JP2022078632A - 液体吐出装置および交換時期推測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な時期にフィルターを交換できる液体吐出装置および、液体吐出装置の制御方法を提供する。【解決手段】液体吐出装置11は、液体を吐出するように構成された吐出ヘッド13と、液体を吐出ヘッド13に供給するための供給流路15と、供給流路15の途中に交換可能に配置されたフィルター16と、取得部と、記憶部60と、制御部と、を備える。取得部は、液体吐出装置11の稼働情報と、フィルター16の上流と下流との圧力差を示す圧力差情報64と、を取得するように構成される。記憶部60は、稼働情報と圧力差情報64とを対応付けた教師データ161を用いて機械学習した学習済モデル165を記憶する。制御部は、フィルター16が交換された後に取得された稼働情報を学習済モデル165に入力して出力された値に基づいて、フィルター16の交換時期を推測するように構成される。【選択図】図1
Description
本開示は、液体吐出装置および交換時期推測方法に関する。
特許文献1は、記録ヘッドと、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給チューブと、インク供給チューブの途中に交換可能に配置されるフィルターと、フィルターの目詰まりの程度を判別する制御部とを備える液体噴射装置を開示している。
制御部は、高流量でインクが流れる場合にフィルターの上流と下流との圧力差があらかじめ設定された閾値を超えたと判断すると、フィルターの交換時期であると判定するように構成されている。そのため、低流量でインクが流れるような使用状況が続く液体噴射装置では、まだ使用を継続できる状態でもフィルター交換が必要となってしまうときがある。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出するように構成された吐出ヘッドと、前記液体を前記吐出ヘッドに供給するための供給流路と、前記供給流路の途中に交換可能に配置されたフィルターと、前記液体吐出装置の稼働情報と、前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報と、を取得するように構成された取得部と、前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルを記憶する記憶部と、前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を前記学習済モデルに入力して出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測するように構成される制御部と、を備える。
上記課題を解決する、液体吐出装置が備えるフィルターの交換時期推測方法において、前記液体吐出装置は液体を吐出する吐出ヘッドを有し、前記フィルターは、前記吐出ヘッドに供給される前記液体を濾過するように配置され、前記方法は、前記液体吐出装置の稼働情報を取得することと、前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報を取得することと、前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルに、前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を入力することと、前記学習済モデルから出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測することと、を含む。
以下、図面を参照して、液体吐出装置11、機械学習装置100、および交換時期推測方法の実施形態について説明する。液体吐出装置11は、例えば、媒体10に対して印刷を行うインクジェット式のプリンターである。媒体10は、例えば用紙である。
図1に示すように、液体吐出装置11は、吐出ヘッド13と、装着部14と、供給流路15と、フィルター16と、第1圧力センサー17と、第2圧力センサー18と、を備える。供給流路15は、液体を吐出ヘッド13に供給するために設けられる。吐出ヘッド13は、液体の吐出口である複数のノズル19を有する。吐出ヘッド13は、これらノズル19を通じて液体を吐出するように構成される。吐出ヘッド13が複数種類の液体を吐出する場合、液体吐出装置11は、液体の種類に対応するように、供給流路15、フィルター16、第1圧力センサー17、および第2圧力センサー18のセットを複数有する。
装着部14は1以上の液体収容体20を保持する。液体収容体20は、例えば液体を収容するタンク、カートリッジまたはパックである。液体収容体20は、装着部14に着脱可能に装着されてもよい。複数の液体収容体20は、異なる種類の液体、例えば色が異なるインクを収容してもよい。
液体吐出装置11は、加圧ポンプ21を備えてもよい。液体収容体20に収容された液体は、加圧ポンプ21の加圧力により、供給流路15を通じて吐出ヘッド13に供給される。液体収容体20内の液体は、吐出ヘッド13内の液体との水頭差によって吐出ヘッド13に流動するようにしてもよい。この場合、加圧ポンプ21は後述する加圧クリーニングを実行するように構成されてもよい。
フィルター16は、供給流路15の途中に交換可能に配置されている。供給流路15を流れる液体は、フィルター16によって濾過される。フィルター16は、目詰まりすると交換される。第1圧力センサー17は、装着部14とフィルター16との間で供給流路15内の液体の圧力を検出する。第2圧力センサー18は、フィルター16と吐出ヘッド13の間で供給流路15内の液体の圧力を検出する。
液体吐出装置11は、搬送機構30と、媒体10を支持可能な支持台31とを備えてもよい。搬送機構30は、媒体10を支持台31に向けて搬送するように構成される。媒体10は支持台31上で、吐出ヘッド13が吐出した液滴を受容する。
液体吐出装置11は、メンテナンス装置40を備えてもよい。メンテナンス装置40は、例えば、キャップ41、吸引チューブ42、および吸引機構43を備える。キャップ41は、支持台31から離れたホームポジションにおいて、複数のノズル19が開口する閉空間44を画定する。吸引チューブ42は、キャップ41に接続される第1端と、吸引機構43に接続される第2端とを有する。吸引機構43は、吸引チューブ42を通じてキャップ41内または閉空間44内を吸引するように構成される。
吸引機構43の吸引力によってノズル19を通じて吐出ヘッド13内の液体を吸引する動作を吸引クリーニングという。吸引クリーニングは、吸引力が相対的に強い強クリーニングと、吸引力が強クリーニングよりも弱い弱クリーニングとを含む。さらに、加圧ポンプ21の加圧力によりノズル19内の液体を排出する動作を加圧クリーニングという。これらクリーニング動作は、ノズル19の目詰まりを予防または解消するためのメンテナンス動作である。クリーニング動作により、液体に含まれる気泡または異物が排出される。メンテナンス動作には、ノズル19からキャップ41に向けて液体を吐出するフラッシングが含まれる。
液体吐出装置11は、処理回路50、記憶部60、通信部52、操作部53、温度センサー54、および計時部55を備えてもよい。記憶部60は、例えば、RAM及びROMのような不揮発性のメモリーを含む。液体吐出装置11には、各種のリムーバブルメモリーが装着されてもよい。温度センサー54は、フィルター16が配置された環境の温度を検知するように構成される。一般的に、環境温度が下がると液体の粘度が高くなり、液体の粘度が高いとフィルター16は目詰まりしやすくなる。
処理回路50は、計時部55から現在日時を取得することができる。記憶部60は、各種プログラムおよびプロフラムを実行する際に使用される情報、例えば各種の閾値を記憶する。処理回路50は、本開示に係るソフトウェア処理を実行するように構成される。処理回路50は、ソフトウェア処理の少なくとも一部を処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、ソフトウェア処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路(processing circuitry)によって実行されればよい。
通信部52は、各種のリムーバブルメモリーおよび通信インターフェース回路を含んでもよい。通信インターフェース回路は、有線または無線で液体吐出装置11に接続された他の装置200と各種の通信プロトコルに従って通信するように構成される。処理回路50は、通信部52を介して、機械学習装置100と通信するように構成される。処理回路50は、通信部52を介して、他の装置200(例えば、使用者のコンピューター)から印刷用のデータである印刷ジョブを取得することができる。
操作部53は、例えば、タッチパネル式のディスプレイ、キー、ボタン、またはスイッチを含む。処理回路50は、操作部53を介して使用者の操作内容を取得することができる。処理回路50は、操作部53のディスプレイに各種の情報を表示することができる。
処理回路50は、通信部52または操作部53を通じた指示に基づいて、液体を吐出する。より詳細には、搬送機構30に媒体10を搬送させ、その媒体10に対して吐出ヘッド13から液滴を吐出させる。これにより、液体吐出装置11がプリンターである場合には、印刷が行われる。
処理回路50は、記憶部60に記憶されたプログラムに基づいて、メンテナンス処理を実行する。より詳細には、処理回路50は、キャップ41および吸引機構43を駆動させて吸引クリーニングを行い、また、加圧ポンプ21を駆動させて加圧クリーニングを行う。
処理回路50は、液体吐出装置11の第1稼働情報61として、特定の動作の履歴を記憶部60に記憶する。すなわち、処理回路50は、特定の動作を行ったことを、その動作を行った日時と対応付けて記憶部60に記憶する。動作を行った日時は、計時部55から取得することができる。
特定の動作には、液体の消費を伴う動作およびフィルター16の交換が含まれる。液体の消費を伴う動作には、液体の吐出(液体吐出装置11がプリンターの場合、印刷)および各種クリーニング動作が含まれる。よって、第1稼働情報61は、吐出ヘッド13から液体を排出するクリーニング動作の履歴を含む。
処理回路50は、液体の消費を伴う動作を行った場合には、第2稼働情報62として、その消費動作により吐出ヘッド13を通じて流出した液体の総量Qaに関する情報を併せて記憶部60に記憶する。例えば、クリーニングまたはフラッシングを行った場合、処理回路50は、その動作で消費された液体の消費量Qcを、その動作を行った日時と対応付けて、記憶部60に記憶する。消費量Qcは、吐出ヘッド13から排出された液体の総量に関する情報である。
各種クリーニングにおける1回当たりの液体の消費量は、予め記憶部60に記憶させておいてもよい。1回の強クリーニング、弱クリーニング、または加圧クリーニングでの液体の消費量は、例えば、それぞれQ1,Q2,Q3(Q1>Q2>Q3)である。
液体吐出装置11がプリンターの場合、処理回路50は、印刷動作の都度、その印刷での液体の単位時間当たりの吐出量Qsおよびその吐出の継続時間Tnを、その印刷を行った日時と対応付けて、記憶部60に記憶してもよい。よって、第2稼働情報62は、吐出ヘッド13の単位時間当たりの液体の吐出量Qsの経時変化に関する情報を含む。処理回路50は、吐出量Qs(g/秒)に継続時間Tn(秒)を乗じて、その印刷での液体の消費量Qp(g)を算出してもよい。
処理回路50は、印刷データおよび印刷モードから液体の吐出量Qs(g/秒)および継続時間Tn(秒)を算出してもよい。処理回路50は、算出した吐出量Qsおよびその継続時間Tnに基づいて、例えば、1パスの印刷毎、1枚の媒体10毎、または、1回の印刷ジョブ毎に消費量Qp算出してもよい。
吐出量Qsおよび継続時間Tnは、対応する印刷データの印刷デューティー値に応じて変化する。印刷デューティー値は、媒体10において単位面積当たりに印刷される(液体を受容する)面積の比率(%)を示す。印刷デューティー値が高いほど、消費量Qpは多くなる。例えば、媒体10の印刷領域全体に隙間なく液体を吐出する場合には、印刷領域に余白が多い場合に比べて、多くの液体を消費する。
吐出量Qsおよび継続時間Tnは、印刷モードに応じても変化する。例えば、印刷品質よりも印刷速度を優先する高速印刷モードでは、印刷速度よりも印刷品質を優先する低速印刷モードに比べて消費量Qpが多い。各クリーニング時に流動する液体の量Q1,Q2,Q3は、いずれも、印刷デューティー値に換算すると100%を超える。
処理回路50は、フィルター16が交換されると、次にフィルター16が交換されるまで、対応する吐出ヘッド13で消費された液体の消費量Qc,Qpを積算する。これにより、処理回路50は、あるフィルター16が装着されてから、そのフィルター16を通過した液体の総量Qaを算出する。
総量Qaは、消費量Qc,Qpの積算値である。総量Qa、吐出量Qs、継続時間Tn、および消費量Qc,Qpは、いずれも第2稼働情報62であり、吐出ヘッド13から排出された液体の総量に関する情報でもある。
処理回路50は、第3稼働情報63として、温度センサー54が検知した温度Tqを、その温度Tqを検知した日時と対応付けて記憶部60に記憶する。言い換えると、第3稼働情報63は、フィルター16が配置された環境の温度Tqに関する情報を含む。処理回路50は、液体吐出装置11の稼働情報61~63を取得するように構成された取得部である。
処理回路50は、第1圧力センサー17が検出したフィルター16より上流の圧力P1と、第2圧力センサー18が検出したフィルター16より下流の圧力P2との差分である圧力差Pdを所定の間隔で算出する。処理回路50は、フィルター16の上流と下流との圧力差Pdを示す圧力差情報を取得するように構成された取得部である。
圧力差Pdはフィルター16の圧力損失に相当する。フィルター16は使用するにつれて、目詰まりしていく。そのため、概して、総量Qaが増加するにつれて圧力差Pdは大きくなっていく。処理回路50は、圧力差Pdの情報を、圧力P1,P2を検知した日時と対応付けて記憶部60に記憶する。この検知日時と対応付けられた圧力差Pdの情報を、以下では圧力差情報64という。
総量Qa、吐出量Qs、継続時間Tn、消費量Qc,Qp、および温度Tq、並びに、これら値に基づいて算出されるその他の値のうち、少なくともいずれかは、機械学習モデルの入力データとして利用されてよい。これら値は、フィルター16の交換時期の推測のために利用される。
フィルター16が目詰まりして、吐出ヘッド13は液体を適切に吐出することができなくなる圧力差Pdが交換閾値Pcである。圧力差Pdが交換閾値Pcに達する時期を交換時期Tcという。フィルター16の交換は、使用者または専門のサービスマンによって行われるが、交換の際には、新しいフィルター16を用意する必要がある。そのため、液体吐出装置11は、フィルター16の交換時期が近づいたことを、例えばディスプレイへ表示することにより、使用者に通知してもよい。
機械学習装置100は、処理回路150、記憶媒体160、および通信部152を備える。機械学習装置100は、液体吐出装置11に搭載されてもよい。記憶媒体160は、例えば、RAM及びROMのような不揮発性のメモリーを含む。記憶媒体160は、各種プログラムおよびプロフラムを実行する際に使用される情報、例えば各種の閾値を記憶する。処理回路150は、例えばCPU、GPU、または機械学習用に設計された各種のプロセッサーを備え、記憶媒体160に記録された図示しない機械学習プログラムを実行することにより、機械学習に関連した機能を実行するように構成される。
処理回路150は、ソフトウェア処理の少なくとも一部を処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、ソフトウェア処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路(processing circuitry)によって実行されればよい。
機械学習装置100は、液体吐出装置11から稼働情報61~63および圧力差情報64を取得し、それら情報61~64に基づいて教師データ161を蓄積する。機械学習装置100は、蓄積した教師データ161に基づいて機械学習を行う。機械学習装置100は、機械学習の結果、適切な稼働情報に基づいて圧力差情報、すなわちフィルター16の交換時期を推測するための学習済モデル165を構築する。
次に、学習済モデル165の構築について説明する。
処理回路50は、例えば、新品のフィルター16に交換された後、そのフィルター16が目詰まりして、別のフィルター16に交換されるまでの期間、情報61~64を取得する。処理回路50は、取得した情報61~64を機械学習装置100に送信する。機械学習装置100の処理回路150は、受信した情報61~64を記憶媒体160に記憶する。処理回路50は、受信した情報を教師データ161とテストデータ163に分割してもよい。
処理回路50は、例えば、新品のフィルター16に交換された後、そのフィルター16が目詰まりして、別のフィルター16に交換されるまでの期間、情報61~64を取得する。処理回路50は、取得した情報61~64を機械学習装置100に送信する。機械学習装置100の処理回路150は、受信した情報61~64を記憶媒体160に記憶する。処理回路50は、受信した情報を教師データ161とテストデータ163に分割してもよい。
教師データ161が既定量蓄積されると、処理回路50は、教師データ161を用いて機械学習処理を実行する。機械学習処理は、既定量の教師データ161が蓄積された後、任意のタイミングで実行されてよい。
図2に示すように、機械学習処理が開始されると、処理回路150は、訓練モデル164を取得する(ステップS100)。訓練モデル164は、予め決定されていてもよいし、機械学習装置100を操作するオペレーターが、機械学習装置100が備える操作部(不図示)を操作して入力することによって取得されてもよい。
モデルとは、推定対象のデータと推定結果のデータとの対応関係を導出する式を示す情報である。本実施形態のモデルは回帰モデルであり、1以上の入力変数xから、出力変数yとして、フィルター16の上流と下流との圧力差Prを出力する。入力変数xは、例えば、吐出量Qs、継続時間Tn、消費量Qc、または温度Tqのうち少なくとも2つであってもよい。
入力変数xとして選択するのは、稼働情報61~63のうち、出力変数yである圧力差Prの特徴となる特徴量のみでよい。モデルの構築にあたっては、圧力差Prの予測により強い関連のある特徴を選択すればよい。入力変数xとする情報のデータに対して、データのとり得る範囲をそろえるスケール変換処理をしてもよい。
訓練とは、学習対象であることを示す。訓練モデル164に選択された稼働情報を入力すると、圧力差Prを出力するが、稼働情報と圧力差Prとの対応関係は初期において正確ではない。訓練モデル164においては、ノードが構成する層の数およびノードの数は決められるが、入出力の関係を規定するパラメーター(たとえば、重みまたはバイアス)は最適化されていない。これらのパラメーターは、機械学習の過程で最適化される(すなわち、訓練される)。
次に、処理回路150は記憶媒体160から教師データ161を取得する(ステップS105)。続いて、処理回路150はテストデータ163を取得する(ステップS110)。テストデータ163は訓練には利用されない。
次に、処理回路150は、初期値を決定する(ステップS115)。より詳細には、処理回路150は、ステップS100で取得した訓練モデル164のうち、可変のパラメーターに対して初期値を与える。初期値は、種々の手法で決定されてよい。例えば、ランダム値または0等を初期値とすることができ、重みとバイアスとで異なる思想で初期値が決定されてもよい。あるいは、学習の過程でパラメーターが最適化されるように初期値が調整されてもよい。
次に、処理回路150は、学習を行う(ステップS120)。すなわち、処理回路150は、ステップS100で取得した訓練モデル164にステップS105で取得した教師データ161を入力し、出力値である圧力差Prを計算する。また、処理回路150は、出力された圧力差Prと教師データ161に含まれる圧力差Pdとの誤差を示す損失関数によって誤差を特定する。そして、処理回路150は、損失関数のパラメーターによる微分に基づいてパラメーターを更新する処理を既定回数繰り返す。
損失関数は、種々の関数を採用可能であり、例えば、交差エントロピー誤差などを採用可能である。以上のような損失関数を算出する処理は、教師データ161に含まれる情報の全てまたは一部について実施され、その平均または総和によって1回の学習における損失関数が表現される。1回の学習における損失関数が得られたら、処理回路150は、既定の最適化アルゴリズム、例えば、確率的勾配降下法によってパラメーターを更新する。
以上のようにして、既定回数のパラメーターの更新が行われると、処理回路150は、訓練モデル164の汎化が完了したか否かを判定する(ステップS125)。すなわち、処理回路150は、ステップS110で取得したテストデータ163に含まれる稼働情報を訓練モデル164に入力して、出力値として圧力差Prを取得する。そして、処理回路150は、出力された圧力差Prと、テストデータ163に含まれる圧力差Pdとが一致している度合いを取得する。処理回路150は、当該一致している度合いが汎化閾値以上である場合に汎化が完了したと判定してもよい。
汎化性能の評価に加え、ハイパーパラメーターの妥当性の検証が行われてもよい。すなわち、重みとバイアス以外の可変量であるハイパーパラメーター、例えば、ノードの数がチューニングされる構成において、処理回路150は、検証データに基づいてハイパーパラメーターの妥当性を検証してもよい。検証データは、受信した情報61~64から分割されてもよい。検証データもテストデータ163と同様に、訓練には使用されない。
ステップS125において、訓練モデル164の汎化が完了したと判定されない場合、処理回路150は、ステップS120を繰り返す。すなわち、さらに重みおよびバイアスを更新する。ステップS125において、訓練モデル164の汎化が完了したと判定された場合、処理回路150は、学習済モデル165を記録する(ステップS130)。より詳細には、処理回路150は、汎化が完了した訓練モデル164を学習済モデル165として記憶媒体160に記録する。
処理回路150は、通信部152を介して学習済モデル165を液体吐出装置11に送信する。液体吐出装置11の処理回路50は、通信部52を介して学習済モデル165を受信すると、その学習済モデル165を記憶部60に記憶させる。これにより、記憶部60は、稼働情報と圧力差情報とを対応付けた教師データ161を用いて機械学習した学習済モデル165を記憶する。
次に、図3を参照して、処理回路50が行うフィルター16の交換時期推測方法および時期交換通知処理について説明する。処理回路50は、フィルター16が交換された場合に、交換時期通知処理を開始する。
図3および図4に示すように、処理回路50は、センサー17,18の検出値に基づいて算出された圧力差Pdが開始閾値Psを超えたか否かを判定する(ステップS210)。開始閾値Psは、交換閾値Pcよりも十分に小さい値である(Ps<Pc)。
ステップS210において、圧力差Pdが開始閾値Psを超えたと判定されない場合、処理回路50は、ステップS210の処理を繰り返す。ステップS210において、圧力差Pdが開始閾値Psを超えたと判定された場合、処理回路50は、現在使用しているフィルター16が装着されてから現在までの稼働情報を記憶部60から取得する(ステップS215)。ここで取得する稼働情報は、稼働情報61~63のうち、学習済モデル165を構築する際に、入力変数xとして採用した情報である。例えば、入力変数xとして温度Tqを採用しなかった場合、処理回路50は、ステップS215で稼働情報61,62を取得すればよい。
次に、処理回路50は、取得した稼働情報を学習済モデル165に入力する(ステップS220)。そして、処理回路50は、学習済モデル165の出力結果を取得して、記憶部60に記憶する。より詳細には、圧力差Pdが交換閾値Pcを超える交換時期Tcの推測結果を取得する(ステップS225)。ステップS210~S225がフィルター16の交換時期推測方法に相当する。
次に、処理回路50は、取得した交換時期Tcと現在Tpとの差が予め決められた通知閾値T1(例えば、7日)未満であるか否かを判定する(ステップS230)。ステップS230において差が通知閾値T1未満でないと判定された場合、処理回路50は、ステップS230の処理を繰り返す。ステップS230において差が通知閾値T1未満であると判定された場合、処理回路50は、交換時期Tcに関連する通知をする(ステップS235)。
例えば、処理回路50は、推測された交換時期Tcを操作部53のディスプレイを介して液体吐出装置11の使用者に通知する。このとき、処理回路50は、例えば、交換用の新しいフィルター16の手配を促すメッセージ、または、交換作業を行うサービスマンの手配を促すメッセージを併せて表示してもよい。
例えば、処理回路50は、フィルター16が交換されたか否かを判定する(ステップS240)ステップS240においてフィルター16が交換されたと判定された場合、処理回路50は、処理を終了する。ステップS240においてフィルター16が交換されたと判定されない場合、処理回路50は、ステップS245に進む。
ステップS245において、処理回路50は、交換時期Tcと現在Tpとの差が予め決められた停止閾値T2(例えば、5時間)未満であるか否かを判定する。停止閾値T2は、通知閾値T1より小さい値である(T2<T1)。ステップS245において交換時期Tcと現在Tpとの差が停止閾値T2未満でないと判定された場合、処理回路50は、ステップS245を繰り返す。ステップS245において交換時期Tcと現在Tpとの差が停止閾値T2未満であると判定された場合、処理回路50は、吐出ヘッド13を停止する(ステップS250)。
そして、処理回路50は、エラーの発生を通知して(ステップS255)、処理を終了する。ステップS255において、処理回路50は、例えば、フィルター16の交換時期であることを知らせるメッセージ、または、交換作業を行うサービスマンの手配を促すメッセージを併せて表示してもよい。ステップS255は、ステップS250の前、またはステップS250と同時に行ってもよい。
ステップS235,S255では、処理回路50が、関連する通知を、液体吐出装置11に印刷ジョブを送信した他の装置200、または使用者が有する携帯端末またはタブレット端末に送信してもよい。あるいは、処理回路50は、液体吐出装置11と通信可能なサポートセンターのサーバーコンピューターに通知してもよい。サポートセンターに通知される場合、液体吐出装置11の使用者は、交換部品またはサービスマンの手配を能動的に行う必要がない。そのため、使用者の手間を軽減することができる。処理回路50は、通知の際に、液体吐出装置11の型式、交換部品の種類、または保守作業の内容を併せて通知してもよい。
このように、処理回路50は、フィルター16が交換された後に取得された稼働情報を学習済モデル165に入力して出力された圧力差Prに基づいて、フィルター16の交換時期を推測するように構成される制御部である。
次に、図4を参照して、本実施形態の作用を説明する。図4は、フィルター16が交換されてから交換時期Tcに至るまでの、フィルター16の上流と下流との圧力差Pの経時変化を模式的に示す。
図4に示すように、フィルター16の上流と下流との圧力差Pdは、このフィルター16を通る液体の量が増えるにつれて増加していく。これは、フィルター16にトラップされる異物が増えて、目詰まりしていくためである。圧力差Pdが交換閾値Pcに達するまでの期間は、フィルター16を通過した液体の総量によって一律に決まるのではなく、その液体吐出装置11の稼働状況によって変動し得る。
液体吐出装置11は、同液体吐出装置11の稼働情報を教師データ161として構築した学習済モデル165に、同液体吐出装置11の稼働情報を入力して、圧力差Prを予測する。処理回路50は、予測された圧力差Prの経時変化に基づいて、交換時期Tcを推測する。そして、処理回路50は、推測された交換時期Tcと現在Tpとの差が予め決められた通知閾値T1未満となった場合に、交換時期に関連する通知をするように構成される。また、処理回路50は、推測された交換時期Tcと現在Tpとの差が予め決められた停止閾値T2未満となった場合に、吐出ヘッド13の駆動を停止するように構成される。
ただし、処理回路50は、推測された交換時期Tcと現在Tpとの差分が停止閾値T2未満となった場合であっても、特定の印刷ジョブについては、吐出ヘッド13を停止させず、液体の吐出を許容するように構成してもよい。特定の印刷ジョブには、例えば、吐出の継続時間Tnが予め定められた猶予時間Tdより短い印刷ジョブが含まれる。猶予時間Tdは、例えば5秒である。これは、このように継続時間Tnが短い印刷ジョブであれば、フィルター16の目詰まりに起因する吐出不良が生じにくいためである。
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)個々の液体吐出装置11の稼働情報に応じて、より正確に交換時期Tcを推測することができる。これにより、適切にフィルター交換の準備を行うことができるので、液体吐出装置11のダウンタイムを短縮できる可能性を高めることができる。
(1)個々の液体吐出装置11の稼働情報に応じて、より正確に交換時期Tcを推測することができる。これにより、適切にフィルター交換の準備を行うことができるので、液体吐出装置11のダウンタイムを短縮できる可能性を高めることができる。
(2)回帰モデルの入力変数として、クリーニング動作の履歴、単位時間当たりの液体の吐出量、その吐出継続時間、液体の吐出量の経時変化、または環境温度のうち何れか1以上を用いることにより、個々の液体吐出装置11の特性をより適切に反映して、正確に交換時期Tcを推測することができる。
(3)交換時期に関連する通知を行うことにより、使用者またはサービスマンは、時間に余裕を持ってフィルター交換の準備を行うことができる。
(4)交換時期Tcと現在Tpとの差が停止閾値T2未満になった場合に吐出ヘッド13を停止することにより、液体の吐出不良の発生を抑制することができる。
(4)交換時期Tcと現在Tpとの差が停止閾値T2未満になった場合に吐出ヘッド13を停止することにより、液体の吐出不良の発生を抑制することができる。
上記の実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。また、それらの実施形態に含まれる構成と下記変更例に含まれる構成とを任意に組み合わせてもよいし、下記変更例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・機械学習装置100は、例えば、同じ型式の複数の液体吐出装置から各液体吐出装置固有の情報を取得して教師データを蓄積し、その教師データを用いて機械学習した結果生成された学習済モデルを同じ型式の複数の液体吐出装置に配布するように構成されてもよい。
・機械学習の手法は、種々の手法であってよい。すなわち、液体吐出装置情報を入力し、圧力差Prを出力するモデルを構築し、当該モデルによる出力と教師データにおけるPdとの差分を極小化する学習を行うことができればよい。従って、例えばニューラルネットワークによる機械学習が行われる場合、モデルを構成する層の数やノードの数、活性化関数の種類、損失関数の種類、勾配降下法の種類、勾配降下法の最適化アルゴリズムの種類、ミニバッチ学習の有無やバッチの数、学習率、初期値、過学習抑制手法の種類や有無、畳み込み層の有無、畳み込み演算におけるフィルターのサイズ、フィルターの種類、パディングやストライドの種類、プーリング層の種類や有無、全結合層の有無、再帰的な構造の有無など、種々の要素を適宜選択して機械学習が行われればよい。むろん、他の機械学習、例えば、サポートベクターマシン、クラスタリング、または強化学習によって学習が行われてもよい。さらに、モデルの構造(例えば、層の数や層毎のノードの数等)が自動的に最適化される機械学習が行われてもよい。さらに、学習は複数段階に分割されて実行されてもよい。
さらに、フィルターの交換時期を推測する手法は、液体吐出装置11および機械学習装置100を備えるシステム、または上記処理を実行するプログラムとしても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置が備える部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリーであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を吐出する液体吐出装置11であってもよい。液体吐出装置11から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置11から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置11の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置11は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置11は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置11は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)液体吐出装置は、液体を吐出するように構成された吐出ヘッドと、前記液体を前記吐出ヘッドに供給するための供給流路と、前記供給流路の途中に交換可能に配置されたフィルターと、前記液体吐出装置の稼働情報と、前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報と、を取得するように構成された取得部と、前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルを記憶する記憶部と、前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を前記学習済モデルに入力して出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測するように構成される制御部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
(A)液体吐出装置は、液体を吐出するように構成された吐出ヘッドと、前記液体を前記吐出ヘッドに供給するための供給流路と、前記供給流路の途中に交換可能に配置されたフィルターと、前記液体吐出装置の稼働情報と、前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報と、を取得するように構成された取得部と、前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルを記憶する記憶部と、前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を前記学習済モデルに入力して出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測するように構成される制御部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
この液体吐出装置によれば、その液体吐出装置の稼働情報を教師データとして構築した学習済モデルを用いてフィルターの交換時期を推測することができる。したがって、個々の液体吐出装置の稼働状況に応じて、適切な時期にフィルターを交換することができる。
(B)液体吐出装置において、前記稼働情報は、前記吐出ヘッドを通じて流出した前記液体の総量に関する情報を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、吐出ヘッドを通じて流出した液体の総量を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
この液体吐出装置によれば、吐出ヘッドを通じて流出した液体の総量を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
(C)液体吐出装置において、前記稼働情報は、前記吐出ヘッドから前記液体を排出するクリーニング動作の履歴を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、クリーニング動作に伴う液体の消費量を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
この液体吐出装置によれば、クリーニング動作に伴う液体の消費量を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
(D)液体吐出装置において、前記稼働情報は、前記フィルターが交換された後の、前記吐出ヘッドの単位時間当たりの前記液体の吐出量に関する情報を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、単位時間当たりの液体の吐出量を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
この液体吐出装置によれば、単位時間当たりの液体の吐出量を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
(E)液体吐出装置において、前記稼働情報は、前記吐出ヘッドからの前記液体の吐出継続時間に関する情報を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、液体の吐出継続時間を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
この液体吐出装置によれば、液体の吐出継続時間を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
(F)液体吐出装置において、前記稼働情報は、前記吐出ヘッドの単位時間当たりの液体の吐出量の経時変化に関する情報を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、吐出ヘッドの単位時間当たりの液体の吐出量の経時変化を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
この液体吐出装置によれば、吐出ヘッドの単位時間当たりの液体の吐出量の経時変化を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
(G)液体吐出装置において、前記稼働情報は、温度センサーにより検知された、前記フィルターが配置された環境の温度に関する情報を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、フィルターが配置された環境の温度を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
この液体吐出装置によれば、フィルターが配置された環境の温度を考慮して、フィルターの交換時期を推測することができる。
(H)液体吐出装置において、前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が通知閾値未満となった場合に、前記交換時期に関連する通知を行うように構成されてもよい。
この液体吐出装置によれば、通知により使用者にフィルター交換の準備を促すことができる。
(I)液体吐出装置において、前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が前記通知閾値よりも小さい停止閾値未満となった場合に、前記吐出ヘッドの稼働を停止するように構成されてもよい。
(I)液体吐出装置において、前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が前記通知閾値よりも小さい停止閾値未満となった場合に、前記吐出ヘッドの稼働を停止するように構成されてもよい。
この液体吐出装置によれば、フィルターの目詰まりによる液体の吐出不良の発生を抑制することができる。
(J)液体吐出装置において、前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が前記停止閾値未満となった場合であっても、前記吐出ヘッドからの前記液体の吐出継続時間が、予め定められた猶予時間より短い場合には、前記吐出ヘッドの稼働を停止させることなく、前記液体の吐出を許容するように構成されてもよい。
(J)液体吐出装置において、前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が前記停止閾値未満となった場合であっても、前記吐出ヘッドからの前記液体の吐出継続時間が、予め定められた猶予時間より短い場合には、前記吐出ヘッドの稼働を停止させることなく、前記液体の吐出を許容するように構成されてもよい。
この液体吐出装置によれば、フィルターの目詰まりによる液体の吐出不良の発生を抑制しつつ、液体の吐出を行うことができる。
(K)液体吐出装置が備えるフィルターの交換時期推測方法であって、前記液体吐出装置は液体を吐出する吐出ヘッドを有し、前記フィルターは、前記吐出ヘッドに供給される前記液体を濾過するように配置される。前記方法は、前記液体吐出装置の稼働情報を取得することと、前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報を取得することと、前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルに、前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を入力することと、前記学習済モデルから出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測することと、を含む。
(K)液体吐出装置が備えるフィルターの交換時期推測方法であって、前記液体吐出装置は液体を吐出する吐出ヘッドを有し、前記フィルターは、前記吐出ヘッドに供給される前記液体を濾過するように配置される。前記方法は、前記液体吐出装置の稼働情報を取得することと、前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報を取得することと、前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルに、前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を入力することと、前記学習済モデルから出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測することと、を含む。
この方法によれば、上記液体吐出装置と同様の効果を奏することができる。
10…媒体、11…液体吐出装置、13…吐出ヘッド、14…装着部、15…供給流路、16…フィルター、17…第1圧力センサー、18…第2圧力センサー、19…ノズル、20…液体収容体、21…加圧ポンプ、30…搬送機構、31…支持台、40…メンテナンス装置、41…キャップ、42…吸引チューブ、43…吸引機構、44…閉空間、50…処理回路、52…通信部、53…操作部、54…温度センサー、55…計時部、60…記憶部、61~63…稼働情報、64…圧力差情報、100…機械学習装置、150…処理回路、152…通信部、160…記憶媒体、161…教師データ、163…テストデータ、164…訓練モデル、165…学習済モデル、Pc…交換閾値、Pd…圧力差、Pr…圧力差、Ps…開始閾値、Qa…総量、Qs…吐出量、T1…通知閾値、T2…停止閾値、Tc…交換時期、Td…猶予時間、Tn…継続時間、Tq…温度。
Claims (11)
- 液体吐出装置であって、
液体を吐出するように構成された吐出ヘッドと、
前記液体を前記吐出ヘッドに供給するための供給流路と、
前記供給流路の途中に交換可能に配置されたフィルターと、
前記液体吐出装置の稼働情報と、前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報と、を取得するように構成された取得部と、
前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルを記憶する記憶部と、
前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を前記学習済モデルに入力して出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測するように構成される制御部と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記稼働情報は、前記吐出ヘッドを通じて流出した前記液体の総量に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記稼働情報は、前記吐出ヘッドから前記液体を排出するクリーニング動作の履歴を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。 - 前記稼働情報は、前記フィルターが交換された後の、前記吐出ヘッドの単位時間当たりの前記液体の吐出量に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記稼働情報は、前記吐出ヘッドからの前記液体の吐出継続時間に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。 - 前記稼働情報は、前記吐出ヘッドの単位時間当たりの液体の吐出量の経時変化に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記稼働情報は、温度センサーにより検知された、前記フィルターが配置された環境の温度に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が通知閾値未満となった場合に、前記交換時期に関連する通知を行うように構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が前記通知閾値よりも小さい停止閾値未満となった場合に、前記吐出ヘッドの稼働を停止するように構成される
ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。 - 前記制御部は、推測された前記交換時期と現在との差が前記停止閾値未満となった場合であっても、前記吐出ヘッドからの前記液体の吐出継続時間が、予め定められた猶予時間より短い場合には、前記吐出ヘッドの稼働を停止させることなく、前記液体の吐出を許容するように構成される
ことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。 - 液体吐出装置が備えるフィルターの交換時期推測方法であって、
前記液体吐出装置は液体を吐出する吐出ヘッドを有し、
前記フィルターは、前記吐出ヘッドに供給される前記液体を濾過するように配置され、
前記方法は、
前記液体吐出装置の稼働情報を取得することと、
前記フィルターの上流と下流との圧力差を示す圧力差情報を取得することと、
前記稼働情報と前記圧力差情報とを対応付けた教師データを用いて機械学習した学習済モデルに、前記フィルターが交換された後に取得された前記稼働情報を入力することと、
前記学習済モデルから出力された値に基づいて、前記フィルターの交換時期を推測することと、
を含むことを特徴とする、交換時期推測方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020189452A JP2022078632A (ja) | 2020-11-13 | 2020-11-13 | 液体吐出装置および交換時期推測方法 |
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JP2020189452A Pending JP2022078632A (ja) | 2020-11-13 | 2020-11-13 | 液体吐出装置および交換時期推測方法 |
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- 2020-11-13 JP JP2020189452A patent/JP2022078632A/ja active Pending
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