JP2022080076A - 繊維製品用易洗浄性付与剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維からの汚れの脱離性能を向上させる繊維製品用易洗浄性付与剤及び繊維製品への易洗浄性の付与方法を提供する。【解決手段】(A)不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む重量平均分子量が5万以上1000万以下の高分子化合物、(B)糖由来の構成単位又はビニルアルコール由来の構成単位を含む、重量平均分子量が2000以上50万以下の高分子化合物(但し(A)成分を除く)、及び(C)水を含有する、繊維製品用易洗浄性付与剤である。繊維製品用易洗浄性付与剤を用いた処理方法は、繊維製品用易洗浄性付与剤と繊維製品とを接触する工程(1)及び工程(1)の後、前記繊維製品を水性溶媒で濯ぐことなく乾燥する工程(2)を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品用易洗浄性付与剤及び繊維製品への易洗浄性の付与方法に関する。
従来、繊維に汚れが付着することを防止したり、付着した汚れを落ちやすくしたりするための防汚・易洗浄化処理方法が種々提案されている。例えば、特許文献1にはアルキル化及びヒドロキシアルキル化セルロース誘導体と吸湿性ポリマーを組み合わせて使用する方法が提案されている。特許文献2にはスス汚れの付着を防止するため、又は付着したスス汚れを脱離し易くするため、ビニルアルコール、アルキレングリコール、サッカリド、及びカルボン酸のホモポリマー又はコポリマーからなるポリマーAと、ビニルピロリドン、アルキレンオキシド、サッカリド、及びカルボン酸のホモポリマー又はコポリマーから選ばれるポリマーBとを含む特定2種以上のポリマーを併用する布の処理方法が開示されている。特許文献3にはポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールを脱水縮合することでコーティングされた親水化処理基材が開示されている。
しかしながら、従来の易洗浄性を付与する処理剤は、主に有機溶剤を使用していることから家庭での使用には不向きであり、水性系の処理剤でも十分な効果が得られるものではなかった。また、特許文献1~3では衣料に付着する人体由来の皮脂由来の汚れに関する易洗浄については特に検討するものはなく、下着のみならず、ワイシャツやブラウスの襟部や袖口周りの縫目によって生じる凹凸に付着した皮脂汚れは、洗濯前に擦り洗い等して落としておかないと十分な除去が困難な場合があった。
特表2006-517244号公報 特表2011-506778号公報 特開2004-332138号公報
本発明は、繊維からの汚れの脱離性能を向上させる繊維製品用易洗浄性付与剤及び繊維製品への易洗浄性の付与方法を提供する。
本発明は、(A)不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む重量平均分子量が5万以上1000万以下の高分子化合物、(B)糖由来の構成単位又はビニルアルコール由来の構成単位を含む、重量平均分子量が2000以上50万以下の高分子化合物(但し(A)成分を除く)、及び(C)水を含有する、繊維製品用易洗浄性付与剤に関する。
また、本発明は、上記の繊維製品用易洗浄性付与剤と繊維製品とを接触する工程(1)及び工程(1)の後、前記繊維製品を水性溶媒で濯ぐことなく乾燥する工程(2)を含む、繊維製品への易洗浄性の付与方法に関する。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤及び繊維製品への易洗浄性の付与方法によれば、繊維からの汚れの脱離性能が向上する。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤及び繊維製品への易洗浄性の付与方法について、詳細に説明する。
本発明において“易洗浄性”とは、使用により繊維に付着した汚れの落とし易さを指す。本発明は、繊維製品の使用前に予め繊維製品用易洗浄性付与剤で処理しておくことで、使用後の洗濯の際に、繊維製品に付着した汚れ、特には皮脂汚れに対する除去を容易にする繊維製品用易洗浄性付与剤に関するものであり、発明者らは、特定の2種の高分子化合物を含有する繊維製品用易洗浄性付与剤で繊維製品を処理しておくことで、洗濯するだけで繊維表面に付着した皮脂汚れ等を除去できることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、繊維製品用易洗浄性付与剤が高分子化合物の溶剤として水を含むことで、繊維製品用易洗浄性付与剤を家庭で簡単に使用できる。また、本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤で予め繊維製品、例えば衣料品を処理しておくことで、使用時又は着用時に付着した汚れ、特には皮脂や油等の油脂汚れが、次回の洗濯の際に、脱離し易くなる優れた易洗浄性を発揮することができる。
<繊維製品用易洗浄性付与剤>
繊維製品用易洗浄性付与剤は、不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む高分子化合物(以下(A)成分という)と、糖由来の構成単位又はビニルアルコール由来の構成単位を含む高分子化合物(以下(B)成分という)、及び水(以下(C)成分という)を含有する。
[(A)成分]
(A)成分は、不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む高分子化合物である。(A)成分として、例えば、不飽和カルボン酸を含むモノマー構成単位〔モノマー(A1)〕を重合して得られる高分子重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、α-クロロソルビン酸、シトラコン酸が挙げられる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸がより好ましく、特にアクリル酸が好ましい。(A)成分は、1種類の不飽和カルボン酸を重合したものだけではなく、種類の異なる不飽和カルボン酸の2種以上の共重合体、又は1種以上の不飽和カルボン酸とこの不飽和カルボン酸と共重合可能な不飽和結合含有モノマー〔モノマー(A)〕との共重合体であってもよい。
共重合可能な不飽和結合含有モノマー〔モノマー(A)〕としては、例えば、アクリルアミド;ビニルアルコール;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル(以下、メタクリル酸とアクリル酸を合わせて(メタ)アクリル酸と記載する場合がある)、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1~22のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ラウロキシポリエチレングリコール(エチレングリコールの重合度が1~100)、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの重合度が1~50)、(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(ブチレングリコールの重合度が1~50)等のポリアルキレン(アルキレン基の炭素数1~8の直鎖もしくは分岐鎖)オキシド鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル;グリセリン(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N-ビニルピロリドン等のN-ビニル環状アミド;N-(メタ)アクロイルモルホリン;塩化ビニル;アクリロニトリル;スチレンカルボン酸;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル化合物等が挙げられる。
(A)成分を構成する不飽和カルボン酸由来の構成単位の割合は、(A)成分を構成している全高分子化合物の構成単位中、好ましくは50mol%以上、より好ましくは80mol%以上、更に好ましくは90mol%以上である。(A)成分は不飽和カルボン酸由来の構成単位の割合が実質100mol%の高分子化合物が好ましく、特にはホモポリマーが好ましい。例えばアクリル酸、メタクリル酸やマレイン酸に由来する、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びアクリル酸マレイン酸共重合体が挙げられ、ポリアクリル酸ホモポリマーが好ましい。不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む高分子化合物は、ナトリウムやカリウム等の塩型、酸型及びその群から選ばれる1種以上の状態で用いることができ、酸型が好ましい。本発明ではこれらのうち1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記共重合体は公知の方法で製造することができる。優れた易洗浄性を得る上で、(A)成分は塩型よりも酸型が好ましいが、組成物には塩型として配合し、組成物のpHを酸性にすることで実質的に酸型にしたものもまた好ましい。すなわち組成物中(A)成分は一部または全部が酸型で含有していることが好ましい。酸型の割合はカルボン酸基のpKaと溶液のpHによって変わる。
(A)成分が構成単位にアクリル酸由来の構成単位を含む場合、(A)成分を構成するアクリル酸由来の構成単位の割合は、(A)成分を構成している全高分子化合物の構成単位中、好ましくは40mol%以上、より好ましくは50mol%以上、更に好ましくは80mol%以上、更に好ましくは90mol%以上であってもよい。(A)成分はアクリル酸の構成単位の割合が実質100mol%の高分子化合物であってもよく、特にはホモポリマーであってもよい。アクリル酸を含む高分子化合物は、ナトリウムやカリウム等の塩型、酸型及びその群から選ばれる1種以上の状態で用いることができ、一部ないし全部、好ましくは60mol%以上、より好ましくは80mol%以上、更に好ましくは90mol%以上のポリマーを構成しているカルボン酸基が酸型であることが好ましく、pHを後述する好ましい範囲にすることで調整することができる。mol%はポリマーを構成する重合性カルボン酸の乖離乗数から算出してもよい。
(A)成分の重量平均分子量は、易洗浄化性能の観点から5万以上、好ましくは10万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上、更に好ましくは25万以上であり、洗濯時の水への溶解性の観点から1000万以下、好ましくは500万以下、より好ましくは300万以下、更に好ましくは200万以下、更に好ましくは100万以下である。
〔重量平均分子量測定法〕
(A)成分の重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記の測定条件で測定することができる。
カラム:東ソー(株)製 G5000PWXL+G2500PWXLの2本、
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液(pH6.9)/アセトニトリル=9/1(容量比)、
検出器:UV、
温度:40℃、
標準: ポリアクリル酸ナトリウム
(A)成分は20℃における水への溶解度が好ましくは0.5以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは1以上、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下であってよい。ここで、水への溶解度は、20℃の水100gに溶解する最大量(g)であり、以下、特記しない限り、本発明での水への溶解度はこの意味である。
[(B)成分]
(B)成分は、糖由来の構成単位又はビニルアルコール由来の構成単位を含む高分子化合物(但し(A)成分を除く)である。(B)成分は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、変性ポリビニルアルコール及びセルロース誘導体から選択される1種以上の高分子化合物が好ましい。
ポリビニルアルコールは通常、重合工程、鹸化工程を経て合成される。例えば、重合工程では、メタノール溶媒中で酢酸ビニルを重合し、ポリ酢酸ビニルを得る。なお、ポリビニルアルコールを変性する場合は酢酸ビニルに変性基及び重合性不飽和結合を有するモノマーを加えて重合し、変性基を有するポリ酢酸ビニルを得てもよい。その後鹸化工程で、メタノール溶媒中でアルカリ触媒を用いてポリ酢酸ビニルの酢酸基を水酸基に置換することでポリビニルアルコールを得る。ポリビニルアルコールに反応させて後から変性させてもよい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、易洗浄化性能の観点から好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上であり、組成物配合時の水への溶解性の観点から好ましくは100%以下、より好ましくは99%以下、更に好ましくは98%以下、更に好ましくは95%以下であってよい。
変性ポリビニルアルコ―ルは、カチオン変性、アニオン変性、ノニオン変性が挙げられ、更にはアニオン変性又はノニオン変性が好ましい。変性率は、全分子中のモノマー単位の総量に対して30mol%以下が好ましい。
アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えばカルボキシル基を有するモノマーとポリビニルアルコールの共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールの変性(共重合)に用いられるアニオン基を有するモノマーとしては、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、あるいはこれらのエステルもしくは無水物が用いられ、その後鹸化工程により同時に酸塩化されたものを用いることができる。
ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、非イオン性基を有するモノマーと酢酸ビニルを共重合した共重合体を鹸化することにより得られるものを用いることができる。非イオン性基を有するモノマーとしては、例えば、ポリオキシアルキレンビニルエーテル、2-プロペン-1-オール(アリルアルコール)、2-メチル-2-プロペン-1-オール(β-メタリルアルコール)が挙げられる。
セルロース誘導体は、セルロースを由来とする高分子化合物であり、変性セルロースが好ましい。変性セルロースは、セルロースエーテルが好ましく、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルキルセルロース、カチオン化セルロース、アルキルカチオン化セルロースが挙げられる。セルロース誘導体がセルロースエーテルの場合、その置換度は好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、そして好ましくは2.9以下、より好ましくは2.8以下、更に好ましくは2.5以下であってよい。置換度は、セルロースのグルコース環単位あたり、置換された水酸基の平均個数である。なお本発明ではカチオン化セルロースやアルキルカチオン化セルロースもエーテル構造を有することからセルロースエーテルに含まれるものとする。
(B)成分は、ポリビニルアルコール及びヒドロキシエチルセルロースから選ばれる1種以上が好ましい。
(B)成分の重量平均分子量は、易洗浄化性能の観点から2000以上、好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上であり、そして、組成物配合時の水への溶解性の観点から50万以下、好ましくは30万以下、より好ましくは20万以下である。
〔重量平均分子量測定法〕
(B)成分の重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)を用いて、糖由来の構成単位又はビニルアルコール由来の構成単位を含む高分子化合物のいずれの場合も下記の測定条件で測定することができる。
装置:東ソー(株)製HLC-8120
カラム:TSKgel α-M
溶離液:0.05M臭化リチウム-1%酢酸溶液、エタノール/水=3/7(容積比)
検出器:RI
温度:40℃
標準:ポリエチレングリコール
(B)成分は水溶性であることが好ましく、具体的には20℃における水への溶解度が好ましくは1以上、より好ましくは3以上であってよい。ここで、水への溶解度は、20℃の水100gに溶解する最大量(g)である。
ポリビニルアルコールは実質水溶性であるが、鹸化度が高まると結晶性が高まるため、20℃の水に分散させてもうまく溶解できない傾向がある。本発明では、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールであって、20℃の水に溶けにくい化合物の場合は、当該化合物10gを80℃の水100gに分散溶解させてから20℃に冷やし、60分放置した後に、目視で均一であることを確認でき、実質的に溶解していれば、当該溶解度を満たすものとみなす。
[(C)成分]
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤は、(C)成分として水を含む。(C)成分は、溶剤として機能してもよい。(C)成分の水は一般に家庭用品に配合する水でよく、他の成分への影響を考慮して脱イオン水を用いることが好ましい。
[(D)成分]
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤は、繊維製品の表面に均一に付着することが好ましい。しかしながら(A)成分が室温以下、具体的には20℃以下で固体の場合であって、特には繊維製品用易洗浄性付与剤のpHが酸性の場合、(B)成分との併用系で(C)成分の水のみでは均一溶解しづらいことから、当該成分を繊維製品の表面に均一付着させることは困難となるおそれや、凍結回復性に影響を及ぼすおそれがある。従って、繊維製品用易洗浄性付与剤は(D)成分として有機溶剤を含有することが好ましい。
(D)成分は、水酸基を有する有機溶剤が好ましい。有機溶剤は、一般的には溶解剤として用いられている。本発明においては、(A)成分及び(B)成分に対して(D)成分を併用することで、(A)成分や(B)成分を水媒体に溶解ないし分散させ、より均一化させることができる。さらに(A)成分や(B)成分の溶解性ないし分散性が向上することにより、繊維製品用易洗浄性付与剤の氷点下で保存後の回復性も向上する。
(A)成分及び(B)成分と併用して優れた易洗浄性が得られる観点から、(D)成分は、CLogPが-1.5以上2以下の有機溶剤であることが好ましい。本発明においてCLogPはPerkin Elmer社のChemBioDraw Ultra ver.14.0のChemPropertyを用いて算出した計算値を用いる。なお、CLogPの値が大きい程、疎水性が高いことを表す。
(D)成分は、易洗浄性効果が向上できる観点から、CLogPが、好ましくは-1.4以上、より好ましくは-1.2以上、更に好ましくは-1以上、より更に好ましくは-0.8以上、より更に好ましくは-0.6以上、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.6以下、更に好ましくは1.5以下の、水酸基を有する有機溶剤が挙げられる。
(A)成分及び(B)成分の併用による水系での安定した分散性を高め、易洗浄性効果を更に高めることができる点及び凍結後に再融解した場合に、液の相分離や濁り等を引き起こさない点(凍結回復性)で、(D)成分は、下記(D1)~(D4)成分から選ばれる1種以上の有機溶剤が好ましい。
(D1)成分:炭素数2以上6以下の1価のアルコール
(D2)成分:炭素数2以上12以下、且つ2価以上12価以下のアルコール
(D3)成分:炭素数1以上8以下の炭化水素基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤(但し、炭化水素基は芳香族基を除く。)
(D4)成分:部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
以下に(D1)~(D4)成分の具体例を示す。なお、( )内の数字は、Perkin Elmer社のChem Bio DrawUltra ver.14.0のChemPropertyを用いて算出した各成分の計算値(CLogP)である。
(D1)成分である、炭素数2以上6以下の1価のアルコールとして例えば、エタノール(-0.24)、1-プロパノール(0.29)、2-プロパノール(0.07)、フェノール(1.48)が挙げられる。
(D2)成分である、炭素数2以上12以下、且つ2価以上12価以下のアルコールとして例えば、エチレングリコール(-1.4)、プロピレングリコール(-1.1)、ブチレングリコール(-0.73)、ヘキシレングリコール(-0.02)、ジエチレングリコール(-1.3)、トリエチレングリコール(-1.5)、テトラエチレングリコール(-1.66)、ジプロピレングリコール(-0.69)、トリプロピレングリコール(-0.55)、3-メチル-1,3-ブタンジオール(-0.56)、グリセリン(-1.5)が挙げられる。
(D3)成分である、炭素数1以上8以下の炭化水素基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤として例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(-0.78)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(-0.26)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(-0.96)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(-0.39)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(0.52)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(0.67)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(-0.16)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(0.23)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(-0.03)、1-メトキシ-2-プロパノール(-0.30)、1-エトキシ-2-プロパノール(0.09)、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(0.18)、1-メチルグリセリンエーテル(-1.43)、2-メチルグリセリンエーテル(-0.73)、1,3-ジメチルグリセリンエーテル(-0.67)、1-エチルグリセリンエーテル(-1.04)、1,3-ジエチルグリセリンエーテル(0.11)、トリエチルグリセリンエーテル(0.83)、1-ペンチルグリセリルエーテル(0.54)、2-ペンチルグリセリルエーテル(1.25)、1-オクチルグリセリルエーテル(2.1)、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル(2.0)が挙げられる。
(D4)成分である、部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤として例えば、2-フェノキシエタノール(1.2)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(1.25)、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル(1.08)、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル(算出不可)、2-ベンジルオキシエタノール(1.1)、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル(0.96)が挙げられる。
(D)成分は、前記の(D1)成分及び(D2)成分から選ばれる水酸基を有する有機溶剤であって、前記のCLogPが-0.6以上1.5以下の有機溶剤がより好ましい。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤で直接繊維製品を処理した場合に、(A)成分及び(B)成分が局所的に付着せず(A)成分及び(B)成分を均一に付着させる観点から、前記の(D1)成分及び(D2)成分から選ばれる有機溶剤であって、前記のCLogPが-0.6以上1.5以下の有機溶剤の含有割合は、全ての(D)成分中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。
<本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤の組成等>
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤中の(A)成分の含有量は、易洗浄化性能の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、ハンドリング性の観点から好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤中の(B)成分の含有量は、(A)成分による易洗浄化性能を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、ハンドリング性の観点から好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。
(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)は、易洗浄性を高める観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは3以下である。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤から(C)成分を除いた残りの成分中、(A)成分と(B)成分の合計含有量は、易洗浄化性能を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下であってもよい。本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤から(C)成分を除いた残りの成分中、(A)成分と(B)成分の合計含有量が100質量%、すなわち、本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤から(C)成分を除いた残りの成分が、(A)成分と(B)成分であってもよい。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤中の(C)成分の含有量は、ハンドリング性の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、易洗浄性を高める観点から、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは98質量%以下である。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤中の(D)成分の含有量は、易洗浄性及び(A)成分及び(B)成分の低温で凍結回復性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、分離を抑制する観点から好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
[その他成分]
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤に、下記(E1)~(E6)成分を配合しても良い。
(E1)pHを調整するためにアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等のアルカリ剤及び塩酸、硫酸、クエン酸等の酸剤を適量
(E2)セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼから選ばれる1種以上の酵素を繊維製品用易洗浄性付与剤中0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、2質量%以下、好ましくは1質量%以下
(E3)蛍光染料、例えばチノパールCBS-X(商品名、BASF製)やチノパール AMS-GX(商品名、BASF製)として市販されている蛍光染料を繊維製品用易洗浄性付与剤中0.001質量%以上1質量%以下
(E4)ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を繊維製品用易洗浄性付与剤中0.01質量%以上2質量%以下
(E5)香料マイクロカプセルを適量(例えば、0.01質量%以上2質量%以下)
(E6)色素、香料、抗菌防腐剤を適量
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤の20℃におけるpHは、易洗浄性の観点から、酸性であることが好ましく、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは7未満、より好ましくは6以下、更に好ましくは5.5以下、更に好ましくは5以下である。本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤のpHは酸性であることで(A)成分が酸形態を含む(A)成分となり、水に対する溶解性が低下することで、凝集性を帯び易くなると考えられ、一方で水に溶解している(B)成分と共に(A)成分が繊維表面に保持されることで、再洗浄時の吸水により(A)成分が膨潤して、繊維表面に付着した汚れが剥離し易くなると考えられる。繊維製品用易洗浄性付与剤のpHは、下記に記載のpHの測定法に従って測定できる。
〔pHの測定法〕
pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター F-23)にpH測定用複合電極(HORIBA製 ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を投入する。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33mol/L)を使用する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、20℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となるサンプルを20℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し、1分後のpHを測定する。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤の20℃におけるpHは、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルプロパノール、アンモニアからなる群から選ばれるアルカリ剤及び塩酸、硫酸、メチル硫酸、p-トルエンスルホン酸、(o-、m-、p-)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、エチレンジアミン4酢酸、クエン酸、安息香酸、及びサリチル酸からなる群から選ばれる酸剤により調整することができる。(A)成分としてポリアクリル酸を成り行きで酸剤として用いてもよい。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤の20℃における粘度は、取り扱いの容易さの観点から、好ましくは0.1mPa・s以上、より好ましくは0.5mPa・s以上、更に好ましくは1mPa・s以上であり、そして、好ましくは10mPa・s以下、より好ましくは8mPa・s以下、更に好ましくは5mPa・s以下である。なお、これらの粘度は、B型粘度計((株)東京計器製、VISCOMETER MODEL DVM-B)を用い、ローターNo.1又は2、回転数60r/min、測定時間60秒で測定されたものである。
<繊維>
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤を作用させる繊維は、化学繊維、天然繊維のいずれでも良い。化学繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクラールなど)などが挙げられる。天然繊維としては、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が挙げられる。本発明の対象となる繊維は、化学繊維であることが好ましい。
<繊維製品>
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤を作用させる繊維製品は、前記の化学繊維や天然繊維を用いた製品であってよく、例えば、衣料品であってよい。衣料品は、前記の化学繊維や天然繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を挙げることができる。
<処理方法>
本発明は、本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤による繊維製品への易洗浄性の付与方法も提供する。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤を、繊維製品の質量に対して、充分な易洗浄性を付与するために好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、そして、ごわつきや硬さを回避するために好ましくは200質量%以下、より好ましくは150質量%以下、更に好ましくは100質量%以下、用いることができる。
また、繊維製品の処理を施した部分の繊維製品用易洗浄性付与剤の付着量が、前記範囲内にあることが好ましく、繊維製品の処理を施した部分から任意に選んだ複数の部分において、繊維製品用易洗浄性付与剤の付着量が、前記範囲内にあることがより好ましい。例えば、繊維製品の処理部分から1cm角の布片を複数切り出したとき、どの布片にも繊維製品用易洗浄性付与剤が前記濃度範囲内にあることが好ましい。これにより、ごわつきや硬さを回避しながら易洗浄性を発揮させることができる。具体的には、処理部は、衣料の汚れが付きやすい部位、例えば、襟や袖等の限定された部分であってもよい。
また、本発明では、本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤を繊維製品の部分の一部又は全部に適用し、繊維製品に対する(A)成分と(B)成分の合計付与量を、充分な易洗浄性を付与する観点から、好ましくは0.1g/m以上、そして、ごわつきや硬さを回避する観点から、好ましくは1000g/m以下とすることができる。
本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤を接触させる方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。(A)成分や(B)成分を繊維により均一に付着させる点から、浸漬や塗布等から選ばれる少なくとも1種の方法が好ましい。本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤は、簡単に易洗浄性を付与する観点から、処理対象となる繊維に対して、原液又は原液を薄めたものを直接塗布等させることが好ましい。また、繊維製品において、予め汚れが蓄積し易い箇所に、本発明の繊維製品用易洗浄性付与剤を部分的に用いることで、必要な箇所に易洗浄性を付与することができる。
<配合成分>
実施例1~18、比較例1~10では、以下のいずれかの成分を用いた。コポリマーは公知の方法で合成した。
〔(A)成分〕
(a-1)ポリアクリル酸(富士フィルム和光純薬株式会社製:重量平均分子量100万)
(a-2)ポリアクリル酸(Sigma-Aldrich社製:重量平均分子量45万)
(a-3)ポリアクリル酸(富士フィルム和光純薬株式会社製:重量平均分子量25万)
(a-4)ポリアクリル酸(富士フィルム和光純薬株式会社製:重量平均分子量5万)
(a-5)アクリル酸-メタクリル酸コポリマー(構成単位のモル比 アクリル酸:メタクリル酸=8:2、合成品):重量平均分子量100万
(a-6)アクリル酸-メタクリル酸コポリマー(構成単位のモル比 アクリル酸:メタクリル酸=6:4、合成品):重量平均分子量100万
(a-7)アクリル酸-メタクリル酸コポリマー(構成単位のモル比 アクリル酸:メタクリル酸=4:6、合成品):重量平均分子量100万
(a’-1)ポリアクリル酸(富士フィルム和光純薬株式会社製:重量平均分子量2.5万)
〔(B)成分〕
(b-1)ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製:KURARAY POVAL35-80)、重量平均分子量88000、鹸化率80%
(b-2)ポリビニルアルコール(Sigma-Aldrich社製:Mowiol56-98 Mw ~195000)、重量平均分子量195000、鹸化率98%
(b-3)ヒドロキシエチルセルロース(DOW CELLOSIZE QP 100MH)、重量平均分子量23000、置換度(置換モル数として)2.0
(b’-1)ポリビニルピロリドン(PVP K-30(Ashland Specialty Ingredients社製))、重量平均分子量40000
(b’-2)ポリビニルピロリドン(Sigma-Aldrich社製)、重量平均分子量90000
(b’-3)ポリエチレンオキシド 100000 (Alfa Aesar社製)、重量平均分子量100000
(b’-4)ポリエチレングリコール8000(Alfa Aesar社製)、重量平均分子量8000
〔(C)成分〕
(c-1)イオン交換水
〔(D)成分〕
(d-1)エタノール(富士フィルム和光純薬株式会社製)
(d-2)プロピレングリコール(富士フィルム和光純薬株式会社製)
<繊維製品用易洗浄性付与剤の調製方法>
上記の配合成分を用いて、表1、表2に示す繊維製品用易洗浄性付与剤を調製した。具体的には、まず200mL容量のガラス製ビーカーに長さ5cmのテフロン(登録商標)製スターラーピースを投入し空の質量を測定した。次に20℃のイオン交換水50g投入し、その後、ビーカーの上面をサランラップ(登録商標)で封をした。(D)成分を含む場合、(D)成分は、ビーカーの封をする前にイオン交換水に添加した。
水が入ったビーカーをマグネチックスターラーに設置した60℃のウォーターバスに入れ、ウォーターバス内の水の温度が60±2℃の温度範囲内で、100r/minで撹拌しながら(A)成分又は(A’)成分と(B)成分又は(B’)成分を投入し1時間撹拌を続けた。次に、ウォーターバス内の水を、5℃の水道水に替え、ビーカー内の該組成物の温度が20℃になるまで冷却した。内容物の質量が100gになるようにイオン交換水を入れ、再度、100r/minで30分間撹拌し、実施例1~18及び比較例1~10の繊維製品用易洗浄性付与剤を得た。すべての組成物は25℃に置いて目視で均一透明であった。実施例1~18のpHはそれぞれ3~5の範囲であり、比較例1~3、5~10のpHはそれぞれ3~5の範囲であり、比較例4のpHは7であった。
<処理布の作製方法>
実施例1~18及び比較例1~10の繊維製品用易洗浄性付与剤を、それぞれ6cm×6cm角に裁断したポリエステルファイユ(染色試材株式会社製)布の中心にマイクロピペット(最大1ml)を用いてゆっくりと0.1mlを滴下した。滴下液は処理布上全体に広がった。その後、繊維製品用易洗浄性付与剤を滴下した布を室温で乾燥させ、処理布を作製した。
<汚染布の作製方法>
上記の処理布に汚れモデルとしてオレイン酸(富士フィルム和光純薬工業株式会社、生化学用99.0%:インジケータとしてオイルオレンジ0.03%により染色)0.1mlを、マイクロピペット(最大1ml)を用いて繊維製品用易洗浄性付与剤を滴下した位置にゆっくり滴下した。オレイン酸が十分に布上に広がるのを待つため、一晩放置(室温なりゆき)することで汚染布を作製した。
<洗浄条件>
繊維製品用易洗浄性付与剤で処理し、その後モデル汚れで着色させることで作製した汚染布(5枚)を以下の条件で洗浄した。
ターゴトメータ(85r/min)
水の温度…20℃
洗浄時間…10分
洗濯水…イオン交換水(600ml)に洗剤を溶解したもの
洗剤…市販洗剤「ウルトラアタックNeo」(花王株式会社製)(2014年製造品)
洗剤濃度…0.033%
浴比…なりゆき
すすぎ…和歌山市の水道水による流水すすぎ
脱水…1分
乾燥…25℃
<洗浄率の評価方法>
前記洗浄試験で得られた汚染布の洗浄率を下記の方法にて測定し、5枚の平均値を求めた。結果を表1、表2に示す。汚染前の原布、及び洗浄前後の460nmにおける反射率を測色色差計(日本電色(株)製、SE-2000)にて測定し、式(1)によって洗浄率(%)を算出した。標準反射板(白色、X94.03、Y95.96、Z113.16)で校正した。なお表1、2中の値は5枚の洗浄率の平均値である。洗浄率の値がより大きい程、洗浄性に優れる。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の反射率-洗浄前の反射率)/(原布の反射率-洗浄前の反射率)] ・・・(1)
<凍結回復性の評価方法>
表1、表2に示す組成の繊維製品用易洗浄性付与剤を、広口規格瓶PS-No.6に40mL入れ、中栓をはめ込み更に外蓋で密栓してサンプルとする。本サンプルをTABAIESPEC CORP.製のLOW TEMPARATURE CHAMPBERに入れ、20℃12時間と-20℃12時間の保存を1サイクルとして3サイクル目の20℃の3時間経過後のサンプルの状態を肉眼で観察した。凍結回復性の評価は、外観変化なし(〇) 、ほとんど外観変化なし(〇△)、わずかに外観変化(わずかに分離又は析出)あり(△)、外観変化(分離又は析出)あり(×)の4段階の評価を行った。凍結回復性の評価前のサンプルは、すべて均一・透明(分離及び析出なし)であった。
Figure 2022080076000001
Figure 2022080076000002
表1において、実施例1~18の組成物は、水を溶剤としながらも高い汚れ脱離性能を有し、優れた凍結回復性能を有することがわかる。そして、実施例7、12の組成物は、(D)成分を含有することで特に凍結回復性に優れることがわかる。
また、比較例4に示すように、鹸化度70%以上のポリビニルアルコールを単独使用した組成物では汚れ離脱性能と凍結回復性の効果が比較的劣るものの、例えば、実施例1、2、5に示すように、(A)成分と併用することで高い汚れ脱離性能と凍結回復性が向上することがわかる。
また、実施例13、16、18の組成物は、(A)成分を構成する構成単位中の不飽和カルボン酸由来の構成単位であるアクリル酸とメタクリル酸の割合が異なっており、アクリル酸の割合が50mol%以上で特に顕著な効果がみられる。
また、実施例9~11より、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)を所定の割合とすることで、易洗浄性や凍結回復性をより高めることができることがわかる。

Claims (9)

  1. (A)不飽和カルボン酸由来の構成単位を含む重量平均分子量が5万以上1000万以下の高分子化合物、
    (B)糖由来の構成単位又はビニルアルコール由来の構成単位を含む、重量平均分子量が2000以上50万以下の高分子化合物(但し(A)成分を除く)、及び
    (C)水を含有する、繊維製品用易洗浄性付与剤。
  2. 前記(A)成分の不飽和カルボン酸由来の構成単位は、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上の不飽和カルボン酸に由来する構成単位である、請求項1に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤。
  3. 前記(A)成分を構成する構成単位中の不飽和カルボン酸由来の構成単位の割合が50mol%以上である、請求項1又は2に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤。
  4. 前記(A)成分を構成する構成単位中のアクリル酸由来の構成単位の割合が40mol%以上である、請求項1~3の何れか一項に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤。
  5. 前記(B)成分は、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール及びセルロース誘導体から選択される1種以上の高分子化合物である、請求項1~4の何れか一項に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤。
  6. 前記繊維製品用易洗浄性付与剤は、20℃で酸性である、請求項1~5の何れか一項に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤。
  7. 前記(A)成分を0.01質量%以上20質量%以下、
    前記(B)成分を0.01質量%以上20質量%以下、
    前記(C)成分を60質量%以上含有する、請求項1~6の何れか一項に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤。
  8. 更に、(D)有機溶剤を含有する、請求項1~7の何れか一項に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤。
  9. 請求項1~8の何れか一項に記載の繊維製品用易洗浄性付与剤と繊維製品とを接触する工程(1)及び工程(1)の後、前記繊維製品を水性溶媒で濯ぐことなく乾燥する工程(2)を含む、繊維製品への易洗浄性の付与方法。
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