JP2022079256A - 電気自動車 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022079256000001
【課題】本明細書は、モータに供給される三相交流を計測する3個の電流センサを有する電気自動車に関し、電流センサの故障を検知する技術を提供する。
【解決手段】電気自動車は、走行用のモータと、モータに交流を供給するインバータと、インバータが出力する三相交流のそれぞれの相の電流を計測する3個の電流センサと、インバータを制御する制御器を備える。制御器は、いずれか2個の電流センサの計測値から、残りの相の電流を推定する。制御器は、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和が、インバータへの入力電流の二乗の3/2に等しい場合に、2個の電流センサは正常であると判定する。制御器は、二乗和が入力電流の二乗の3/2と異なる場合に、2個の電流センサの一方が故障していると判定する。
【選択図】図2

Description

本明細書が開示する技術は、走行用のモータを備える電気自動車に関する。特に、モータに供給される三相交流を計測する3個の電流センサを有する電気自動車に関し、電流センサの故障を検知する技術に関する。本明細書における「電気自動車」には、燃料電池車や、モータとエンジンの双方を備えるハイブリッド車が含まれる。
電気自動車は、走行用モータとして三相交流モータを備えており、直流電源の電力を三相交流に変換するインバータも備えている。以下では、説明を簡単にするため、三相交流モータを単にモータと称する。
走行用のモータを正確に制御するには、電流フィードバックが欠かせない。3相の交流の総和は常にゼロであるため、3相のうち2相の電流を計測できれば、3相の電流フィードバックを実現することができる。しかし、電流センサの故障を検知するため、通常の電気自動車は3個の電流センサを備えており、3相交流電流の全てを計測できるようになっている。
特許文献1に開示された故障診断装置(モータの制御装置)では、三相交流のうちのいずれか1相の電流センサからゼロクロスを検知し、そのときの他の2相の電流センサの計測値から、電流センサの故障の有無を判断する。
なお、電流センサと制御器をつなぐ信号線、あるいは、電流センサに電力を供給する電力線が断線(あるいは短絡)しても電流センサが使えなくなる。本明細書では、信号線あるいは電力線が断線(または短絡)して電流センサが使えなくなった状態も、「電流センサの故障」に含むものとする。
特開2013-55796号公報
本明細書は、特許文献1に開示された技術とは異なるアプローチで電流センサの故障を検知する技術を提供する。
本明細書が開示する電気自動車は、走行用のモータと、モータに交流を供給するインバータと、3個の電流センサと、インバータを制御する制御器を備える。3個の電流センサは、インバータが出力する三相交流のそれぞれの相の電流を計測する。制御器は、いずれか2個の電流センサの計測値から、残りの相(残りの1個の電流センサに対応する相)の電流を推定する。制御器は、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和が、インバータへの入力電流の二乗の3/2に等しい場合に、2個の電流センサは正常であると判定する。制御器は、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和が、入力電流の二乗の3/2と異なる場合に、2個の電流センサの一方が故障していると判定する。
あるいは、制御器は、いずれか2個の電流センサの計測値から、残りの相の電流を推定し、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和を計算し、二乗和の経時変化の変化幅が、インバータへの入力電流の経時変化から求められる所定の変化幅閾値を超えた場合に2個の電流センサの一方が故障していると判定する。制御器は、二乗和の経時変化の変化幅が、変化幅閾値以下の場合は2個の電流センサは正常であると判定する。
さらに、制御器は、3個の電流センサから2個の電流センサの異なる組み合わせのそれぞれに対する二乗和に基づいて故障した電流センサを特定し、特定した電流センサに対応する相の電流を残りの2個の電流センサの計測値から推定し、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の値に基づいてインバータの制御を継続するようにしてもよい。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の電気自動車の駆動系のブロック図である。 制御器が実行するモータ制御のフローチャートである。 制御器が実行するモータ制御のブロック図である。 q軸に対する電流の電気位相角とモータの出力トルクの関係を示すグラフである。
図面を参照して実施例の電気自動車2を説明する。図1に、電気自動車2の駆動系のブロック図を示す。電気自動車2は、電源3、インバータ5、走行用のモータ6、制御器20を備える。電源3はリチウムイオンバッテリであり、100ボルト以上の電圧の電力を出力することができる。モータ6は三相交流モータである。電源3の出力電力(直流電力)は、インバータ5によって、交流電力に変換され、モータ6に供給される。電源3とインバータ5の間には電流(電圧)の脈動を抑えるコンデンサ4が接続されている。
電気自動車2は、電源3の電圧を計測する電圧センサ11と、電源3の出力電流を計測する電流センサ12を備えている。また、電気自動車2は、インバータ5の直流端に印加される電圧を計測する電圧センサ19を備えている。
インバータ5は6個のスイッチング素子5a-5fを備えている。6個のスイッチング素子5a-5fは、2個ずつ直列に接続される。3セットの直列接続が並列に接続される。スイッチング素子5a-5fのそれぞれに対してダイオードが逆並列に接続されている。制御器20が、モータ6が目標トルクを出力するようにインバータ5を制御する。なお、電源3とインバータ5の間に電圧コンバータが接続されていてもよい。
電気自動車2は、さらに、3個の電流センサ7(7u、7v、7w)を備えている。電流センサ7は、インバータ5とモータ6の間を流れる三相交流を計測する。電流センサ7uは、u相電流を計測する。同様に、電流センサ7v(7w)は、v相電流(w相電流)を計測する。電流センサ7の計測値も制御器20に入力される。
制御器20は、中央演算装置21(CPU21)と、メモリ22を備える。メモリ22には、CPU21が実行するプログラムの他、各種のデータが記憶されている。メモリ22が記憶しているデータには、例えば、モータ6の目標トルクから指令値を導き出すマップ(あるいは関係式)などが含まれる。
制御器20にはインストルメントパネル31が接続されている。制御器20は、現在の電気自動車2の状態(例えば車速など)をインストルメントパネル31に表示させる。電流センサ7で異常が発生した場合、制御器20は、インストルメントパネル31の警告灯を点灯させる。
制御器20は、車速センサ13から車速を取得する。また、制御器20は、アクセルセンサ14からアクセル開度を取得する。モータ6には角度センサ8が備えられており、制御器20は、角度センサ8の計測データから、モータ6の電気角と角速度を得る。
制御器20は、車速センサ13とアクセルセンサ14の計測値に基づいて、モータ6の目標トルクを算出し、モータ6の出力トルクが目標トルクに追従するようにインバータ5を制御する。制御器20は、目標トルクから、インバータ5に対する電流指令値を決定する。制御器20は、三相のそれぞれに対する電流指令値を決定する。制御器20は、インバータ5の出力電流(三相交流)のそれぞれが対応する電流指令値に追従するように、電流センサ7の計測値を用いてフィードバック制御を行う。
電流センサ7についてさらに説明する。キルヒホッフの法則により、三相交流の総和は常にゼロである。それゆえ、3相の電流のうち、2相の電流が計測できれば、残りの相の電流を推定することができる。しかし、電流センサ7の故障に備えて、電気自動車2は3相の各相のそれぞれに電流センサを備えており、全ての相の電流を計測することができる。
制御器20は、3個の電流センサ7u、7v、7wの計測値を加算し、その総和がゼロでない場合、3個の電流センサ7のいずれかが故障していると判定する。なお、「電流センサが故障」とは、電流センサそのものが故障している場合のほか、電流センサの信号線の断線あるいは短絡、および、電力供給線の断線あるいは短絡も含まれる。
制御器20は、3個の電流センサ7のいずれかが故障していると判断した場合、故障した電流センサを特定し、正常な2個の電流センサの計測値から、残りの相の電流を推定する。制御器20は、正常な2個の電流センサの計測値と、電流推定値を用いて電流フィードバック制御を継続する。制御器20は、故障した電流センサを特定する間、制御器20は、モータ6がトルクを出力しないように、インバータ5を制御する。故障した電流センサを特定する間、モータ6がトルクを出力しないことで、運転者に違和感を与えない。
図2に、制御器20が実行するモータ制御のフローチャートを示す。制御器20は、一定の周期で図2の処理を繰り返す。まず、制御器20は、3個の電流センサ7をチェックする(ステップS2)。先に述べたように、制御器20は、3個の電流センサ7の計測値を加算し、総和がゼロでないときに、いずれかの電流センサが故障していると判断する。制御器20は、全ての電流センサ7が正常であると判断した場合には、通常制御にてモータ6(インバータ5)を制御する(ステップS3:NO、ステップS4)。通常制御の具体的な処理は後述する。
制御器20は、いずれかの電流センサ7が故障していると判断した場合、インストルメントパネル31の警告灯を点灯させる(ステップS3:YES、ステップS5)。続いて制御器20は、通常制御に代えてゼロトルク制御を開始する(ステップS6)。ゼロトルク制御とは、アクセル開度に関わらず、モータ6がトルクを出力しないようにインバータ5を制御することである。ゼロトルク制御の詳細については後述する。
制御器20は、ゼロトルク制御を実施しつつ、故障した電流センサを特定する(ステップS7)。制御器20は、故障した電流センサが特定できたら、ゼロトルク制御を終了し(ステップS8)、退避走行制御へと移行する。退避走行制御とは、モータ6の上限出力を抑えつつ、正常な2個の電流センサを用いて電流フィードバック制御を実行することである。退避走行制御中、制御器20は、インストルメントパネル31を制御し、走行制御システムに異常が生じていることを示す警告灯を点灯するとともに、車両を速やかにサービスセンタへ持ち込むことを強く推奨するメッセージを表示させる。制御器20がサービスセンタと通信する機能を備えている場合、制御器20は、車両で異常が生じていることをサービスセンタに通知してもよい。
故障した電流センサを特定するのにわずかな時間しか要しない。わずかな時間に運転者が意図しないトルクを出力するよりも、ゼロトルク制御を実施した方が運転者に与える違和感は小さい。
図3に、制御器20が実行するモータ制御のブロック図を示す。図3は、モータ制御プログラムを理解し易くするための図であり、モータ制御を模式的に表している。例えば、切替器211は、通常制御とゼロトルク制御を切り替えることを表しているが、実際には制御器20が通常制御用のプログラムからゼロトルク制御用のプログラムに切り替えると、通常制御は停止する。また、図3の実線の矩形はプログラムモジュールを表している。
制御器20は、目標トルクモジュール201、指令電圧電流モジュール202、減算器203、フィードバック制御モジュール204、加算器205、逆dq変換モジュール206、PWM信号モジュール207、電流チェックモジュール208、dq変換モジュール209、ゼロトルク制御モジュール210、切替器211を備えている。先に述べたように、各モジュール、減算器203、加算器205、切替器211は、制御器20のメモリ22に格納されたプログラムをCPU21が実行することにより実現される。
車速センサ13が計測した車速Velと、アクセルセンサ14が計測したアクセル開度Accは目標トルクモジュール201に入力される。目標トルクモジュール201は、車速Velとアクセル開度Accからモータ6の目標トルクTrcを決定する。制御器20のメモリ22に、車速Velとアクセル開度Accと目標トルクTrcの関係を規定したマップ(あるいは関係式)が記憶されており、目標トルクモジュール201は、マップを参照し、あるいは関係式を用いて、計測された車速Velとアクセル開度Accから目標トルクTrcを決定する。
目標トルクTrcは指令電圧電流モジュール202に送られる。指令電圧電流モジュールは、目標トルクTrcに基づいて、d軸フィードフォワード電圧Vdff、q軸フィードフォワード電圧Vqff、d軸電流指令値Idc、q軸電流指令値Iqdを決定する。d軸フィードフォワード電圧Vdffとq軸フィードフォワード電圧Vqffは、モータ6の出力トルクを素早く目標トルクTrcへ近づけるための指令電圧である。d軸電流指令値Idcとq軸電流指令値Iqdは、電流センサ7から得られるモータ6の電流のフィードバック制御に用いられる。フィードバック制御については後述する。
目標トルクTrcからd軸フィードフォワード電圧Vdff/q軸フィードフォワード電圧Vqff/d軸電流指令値Idc/q軸電流指令値Iqdへの変換には、モータ6の電気角Aeも用いられる。電気角Aeは、モータ6に取り付けられた角度センサ8から得られる。目標トルクTrcとd軸フィードフォワード電圧Vdffなどとの関係は、電気角Aeをパラメータに含むマップ(あるいは関係式)で規定されている。このマップ(あるいは関係式)も、メモリ22に予め記憶されている。指令電圧電流モジュールは、マップ(あるいは関係式)を参照し、目標トルクTrcに基づいて、d軸フィードフォワード電圧Vdffなどを決定する。
d軸電流指令値Idc(q軸電流指令値Iqd)は、減算器203に送られる。減算器203では、d軸電流指令値Idc(q軸電流指令値Iqd)と、電流センサ7の計測値から得られる実際のd軸電流Idr(q軸電流Iqr)との差分が計算される。この差分がフィードバック制御に用いられる。
3個の電流センサ7(7u、7v、7w)の計測値Ius、Ivs、Iwsは、電流チェックモジュール208に入力される。電流チェックモジュールでは、3個の電流センサ7の計測値Ius、Ivs、Iwsを加算し、総和を得る。総和がゼロの場合、電流チェックモジュール208は、全ての電流センサが正常であると判断する。このとき、電流チェックモジュール208は、3相各相の電流Iur、Ivr、Iwrを出力する。電流Iur、Ivr、Iwrは、それぞれ、電流センサ7u、7v、7wの出力に対応する。あるいは、3個の電流Iur、Ivr、Iwrのいずれか1個は、残り2個から推定された値であってもよい。キルヒホッフの法則より、例えばu相電流Iurは、「Iur=-(Ivr+Iwr)」の式で得ることができる。
三相各相の電流Iur、Ivr、Iwrは、dq変換モジュール209に入力される。dq変換モジュール209は、モータ6の電気角Aeを用いて、三相の電流Iur、Ivr、Iwrを、d軸電流Idrとq軸電流Iqrに変換する。三相電流からd軸電流/q軸電流への変換は良く知られているので説明は割愛する。
先に述べたように、減算器203にて、d軸電流指令値Idcとd軸電流Idrの差分、および、q軸電流指令値Iqcとq軸電流Iqrの差分が計算される。得られた差分は、フィードバック制御モジュール204に入力される。フィードバック制御モジュール204は、d軸電流指令値Idcとd軸電流Idrの差分、および、q軸電流指令値Iqcとq軸電流Iqrの差分が小さくなるように、d軸フィードバック電圧Vdfbと、q軸フィードバック電圧Vqfbを決定する。フィードバック制御モジュール204は、P制御、PI制御、あるいは、PID制御などの制御則に基づいて、d軸フィードバック電圧Vdfbと、q軸フィードバック電圧Vqfbを決定する。
d軸フィードバック電圧Vdfbとd軸フィードフォワード電圧Vdffは加算器205で加算される。加算の結果、d軸電圧指令値Vdcが得られる。同様に、q軸フィードバック電圧Vqfbとq軸フィードフォワード電圧Vqffが加算器205で加算され、q軸電圧指令値Vqcが得られる。d軸電圧指令値Vdcとq軸電圧指令値Vqcは、逆dq変換モジュール206にて、3相各相の電圧指令値Vuc、Vvc、Vwcに変換される。この変換にも、電気角Aeが参照される。
3相各相の電圧指令値Vuc、Vvc、Vwcは、それぞれ、PWM信号モジュール207にてキャリア信号と比較され、各相のスイッチング素子(図1のスイッチング素子5a-5f)を駆動するためのPWM信号に変換される。PWM信号モジュール207の出力、すなわち、PWM信号は、インバータ5の上アームスイッチング素子5a、5c、5eのそれぞれに送られる。下アームスイッチング素子(例えばスイッチング素子5b)には、上アームスイッチング素子5aに対するPWM信号の相補信号が供給される。相補信号とは、元の信号のHighレベルとLowレベルを反転させた信号である。
以上が通常制御である。3個の電流センサ7の全てが正常である場合、目標トルクTrcからd軸とq軸のフィードフォワード電圧Vdff、Vqffが決定され、それらの値に基づいてインバータ5が制御されることで、モータ6の出力トルクは目標トルクTrcに速やかに近づく。また、目標トルクTrcから得られるd軸電流指令値Idc(およびq軸電流指令値Iqc)とモータ6から得られるd軸電流Idr(およびq軸電流Iqr)の差分に応じたフィードバック制御が実行されることで、モータ6の出力トルクは目標トルクTrcに正確に追従する。
なお、制御器20が進角制御を採用する場合には、逆dq変換モジュール206において、電気角Aeに所定の進角を加えた角度に基づいて、d軸電圧指令値Vdcとq軸電圧V指令値qcが三相各相の電圧指令値Vuc、Vvc、Vwcに変換される。
電流チェックモジュール208にて3個の電流センサ7u、7v、7wの計測値Ius、Ivs、Iwsの総和がゼロでない場合、電流チェックモジュール208は、電流センサ7u、7v、7wのいずれかが故障していると判断する。その場合、電流チェックモジュール208は、切替器211を制御し、逆dq変換モジュール206の入力端を加算器205からゼロトルク制御モジュール210に切り替える。ゼロトルク制御モジュール210は、モータ6に電流は流れるがトルクが出力されないようにするd軸電圧指令値Vdcとq軸電圧指令値Vqcを出力する。すなわち、制御器20は、電流センサ7u、7v、7wのいずれかが故障している場合、通常制御を停止し、ゼロトルク制御に移行する。
ゼロトルク制御モジュール210は、d軸電圧指令値Vdcとq軸電圧指令値Vqcを次の(数1)で与える。
Figure 2022079256000002
ここで、記号Wはモータ6の角速度を表す。記号Ceは正値の定数を表す。定数Ceは、所定の正値の下限定数Cminよりも大きい。記号PHIは、モータ6のロータの磁石の磁界の強さを表す。
(数1)の電圧指令値に基づいてモータ6(インバータ5)を制御することで、モータ6は、惰性で回転しつつ、トルクを出力しない。モータ6はトルクを発生しないが、q軸電圧指令値Vqcが非ゼロであるので、インバータ5からモータ6へは電流が流れる。モータ6に電流が流れるので、電流センサ7は何らかの計測値を出力する。電流チェックモジュール208は、電流センサ7の計測値に基づいて、故障した電流センサを特定する。
まず、(数1)の電圧指令値を採用することで、モータ6に電流は流れるがモータ6がトルクを発生しないことを説明する。d軸電圧Vd、q軸電圧vqと、d軸電流Id、q軸電流Iqの間には、次の(数2)、(数3)の関係が知られている。
Figure 2022079256000003
Figure 2022079256000004
(数2)、(数3)において、記号Rはモータ6のステータのコイルの電気抵抗を表す。記号Wはモータ6のロータの角速度を表す。記号Ld、Lqは、ロータのd軸のインダクタンスとq軸のインダクタンスを表す。記号PHIは、ロータの永久磁石の磁界の強さを表す。
電気自動車2が走行している間、角速度Wは正値を示す。角速度Wが大きければ、別言すれば、電気抵抗R<<角速度Wであれば、(数2)の右辺第2項は右辺第1項よりも顕著に大きくなり、右辺第1項は無視できる。この場合、d軸電圧指令値Vdcにゼロを設定してモータ6を制御すると、q軸電流Iqはゼロになる。
一方、モータ6の出力トルクTrqは、次の(数4)で与えられる。
Figure 2022079256000005
(数4)において、記号Pnはロータの磁極数を表す。その他の記号は先に述べた通りである。
(数4)より、q軸電流Iqがゼロであれば、モータ6の出力トルクTrqもゼロになることがわかる。d軸電圧指令値をゼロ、q軸電圧指令値を非ゼロに設定してインバータ5を制御すると、モータ6には電流は流れるがトルクが出力されない状態を実現することができる。
上記の説明では、電気抵抗Rが角速度Wよりも十分に小さいことが条件であった。この条件は、モータ6の角速度Wが所定の下限角速度Wminよりも大きい場合に相当する。下限角速度Wminは、モータ6の性能に基づいて予め定められる。
角速度Wが下限角速度Wminよりも小さい場合には、d軸電圧指令値Vdcをゼロに設定するとともに、d軸電流Idが正値となるように、q軸電圧指令値を選定する。そうすることで、モータ6に電流は流れるが、出力トルクTrqを小さく抑えることができる。次にその理由を説明する。
dq空間におけるq軸と回転磁界(ステータが発生する磁界)との間の角度を電気位相角Beと称する。ステータが発生する磁界の強さはステータに流れる総電流に比例する。ステータに流れる総電流を記号Iaで表す。モータ6の出力トルクTrqは、電気位相角Beと総電流Iaを用いて、次の(数5)で表すことができる。なお、モータ6は、永久磁石埋込型同期モータ(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:IPMSM)である。
Figure 2022079256000006
(数5)の右辺第1項がマグネットトルクに相当し、右辺第2項がリラクタンストルクに相当する。電気位相角Beとモータ6の出力トルクTrqの関係を図4に示す。図4より、電気位相角Beが-90度の付近ではモータのトルクTrqはゼロに近く平坦であることがわかる。すなわち、電気位相角Beを-90度付近に保持することにより、電気位相角Beが変動してもモータのトルクをゼロ付近に抑えることができる。電気位相角Be、総電流Iaと、d軸電流Id、q軸電流Iqとの間には、(数6)の関係が知られている。
Figure 2022079256000007
電気位相角Beが-90度付近のとき、q軸電流Iqはゼロ付近となり、d軸電流Idは正値となる。逆に言えば、q軸電流をゼロ付近に保ち、d軸電流Idを正値に保つことができれば、電気位相角Beをー90度付近に保つことができ、モータの出力トルクをゼロ近くに保つことができる。
モータ6の角速度Wが所定の下限角速度Wminよりも低い状態でいずれか1個の電流センサ7が故障した場合、制御器20は、d軸電圧指令値Vdcをゼロに設定するとともにq軸電圧指令値を非ゼロに設定し、さらにd軸電流Idが正値となるようにインバータ5(モータ6)を制御する。そのようにインバータ5を制御することで、モータ6に電流が流れるが出力トルクを小さく抑えることができる。
q軸電圧Vqは(数3)で与えられるから、角速度Wが下限角速度Wminよりも小さい場合、制御器20は、d軸電圧指令値Vdcをゼロに設定するとともに、q軸電圧指令値Vqcを次の(数7)で設定するとよい。
Figure 2022079256000008
記号Ceは、所定の下限定数Cminよりも大きい正値の定数である。(数7)は先に示した(数1)と同じである。q軸電圧指令値Vqcを(数1)で与えることで、d軸電流Idを正値に保持することができ、その結果、モータ6に電流を流しつつ、出力トルクをゼロに抑える、あるいは、小さく抑えることができる。
制御器20は、ゼロトルク制御を実行しながら故障した電流センサを特定する。故障した電流センサを特定する処理は、次の通りである。以下の処理は、制御器20が実行する。
三相各相の電流Iu、Iv、Iwと、ステータに流れる総電流Iaとの間には、次の(数8)の関係が知られている。
Figure 2022079256000009
u相電流Iuは、Iu=-(Iv+Iw)で得られる。そこで、(数8)のu相電流Iuをv相電流Ivとw相電流Iwで表すと、(数9)が得られる。
Figure 2022079256000010
v相電流Ivをu相電流Iuとw相電流Iwで表しても(数9)と同様の式が得られる。w相電流Iwをu相電流Iuとv相電流Ivで表しても同様の式が得られる。また、ステータに流れる総電流Iaは、インバータ5の入力電流に等しい。インバータ5の入力電流は、電流センサ12で計測することができる。制御器20は、いずれか2個の電流センサ7の計測値から、残りの相(残り1個の電流センサに対応する相)の電流を推定する。2個の電流センサ7の計測値から得られた3相の電流の二乗和が、インバータ5への入力電流Iaの二乗の3/2に等しい場合、制御器20は2個の電流センサ7は正常であると判定する。一方、2個の電流センサ7の計測値から得られた3相の電流の二乗和が、入力電流Iaの二乗の3/2と異なる場合、制御器20は2個の電流センサ7の一方が故障していると判定する。
(数9)、および、これに同等の2個の式を用いることで、制御器20は、故障した電流センサを特定することができる。
制御器20は、故障した電流センサを特定できた後は、正常な2個の電流センサの計測値から、故障した電流センサに対応する相の電流を推定し、電流フィードバック制御を再始動する。
以上説明したように、制御器20は、3個の電流センサ7u、7v、7wの中から、故障した電流センサを特定する。故障した電流センサを特定する処理を概説すると以下の通りである。制御器20は、いずれか2個の電流センサの計測値から、残りの相の電流を推定する。制御器20は、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和を計算する。制御器20は、得られた二乗和が、インバータ5への入力電流の二乗の3/2に等しい場合に、2個の電流センサは正常であると判定する。制御器20は、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和が、インバータ5への入力電流の二乗の3/2と異なる場合に、2個の電流センサの一方が故障していると判定する。
制御器20は、3個の電流センサ7a、7v、7wの中から選択する2個の電流センサの異なる組み合わせのそれぞれに対する二乗和をインバータ5への入力電流の二乗の3/2と比較することで、故障した電流センサを特定する。故障した電流センサを特定する上記の処理は、通常制御を実施しているときでも行うことができる。
故障した電流センサを特定する別の処理を説明する。この処理は、3相の電流の二乗和とインバータ5への入力電流の二乗が比例関係にあることを利用する。また、この処理は、インバータ5への入力電流が経時的に変化する場合に有効である。以下では、説明を簡単にするため、便宜上、3相の電流の二乗和を単純に「二乗和」と称し、インバータ5への入力電流の二乗を単純に「入力電流の二乗」と称する。
入力電流が変化すると、当然に、入力電流の二乗も変化する。また、入力電流の二乗と3相の二乗和の間には比例関係がある。それゆえ、入力電流の経時変化と3相の二乗和との間にも所定の正の相関がある。制御器20は、いずれか2個の電流センサの計測値から、残りの相の電流を推定し、2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和を計算し、二乗和の経時変化の変化幅が、インバータ5への入力電流の経時変化から求められる所定の変化幅閾値を超えた場合に、2個の電流センサの一方が故障していると判定することができる。所定の変化幅閾値は、インバータ5への入力電流の二乗の経時変化の変化幅に所定のマージンを加えた値であることが望ましい。あるいは、所定の変化幅閾値は、インバータ5への入力電流の二乗の経時変化の変化幅に所定の安全率を乗じた値であってもよい。
上記した電流センサの故障判定を3個の電流センサ7u、7v、7wの中から選択する2個の電流センサの異なる組み合わせのそれぞれについて実施すれば、故障した電流センサを特定することができる。
故障した電流センサを特定するさらに別の処理を説明する。この処理は、d軸電圧Vdとq軸電圧Vqの二乗和がインバータ5に入力される電圧Vinの二乗に等しいことを利用する。なお、インバータ5に入力される電圧(入力電圧Vin)は、電圧センサ19で計測される。
制御器20は、3個の電流センサ7u、7v、7wのうちのいずれか2個の電流センサの計測値から、残りの相(残りの電流センサに対応する相)の電流を推定する。2個の電流センサの計測値から得られた3相の電流とモータ6のロータの電気角Aeからモータ6のd軸電流Idとq軸電流Iqを算出する。この算出には、前述したdq変換モジュール209が利用される。
制御器20は、算出したd軸電流Idとq軸電流Iqからd軸電圧Vdとq軸電圧Vqを算出する。この演算には、前述した(数2)、(数3)が用いられる。続いて制御器20は、算出したd軸電圧Vdとq軸電圧Vqの二乗和Vdq2(=Vd×Vd+Vq×Vq)を算出する。制御器20は、算出した二乗和Vdq2を、インバータ5への入力電圧Vinの二乗と比較する。二乗和Vdq2が入力電圧Vinの二乗に等しければ、制御器20は、二乗和Vdq2の算出に用いた2個の電流センサは正常であると判定する。二乗和Vdq2が入力電圧Vinの二乗と異なれば、制御器20は、二乗和Vdq2の算出に用いた2個の電流センサのうち一方が故障していると判定する。
二乗和Vdq2の経時変化に着目しても、2個の電流センサの一方が故障していることを検知することができる。すなわち、制御器20は、d軸電圧Vdとq軸電圧Vqの二乗和Vdq2の経時変化の変化幅が、インバータ5への入力電圧Vinの二乗の経時変化から求められる所定の変化幅閾値を超えた場合に2個の電流センサの一方が故障していると判定するようにしてもよい。
本明細書で説明した技術に関する留意点を述べる。本明細書では、「AとBが等しい」という表現を幾度か用いた。本明細書において、「AとBが等しい」とは、予め定められた所定の許容誤差の範囲でAとBが等しければよい。別言すれば、「AとBが等しい」とは、(B-許容誤差)≦A≦(B+許容誤差)が成立することを意味する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 :電気自動車
3 :電源
4 :コンデンサ
5 :インバータ
5a-5f :スイッチング素子
6 :モータ
7、7u、7v、7w:電流センサ
8 :角度センサ
11、19 :電圧センサ
12 :電流センサ
13 :車速センサ
14 :アクセルセンサ
20 :制御器
21 :中央演算装置(CPU)
22 :メモリ
31 :インストルメントパネル
201 :目標トルクモジュール
202 :指令電圧電流モジュール
203 :減算器
204 :フィードバック制御モジュール
205 :加算器
206 :逆dq変換モジュール
207 :PWM信号モジュール
208 :電流チェックモジュール
209 :dq変換モジュール
210 :ゼロトルク制御モジュール
211 :切替器

Claims (3)

  1. 走行用のモータと、
    前記モータに交流を供給するインバータと、
    前記インバータが出力する三相交流のそれぞれの相の電流を計測する3個の電流センサと、
    前記インバータを制御する制御器と、
    を備えており、
    前記制御器は、
    いずれか2個の前記電流センサの計測値から、残りの相の電流を推定し、
    2個の前記電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和が、前記インバータへの入力電流の二乗の3/2に等しい場合に、2個の前記電流センサは正常であると判定し、
    前記二乗和が前記入力電流の二乗の3/2と異なる場合に、2個の前記電流センサの一方が故障していると判定する、
    電気自動車。
  2. 走行用のモータと、
    前記モータに交流を供給するインバータと、
    前記インバータが出力する三相交流のそれぞれの相の電流を計測する3個の電流センサと、
    前記インバータを制御する制御器と、
    を備えており、
    前記制御器は、
    いずれか2個の前記電流センサの計測値から、残りの1個の相の電流を推定し、2個の前記電流センサの計測値から得られた3相の電流の二乗和を計算し、
    前記二乗和の経時変化の変化幅が、前記インバータへの入力電流の経時変化から求められる所定の変化幅閾値を超えた場合に2個の前記電流センサの一方が故障していると判定する、
    電気自動車。
  3. 前記制御器は、3個の前記電流センサの中から選択する2個の電流センサの異なる組み合わせのそれぞれに対する前記二乗和に基づいて故障した前記電流センサを特定し、
    特定した前記電流センサに対応する相の電流を残りの2個の前記電流センサの計測値から推定し、2個の前記電流センサの計測値から得られた3相の電流の値に基づいて前記インバータの制御を継続する、請求項1または2に記載の電気自動車。
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