JP2022079822A - 外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、皮膚の炎症や線維化に関与するIL-6の産生を抑制する外用組成物を提供する。【解決手段】(A)バクチオール及び(B)グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩を含有する、外用組成物を調製する。【選択図】図1

Description

本発明は、外用組成物に関し、さらに詳しくは、バクチオール及びグリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩を含有する外用組成物に関する。
バクチオールは天然に存在するテルペノフェノール化合物のメロテルペンの一種であり、常温で油状の疎水性化合物である。近年バクチオールは、レチノール様の作用を有することが明らかとなり(非特許文献1)、その皮膚のアンチエイジングへの効果が注目されている。バクチオールは、現在までに、例えば美白剤の用途で化粧料に使用されている(特許文献1)。
また、グリチルリチン酸は、トリテルペン配糖体の一種であり、抗炎症作用を有することから、医薬品や化粧品に使用されている。
一方、皮膚の炎症に炎症性サイトカインが関与することが知られている。例えば、IL-6は、種々の炎症性疾患と関連することが知られている主要な炎症性サイトカインのひとつであり、血清IL-6濃度の増加と乾癬との間に関連性があることが知られている(非特許文献2)。また、IL-6はケラチノサイトの増殖を引き起こし、乾癬等で見られる皮膚の肥厚に関与している(非特許文献3)。さらに、IL-6は線維芽細胞のコラーゲン産生を促す作用があるが、IL-6が線維芽細胞に作用すると、線維芽細胞自身がIL-6を産生する結果、正のフィードバックによってIL-6の分泌が過剰となり、線維化を引き起こす(非特許文献4)。
特開平11-71231号公報
International Journal of Cosmetic Science, 2014, Vol.36, Issue 3, p.221-230 Mediators of Inflammation, 2005, 2005:5, Article ID 201561 Proc. Natl Acad. Sci. USA, 1989, Vol.86, No.16, pp.6367-6371 Biomedicines, 2020, Vol.8, No.5, 101
本発明は、皮膚の炎症や線維化に関与するIL-6の産生を抑制する外用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、(A)バクチオール及び(B)グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩を含有する組成物がマクロファージにおけるIL-6の産生抑制効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の外用組成物を提供する。
項1.
(A)バクチオール及び(B)グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩を含有する、外用組成物。
項2.
(A)成分に対する(B)成分の質量比[(B)/(A)]が、0.01~5000である、項1に記載の外用組成物。
項3.
さらに、(C-1)HLBが12~15である界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
項4.
(C-1)成分が、PPG-6デシルテトラデセス-30、ステアリン酸ポリグリセリル-10、PEG-40水添ヒマシ油、セテス-10、PEG-60水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-20ソルビタン及びPEG-80水添ヒマシ油からなる群より選択される1種又は2種以上である、項3に記載の外用組成物。
本発明の外用組成物は、(A)バクチオール及び(B)グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩を含有することにより、マクロファージにおけるIL-6の産生を抑制する。
図1は、試験例1において、処理群1のIL-6産生量を100としたときの各群のIL-6産生量を示したグラフである。
本発明の外用組成物は、(A)バクチオール及び(B)グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩を含有する。
[(A)バクチオール]
本明細書中、バクチオールは、4-[(1E,3S)-3-Ethenyl-3,7-dimethyl-1,6-octadien-1-yl]phenolとも表される化合物であり、CAS番号10309-37-2の化合物である。
バクチオールは、化粧品、医薬部外品、又は医薬品に配合可能なものであれば特に限定されず、例えば天然由来又は合成のものを使用することができる。
本発明の外用組成物において、(A)成分の含有量は、他の成分の種類及び含有量、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。限定はされないが、例えば、(A)成分の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.00001質量%以上であり、より好ましくは0.00005質量%以上、さらに好ましくは0.0001質量%以上、特に好ましくは0.0002質量%以上、さらに特に好ましくは0.0004質量%以上、最も好ましくは0.0006質量%以上である。また、(A)成分の含有量は、外用組成物の安定性を良好とする観点から、外用組成物全量に対して、好ましくは0.5質量%以下であり、例えば0.4質量%以下、0.2質量%以下、0.1質量%以下、0.05質量%以下、又は0.045質量%以下であり得る。
(A)成分の含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.00001~0.5質量%であり、より好ましくは0.00005~0.4質量%、さらに好ましくは0.0001~0.2質量%、特に好ましくは0.0002~0.1質量%、さらに特に好ましくは0.0004~0.05質量%又は0.0006~0.045質量%である。
[(B):グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の誘導体、又はそれらの塩]
本発明の外用組成物は、(B)成分として、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の誘導体及びそれらの塩からなる群より選ばれる化合物のうち、いずれか1種単独又は2種以上の組み合わせを含有する。
グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の誘導体又はそれらの塩は、化粧品、医薬部外品、又は医薬品に配合可能なものであれば特に限定されず、例えば天然由来又は合成のものを使用することができる。
例えば、本発明の外用組成物にグリチルリチン酸を含有させるために甘草抽出物を用いることもできる。抽出物は、液状(流動状、粘液状などを含む)の状態で用いることもでき、或いは、乾燥して、固形状(半固形状、ゲル状などを含む)、例えば粉状にしたものを用いることもできる。
グリチルリチン酸の誘導体は、例えば、グリチルリチン酸メチル、グリチルリチン酸ステアリルなどが挙げられる。
グリチルリチン酸又はその誘導体の塩は、薬学的又は生理学的に許容される塩であればよく、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、金属塩(アルミニウム塩など)、アンモニウム塩のような無機塩基との塩;有機アミン塩(メチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、ピロリジン塩、トリピリジン塩、ピコリン塩など)のような有機塩基との塩などが挙げられる。
グリチルリチン酸の塩は、水和物、半水和物、又は無水物であり得る。
本発明の外用組成物において、(B)成分の総含有量は、他の配合成分の種類及び含有量、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。限定はされないが、例えば、(B)成分の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.0005質量%以上、さらに好ましくは0.001質量%以上、特に好ましくは0.005質量%以上、さらに特に好ましくは0.01質量%以上、最も好ましくは0.02質量%以上である。また、(B)成分の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.5質量%以下であり、例えば0.4質量%以下、0.3質量%以下、0.2質量%以下、0.1質量%以下、0.05質量%以下、又は0.01質量%以下であり得る。
(B)成分の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.0001~0.5質量%であり、より好ましくは0.0005~0.4質量%、さらに好ましくは0.001~0.3質量%、特に好ましくは0.01~0.2質量%である。
本発明の外用組成物において、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、(A)成分に対する(B)成分の質量比[(B)/(A)]は、例えば、0.01~5000質量部、0.05~3000質量部、0.1~1000質量部、又は0.5~500質量部であり得る。
(B)成分にグリチルリチン酸の誘導体が含まれる場合、本発明の(A)成分に対する(B)成分の質量比は、0.25~3000質量部、1~1000質量部、又は2.5~500質量部であり得る。
[(C)界面活性剤]
本発明の外用組成物は、任意で、さらに(C)成分として界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、レシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等からなる群より選ばれる化合物の、1種単独又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム等);アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);脂肪酸アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等);スルホコハク酸塩(例えば、アルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);アミノ酸系界面活性剤(例えば、ココイルグルタミン酸ナトリウム、N-アシルグルタミン酸塩等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、ラウロイルグルタミン酸カリウム、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);エーテルカルボン酸塩(例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等);α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミタゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタイン、ヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等):アミノ酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム)等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体(例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等);グリセリン誘導体(例えば、ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル、グリセリンアルキルエーテル);ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル等);シリコーン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等);アルキルグルコシド;等が挙げられる。
((C-1)成分:HLBが12~15である界面活性剤)
一実施形態において、本発明の外用組成物は、(C-1)HLBが12~15である界面活性剤を含有する。12~15のHLB値を有する界面活性剤は、当該範囲外のHLB値を有する界面活性剤に比べて、(A)成分と(B)成分を組み合わせた場合の組成物の乳化安定性が良好であり、好ましい。
HLBが12~15の界面活性剤としては、例えば、PPG-6デシルテトラデセス-30、ステアリン酸ポリグリセリル-10、PEG-40水添ヒマシ油、セテス-10、PEG-60水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-20ソルビタン、及びPEG-80水添ヒマシ油からなる群より選ばれる化合物の、いずれか1種単独又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
本明細書中、HLB値は、特に限定されず、計算値であってもよく、実験的に求めた値であってもよい。計算値は、例えば、グリフィン法(20×親水部の式量の総和/分子量)に基づく計算値であってもよい。
本発明の外用組成物において、(C)成分の総含有量は、他の配合成分の種類及び含有量、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。限定はされないが、例えば、(C)成分の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.02質量%以上、さらに特に好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上である。また、(C)成分の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは10質量%以下であり、例えば8質量%以下、6質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、又は3質量%以下であり得る。
(C)成分の総含有量は、外用組成物全量に対して、好ましくは0.001~10質量%であり、より好ましくは0.005~8質量%、さらに好ましくは0.01~6質量%、特に好ましくは0.1~3質量%である。
[その他成分]
本発明の外用組成物は、任意で、上記成分の他に、さらに別の抗炎症剤、殺菌消毒剤(抗菌剤)、ビタミン類、抗シワ剤、美白剤、抗糖化成分、細胞賦活化成分、抗酸化成分、老化防止成分及び保湿成分からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。
(抗炎症剤)
上記別の抗炎症剤としては、例えば、アラントイン及びその誘導体(例えば、アルクロキサ、アラントインなど)、トラネキサム酸、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルなど)、酸化亜鉛、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体(例えば、グアイアズレン、アズレンなど)、サリチル酸又はその誘導体、ステロイド類若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンなど)、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、アゼライン酸、ジフェンヒドラミン、ニコチン酸アミド等が挙げられる。
抗炎症剤を配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、0.0001~10質量%が好ましく、0.001~8質量%がより好ましく、0.01~5質量%がさらに好ましく、0.01~2質量%がさらにより好ましい。
(殺菌消毒剤(抗菌剤))
上記殺菌消毒剤(抗菌剤)としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、ジンクピリチオン、感光素101号、感光素201号、塩酸アルキルジアミノグリシン、塩化セチルピリジニウム、ピロクトンオラミン、ミコナゾール若しくはその塩、レゾルシン、イオウ、ホモスルファミン、スルファジアジン等が挙げられる。
殺菌消毒剤を配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、0.00001~10質量%が好ましく、0.001~5質量%がより好ましく、0.01~2質量%がさらに好ましい。
(ビタミン類)
上記ビタミン類としては、水溶性ビタミン及び油溶性ビタミンのいずれであってもよく、例えば、ビタミンB6類;パントテン酸類;ニコチン酸類;ビタミンB1類;ビタミンB2類;ビタミンB12類;ビタミンC類;ビタミンE類(トコフェロール酢酸エステル等);ビタミンA類;ピロロキノリンキノン又はその塩、ヘスペリジン類、ユビキノン、α-リポ酸などのビタミン様作用因子などが挙げられる。
ビタミン類を配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、0.00001~10質量%が好ましく、0.001~5質量%がより好ましく、0.005~3質量%がさらに好ましく、0.01~2質量%がさらにより好ましい。
(抗シワ剤)
上記抗シワ剤としては、例えば、加水分解大豆タンパク、ニコチン酸アミド、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3-デヒドロレチノール、3-デヒドロレチナール、3-デヒドロレチノイン酸、水添レチノール、レチノイン酸トコフェリル、などのビタミンA類及びその誘導体であるパルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、酢酸レチノールなどのビタミンA誘導体類、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、クリプトキサンチンなどのプロビタミンA類、グリコール酸、アシル化グルコサミン、カイネチン、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アロエ、コラーゲン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、ペプチド類(カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24など)等が挙げられる。
上記抗シワ剤として、ニコチン酸アミドを配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、0.001~10質量%が好ましく、0.01~8質量%がより好ましく、0.1~6質量%がさらに好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
上記抗シワ剤として、ビタミンA類誘導体を配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、0.0001~1質量%が好ましく、0.001~0.8質量%がより好ましく、0.01~0.5質量%がさらに好ましい。
上記抗シワ剤として、ニコチン酸アミド、ビタミンA類誘導体以外を配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、例えば、0.0001~10質量%であり、0.0005~5質量%が好ましく、0.001~4質量%がより好ましく、0.005~3質量%がさらに好ましい。
(美白剤)
美白剤としては、例えば、ニコチン酸アミド、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ルシノール;カモミラET;ハイドロキノン、4-メトキシサリチル酸カリウム塩;リノール酸及びその誘導体;アスコルビン酸とその塩、アスコルビン酸誘導体等のビタミンC類(アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L-アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸など)、ビタミンA又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。さらに、美白作用を有する植物成分を美白剤として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、アセロラ、ウーロン茶、エイジツ、オウレン、海藻、クチナシ、クジン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アセンヤク、カキ(Diospyros kaki)、キウイ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、ダイコン、ツツジ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、チンピ、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、ソウズク、グレープフルーツ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニーム、アーティチョーク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、デビルズクロー等に由来する成分が挙げられる。それらの植物成分を本発明の外用組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、前記植物成分中に記載の括弧内は、その植物の学名、別名または生薬名である。
美白剤を配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。植物エキスを用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは、約0.0001~15質量%、より好ましくは、0.001~10質量%である。
抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ウメ果実エキス、エーデルワイスエキス等の植物エキス、月見草油、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物、L-アルギニン、L-リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸ピロロキノリンキノン類などのビタミン類;グルコン酸、フィチン酸、グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号、植物(たとえば、ビルベリー葉など)に由来する成分、等が挙げられる。
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、植物エキス(スイカズラ花エキスなど)等が挙げられる。
老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトン、ペプチド類(カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24など)等が挙げられる。
保湿成分としては、例えば、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸及びその誘導体;グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオールなどの多価アルコール;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(5P.O.)、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルなどの多価アルコール誘導体;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース・ショ糖縮合物(グルコオリゴ糖)、加水分解キシラン(キシロオリゴ糖)などの糖アルコール;グリコシルトレハロース、トレハロース;セラミド、グルコシルセラミド、コレステロール、フィトステロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分;ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸等を含む);ヒアルロン酸の塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸亜鉛、低分子ヒアルロン酸亜鉛等);ヒアルロン酸誘導体(アセチル化ヒアルロン酸又はその塩(例えば、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸亜鉛等)、架橋型ヒアルロン酸誘導体(ヒアルロン酸クロスポリマーNa等)、カルボキシメチルヒアルロン酸Na、不飽和ヒアルロン酸又はその塩、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、カチオン化ヒアルロン酸誘導体(ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム等)、ヒアルロン酸ジメチルシラノール等);コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等とそれらの加水分解物;ヒドロキシエチルウレア;2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどのホスホリルコリン含有ポリマー;(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエチルヘキシルなどの二価カルボン酸エステル;植物(たとえば、アロエ、海藻、クロレラ、レモングラス、カミツレ、ハマメリス、チャ、グレープフルーツ、アマチャヅルなど)に由来する成分、等が挙げられる。
上記保湿成分としてホスホリルコリン含有ポリマーを配合する場合、その含有量は、外用組成物の全量に対して、0.001~20質量%が好ましく、0.01~15質量%がより好ましく、0.1~10質量%がさらに好ましい。
本発明の外用組成物には、化粧品、医薬部外品、又は医薬品において外用剤の成分として一般的に用いられる各種の成分、例えば、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料などを配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、又は2種以上を任意に配合することができる。
本発明の外用組成物には、前述した成分に加えて、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、有機酸、収斂成分、抗酸化成分、多価アルコール、角質柔軟成分、血行促進成分、皮脂吸着成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体等の各種成分を、1種または2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
[添加剤等]
また本発明の外用組成物には、前記各成分に加えてその用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合してもよい。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、界面活性剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、着色剤、分散剤、着色剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。またこれらの含有量は、従来公知の範囲から本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定することができる。さらに、特定の成分が上記の分類の複数に該当する場合、それらのうちの任意の機能の成分として添加できるものとする。
[用途・適用部位]
本発明の外用組成物は、実施例にも示されるように、マクロファージにおける主要な炎症性サイトカインであるIL-6の産生を抑制する作用を有する。これにより、本発明の外用組成物は、例えば、皮膚若しくは粘膜等の炎症又は皮膚若しくは粘膜等の過剰な肥厚又は線維化を予防又は改善する作用を有する。
皮膚の炎症は、色素沈着を引き起こし、シミ、ソバカスなどの原因となることが知られている。また、肥厚や線維化は、皮膚の弾力性の低下を通じて、シワやたるみの形成や肌のハリの低下などに関連する。そのため、本発明の外用組成物は、皮膚老化を改善する作用、美白作用、シミ若しくはソバカスを予防若しくは改善する作用、皮膚のシワ若しくはたるみを予防若しくは改善する作用、又は皮膚のハリ若しくは弾力性を改善する作用が期待できる。
よって、本発明の外用組成物は、例えば、皮膚又は粘膜に適用して、それらの炎症に関連する疾患の改善又は予防に使用することができる。粘膜は、特に限定されないが、例えば眼又は口腔の粘膜が好ましい。
皮膚の炎症に関連する疾患としては、例えば、乾癬、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、刺激性接触皮膚炎、掻痒症、にきび、湿疹、かゆみ、虫さされ、かぶれ、ただれ、じんましん、あせも等が挙げられる。
眼の粘膜の炎症に関連する疾患としては、例えば、アレルギー性結膜炎(季節性アレルギー性結膜炎、通年性アレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル等)、乾性角結膜炎、非感染性角膜炎、非感染性結膜炎、感染性角膜炎、感染性結膜炎などの角結膜炎、ブドウ膜炎、眼瞼炎、強膜炎、上強膜炎、術後炎症、涙腺炎、涙嚢炎、涙小管炎等が挙げられる。
口腔の粘膜の炎症に関連する疾患としては、例えば、歯茎炎(歯肉炎)、歯槽膿漏(歯周炎)等の歯周病、口内炎等が挙げられる。
また、本発明の外用組成物は、例えば皮膚に適用して、皮膚老化の改善(いわゆる「抗老化」「アンチエイジング」等)、美白、シミ若しくはソバカスの予防若しくは改善、皮膚のシワ若しくはたるみの予防若しくは改善、又は皮膚のハリ若しくは弾力性の改善のために使用することができる。
本明細書において、「改善」とは、疾病、症状若しくは健康状態の好転若しくは緩和、疾患、症状若しくは健康状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患若しくは症状の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
[剤形]
本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品又は化粧品として公知の形態であれば、特に限定されないが、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、スプレー剤、不織布等のシートに本発明の組成物を含浸させたシート剤、スティック剤等の形態により、公知の方法で製剤化することができる。中でも、好ましくは、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤、ゲル剤の形態で用いられる。
具体的な製剤形態としては、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、オールインワンゲル、オールインワンクリーム、ボディローション、及びボディークリームのような基礎化粧料;洗顔料、ハンドソープ、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料;ファンデーション、化粧下地、BBクリーム、CCクリーム等のフェイスメイクアップ用化粧料;リップクリーム、リップライナー等の口唇化粧料;毛髪用化粧料等が挙げられる。これらの中でも皮膚用の外用組成物が特に好ましい。
[用法・用量]
本発明の外用組成物は、上記の用途などに応じて1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
[製造方法]
本発明の外用組成物は、公知の方法により製造することができる。必要に応じて、滅菌工程を含めることができる。
次に、実施例や試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例や試験例に限定されるものではない。
[試験例1.抗炎症効果(IL-6産生抑制効果)の確認試験]
(使用試薬・培養条件)
基本培地は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(商品コード11995-073;Gibco社製)に対して、10%(v/v)のウシ胎仔血清(FBS)(商品コード35-010-CV;Corning社製)及び1%(v/v)Antibiotics-Antimycotics(商品コード15240-062;Gibco社製)を添加したものを用いた。
バクチオール(Sytheon社製;商品名Sytenol A、商品コードBK1002)はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解してから、0.2mmフィルターを通したものをストック溶液とした。
バクチオール(DMSO溶液)及びグリチルリチン二カリウム(GK2)(丸善製薬株式会社製)は、終濃度の2倍濃度となるように基本培地に溶解してから、培養液の等量を添加して使用した。
Staphylococcus aureus由来ペプチドグリカン(商品コード77140-10MG;Sigma社製)は、4mg/mLとなるように基本培地に溶解し、培養液の1/100量(終濃度40μg/mL)を添加して使用した。
培養及びインキュベートは、特に記載がない限り、COインキュベーター(5%CO)で、37℃で行った。
(試験方法)
以下の方法により、バクチオール及びGK2を表1の濃度で含有する培地で培養したマウスマクロファージ細胞株RAW264.7における、ペプチドグリカン刺激後のIL-6の産生量を測定した。
(1)予め培養、回収したRAW264.7細胞を、生細胞が2×10細胞/ウェルの密度となるように基本培地で細胞を希釈して、48ウェルプレート(商品コード3548;Corning社製)に播種し、24時間培養した。
(2)培地に、表1の終濃度となるようにバクチオール及びGK2を含有する基本培地を加え、4時間培養した。対照群及び処理群1~4のサンプル数はそれぞれ3であった。
(3)次に無処理群を除いて終濃度40μg/mLでペプチドグリカンを加えてから、さらに17~18時間培養し、RAW264.7細胞の炎症反応を惹起した。
(4)培養上清を収集し、mIL-6 ELISA Kit(R&D Systems社製)を用いて上清中のIL-6量を定量した。
(5)また、残った細胞はDMEM及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回ずつ洗った後で、AM-Calcein(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて各ウェルの生細胞数を測定した。
(6)各サンプルについて、定量されたIL-6の量を生細胞数で標準化した。各群のサンプルの標準化IL-6量の平均値を、各群のIL-6産生量とした。
Figure 2022079822000002
図1に、処理群1のIL-6産生量を100としたときの各処理群のIL-6産生量を示した。ペプチドグリカンの刺激に伴って主要な炎症性サイトカインであるIL-6の産生量が増加した。処理群2(0.02質量%GK2処理群)及び処理群3(0.0008質量%バクチオール処理群)では、IL-6産生量が処理群1に比べてそれぞれ21%、13%減少した。処理群1と処理群3のIL-6産生量の差は統計上有意ではなかった(対応のないt検定、p≧0.05)。一方、処理群4のIL-6産生量と処理群1~3の各群のIL-6産生量は、統計上有意(p<0.05)な差があった。驚くべきことに、処理群4は処理群1に比べて44%もIL-6産生量が低下していた。
以上から、バクチオールとGK2を組み合わせてマクロファージに作用させることにより、顕著なIL-6産生抑制効果が得られることが明らかとなった。
[試験例2:乳化安定性に対する効果の確認試験]
(1)表2に示す製剤を調製し、各製剤を厚さ20mmのガラスセルに入れ、分光測色計(CM-5;コニカミノルタ株式会社製)を用いてハンターLab表色系(Hunter Lab system)におけるL値、a値、b値を測定し、ブランクの精製水に対する色差ΔEab値を算出した。ΔEab値が小さいほど、製剤の色(外観)が無色透明である精製水に近く、一般的に乳化粒子が十分に分散し、乳化安定性が高いことを意味する。
(2)その後、バクチオールを含有するがGK2を添加しない製剤(製剤A)に対する、製剤AにGK2を添加した製剤(製剤B)のΔEab値改善率を以下の式により算出し、GK2を添加することによる乳化安定性を評価した。
<ΔEab値改善率>
ΔEab値改善率(%)=
[{(製剤AのΔEab)-(製剤BのΔEab)}/(製剤AのΔEab)]×100
結果を表2に示した。HLB12~15の界面活性剤を含有する製剤は、バクチオールとGK2を組み合わせることにより、バクチオール単独の場合に比べて乳化安定性が改善した。一方、HLBが12未満又は15を超える界面活性剤を使用した場合は、バクチオールとGK2を組み合わせると、乳化安定性が低下することが判明した。
Figure 2022079822000003
[処方例]
以下の表3~表7の外用組成物を常法により調製した。処方の数字はいずれも質量%で表している。
Figure 2022079822000004
Figure 2022079822000005
Figure 2022079822000006
Figure 2022079822000007
Figure 2022079822000008

Claims (4)

  1. (A)バクチオール及び(B)グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩を含有する、外用組成物。
  2. (A)成分に対する(B)成分の質量比[(B)/(A)]が、0.01~5000である、請求項1に記載の外用組成物。
  3. さらに、(C-1)HLBが12~15である界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. (C-1)成分が、PPG-6デシルテトラデセス-30、ステアリン酸ポリグリセリル-10、PEG-40水添ヒマシ油、セテス-10、PEG-60水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-20ソルビタン及びPEG-80水添ヒマシ油からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項3に記載の外用組成物。
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