましく、-77℃以下でいったん保管することがさらに好ましい。
第一工程では、細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管するところ、保管の長さ、すなわち保管時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは3時間以上、さらに好ましくは5時間以上である。保管時間は、8時間以上であってもよく、10時間以上であってもよく、24時間以上であってもよく、48時間以上であってもよく、7日以上であってもよく、30日以上であってもよい。
<2.2.第二工程>
第二工程では、第一工程で保管され凍結した状態の細胞ファイバを融解する。たとえば、細胞ファイバ入りの容器を、ウォーターバスに漬ける(厳密には、ウォーターバス内の液体に漬ける)ことによって、細胞ファイバを融解することができる。細胞ファイバを融解するための温度、たとえばウォーターバスの温度は、25℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、35℃以上がさらに好ましく、36℃以上がさらに好ましい。この温度は、45℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、39℃以下がさらに好ましく、38℃以下がさらに好ましい。
<2.3.そのほか>
融解後の細胞ファイバは、必要に応じて、培養液に移してもよいし、バッファーに移してもよい。
なお、融解後の細胞ファイバでは、複数の細胞が、ハイドロゲルの内腔で懸濁したような状態で存在することができる。
融解後の細胞ファイバは、ピンセットでつまみ上げられるときに、破断を生じない強度を有することが好ましい。
以下、本発明を実施例でさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<各例で使用した細胞ファイバ>
各例で使用した細胞ファイバは、セルファイバ社製であり、具体的には、次の構成のものである。
細胞ファイバの直径:284μm
細胞ファイバの長さ:70m~80m
ハイドロゲルの内径:133μm
ハイドロゲル:アルギン酸バリウムゲル(具体的には、キミカ社のアルギン酸「I-3G」を1.5質量%で生理食塩水に溶解したものを、塩化バリウム水溶液で凝固させたもの)
細胞:抗体産生細胞(具体的にはCHO細胞)
300×10cells/ml
凍結保存液:日本全薬工業製「STEM-CELLBANKER(登録商標)」
<比較例1>
液体窒素下で保存された一本の細胞ファイバ(具体的には、細胞ファイバ一本入りのバイアル)を、37℃に設定されたウォーターバスに漬けることによって、細胞ファイバを融解した。融解後の細胞ファイバの様子を図2に示す。融解後の細胞ファイバをピンセットでつまみ上げようとしたところ、図3および4に示すように、細胞ファイバの破断が生じた。このように、融解後の細胞ファイバは極めて脆かった。また、細胞ファイバの破断にともなって、細胞が漏出した。
<実施例1>
液体窒素下で保存された一本の細胞ファイバ(具体的には、細胞ファイバ一本入りのバイアル)を、―80℃に設定されたディープフリーザーに移してディープフリーザー内で14日間保管した。これを、37℃に設定されたウォーターバスに漬けることによって、細胞ファイバを融解した。融解後の細胞ファイバをピンセットでつまみ上げたところ、図5に示すように、細胞ファイバの破断は生じなかった。融解後の細胞ファイバについて抗体産生の有無を確認したところ、抗体産生を確認することができた。
<実施例2>
液体窒素下で保存された一本の細胞ファイバ(具体的には、細胞ファイバ一本入りのバイアル)を、―80℃に設定されたディープフリーザーに移してディープフリーザー内で35日間保管した。これを、37℃に設定されたウォーターバスに漬けることによって、細胞ファイバを融解した。融解後の細胞ファイバをピンセットでつまみ上げたところ、細胞ファイバの破断は生じなかった。融解後の細胞ファイバについて抗体産生の有無を確認したところ、抗体産生を確認することができた。
<実施例3>
一本の細胞ファイバ(具体的には、細胞ファイバ一本入りのバイアル)に代えて、二本の細胞ファイバ(具体的には、細胞ファイバ二本入りのバイアル)を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法で、細胞ファイバを融解した。融解後の細胞ファイバをピンセットでつまみ上げたところ、細胞ファイバの破断は生じなかった。融解後の細胞ファイバについて抗体産生の有無を確認したところ、抗体産生を確認することができた。
本実施形態の方法は、過度な脆化(つまり過度に脆くなること)を生じることなく、-130℃以下で保存された状態の細胞ファイバを融解することができるため、産業上の利用可能性を有する。

Claims (4)

  1. -130℃以下で保存され凍結した状態の細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管する第一工程と、
    前記第一工程で保管され凍結した状態の前記細胞ファイバを融解する第二工程とを含む、
    細胞ファイバの融解方法。
  2. 前記第一工程では、前記細胞ファイバを-90℃以上-70℃以下でいったん保管する、請求項1に記載の細胞ファイバの融解方法。
  3. -130℃以下で保存され凍結した状態の細胞ファイバを、-130℃越え-60℃未満でいったん保管する第一工程と、
    前記第一工程で保管され凍結した状態の前記細胞ファイバを融解する第二工程とを含む、
    非凍結状態の細胞ファイバの作製方法。
  4. 前記第一工程では、前記細胞ファイバを-90℃以上-70℃以下でいったん保管する、請求項3に記載の、非凍結状態の細胞ファイバの作製方法。
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